C:\Users\██████\Documents\Investigating Objects\

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Neutralized Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは電波の波長に問わず完全に遮蔽できるよう特殊加工がなされた、5×5×2.5mの電波暗室内に配置された、10×10×10cmの同じく特殊加工がなされた電波暗箱に収容されています。SCP-XXX-JP収容房内への電子機器の持ち込みは一切禁じられています。
実験の際に発生したSCP-XXX-JP-bは低危険度物品保管庫に保管してください。SCP-XXX-JPと同様のプロトコルを用いた収容房に収容してください。
SCP-XXX-JPの特異性に類似する事件の発生が確認された場合は、即座に機動部隊("")が対応に向かいます。

説明: SCP-XXX-JPは25×15×5mmのバゲットカット(棒状)にされた虹色のトルマリン(電気石)です。

SCP-XXX-JPは30kHz~30GHzの電波を受けるとその電波を吸収し、その1秒後に吸収した電波と同じ周波数の電波を放出します。

SCP-XXX-JPより放出された電波を受信した電子機器は物理的に破壊されるまで、全ての出力装置を用いて人間が認識できる範囲で、音声や映像を出力し続けます。以降、SCP-XXX-JPの影響を受けた電子機器をSCP-XXX-JP-aと呼称します。

SCP-XXX-JP-aより出力された情報を認識した人間(以後、曝露者と呼称)は、自分以外の人間をSCP-XXX-JP-aの影響を受けるように誘導するようになり、誘導し曝露者を増やす度に手足などの末端や表皮から徐々にケイ酸塩鉱物、特にトルマリンに分類される鉱物に変質していきます。変質による筋肉や関節の硬化や脳や心臓の停止は曝露者の活動に支障をきたすことはなく、曝露者自身やSCP-XXX-JPの特異性を知らない存在からはその変質を認識することが出来ないと考えられています。
ですが、曝露者がある程度の回数誘導に成功すると変質の度合いに関わらず、肉体の全てが完全にケイ酸塩鉱物に変質し、それと共に活動も停止します。
完全に変質が終わった曝露者の肉体は1時間前後で粒子状に崩壊し、SCP-XXX-JPと全く同じ形状とサイズの透明なトルマリンだけが残ります。このトルマリンはSCP-XXX-JPのような特異性は一切示さず、通常のトルマリンと全く同じですが、今後特異性が発現する可能性も十分にあるため、SCP-XXX-JP-bと呼称し、低危険度物品保管庫内に計8個が保管されています。
曝露者はSCP-XXX-JP-aの影響範囲外に居る状態で、誘導に一回も成功しないまま数時間が過ぎた時点で、SCP-XXX-JP-aの影響から脱することが出来ますが、何度も繰り返すうちに脱しにくくなり、最後には影響から脱することが出来なくなります。

SCP-XXX-JPは、20██年█月█日、██県███市の民家にて、SCP-███-JPやSCP-███-JP等と同様に、小型のプラスチック製のケースに、他のオブジェクトとは別に分けられて収納されていました。
SCP-XXX-JPが収納されていたケースは材質的にただのプラスチック製のケースでしたが、回収場所から財団施設内までSCP-XXX-JPの特異性が発生しうる環境下であったにもかかわらず、その特異性が発現しませんでした。

事件記録XXX-1
SCP-XXX-JPの特別収容プロトコルが確立され、性質の解明が十分に済んだと判断されたため、20██年██月██日を持って実験が終了されました。それから█ヶ月後の20██年█月██日に、担当職員全員がSCP-XXX-JPの収容房内に、携帯機器などを所持したまま侵入するという事案が発生しました。侵入した職員はさらなる曝露者の発生が行われる前に拘束されたため、SCP-XXX-JPの特異性によって肉体の一部がケイ酸塩鉱物へと変質してしまった職員が1名発生するだけに留まりました。
収容房内に侵入した全職員にインタビューを行ったところ、総じて「自身の意思に反して体が動いてしまった」といった内容の供述が得られました。
SCP-XXX-JPの確認できていない特異性や新たな特異性である可能性があるため、実験が再開されましたが特異性の解明には至りませんでした。

事件記録XXX-2
事件記録XXX-1と同様の事案発生の再発を阻止するための措置として、Dクラス職員以外の担当職員がSCP-XXX-JPに直接関わらないようにし、さらに事案が発生した際に侵入及び脱出の阻止をするプロトコルが組まれていましたが、20██年██月██日、SCP-XXX-JPが収容されているサイト-81██のサイト管理者や高クリアランス職員を含めた全ての職員がSCP-XXX-JPの収容房内に、携帯機器などを所持したまま侵入するという事案が再度発生しました。
侵入後、職員等はSCP-XXX-JPを収容房外に持ち出しましたが、その特異性は発現せずSCP-XXX-JPが粒子状に崩壊、同時に3THz~3PHzの電磁波が収束して上空へ放射されました。
この事案によりSCP-XXX-JPは特異性を消失、SCP-XXX-JP-bが特異性を引き継ぐことはなく、新たにSCP-XXX-JPが確認されることもなかったため、事案発生から██ヶ月後、Neutralizedクラスのオブジェクトに認定されました。
この事案に関わった職員にインタビューを行ったところ、事件記録XXX-1と同等の供述が得られました。

事件記録XXX-3
事件記録XXX-2から█年後の20██年██月██日、SCP-XXX-JPの特異性と類似する事件が世界各地で発生。
これらの事件は何事もなく終了することが出来ましたが、調査の結果回収されたオブジェクトは全て、SCP-XXX-JPと全く同じ外見と特性を持っていることが判明しました。
また、上記の事実が確認された後保管されていたSCP-XXX-JP-bを確かめたところ、その全てがSCP-XXX-JPと全く同じ外見に変化、特異性を獲得していました。
この事件により、回収されていないSCP-XXX-JPが存在している可能性と、SCP-XXX-JPが増殖する可能性が浮上したため、SCP-XXX-JPはEuclidクラスのオブジェクトに認定されました。
事件記録XXX-2及び今回の事件が、SCP-XXX-JP-bが増えることにより発生したのか、増えなくなったことにより発生したのかは現時点では解明されていません。
収容されているSCP-XXX-JPは現在██個です。