Niwa ToriのSCP
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アイテム番号: SCP-1160-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1160-JPはサイト‐81██内の専用水槽に収容されています。その飼育、警備に関しては異性愛者の女性、40歳以上の男性が選ばれます。水槽の掃除は1か月に1回実施してください。また、餌は一般的なアカウミガメの飼育に必要な餌が供給されます。

説明: SCP-1160-JPは、アカウミガメ(Caretta caretta)です。各種検査の結果からもDNAは一般的なアカウミガメのものであり、特殊な改造や薬剤使用の形跡は見られません。

SCP-1160-JPは20██/9/██京都府██市の海岸で休暇中のエージェント・██によって発見されました。海岸にいた彼は、釣り客が集まっているのを確認し、SCP-1160-JPの異常性と遭遇しました。

以下にエージェント・██へのインタビュー記録を記載します。

インタビュー記録‐1160-1

回答者: エージェント・██

質問者: 鶏尾博士

鶏尾博士: では、██くん。SCP-1160-JPの発見当時の状況と何が起こったのかを説明してくれませんか?

エージェント・██: はい。オレは釣りが趣味なんですよ。あの海岸は鯛やヒラメが釣れるって言うんで昔から話題の釣り場だったんです。で、級かで釣りに行ったんですけど、その日は魚が釣れまくってこんな大きな……

鶏尾博士: 不必要な発言は慎んでください。

エージェント・██: あ、すいません。えーと……ああ、そうだ。釣りをしてたら「ウミガメだ!」って声が聞こえてきたんですよ。野生のウミガメなんて初めて見るから、オレも興味本位でその姿を見に行ったんです。

鶏尾博士: なるほど……で、SCP-1160-JPの異常性に遭遇したという事ですね?

エージェント・██: はい。最初はみんな写真を撮ったり、物珍しそうに見ていたんです。だけど、一人の若い男が、仲間に動画を撮るように言いながらSCP-1160-JPの甲羅にまたがったんです。

鶏尾博士: その男性は調査で23歳の地元の会社員だと判明していますね。

エージェント・██: はい、見た目はその位だったと思います。そしたら、その男が甲羅に乗った瞬間に急におかしくなったんですよ。白目をむいて、気持ちよさそうな顔になって……そして、ガクガクと体を震わせ始めたんです。そしたら、その……

鶏尾博士: 何があったんですか?

エージェント・██: えっと……その……そいつが急に老けだしたんです。時間は1分もかからなかったと思います。髪は真っ白になって、顔もしわくちゃになって……周りの釣り人はもの凄く驚いてパニックになってたんですよ。そこで、オレは急いで財団に連絡をしたあと、ドッキリの撮影だって大声で叫び続けたんです。

鶏尾博士: なるほど。わかりました。インタビューはこれで終了です。お疲れさまでした。

<インタビュー終了>

エージェント・██の要請を受けた財団は収容チームを派遣。無事に、SCP-1160-JPを収容しました。現場に遭遇した釣り人にはBクラス記憶処理とカーバーストーリー「やりすぎたどっきり番組」が適応されました。

このエージェント・██へのインタビューと、Dクラス職員を利用した██回の実験の結果からSCP-1160-JPの特性が判明しました。

SCP-1160-JPの影響を受ける対象は年齢20歳以上40歳未満。魚介類に対するアレルギーのない異性愛者の男性、女性から性転換した男性、性同一性障害の女性、両性愛者の男女です。

SCP-1160-JPの甲羅に乗った対象は、1分以内には多臓器不全、細胞の劣化などにより老衰で死亡します。これは対象を1分以内に甲羅から降ろした場合でも老化の進行は継続し、いかなる延命処置を持っても遅延させることはできません。この時、対象の顔面には紅潮や笑顔など快楽の兆候が見られ、外部からのいかなる問いかけや、物理的接触に対しても反応しません。死亡した対象に対する解剖の結果、興奮を引き起こす脳内物質のアドレナリンと幸福感を感じさせる脳内物質のセロトニンが過剰に分泌していました。

以下は特徴的な実験記録を記載します。全記録は実験記録1160‐JPを参照してください。

実験記録SCP-1160-JP-13

実験内容-13: 24歳男性のDクラス職員を使用し、物理的な干渉に対する影響を観察する。

実験方法: 腹部に対して45口径のマグナムで銃撃を行う。

実験結果-13: 銃撃により、対象は甲羅から転落し死亡。しかし、表情に苦痛の兆候は見られなかった。解剖の結果、死因は銃撃による出血死ではなく、老衰のためであると判明した。

実験記録SCP-1160-21

実験内容: 29歳男性を使用し、SCP-1160-JPに接触したままの状態で延命治療の効果を観察する。

実験方法: 甲羅に乗ったままの状態で延命処置を行う。

実験結果-21: 対象に老化の兆候は見られず。のちに魚介類に対するアレルギーがあると判明した。対象からは「生臭くて気持ち悪い感じがする」との発言があった。

実験記録SCP-1160-JP-██

実験内容-██: [削除済み]

実験方法: 対象を女装させる。

実験結果-██: [削除済み]

注:このような馬鹿げた実験は二度と許可されない。 -鶏尾博士

補遺: SCP-1160-JPを使用した安楽死の提案が検討されましたが、鶏尾博士の提言により直ちに否決されました。

SCP-1160-JPを使った際に、本当に苦しみがなく死ぬことができるのかは解明されていません。私たちの取り扱うオブジェクトの危険性を再認識し、安易な使用は控えるべきです。 - 鶏尾博士