警告: 本報告書はSCP-xxx-JPが周囲に存在しないことを十分に確認した上でアクセスしてください。
アイテム番号: SCP-xxx-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPは1枚ごとに650m×650mの収容室の中央に置いてください。SCP-xxx-JP-1及びSCP-xxx-JP-2の成長を抑制するために、収容室の環境は常に温度15℃以下、絶対湿度2%以下に保ち、一週間以上SCP-xxx-JP-1が枯れていない場合は、直ちにクリアランスレベル4/xxx-JP職員に通達してください。実験以外の目的で収容室内及びその上下300m圏内へ立ち入ること、また、収容室内であらゆる言語による意思疎通を行うこと、室内での発言、文字や写真による記録等も全て禁止されています。収容室内に火を検知した場合は直ちに収容室が封鎖され、クリアランスレベル4/xxx-JP職員による気体成分評価によって安全が確認されるまで封鎖が解かれることはありません。
新たなSCP-xxx-JPが発見された場合、直ちに広域除染チームろ-2"アイス エイジ"が出動し、オブジェクトの回収及びSCP-xxx-JP-1とSCP-xxx-JP-2の除染を行います。新たなSCP-xxx-JPの「発芽対象」の調査は、学習の機会を与える危険があるため原則として禁止されています。
説明: SCP-xxx-JPは不完全な言語学習能力を有するセイロンベンケイ(学名Kalanchoe pinnata) の葉で、遺伝子調査によってゴジアオイ属(Cistus)、キョウチクトウ属(Nerium)、及び[削除済み]のゲノムを有していることが判明しています。財団には現在8枚のSCP-xxx-JPが収容されています。燃焼・超低温・乾燥等のあらゆる自然環境に耐え、日光及びその他の栄養を与えない状態でも枯れません。SCP-xxx-JPは2通りの方法で後述のセイロンベンケイの個体を生産します(SCP-xxx-JP-1及びSCP-xxx-JP-2と呼称)。SCP-XXX-JPの特筆すべき異常性はその言語の認知能力で、半径約300mの球内でのあらゆる言語を認知し、その中である特定の言葉およびその言葉が示すオブジェクトを「発芽対象」として認識します。さらに「発芽対象」とされるオブジェクトを示す新たな言葉を認識した場合、それを学習し記憶します。この時、発音やアクセントの区別が出来ずに、誤った単語を学習してしまうことがSCP-XXX-JPの脅威をより拡大しています。現在のSCP-xxx-JPの「発芽対象」は後述のリストにまとめられています。
SCP-xxx-JP-1はSCP-xxx-JP自身から1月当たり3~5個発芽するセイロンベンケイで、SCP-xxx-JPと同様に「発芽対象」からSCP-xxx-JP-2を生産します。一方、SCP-xxx-JPとは異なり、一般のセイロンベンケイと同様の速度で成長する上、根や茎を持ち、葉より発芽する無性生殖と花による有性生殖によってSCP-xxx-JP-1を生産します。
SCP-xxx-JP-2はSCP-xxx-JP及びSCP-xxx-JP-1が自身を中心とした半径300mの球内に認識した「発芽対象」のオブジェクトから発芽するセイロンベンケイです。SCP-xxx-JP-2は発芽からおよそ30秒~1分の速度で成熟した固体に成長し、SCP-xxx-JPの言語知識を受け継いでいません。また、非常に燃焼しやすい蜜を分泌し、およそ35℃~50℃の気温で自然発火するとともに、燃焼時にマスタード系の有毒ガスを大量に発生させます。
SCP-XXX-JPの発芽対象リスト: SCP-xxx-JPの学習のリスクを下げるため、閲覧するには再度SCP-XXX-JPのチェックを行ってください。
アイテム番号: SCP-xxx-JP
オブジェクトクラス: safe
特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPの収容には、少なくと1人のDクラス職員(被験者)と犬の組合せが必要です。SCP-xxx-JPの被験者が飼育する犬はサイト-81██に設けられた、広さ10m×10mの区画内の標準的な犬小屋に繋ぎます。被験者は同区画内に設置された収容セルで生活し、犬の世話を毎日行います。区画は常にカメラによって監視され、管理担当者はSCP-xxx-JPが何らかの原因で破壊されないよう、常に注意してください。被験者及び被験者の犬の死亡時に、収容違反が発生することを防止するため、犬小屋と1匹のイエイヌ、その飼い主のDクラス職員1名による同様の組み合わせを3組、SCP-xxx-JPの収容区画の周囲に配置してください。また、収容に関わる全てのDクラス職員と犬の健康状態を常に良好に保ってください。
追記 1: 非常事態によりSCP-1460-JP-Aの即座の終了が必要となった場合に備え、SCP-1460-JP-A終了用のDクラス職員を1人、常に区画の近くに配置して下さい。
クリアランスの認証に失敗しました。自身のクリアランスが要件を満たしているか再度確認してください。
クリアランスを所持しているにもかかわらず、この表記が出た場合はこちらを押してください。
みたいな感じで、押しちゃいけないボタンを押すと一押しごとに押した本人が知らない生物が一種消える
アイテム番号: SCP-1460-JP-ARC
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1460-JP-Bはサイト-81██に設けられた、広さ10m×10mの区画内の標準的な犬小屋に繋ぎます。SCP-1460-JP-Aは区画内に設置された収容セルで生活し、SCP-1460-JP-Bの世話を毎日欠かさず行ってください。区画は常にカメラによって監視され、管理担当者はSCP-1460-JP-2が犬小屋の隣にあることを常に確認してください。またSCP-1460-JP-2が何らかの原因で破壊されないよう、常に注意してください。SCP-1460-JP-A及びSCP-1460-JP-Bの死亡時に収容違反が発生することを防止するため、犬小屋と1匹のイエイヌ、その飼い主のDクラス職員1名による同様の組み合わせを3組、SCP-1460-JPの収容区画の周囲に配置してください。また、収容に関わる全てのDクラス職員と犬の健康状態を常に良好に保ってください。
SCP-1460-JP-Aは可能な限り普段からSCP-1460-JP-Bと生活を共にし、散歩は定期的に毎日必ず行ってください。散歩は区画に隣接した自然公園型または屋内ドッグラン型の専用セクター内で、1時間以上の長さで行ってください。
追記 1: 非常事態によりSCP-1460-JP-Aの即座の終了が必要となった場合に備え、SCP-1460-JP-A終了用のDクラス職員を1人、常に区画の近くに配置して下さい。
追記 2: 散歩中の糞は、必ず配給されている袋に回収し、セクター内の回収ボックスに廃棄してください。必ずです。
説明: SCP-1460-JPは1匹以上の犬を飼う人間の元に出現します。この時、飼い主はSCP-1460-JP-A、
飼い犬はSCP-1460-JP-Bとなり、SCP-1460-JPの存在やその容姿について違和感を感じなくなります。SCP-1460-JP-A、-Bのいずれかが死亡により失われた場合、SCP-1460-JPは同様の条件を満たす最も近い人間の元へ転移します。
SCP-1460-JPはSCP-1460-JP-1とSCP-1460-JP-2に分けられ、SCP-1460-JP-1はイエイヌ(学名Canis familiaris)の姿をした幻覚あるいは実体です。SCP-1460-JP-1の姿は、普段はSCP-1460-JP-A、-Bしか認識できず、あらゆる記録媒体、検出器による認識の試みは失敗しています。平常時の犬種はロットワイラーに近い雑種のようであることがインタビューによって判明しています。SCP-1460-JP-1は現実改変能力を有しており、SCP-1460-JP-Bが1日に1度も散歩に連れられない場合、その能力を様々に用いてSCP-1460-JP-Aが散歩に行くように誘導します。この能力は散歩に行かない状態が長く続くにつれ、より強く発揮されますが、1度散歩に行くことでほぼ初期状態に戻ります。これまで発揮された改変能力の例については実験ログを参照してください。
SCP-1460-JP-2は主に犬の寝床としてよく見られるオブジェクト(犬小屋、ケージ、お気に入りのクッション等)で、SCP-1460-JP-Bの寝床の隣に出現します。外見はSCP-1460-JP-Bの寝床とほぼ同じですが、経年劣化等により損傷していることが多く、修繕を行っても一定の時間で元の状態に戻ります。一方、損傷させた場合は[データ削除済]。また、SCP-1460-JP-1は、SCP-1460-JP-2の損傷が小さいほど能力を積極的に使用する傾向が見られ、SCP-1460-JP-2に対して常に嫌悪感を懐いているようです。SCP-1460-JP-2は、現在SCP-1460-JPを直接確認する唯一の手段のため、いかなる理由でもSCP-1460-JP-2を傷つける行為は全て禁止されています。
実験記録1460-JP-101: -18██/██/█
実験内容: SCP-1460-JP-1の観測。
実験方法: SCP-1460-JP-Aの協力の下、カント計数器、熱、荷重、X線等のセンサーを用いてSCP-1460-JP-1の観測を行う。
実験結果: あらゆる検出器は「そこに何もない」ことを保証した。
実験記録1460-JP-102: -18██/██/██
実験内容: 複数のSCP-1460-JP-Aの確立。及びSCP-1460-JP-1の観測。
実験方法: SCP-1460-JP-Bの世話を行うDクラス職員を1人追加し、経過を観察する。
実験結果: 新たに追加したD-1460-005は4日後にSCP-1460-JP-1を認識した。SCP-1460-JP-1の容姿や行動に関する二人の発言は常に一致している。
実験記録1460-JP-103: -18██/██/██
実験内容: SCP-1460-JP-A以外の人間によるSCP-1460-JP-Bの散歩。
実験方法: SCP-1460-JP-AでないDクラス職員に自然公園型セクター内でSCP-1460-JP-Bを散歩させ、その状態を維持し続けて経過を観察する。
実験結果: D-16265は散歩用のリードをSCP-1460-JP-Bにつけている間のみ、SCP-1460-JP-1を認識し、[データ削除済]。SCP-1460-JP-Bは自力で犬小屋に帰った。
実験記録1460-JP-104: -19██/██/█
実験内容: SCP-1460-JP-Aの終了。
実験方法: SCP-1460-JP-AであるD-1460-004を投薬により終了する。
実験結果: D-1460-004の終了直後、SCP-1460-JPはD-1460-007の下に転移したことが確認された。
補遺: 終了を担当したエージェントは翌朝首から血を流して死亡しているところを発見されました。
実験記録1460-JP-105: -19██/██/██
実験内容: SCP-1460-JP-Bの終了及び、終了従事者への影響の検証。
実験方法: Dクラス職員にSCP-1460-JP-Bを終了させた後、部屋に収用する。収用後のDクラス職員の様子を観察する。
実験結果: D-35564がSCP-1460-JP-Bを終了させた直後、SCP-1460-JPはD-1460-009の下に転移した。 D-35564は収用されて█時間後に部屋の隅に何かがいると発言、その後部屋の中を走り回り、転倒する。喉元を押さえもがきだしたため、救急チームが突入したが数分後に死亡した。死因は首からの出血によるショック死だった。
補遺: 首にできた傷からは破傷風菌が検出されました。
19██/█/██ [データ削除済]。SCP-1460-JPはD-1460-006の元に転移した。
実験記録1460-JP-106: -19██/█/██
実験内容: SCP-1460-JP-1の現実改変能力の観察。
実験方法: 散歩をしない状態を維持し続け、SCP-1460-JPの様子について詳細をD-1460-006に報告させる。
実験結果:
経過日数 記録 考察等 1 犬種がポメラニアンに変化、鳴き続ける。 2 犬種が秋田犬に変化、鳴き続ける。 3~11 類似の結果、犬種はパグ、シベリアンハスキー、プードル、狆など統一性はなく、繰り返しもなかった。 飼い主の好きな犬種でも探っているかのようだ。 [データ削除済] [データ削除済] 16 犬種がジャーマンシェパードドッグの子犬に変化し、裾を噛んで引っ張ってくる。D-1460-006は散歩を要請。要請を却下し、実験を続ける。 物理的に散歩を要求するようになった。 17 前日と同じ容姿の子犬が複数匹出現した。皆で犬小屋に向かわせようとする。D-1460-006は再度散歩を要請。説得が通じないため、クラスA記憶処理を施し実験を続ける。 個体数の変化も可能なことが確認された。 [データ削除済] [データ削除済] 21 該当犬種無し。1匹のハイイロオオカミ(学名Canis lupus)に変化、背中を強く押して犬小屋に向かわせようとする。D-1460-006を区画外のセルに監禁し、実験を続ける。 要求の仕方が変化しつつある。 22 セルから犬小屋までに通過する全てのドアが消失、複数のハイイロオオカミがD-1460-006を犬小屋まで護衛している。オオカミは攻撃してこないが、数が多いため職員はD-1460-006に近づけない。麻酔弾でD-1460-006を昏睡させて実験を続ける。 自分以外に対しても能力を発揮できることを確認した。また、SCP-1460-JP-A以外にも物理的な接触ができるようだ。 23 D-1460-006以外の人間にもSCP-1460-JP-1が認識できるようになる。犬種は通常より一回り大型のドーベルマン。こちらを威嚇している。 全員が視認できるこの状態を特別収用プロトコルへ応用出来ないか検討する。 24 SCP-███に変化する。サイトは騒然とするも、異常性が無いことが直ぐに判明した。 こちらの事情を把握している可能性が示唆された。 25 D-1460-006が麻酔に対する完全な耐性を獲得し覚醒する。SCP-1460-JP-1は苦しそうに倒れ、呼吸が乱れ始める。獣医による診察により、「生きているのが不思議な状態」だと判明する。実験を中止し、SCP-1460-JP-1に有効な処置を検討する。D-1460-006より散歩の申請がされたが、容態を診るために却下された。 26 実験を再開。SCP-1460-JP-1は完全な健康体で大きさが[データ削除済]。 昨日のあれは仮病だったもよう。 27 D-1460-006が散歩から帰還する所を確認、実験は失敗。D-1460-006がどのように散歩を強行したかインタビューした。
実験記録1460-JP-107: -19██/█/█
実験内容:更なる現実改変能力の調査と再確認。
実験方法:実験1460-JP-006と同様。
実験結果:
経過日数 記録 考察 1~4 前回と同様 。 やはり容姿を換えるところからか。 5 D-1460-010以外もSCP-1460-JP-1が認識できるようになる。容姿は体長█メートルのホッキョクオオカミ(学名Canis arctos) 前回より大幅に早い。学習している可能性がある。 6 サイトのあらゆるモニターにK-クラスシナリオのシュミレートが映し出される。サイトを封鎖し、閲覧権限を持たないクリアランス職員のクラスB記憶処理を施す。 実験の安全性について再度考えるべきかもしれない。SCP-1460-JPは我々を、散歩を邪魔する存在から「飼い主の飼い主」と認識し始めた可能性がある。 7 O5-█からこの実験の取りやめを命令される。職員が確認のため折り返しの連絡を入れたことでSCP-1460-JPの影響であることが発覚する。 どのように財団の情報等を入手したかは現在調査中。 8 容姿はロットワイラー、視認可能。それ以外の異常は無し。 視認可能な以外は通常状態に戻ってしまった。収容に最適な状態と思われる。 9 上に同じ 異常性を失ったのだろうか。変化が見られない。 10 上に同じ Neutralizedへの再分類を検討する。 11~596 現在 上に同じ 警告: 実験開始から9日現在、日数より多くの報告が確認されています。サイト-81██はこのいい加減な実験を直ちに中止し、実験責任者は19██/█/██の召喚に応じてください。
追記: 19██/█/██、実験1460-JP-107の実験記録に、報告に無い加筆が確認されました。編集を行った職員は至急報告するようお願いします。
実験記録1460-JP-201: -18██/█/██
実験内容: SCP-1460-JP-2を移動させる。
実験方法: D-56994に手作業でSCP‐1460-JP-2を移動させる。
実験結果: D-56994は、SCP-1460-JP-2が「張り付いたように動かない」と報告した。力を加え続けた結果SCP-1460-JP-2の一部を破損したため、実験を終了した。
補遺: SCP-1460-JP-Bはその後3█年間生き続けた。
実験記録1460-JP-202: -18██/██/██
実験内容: SCP-1460-JP-2の修繕。
実験方法: SCP-1460-JP-2の屋根の板を換え、壁の穴を埋めた。
実験結果: およそ1時間で損傷が進み実験前の状態に戻った。
実験記録1460-JP-203: -18██/██/██
実験内容: SCP-1460-JP-Bの犬小屋の交換
実験方法: SCP-1460-JP-Bの使用する犬小屋を新しい物に交換する。
実験結果: SCP-1460-JP-Bが新しい犬小屋で寝るようになったタイミングでSCP-1460-JP-2が変化。外見が新しい犬小屋と同じになり、損傷は交換前と比べて小さくなった。
実験記録1460-JP-204: -19██/██/█
実験内容: SCP-1460-JP-2の組成調査
実験方法: Dクラス職員を用いてSCP-1460-JP-2の屋根の一部を採取する。
実験結果: D-45648はSCP-1460-JP-2の屋根からおよそ10%をサンプルとして切り取った。しかし、任務中にSCP-1460-JP-Bにじゃれつかれて転倒。転倒時に採取したサンプルを紛失し、SCP-1460-JP-Bの犬小屋の屋根の一部を破壊した。
実験記録1460-JP-204: -19██/█/█
実験内容: SCP-1460-JP-2の組成調査
実験方法: Dクラス職員を用いてSCP-1460-JP-2の屋根の一部を採取する。(この実験はSCP-1460-JP-Bに見つかった癌の切除手術の間に行われました。)
実験結果: D-45648は問題なく任務を遂行。屋根のおよそ8%をサンプルとして入手した。サンプルは入手後徐々に崩れていき、およそ1分で消失した。
補遺: SCP-1460-JP-Bは手術による延命に成功した。
実験記録1460-JP-205: -19██/██/██
実験内容: SCP-1460-JP-2の組成調査。
実験方法: SCP-1460-JP-2にレーザーを照射し、局所的に燃焼させる。燃焼時に放出される粒子、及び原子線から組成を同定する。
実験結果: SCP-1460-JP-2は通常想定される速度を圧倒的に上回る速度で爆発的に炎上。周囲に飛び火し火災が発生した。最終的に施設の█%が炎上し、散歩中のSCP-1460-JP-A、-Bが巻き込まれた。すぐに集中治療室にて処置を施すも、SCP-1460-JP-Bが鎮火の3時間後に死亡し、SCP-1460-JPはD-1460-008の元に転移した。当時のSCP-1460-JP-AであるD-1460-009は現在も意識不明の状態である。SCP-1460-JPが転移する直前の、SCP-1460-JP-2の火災後の状態は、SCP-1460-JP-Bの犬小屋の燃え残りと一致した。
インタビューログ-001
対象: D-1460-006
インタビュアー: 夢長谷博士
<録音開始>夢長谷博士: それではD-1460-006、あなたがどうやって監視の中散歩を行ったか教えていただけますか?
D-1460-006: どうやって散歩したかだって?よく言うよ!朝、寝床から起きたら全部止まってたんだぞ!
夢長谷博士: 止まってた?
D-1460-006: 動けるのは俺達だけ、いやぁ厳密に言えば俺達も止まってた。息をしてないんだ。脈もないし腹も減らない。最初は指示通り散歩はしなかったけど、他にすることもないし、ほとんど2匹と遊んで過ごしてた。眠気も来ないけど横になったり、今だから言うけど外に出れないかも試した。いやいやいや区画外へのドアは動かないしここの塀は高いしで何もできなかったって!1人で行動できるのはあの区画の中だけだったよ。
夢長谷博士: それについては後で確認しましょう。それで、その…停止空間ですか?そこからはどう脱け出したんですか?
D-1460-006: 何日経ったか…まぁ太陽も時計も動かないんだけど…大分時間が経って、いい加減散歩に行ってやろうって思ったんだ。切欠とかは特に無くて、ただ本当にもう散歩以外やることがなくなって…皆止まってるし…どうせばれないと思ったんだ。
夢長谷博士: それで、散歩に行ったら停止が解けたと。
D-1460-006: いやぁ、解けなかった。でも散歩用セクターとのドアだけは開くようになった。それでまぁその…散歩に出たんだけど、それだけさ。
夢長谷博士: では停止が解けたのは何故ですか?
D-1460-006: 正直よくわからない、散歩中にも変わったことはなかったし、あと何回かで30回って中途半端な回数だったし。なぁ、悪いけどそろそろ散歩の時間なんだけど。
夢長谷博士: 分かりました、残りの質問は後日行います。
<録音終了>
終了報告書: SCP-1460-JPの現実改変能力は時間にも作用できる可能性があり、引き続き調査が必要だと思われます。追記: このインタビューの翌日、SCP-1460-JP-Bが心臓病のため急死し、SCP-1460-JPはD-1460-010の下に転移しました。慎重な調査の結果、この死に異常性が無いことが確認されました。
インタビューログ-002
対象: D-1460-006
インタビュアー: 夢長谷博士
<録音開始>夢長谷博士: D-1460-006、気分は落ち着きましたか?
D-1460-006: …まぁ、大分ましになったよ。あんまり急だったから、まだ実感がなくて…財団も投薬までしてくれたみたいで…。
夢長谷博士: 水を差すようではありますが、これも収容のためですから。
D-1460-006: まぁそうかもしれないけど、お陰で最期に立ち会うこともできた。呼びに来てくれた職員にも言ったけど、結局、それぞれ命の長さをそろえることはできないし、俺はあいつとの限りある大切な時間を大切に使うことで精一杯だった。知らせてくれたこと、立ち会わせてくれたこと、本当に感謝します。間に合って良かった…。
夢長谷博士: [沈黙]…あの、1つ確認したいのですが、あなたを呼びに行った職員について覚えていますか?
D-1460-006: …もしかして個人の判断だったのか?教える前に答えろ、そいつを特定してどうするつもりだ?罰するのか?
夢長谷博士: 待ってください。そうですね…では、質問を換えましょう。あなたは確かに職員に連れられたのですね?
D-1460-006: どういうことだ?
夢長谷博士: あなたは1人でセルを抜け出し、1人で移動し、私たちに気づかれずにあの犬をみとる姿が各所のカメラに残っています。あなたを導いたのはあのロットワイラーではありませんか?
D-1460-006: 訳が分からないんだが?あのロットワイラー?
夢長谷博士: あなたが飼っていたもう1匹の犬です。ロットワイラーではありませんでした?
D-1460-006: お前ら俺に記憶処理でもかけたんじゃないだろうな!(椅子が倒れる音)何だ?俺は犬を2匹飼っていたのか?おい!どうなんだ!俺が失った仲間は1匹じゃなかったのか!
夢長谷博士: 落ち着いてください!インタビューを中止。続きはまた後日にします。
<録音終了>
終了報告書: SCP-1460-JP-A、-BはSCP-1460-JPが自分の元から離れて転移した後、SCP-1460-JPに関する記憶が改ざんされ、失われる可能性が示唆されました。
補遺: 実験1460-JP-105において、実験終了時の犬小屋の損傷部が、SCP-1460-JP-2と同様であることが注目されました。これにより、過去の実験結果の見直しといくつかの追加実験が行われ、SCP-1460-JP-2はSCP-1460-JPが被験者の元にいられる時間、つまり、SCP-1460-JP-Bの寿命を示しているという仮説がたてられました。この仮説は、19██/█/██にD-1460-008が命令を無視してSCP-1460-JP-2を完全に破壊し、以降当時のSCP-1460-JP-Bの加齢が停止するという事案によってより確実なものとなりました。D-1460-008はがどのような経緯でこの仮説を知ったのかは明らかになっていません。この時、担当者達が「報復」を恐れたことにより対応が遅れたため、現在では被験者終了用のDクラス職員が配置されています。事案当時のSCP-1460-JP-Bは、現在SCP-1460-JP-3とナンバリングされ収用されています。SCP-1460-JP-3は██年間加齢の兆候がなく、ときおり不可視状態になる点を除き、異常なく収容されています。