アイテム番号: SCP-983-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-983-JPは常に12桁の電子ロックと錠前で施錠した部屋に収容してください。また、SCP-983-JPを使用した実験を行う際には、他オブジェクトの収容違反を防ぐために特別収容プロトコル等についての会議をすることは禁止されています。
説明: SCP-983-JPはサイト-81██で、主に収容プロトコルについての会議を行っていた会議室で使用されていた300cm×200cm×70cm程のスチールとパーティカルボードで構成されている机です。SCP-983-JPは2███年1月4日に行われた会議の記録を確認した██博士によってその特異性が発見され、収容に至りました(事案983-b参照)。SCP-983-JPから半径7m範囲内で2人以上の人物が何らかの会議、話し合いを行い、SCP-983-JP内での会議中に全員の意見が一致した時にその特異性を発現します。SCP-983-JPは会議に参加している人の中の1名の精神に干渉し、これまでに出た意見と全く異なる意見を提示させます(具体例は資料983-a参照)。会議に参加している干渉を受けてない人々は突然出た意見にほぼ100%その意見に反発しますが、その意見を通す為の様々な理由(それらの多くは突拍子の無いもの)を聞かされるにつれて全員がその意見に同調し始め、最終的には会議に参加した全員にその意見が正しいと認識させます。また、その意見を第三者に説明した場合、効果範囲外でも同じ特異性が発現する事が判明しています。
議題: 空の色について
会議参加者数: 6名
一致した意見: 空は青色である
影響下での意見: 空は緑色である
影響下での理由: 「そもそも青色というのは誰が定義したか?」から始まり「今我々が見ている青色は実は緑である」で終わる
議題: 会議の議題自体をどうするかについて
会議参加者数: 4名
一致した意見: 財団がどのような物を収容しているのかについて
影響下での意見: 各々の好みのカーテンの色
影響下での理由: そんな事を考えるだけで襲ってくる物をがいるかもしれないから
議題: Dクラスの待遇について
会議参加者数: 10名
一致した意見: 今の待遇では不満である
影響下での意見: とても満足である
影響下での理由: 普通の人生では体験出来ないような死に方を体験出来るから
事案983-b
以下収容される以前のSCP-983-JPが使用された会議記録です
__実験記録983 20██/2/13 __
<録音開始>
滝山博士: ではこれからSCP-███-JPの収容プロトコルを詰めていきましょう
貝田博士: もう大体は決まっているがまだ細部に心配な点が残るな…
谷口博士: SCP-███-JPは感染性ですので収容違反に備えて周辺に焼却装置を設置しましょう
滝山博士: そうですね焼却装置を設置し、念のため予備燃料も配置しておきましょう
貝田博士: 焼却装置は10数台設置するとして…いや待てよ
谷口博士: どうしました?
貝田博士: 収容違反が発生したら扇風機を使ってSCP-███-JPを全部吹き飛ばすってのはどうだ?
谷口博士: ……はい?
滝山博士: 貝田博士、どうやらまた職務中にアルコールを摂取しましたね?
貝田博士: いやいや、今日は酒を飲んでないって。それより焼却装置なんかより扇風機の方が安全だしコストも抑えられると思わないか?
谷口博士: いや……あの……ですね
滝山博士: 貝田博士、SCP-███-JPを吹き飛ばしてどうするつもりですか?
貝田博士: え?そりゃあもちろん扇風機で吹き飛ばせばこっちにSCP-███-JPが来ないだろ?それで俺達はオブジェクトの影響を受けずに済むだろ?
谷口博士: いや、あの……吹き飛ばしたら絶対拡散しますよね?
貝田博士: ふむ……確かにそうかもしれないな
谷口博士: そう「かも」ではなくそうですよ!
貝田博士: じゃあ吹き飛ばした方にも扇風機を置けば解決するな
滝山博士: いや、解決しませんよ。2方向から送風すれば横に拡散するだけです
谷口博士: そうですよ!何言ってるんですか貝田博士!
滝山博士: つまり、私が言いたいのは2方向だけでなく8方向から送風できるように扇風機を配置しましょう
谷口博士: ……は?
貝田博士: なるほど……それなら横方向に拡散する心配は無くなるな
滝山博士: ええ、SCP-███-JPを囲むように扇風機を配置すれば完璧かと思われます
谷口博士: え、あの、滝山博士まで何を言っているのですか?
貝田博士: よし、これでSCP-███-JPの収容プロトコルは完璧だな!早速纏めて提出しに行くか!
谷口博士: 待ってください!完璧なわけが無いでしょう!8方向から送風しても上方向に拡散するじゃないですか!9方向で行きましょう!
<録音終了>
事案983-bから2ヶ月間、SCP-983-JP影響下で制定された特別収容プロトコルでの収容を継続した後に収容違反が発生しました。しかし、2ヶ月の間SCP-███-JPを安全に収容できていた事と収容違反時の死者を████名に抑えた事からSCP-983-JPは他オブジェクトの特別収容プロトコル等に有効利用する事が可能であると推測されます。
アイテム番号: SCP-983-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-983-JPは常に1372桁の電子ロックと錠前で施錠した部屋に収容してください。また、SCP-983-JPには定期的に専門医によるメンタルカウンセリングを行ってください。
SCP-983-JPはサイト-8141にある一般的非生物収容室に収容してください。現在、SCP-983-JPを使用した実験は凍結されています。
説明: SCP-983-JPはサイト-81██で、主に収容プロトコルについての会議を行っていた会議室で使用されていた寸法300cm×200cm×70cmのスチールとパーティカルボードで構成されている机です。SCP-983-JPは2███年1月4日に行われた会議の記録を確認した██博士によってその特異性が発見され、収容に至りました(事案983-b参照)。SCP-983-JPから半径7m範囲内で2人以上の人物が何らかの会議、話し合いを行い、SCP-983-JP内での会議中に全員の意見が一致した時にその特異性を発現します。SCP-983-JPは会議に参加している人の中の1名の精神に干渉し、これまでに出た意見と全く異なる意見を提示させます(具体例は資料983-a参照)。会議に参加している干渉を受けてない人々は突然出た意見にほぼ100%その意見に反発しますが、その意見を通す為の様々な理由(それらの多くは突拍子の無いもの)を聞かされるにつれて全員がその意見に同調し始め、最終的には会議に参加した全員にその意見が正しいと認識させます。また、その意見を第三者に説明した場合、効果範囲外でも同じ特異性が発現する事が判明しています。
記録983-a 2013/6/24
議題: 空の色について
会議参加者数: 6名
一致した意見: 空は青色である
影響下での意見: 空は緑色である
影響下での理由: 「そもそも青色というのは誰が定義したか?」から始まり「今我々が見ている青色は実は緑である」で終わる
議題: 会議の議題自体をどうするかについて
会議参加者数: 4名
一致した意見: 財団がどのような物を収容しているのかについて
影響下での意見: 各々の好みのカーテンの色
影響下での理由: そんな事を考えるだけで襲ってくる物をがいるかもしれないから
議題: Dクラスの待遇について
会議参加者数: 10名
一致した意見: 今の待遇では不満である
影響下での意見: とても満足である
影響下での理由: 普通の人生では体験出来ないような死に方を体験出来るから
事案983-b
以下収容される以前のSCP-983-JPが使用された会議記録です
__事案983-b 2012/2/13 __
議題: SCP-███-JPの収容プロトコルについて
会議参加者数: 3名
<録音開始>
滝山博士: ではこれからSCP-███-JPの収容プロトコルを詰めていきましょう
貝田博士: もう大体は決まっているがまだ細部に心配な点が残るな…
谷口博士: SCP-███-JPは感染性ですので収容違反に備えて周辺に焼却装置を設置しましょう
滝山博士: そうですね焼却装置を設置し、念のため予備燃料も配置しておきましょう
貝田博士: 焼却装置は10数台設置するとして…いや待てよ
谷口博士: どうしました?
貝田博士: 収容違反が発生したら扇風機を使ってSCP-███-JPを全部吹き飛ばすってのはどうだ?
谷口博士: ……はい?
滝山博士: 貝田博士、どうやらまた職務中にアルコールを摂取しましたね?
貝田博士: いやいや、今日は酒を飲んでないって。それより焼却装置なんかより扇風機の方が安全だしコストも抑えられると思わないか?
谷口博士: いや……あの……ですね
滝山博士: 貝田博士、SCP-███-JPを吹き飛ばしてどうするつもりですか?
貝田博士: え?そりゃあもちろん扇風機で吹き飛ばせばこっちにSCP-███-JPが来ないだろ?それで俺達はオブジェクトの影響を受けずに済むだろ?
谷口博士: いや、あの……吹き飛ばしたら絶対拡散しますよね?
貝田博士: ふむ……確かにそうかもしれないな
谷口博士: そう「かも」ではなくそうですよ!
貝田博士: じゃあ吹き飛ばした方にも扇風機を置けば解決するな
滝山博士: いや、解決しませんよ。2方向から送風すれば横に拡散するだけです
谷口博士: そうですよ!何言ってるんですか貝田博士!
滝山博士: つまり、私が言いたいのは2方向だけでなく8方向から送風できるように扇風機を配置しましょう
谷口博士: ……は?
貝田博士: なるほど……それなら横方向に拡散する心配は無くなるな
滝山博士: ええ、SCP-███-JPを囲むように扇風機を配置すれば完璧かと思われます
谷口博士: え、あの、滝山博士まで何を言っているのですか?
貝田博士: よし、これでSCP-███-JPの収容プロトコルは完璧だな!早速纏めて提出しに行くか!
谷口博士: 待ってください!完璧なわけが無いでしょう!8方向から送風しても上方向に拡散するじゃないですか!9方向で行きましょう!
<録音終了>
事案983-bから2ヶ月間、SCP-983-JP影響下で制定された特別収容プロトコルでの収容を継続した後に収容違反が発生しました。しかし、2ヶ月の間SCP-███-JPを安全に収容できていた事と収容違反時の死者を████名に抑えた事からSCP-983-JPは他オブジェクトの特別収容プロトコル等に有効利用する事が可能であると推測されます。
補遺: 報告書を閲覧した職員から相次いで「この報告書には不適切な箇所が多々ある」との報告を受け、調査した結果、収容プロトコルと実験後の考察に異常な点が見受けられました。更なる調査の結果、SCP-983-JPの研究チームの██%がSCP-983-JPの影響下にある事が判明し、Bクラス記憶処理を施した後に業務に復帰させました。これとともに収容プロトコルも現在のものに改訂されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Jは現状、完全な収容は不可能です。SCP-XXX-JP-Jの発生が懸念される物体、概念等は常にリストアップし、危険の高い物から順にプロトコル・広報-557を適用して下さい。
説明: SCP-XXX-JP-Jは日本でのみ発生する物体、概念等の消失現象です。SCP-XXX-JP-Jはその対象を認知している人物が少ない場合(対象の体積、規模が大きい程発生に必要な条件は下がる)に発生します。SCP-XXX-JP-Jは20██年に「妻に内緒で購入したバイクが盗まれた」という通報があり、それがきっかけでSCP-XXX-JP-Jは財団の目に留まりました。SCP-XXX-JP-Jは「知名度が低い」だけではなく「意図的に隠蔽している物」等も消失の対象になることが判明しているため、財団でも機密を扱う際にはその規模により最低██~███名の職員に機密の内容を認知させてください。
追記:2013/██/██
SCP-XXX-JP-Jの「隠蔽している物の消失」という特異性について、██博士が「一般大衆から隠れて活動を行っている我々財団も消失の対象になるのでは?」という意見を受け、緊急対策会議を行った結果、「財団の存在を一般大衆に認知させるべき」という結果になりました。具体的な対抗策として、SCP財団と、収容しているオブジェクトの情報をインターネット上で公開して、カバーストーリー「架空の物語」を適用する等です。
2016/██/██に財団日本支部で収容しているオブジェクトの総数が驚異的に増加するという事案が発生しました。
これを受け日本支部理事は、財団の規模拡張と共に、新たなSCPの収容に備え、SCPナンバーの上限開放を行いました。
アイテム番号: SCP-1000-JP
オブジェクトクラス: Keter Neutralized
特別収容プロトコル: 警察、地方自治体にエージェントを派遣して、局地的な少子高齢化等の事象がないか定期的に報告させてください。
日本全域の行政、警察、地方自治体に財団職員を常駐させ、SCP-1000-JPの発生条件を満たすと判断された組織、コミュニティ等は即座にプロトコル・廃村-088に従って適切に処理して下さい。また、既にSCP-1000-JPが発生している場合には、機動部隊け-"酷遇"を出動させ、すべてのSCP-1000-JP-1を回収してください。また、局地的な少子高齢化等の報告があった場合、機動部隊を調査に向かわせてください。
説明: SCP-1000-JPは特定の条件下でのみ発生する異常現象です。SCP-1000-JPはある程度一般社会との繋がりを絶たれたコミュニティ(村、集落等)に発生します。SCP-1000-JPは18██年に、██県、旧██村で、「不可解な少子高齢化が進んでいる」という村の噂を、当時██市役所に派遣されていたエージェントが興味を持った事がきっかけで、財団に存在を認知されました。SCP-1000-JPはコミュニティ内の発言力を持った者(村長や裕福な家柄の者等)を除いて以下のような変化をもたらします。
第一段階 |
食欲、性欲の減退 |
積極的に1人で行動しようとする |
第二段階 |
他人の提案などを聞き入れなくなる |
命令に対して絶対服従するようになる |
第三段階 |
全く食物を摂食しなくても生存可能になる |
睡眠を全くしなくなる |
第四段階 |
コミュニケーション能力の著しい減退 |
与えられた仕事以外では全く活動しなくなる |
第五段階 |
あらゆる[編集済]が可能になる |
与えられた仕事に対しての驚異的な作業速度の上昇 |
上記のような影響を受けた者(以下、SCP-1000-JP-1)は寿命が10年から███年程延長する傾向にあります。
また、上記の影響の進行速度はSCP-1000-JPの影響下にあるコミュニティが大きければ大きいほど遅延する傾向にあります。
過去にSCP-1000-JPが発生したコミュニティでは、SCP-1000-JP-1の「性欲の減退」という特性が発生した結果、局地的な少子高齢化が例外なく発生している為、現在の特別収容プロトコルに追記されました。
以下、第三段階のSCP-1000-JP-1へのインタビューです。
インタビュー記録1970/12/15
<録音開始>
安久博士: ではこれからいくつか質問をさせて頂きますが。よろしいでしょうか?
SCP-1000-JP-1: [沈黙]
安久博士: はあ……「命令です、質問に答えてください」
SCP-1000-JP-1: はい。何でしょう
安久博士: ではあなたは███村出身で間違いないですか?
SCP-1000-JP-1: わかりません
安久博士: ではあなたの身に変化が起きたのはいつごろですか?
SCP-1000-JP-1: わかりません
安久博士: うーん……最近███村で何か変わったことはありましたか?
SCP-1000-JP-1: わかりません
安久博士: はあ……これ以上のインタビューは無意味と思われます
<録音終了>
補遺: 1980年に発生したSCP-1000-JPの事例を最後に日本国内でのSCP-1000-JPの発生が突如として止まりました。SCP-1000-JPが発生しなくなり、20年間の待機期間を設けましたが、依然としてSCP-1000-JPの発生が見られなかったためNeutralized分類されました。しかし、原因が不明な為、各地の警察、地方自治体へのエージェントの派遣は継続する事が決定しました。
私は今日付けで別オブジェクトの担当に回される。
上の連中に、何度も言ったんだ。「SCP-1000-JPは特異性を失って無い」って
しかし上の奴らはいつも同じことしか言わない
「財団は20年待ってSCP-1000-JPをNeutralized指定した。これは覆らない」この一点張りだ
私は1人で調査し、恐ろしいことに気がついた
それはSCP-1000-JPが発生しなくなった1980年から日本の出生率が低下しているという事実だ
日本の少子高齢化……SCP-1000-JPによる「性欲の減退と寿命の延長」……そう考えると辻褄が合ってしまうんだ
そして何故これに気づかなかったのか?そこが疑問だったが、SCP-1000-JPの「コミュニティが大きい程発生速度が遅延する」これも辻褄が合ってしまう
私は降格覚悟でここにデータを残しておく。
丸投げする形になってしまうが後任の君に頼む
安久博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP内部に通じる扉は常に8桁の電子ロックで施錠してください。また、SCP-XXX-JPの周囲は鉄製のフェンスで囲み、一般市民の立ち入りが無いようにしてください。
説明: SCP-XXX-JPは██市にある未完成の家屋です。SCP-XXX-JPは正面にある扉から、血縁関係の母親が健在の人間(以下、進入者とする)が進入した場合のみ、その特異性を発現します。また、不活性状態のSCP-XXX-JP内部には木材や各種建築に使う機材等が散乱しており、これらには何の特異性も無いことが判明しています。SCP-XXX-JPの内部に人間が進入し、扉が閉められると、進入者以外の人間はいかなる方法を持ってしてもSCP-XXX-JP内部に進入する事が出来なくなります。SCP-XXX-JPが活性状態になると、SCP-XXX-JPは進入者の実家、あるいはそれに近い状態になり、SCP-XXX-JP内部には進入者の母親に酷似した人型実体(以下、SCP-XXX-JP-1とする)が出現します。SCP-XXX-JP-1は進入者の母親と同じDNA構成を持っていることがサンプルの採取により判明しました。進入者がSCP-XXX-JP内部に2~████時間滞在すると、突如としてSCP-XXX-JP-1が自分の母親とは違う人物だと認識し、強い恐怖、あるいは嫌悪感を覚えます。また、SCP-XXX-JP内部に滞在していた時間と相対的に前述の特異性の効果は増大する事が判明しています(実験記録XXX-1参照)。
実験記録XXX-1
実施方法: SCP-XXX-JP内部にD-2246を進入させる。
補足: D-2246の母親は健在であることが確認されている
結果: D-2246は3時間SCP-XXX-JP内部で過ごした後にSCP-XXX-JP内部から脱出した。その際にD-2246は強い恐怖を感じたと主張している。
実施方法: SCP-XXX-JP内部にD-1423を進入させる。
補足: D-1423の両親は2年前に交通事故で他界している事が確認されている
結果: D-1423はSCP-XXX-JP内部に進入したが、SCP-XXX-JP-1は出現しなかった。
実施方法: SCP-XXX-JP内部にD-2246を進入させる。
補足: D-7211の父親は他界しており、母親は健在であることが確認されている。
結果: D-7211は42時間SCP-XXX-JP内部で過ごした後にSCP-XXX-JP内部から脱出した。その際にD-7211はSCP-XXX-JP-1に対して強い嫌悪感を覚えたと主張した。
実施方法: SCP-XXX-JP内部にD-5324を進入させる。
補足: D-5324の父親はD-5321の産まれる前に他界している事が確認されており、母親は健在である。
結果: D-5324はSCP-XXX-JP内部に進入したが、SCP-XXX-JP-1は出現しなかった。
追記: D-5324の母親が健在だったにも関わらずSCP-XXX-JP-1が出現しなかった要因として、D-5324を██年間に渡り養育してきた人物は戸籍上では実親でしたが、血縁関係の母親では無かった事が判明しました。
実施方法: SCP-XXX-JP内部にD-8996を進入させる。
補足: D-8996の両親は両方とも健在であることが確認されている。
結果: D-8996は153時間SCP-XXX-JP内部で過ごした後にSCP-XXX-JP内部から脱出した。(詳細な情報は記録XXX-2を参照してください。)
以下、実験中の映像記録の一部です。
記録XXX-2
<再生開始>
D-8996: ふう。いやぁ相変わらず母ちゃんの作った飯は美味いな。久しぶりにまともな飯を食ったよ
SCP-XXX-JP-1: ふふっ。褒めても何も出ないわよ
D-8996: はははっ。はあ……いつぶりだろうな……こんなふうに母ちゃんと過ごすのは……。ムショに入る前もあんまり会ってなかったしな……
SCP-XXX-JP-1:ふう ……あんたが刑務所に入ったって聞いた時は心配したよ。まさかあの大人しかったあんたが人を殺すなんてね……
D-8996: [沈黙]
SCP-XXX-JP-1: でもね、あんたがどれだけ人様に迷惑かけようが、どれだけ罪を犯そうが、これだけは覚えておきなさい。私は何があってもあんたの母親であり続ける。いつか……キチンと罪を償ったら私のとこに戻ってきなさい。戻って来たらまた美味しいご飯を作って……あんたを出迎えてあげるから……
D-8996: [嗚咽]……母ちゃん……ごめんな……こんなダメな息子で……
SCP-XXX-JP-1 いいんだよ。母ちゃんにはね、ダメで世話のかかる息子ぐらいがちょうどいいんだよ
[SCP-XXX-JP-1がD-8996の肩に手を置く]
D-8996: うわっ!さ、触るな!
SCP-XXX-JP-1: ど、どうかしたの?[D-8996の本名]?
D-8996: く、来るな!テメェは俺の母ちゃんなんかじゃねぇ!
[しばらく揉み合った末、D-8996が台所にあった包丁でSCP-XXX-JP-1の右脇腹を刺す]
<再生終了>
終了報告書: 今回の実験から、SCP-XXX-JP-1が進入者に触れることが恐怖心、嫌悪感を呼び起こす特異性のトリガーであると推測されています。
補遺1: この実験とほぼ同時期に、██市にある民家で女性1名が強盗に刺され死亡するという事件が発生しました。現場検証を担当した、当時警察署に派遣されていたエージェントが事件現場から、以下のような記述のされたメモを発見し、回収しました。
そこの君!お母さんと仲がいいのは感心だけどそろそろ母離れする時期じゃないかい!?
クラスのみんなにマザコンだって馬鹿にされるのは嫌だろう!?
そこで!博士がちょっぴり背中を押してあげよう!
博士の作った大人へのステップハウスを使えば簡単にマザコンを卒業出来るぞ!
さあ!クラスのみんなより先に少し大人になっちゃえ!
楽しもうね!-博士
補遺2: 事件現場から回収されたメモの内容から、SCP-XXX-JPの最後の実験と同時期に起きた事件との関連性、並びに、同記述内における「博士」については、当初、「ワンダーテインメント博士」との関連が疑われましたが、今までの例と幾つかの相違点(玩具の形をとっていない、商標登録の表示が無い等)があったため、日本国内で数々の要注意団体の活動を模倣している者との関連が推測されていますが、詳細は不明です。
その日、全てが終わった。
いや、正確に言えば全てでは無い。
現に私がこうして生きているのもその日を生き延びた者達のお陰だ。
その日、私達は自らの炎で焼かれた。
男、女問わず。
果ては子供も彼らに例外なく焼かれた。
しかし彼らに炎の御し方を教えたのは私達だ。
私達は今までなるべく彼らの領域を侵さないように、もし叶うならば共に生きていこうとしていた。
私達に賛同する者は多かった。
皆、彼らと共存の道を歩んでいこうと言ってくれた。
しかし、一部の者達が彼らを排斥すべきと主張し始めた。
排斥派は彼らが高い知能を持っており、いつか我々に危害を加えるかも知れないと、いかにも皆の事を考えているようなことを言った。
しかし、実際は違った。
排斥派は彼らを原料にして作る様々な薬品を売り捌き、莫大な利益を得ていた。
無論、共存の道を歩むとなれば彼らに危害を加える事は許されなくなる。
排斥派はあらゆる手段で彼らを危険な存在と主張していった。
ある時は彼らの凶暴性を誇張した広告を作り。
ある時は彼らに襲われたという嘘をつき。
またある時は彼らが危険なウイルスを保菌しているというデマを流したりと様々だった。
しかし、世論は揺るがなかった。
排斥派の度重なる悪質な行為で信用は地に落ち、彼らを原料とした薬品は購入されなくなり、愚か者のレッテルを貼られるまでに至った。
排斥派は次第に焦り始めた
私達の提出した法案が可決されようとしていたからだ。
排斥派は様々な手を尽くしたが既に手遅れだった。
私達は彼らに危害を加えるのを法律で禁止した。
排斥派はついに暴走し始めた。
排斥派が取った最後の手段はあまりにも危険だった。
排斥派は彼らに知識と技術を渡し、彼らに私達を攻撃させようとした。
そうすれば世間は嫌でも彼らを危険な存在として認識するだろうと。
排斥派の思惑通り彼らは私達を攻撃した。
しかし、排斥派には大きな誤算があった。
彼らは支配種を恐れていたのだ。
恐れているものに対して機会を得たならば無論、そのもの達を排除しようとするだろう。
毒を吐く植物。
肉の焼ける匂い。
生物を襲う食べ物。
地獄のような光景。
すべてを飲み込む池。
啜り泣く母親の声。
伝染する狂気。
殺し合う同族たち。
現実をねじ曲げる炎。
排斥派の後悔。
皆、終わった。
排斥派も私達も終わった。
彼らは、目的を達成した後に全てを忘れようとした。
しかし、私達は覚えていて欲しかった。
私達のした事、彼らのした事。
その残虐で、血濡れの歴史を消して欲しくはなかった。
今や、私達も代を重ねる毎に「あの日」の事を過去の事だと思うようになった。
それは「あの日」の傷が癒えたのでは無く、隠しているだけだ。
だから、私達は「あの日」の事を彼らと話し合いたい。
彼らが私達にした事を責め、私達が彼らにした事を責め。
そうして私達は初めて共存の道を歩いて行けると思う。
彼らは私達を恐れていた。
彼らは私達を滅ぼそうとした。
彼らは子供にまで手をかけた。
私達の恨みの言葉を聞いて欲しい。
私達は彼らに本当に申し訳ないことをした。
私達の身勝手な争いに巻き込んでしまった。
私達は滅ぼされても構わない。
私達の懺悔の言葉を聞いて欲しい。
もしも、私達が共存の道を共に歩いていけないとするならば、「あの日」のような滅亡が彼らか私達に降り掛かるだろう。
私達はもう「あの日」の惨劇を繰り返したくは無い。
ゆるすよ
いまはえらべる、ずっとはまたない
やりなおそう
[[tab ]]
[[/tab]]