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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは40km/h以上で動作する回転寿司配膳システムを設置し、さらにレールに水色の皿を流して、その上で保管してください。実験以外でのシステム付近での会話は禁止します。

説明: SCP-XXX-JPは体長12cm程度の蛾に類似した物体です。自身の体より大きな水色を呈する物体の表面にしか存在できません。水色の擬態を行うことからその存在を確認することは困難です。
SCP-XXX-JP自体は無害です。ただし、移動中に散布される鱗粉"SCP-XXX-JP-A"はその限りではありません。

SCP-XXX-JP-Aを嗅いだ生物は、SCP-XXX-JPが直前に聞いた音声を脳内で再構成します。しかし同時にこの音声が示す内容に対して嫌悪、忌避、倦怠といった否定的な感情を励起させ、音声の逆となるような行動に誘導されます。
この特性は催眠に近いものと推測されています。温厚な人間が突然殺人鬼と化す等、性格が大きく変わるような実験結果は報告されていません。

例えば「今日の試合は絶対に勝つぞ」といった音声であれば、その試合はほぼ間違いなく負けます。また、SCP-XXX-JP-Aを受けた観客も勝てるとは全く思わなくなるでしょう。チームは本気でプレイしている気になっていますが、客観的に観測可能な得点やエラー数といった数値は負けを示唆したものとなります。勝てる可能性は相手チームもこのSCP-XXX-JP-Aの影響を受けたときのみです。

その性質上、かつては人口密度の高い地域に数多く存在していました。SCP-XXX-JPの回収、駆除は極めて困難でしたが財団はそれにほぼ成功しています。現在は定期的な駆除を民間業者に委託し、財団職員はSCP-XXX-JP-A影響が発生していないかどうか調査を行っています。

SCP-XXX-JPは少なくとも自身を覆える大きさ、で水色を呈する物体の上が生息条件となります。太陽光下で水色を発色する物体であれば実際に太陽光下かどうかは問われません。以下、この生息条件領域をSCP-XXX-JP-Bと呼称します。
SCP-XXX-JPが存在しているSCP-XXX-JP-Bを破壊し、水色の領域が120.87cm2より小さくなった場合、SCP-XXX-JPは即座に死滅します。また、モニターなどで水色に発光させた領域もSCP-XXX-JP-Bとなりえますが、この色を変更した場合も同様にSCP-XXX-JPを死滅させることができます。点滅するSCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JPを駆除する最も優れた手段です。

記録と移動:
SCP-XXX-JPは音声の記録を契機に移動します。SCP-XXX-JPは60db以上の音量の音声を記録でき、その音声が収まると他のSCP-XXX-JP-Bに移動します。移動時、2点間を繋ぐ直線状にその音声を記録したSCP-XXX-JP-Aが散布されます。SCP-XXX-JPの活動は記録音声の散布と繁殖の2つしか確認されていません。
記録された音声は最大5日間保持され、保持中は他の音声を受け付けません。保持中のSCP-XXX-JPは30分から4時間おきに不定期に移動します。この移動は一瞬で完了し、あらゆる物質を透過しますが、移動距離は最大で240mまでであることが観測からわかっています。
例外としてSCP-XXX-JPは40km/h以上で移動するSCP-XXX-JP-Bに干渉できません。この例外は移動元、移動先いずれにも適用されます。SCP-XXX-JPの回収、駆除は40km/h未満の速度で実施してください。

繁殖:
繁殖には3体分のSCP-XXX-JPを保持できるSCP-XXX-JP-Bが必要です。この領域に2体のSCP-XXX-JPを存在させると約3時間後に3体目のSCP-XXX-JPを成体と同様の形状で発生させます。交尾、産卵、幼体は観測できておらず、また、SCP-XXX-JPに雌雄の別が見られないことから繁殖ではなく複製の可能性もあります。
SCP-XXX-JPを繁殖させたい場合、大きな面積のSCP-XXX-JP-Bを複数用意し、そこで喋り続けるだけで繁殖させることができます。繁殖は慎重に行ってください。

駆除:
SCP-XXX-JPは体長こそ2cm四方程度ですが、その体の厚みは0.03mm未満であり、手で押し潰すことが容易に可能です。その薄さから潰した側もほとんどそれに気づくことはありません。
また、前述のとおり、SCP-XXX-JP-Bの消滅もSCP-XXX-JPを殺すことにつながります。
SCP-XXX-JPは死んだ場合、即座に空間から消滅します。ただし、消滅から2秒後に赤子の鳴き声のような音が発生します。

補遺: