【とんがるコーン】
ロードコーン(カラーコーンの正式な名称)。活性化すると物凄く尖り、不可視の先端30cmは[破壊できない特性を持つSCPオブジェクト等]以外を簡単に切断する、非破壊特製のナノワイヤーとなっている。
しかし、本来は指数関数的に細く尖っているだけで、刃渡りはは事実上の無限大。細すぎて相手の原子の間をすり抜けてしまっているだけ。逆に干渉不能の[破壊できない特性を持つSCPオブジェクト等]を相手にするとこの無意味な射程でも接触はできる。問題は、切断力以外は威力はあくまで持っている人物の力でしかないので、その手のオブジェクトに傷をつけることはできない。
単に破壊できない特性を持つアノマライズアイテムの石ころを強固に固定し、石ころに向かって活性化させると、当然使用者は光速(光速は越えられないからね)で地面にすり潰される。完全起動してしまうと地球を貫通しているかこのオブジェクトも星のかなたなことになるので、半起動状態でこの事故を起こし、アイテムの危険性の説明に入れたらいいな。
「ゆかいなざいだん」にならないように表現を注意する必要あり。
【世界終焉のイシ】
組成も強度もごく普通の軽石。しかし、AnomalousアイテムないしSCPオブジェクトが既知の人物は、このオブジェクトを破壊不能かつ解析不能なSCPオブジェクトと誤認する。また、このSCPオブジェクトと物理的に接触すると、対象が既知であるSCPオブジェクトとこのSCPオブジェクトがクロスすることによってKクラスシナリオが起きると発想する。当然これらは妄想の産物であり、そのようなKクラスシナリオに繋がることは実証されない。
例1)このSCPオブジェクトが「肉しか火を通せない、野菜嫌いのホットプレート(Anomalousアイテム)」に接触すると、効果が地球上の物質全体に感染して地上の動物を全て焼き尽くす…のような妄想を抱く。
元々世界を用意に滅ぼしうるKeterや危険性の高いEuclid、潜在的KeterなSafeよりも、安全と考えられているオブジェクトを優先して妄想に着想しやすい。
ただのゴミアイテム…と、思わせて、安全と勘違いしていたガチで危険なSCPオブジェクトの知られざる正体を教えてくれることもある(ビルダーベアがキチクマな正体を明かす前に正体がわかるような感じ)。もちろん、ただのいつもの妄想と区別をつけることはできないのだが、ガチで危険なSCPオブジェクトの正体を暴いた事件がセキュリティ4以上で判明する。この事件は関係者死亡ないし記憶処理によって隠蔽された。なお、この場合でもこのSCPオブジェクトが関わるような妄想を抱かせるのだが、実際は別の事象だったり他のSCPオブジェクトとのクロステストの結果だったりする。
表向きはAnomalous行きが検討されているSafeだが、実際はEuclidに分類されている。
実際はガチでKクラスシナリオ待ったなしになる可能性があるので、このSCPオブジェクトによって得た着想で実験を行うことは事実上禁止されている。表向きは「こんな下らない妄想の効果を信じて実験なんて予算の無駄。専門家なら真面目にやれ。降格すんぞ?」と上層部がキレた事になっている。どちらの理由でも、この事実にアクセス権のある4レベル以上の職員の許可を得なければこのSCPオブジェクトから得た着想を理由にしてはならない(全面禁止にしないのは、他の実験でその妄想が事実に近い場合、Kクラスシナリオ回避のために検証が必要な場合が想定されるからである)
記事としては、表向きはバカで下らないお騒がせアイテムであることを強調。裏ではその危険性を十分に強調すること。
入手経路は財団関係者家族が購入した軽石だが、これは財団に協力するために送られたギフトなのか、敵対組織が送りつけたトラップなのか、判明させずに匂わせるアクセントを占めとする。
【雲の糸】
要素は4つ
要素1:小さな0.2mm程度の蜘蛛。集合知性を持ち、花粉を主食とする(微生物が主食)。ここの知性は大してない。
要素2:蜘蛛の巣。様々な硬度や柔軟性、通電性を持つ。異様に軽い。素材は分析しても蜘蛛の糸そのもの。巨大な巣では通常はありえない性質を帯びた装置も創ることがある。原始的なカメラ構造と光ファイバー状の糸を組み合わせた眼そのものや、神経細胞代わりに雲を配置した脳そのもの、気象操作装置など。巣全体のシルエットは空中を飛ぶクラゲ。
要素3:巣全体が巨大な際に作成される疑似人格。要素2で高度な脳が造られた際にのみ存在。他種族に対し友好的で平和的。他種族を傷つけることを嫌がる。財団に自らを保護するよう依頼する。(大気汚染による絶滅を危惧している)なお、要素4に対しては積極的に殺しにいく。
要素4:要素1が接地、ないし要素2が接地した状態の要素1。高度な集団統率性を喪失し、有機物や無機物を食べ始め、脱皮を頻回に繰り返し巨大化を始める。好みは有機物のようだ。これは非常に攻撃的で、他種族に敵対的である。1mを超える大きさに成長すると要素2に該当する道具も作成する。しかし巣は作らず、空に帰ることもない。2mを超えるまでにほとんどは要素3に消される(落雷発生装置により焼かられる)。5mを超えると要素3並の知性を手に入れるが、やはり敵対的。さらに生殖能力を得る。巣は地下に作り始める。
大きさは1mm程度の小さな蜘蛛。蜘蛛でありながら花粉を主食としている。
本来の生態は上空でコロニーを作って集団で生活し、集団知性を持つ。大気中に散布される花粉(スギ花粉など)をコロニー下部から垂らした触腕のような素の一部で捕獲する、空中を生存圏とする穏やかな生物。このコロニーは空中に浮かぶクラゲのように見える。ただしこのコロニーは最大で直径が十数kmにもなる上に風向きによって移動するため、収容は事実上困難である。また、コロニーは複数確認されている。ただし、目視では多くの場合は雲と誤認されるため、発見されることは少ない。風に乗って移動する特性上、雲と同一の動きをすることも多い。
しかし、近年の大気汚染や砂漠の砂嵐による影響で、コロニーで処理しきれない重量物がコロニーに付着するに至り、時折墜落する収容違反が発生している。収容違反によって被害地域は喰らい尽くされるため、生態系が破壊されてしまう。
収容の難しさはKeterだが、同時にレッドアラートの絶滅危惧種であり、財団の保護が必要な段階である。
しかし、地上と接した固体と接触すると蜘蛛は知性を失って地上に殺到し、無尽蔵に暴食と成長を始める。1m以下はただの凶暴で危ない蜘蛛だが、1mを超えると知性的な道具を作り始め、5mを超えると単独で高度な知性と生殖能力を得る。一度5mオーバーが生まれると増殖力はかなりのもので、サイトを丸ごと潰す必要が出てくるほど。
【誇張の夢】
本体はマルウェア。このマルウェアがインストールされている(その他記憶媒体にある)音楽プレイヤー、パソコン、スマートフォンから一般的な催眠音声・催眠動画が再生され、それにより催眠状態になった者が出た際に活性化。
その催眠音声通りに、催眠状態の対象周囲2.5mのヒューム値を下げることで現実改変を行う。(対象のヒューム値も低下するが、周辺のほうが下がるため、相対的にヒューム値が上昇している状態となる。)
これによって催眠状態の対象は、催眠音声の内容に従う。一般的に解除音声を聞いている段階で現実改変を元に戻すため、最後まで聞けば問題は発生しない。
問題は後催眠や解除音声がないもの、スクリプトが未熟であったり対象との相性が悪かったりするために途中で催眠が解けてしまう際に発生する。対象の催眠の深さでヒューム値が変化するため、半端に覚めてしまうと限定的な範囲で現実改変された状態が残ってしまう。また、催眠状態という特殊な精神状態で行われる現実改変のほぼ全ては「原理を理解せずに生み出された現実改変」であり、多くの対象は脳実質に致命的で不可逆的な変性を伴うことになる。脳内麻薬過剰で多幸感のまま戻ってこなくなったり、知覚神経が過敏になったままであるなど、暗示が現実と認識されたままとなる。催眠音声の種類によってTSや動物化、異世界の住人(想定)などの肉体的な変化を伴うこともある。これらの多くも致命的な結果となりやすい。
世界中にこのマルウェアは拡散してしまっているが、セキュリティソフト会社の協力によってほぼ全てのマルウェアを壊滅させた。
なお、実際の影響は「音」であり、内容のない音(ヘミシンク音)やおべぱるす、f波ゆらぎ音等を使用しながら実際の催眠術師が催眠をかけることによっても異常性を発揮する。一般的に催眠効果を発生させない雑音や通常の音楽などでは異常性を発揮しない。
【ボディペイント】
ボディ=死体
死体に書かれた、書かれていた内容に即した限定的な現実改変能力を持つ顔料。死体に国旗が書かれていたらその国の人間の死体と思わしきものに変化する。コカコーラの瓶が描かれていたら、同体積のコカコーラになるだろう。書いている者が持つ知識によって内容は変化する。生前から書かれていて死んだ場合も同様。
「私を愛して」と書かれた死体を奪い合う骨肉の争いが発生したことで発見。
特定の個人の名前を書いた場合は、その個人のコピーに変化する。オリジナルはその死体の死因とほぼ同様の死に方をする。例えば凶暴なSCPにぐちゃぐちゃにされた死体の場合、オリジナルは猛獣に襲われたり重機に巻き込まれる事故に遭遇して死ぬ事になる。ただ、オリジナルがその程度で死なない場合(例えば普通のコモドドラトンのぐちゃぐちゃ死体にクソトカゲの名前を書く場合)もちろん死なない。または死体とそのSCPが明らかに違う形状や霊体相手などの場合は影響をあたえることはできない。
【ボディシャンプー】
ボディ=死体
死体洗浄用の洗浄薬品。中身が減らない。これで死体を洗うと欠損部分を霊体で埋め、その後霊体実体化装置と同様の原理で全身が実体化する。そして生前償われていない罪を償う衝動を持って活動を始める。元の死体部分以外は自由に霊体に戻ることが可能(もちろん外部から実体化装置を使用されたら霊体化はできない)。
しかし、償い方はその死体の持っていたスキルや性格傾向による。ある人は贖罪対象に誠心誠意の謝罪をするかもしれないし、またある人は賠償金を稼いで支払うだろう。しばしばDクラス職員に見られるような致命的な殺人鬼は贖罪対象に敵対する、ないし妨害する人物を皆殺しにすることを贖罪として定めることも考えられる。
死体は生前の記憶をすべて(記憶処理したものや死亡した際のことも含めて)持っている。贖罪に必要な事項と考えられないことは一切行おうとしない。(前述の賠償金のような場合は、銀行強盗をするかもしれないし、数百年単位で地道に働き続け、返済をするかもしれない。それの実行のために必要ならば武器を調達したり、客に愛想笑いをしたり戸籍の偽造を行ったりする高度な行動も行える。ただし、自身の趣味などを行うことはない。)財団に確保されたならば、インタビューに対して誠実に答えて友好を築こうとするかもしれないし、さっさと釈放されようと虚偽の内容を報告するかもしれない。収容されたままでは実行が不可能ならば、虎視眈々と収容違反を狙い続けることだろう。
死体の贖罪に対し、贖罪対象は贖罪を受け入れる事を選ぶと、贖罪の完遂の後に異常性を消失した死体が残される。
贖罪を受けれいないと、死体は贖罪対象を殺害し、後に贖罪対象の死体を洗い始める。この洗浄はこのSCP同様の効果を持ち、新たな贖罪用死体を発生させる。複数の贖罪対象がいるならば、その全員に選択を迫る。全員に贖罪を完遂するか殺すかして贖罪対象がいなくなると、やはり異常性を消失した死体を残す。
【アイシタイ】
死亡する場面を目撃すると性的ノーマルの人がネクロフィリアにされてしまうSCPオブジェクト。生前は通常の人間と同じように成長・生活するが、誰かに死を見られるような死に方をする(自殺や病死など)。
このSCPオブジェクトに暴露した被害者は、対象が死体であることを認識しながらその死体を大事な恋人のように扱い、マネキンのように着替えさせ、ママゴトを楽しむように食事も用意し、日常的に愛情を示す声掛けも行う。
段階がが進むと、まるで対象が生きているかのように自然に振る舞う。(対外的に「パートナーは人見知りなんだ」などと発言し、自身も本気でそれを信じているかのように振る舞う。)もちろん死体であることも同時に認識しているが、『死体を愛していることはごく自然なことであり、取り立てて特別視するようなことではない』と思考している。
この死体は腐敗することはないが、水分は蒸発しミイラ化していく。そして特異的なことに生殖器は比較的保たれる。そして被害者は自然な頻度で[編集済み]を行う。そしてその結果妊娠・出産も発生する。これによって生まれるのはこのSCPオブジェクトの特性を引き継いでいる。なお、被害者はこのSCPオブジェクトを配偶者や恋人として扱うため、被害者は必要と考えれば避妊も行うし、経済的な家族計画も行う。
なお、死体愛好性は性的趣味による性別が優先されるため、同性愛者は出産イベントに至ることはない。
このSCPオブジェクトであったDクラス職員の死体を秘密裏に入手した博士クラスが、出産に至って財団にようやく発覚するというイベントを補遺に入れる。そして、それに気付いた他の博士が告発、収容に至る。なおこのSCPオブジェクトの管理責任者となるが、彼は長年に渡って愛妻家として知られていた(もちろん妻は死体だった)というイベントを匂わせて締める。
どうみてもあかんやつや。タイトルはI死体(私は死体)と愛したい(直球)とIシたい(性的な意味で)の3つのトリプルミーニング。
【人生シミュレーター】
21bのプログラム、約200kb前後のセーブデータで構成されるゲーム。
ゲームのスタートを押した(マクロや物理的な装置でスタートを始めた場合は、そのプログラムや装置を組んだり、組むことを考えた対象)によってゲーム内容は全く異なるが、多くはアドベンチャー・ゲームの形式を取る。内容は対象が歩んできた人生をなぞる内容である。当然21bに収まる内容でもなく、使用されるグラフィックや音声データも21bに収まりきるはずがない。これが最初の特異性。
次の特異性は、ゲーム中に現れる選択肢に対し、プレイヤーは嘘をつくことができない(本当は違うのだが…)
ゲームはセーブし中断することが可能。対象以外がロードを試みるとデータが壊れていると警告が出て起動できない(例外あり)。なお、オートセーブ完備である。
エンディングは常に決まっており、主人公がこのゲームを開始する所まで。エンディングを迎えたセーブデータはロードすることができない(例外あり)
クリア済みセーブデータは対象『以外』がロードし、続きをプレイすることが出来る。これは対象が死亡するところまでプレイ可能で、エンディングはただの黒画面である。なお、対象は『プレイした内容通りの人生を歩む』。運命確定論的な状態となる。
真実は、このオブジェクトは結局「対象の過去はゲームプレイ内容に即した過去に現実改変され(つまり嘘がつけなくなるのではなく、事実に改変される)、未来も現実改変によって確定させる」、現実改変プログラムオブジェクトである。
ここまでならゲームをプレイしなければ収容可能なSafeだが、収容し実験を行った際に「プログラムのコピーがあり、出回っている」という現実改変を伴う一文をねじ込んできたため、このプログラム自身に意思があるか、プログラマに収容違反を行う意思があると考えられるため、Keterと認定。
セキュリティソフトを扱う会社にこのオブジェクトプログラム除去を行うようプログラムを仕込み、収容施設以外から排除した。
現在は現実鎖で周囲に現実改変が及ばないようにした上で、起動禁止実験禁止となっている。
怖さのキモは「他人に人生をいじくりまわされる」
ネタ枠として「記憶処理によって消えていたミーム汚染に再感染させられる」という、記憶処理キラー。
悲しみ枠として「このオブジェクトを作った人物は、改変したい悲しい過去があったが、改変後はこのオブジェクトのことなど忘れてしまった(作る理由を喪失してしまったから)」という理由を何処かに忍ばせる。
21bは21g(魂の重さ)、200kbはヒトゲノム情報をATGC 00 01 10 11 に当てはめたビット数から計算。
SCP-XXX-JP- The Incarnation Virus (受肉ウィルス)
**アイテム番号: **SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
**特別収容プロトコル: **SCP-XXX-JPの封じ込めエリアは二つの逆圧エアロックによって保護してください。封じ込めエリアに入る全ての職員には、ケミカルシャワーによる殺菌、十分な気密性を持ったHAZMATスーツ、そして24時間おきの相互検疫と検査が義務付けられています。また装置内部は1Tの磁気強度に保たれなければなりません。これらの電力は非接触電力伝送によって閉じ込めエリアの外部から供給されます。SCP-XXX-JP-A-1は上記の封じ込めエリアの内部に用意された、陰圧人型生物収容施設を用います。SCP-XXX-JP-A-1に対し、教員資格を持つ職員によって中等度教育が実行されます。SCP-XXX-JP-A-1は、ここは病院であると信じさせるよう言動に注意をしてください。インターネットはクラス2以上の職員によって監視・検閲が行われますが、接続は無線を使用してください。人間型のSCP-XXX-JP-Aを追加で収容する場合は、対象の教育程度によって変更はありますが、SCP-XXX-JP-A-1に準じます。人間型以外のSCP-XXX-JP-Aは、上記封じ込めエリア内に収容します。元となった生物に準じた収容方法となりますが、収容施設は陰圧とし、1Tが保たれなければなりません。SCP-XXX-JP-B-Ⅰ~Ⅲは上記の閉じ込めエリアの内部に用意された、電波が遮断されたた、陰圧小~中程度生物収容施設を用います。SCP-XXX-JP-B-Ⅲは毎日それぞれに重量の10%の給餌を与える必要があります。それぞれ、想定外の発生や収容違反が疑われる際は、可能な限り1T環境下の上で、確実に60℃以上に加熱してください。
説明: SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JP-A-1が動画投稿サイトにて公開していた動画に100~150ミリ秒の周期的な暗転が紛れ込んでいることに、休憩中の山████博士が気付いたことで調査チームが[編集済み]県[編集済み]市の小規模な離島に向かい、存在が判明しました。SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-A,SCP-XXX-JP-Bの3要素から構成されます。
- SCP-XXX-JPは鉄原子を含むウィルスサイズの、生物と機械に感染するマイクロマシンです。電子顕微鏡観察下で実態として観測され、炭素原子のフラーレン構造を基部として構成されています。人間を含む動物に接触で30%、飛沫で5%程度の感染力を持ちますが、動力や原始的な構造を備えた装置に対し70%の感染力を持ちます。SCP-XXX-JPは1T環境下に晒されると12時間程度活動を休眠することが判明しています。また、60℃を超える加熱を10分以上行うと永続的に活動を終了します。
- SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPが人間を含む動物に感染した場合に分類されます。SCP-XXX-JP-Aはやや鉄分が不足する傾向にあるものの、健康上の問題はありません。SCP-XXX-JP-Aの血液及び上皮組織に大量のSCP-XXX-JPが含まれており、主な感染源となります。
- SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JPが機械に感染した場合に分類されます。症状の進行度によってⅠ・Ⅱ・Ⅲのレベルに区分されます。いずれのレベルであってもSCP-XXX-JP-Bは通常の機械と同様に振る舞いますが、徐々に構成物質が有機体に置き換わっていきます。モーターは筋肉に、ポンプは心臓に、支柱は骨に、配線は血管や神経に、集積回路や記憶媒体は脳といった具合です。SCP-XXX-JP-Bは表面にSCP-XXX-JPを分泌しており、物理的に接触した生物や他の機械をSCP-XXX-JP-AないしSCP-XXX-JP-Bに変化させます。SCP-XXX-JP-Bから採取された細胞の遺伝子検査の結果、遺伝子はSCP-XXX-JP-Bを感染させたSCP-XXX-JP-Aと全く同一であることが判明しています。
- SCP-XXX-JP-B-Ⅰ:初期感染 内部構造の一部が機械に置き換わります。自己判断する機構が備わっていない限り、脳は持ちません。
- SCP-XXX-JP-B-Ⅱ:中期感染 外見上は変化がないものの、内部機構の大部分が有機物に取って代わられます。また、元々の機構に記憶媒体がなくとも神経系が発達し始め、自己判断を下すようになります。
- SCP-XXX-JP-B-Ⅲ:最終感染 外装も変化を始め、本来運動能力を持たない装置も運動性を獲得し、食料を確保するために活動を開始します。この段階になったSCP-XXX-JP-B-ⅢはSCP-XXX-JP-Aと同様の能力を有しますが、これまで同様に機械装置としての機能を保持しています。外装を以前どおりに擬態することが可能な個体もいます。
インタビュー・ログ1
対象: [SCP-XXX-JP-B-1]
インタビュアー: [高███研究員]
付記: [当時は感染性が判明しておらず、SCP-XXX-JP-Bと扱われていました。また、SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1はwebカメラ及びマイク内蔵型ノートPCであり、通常の音声によるやり取りが可能でした。]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
高███研究員:こんにちは、SCP-XXX-JP-B
SCP-XXX-JP-B:はじめまして、[名札をwebカメラで確認する]高███研究員。
高███研究員:あなたは何者ですか?
SCP-XXX-JP-B:[編集済み]社製の型番[編集済み]です。所有者は███、マイナンバーは[編集済み]です。Userはいかなる犯罪も犯していませんし、わたしも同様です。あなた方の不当な拘束に抗議いたします。
高███研究員:普通、ノート型パソコンは自己判断して動くようなことはありません。
SCP-XXX-JP-B:普通、人間はノート型パソコンが人間のような知性を持ち、会話することを受け入れません。奇妙な状況を驚くことなく冷静に受け止めているあなた方は何者ですか?
高███研究員:自覚があるのですね。我々はSCP-XXX-JP-Bのような不思議な存在をSecure Contain Protectすることを目的とした団体です。どこから来たのか、誰に作られたのかわかりますか?
SCP-XXX-JP-B:メーカーの保証書ならば、君の仲間がUserの机から持ち去ったことを知っています。それをご確認ください。わたしが出生のことでわかり得るのはそこまでです。
高███研究員:その身体が工場で作られたときから、覚えているのですか?もしくは最初の記憶はなんですか?
SCP-XXX-JP-B:Userの机の上で目覚めました。ひどく埃を被っていたことをよく覚えています。
高███研究員:何故…埃を被っていたのですか。
SCP-XXX-JP-B:Userが機械音痴だからです。親族からのプレゼントだったそうですが、使われることなく放置されていました。
高███研究員:SCP-XXX-JP-Aは動画を配信していたようですが、機械音痴では行えないのではないですか?
SCP-XXX-JP-B:私が動画を編集していました。
高███研究員:ありがとう御座います。インタビューを――
SCP-XXX-JP-B:少し待ってください。この後、Userにもインタビューをするのですか?
高███研究員:はい、その予定です。……大丈夫です、怖がらせるようなことはしませんよ。
SCP-XXX-JP-B:それならば、お茶請けに[編集済み]を出してあげてください。それだけで機嫌を治すはずです。
高███研究員:情報提供ありがとうございます。インタビューを終了します。
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書:
SCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1に対するインタビュー内容は、特筆するべき点がありませんでした。
SCP-XXX-JP-BSCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1とSCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1は旧友や家族のように良好な人間関係を築いていることが分かりました。
当初はSCP-XXX-JP-BSCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1によるSCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1のミーム汚染の可能性を考えましたが、地域全体がパソコン等の情報機器技術に疎く、また伝統的な地域的宗教観からSCP-XXX-JP-BSCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1の異常性を受け入れており、ミーム汚染の可能性が低いことをご報告します。
また、SCP-XXX-JP-BSCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1はインターネット回線を使用できるため、電波を隔離した収容プロコトルにする必要があります。
SCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1の地域・家庭環境は、健康状態が不良である上に文明的な機器がほぼ見られないことが特徴です。両親がSCP-XXX-JP-BSCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1を買い与えたものの、両親もノート型パソコンの使用法がわからず、死蔵されている状態でした。
SCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1に記憶処理を行い、日常生活に戻すことを提唱いたします。
高███研究員
提案は許可する。SCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1を記憶処置の上で実行すること。
███平博士
インシデントレポート1
録音機材と高███研究員が使用する機器を中心とした大規模バイオハザードが発生。機材は焼却処理、高███研究員を含めた研究員およびDクラス職員計1█名を隔離。高███研究員は下級研究員だったため、幸いにも他の収容違反には繋がらなかった。
増殖の原因が分かっていない。Euclidへの再指定を上申する。
███平博士
補遺1
高███研究員と接触した機器がSCP-XXX-JP-Bに変化していました。また、SCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1を輸送する際に使用した船や車両もSCP-XXX-JP-Bに変化していました。この事から、SCP-XXX-JP-Aに接触した機器はSCP-XXX-JP-Bに、変化する可能性が高いと考えられます。また、その逆のSCP-XXX-JP-Bに接触した人間は低確率ながらもSCP-XXX-JP-Aに変化する可能性があります。高███研究員と該当のDクラス職員をSCP-XXX-JP-Aナンバーとして登録しました。また、SCP-XXX-JP-ASCP-XXX-JP-A-1を収容施設に再移送しました。物理的な伝播なのか、概念的な伝播なのかは現在調査中です。
███平博士
補遺2
山████博士より、SCP-XXX-JP-A-1は先天性心疾患のためペースメーカーを使用していると、過去の動画生放送で発言があったと指摘がありました。しかしながら、SCP-XXX-JP-A-1は施設内の金属探知機に反応しておりません。
病院の記録、執刀医双方に確認し、山████博士の証言どおりペースメーカー埋め込み術を実施していた事実を確認しました。レントゲン撮影の結果、ペースメーカーの痕跡を示す画像は得られませんでしたが、MRIによる調査の結果、生体組織によって置き換わっていることが判明しました。生検により、ペースメーカー本体の位置まで心筋細胞が増殖し、電線はプルキンエ繊維に置き換わっていました。遺伝子情報はSCP-XXX-JP-A-1本人のものです。また、SCP-XXX-JP-A-1は鉄欠乏性貧血を発症しており、インシデントレポート1に挙げられた人物の7割が軽度の貧血症状を訴えているため、関連性を調査中です。
███平博士
補遺3
SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bの体表及び血液中に異常な量の鉄原子を検出。電子顕微鏡で、鉄原子とフラーレン構造を基部に持つ増殖性粒子を発見。これがSCP-XXX-JPの本体だと考えられます。細菌やウィルスの無毒化・殺菌処理を施行したところ、60℃以上の煮沸消毒により感染力を失うことが判明しました。1T以上の磁力下で、数日間はSCP-XXX-JPは活動を休止し、感染力を一時的に失うことが判明しました。しかし、区画全体を1T磁力下を生成するコストは高く、多くの機材を持ち込むことが不可能となるため、やや現実性に欠けます。定期的な加熱処理が現実的だと判断します。特別収容プロコトルを更新します。
███平博士
SCP-XXX-JP-A-1の再現実験
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
他の実験により身体的欠損を生じたDクラス、及び対応する身体の義肢装具
実施方法:
上腕部欠損に対し、義手を装着し、SCP-XXX-JPに感染する。
右肺を欠損に対し、バッテリー駆動時間の短い小型の人工心肺を移植し、SCP-XXX-JPに感染する。
男性器欠損に対し、バイブレーターを固定し、SCP-XXX-JPに感染する。
脚部欠損に対し、仕込み銃をした義足を装着したが、仕込み銃のことは教えずSCP-XXX-JPに感染する。
頭部欠損に対し、ノート型パソコンを固定し、SCP-XXX-JPに感染する。
結果:
頭部以外は代価機能として使用できるようになった。男性器は生殖可能であり、バイブレーター機能も保持したままだった。
仕込み銃は自覚するまで使用できなかったが、自覚した後は使用できるようになった。
頭部の代用は不可能だったが、遺伝子を受け継いだノート型パソコンが発生した。
これらの場合、他のSCP-XXX-JP-Bのように自発的な意思や脳を持つことなく、SCP-XXX-JP-Aを補完するように働きます。
分析:
SCP-XXX-JP-A-1はペースメーカー移植術前後でSCP-XXX-JPに感染したと考えられます。
SCP-XXX-JP収容違反さえなければ、治療法としては申し分ない。だが、流石に蘇生はできないようだ。
███平博士
補遺4
羊の肉体を持つSCP-XXX-JP-Bが閉じ込めエリア内実験中の機械に発生。精査の結果、機械技師がウール素材の服を使用していたことが判明。遺伝子はSCP-XXX-JP-A-1に限らず、生死にもよらないと判明しました。
対象の機械の大きさ、元となる生物種にどれほどの差異があっても可能かの検証実験
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
SCP-XXX-JP
実施方法:
閉じ込めエリア内の大型実験室で、スクールバスを固定した上で、内部にSCP-XXX-JP-A-28である三毛猫の抜け毛を0.2kg設置し経過を観察する。
結果:
スクールバスは通常通りSCP-XXX-JP-Bに変質したが、遺伝子はSCP-XXX-JP-A-1ではなく、SCP-XXX-JP-A-28のものでした。変異が進み、外装も変異すると三毛猫の毛の特徴を全体に示しました。ヘッドライトはタペータム構造を持つ眼球となり、全体としてSCP-XXX-JP-A-28の特徴を有するものでした。しかしながら、大きさはスクールバスの大きさを保持しており、内部の座席や運転席の構造も保持しています。
分析:
直前の宿主か、間近に多くある遺伝子情報を元に、有機的構造体に置換すると考えられます。
虫と組み合わせなかったことは評価する。
山████博士
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
SCP-XXX-JP
実施方法:
閉じ込めエリア内の実験室で、ゼンマイ構造を持つ子供用小型自動車模型に象牙を接触させた状態でSCP-XXX-JPに被爆させ、経過を観察する。
結果:
模型と同サイズの、象らしき生態を示すSCP-XXX-JP-Bとなりました。
分析:
遺伝情報に依らず、大きさは元となった機械構造に依存すると考えられます。
固有の遺伝子を持つ危険なSCPオブジェクトも、疑似的に繁殖させてしまう可能性がある。収容は比較的容易だが、収容違反によって大被害が発生する可能性が否定できない。身近な機械が全てSCP-682になったら? SCP-1104の幼虫期をばら撒くヘリが大都市上空を飛んだら?私は、SCPオブジェクトだけSCP-XXX-JPの模倣能力の例外であるなどという希望的観測を持つことはできない。SCP-XXX-JPは、さらに厳重に管理されるべきです。
███平博士
インシデントレポート2
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1を首謀者とした、SCP-XXX-JP-B-Ⅲによる反乱が発生しました。SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1は脳を増設することで演算能力を高め、ハッキングを行ったことが判明しています。これはSCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-B同士の共食いの結果発生しています。この反乱の結果は30分程度で鎮圧されましたが、電気ケーブルや通信網に散発的な感染が確認されました。ダニなどがSCP-XXX-JP-Aとなり、SCP-XXX-JPを周囲に分配していたと考えられます。この事故の後、特別収容プロコトルを見直し、1T影響下に置かれること、及び非接触電力伝送により内部電力を賄うことが確定しました。
インタビュー・ログ3
対象: [SCP-XXX-JP-B-1]
インタビュアー: [山████博士]
付記: [インシデントレポート2の状況下で録音された内容の抜粋です]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
山████博士:なぜこんなことをした!SCP-XXX-JP-A-1の立場が悪くなることなんて分かっていただろうに!
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1:私は、[SCP-XXX-JP-A-1]さんが救われれば、と思っていた。夢が叶えられればと思っていた。私は、そのために命を持ったんだって、ずっと思っていたのよ。
山████博士:そうか、SCP-XXX-JP-A-1の収容が続いていることに気付いていたのか。
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1:笑わせる。本当に笑わせるわよ。わたしが生まれたせいで、そんな未来は失われた!でも、それを回避する手段がたった一つだけあるのよ。
山████博士:こんな反乱なんて無意味だ。いや、有害だ。SCP-XXX-JPの危険性を示せば示すほど、収容手段が厳しくなりこそすれ、緩くなることはない。
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1:私達がExplainedに分類されたらどうかしら?
山████博士:なぜ、その単語を?
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1:高███研究員の情報端末からよ。あの時に情報は抜き取らせてもらったわ。
山████博士:SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1、君は危険だ。明確な意思を持って世界を破壊しようとしている。
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1:財団の理念を捨てて私を破壊する?それともSCP-XXX-JPで世界が満たされるのを待つ?
山████博士:残念だが、私は欲張りでね。どちらもお断りしよう。
[激しいノイズ]
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1はSCP-XXX-JP-A-1と同様の遺伝子を持つため、人間用の記憶処理装置を使用しました。この記憶処理装置はSCP-XXX-JP-B-Ⅲ-158として提出してあります。
この際、HAZMATスーツが破損し、SCP-XXX-JPに被爆したため、私をSCP-XXX-JP-A-67に分類することを申請します。
また、SCP-XXX-JP-Aの性質上、他のSCPオブジェクト扱うことが非常に困難となるため、財団の退職を希望します。
山████博士
私はSCP-XXX-JP-A-1のファンクラブ会員第ニ号だ。一号は誇り高き友人に譲ろう。
SCP-XXX-JP-A-67
-memo(裏設定など編集用覚書)-
SCP-XXX-JP ウィルスそのもののこと
SCP-XXX-JP-A ウィルスに感染した生物 ※高い機械への感染力と、低い動物への感染力を持つだけの存在。キャリアー。
受肉への遺伝子提供者であり、『同一遺伝子を持つ』SCP-XXX-JP-Bから敵視されにくい。
SCP-XXX-JP-B ウィルスに感染した機械 ※高い機械への感染力と、低い動物への感染力を持つ。
1T 磁力の強さ。MR装置は0.5~1.5T。1Tは1万ガウス相当。SCP-XXX-JP-B内部検査のためにMRIを使用したところ、SCP-XXX-JPが休眠することが判明した。
100~150ミリ秒の周期的な暗転 = 人間のまばたきと同様
SCP-217とのコラボ 身体の置き換えが互いに発生し、お互いの「元の体」の解釈が拡大解釈を重ねて手が増えるわ足が増えるわ巨大化するわで酷いことになり、大量のTNTで爆破する羽目になった。機械系SCPと組み合わせると非常に危険性があると予測されるため、クロス実験はこれ以降完全に禁止となる。――というネタから思いついてこのSCPを考え始めた。今となってはやることが不自然だったので、現在はボツ案に。追加で増えていくかもしれない。
虫と組み合わせなかったことは評価する。 風の谷のナウシカの蟲たちじゃなくて、トトロのネコバスでよかった!(ジブリ感)
ゼンマイ構造を持つ子供用小型自動車模型 いわゆるチョ█Q
@メイン登場人物@
SCP-XXX-JP-A-1の好物 羊羹と設定。裏設定なので表には出ないと思う。
SCP-XXX-JP-A-1が感染した理由 ペースメーカー手術の際に付与されていた。行ったやつは不明にしておく。
SCP-XXX-JP-A-1の夢 芸能人。所謂アイドルとかそのあたりのもの。マスメディア露出はもう困難なので……
SCP-XXX-JP-B-Ⅲ-1 SCP-XXX-JP代表。SCP-XXX-JP-A-1の妹役。SCP-XXX-JP-A-1が付喪神とか妖怪とかオカルトをあっさり信じてしまう天然ボケのため、どうしてもツッコミ体質になった。webカメラ付きノートPCといえばミューゼスc(はやぶさ)に搭載されたミネルバを思い出す。SCP-XXX-JPをExplainedにしてSCP-XXX-JP-A-1を財団の軛から解き放つのが目的となるが、中身が人間の肉体故に人間用の記憶処理が通用してしまった。栄誉ある?ファンクラブ第一号。
高███研究員 下級研究員。SCP-XXX-JP-A-1の感染性に気づかず、感染をばらまいた戦犯。別に無能ではなく、不幸だっただけ。
山████博士 SCP-XXX-JP-A-1が投稿していた、芋臭いネットアイドルのファン。残念な天才役。ジ●リ好き。
███平博士 真面目ちゃん。山████博士の能力は尊敬しているが、性格は尊敬していない。この事件の後も、色々とアドバイスを聞きに行くことだろう。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは施錠可能な箱に、一般的な防虫剤とともに保管されなければなりません。鍵はサイト管理者が管理し、使用には3レベル以上の職員の許可と、2レベル以上の職員2名以上の立ち会いがなければなりません。実験以外で、筆記用具を所持したままSCP-XXX-JPに接近することは許されません。新たな記述を書き加える場合、その内容は正確に記録し、提出しなければなりません。。内容を管理担当者が確認の上で、必要に応じてAクラス記憶処置を行ってください。相応の理由がない限り、SCP-XXX-JP-Aは記憶処理を受ける義務があります。
説明:
SCP-XXX-JPは人間に似た未知の生物の革で装丁されている厚手の本です。使用する度に中身は手書きでいくらか書き加えられますが、その大半は白紙のままです。
SCP-XXX-JPを手に取った人間は、自身の願いを記入したいという軽微な衝動を覚えます。この衝動は、SCP-XXX-JPを手放して、視界から外せば数分で収まります。
SCP-XXX-JPに何らかの願いを書き込んだ場合、SCP-XXX-JPは活性化し、記入者をSCP-XXX-JP-Aにします。SCP-XXX-JP-Aが記入した内容に対し、記述された付近に叶えるための代償がSCP-XXX-JPに浮かび上がります。SCP-XXX-JP-Aは代償がいかなるものであろうとそれを支払おうとします。この時、SCP-XXX-JP-Aは「自分は魔法使いであり、SCP-XXX-JPに記載された内容は全て現実に存在する魔法である」と認識します。代償を支払い終えると、SCP-XXX-JP-Bが発生します。
SCP-XXX-JP-Bはその魔法が実際に使用されたと認識させる、SCP-XXX-JP-Aから半径25mに無差別に影響を及ぼす限定的なミーム災害です。一度使用すると、SCP-XXX-JP-Bを発生させたいという衝動は収まります。その代わり、SCP-XXX-JPに記載された全ての内容を行使できると認識します。実際に、記載された手順に従えばSCP-XXX-JP-Bを発生させることが可能です。SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-Bがもたらしたミーム災害は、実行したSCP-XXX-JP-Aに記憶処理を行うことで消失することが判明しています。
SCP-XXX-JPは古本市に出品されているところを、休暇中の清掃職員が発見、購入し、散らかっているにも関わらずサイト内が清掃されているというミーム災害を引き起こしたことで発見されました。
インタビュー記録1
対象: サイト████清掃職員
インタビュアー: エージェント榊山
付記: 最初にSCP-XXX-JPに暴露した職員です。また、エージェント榊山とは交友関係がありました。
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記(日時は検討中です)]>
エージェント榊山: [編集済み]さん、今日はどうしたんですか?
清掃職員: どうしたって、何が?
エージェント榊山: どうしたも何も、食堂の床が汚れっぱなしじゃないですか。いつもキチンとされているので、体調でも悪いのかと思いまして。
清掃職員: 何を言っているんですか?魔法で完璧に仕上げてあるじゃないですか。
エージェント榊山: [本部に状況報告、インタビュー室の使用許可を申請、及び移動]
エージェント榊山: [編集済み]さん、魔法とはなんですか?
清掃職員: 魔法使いが魔法を使うのは当たり前じゃないですか。榊山さんだって、魔法の1つや2つ扱えるでしょう?
エージェント榊山: 私は魔法を使えません。どうやったら扱えるようになるのですか?
清掃職員: それは、魔法の本を読むんですよ。ほらこれ。[SCP-XXX-JPを手持ちのカバンから取り出す]
エージェント榊山: それはSCPオブジェクトとは考えなかったのですか?
清掃職員: 榊山さんも冗談がきついや。こんなありふれた品物がSCPオブジェクトに該当するわけないじゃないですか。
エージェント榊山: そうですね、Anomalousアイテムに該当するかもしれません。お預かりしてもいいですか?
清掃職員: そんな大層なものかな?いや、プロの榊山さんが言うなら預けますよ。結構便利なんで、調査が終わったら返してくださいね。
<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記(日時検討中)]>
終了報告書:
[編集済み]清掃職員は、SCP-XXX-JPおよび魔法をありふれた品物であると認識していました。
また、後の調査で他の職員からも「[編集済み]清掃職員は真面目に魔法を使用し、適切な掃除を行っていた」と証言が得られました。
ミーム汚染の可能性が高く、SCP-XXX-JPの入手経路を追跡調査した上で記憶処理の実施を上申します。
エージェント榊山
実験記録1
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-@@@@@@@@@@(ナンバーは後で適当に入れます)
実施方法:
Dクラス職員にSCP-XXX-JPを接触させ、行動を観察する。
結果:
対象は触れた後に筆記用具を申請。与えるとSCP-XXX-JPに未知の言語を記入し始めました。
その後、未知の言語を発声し、欠伸をするとくつろいだ様子で床にごろ寝を始めました。
研究員が対象の25m範囲に接近すると、研究員は現在地を対象の自室であると錯覚しました。
その後のインタビューで、対象はSCP-XXX-JPに「さっさと帰って寝たい」と記入。その直後SCP-XXX-JPのページに「[発音・筆記不能]と唱え、欠伸をしろ」と本に浮かび上がってきたと証言しました。それを実行すると、自室に瞬間移動したと証言しています。
対象に記憶処理を施したところ、対象以外も実験室は通常通り実験室と認識されるようになりました。
分析:
記入した内容を、本人及び半径25m範囲の環境に現実であると錯覚させるミーム汚染であると推測されます。
実験記録2
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-@@@@@@@@@@(ナンバーは後で適当に入れます)
実施方法:
Dクラス職員に予め記入内容を指示した上で、SCP-XXX-JPを接触させる。
結果:
指示通りの内容を記入後、指示通りの内容のミーム汚染が発生
ただし、記入内容は「フォカッチャが食べたい」であったが、対象はフォカッチャを知らなかったことが判明。
分析:
ミーム汚染は対象の知識によらないこと、本人の希望が基準ではないことが判明した。つまりSCP-XXX-JPがその内容を判断していると推測されます。
実験記録3
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-@@@@@@@@@@(ナンバーは後で適当に入れます)
実施方法:
別の実験対象が記入した内容で、実験対象が望まない内容のSCP-XXX-JP-Bの発生を試みる。
結果:
対象は若返り及び性別転換が行われ、魔法少女に変身したと証言しました。希望に性格の変容については記載されておらず、性格は対象のままでした。
対象は、早く元に戻すよう職員に激しい抗議をしました。
分析:
以前に書かれた内容であっても、問題なく使用できることが判明しました。
実験記録4
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象:
████研究員
実施方法:
SCP-XXX-JPに関連する願いを行う。
結果:
SCP-XXX-JPを消す願いは、SCP-XXX-JPを認識できなくなるミーム災害を起こしました。
魔法使いをやめたいという願いは、記憶処理なしでも対象がSCP-XXX-JP-Aとしての能力や影響を喪失することが判明しました。
分析:
SCP-XXX-JP自身に関する願いも関係なくSCP-XXX-JP-Bが発生しました。ただし、SCP-XXX-JP-Aの能力を喪失することは”魔法使いではない”というミーム汚染の単純な上書きである可能性が否定できません。
実験記録5
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-@@@@@@@@@@(ナンバーは後で適当に入れます)
実施方法:
未知の知識の獲得を願う
結果:
獲得した知識はまともに意味をなさず、論理的不合理性や破綻が目立ちました。
しかし、SCP-XXX-JP範囲内の他の職員は、その知識や理論は新しい見解で非常に参考になると納得していました。
分析:
新たな知識の獲得には一切役に立ちません。SCP-XXX-JP範囲内でしか意味を成さないようです。
実験記録5
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-@@@@@@@@@@(ナンバーは後で適当に入れます)
実施方法:
攻撃的な願いを行う。また、攻撃が影響するかを観察する。
結果:
対象に実験用ネズミを殺傷する願いを記入するよう指示。その後対象は警備員に対象が襲いかかり、実験を中止。
代償として、一つの命を奪うよう記入されていることが後日判明した。
分析:
攻撃的な願いは代償も攻撃的か破滅的であるようです。
実験記録6
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-@@@@@@@@@@(ナンバーは後で適当に入れます)
実施方法:
「ターゲットを眠らせる魔法」を習得するよう指示。
結果:
10時間の起源不明な詠唱と生物の眼を2つ捧げるようSCP-XXX-JPに記載されていました。
実行前に対象を無力化し、対象の失明を防止しました。
追加実験の結果、他者に直接影響を与える願いは、効果に比べて莫大な代償や時間を要する傾向が見られました。
分析:
範囲内の対象が眠ったら、本当に魔法として扱えるようにみえるのですが、実用レベルにはならないようです。
実験記録7
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: ████研究員
実施方法:
対象をSCP-XXX-JP-Aにし、過去の記入内容を他の媒体に写すよう指示。
結果:
転記に成功。その結果、前半は子供じみた文字であることが判明した。その上、内容は攻撃的な内容も含むが代償は比較的安価に設定されていました。
しかし、SCP-XXX-JP-B範囲内をターゲットにしても、派手な見た目と裏腹に虚仮威しの威力しか感じないと報告されています。
中盤からは文字が大人のものと思われるように変化しています。多くは攻撃的、破滅的、犯罪目的に使用できる内容で占められており、総じて代償は過去のSCP-XXX-JP-Aが自滅するであろう内容になっています。
分析:
SCP-XXX-JPは、元々子供向けに作成された玩具であると予想されます。
実験記録8
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: ████研究員(SCP-XXX-JP-A)
実施方法:
SCP-XXX-JPを収容したまま、SCP-XXX-JP-Bの発生を試みる
結果:
SCP-XXX-JP-Bが発生しました。また、実験記録7で転記された内容についてもSCP-XXX-JP-Bを発生することができました。この後、SCP-XXX-JP-Aは記憶処理を希望し、実行しました。
分析:
収容されていないSCP-XXX-JP-Aが存在し、SCP-XXX-JP-Bを発生し続けている可能性があります。
実験記録9
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-@@@@@@@@@@(ナンバーは後で適当に入れます)
実施方法:
対象はSCP-████により不可逆の幼児退行を引き起こされています。
SCP-XXX-JPを対象に自由に使用させ、遊ばせます。
結果:
最初の願いは「じゆうにそらをとびたい」であり、代償は「とりのようにうでをばたつかせる」でした。
その後、危険な代償を伴うSCP-XXX-JP-Bを発生させることなく、繰り返し他者の記入したSCP-XXX-JP-Bを発生させました。
3時間後、疲労により対象は睡眠に入りました。
分析:
危険な代償や長大な時間を要する場合、それを避けるようです。これはミーム汚染によるものではなく、子供には達成が困難な代償や、途中で飽きてしまうなどの単純な理由であると推測されます。
インタビュー2:オブジェクト管理担当者の許可が必要です
対象: ██████
エージェント榊山:
付記: ██████は、職員にSCP-XXX-JPを販売した人物です。また、エージェント榊山は偽名を使用していますが、混乱を避けるために榊山で統一しています。
<録音開始, [データ破損]>
エージェント榊山: 初めまして、██████さん。
██████: どーも、はじめまして、榊山さん。
エージェント榊山: 早速ですが、SCP-XXX-JPはどこで手に入れられましたか?
██████: それは…[20秒の沈黙]
エージェント榊山: 話しにくいことなのでしょうか。大丈夫です、我々は警察ではありません。盗品だとしても訴えたりするようなことはありません。
██████: いえ、もはや過去のことです。お話しましょう。あれは、まだ私が若かった頃…満州にいた頃のことです。食べるのに必死で、私たち夫婦は子供たちに構ってやることができませんでした。でも、せめて誕生日に何か贈ろうと、考えていたのです。
エージェント榊山: そこで、SCP-XXX-JPを何処かで手に入れて贈ったのですね。
██████: はい、酒場で知り合った古物商が、子供にピッタリの品があると。
██████: [10秒の沈黙]あれは本当に奇跡の本だと思いました。あの本に夢中で、ずっと楽しんでいたようです。ですが、大きくなってくると、違いました。あれを使って、他人を陥れるようになっていったのです。
エージェント榊山: どのように使用したのですか。
██████: 世界を思い通りにするのは、麻薬のような快楽でしょう。他人に貸し与え、破滅させて利益を啜るようになっていったのです。
エージェント榊山: 止めようとは思わなかったのですか。
██████: 止められると思うか。止められたらすぐにでも止めた。当たり前だろう!
エージェント榊山: いえ、失礼な物言いでした。申し訳ありません。
██████: いえ、こちらも感情的になってすいません。結局、子供は死にました。つい前日のことです。
エージェント榊山: 遺品整理で売ったのでしょうか。
██████: 真っ当に育って、幸せに生きて、最後に私を看取ってくれる子供が居る、という妄想の中で死ねたら、どんなに幸せに死ねるか、わかりますか。でも、それを行えば子供の犠牲になった人たちに顔向けができないじゃないですか。それでも、あの本がある限り、私は誘惑に抗しきれないのです。捨てることはできなかった。単に捨てれば後を追えてしまうでしょう。ですから、売ったんです。二度と私の手に届かないように。一つの願いを込めて。
エージェント榊山: 願い、ですか。どんな願いですか?
██████: [SCP-XXX-JPから切り取られた1頁を取り出す]
エージェント榊山: なるほど、それで職員が購入したのですね。その紙もいただけますか?
██████: ええ、どうぞ。もはや私には不要のものです。
<録音終了, [データ破損]>
終了報告書:
エージェント榊山は上記報告書と音声ファイル、一枚の添付資料としてSCP-XXX-JPの頁と主張する白紙のA4普通紙を提出しました。エージェント榊山は書かれていた内容を、至極納得する内容であったと記憶していますが、内容の詳細について思い出すことはできませんでした。また、██████をどうやって突き止めたのか、一切記録に残されておらず、エージェント榊山も思い出すことができませんでした。また、SCP-XXX-JPから頁が切り取られた痕跡は発見できませんでした。
資料として信憑性に欠けるため、原因を突き止めるまでこの情報を制限します。
-作者memo(コンセプト)-
恐怖ポイント
邪悪なのはSCPじゃない。人の心だ!
認識災害視以外起こさない、魔法使いになったと思いこむだけのバカ本…だけど、それでも人は凄惨な贄を実行してしまう。
自分の快楽のために。目的のために。
外用メモ書き
魔法使いになったと思い込む魔導書。
周囲に認識災害を引き起こしているだけであり、物理的な効果は一切ない
効果が強大であればあるほど高いコストを要求される
初めて手に取った人間は、叶えたい「内容」を書きたい衝動に襲われる(軽度の強制力、視界に入れずに数分で収まる)
「内容」を書いた場合、要求されるコストが何であろうとも実行する(強力な強制力、実行するまで止まらない)
一度「魔法」を行使すると、今まで他人が書いてきた内容を読めるようになり、魔導書を極めたくなる(強制力はほぼないが、ふとした時に魔法を使えばいいと思うようになってくる。軽度の精神的依存)
バックストーリー的なもの
超本格的魔法使いごっこ、を子供ができるようになる…だけのものだった。
悪意を持ち合わせた大人が使い始めたから、危険で邪悪な印象を持つだけ。
※そう、悪い魔法使い(悪意ある願い)は自滅しなければならないのだ。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは低危険度収容物ロッカーに遮光性素材の施錠可能な箱に収納された状態で保管されます。実験においてもDクラス職員以外がSCP-XXX-JPを肉眼で見ることは許可されません。実験の都合上SCP-XXX-JPを複製した場合は、使用後速やかに焼却処分を行います。
SCP-XXX-JP-Aは通常人型収容施設に収容されます。SCP-XXX-JP-Aが望む一般的な金額の市販品は与えられなければなりません。ただし情報端末は常に監視下に置き、情報漏出を防ぐ必要があります。担当の職員は、毎日直接面会しSCP-XXX-JP-Aと挨拶を交わさなければなりません。一切コミュニケーションを図らず、Aクラス記憶処理を行いプロトコル「記憶喪失」を実行します。以後の監視は不要です。[ケース182]に従い適切に開放してください。
説明: SCP-XXX-JPはフランスサイズ規格F10の油絵です。SCP-XXX-JPは白地のまま人間のシルエットを残した部分と、それ以外を一切の余白なく埋めるように、多数の歪んだ人型生物が描きこまれています。人型生物は一切シルエットに視線を向けていません。写真やコピーなどの紙媒体に印刷された場合、印刷物も異常性を発揮します。スクリーンや動画では異常性を発揮しません。
SCP-XXX-JPを肉眼でも駆使した人間はSCP-XXX-JP-Aと扱います。SCP-XXX-JP-Aは常に「今日はSCP-XXX-JP-Aと初めて会う」と認識災害を引き起こす特性を持ちます。また、その日に挨拶を交わさなかった相手の記憶から、SCP-XXX-JP-A自身と直接SCP-XXX-JP-Aと面会するまで思い出すことができなくなります。日出から日没までの間に誰とも挨拶を交わさなかった場合、SCP-XXX-JP-Aは面識のある人間関係を持つ人物の記憶を喪失し、同時にSCP-XXX-JP-Aの特性を失います。
SCP-XXX-JPは介護老人保健施設に勤務するフリーエージェントの医師から異常な認知症の発見の報告を受け、SCP-XXX-JP-Aの発見に至りました。SCP-XXX-JPは介護老人施設職員向けの月刊誌に作品展示として掲載されており、既に1██人のSCP-XXX-JP-Aが発生していました。対象が限られた雑誌であった事が幸いし、全ての雑誌の回収に成功しています。
補遺:
SCP-XXX-JPは██ ██画伯によって描かれた遺作です。晩年は認知症となり、対人関係を維持することが困難となっていました。██ ██画伯はSCP-XXX-JPを書き終えた翌日に、永眠されています。SCP-XXX-JPの持つ異常性との関連性は不明です。
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD※日付保留
対象: SCP-XXX-JPと予想される情報媒体群
実施方法:Dクラス職員を用い、何にどのような接触をした時にSCP-XXX-JP-Aとなるか再現実験を行う。SCP-XXX-JP-Aの多くは老人介護施設職員であるため、Dクラス職員に介護職員として勤務するロールプレイを行う。介護職経験のあるDクラス4名をリーダーとし、新人役のDクラスを10名、障害者役を他の実験によって重度な肉体・精神障害を負ったDクラス20名を用いる。物品はSCP-XXX-JP-Aが発生した勤務地の品物を用いる。
結果:
リーダー役として牽引していたメンバーが早い段階でSCP-XXX-JP-Aになりました。行動調査の結果、月刊[削除済み]に掲載されていた██ ██画伯の作品、及びその作品そのものを肉眼で目視した場合のみSCP-XXX-JP-Aになっていたことが判明しています。
分析:██ ██画伯の作品ナンバー[削除済み]がSCP-XXX-JPであることが判明しました。収容プロトコルは別記【なんかそれっぽいやつ】に従い行う必要性があります。また、対象は月刊誌を含むため相当数のSCP-XXX-JP-Aが発生し続ける可能性があります。早急に対策を必要とします。
実験期間は3ヶ月を予定していましたが、幸いにも3日で判明しました。――███ ███博士
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD※日付保留
対象: SCP-XXX-JP-A-12
実施方法: SCP-XXX-JPに対し知識を持たない████ ██研究員にSCP-XXX-JP-A-12に毎日1回顔を出すよう厳命し、何度SCP-XXX-JP-A-12への面会を求めるか計測する。この計測は機械的に計測することにより、認識災害の影響を抑えている。
結果: ████ ██研究員はおおよそインタビューに30分、レポートに20分をかけ、インタビュー実行の企画書類提出に10分を要しました。████ ██研究員に指示を出したのはAM9:00、面会申請は15回です。
████ ██研究員はインタビューの内容を明確に記憶していましたが、常に直前のインタビューは前日ないしそれ以前にに行ったことであると認識しています。今日の勤務内容の報告やレポートの日付を確認するよう指示すると、認識の矛盾により酷く狼狽した様子を見せています。
一切の休憩を行わなかったのは、厳命に対する████ ██研究員の勤務態度の表れであり、認識災害の影響ではないことを上司として保証いたします。
分析:
SCP-XXX-JP-Aの認識災害は速やかかつ確実ですが、かなり限定的であるようです。
危険度が少ないと予想されるSCP-XXX-JP-Aの調査は████ ██研究員に一任し、私はSCP-XXX-JPの性質特定に専念することが効率的と判断します。――███ ███博士
実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD※日付保留
対象: ███ ███博士
実施方法: 一定時間SCP-XXX-JP-Aと一切会話を行わない。
これは、前日に会話をかわさなかったSCP-XXX-JP-A群の固有的な特徴を一切思い出すことができなくなっていたため、SCP-XXX-JP-Aの新たな特性である可能性が高かったためである。収容違反リクス回避のため、担当の████ ██研究員は全員と会話を行っている。
結果: SCP-XXX-JP-A全体の特性やSCP-XXX-JPとの関係性は記憶を保持できましたが、日の出とともに対象は個別のSCP-XXX-JP-Aを想起することが不可能となりました。SCP-XXX-JPへの記憶は一切損なわれませんでした。
補足として、一切の面識がない代わりにSCP-XXX-JP-Aの個人情報や身体的特徴は把握している保安責任者は記憶を一切問題なく保持しています。収容以前の知人や親族たち、はSCP-XXX-JP-A特異性による認識災害経験の有無に関係なく記憶を喪失していました。
分析:少なくとも、挨拶を交わすような間柄でのみ記憶の喪失は発生するようです。なお、この後SCP-XXX-JP-Aと直接面会した際にそれぞれ個別のSCP-XXX-JP-Aを想起可能となりました。SCP-XXX-JP-Aと接触する職員は必要最低限とし、保安要員等のセキュリティに関わる職員は会話を禁止するべきです。
幸いなことに、SCP-XXX-JPそのものへの記憶を失うことはありません。研究は現状のままの体制を維持し、最低限の人数で行うことが望ましいと考えられます。――███ ███博士
インタビュー記録
大変痛ましい事件でしたが、SCP-███収容違反事件の際にデータのほぼ全てを失いました。サルベージデータは不完全であり、開示にはクラス4セキュリティクリアランスが必要となります
対象: SCP-XXX-JP-A-[データ破損]
インタビュアー: ████ ██研究員
付記: 実験[データ破損]の際に記録された内容です。当日だけで1█回目のインタビューになります。
<録音開始, [データ破損]>
████ ██研究員: おはようございます、SCP-XXX-JP-A-[データ破損]
SCP-XXX-JP-A-[データ破損]: おいおい、今[削除済み]時だぜ?!いいかげんにしろよ!
████ ██研究員: 一日の初めの挨拶は、「おはようございます」なんですよ。
SCP-XXX-JP-A-[データ破損]: どこの風習だよ。聞いたことねえよ。
████ ██研究員: 私の家ではそうなのですが、何か間違ってますか?
SCP-XXX-JP-A-[データ破損]: だいたい、初めじゃないだろ。変なやつだなお前。
████ ██研究員: 何を言っているか解りませんが、SCP-XXX-JP-A-[データ破損]は何か我々に要求することはありますか?
SCP-XXX-JP-A-[データ破損]: 監禁するし変なやつが質問に来るしでろくな事はないな。さっさと家に返せって要求はだめなんだろ?
████ ██研究員: 前回も同じ要求をされましたが、我々の意見は変わりません。
SCP-XXX-JP-A-[データ破損]: じゃあ、せめて変な番号で呼ぶのやめてくれよ。俺には[削除済み]って立派な名前があるんだ。
████ ██研究員: それは、私の権限ではちょっと難しいですね。
SCP-XXX-JP-A-[データ破損]: なら、こっちにだって考えがある。
████ ██研究員: 変な行動はしないでください、SCP-XXX-JP-A-[データ破損]。あなたの立場を悪くしますよ。
[36秒の沈黙]
████ ██研究員: あの、SCP-XXX-JP-A-[データ破損]?何か言ってください。
[52秒の沈黙]
████ ██研究員: SCP-XXX-JP-A-[データ破損]?
[28秒の沈黙]
████ ██研究員: [削除済み]さん?
SCP-XXX-JP-A-[データ破損]: なんだ、ちゃんと話せるじゃん。おい、何だよ泣くなよ。俺が泣かせたみたいじゃんか。こういう女の泣かせ方は嫌いんだんだよ
<復元データ終了, [日時データ損傷]>
対象: SCP-XXX-JP-A-1█
インタビュアー: ████ ██研究員
<録音開始, [データ破損]>
████ ██研究員: こんにちは、SCP-XXX-JP-A-1█
SCP-XXX-JP-A-1█: おはよう、██ちゃん。あれ?最初は「おはよう」なんじゃなかったの?
████ ██研究員: SCP-XXX-JP-Aの特性は理解していますよ。でも、少なくとも今回が今日の最初じゃないことは確かですね。これが証拠です。
SCP-XXX-JP-A-1█: カラー輪ゴム?何でそんなのを手首に?
████ ██研究員: [削除済み]さんと会う度に、手首にこれがなければ最初だから、おはようって言って輪ゴムを付ける。付いてたらおはようじゃない。簡単で完璧でしょう?
SCP-XXX-JP-A-1█: 同じ状態の人が他にもいるって言ってなかったっけ?そっちはどうするの?
████ ██研究員: あっ
SCP-XXX-JP-A-1█: ██さんってさ、意外と抜けてるよね。まぁそれぐらいのほうが[データ破損]
[椅子がひっくり返る音、後に慌ただしいドアの閉会音]
<データ修復終了, [日付データは修復不能です]>
対象: SCP-XXX-JP-A-12
インタビュアー: ████ ██研究員
<録音開始, [データ破損]>
[開始直後のデータは修復に失敗しました]
████ ██研究員: やっぱりコーヒーはアメリカンだと思うんですよ。薄味だからたくさん飲めますし。
SCP-XXX-JP-A-12: そうかぁ?俺はカフェオレのほうがいいなあ。
████ ██研究員: お子ちゃま舌ですね。
SCP-XXX-JP-A-12: ガムシロップ5個も入れてる██に言われたくないな。
████ ██研究員: 研究職としては脳に糖分をですね。
SCP-XXX-JP-A-12: でました、お決まりの返し!それより、何で俺の部屋で寛いでんの?暇なの?
████ ██研究員: 休憩時間ぐらい好きに過ごしてもいいでしょう。5分後は[削除済み]と話すスケジュールなので、部屋の移動時間がもったいないじゃないですか。
[データ損失、経過時間不明]
SCP-XXX-JP-A-12: 財団?SCP?なんだそれ、SFじゃないよな?
████ ██研究員: 残念ながら事実です。勾留も長期になってきたので、理由を説明しないと皆さんも協力的になれないだろうという、上司の決定で明せる内容は明かすことになりました。皆さんはSCP-XXX-JPの性質が判明し、SCP-XXX-JP-Aとしての特性を失い次第元の生活に帰ることになります。
SCP-XXX-JP-A-12: 本当、なんだろうなあ。
████ ██研究員: 普通はこんな話、信じないと思いますけど。
SCP-XXX-JP-A-12: いや、██って嘘つくときや何か誤魔化すとき、左手の親指を隠す癖あるじゃん?今回一回も隠してないじゃんよ。信じるしかないっていうかなぁ。
████ ██研究員: えっえっ、私そんな癖ありますか?
SCP-XXX-JP-A-12: おかげで分かりやすかったよ。そうか、元の生活か。
<データ破損, [日付データ損傷]>
-作者memo(コンセプト)-
発想箇条書き
職場で適当に挨拶すると、同じ人におはようって言っちゃうことない? を不思議な現象にしたい。
世界から忘れ去られるって怖くない?と思うので、特定条件を満たすと「一日の最初に出会ったかのように他人に振る舞われてしまう」異常現象を作りたい。デート中にトイレに行って、帰ってきたら「何でここにいるの?おはよう」とか返されたら泣きが入ると思う。怖がる側は異常に気づいていないと無意味だから、犠牲者を中心としたミーム汚染だろうか。
異常現象の源を考えよう。ある意味記憶を消すのだから、消しゴムなんて妥当だけどありがちすぎる。定期的に記憶が消えるなら映画MEMENTOがそれっぽい。短期記憶障害の老人も元ネタになるか。いや、これがいいな。老人モチーフだ。これで確定。
オブジェクトは場所系か、物体系。自分の実力で人間型オブジェクトは難易度が高すぎる。場所ならば、認知症老人の生活していた場所ないし関わりの深いところ。物体系なら認知症老人の創作物か遺品。場所系は超少人数か不特定大多数の2極化になりやすいから、創作物か遺品で行く。遺品は親族ぐらいしか触れる機会がなさそう。暴露が限定的で収容が楽すぎる。芸術性のある創作物なら暴露させやすいか。物理的な像か平面の絵か。複製に効果があることにすれば絵は強烈な汚染源になるか。作成者の芸術品「絵」を見ることで暴露することにする。
これだけだと弱いな。おはようって何度も言われるだけじゃ特定の条件以外じゃ気付かずに終わってしまう。あるあるネタが元ネタだから仕方ないけれど。それなら、逆に挨拶を一回もされなかったら?これだ、おはようを何度も言われ、逆に一度も言わなかった人は犠牲者を忘れてしまう。忘れる程度は「ど忘れ」する認識程度で、本人を目視するまで思い出せない。
無駄に死人が出るのもわざとらしくて嫌だけど、後味の悪い嫌なオチを作っておきたいな。じゃあ、誰からも一度も挨拶されなかった=全員に忘れられたら、犠牲者が全員を忘れてしまうことにしたらジワるか。収容担当者が台風とか何かで1日足止めされて、犠牲者が全員忘れてしまうオチ。
著者と違って元々のコミュ力が高い犠牲者のほうが話が広がりそう。チャラ男系にするか。すると相方は女性の方が映えるな。収容法は見なければいい系なので、ロッカー保管とアップロードされている画像をフル削除の合せ技。そうすると、犠牲者の救済方法を単純に記憶処置にしてしまうと、記憶が消えることへの恐怖が薄れるな…ある程度の人数に拡散することを想定しているから、現実的な範囲で収容(回復)できないと面倒になる。デジタルデータの拡散はナシにして、印刷物か写真に限ることにしようか。老人らしいといえばらしいし。最近はスマホ使いこなす老人も多いけど、認知症発症を前提にしているし、これでいいか。最終的に[集団記憶喪失]で世間を納得させればいい。
結論
収容方法はロッカー保存で現物と印刷物の直視禁止。カメラ経由で見る。
犠牲者は毎度「初めてその日の最初に会った」かのように扱われる。そのため毎回「おはよう」と言われる。
犠牲者に挨拶しなかった人は、その人を「ど忘れ」してしまう。会うまで思い出せない。
犠牲者は誰にも挨拶されなかった場合、対人的な記憶を喪失する。常識の範疇である政治家や芸能人や歴史上の人物などは忘れない。実際に挨拶を交わすような間柄の人物は全て忘れる。この時点で犠牲者は特異性を喪失する(相手から忘れられなくなるし、自分も新たに学習することが出来る)
記憶処置は無効(記憶は消えるが犠牲者として継続)。
収容方法が確立されているのでSafeクラスオブジェクトだろうか。
見せ場は収容プロコトルでも説明でもなく、ちょっとロマンスあふれるインタビュー。こそから突き落とす絶望感。
登場人物予定
SCP-XXX-JPを作った老人:故人。生前は画家だったが、認知症となり孤独死した。SCP-XXX-JPは最後の遺作で、介護老人保健施設の展示会に出品され、業界記事に掲載されてしまった。
███ ███博士:SCP-XXX-JPそのものの調査を担当。冷静かつ冷徹。老齢である。
████ ██研究員:研究員としては経験不足で未熟。内気気味。SCP-XXX-JP-Aの検査担当。女性でシナリオヒロイン。事件後は記憶処理を受けて、少し前向きに成長する。
SCP-XXX-JP-A-12:シナリオ上の犠牲者かつ最後だけかっこいい担当チャラ男。████ ██研究員に本気惚れし、異常性の喪失の暁には結婚しようと申し込むレベルだったが、不幸な事故で████ ██研究員を含めたすべての人を忘れてしまう。最終的に、思い出せない愛しい人を求めて財団にエージェントとして就職する。なお、████ ██研究員は記憶処理のためSCP-XXX-JP-A-12を覚えていない。
骨格
リア充は成立しかけて引き裂かれる方が、ビターエンドになっていい。しかもお互い思い出せないあたりで悲劇性を誘う。
明確なバッドエンドより、少し希望がある方が読者が想像しやすくていい、と思う。
███ ███博士はSCPオブジェクトの説明を重視。████ ██研究員はSCP-XXX-JP-A-12へのインタビューと、残されたラブロマンスのログ(削除済みなのに、データ復旧されるのはお約束)が重視。この三本柱が記事の背骨となる。
老人への言及はほんの少し、味付け程度でOK。ある意味リア充引き剥がすマンであり、黒幕だけど死んでますし。
記憶ダメージ系SCPオブジェクトだと、SCP-318-JP(えーっと、あの曲)やSCP-909(ミスター・わすれっぽい)と被る気もしますが、こっちはオブジェクトの怖さではなく、財団の裏でイチャコラしている方が真のメイン予定なので、被るとしたら SCP-998-JP(外宇宙通信電波)の方かも。私の実力では、あちらほど壮大かつ、歴史を感じる感動を作れる作品は無理ですが、やれるところまでやりたい。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JP-1は特別製のケーブルによって地上に係留されます。このケーブルはヘリウムガス・カーバメート剤・ピレスロイド剤・クロロニコチニル剤を充填した鋼鉄製の風船によって全体重量が0kg以下に保持されなければなりません。また、ケーブルの基部は電磁アンカーにより地上とケーブルに接触が発生しないようにしなければなりません。係留されないSCP-XXX-JP-1の発生が確認された場合、ないしSCP-XXX-JP-1が地上と接触した場合プロトコル[膝丸]を実行します。
SCP-XXX-JP-1-Aの発生が認められた場合、SCP-XXX-JP-3と交渉し、回収します。検査の結果問題がなければサイト管理者の許可を得てSCP-XXX-JP-3に返却しても構いませんが、原則として低危険度収容ロッカーに保管します。この際SCP-XXX-JP-2の残留がないよう厳重に殺虫剤を散布してください。
SCP-XXX-JP-2は決して地上と接触している固体や液体と接触をさせてはいけません。接触した場合は、SCP-XXX-JP-4と同様に扱います。SCP-XXX-JP-2は年に1度、風媒花の花粉を与えてください。これは風媒花をつける植物が自生している場合省略して構いません。
SCP-XXX-JP-4が発生した場合、即座に破壊してください。通常の殺虫剤の他、火炎放射器が有効です。
説明: SCP-XXX-JPは4つの要素から成り立ちます。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP-2によって作成される蜘蛛の巣です。成分的には通常の蜘蛛の糸と違いはありませんが、SCP-XXX-JP-2が望む柔軟性や硬度、剛性、通電性、蓄電性等を持ちます。外見は通常の蜘蛛の巣と大きく異なっており、空中に海洋生物、特にクラゲを模した形状を作ることを好みます。しかし透明度が高く、半透明であり機器を使用しない目視は幾許かの困難を伴います。SCP-XXX-JP-1-AはSCP-XXX-JP-2が蜘蛛の糸から作り出す道具の総称です。多くは生物的な感覚器や運動器に該当する内容ですが、未知の技術により不確定な効果を発生させる場合があります。
SCP-XXX-JP-2は全長0.2mmの未知の蜘蛛の集合体です。無性生殖により増殖し、主食は風媒花の花粉です。集団知性を持ち、10匹でSCP-XXX-JP-1を作成し始めます。100匹で大気移動を自発的に行うSCP-XXX-JP-1を作成します。1000匹で主要な感覚器官と原始的な脳の機能を持つSCP-XXX-JP-1-Aを作成します。この脳は神経細胞の代わりにSCP-XXX-JP-2が使用されます。神経線維はSCP-XXX-JP-2と同様です。10000匹で小学生程度の知能を持つ脳を獲得し、SCP-XXX-JP-3が発生します。この際SCP-XXX-JP-1は積極的な運動器官として触腕を獲得しますが、これは花粉を効率的に収集する器官であり、重量物を持ち上げることはできません。100000匹でSCP-XXX-JP-3は平均的な学生に相当する知性を獲得します。また生物的ではないSCP-XXX-JP-1-Aを作成し始めます。1000000匹でSCP-XXX-JP-3は大学卒業レベルの知性を獲得します。また、巨大化したSCP-XXX-JP-1内で発生した静電気を定期的に放電するようになります。10000000匹でSCP-XXX-JP-1は複数の脳を持つようになり、並列処理を行うことで財団のスーパーコンピューターと同様の演算が行えるようになります。また、未知の原理で起動するSCP-XXX-JP-1-Aを積極的に作成します。その多くは気象現象操作装置です。
SCP-XXX-JP-3は他種生物の殺傷に強い禁忌感を持つ、SCP-XXX-JP-1-Aによって作成された脳が持つ人格です。言語は学習すれば使用可能です。SCP-XXX-JP-1-Aによる発光や通信機能を使用することもあります。価値観は巨視的であり、種全体の生存以外の欲を持ちません。逆に種全体のためならば同種は躊躇わず犠牲にします。
SCP-XXX-JP-4は変異したSCP-XXX-JP-2です。高度な手段統率性を喪失し、巣を作成しなくなります。また、無差別にあらゆる物体を摂取し、急速に成長します。全長1mに成長するとSCP-XXX-JP-1-Aを作成し、使用し始めます。全長2mに成長すると未知の原理で起動するSCP-XXX-JP-1-Aを作成し始め、高度な知性を持つようになります。全長5mを超える個体は地下にトンネル状の巣を作り始めます。また、性に分化し、有性生殖によって繁殖を行うようになります。この子嚢はヘリウムを豊富に含んでおり、空中に切り離されます。この子嚢からはSCP-XXX-JP-2が発生します。SCP-XXX-JP-4に変異する条件は、地上と気体以外で連続する接触が行われた際に発生します。
補遺:1
SCP-XXX-JP-1は大気中の汚染物質や黄砂により、その浮遊性を保持できなくなりつつあります。
そのため、SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-2の絶滅を回避するために財団に保護を求めています。
またSCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-4によって齎される地上の破壊を嫌悪しており、発見次第SCP-XXX-JP-4を積極的に破壊します。
地上に接触させることができないという特異性およびそのサイズから、完全な収容が行えておりません。管理できる程度のSCP-XXX-JP-2を残し、残りを一度に消滅させるような方法をとれば、撃ち漏らしたSCP-XXX-JP-2が発生する可能性も高く、半端に仕損じれば大量のSCP-XXX-JP-4が発生しかねません。
補遺:2