Napier

[数えきれないもの(仮題)]

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
 
オブジェクトクラス: Euclid
 
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実験記録A-15ログ[SCP-XXXX-JP-15]より。

特別収容プロトコル:SCP-XXXX-JPの周辺道路を封鎖し、旅行者と現地住民のSCP-XXXX-JPへの接触を断ちます。過去にSCP-XXXX-JPを利用した人物が現れた場合は、記憶処置を施して解放します。
SCP-XXXX-JP-aが使用する情報端末に対し、監視プログラムを起動することでSCP-XXXX-JPの情報が外部の旅行者にれる危険を監視します。情報の発信を感知した場合は研究主任の主導のもと、直ちに該当オブジェクトの関連情報を削除します。

SCP-XXXX-JPの内部で行方不明の2名の人物の所在調査を行います。
SCP-XXXX-JPにレベル5耐震・耐火・対災害構造補強を施してください。ただし、中央支柱への補強その他の改修は禁止されています。
 
 
説明:SCP-XXXX-JPは東京都███████にあるビジネスホテルとその内部に形成される異空間です。

SCP-XXXX-JPは1フロアに25室の客室を備えた、10階建てのビジネスホテルのように見えます。しかし、現在に至るまで最上階の存在が確認できていません。地下は存在しませんが、エレベーターおよび階段を用いて際限なく上階へと移動することができると推測されます。
外観からは11階以上のフロアを確認することはできません。11階以上の客室の窓から外を見た場合、その光景は10階の客室のものと同じように見えます。また、その階の客室の窓は全て嵌め殺しとなっており、破壊以外の方法でその窓より外に出ることはできません。破壊した窓から身を乗り出すと、外部からは10階の窓から身を乗り出している様子が確認できます。

SCP-XXXX-JP内部には「エレベーター」と呼称される、各フロアへの移動装置が備え付けられています。しかし、11階以上のフロアに移動する場合、エレベーター内にいる10秒程度の間GPS信号が検出不可能になり、完全に信号が途絶えます。またその場合、移動にかかる時間は移動階数に関わりなく一定です。何らかの技術による「転移」である可能性が指摘されていますが、その原理は不明です。

客室及びスタッフルームには実際の宿泊客か、宿泊客及びスタッフを模してふるまう人型オブジェクトが多数存在します。以下これを総じてSCP-XXXX-JP-aと呼称します。
SCP-XXXX-JP-aは全て、日本など実在する国家に本籍を置くことを主張しますが、各国の戸籍などに該当の人物の記録はありません。また、それぞれが主張する自国の歴史・世界情勢には現実との差異があります。
検証により、SCP-XXXX-JP-aは異界の人類ではなく、SCP-XXXX-JPによって生成された異常なオブジェクトである可能性が高いことが示されています。
宿泊客は、財団の確保時点で297名存在しましたが、20██年7月現在293名の記憶処理と退去、1名の死亡を確認しています。現在3名の行方がつかめず、捜索が続いています。

SCP-XXXX-JPは1991年12月15日財団のエージェントが他のオブジェクトの調査のためにホテルを利用したことで異常性が発覚し、財団に確保されました。
SCP-XXXX-JPは収容以前より、「常に満室のホテル」という噂話が流布していました。入手した台帳によると、国内外の務め人や旅行者を中心に50000名の利用者が存在すると思われます。

SCP-XXXX-JPは1969年4月1日には施工が完了し、不動産登記されています。名義は有限会社「ロゼフレア」となっていますが、その活動の実態は確認できません。当時の記録から客室の数などに異常がありましたが、どのようにしてその異常性を秘匿していたかは不明です。
 
 
 
補遺1:SCP-XXXX-JP-aに対する聞き取り調査の概要
以下の音声記録は当該オブジェクトの性質を調査する過程で記録され、特にその性質に関わりがあると考えられているものです。

音声ログ[SCP-XXXX-JP-7]<実施日:1991年12月27日>
記録者:エージェント████ 
対 象:SCP-XXXX-JP-a1。ホテルの受付に該当する役割を果たしています。
概 要:調査のため、SCP-XXXX-JP内部にエージェント████が潜入した際の音声記録です。
 
SCP-XXXX-JP-a1「ようこそお越しくださいました。ホテルロゼフレアへようこそ。ご宿泊ですか?」

エージェント████「ええ。でも今日は下見に来ただけなんです。しばらく不定期に帰宅の遅くなる仕事が続きそうですので、気軽に泊まれそうなところを探してまして」

SCP-XXXX-JP-a1「なるほど。そういうことでしたら当館はまさしくご期待に沿えると思いますよ。下見ということでしたら、こちらのパンフレットをどうぞ」

エージェント████「どうも。ところで空いている部屋を一つ見せてもらうことはできますか?」

SCP-XXXX-JP-a1「申し訳ございません。生憎当館は現在満室でございまして」

エージェント████「あらら。なら、明日以降で1泊分の予約だけでもしておきたいのですが、いつ頃であれば空きができますか?」

SCP-XXXX-JP-a1「いえ、宿泊はいつでもできますよ。どこでもお好きな間取りのお部屋をお選びいただけます」

エージェント████「え? ……いや、相部屋とかは困るんだけど」

SCP-XXXX-JP-a1「いえ、当ホテルの宿泊に当たっては『フロントからの要請があった場合、速やかに部屋を移動する』という取り決めがございます。希望するお部屋が決まりましたら、現在その部屋に宿泊しているお客様には、別の部屋に移動しいていただきます」

エージェント████「……へ? わざわざ移動してもらうんですか?」

SCP-XXXX-JP-a1「はい。宿泊申し込み時に取り決めを交わしております」

エージェント████「でも、満室なんですよね? 移動した部屋にも宿泊している人がいるんじゃないですか?」

SCP-XXXX-JP-a1「はい。しかし移動先の部屋の方にも同様に移動していただきますので」

エージェント████「いやでもその部屋にも泊まってる人がいるんでしょ?」

SCP-XXXX-JP-a1「ええ。ですので、その部屋の方にも移動していただきます」

エージェント████「……えーっと、もしかしてその移動先の、移動先の部屋の人も?」

SCP-XXXX-JP-a1「移って頂きます」

エージェント████「それだと、最後の部屋の人が困るんじゃない?」

SCP-XXXX-JP-a1「最後の部屋の人、ですか?」

[SCP-XXXX-JP-a1が考えるそぶりを見せる]

SCP-XXXX-JP-a1「申し訳ありません。それはどのような意味でしょうか?」

[数分の間、エージェント████と最後の部屋はないと主張するSCP-XXXX-JP-a1の押し問答が記録されている]

エージェント████「はあ……。では試しに明日17:00チェックインで、宿泊させていただけますか?」

SCP-XXXX-JP-a1「承知いたしました。ではこちらにお所、お名前、必要事項の記入をお願いいたします。最後にこの書類にサインをお願いします」

[SCP-XXXX-JP-a1が2枚の書類を提示。内1枚には『173号室:新規宿泊に伴うお部屋のご移動に関する規約』と書かれている]

 

音声ログ[SCP-XXXX-JP-7]<実施日:1991年1月19日>
記録者:エージェント████ 
対 象:SCP-XXXX-JP-a4。████ ████と名乗る成人した日本人男性に見えます。SCP-XXXX-JPにおいてはホテルの調理師の役を担っているようです。氏名の他、年齢や出身地、家族構成などを聴取しましたが、その内容に合致する個人は存在しません。

エージェント████「では改めまして、お忙しいところ失礼しますが、インタビューへの協力をお願いします」

SCP-XXXX-JP-a4「はいはい。15時までは昼休憩ですので大丈夫ですよ」

エージェント████「では、あなたの業務内容を聞かせてください」

SCP-XXXX-JP-a4「うん。えーと、まず私はこのホテルの厨房を任されている者です。この390階から400階まで、つまり9750号室から10000号室までのお客様に、朝昼晩とお料理を提供させて頂いております」

エージェント████「一日に何食ほど作るのですか?」

SCP-XXXX-JP-a4「うーんと、そうですね。500食ぐらいでしょうか。朝食を最近は朝食を取られない方も増えてますね」

エージェント████「まさか500食をここの3人で? 凄いですね」

SCP-XXXX-JP-a4「ええ、まあ。と言っても私たちは作るだけで、配膳や接客は別に担当がおりますので。どうしても人が足りないときは他のフロアの担当者を呼んだりもします。意外になんとかなるんですよ」

エージェント████「10フ階ごとに担当を区切っているそうですね。調理以外もですか? 他にはどんな業種が?」

SCP-XXXX-JP-a4「そうですねぇ。本部役員以外は10階ごとに分かれていて、私たちの他には……清掃やらボーイやら、大体34、5名ほどですね」

エージェント████「なるほ……」

[10秒程度の沈黙]

SCP-XXXX-JP-a4「あの、どうされました?」

エージェント████「いえ、その……確かこのホテルは一泊400円でしたね?」

SCP-XXXX-JP-a4「ええ。ワンコインでおつりが来ます」

エージェント████「もしかして、食事は別料金ですか?」

SCP-XXXX-JP-a4「いいえ? 宿泊代に含まれております」

エージェント████「薄利多売どころか採算が合わなくないですか? 250室すべて満員だとしても、ひと月300万円ぐらいですよね?」

SCP-XXXX-JP-a4「え? ああ、単純ですよ。私たちの給料や、運営に必要な経費は3900階から、4000階のお客様の支払い分から出ておりますので。むしろ十分すぎるほどです」

エージェント████「……は?」

SCP-XXXX-JP-a4「えーっとつまりですね、1階から10階までのスタッフの給料は、1階から100階までのお客様のお支払い分から支払われるんです。同じように11階から20階までの運営費は101階から200階のお客様より出ています。例えば1001階から1010階までの運営は10001階から10100までのお客様から頂いているということですね」

エージェント████「それ、つまり、赤字ってことですよね?」

SCP-XXXX-JP-a4「え? いいえ? むしろ真っ黒です」

エージェント████「…………はい? だって、従業員が維持できるサービスの、10倍の客が必要ってことですよね」

SCP-XXXX-JP-a4「ええ。」

エージェント████「じゃあ、やっぱり赤字ですよね?」

SCP-XXXX-JP-a4「いいえ。むしろ10フロア当たりの運営費の3割程度が当ホテルの利益になっているそうですから、単純に考えれば私たちのいる10フロアでも300万円程度の利益が出ているそうですよ」

エージェント████「………………はい? いやいや10階あたり40人前後も務めてるのに、支払いが月300万って、利益どころか人件費すら足りてませんよね?」

SCP-XXXX-JP-a4「まあ、10階区切りで考えるとそうですよね。でもうちのホテルは、お客さんが数えきれないほど居るんで大丈夫なんです」

エージェント████ [首をかしげている]

 

音声ログ[SCP-XXXX-JP-7]<実施日:1991年1月31日>
記録者:エージェント████ 
対 象:████ ██氏。東京都██に本籍を置く、2015年12月10日よりこのホテルを利用していた一般客です。調査後、記憶処理を施し、解放しました。
 
████ ██氏「そう、5年ぐらい前だったな。トイレの改装を手伝ったんだよ。日当でひと月分の宿泊費を出してくれるからってな」

エージェント████「改装とは?」

████ ██氏「このホテルのトイレは共有スペースにしかないんだが、ほら、今のトイレは全部洋式だろ。昔はその半分和式トイレだったんだ。でも観光客とかに不人気だったらしくてな? 全部とっ変えることにしたんだとよ」

エージェント████「それは……大掛かりな工事ですね」

████ ██氏「うん。だと思ったんだがよ、半日で全フロア終わっちまったんだ」

エージェント████「へ?」

████ ██氏「どうやって、あんな大量の便座を揃えんのかと思ってたんだがよ、結局一つも発注せずに終わったんだ」

エージェント████「一体どうやってですか?」

████ ██氏「いや、俺もよく分かんねえんだ。言われた通りやっただけでよ。なぜかうまくいったんだよ」

エージェント████「分かる限りでいいので教えて頂けますか」

████ ██氏「んん? えーっとな。確か、『男子トイレは、現在フロアの階数を2倍したフロアへ移動して、男女トイレの洋式便座を全て取り外して、元のフロアへ運んでください』それから『女子トイレは、そのフロアから1つ階を下り、その男女トイレから元のフロアへ運んでください』っていう指示があったんだ」

エージェント████[10秒程度の沈黙]

████ ██氏「ユニット化されててな、取り外して運ぶだけだったよ。ああ、あとそれから、全フロア同時進行でやるようにって言われたかな?」

エージェント████「……でもそれ絶対足りませんよね?」

████ ██氏「だよなあ。でも移動した階の男女トイレ両方から様式便座を取ってくるから、確かに足りるんだよね。しかも1つのフロアには別の1フロアからしか便座を取りに来ないしな」

エージェント████「なんでそれでうまくいくんですか?」

████ ██氏「深く考えないのが、コツだよ」

 
 
 
補遺2:以下は、SCP-XXXX-JP内部の異空間の性質を検証するために行われた実験記録です。

 
 
付記:インシデント[SCP-XXXX-JP-1]

 
 
 
補遺3:SCP-XXXX-JPに対する提言
██████研究助手により、特別収容プロトコルにSCP-XXXX-JP内部の防火・防災システムの整備を追加することが提言されました。
 
研究主任の回答
提言は却下します。もしも、SCP-XXXX-JP-aが火災などの災害を引き起こす可能性が0ではなく、SCP-XXXX-JPの異常性が我々の想像通り、際限のないSCP-XXXX-JP-aを内包するのなら、確率計算上先のようなインシデントは同時多発的に発生を続けているはずであり、現状からSCP-XXXX-JP-aはその類のイベントを起こすような機能がないと推定されます。
真に急ぐべきは、行方の分からない利用者の捜索と、老朽化して亀裂の入り始めた建物の補修です。
 
 
 
補遺4:定礎箱1から見つかった文書

 
 
 
 
_________記事ここまで__________
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以下の記述は改稿中のSCPである。
 
 
 
評価: 0+x

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter

特別収容プロトコル:

説明:

補遺: