[斬鉄剣にあらず]
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはその内部から全ての金属を取り外し、木製文化財に対する一般的な防護処理を施した後、財団標準の低危険度オブジェクト収容ロッカーに収容してください。
SCP-XXXX-JPの性能に関する実験を行う場合は、刀身と切断対象の素材及びその構成情報を担当研究主任に提出し、半径15kmの安全性が確保できる屋外試験場において実施されます。また、財団標準の救急医療チームを配置して
被験者の異常性への暴露に対応してください。
被験者に対しては、その異常性が低減し安全が確保できるまで経過観察を実施してください。
説明: SCP-XXXX-JPは全長65cm程度の刀の鞘です。鞘本来の刀は発見されておらず、何らかの理由で遺失したと考えられています。
SCP-XXXX-JPの異常性は、オブジェクトに何らかの金属を収納し腰に佩く、あるいは単純にオブジェクトを腰に当てるなどして構える、一般に”居合切り”と呼称される構え・動作を行うことで発揮されます。
何らかの対象を切断するために、SCP-XXXX-JPを用いて”居合切り”と呼ばれる動作を行った場合、その使用者の身体、特に筋肉や骨格へ異常な干渉を行い、対象の切断を成功させます。
SCP-XXXX-JPに収納される刃物は刀以外でも異常性を発揮し、柳葉包丁や市販のカッターナイフ、刃引きを行った模擬刀などでもその発露が確認されています。ただし木製である等、刀身に金属を使用していない場合や、刀身の幅が広く先端部分しか入らないなどSCP-XXXX-JPに完全に収納できない場合、異常性が発揮されることがありません。切断する対象の直径が刀身を大きく超える場合も同様です。
補遺1: 以下のSCP-XXXX-JPの性質解明において、特に有意であると考えられている実験記録の抜粋です。完全な記録を参照する場合は、担当研究主任に問い合わせてください。
実験記録A-006<実施日:2013年7月27日>
被験者: 40代のモンゴロイド男性D-26457実験方法: D-26457にSCP-XXXX-JPと刃渡り50cmの実験用模擬刀を使用させ、目の前に設置した直径40cmの石柱を切断させる。
結果: 切断成功。
模擬刀の刀身は300m/sまで加速し、石柱を破壊しながら切断した。
SCP-XXXX-JPから模擬刀を引き抜く瞬間に、D-26457の上半身の筋肉が異常に肥大し、財団標準のDクラス職員の制服が断裂した。特に刀身を握った右腕とその肩、腹筋・広背筋の肥大化が著しく顕著であり、身体の左右や下半身、首回りと比較し非常にアンバランスな姿となった。実験直後の検査で、D-26457の筋肉は肥大化とともに密度も増しており、骨密度も異常値を記録していました。実験前と比較し体重は45kg増大していました。実験後、D-26457に対して経過観察を実施。前述の筋肉・骨に関する数値を除けば異常はなく健康体でしたが、筋組織の肥大化に伴い、重心が体の右側後方に偏ったため歩行困難になりました。付記: D-26457の筋肉・骨組織の状態は時間と共に正常化しました。これは維持に必要なトレーニングと各種栄養の不足に起因する組織の弱化であり、正常な生命活動だと考えられます。
身体組織の肥大化に伴う衣類による窒息や鬱血を防ぐため、今後被験者は特別の理由がない限り衣服の着用を認めません。
実験記録A-018<実施日:2013年10月2日>
被験者: 30代のアングロサクソン男性D-34365実験方法: D-34365にSCP-XXXX-JPと刃渡り50cmの実験用模擬刀を使用させ、頭上12mに設置した直径30cmの石柱を切断するように指示。
結果: 切断成功。
D-34365は地上12mの石柱へ向け飛び上がり、その勢いを乗せて石柱を切断。D-34365自身の最大到達高度は63mであった。
SCP-XXXX-JPから模擬刀を引き抜く瞬間に、D-26457の下半身と右腕周辺の筋肉が異常に肥大。特に大腿部の筋肉の肥大化は他の部位と比較して際立っていたが、ハムストリングスなど跳躍に強く関係しない部位に変化は見られなかった。実験直後の検査で、D-26457の筋肉は肥大化とともに密度も増しており、骨密度も異常値を記録していたことが判明。また、大腿部の筋肉の肥大化により足を閉じられなくなりました。体重は74kg増大していました。付記: D-26457は地上63mの高さから自由落下しましたが、足から着地し無傷でした。
実験記録A-031<実施日:2014年1月29日>
被験者: 50代のモンゴロイド男性D-29876実験方法: D-29876にSCP-XXXX-JPと刃渡り50cmの実験用模擬刀を使用させ、目の前に設置した直径20cmの超硬合金・炭化タングステンの鉄柱を切断するように指示。
結果: 切断成功。
SCP-XXXX-JPに収納された模擬刀は、推定で█████m/sの速度に到達し、模擬刀の刀身はその異常な加速度に曝されたことでメタルジェット化しました。メタルジェットは炭化タングステンの鉄柱を切断し、その断面を溶解させた。鉄柱に接触しなかったメタルジェットの一部は、扇状に広がって飛散し、サイト-2718の実験室の内壁に衝突し貫通。サイト-2718を半壊させました。その後サイト-2718外部で大気との摩擦により燃焼し、焼失したと考えられています。
SCP-XXXX-JPによって模擬刀の刀身が音速を超えたためにソニックブームと衝撃波が発生。D-29876は至近距離からその衝撃波と飛散した鉄柱の断片を受けたことで瀕死の重傷を負いました。付記: D-29876は一命を取り留めました。D-26457が致命傷を免れたのは、異常に強化された筋肉・骨格によって守られていたためでした。実験後、筋肉の肥大などによりD-29876の体重は████kg増加しました。現在D-29876の健康状態は概ね良好ですが、肥大化した筋肉に血中の栄養が消費され、慢性的な栄養失調に陥っています。
本実験以降、屋内で性能試験を実施することは禁止されました。
補遺2: 収容の経緯及び事故記録XXXX-JP-01
SCP-XXXX-JPは奈良県██████市の居合道場の師範代である上井氏が保有していました。その来歴などは不明で、道場の価値ある備品の1つとして管理されていました。
エージェント笹原は当該の居合道場にある名刀の噂を調査するために、居合道場の主である上井氏の元を訪れており、調査をスムーズに行うために、上井氏とのコミュニケーションの一環として居合の手ほどきを受けていました。
その際、上井氏が言い伝えから、SCP-XXXX-JPの性質を鞘ではなく刀身に由来するものであると誤解していたため、エージェント笹原が居合の手ほどきを受ける中で意図せずSCP-XXXX-JPを把持し、その異常性に暴露しました。
エージェント笹原は切断対象であった巻き藁へ居合切りを試したところ、その6~7m手前で道場の劣化した床板に足を取られ転倒。その直後、不足した距離を補うようにエージェント笹原の両足・右腕が勢いよく伸長し、刀身が巻き藁を切断しました。
後日、SCP-XXXX-JPの異常性がエージェント笹原の証言から立証され、上井氏への記憶処理の後、オブジェクトの収容に至りました。
エージェント笹原にSCP-XXXX-JPが付与した異常性を取り除く試みは、現在まで成功していません。
この試みが成功するまで、エージェント笹原に対して獲得した異常性を有効に活用できる任務を与えることが許可されています。
三つの部位は最大20mまで伸びるようです—境原博士
補遺3: 回収された文書1580-A
下記は上井氏の収集品調査の過程で発見された文書です。文書に刀を収めたSCP-1580-JPと思われる図が貼り付けられています。貼り付けられた図と比較し、文書が記された紙は新しいため記載内容は写し、あるいは翻訳であると考えられます。上井氏の収集品の中に、図のSCP-1580-JPに納められている刀と一致するものはありません。
用ゐ方
刀何某に突き刺しおくが要りあり。
刀に突き刺されし何某より、力奪ひ取るべきものなり。
奪ひ取られしものは、干からぶる事を待つばかりなり。
本来ならば。
用ゐ続けよ。
_________記事ここまで__________
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権利表記
photo by まぽ from photo-ac
https://www.photo-ac.com/main/detail/1560810?title=%E6%88%A6%E5%9B%BD%E6%AD%A6%E5%B0%86%E3%81%AE%E5%A4%AA%E5%88%80
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①刀ではなく鞘
②安全
③人に影響を及ぼす
④絶対切断するマン
⑤かわいそうなエージェント
⑥辛辣な博士
⑦
以下の記述は改稿中のSCPである。
説明: SCP-XXXX-JPは直径が最小で3m、最大で5mほどの球形をした異常な空間です。2004/12/11に一斉に出現したSCP-XXXX-JPをSCP-XXXX-JP-Aに、2005/3/6に一斉出現したSCP-XXXX-JPをSCP-XXXX-JP-B群に指定します。
財団の研究者グループは、他の類似するオブジェクトとの技術的な関連性からSCP-XXXX-JP内の異常空間では空間のみならず、正常でない時間経過が発生している可能性が指摘されていました。
すべてのオブジェクトの異常空間内部には[データ検閲]によって構築された構造体と、その冷却機材と推測される物体が出現しており、構造物などの経年劣化を防止するためと思われる不活性ガスが充填されています。また、構造体を制御すると考えられる電子機器は、未知のプログラムコードが用いられており、機器本体も現存するあらゆる電子機器に該当しません。ただし、内部部品のパーツには一部M██████、やF███████など現存するメーカーのロゴマークなどが確認できます。
①財団は過去の事象を改変できる(可能性のある)オブジェクトを研究開発している。
②未来の誰かがその技術を利用(悪用?)して大規模な過去改変を計画したようだ。
③どうもその誰かは未来の財団職員のようだ。
④しかもかなりひっ迫しているらしい。
⑤でもこんな事象改変、自分たちの存在が消えかねないから無力化しよう!
⑥まあ、未来の情報も得たし、自分たちが同じ状況に陥ることはないと思うしね! ……そうだよね?
⑦あれ? 自分で作った物を自分で壊してる……もしかして⇒自業自得
補遺3: 後日、財団の歴史資料の調査チームにより、SCP-XXXX-JPが現在の三重県伊賀市で1500年代に作り出された忍者刀であると判明しました。
権利表記
1枚目
photo by ArtTower from pixabay
https://pixabay.com/ja/photos/大聖堂-洞窟-自然-岩-51483/
2枚目
photo by Surrey NanoSystems CC-BY-SA, from Wikimedia Commons
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Vantablack_01.JPG
- てんぷれーと████████████
- てんぷれーと████████████
- てんぷれーと████████████
- 神隠し
- てんぷれーと████████████
- 木枯し(投稿済み)
- どちらかが柔らかければ割れることなんてないのに(改稿中)
- 白く輝いて(編集中)
- てんぷれーと████████████
- "無人"生産装置(投稿済み)
- 転職支援企業(改装中)
- 完全性定理(ボツ案)
- コンフュージョン(仮称)
- イッツァスモールワールド
- (ボツ案)
- 頼むから何もしないでくれ
- SCP-XXX-JP-9 -ユーロ-
- SCP-XXX-JP-86 -ボリビアペソ・ボリビアノ-
- SCP-XXX-JP-165 -サルバドール・コロン-
- SCP-XXX-JP-161 -ジンバブエドル-
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明:
補遺:
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:SCP-XXXX-JPの周辺道路を封鎖し、旅行者と現地住民のSCP-XXXX-JPへの接触を断ちます。過去にSCP-XXXX-JPを利用した人物が現れた場合は、記憶処置を施して解放します。
SCP-XXXX-JP-aが使用する情報端末に対し、監視プログラムを起動することでSCP-XXXX-JPの情報が外部の旅行者にれる危険を監視します。情報の発信を感知した場合は研究主任の主導のもと、直ちに該当オブジェクトの関連情報を削除します。
SCP-XXXX-JPの内部で行方不明の2名の人物の所在調査を行います。
SCP-XXXX-JPにレベル5耐震・耐火・対災害構造補強を施してください。ただし、中央支柱への補強その他の改修は禁止されています。
説明:SCP-XXXX-JPは東京都███████にあるビジネスホテルとその内部に形成される異空間です。
SCP-XXXX-JPは1フロアに25室の客室を備えた、10階建てのビジネスホテルのように見えます。しかし、現在に至るまで最上階の存在が確認できていません。地下は存在しませんが、エレベーターおよび階段を用いて際限なく上階へと移動することができると推測されます。
外観からは11階以上のフロアを確認することはできません。11階以上の客室の窓から外を見た場合、その光景は10階の客室のものと同じように見えます。また、その階の客室の窓は全て嵌め殺しとなっており、破壊以外の方法でその窓より外に出ることはできません。破壊した窓から身を乗り出すと、外部からは10階の窓から身を乗り出している様子が確認できます。
SCP-XXXX-JP内部には「エレベーター」と呼称される、各フロアへの移動装置が備え付けられています。しかし、11階以上のフロアに移動する場合、エレベーター内にいる10秒程度の間GPS信号が検出不可能になり、完全に信号が途絶えます。またその場合、移動にかかる時間は移動階数に関わりなく一定です。何らかの技術による「転移」である可能性が指摘されていますが、その原理は不明です。
客室及びスタッフルームには実際の宿泊客か、宿泊客及びスタッフを模してふるまう人型オブジェクトが多数存在します。以下これを総じてSCP-XXXX-JP-aと呼称します。
SCP-XXXX-JP-aは全て、日本など実在する国家に本籍を置くことを主張しますが、各国の戸籍などに該当の人物の記録はありません。また、それぞれが主張する自国の歴史・世界情勢には現実との差異があります。
検証により、SCP-XXXX-JP-aは異界の人類ではなく、SCP-XXXX-JPによって生成された異常なオブジェクトである可能性が高いことが示されています。
宿泊客は、財団の確保時点で297名存在しましたが、20██年7月現在293名の記憶処理と退去、1名の死亡を確認しています。現在3名の行方がつかめず、捜索が続いています。
SCP-XXXX-JPは1991年12月15日財団のエージェントが他のオブジェクトの調査のためにホテルを利用したことで異常性が発覚し、財団に確保されました。
SCP-XXXX-JPは収容以前より、「常に満室のホテル」という噂話が流布していました。入手した台帳によると、国内外の務め人や旅行者を中心に50000名の利用者が存在すると思われます。
SCP-XXXX-JPは1969年4月1日には施工が完了し、不動産登記されています。名義は有限会社「ロゼフレア」となっていますが、その活動の実態は確認できません。当時の記録から客室の数などに異常がありましたが、どのようにしてその異常性を秘匿していたかは不明です。
補遺1:SCP-XXXX-JP-aに対する聞き取り調査の概要
以下の音声記録は当該オブジェクトの性質を調査する過程で記録され、特にその性質に関わりがあると考えられているものです。
音声ログ[SCP-XXXX-JP-7]<実施日:1991年12月27日>
記録者:エージェント████
対 象:SCP-XXXX-JP-a1。ホテルの受付に該当する役割を果たしています。
概 要:調査のため、SCP-XXXX-JP内部にエージェント████が潜入した際の音声記録です。
SCP-XXXX-JP-a1「ようこそお越しくださいました。ホテルロゼフレアへようこそ。ご宿泊ですか?」エージェント████「ええ。でも今日は下見に来ただけなんです。しばらく不定期に帰宅の遅くなる仕事が続きそうですので、気軽に泊まれそうなところを探してまして」
SCP-XXXX-JP-a1「なるほど。そういうことでしたら当館はまさしくご期待に沿えると思いますよ。下見ということでしたら、こちらのパンフレットをどうぞ」
エージェント████「どうも。ところで空いている部屋を一つ見せてもらうことはできますか?」
SCP-XXXX-JP-a1「申し訳ございません。生憎当館は現在満室でございまして」
エージェント████「あらら。なら、明日以降で1泊分の予約だけでもしておきたいのですが、いつ頃であれば空きができますか?」
SCP-XXXX-JP-a1「いえ、宿泊はいつでもできますよ。どこでもお好きな間取りのお部屋をお選びいただけます」
エージェント████「え? ……いや、相部屋とかは困るんだけど」
SCP-XXXX-JP-a1「いえ、当ホテルの宿泊に当たっては『フロントからの要請があった場合、速やかに部屋を移動する』という取り決めがございます。希望するお部屋が決まりましたら、現在その部屋に宿泊しているお客様には、別の部屋に移動しいていただきます」
エージェント████「……へ? わざわざ移動してもらうんですか?」
SCP-XXXX-JP-a1「はい。宿泊申し込み時に取り決めを交わしております」
エージェント████「でも、満室なんですよね? 移動した部屋にも宿泊している人がいるんじゃないですか?」
SCP-XXXX-JP-a1「はい。しかし移動先の部屋の方にも同様に移動していただきますので」
エージェント████「いやでもその部屋にも泊まってる人がいるんでしょ?」
SCP-XXXX-JP-a1「ええ。ですので、その部屋の方にも移動していただきます」
エージェント████「……えーっと、もしかしてその移動先の、移動先の部屋の人も?」
SCP-XXXX-JP-a1「移って頂きます」
エージェント████「それだと、最後の部屋の人が困るんじゃない?」
SCP-XXXX-JP-a1「最後の部屋の人、ですか?」
[SCP-XXXX-JP-a1が考えるそぶりを見せる]
SCP-XXXX-JP-a1「申し訳ありません。それはどのような意味でしょうか?」
[数分の間、エージェント████と最後の部屋はないと主張するSCP-XXXX-JP-a1の押し問答が記録されている]
エージェント████「はあ……。では試しに明日17:00チェックインで、宿泊させていただけますか?」
SCP-XXXX-JP-a1「承知いたしました。ではこちらにお所、お名前、必要事項の記入をお願いいたします。最後にこの書類にサインをお願いします」
[SCP-XXXX-JP-a1が2枚の書類を提示。内1枚には『173号室:新規宿泊に伴うお部屋のご移動に関する規約』と書かれている]
音声ログ[SCP-XXXX-JP-7]<実施日:1991年1月19日>
記録者:エージェント████
対 象:SCP-XXXX-JP-a4。████ ████と名乗る成人した日本人男性に見えます。SCP-XXXX-JPにおいてはホテルの調理師の役を担っているようです。氏名の他、年齢や出身地、家族構成などを聴取しましたが、その内容に合致する個人は存在しません。エージェント████「では改めまして、お忙しいところ失礼しますが、インタビューへの協力をお願いします」
SCP-XXXX-JP-a4「はいはい。15時までは昼休憩ですので大丈夫ですよ」
エージェント████「では、あなたの業務内容を聞かせてください」
SCP-XXXX-JP-a4「うん。えーと、まず私はこのホテルの厨房を任されている者です。この390階から400階まで、つまり9750号室から10000号室までのお客様に、朝昼晩とお料理を提供させて頂いております」
エージェント████「一日に何食ほど作るのですか?」
SCP-XXXX-JP-a4「うーんと、そうですね。500食ぐらいでしょうか。朝食を最近は朝食を取られない方も増えてますね」
エージェント████「まさか500食をここの3人で? 凄いですね」
SCP-XXXX-JP-a4「ええ、まあ。と言っても私たちは作るだけで、配膳や接客は別に担当がおりますので。どうしても人が足りないときは他のフロアの担当者を呼んだりもします。意外になんとかなるんですよ」
エージェント████「10フ階ごとに担当を区切っているそうですね。調理以外もですか? 他にはどんな業種が?」
SCP-XXXX-JP-a4「そうですねぇ。本部役員以外は10階ごとに分かれていて、私たちの他には……清掃やらボーイやら、大体34、5名ほどですね」
エージェント████「なるほ……」
[10秒程度の沈黙]
SCP-XXXX-JP-a4「あの、どうされました?」
エージェント████「いえ、その……確かこのホテルは一泊400円でしたね?」
SCP-XXXX-JP-a4「ええ。ワンコインでおつりが来ます」
エージェント████「もしかして、食事は別料金ですか?」
SCP-XXXX-JP-a4「いいえ? 宿泊代に含まれております」
エージェント████「薄利多売どころか採算が合わなくないですか? 250室すべて満員だとしても、ひと月300万円ぐらいですよね?」
SCP-XXXX-JP-a4「え? ああ、単純ですよ。私たちの給料や、運営に必要な経費は3900階から、4000階のお客様の支払い分から出ておりますので。むしろ十分すぎるほどです」
エージェント████「……は?」
SCP-XXXX-JP-a4「えーっとつまりですね、1階から10階までのスタッフの給料は、1階から100階までのお客様のお支払い分から支払われるんです。同じように11階から20階までの運営費は101階から200階のお客様より出ています。例えば1001階から1010階までの運営は10001階から10100までのお客様から頂いているということですね」
エージェント████「それ、つまり、赤字ってことですよね?」
SCP-XXXX-JP-a4「え? いいえ? むしろ真っ黒です」
エージェント████「…………はい? だって、従業員が維持できるサービスの、10倍の客が必要ってことですよね」
SCP-XXXX-JP-a4「ええ。」
エージェント████「じゃあ、やっぱり赤字ですよね?」
SCP-XXXX-JP-a4「いいえ。むしろ10フロア当たりの運営費の3割程度が当ホテルの利益になっているそうですから、単純に考えれば私たちのいる10フロアでも300万円程度の利益が出ているそうですよ」
エージェント████「………………はい? いやいや10階あたり40人前後も務めてるのに、支払いが月300万って、利益どころか人件費すら足りてませんよね?」
SCP-XXXX-JP-a4「まあ、10階区切りで考えるとそうですよね。でもうちのホテルは、お客さんが数えきれないほど居るんで大丈夫なんです」
エージェント████ [首をかしげている]
音声ログ[SCP-XXXX-JP-7]<実施日:1991年1月31日>
記録者:エージェント████
対 象:████ ██氏。東京都██に本籍を置く、2015年12月10日よりこのホテルを利用していた一般客です。調査後、記憶処理を施し、解放しました。
████ ██氏「そう、5年ぐらい前だったな。トイレの改装を手伝ったんだよ。日当でひと月分の宿泊費を出してくれるからってな」エージェント████「改装とは?」
████ ██氏「このホテルのトイレは共有スペースにしかないんだが、ほら、今のトイレは全部洋式だろ。昔はその半分和式トイレだったんだ。でも観光客とかに不人気だったらしくてな? 全部とっ変えることにしたんだとよ」
エージェント████「それは……大掛かりな工事ですね」
████ ██氏「うん。だと思ったんだがよ、半日で全フロア終わっちまったんだ」
エージェント████「へ?」
████ ██氏「どうやって、あんな大量の便座を揃えんのかと思ってたんだがよ、結局一つも発注せずに終わったんだ」
エージェント████「一体どうやってですか?」
████ ██氏「いや、俺もよく分かんねえんだ。言われた通りやっただけでよ。なぜかうまくいったんだよ」
エージェント████「分かる限りでいいので教えて頂けますか」
████ ██氏「んん? えーっとな。確か、『男子トイレは、現在フロアの階数を2倍したフロアへ移動して、男女トイレの洋式便座を全て取り外して、元のフロアへ運んでください』それから『女子トイレは、そのフロアから1つ階を下り、その男女トイレから元のフロアへ運んでください』っていう指示があったんだ」
エージェント████[10秒程度の沈黙]
████ ██氏「ユニット化されててな、取り外して運ぶだけだったよ。ああ、あとそれから、全フロア同時進行でやるようにって言われたかな?」
エージェント████「……でもそれ絶対足りませんよね?」
████ ██氏「だよなあ。でも移動した階の男女トイレ両方から様式便座を取ってくるから、確かに足りるんだよね。しかも1つのフロアには別の1フロアからしか便座を取りに来ないしな」
エージェント████「なんでそれでうまくいくんですか?」
████ ██氏「深く考えないのが、コツだよ」
補遺2:以下は、SCP-XXXX-JP内部の異空間の性質を検証するために行われた実験記録です。
実験記録A-15ログ[SCP-XXXX-JP-15]<実施日:1993年█月27日>
検証者:Dクラス職員のうち、特に足腰が健常なものを複数名用いる実施手順:財団標準の遠征装備を着用したDクラス職員を5名以上待機させ、そのうち一人の職員にSCP-XXXX-JP内部の階段を上らせます。職員が150階フロアを上るか、身体の不調を訴えた場合、二人目の職員は遠征装備の補充物品を持ち、SCP-XXXX-JP内部の「エレベータ」を用いて当該職員が上り切った階まで移動した後、装備を引き継いで実験を継続します。装備の引き渡しを終えた職員は「エレベーター」を用いてSCP-XXXX-JP外部へ出て休息をとります。このローテーションを複数名の職員で行ってください。100階上るごとに無線装置の中継器を設置してください。
結果:20██年█月現在最上階には到達していません。現在までに実験は6████階まで進行しています。遠征装備の高度計、気圧計の計測値は地上から変化することはありません。ただし、SCP-XXXX-JPの内部で現階層から1階までの高さを計測すると、見た目通りの値が表示されます。
オブジェクト内部の階段からは、その階の上下を見ることができます。SCP-XXXX-JP内部で観測している場合、11階以上から落とした物体も、正常な重力加速を受けて階下へ落下している様子が観測できます。
実験記録A-5ログ[SCP-XXXX-JP-5]<実施日:1992年█月13日>
検証者: エージェント████実施手順: 1階ごとに1室を選択し、電動ドリルを用いてその壁を穿孔する。
結果
9階まで:問題なく穿孔できた。異常性は確認できなかった。
10階:問題なく穿孔できた。異常性は確認できなかった。
11階:問題なく穿孔できた。穴は外部より10階の客室に発生した様子が確認できた。
12階:問題なく穿孔できた。穴は外部より10階の客室に発生した様子が確認できた。
13階:10階に作った孔と同じ部分を狙い、穿孔した。ドリルは1センチほど進んだところで抵抗をなくし、ドリルが10階の客室で穿孔した穴から飛び出た様子が確認できた。[記録省略:実験結果の詳細は研究主任に問い合わせてください]
1129階:問題なく穿孔できた。穴は外部より、10階の客室に発生した様子が確認できた。実験したフロアでの最上階の記録である。
追記: 穿孔した穴はSCP-XXXX-JP-aに発見されたものの、SCP-XXXX-JP-a1に連絡したのみで特に補修などをする様子がありません。
実験記録A-13ログ[SCP-XXXX-JP-13]<実施日:1993年█月11日>
検証者: D-2718実施手順: エレベーターの中に入り、壁あるいは扉を破壊し、その構造を分析する。
結果: 破壊できず。後日電動のこぎり、ダイヤモンドカッターなどを準備して臨んだものの、破壊には至らなかった。内部の制御盤や電光表示板なども同様であった。
実験記録A-14ログ[SCP-XXXX-JP-14]<実施日:1993年█月25日>
検証者: ████研究助手
実施手順: 11,20,100,1500,10000000階の非常口の鍵を破壊し、外部との空間接続を検証する。
結果: いずれの場合も建物外部の非常階段に通じる、10階の非常口に接続した。
追記: 非常口は温度・振動を感知し、自動で開く仕組みとなっている。また、フロントのSCP-XXXX-JP-a1は非常開閉システムを起動することができる。
実験記録A-15ログ[SCP-XXXX-JP-15]<実施日:1993年█月27日>
検証者: D-2718およびD-2236
実施手順: 101,102階の非常口の鍵を同時に破壊し、時間を合わせて同時に外に出ることで外部との空間接続を検証する。
結果:[実験中止]
追記: 実験の前に、インシデントXXXX-JP-1が発生。以後、SCP-XXXX-JP内部の異空間の性質の検証計画は凍結されています。
付記:インシデント[SCP-XXXX-JP-1]
インシデントレポート[SCP-XXXX-JP-1]<実施日:1993年█月26日>
10階非常口より推定1█████tの肉骨片が、断続した破裂音ともに3日間に渡って高速で射出された。肉骨片の組成式は人間のものと類似していました。
付記:後日SCP-XXXX-JP-a1などへの聞き取り調査を行い、インシデント発生時にSCP-XXXX-JP内部で、寝たばこに由来する火災があったことが判明しました。出火元となっったのは埼玉県████市に本籍を置く57歳の男性でした。男性は部屋には入らず、長期にわたってSCP-XXXX-JP内部の共有スペースで生活していたために、財団がその足取りを追うことができていなかった利用者です。
4█████階から4█████階が焼失し、監視カメラなどの映像から多数のSCP-XXXX-JP-aが非常口から外部へ避難しようとする様子が確認できました。
付記:インシデント[SCP-XXXX-JP-1]で観測された肉骨片はSCP-XXXX-JP-aに由来し、狭い空間に大量の物体が出現したために圧力で吹き飛ばされたものと推察されています。
このインシデントによりSCP-XXXX-JPの北側の建物が█棟倒壊し、█名の死傷者が出ました。
補遺3:SCP-XXXX-JPに対する提言
██████研究助手により、特別収容プロトコルにSCP-XXXX-JP内部の防火・防災システムの整備を追加することが提言されました。
研究主任の回答
提言は却下します。もしも、SCP-XXXX-JP-aが火災などの災害を引き起こす可能性が0ではなく、SCP-XXXX-JPの異常性が我々の想像通り、際限のないSCP-XXXX-JP-aを内包するのなら、確率計算上先のようなインシデントは同時多発的に発生を続けているはずであり、現状からSCP-XXXX-JP-aはその類のイベントを起こすような機能がないと推定されます。
真に急ぐべきは、行方の分からない利用者の捜索と、老朽化して亀裂の入り始めた建物の補修です。
補遺4:定礎箱1から見つかった文書
今後の工事に関する注意事項
今後、このホテルの主柱に改装や補強を行う際には必ずご一報をください。特殊な設計ですので通常の柱での代用は不可能です。建物内部が倒壊する危険があります。亀裂などを発見した場合もご一報を。この建物の耐用年数は██年程度と見積もっております。重ねて、自己判断で手を加えないようよろしくお願い致します。
[データ削除済み]店 工事責任者[データ削除済み]
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:
認証を完了しました。文書記録を表示します。
アイテム番号: SCP-F193k
オブジェクトクラス: [-検閲済み-]
特別収容プロトコル:本オブジェクトはサイト- ██████及び██████、████に各30機、28機、7機を常備します。30年の耐用年数を超えた物は順次廃棄し、更新してください。保管に当たっては、Bクラス以上の耐衝撃試験をクリアしたコンテナに窒素ガスを充填し、原則として分散配置します。
また、研究員から最低2名、Dクラス職員から最大5名選抜し、非常時搭乗員としてマニュアルに従い訓練を行ってください。
サイト- ██████の管理官は収容、およびプロトコル実行管理を行います。管理官が交代する場合は記憶処理を行います。説明:各人のセキュリティクリアランスに応じ、以下のファイルを閲覧してください。
-文書-SCP-F193k-1[要セキュリティクリアランスレベル5:管理官権限]
-文書-SCP-F193k-2[要セキュリティクリアランスレベル5:██████権限]
-文書-SCP-F193k-3[要セキュリティクリアランスレベル5:██権限]
-文書-SCP-F193k-4[要セキュリティクリアランスレベル5:プロトコル実行者権限]
-文書-SCP-F193k-5[要セキュリティクリアランスレベル1:訓練マニュアル]
-文書-SCP-F193k-6[要セキュリティクリアランスレベル2:保管マニュアル]
-文書-SCP-F193k-7[要セキュリティクリアランスレベル3:技術開発社者権限]
-文書-SCP-F193k-8[要セキュリティクリアランスレベル5:管理官権限]
-文書-SCP-F193k-9[要セキュリティクリアランスレベル4:虚弦斥力場開発者権限]
-文書-SCP-F193k-10[要セキュリティクリアランスレベル4:虚弦斥力場研究者権限]
-文書-SCP-F193k-11[要セキュリティクリアランスレベル1:動力開発者権限]
-文書-SCP-F193k-12[要セキュリティクリアランスレベル2:保管業務者権限]
-文書-SCP-F193k-13[要セキュリティクリアランスレベル1:装備管理者権限]
-文書-SCP-F193k-14[要セキュリティクリアランスレベル2:戦術実行時権限(研究員)]
-文書-SCP-F193k-15[要セキュリティクリアランスレベルNon:戦術実行時権限(Dクラス)]
-文書-SCP-F193k-00[非常権限]
SCP-F123kは核融合炉2基、虚弦斥力投影機、人工冬眠装置、財団標準の戦術補強装備一式、を積層装甲で覆ったオブジェクト、およびそれを用いて実行されるO5指令:プロトコル「振り直し」から構成されます。
虚弦斥力投影機は向流時間に虚軸方向への加速度を与えます。半径3mの場を形成し、場の内部の物質は時間経過が負の方向へと変化します。最大で毎秒”-38.6秒”の時間経過を与えます。一つの融合炉によって遡れる時間の限界値は2200年と推定されます
経過時間の反転に伴い、場の内部の物質は、放射熱などによって不可逆的に熱量が漏洩します。人工冬眠の動作及び漏洩する熱量の補填の為、場の内部に融合炉を1機配置します。プロトコル「振り直し」は何らかの事情によって文明の存続が困難になった場合、O5の権限のもとに実行されます。
SCP-F123kを用いて、研究員やDクラス職員を戦術的に補強し、各時代に送り込み、タイムパラドクスを発生させます。
SCP-F123kを用いて実行される作戦は原則として破壊工作です。文明の存続を危ぶます他のオブジェクト、政治体制、集団を破壊し、危機の原因を直接的に取り除き
[以下データが破損しています]補遺1: [データが破損しています]
補遺2: [データが破損しています]
このデータは私、サイト- ██████管理官及び、それ以上の権限を持つもの、あるいはそれに準じた権限をもつ博士、管理者達の生存が14日以上確認できない場合に展開されることになっているはずです。ならばこれを読んでいるあなたは、
[[/collapsible]]
補遺4:
2006年3月15日を最後にSCP-XXXX-JPは観測されていません。2016年5月1日現在オブジェクトクラスNeulrarizedへの変更が審議されています。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは、内部の温度を0℃未満に保った低危険生物収容ロッカー内に保管し、冬眠状態を維持してください。
研究目的である場合を除き、SCP-XXXX-JP-aは確保次第終了してください。
説明: SCP-XXXX-JPは甲殻綱等脚目ウオノエに科の生物に似た外見をしたオブジェクトです。魚類、爬虫類、哺乳類の舌に寄生することが確認されています。また、SCP-XXXX-JPに寄生され、宿主となった生物をSCP-XXXX-JP-aとします。SCP-XXXX-JPは0度未満の環境下では冬眠状態に入り、0℃を超えると再び活動を再開します。現在繁殖行為は確認されていません。
SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-aの舌及び神経へ、異常な感覚信号を発します。
SCP-XXXX-JPは現在までに21体捕獲されています。
SCP-XXXX-JPは生物の舌に寄生した後、舌に神経毒と硫酸を含む溶解液を送り込み、体液と溶解させた舌の筋組織を吸い上げます。舌は3日ほどの間に上偏表皮層を残して吸い尽くされ、程なくして腐り落ちます。その後、舌が存在していた場所にSCP-XXXX-JPが固着し、徐々に口内の組織と癒着・同化を始めます。1週間が経過すると舌神経、舌下神経などの神経とつながり、その機能を部分的に制御します。寄生宿主の体組織との同化は時間と共に進行し、三叉神経と舌咽神経、顔面神経と舌咽神経にまで達した後停止します。この同化現象が脳にまで達することは確認されていません。SCP-XXXX-JPは支配した神経細胞に異常な信号を生じさせていると推測されています。
4人の患者はSCP-XXXX-JP-1-aと同じ異常性を発露していたため、その全員をSCP-XXXX-JP-aとして収容し、オブジェクトの性質解明に用いています。
補遺2: SCP-XXXX-JP-1
SCP-XXXX-JP-1はDクラス職員として雇用するため、財団が渡辺████の身辺調査を行ったときに、氏の口内より発見された最初のオブジェクトです。以下渡辺████をSCP-XXXX-JP-1-aと呼称します。
SCP-XXXX-JP-1-aは財団標準の心理テストによって、重度のストレス障害に晒されていることが確認されていました。以下の文書記録はSCP-XXXX-JP-1-aが逮捕直前までつけていた日記から、SCP-XXXX-JPの性質解明に有意であると考えられている記述を抜粋したものです。
対象: SCP-XXXX-JP-1-a。SCP-XXXX-JP-1-aは福井県███市に住んでいた、渡辺████という男性です。逮捕される1983年6月までワインの卸売業を営んでいました。
日付: 1979/6/28
藁にもすがる思いとはこの感覚だろうか? あんなうさんくさい奴の言葉を頼みにするあたり、私も頭がおかしくなったのかもしれいない。口の中はしびれて感覚がなく、気味の悪い虫が居座っている。
これが失敗したら、今度こそ妻に別れを切り出そう。舌に癌が見つかってから、仕事も生活も何もかもめちゃくちゃにしてしまった。苦しむのもう私一人でいい。
日付: 1979/7/1
奴の言う通り舌が腐り落ちた。まあ、大半は癌で切り取ってほぼ舌としての意味はなかったが。
日付: 1979/7/7
口の痺れがとれてきた。信じられないが、あの虫は徐々に私の意志で動かせるようになりつつある。
何か月ぶりか、妻に「おはよう」と声をかけた。不格好でとても聞き取りにくい声だったが、驚きながらも返事を返してくれた。うれしそうに。
神よ感謝します。希望が見えてきました。
日付: 1979/7/9
舌の感覚が戻ってきた。痺れは若干残るものの、昨日よりも確実に虫は私の思い通りに動くようになっている。久々に味も感じる事ができた。晩御飯が待ちきれず何度も妻にせがんでしまった。少し、子供じみていたと反省。
ただ、口の中は他人に見せないように注意しなければ。外見はグロテスクな虫そのものだ。
日付: 1979/7/20
もうほとんど虫である事は意識しなくなっている。まだリハビリは必要だが、かつてのように喋れるようにもなったし、思い通りに動く。まさか、元通りになるのだろうか。
久々にワインを開けた。もう2度と見たくもないと思っていたのに、またこんな日がやってくるなんて。感謝します。
記念日は過ぎてしまったが、二人で魚を包んで蒸し、小さなホームパーティーを開いた。かつては毎日のように飲んでいたのにそれが遠い昔のことのように感じる。
久々のワインは期待以上に妻の手料理とマリアージュを果たしてくれた。目を閉じれば広大な畑に降り注ぐ光の糸が見える。それがバラバラにほつれてブドウの実を結ぶのだ。この1本は、作り手によほど愛されて生まれてきたのだろう。
かつての自分の舌よりも鮮明に味を感じるのは気のせいだろうか。
日付: 1979/7/22
妻の作る手料理に不気味な味が混ざっているのを感じる。虫のせいだろうか。
日付: 1979/7/26
不気味な味の正体がわかった。着色料だ。あるいは保存料などの添加物。信じられないが、この舌はほんの僅かな混入物まで感じ取ってしまうらしい。
確か奴、近藤先生もそんなことを言っていた気がする。しかし、まさか。
日付: 1979/7/28
近藤先生が言うにはあくまでこの舌は食べれない物や、害のある物を「まずい」と感じさせるらしい。いくつか試してみたが、木のまな板の破片や、手汗、包丁の鉄分などは混入しているのは判るが不快な味はしない。一方で一昨日書いた添加物やプラスチック片、傷んだ食べ物は吐き気に似た不快感がある。
仕事に生かせるのではないだろうか。
日付: 1979/8/1
食べられるものに制限が付くのは以外に辛い。コンビニで買い食いなどはもうできないだろう。添加物の多い総菜や菓子類は避けて、買った食材は丁寧に洗って食べる必要がある。
妻に面倒は掛けるが、リターンは大きいはずだ。まずは仕事を始める為の準備をしなければ。
神よ、見ていてください。私は自らを助く者です。
日付: 1979/9/6
仕事始め。長かったがついにこの日がやってきた。闘病生活で切り崩したものは多い。これからだ。なんとしても取り戻さねば。
まず一つ。闘病中に両親に預けていた██と███をこの日に合わせて引き取った。やっと家族が全員揃った。
やることは多い。明日からは、倉庫のワインを捌きながら元手を作り、██、██████、████に連絡を取って新たなワインを卸してもらう手筈をつけよう。
日付: 1979/10/18
██████から見本を数品送ってもらえることになった。少しずつだが前進している。
日付: 1979/10/25
あの[罵倒]██████が! ワインの増糖を隠して卸してやがった! ああそうか、クズワインを増糖して高値つけて売りゃあ確かにぼろ儲けだろうな! 大した錬金術師だよ。[罵倒]野郎が。
何年もそれに気づかず取引していた自分にも腹が立つ。
日付: 1980/1/30
営業は信じられないぐらいに快調だ。というより、自分の感覚に自信が持てているからだろうな。以前よりも自信を持って営業が出来ているのが解る。受け売りを喋ったりせずに、全て自分の言葉で話すことができる。どんな料理に合わせるか、どんな時に飲むか、保存の仕方も、何を売りにして出せば良いかも考えればわかる。順風満帆とはこのことか。
██████が卸していたクズワインについては徹底的に追及することになった。あっちには探られて痛い場所が少なくないんだろう。貯めた悪銭は吐き出してもらう。
日付: 1980/1/30
昨日の連絡通り近藤先生が訪ねてきた。一応経過観察をしたかったとのこと。あまりにも忙しくてしばらく通院していなかったが、わざわざ出向いて頂くとは申し訳ないことをしてしまった。簡単な問診を受けた。
ふと気になったので先生の研究について伺った。先生は少し悩んだ顔をして、アフリカ諸国での体験を語り、世界の様々な課題の解決に貢献したいと話してくれた。大志あるお方だ。
日付: 1981/4/15
順調。
強いて問題を言えば、忙し過ぎて日記を書く時間がないことか。この日記も何週間ぶりだろう。舌の様子にも変化はない。
日付: 1982/5/4
██とキャッチボールをした。最近忙しかったからか、年甲斐もなくはしゃいでしまう。おかげでぶつかったボールで口の中を切ってしまった。舌は無事だが、久々に血の味を感
日付: 1982/8/17
最近どうにも物足りない。なぜだろう? 妻の手料理は美味しい。いつも通りだ。でも、何かが足りない。
日付: 1982/9/2
足りない。
日付: 1982/9/17
イライラする。つい妻に当たってしまった。埋め合わせをしなければ。何が喜ぶだろう?
日付: 1982/9/30
足りない。これではない。こんな味ではない。ビジョンはある。ならできるはずだ。きっと。
日付: 1982/10/11
違う! でも、何が?
日付: 1982/11/3
牛でもない。豚でもない。イノシシでも、鹿でもウサギでも雀でも鴨でも蛙でもネズミでも馬でも鮫でもない。なんだ? 私は何を間違えている?
日付: 1982/11/10
やっとわかった!
[注釈]SCP-XXXX-JP-1-aの物と思われる血液が同ページに付着している
日付: 1982/11/11
足りない。圧倒的に量が足りない。どうすればいい?
日付: 1982/11/15
近頃、異常な妄想がよぎる。考えないように努めるも、まるで意味がない。明日、近藤先生に聞いてみよう。
日付: 1982/11/16
████大学附属病院に電話をかけた。近藤先生はしばらくアフリカのナイジェリアとかいう国にいるらしい。早く帰って来てくれ先生。
日付: 1982/12/24
神よ、お許しください。
[注釈]1982/12/25: 福井県警に県内の大学生█████の行方不明届けが提出されました。後に遺体の一部がSCP-XXXX-JP-1-a自宅の冷凍庫より発見
日付: 1982/12/26
うそだ。なぜ? これも違う。
日付: 1983/2/7
焼いて、漬けて、まぶして、燻して、蒸して、さらして、削いで、煮て、発酵させて。考えられる限り全て試した。でも違う。どうして?
日付: 1983/3/17
なるほど! 遠すぎるのか! 魚よりも鳥。鳥よりも牛豚。牛豚よりも[検閲]。なら、ハハハ!
[注釈]1983/3/20: 渡辺██████、 渡辺██、渡辺████の3名の行方不明届けがSCP-XXXX-JP-1-aの手によって提出された
日付: 1983/3/18
ああ、確かに近づいた。特に██と████は良かった。でも、まだ、何かが違う。
誰か、助けて。
日付: 1983/6/2
ああそうか! 最初からこうすればよかったんだ!
1983/6/2: 福井県警が自宅内で自傷行為に及ぶSCP-XXXX-JP-1-aを確保
1984/8/5: SCP-XXXX-JP-1-aの精神鑑定結果が出ました。SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-1-aの神経系を部分的に支配しているが、脳への影響は限定的であり、直接的な精神状態や意識への干渉は行われていないことが判明しました。
1984/10/2: サイト-████内でSCP-XXXX-JP-1-aが出血多量で死亡。全身に噛み千切ったような跡がありました。
記事ここまで
以下は改稿中のSCPです
.
拙作「ヒトノエ」をお読みいただきありがとうございました。
シンプルな性質を持ったオブジェクト、を目指して作成しました。
①動物に寄生
②異常な味覚を伝える
ですが、読み取れたでしょうか? 文章力に自信がないもので少し不安です。楽しんでいただければ幸いです。
「クォリア」というものをご存知の方は多いと思います。2人の人間がともに赤いポストを見たと言っても、2人の”脳”が全く同じ構造をしていないのなら、"脳"が赤色に対して同じ”感覚”を得ているとは限らない、あるいは同じだと証明のしようがない、など思考実験などで有名なあれです。これが関係する有名なオブジェクトもありますね。
ところで視覚の「クォリア」は有名ですが、聴覚、嗅覚、触覚そして味覚の「クォリア」もあります。人との食べ物の好き嫌いは、味蕾や過去の経験などに左右される部分もあるでしょうがこの味覚「クォリア」も影響があったりするのかもしれませんね。
単に美味しいからと、食べるために命を奪った連続殺人の話があります。もしかすると彼の味覚は我々とは根本から異なるのかもしれませんね。どんな感覚があったのでしょう? ひょっとすると彼だけにしかわからない感動があったのでしょうか? 死に関係するあらゆる忌避感を踏み越えるほどの。
という妄想が執筆の経緯です。
以下、フォーラム投降時との相違点を示すとともに、謝辞を述べさせていただきます。
tokage-otoko様
ストーリの根幹にかかわる的確なご指摘をありがとうございます。
to2to2様
書式の間違い他、リアリティーを出すための文書の指摘、大変参考になりました。
tokage-otoko様より
・オチの要注意団体部分が完成度を下げているように思えました。
・自食願望を持たせると言う設定と「商品」という設定の咬み合わせがよろしくないように思えます
・そういう生態を持つ生物として描くか、あるいは「正しくない使い方をした結果」自分を食うことが起こったというストーリーにした方が効果的な気がします。
要注意団体を新設するのではなく、オブジェクトの生み出された背景を記述する形に変え、「商品」という概念を外しました。
なるべくシンプル性質のオブジェクトにしたかったので、ストーリについてはあえて”直線的”なままにしたいと思います。
to2to2様
・[注釈]SCP-XXXX-JP-1-aの物と思われる血液が同ページに付着しているとしたほうがいいかもしれません(1982/12/25:福井県警に県内の大学生・1983/3/20:渡辺██████、1983/6/2:福井県警が自宅内で自傷行為に及ぶも同様に。
・意図的なものかもしれませんが、誤字があるようです。
そのように変えました。その他書式・誤字についての指摘、本当にありがとうございました。
ご指摘の通り「久々に血の味を感」だけは誤字ではなく意図的なものでした。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-XXXX-JPは通常の事故・自殺死体と同様の手順で廃棄してください。特に調査目的での回収を行わない場合は原則警察当局に処理を一任するものとします。
SCP-XXXX-JPが出現したその瞬間を目撃した人物がいた場合、記憶処置を施して下さい。
説明:
SCP-XXXX-JPは前触れなく唐突に発生する人間の死体です。この死体そのものには異常性はありませんが、発生時に事前の兆候がなく、監視カメラなどの映像記録でも発生の過程を捉える事ができません。何もなかった場所に突然死体が現れたように見えます。SCP-XXXX-JPの死亡推定時刻はその発生時刻におおむね一致します。
SCP-XXXX-JPはすべて過去の行方不明者のリストと一致します。ただし行方不明になった当時の姿ではなく、髪の毛が伸びているなど、発生までの期間に相当する時間が経過した姿で現れます。
SCP-XXXX-JPの推定死因は餓死、事故死、自殺などで、他殺と考えられるケースは現在まで確認されていません。
補遺1:
20██年6月現在、SCP-XXXX-JPはAnonimasアイテムへの再分類が検討されています
SCP-XXXX-JPは現在までに1973年を最初の事例に現在まで8件確認されていますが、前述の「唐突に発生する」瞬間は4件しか確認されておらず、映像などの客観的な記録があるものは1件のみです。
また、少なくともSCP-XXXX-JPは行方不明者が発生源であること、オブジェクトそのものには異常性は精神影響その他の異常性が観測されないことが確認されており、客観的な記録が残っている1件のみの再登録が審議されています。
文書記録XXXX-aの検証が終了した後、サイト-████にて再分類を含めた会議を行います。
[[collapsible show="+ 文書記録XXXX-a" hide="- 文書XXXX-aを閉じる"]]
概要: 文書記録XXXX-aは2017年7月に回収されたSCP-XXXX-JPの皮膚表面に油性マジックで書かれていた文章です。文書の筆記者は筆跡よりSCP-XXXX-JP発生元の行方不明者「██████ ██郎」であると推測されています。
内容:
記載場所:左手の甲
誰かが見つけてくれることを願いここに記す。
私の身体に描かれた文章は、今記憶を一つ一つ思い出しながら書いている。日付など細部には誤りがあるかもしれない。それを念頭に読んでほしい。
記載場所:左腕に記載
2015年3月2日。前触れはなかったように思う。朝起きると私は誰からも見えなくなっていたようだ。私の目には何も変わった様子は見えなかったのに。██に話しかけても反応がなかった。無視されているのとは違う、声そのものが聞こえていない様子だった。最初はいたずらか、単に機嫌が悪いだけだと思って気にしなかったがどうにも様子がおかしい。何度話しかけても全く返事どころか反応する素ぶりすらない。いい加減に頭にきて██の肩をつかんで無理やり振り向かせようとすると、何か見えない柔らかいものに阻まれて手がはじかれた。気味が悪くなってその日は朝食も食べず家を出た。
記載場所:左腕から肩口まで
職場の同僚も██と同じだった。話しかけても、肩をたたいても、突き飛ばしても。私を居ないものとして扱っているというよりは私がいることに気づいていない、私がしたことに気づけないという様子だった。11時半ごろになって部長が同僚に私がまだ出勤していないのかと尋ねた。冗談じゃない、私はここにいる。机を叩き恐怖からほとんど叫ぶように声を上げた。それでも部長は何も言わず、私は机をその目の前でひっくり返した。すると部長は怒らず、驚かず、不思議に思うそぶりも見せず、ただ淡々と散らかった書類を片つけ始めた。結局誰一人私と目を合わせたものはいなかった。ただただ怖くて逃げだした。
記載場所:左手のひらから手首
しばらく街をうろついていた。だれも私を見ていない。視界に入っていても見えてはいない。何度も肩がぶつかったが私に対して何かを言う者はいなかった。正確には見えない何かが間に割って入っていて、触れてすらいなかったが。人には触れられないが、物は大丈夫なようだ。でも、商品をカゴに入れ、レジに並んでも一向に清算ができない。駅の改札は反応したが、駅員も乗客も気付かなかった。ホームを闊歩するハトもどれほど近づいても逃げることはなかった。自宅に帰る途中、車に跳ね飛ばされた。幸い、かすり傷程度だったがその後も何度も轢かれそうになる。路側帯はもう歩けない。
記載場所:左足ふくらはぎ
帰宅すると██は警察に私の行方が分からないと電話で通報していた。その日は私も██も眠れなかった。明け方になってようやく疲れで2,3時間ほど眠ることができた。机の上に前の日のまま片つけられていない私の分の朝食が忘れられない。
記載場所:右足太もも
2015年8月5日年ぶりに実家に帰った。その途中も父も母も
補遺2:
以下はSCP-XXXX-JP-1-aの自宅地下室より回収された文書です。
納品書 兼 請求書 1979/6/28
渡辺██████ 様 > ホテル・アンパラレルド販売部 [データ削除済み]
前略
平素は、格別のご愛願を賜りまして誠にありがとうございます。
以下の商品を納品いたしますので、ご査収の程よろしくお願いいたします。
草々
内容物: やっぱり自分が一番!
追記
我々ホテル・アンパラレルドは、"選ばれた一部の方々に最高のひと時を提供する"こ
とを理念として設立された営利組織です。
現在、我々はこの活動を支援してくださるスポンサー、およびカスタマーを随時募集
しております。
我々の理念に共感し、活動の支援を希望する方は以下に記す番号までご連絡ください
[データ削除済み]
ホテル・アンパレルド 営業部より
証言記録A-15 <記録日:1981/3/15>
対象:
内容: 。
結果:
証言記録A-25 <記録日:1982/4/30>
対象:
内容: 。
結果:
証言記録A-112 <記録日:1991/4/4>
対象:
内容:
結果:
結果:
補遺2:
補遺3:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPは奈良県████市の███████山の廃寺の境内に存在する異空間で、霧の立ち込めた川原のような空間です。SCP-XXX-JPへは敷地南側の鳥居をくぐることで侵入でき、空間内部には人型の実体、SCP-XXX-JP-Aが1██体、1985年12月11日まではSCP-XXX-JP-Bが活動していました。
SCP-XXX-JP-Aは15歳未満と推測される人型の実体です。食事や睡眠、排泄などの行動は確認されておらず、常に笑顔を保っています。SCP-XXX-JP-Aの多くは日本全国の行方不明者、あるいは死者と一致し、服装や外見が行方不明当時と同じであることが確認されています。全てのSCP-XXX-JP-Aは空間内部の川原の石を積み上げ、塔を作ろうとします。塔は底面の直径が1m、高さが3m程で、川原の石は以外は使用せず、単純に石を積み上げることで制作されるものであり、塔自体に異常性はないと考えられます。財団職員がこの塔の破壊を試みた場合SCP-XXX-JP-Aは職員に対し、殴る、蹴る、抱き着くなどの妨害行動をとります。
塔が完成した場合、SCP-XXX-JP外部のSCP-XXX-JP-aに異常な性質が現れます。
SCP-XXX-JP-aはSCP-XXX-JP-Aと一致する行方不明者、あるいは死者の遺体です。SCP-XXX-JP-aは腐敗が進行せず、死亡直後とみられる状態を維持しています。SCP-XXX-JP-Aが塔を完成させた場合、SCP-XXX-JP-aに異常性が発露し、活動を開始します。
実験記録a-3ログ<実施日:1991年1月13日 13:51>
実験対象: SCP-XXX-JP-A-11。秋田県での当時7歳で行方不明となった女児であると考えられます。███のキャラクターが描かれたワンピースを着ていた。死因は頸椎の損傷によるもので、SCP-XXX-JP-Aの首も折れ曲がっていた。
実施手順: SCP-XXX-JP-a-11を管理下に置いた状態でSCP-XXX-JP-A-11に塔を完成させた。
経過記録
経過時間 特記事項 00:00 SCP-XXX-JP-A-11が塔を完成させた。笑顔は消え、完成した塔を見上げている。 00:07 SCP-XXX-JP-A-11が消失し、SCP-XXX-JP-a-11が活性化した。 分析: タグに記載される文字は言語を問わないようである。また、生成されるSCP-XXX-JP-aの個数に制限はないものと思われる。
番号:SCP-XXX-JP-A′の外見 | 検証実験 |
A-11:秋田県の7歳女児。███のキャラクターが描かれたワンピースを着ていた。死因は頸椎の損傷によるもので、SCP-XXX-JP-Aの首も折れ曲がっていた。 | SCP-XXX-JP-A’を管理下に置いた状態で塔を完成させた。 |
また、侵入後に入口の鳥居から一定方向に直進した場合、その逆側から同じ地点へと戻ってくるため、空間はループ構造をを形成しているものと思われます。空間内の川の対岸は視認できず、その川幅は不明です。
補遺:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 東京都██████の廃園となった██果樹園の周囲一帯を立ち入り禁止にするとともに、SCP-XXX-JPの太い枝に支柱を設置するなど、枝や果実の突風への対策を行います。SCP-XXX-JP-aの生成過程を目撃した人物がいた場合は記憶処理を施して解放します。SCP-XXX-JPが生成したSCP-XXX-JP-aは低危険生物収容ロッカーに収容します。死亡した個体は法律に基づき適正に廃棄します。
説明: SCP-XXX-JPは東京都██████にある樹高6.5m、幹周0.6m、のリンゴの木とみられる平均30程度の果実が実る樹木31本と、果実をつけていない若木1本です。最も果実が少ない個体はSCP-XXX-JP-3で16個、最も多い個体はSCP-XXX-JP-18で51個です。
SCP-XXX-JPの果実は不定期に肥大化して腐り落ち、その腐り落ちた果実の内部より腐敗液とSCP-XXX-JP-aを生成します。SCP-XXX-JP-aの多くは日本国内に生息する鳥類・爬虫類・哺乳類などの脊椎動物の生物の成体で、腐り落ちた果実から全て生存した状態で生成されます。
SCP-XXX-JPの果実は一年中実っています。SCP-XXX-JPの果実や枝は鋏や鋸などで容易に切断することができますが、幹部分だけは傷をつけることができません。枝の切断面でも同様です。また、幹から切り離されたSCP-XXX-JPの果実からもSCP-XXX-JP-aが生成されます。
SCP-XXX-JPの生育を阻害する試みは成功していません。
SCP-XXX-JPは過去に行方不明となった生物を生成していると考えられています。身元が判明した個体については、生後間もない年齢で、10月上旬から11月中旬の日中に行方不明になったことが共通しています。
また、その内の7件については行方不明となるまでの詳細な情報を得ることができ、その全てで"異様に冷たく強い風が吹いていた"、"突風で目を閉じた、あるいは離した数秒の間に消失した"という証言を得ています。この証言とSCP-XXX-JPの関連について調査が行われています。
概要 | 日付 | 生成過程 | 特記事項 |
30代男性 | 2016年 5月7日 | 不明(自然腐敗と推定) | SCP-XXX-JP-a-1。保護2日目に死亡。東京都内の林業従事者によって発見され、SCP-XXX-JPの発見に繋がりました。新潟県で1988年に10月13日に当時7歳で行方不明になった人物だと推定されています。 |
オスのイエネコ | 2016年 5月19日 | 自然腐敗 | 首輪がついている。後に記載された名前・住所から宮城県の飼い主を特定。やや攻撃的で、生成後数時間は昆虫や小動物を追い回し、噛み付くなど活動的でしたが、3日後に死亡。 |
メスのホトトギス | 同上 | 自然腐敗 | 上記イエネコと同時に生成された。胴体部分に致命的な損傷が見られ、生成後急速に衰弱した。20分程度で死亡。 |
メスの二ホンリス | 2016年 6月30日 | 自然腐敗 | 老体で生成され、生成直後に死亡。類例が█2件。 |
メスのニホンイノシシ | 2016年 8月1日 | 実験A1:SCP-XXX-JP-4より鋏で果実の一つを切り離した | 3時間ほどで果実が急速に腐敗。腐敗した果実よりメスのニホンイノシシ:SCP-XXX-JP-a-9を極度の栄養失調状態で生成。2時間後に死亡。 |
オスのオラウータン | 2016年10月7日 | 実験A9:SCP-XXX-JP-4より枝を果実9個ごと切り離した | オスのオラウータン:SCP-XXX-JP-a-16を極度の栄養失調状態で生成。他の8個体も類似の状態で生成された。2時間程度で死亡。首にタグがつけられており、後に愛知県███動物園で2000年に10月18日に行方不明になった個体であると判明。 |
20代女性 | 同上 | 同上 | SCP-XXX-JP-a-18。極度の栄養失調状態で生成。延命措置が図られましたが3時間後に死亡。 京都府で1997年10月26日に当時6歳で行方不明になった人物だと推定されています。同実験で2つの人型個体が生成された。 |
40代男性 | 2016年11月1日 | 自然腐敗 | SCP-XXX-JP-a-29。現在サイト-████に収容。群馬県で1976年10月25日に当時3歳で行方不明になった人物と推定。 |
対象: SCP-XXX-JP-a-29
40代の日本人と見られる男性です。行方不明になった当時の服装をしていましたが、現在の身体に合わせるように変形しています。生成後の簡易診断により発達障害が疑われています。インタビュアー: ██研究員
<録音開始, 2016/11/1>
██研究員: 気分は悪くありませんか?
SCP-XXX-JP-a-29: ここは、どこ?
██研究員: 東京の██ にある病院ですよ。
SCP-XXX-JP-a-29: ”とっきょお”? それどこ? エ[判別不能]じゃないの? えいみはどこ?
██研究員: ええ、東京です。……エヒュホラ? とは何ですか?
SCP-XXX-JP-a-29: ……[判別不能]アは? 帰りたいよ。なんでここにいるの?
██研究員: 大丈夫。質問に答えてくれたら帰れますよ。……エヒュホラ、それからトクァフアとは何でしょうか?
SCP-XXX-JP-a-29: 黒い大きなひとだよ。知らないの? いっぱいクレヨンをもってる。
██研究員: その人物はどのような人ですか? どのような顔をしていますか?
SCP-XXX-JP-a-29: 顔なんてないよ。[判別不能]はあるけど。██研究員: (███博士より指示が入る)はい。わかりました。では質問を変えます。昨日は何を食べましたか?
SCP-XXX-JP-a-29:(10秒ほど沈黙) どういう意味?
██研究員: え?
SCP-XXX-JP-a-29: たべましたかって?
押し問答が続いたため中略(記録全体は███研究室に保管されています)
██研究員: では最後の質問です。SCP-XXX-JP-a-29: もう、なにか……やだよ。
██研究員: これで終わりですよ。答えれば帰れますから頑張って。では、昨日何があったか教えてください。できるだけ詳しく。
SCP-XXX-JP-a-29: 別に何もしてないよ。ただ……。
██研究員: ただ、何でしょう?
SCP-XXX-JP-a-29: [判別不能]アに言ったんだ。えいみとおなじとこに住みたいって。[判別不能]アはよくないって言ったけど、どうしても一緒に住みたくって、よくわからないけど。そう言ったら……。
(椅子の上で体を大きく揺すっている)
SCP-XXX-JP-a-29: (沈黙)そしたら[判別不能]アはすごく怒って……怒られたのはじめてで。
██研究員: そんなに動くと危ないですよ。それでどうしました?
SCP-XXX-JP-a-29: 別に……怒られたから、[判別不能]アに内緒でえいみのとこに行って、一緒の毛布でねたの。えいみはいいよって言ってくれて、そしたらすごく……
(一際大きく揺すり、SCP-XXX-JP-a-29椅子から落ちる。頭部を床に打ち付けた)
██研究員: 言わんこっちゃない。大丈夫ですか?
SCP-XXX-JP-a-29: ……うう。なにこれ。……なにこれぇ! (嗚咽)やだぁ! なにこれぇえ‼
(SCP-XXX-JP-a-29が頭を抱えてのたうち回っている)
<録音終了>
事後記録: SCP-XXX-JP-a-29は頭部を強打しただけでしたが、ひどく怯えた様子でした。1時間ほど経過し,落ち着いたときSCP-XXX-JP-a-29は懐かしい気がする と証言しました。
SCP-XXX-JP-a-29は当初食品を口に入れることに軽度の抵抗を示しており、生成後10時間経過時点で初めて食事をとりました。12時間後、SCP-XXX-JP-a-29から健全な消化が行われていないと考えられる、ペースト状の便が排出されました。ほどなくしてSCP-XXX-JP-a-29が衰弱したため、サイト-████ に移送され、現在延命治療を受けています。検査の結果、消化器官を中心とした臓器の未発達や機能停止、腸内細菌の死滅等の異常が確認されました。
補遺3: SCP-XXX-JPの発生範囲の中心には白い看板が立てられています。この看板はSCP-XXX-JPの幹部分と同じ特性を示しており、詳細不明な5色の塗料で「おめでとう 」と書かれています。
補遺4: 2016年11月9日、若木:SCP-XXX-JP-32が41個の果実をつけました。果実は当初青色でしたが、2週間ほどで全て熟した様に赤く染まりました。また同年11月10日に新たな若木SCP-XXX-JP-33が発生しました。調査中の気象条件とSCP-XXX-JPの関連は未だ不明ですが、2016年11月9日は西高東低の気圧配置になり、東京都内で証言通りの冷たく乾燥した強い北西風が観測されています。
____記事ここまで_____
画像クレジット
提供元:Pixabay より
作者:Hans様
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが活性状態に移行する12:30から17:30までの間、その周囲半径5mの立ち入りが禁止されます。
午前6時から11時までの間に陶磁器の原料として用いられる粘土を成形し、SCP-XXX-JPの内部に設置します。設置される粘土は150gを下限とします。粘土は内部のSCP-XXX-JP-aと交換し、交換されたSCP-XXX-JP-aは低危険物収容ロッカーに保管されます。
また、SCP-XXX-JPはその外観を陶芸家の所有する空き家に偽装し、窓やその他侵入口を塞がれます。周囲に監視カメラを設置し、SCP-XXX-JP内部に動植物が侵入した場合は直ちに排除し、人間が侵入した場合は記憶処置を施して解放します。
外部で発見されたSCP-XXX-JP-aについても、低危険物収容ロッカーに保管されます。
説明:SCP-XXX-JPは縦2.5m,幅3.5m,高さ0.75mの土を盛って作られた陶芸用の竈で、岐阜県の████市██山の小屋の中にあります。
SCP-XXX-JPは毎日12時30分に活性状態となり、以後数時間かけてその内部にある物体を加熱し、SCP-XXX-JP-aを生成します。粘土以外では、動植物や機械金属などを過熱してSCP-XXX-JP-aを生成することもできます。SCP-XXX-JP-aからは水分が消失しますが、それと同体積の不明な物質が充填され、その物質はアルミニウムやカルシウムなどの金属元素と結合、ガラス化しています。そのためSCP-XXX-JP-aの外観、組成は一般に陶磁器、瀬戸物と呼称されるものに酷似しています。
12時30分の時点でSCP-XXX-JP内部が空洞であるか、あるいは粘土がない場合、SCP-XXX-JPは煙状の物質を噴出し、SCP-XXX-JPの周囲一帯を蔽います。その後、煙に覆われた空間から重量200kg未満の物体を竈の内部に引き込むと、活性状態に入ります。引き込む過程はSCP-XXX-JPの噴出する煙が光を完全に遮断するため、観測できていません。しかし、音波探知により煙内部に幅2.0m前後、最大長は不明の実体が出現し、周囲の物体をSCP-XXX-JP内部へ引き込んでいることが確認されています。
SCP-XXX-JPの放出する煙は半径██kmまで蔽うことが確認されていますが、その最大値は不明です。
SCP-XXX-JPが内部に引き込む物の法則性は完全には解明されてはいませんが、SCP-XXX-JPに近く、植物でない130g以上の有機物が優先される傾向があります。
補遺1:
SCP-XXX-JPには銘と思われる文字列███ ██が彫り込まれています。
2013年5月13日青森県██市の美術館で破損した、水鳥を模した陶磁器が、その内臓や血管、細胞に至るまで精巧に再現されていたことで美術館の学芸員が異常性に気付きました。水鳥を模した陶磁器には███ ██という文字列と日付が記載されており、その後の財団の調査によって全国の美術商の在庫、美術館等から現在までに71点のSCP-XXX-JP-aが発見されました。
SCP-XXX-JP-aの多くは売買・取り扱いの記録に不自然な点があり、その追跡は困難でしたが、███ ██を名乗る人物から直接取引をしたという兵庫県の93歳の男性の証言からSCP-XXX-JPの所在を突き止めました。その男性は2016年5月11日に死亡しています。事件性は認められていません。
なお、███ ██という人物に関する公的な記録は残されていません。
補遺2:
以下は財団によって回収されたSCP-XXX-JP-aリストの一例とその概要です。
全てのリストを参照、あるいはより詳しい情報を参照する場合は研究主任に問い合わせてください。
発見場所 所持者 | 概要:記載された日付 | 特記事項 |
青森県 ██市美術館 | 水鳥、鴨が暴露したもの:1964/3/29 | 最初に確保したSCP-XXX-JP-aです |
大阪府 ████商店 | 直径30cm程度の皿:1958/11/12 | 全く同じものが全国で4点確保されました |
兵庫県 個人所有 | 高さ26cmの水差し:1951/6/27 | SCP-XXX-JPの所在につながった91歳男性の所有物 |
三重県 雑貨店 | 直径12cmの器3枚:1961/8/3 | 子供が描いたような絵柄で「男性」「女性」「家」が書かれています。 |
秋田県 ██美術品店 | 鹿が暴露したもの: 日付記載なし | 消化器系のガラス化した植物からSCP-XXX-JPのある██山に生息していたと推測されています。類似品が9点 |
長野県 ██美術館 | 30代の男性が暴露したもの:1987/5/30 | 最初に見つかった人型SCP-XXX-JP-aです。他、生物型オブジェクトと同じく、内臓と細胞が再現されていましたが、腎臓がありません。 |
岐阜県 廃墟跡 | 10代の女性が暴露したもの:2011/9/1 | 暴行跡、多数の切り傷が認められる。 |
北海道 個人所有 | 一般的なダイヤル式固定電話:日付記載なし | 他、機械製品のオブジェクトは13点発見されています。追記: 電話としての使用が可能であることがわかりました。詳細な原理は不明です。 |
長野県 ███市美術館 | 40代女性と10歳未満の子供:1968/3/9 1967/12/17 | 美術館での展示タイトルは「我が家族」です。 2011年に地震によって子供の右腕が破損。███ ██との直接取引の可能性あり |
補遺3:
一部の生物型SCP-XXX-JP-aの収容の際に、所有者や管理者から「音がする」「仄かに暖かい」「見られている気がする」といった証言を得たため、当該人物に記憶処理を施しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 岐阜県█████市、███市、██████市のセーフハウスにダミーの戸籍と住民票を取得した職員を常駐させ、毎朝PM5:30にポストに「井戸端クリーニング店」のチラシが届いていないか確認をさせます。「井戸端クリーニング店」のチラシを確認した場合、そのチラシに記された百貨店またはスーパーマーケットにおいて、SCP-XXX-JPの周囲を店舗の内装工事に見せかけて封鎖します。SCP-XXX-JPに暴露した人間には記憶処理が施されます。
説明:SCP-XXX-JPは岐阜県█████市、███市、██████市の百貨店およびスーパーマーケットに発生する、テナント型クリーニング店に似たオブジェクトです。SCP-XXX-JPはクリーニング店としての空間と、店員に相当する人型実体SCP-XXX-JP-aからなります。
SCP-XXX-JPは百貨店およびスーパーマーケットの内壁に発生します。その際にはSCP-XXX-JPが発生した付近の内装が変化しますが、発生した店舗の外観は変化しません。そのため、百貨店およびスーパーマーケットの内部からSCP-XXX-JPを見た場合、数10cm程度の厚みの壁内にクリーニング店のテナントが入っているように見えます。
また、SCP-XXX-JPは█████市、███市、██████市の住人に対し、クリーニング店としての業務を果たしているように見えます。業務は1時間程度で終わり、衣服の種類に関わらず、クリーニングの依頼に対し以下の3つのコースを提示します。
1.簡単適当コース
2.普通に洗濯コース
3.完全漂白コース
クリーニングされた衣類は、注文者以外が受け取ることもできます。
█████市、███市、██████市の住人はSCP-XXX-JP発生時にSCP-XXX-JPについて尋ねると、一様に「古くからある、なじみの店だ」と答えます。また住宅のポストには、SCP-XXX-JP発生日AM5:30にチラシが発生します。
補遺1
実験記録A-4ログ<実施日:2015年1月23日>
実施手順: █████市のセーフハウスにD-2543を住まわせ、SCP-XXX-JP発生時、D-2543に自身が所有する紺色のジャージを"1.簡単適当コース"でSCP-XXX-JPへと渡させる。ジャージが返却されるまでの間、D-2543に標準的な工具を渡し、SCP-XXX-JP内部の空間に侵入させる。
結果: ジャージはそのタグを含めて漂白され、その白色度は80%を示していた。また、ほつれは繕われていた。後の検証でジャージの白さは塗料によるものではないことが判明したが、漂白の原理は不明。さらにシャツは15日間インクや油などあらゆる汚れを退け、その白色度を保ち続けた。
SCP-XXX-JP内部への侵入は失敗。D-2543は見えない壁に阻まれ、工具も効果がなかった。壁の感触は元の店舗の内壁に類似していたと証言していた。
D-2543の母斑細胞性母斑が消失。また、垢や角質なども消え、D-2543は非常に良い気分だと証言した。
実験記録B-1ログ<実施日:2015年5月13日>
実施手順: ███市のセーフハウスにD-2552を住まわせ、SCP-XXX-JP発生時、D-2552に新品の一般的なスーツを"2.普通に洗濯コース"でSCP-XXX-JPへと渡させる。スーツが返却されるまでの間、D-2552に軍用火器を渡し、SCP-XXX-JP内部の空間に侵入させる。
結果: スーツは漂白され、その白色度は100%を示した。さらにスーツはあらゆる汚れを退けており、現在までその白色度を保ち続けている。
SCP-XXX-JP内部への侵入は失敗した。D-2552の証言は過去の検証時のものに類似していた。
スーツをSCP-XXX-JPに引き渡してから10分後、D-2552の体が白く染まり始めた。皮膚や体毛のみだけでなく、虹彩、血液までもが白く染まった。引き渡しから20分経過時点で、D-2552が自身の体に生じた異変に気付き逃亡を試みたため、記憶処理を施し拘束した。D-2552の異変は別の実験によってD-2552が終了するまで解消されることはなかった。白色度は90%を超え、人体の凹凸の識別が著しく困難となっていた。著しい視力低下も見られたが、これは眼球組織の白色化が原因とみられている。
実験記録Cログ<実施日:2016年10月13日>
実施手順: ███市のセーフハウスにD-2570を住まわせ、SCP-XXX-JP発生時、D-2570に新品の一般的なワイシャツを"3.完全漂白コース"でSCP-XXX-JPへと渡させる。ワイシャツがが返却されるまでの間、D-2570を監視し、拘束下に置くものとする。
結果: ワイシャツをSCP-XXX-JPに引き渡してから10分後、D-2570の皮膚が透け始めた。皮下の筋繊維や骨格、内臓組織が見えるようになったが、30程経過した時点でそれらも透け始め、次第にD-2570の体の反対側が見えるようになった。50分でD-2570の体は完全に透明になり、その細胞組織はあらゆる光学測定で観測することが不可能になった。またその後、D-2570から発せられる声がなくなり、体を叩くなどしても音が鳴らなくなりました。
人型実体SCP-XXX-JP-aがD-2570を認識できなくなったため、代わりに██助手が透明になったワイシャツを受け取りました。
実験後記: D-2570は現在視覚・聴覚を用いた意思疎通が困難な状態にありまが、背中に文字を書くなど皮膚を媒介にすることでコミュニケーションがとれます。以下はD-2570の実験直後、筆記による証言です
なにもみえない。きこえない。さむい。こわい。
[[/collapsible]]
補遺2:
これはSCP-XXX-JP:「井戸端クリーニング店」のチラシです
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの3番、11番、13番、17番のレバーを強化ガラスで覆い、操作不能にした状態で、危険物保管ロッカー内に収容してください。この強化ガラスは取り外さないでください。SCP-XXX-JPの実験を行う場合、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可を得て、 担当研究主任を同席させて下さい。
研究主任の許可のない限り、実験において操作されたレバーは3時間以内にもとに戻してください。
実験の過程で生成されたSCP-XXX-JP-a、およびSCP-XXX-JP-bはすべて金属製容器に密閉し、保存してください。
実験、運搬などでSCP-XXX-JP、あるいはSCP-XXX-JP-aに触れる場合、除染作業用の防護服を着用してください。使用後の防護服は操作したレバーを戻すまで、全て金属製容器に密閉し保存してください。
説明: SCP-XXX-JPは縦0.4m、横1.5m、高さ2.0mの詳細不明の金属で作られた、中央部分に窪みのある工業機械に似たオブジェクトです。窪みのある前面には合計17個のレバーが取り付けられており、3番、11番、13番、17番レバーは発見時すでに動作状態になっていました。各レバーの上部には縦3cm、横15cmのタグが設置されています。
上記4つのレバーの上部には古い日本語が書かれています。字体、塗料、劣化状況から江戸時代前期に書かれたものと考えられています。タグに書かれた文字は以下の通りです。
3番: 米
11番: 小麦
13番: 大豆
17番: 大根
オブジェクト中央部分の窪みには常にこの4品が入っています。
SCP-XXX-JPはタグに農作物の名前を記入し、レバーを上部に動かすことで動作状態となります。動作状態となったSCP-XXX-JPはその中央部分の窪みに、タグに名前を記入された農作物:SCP-XXX-JP-aを生成します。SCP-XXX-JP-aを中央の窪みから取り出すと新たなSCP-XXX-JP-aを生成します。SCP-XXX-JP-aは種子、苗木、果実など季節気候に合わせて生育に最適な形で出現します。SCP-XXX-JP-aは正常な同種の農作物と見分けがつけられません。
レバーを下部に動かすことでSCP-XXX-JP-aは消失します。この消失はSCP-XXX-JPとの距離や、SCP-XXX-JP-aの状態とはかかわりなく発生します。
SCP-XXX-JP-aに防護服を着用せず接触した生物をSCP-XXX-JP-bとして扱います。
補遺1
実験記録A-5ログ[SCP-XXX-JP-a-5]<実施日:1991年█月13日>
補遺2実施手順: タグに「さつまいも」をローマ字で記入。その後2番レバーを動作させる。薩摩芋:SCP-XXX-JP-a-5が出現した場合、 ████助手が、ガラス容器に限界までSCP-XXX-JP-a-5を入れて密閉する。また、D-1328にSCP-XXX-JP-a-5を一つ食べさせる。その後レバーを戻す。
結果: SCP-XXX-JP-a-5は種イモに近い形状で生成され、ガラス容器に計38個のSCP-XXX-JP-a-5を問題なく収めることができた。レバーを戻すとSCP-XXX-JP-a-5はすべて消失。D-1328はSCP-XXX-JP-a-5一つ分の体重が増減した。████助手に変化は見られなかった。
分析: タグに記載される文字は言語を問わないようである。また、生成されるSCP-XXX-JP-aの個数に制限はないものと思われる。
以下の記録はSCP-XXX-JPの性質を解析する上で特に重要だと考えられています。
閲覧の際にはセキュリティクリアランスを提示してください。
事件記録B[SCP-XXX-JP-a-18]<1991年5月10日>
概要
SCP-XXX-JP-aの生成・消失と時間経過の関係を確かめる実験を行っていた最中、SCP-XXX-JP-a-18を生成して32時間48分経過時点でレバーを戻したところ、████助手が消失した。
監視カメラの映像から████助手は身に着けていた白衣を残し、SCP-XXX-JP-a-18と同時に消失していたことが確認された。現在████助手の行方は不明。
████助手は実験の経過を観察するため、約19時間SCP-XXX-JP-a-18と同室に留まっており、実験室付近で食事・睡眠をとっていた。
事件後の措置
████ ██博士の提言により、SCP-XXX-JP-aへ直接接触を防止するため、職員に防護服の着用が義務づけられました。また、この性質の解析のための実験が提案、受理されました。
実験記録B-5ログ[ SCP-XXX-JP-a-31]<実施日:1992年█月9日>
実施手順: 6枚のタグに「桃」を漢字で記入。その後4番、5番、6番、7番、8番、9番レバーを動作させる。6つの桃:SCP-XXX-JP-a-31が出現した場合、D-1339にSCP-XXX-JP-a-31を食べさせ、それぞれ1時間、3時間、5時間、7時間、9時間、11時間経過時点でレバーを一つずつ戻しSCP-XXX-JP-a-31を消失させて観察する。
結果: 1時間、3時間、5時間経過時点では異常は見られなかった。7時間経過時点でレバーを下した瞬間、D-1339は消失。衣類のみが残った。
分析: いやな予感がする。SCP-XXX-JP-aを食べて吸収することで、SCP-XXX-JPは食した生物をSCP-XXX-JP-aの一部であるとして処理しているのではないだろうか。さらに検証を行う。
実験記録B-13ログ[SCP-XXX-JP-a-39]<実施日:1992年█月29日>
実施手順: タグに「小麦」を漢字で記入。その後4番レバーを動作させる。小麦:SCP-XXX-JP-a-39が出現した場合、まず、イナゴにSCP-XXX-JP-a-39を齧らせる。9時間後イナゴを解体し、それを牛、豚、鶏に餌に混入させる形で食べさせる。そこから12時間経過した時点で、それらを防護服を着たDクラス職員に通常の方法で調理させ、D-1350に食べさせる。9時間経過したのちレバーを戻す。
結果: D-1350は消失。また、D-1350の食した牛、豚、鶏は、調理の過程で発生した血糊も含めて同時に消失。調理中に味見をさせたDクラス職員1名も消失した。
分析: SCP-XXX-JP-aを食し、吸収したものはSCP-XXX-JP-aの性質が伝播すると推測される
措置: SCP-XXX-JP-aに触れ、その一部でも体内に取り込んだ恐れのある生物はSCP-XXX-JP-bに指定して、隔離を行うものとする。
実験記録B-15ログ[SCP-XXX-JP-a-41]<実施日:1993年█月2日>
実施手順: タグに「トウモロコシ」を片仮名で記入。その後4番レバーを動作させる。トウモロコシ:SCP-XXX-JP-a-41が出現した場合、それを鶏に通常の餌に混入させて食べさせる。そこから12時間以上経過した後、鶏を解体し、それを他の新たな鶏の餌に混入させて食べさせる。以降、同様の作業を21回繰り返す。最後の個体を通常の方法で調理し、D-1353に食べさせる。9時間経過したのちレバーを戻す。
結果: D-1353は消失。また、実験で使用した鶏は、その糞や血糊なども消失した。
分析: SCP-XXX-JP-aの性質は"世代"や時間経過などでは減衰・消滅はしないと予想される。
追記: 実験の過程で数匹のSCP-XXX-JP-b-41の雛が生まれたが、すべて消失した。
実験記録B系列について████ ██博士のメモより
16██年にSCP-XXX-JPを起動し████㎡での稲作を行ったと仮定した場合、現在SCP-XXX-JPの影響下にあると予想される生物の割合は[データ削除]
補遺3
SCP-XXX-JPは秋田県███市の集落跡で発見されました。███市の集落はかつて名のある米所として知られていましたが、現在は無人となっています。
この記事は改装中です
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: セキュリティクリアランス1以上の全ての職員に対してSCP-XXX-JPの性質の周知徹底を行い,セキュリティクリアランス0の職員やその他財団の運営に関わる全ての者にカバーストーリー「悪徳業者の電話セールス」を適用します。
各家庭,企業の固定電話から接続される交換機,携帯電話の交換局の参照するデータベースを書き換え,0120-□□□□-■■■■への通話が偽造企業「渡辺転職支援」につながるようにします。0120-□□□□-■■■■への通話者にも職員と同様カバーストーリーを適用します。
現在SCP-XXX-JPの直接の収容は出来ていません。
説明: SCP-XXX-JPは中年男性の声色をしています。現在「渡辺転職支援」を自称し,120-■■■■-□□□□で通話可能です。呼び出し後,「住所」「氏名」「年齢」「職業」などの個人情報を伝えると,通話した人物の職業に関する記憶が他人の記憶と入れ替わります。虚偽の情報を伝えた場合など,個人が正確に特定できない場合,SCP-XXX-JPの特異性は発現しないものと推定されています。
現在SCP-XXX-JPの外見や所在地,出現の経緯などの特定は出来ていません。フリーダイヤルにて通話が出来ているにも関わらず,サービス配信元であるNTTコミュニケーションによる開通及び通話の記録が存在せず,配信元による通信を遮断する試みも成功していません。通話そのものは電話交換機を経由していることが確認されていますが,通話記録に残る情報は通話のたびに毎回変化し,存在しない回線と接続した記録が残るなどの異常を示すことがあります。
__実験記録XXX-T-08 - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-1673(前職:飲食店経営)
実施方法: D-1763には転職支援を騙る詐欺師への調査への協力と伝えてあります。
結果: 大学卒業程度の数学の知識と,中学校数学の授業の技術及び経験を獲得。同時にかつて勤めていた飲食店については勤務内容だけでなく,店の所在地なども忘失しました。店内ののパソコンの検索履歴を閲覧しても記憶にないと話しています。また,昨日まで██████中学校で勤務をしていたと主張したものの,同僚や██████中学校の生徒の詳細について問われると明確に答えられず,パニック症状を示しました。
補足:D-1673の元職場である作業場に36歳の男性が「出勤」していたことが確認されていた。この人物は自分がその作業場に古くから勤めていた主張していました。
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
SCP-XXX-JP: 「はいこちら転職支援企業「渡辺転職支援」です! コンビニのアルバイトから国政関係まであなたの第2の人生の再出発を支援いたします! 転職先をお探しでしょうか!」
D-1673: 「あー,ああ。そうだけど」
SCP-XXX-JP: 「ありがとうございます! お客様の新たなる人生の幕開けに立ち会うことができ光栄に思います! 僭越ながらわたくし[渡辺]めがお客様のサポートをいたします! それでは10分ほどお時間をいただきますがよろしいでしょうか⁉」
D-1673: 「……少し声を抑えてくれんか?」
SCP-XXX-JP: 「失礼いたしました。……それではお客様の住所,氏名,年齢,現職とその勤め先についてお伺いいたします」
D-1673: 「わかった」
D-1673が自らの氏名,住所と元の職場について詳細に伝える
SCP-XXX-JP: 「少々お待ちください」
30秒ほど沈黙。
SCP-XXX-JP: 「はい。確認いたしました」
SCP-XXX-JP: 「……現在は勤務されていないようですね。今後復職おつもりはございませんか? わが社の転職支援は特殊でして,一度支援を受けると復職は困難になりますが」
D-1673: 「戻るつもりはないよ。というか戻れないしな。いろいろあったんでね」
SCP-XXX-JP: 「そうですか。ではご希望の職種はありますか? 大雑把にでも構いません」
D-1673: 「えーと,なんでもいいんだよな? じゃあ学校の先生とか」
SCP-XXX-JP: 「ええ。ええ。少々お待ちください。……では客様のの現住所付近で██████中学校はいかがでしょう。担当教科は数学で、1年2組の担任です」
D-1673: 「[苦笑]。悪いけど俺は算数から嫌いだったんだ。ちょっと無理があるだろ」
SCP-XXX-JP: 「いえ,勤務に必要知識及び技能の習得につきましては私が責任をもってサポートいたします。ご安心ください」
D-1673: 「そんなことができるのか」
SCP-XXX-JP: 「では██████中学校教諭構いませんか?」
D-1673: 「ああ。それで,俺はどうしたらいいんだ? いくら払えばいい?」
SCP-XXX-JP: 「ええ。こちらで事務手続きを済ませておきます。それから代金は必要ありません」
D-1673: 「……は?」
SCP-XXX-JP: 「では。新たなる人生の門出に祝福を! これまでの日常とはさようなら! 幸せをつかめるかどうかはあなた次第! なお当社はお客様の被った利益に対し一切の責任を負いません」
<通話途絶・録音終了]>
終了報告書: 通話終了3分後D-1673は意識を失い転倒。2分間全身の痙攣と激しい眼球運動を記録。1時間覚醒した。
実験記録XXX-T-2 - 日付YYYY/MM/DD
対象: D-1344(前職:自作アクセサリー制作) D-1345(前職:家電量販店████)二人に過去の面識はない。
実施方法: まずD-1345にSCP-XXX-JPへ通話をさせ「アクセサリー制作をしたいと」主張させる,2日後にD-1344をSCP-XXX-JPに暴露された。(これはD-1344の前職に転職希望者がおらず,2者間でSCP-XXX-JPの異常性を発現させられる可能性が高いと推測されたためです)結果:
分析:実験XXX-T-1から実験XXX-T-6まで計6回の実験が行われ,以下の性質について再現性が認められています。
実験記録XXX-F-██ 日付████/█/██
対象: D-1365(前職:整体院勤務)
実施内容:希望職業に要注意団体 ████████の職員又は関係者と主張させた。
結果:[データ削除済み]
追記:D-1356は[データ削除済み]の管理下にあります。
事件記録XXX-A-a 日付201█/4/14
対象: D-1365(前職:整体院勤務)
実施内容:SCP-XXX-JPに「氏名」を虚偽申告する
結果:
対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]
<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>
SCP-XXX-JP: 「はいこちら転職支援企業「渡辺転職支援」です! コンビニのアルバイトから国政関係まであなたの第2の人生の再出発を支援いたします! 転職先をお探しでしょうか!」
D-1673: 「……ああ」
SCP-XXX-JP: 「ありがとうございます! お客様の新たなる人生の幕開けに立ち会うことができ光栄に思います! 僭越ながらわたくし[渡辺]めがお客様のサポートをいたします! それでは10分ほどお時間をいただきますがよろしいでしょうか⁉」
D-1673: 「声の大きいやつだな。わかってるよ」
SCP-XXX-JP: 「失礼いたしました。……それではお客様の住所,氏名,年齢,現職とその勤め先についてお伺いいたします」
D-1673: 「オーケー」
D-1673が自らの「氏名」について詳細に伝える
SCP-XXX-JP: 「少々お待ちください」
30秒ほど沈黙。
SCP-XXX-JP: 「……[D-1553の本名]で間違いありませんか?」
D-1673: 「間違いない」
SCP-XXX-JP: 「そうですか。では…………あなたの後ろにいる[罵倒]野郎にお伝え下さい」
D-1673: 「え?」
SCP-XXX-JP: 「いえ,お客様のことではありませんよ。ただあなたに命令している人がいますよね? その人に言っているんです」
SCP-XXX-JP: 「では,俺はな人生がどうにもつまらなくなっちまった救うためにこんなことをしてんだよ。それをてめえらは何様だ? なんの権利があって俺を妨害するんだ? てめえらのやってることがばれてねえとでも思ってんのか? 幸せなこったな無能どもが」
SCP-XXX-JP: 「これからてめえらの頭蓋の中の[罵倒]を外に吐き出させてやるよ [罵倒]と一緒にな。[罵倒]。確保したもの,保護したもの,収容したものを全部な!」
<通話途絶・録音終了]>
事件記録詳細
サイト-██の職員への個人用携帯端末に転職の意志の有無を確認する着信がありました。これにより██がSCP-XXX-JPの干渉を受け,4名の職員が暴露しました。経過と概要は概要は以下の通りです。
・█研究員
SCP-XXX-JP に登録の抹消を要請。Bクラス記憶措置後転属。
・██研究員
SCP-XXX-JP に登録の抹消を要請。Bクラス記憶措置後転属。
・守衛勤務██
事件翌日███商事に「出社」しようとしたところを確保。Bクラス記憶措置後転属させて監視。
その2時間後███商事の社員█████がサイト██の守衛室に「出社」。確保しBクラス記憶措置後収容。
・██博士(セキュリティクリアランスレベル3)
岐阜県の███市の園芸用品店で確保。以前からここの店員であったと主張。彼はSCP-███-JPとSCP-███-JPをはじめとする研究に関わり,SCP-███-JPの研究主任でしたが,その記憶を全て失っていました。
彼の記憶が書き換えられたと思われる園芸店の元店員は現在行方不明です
現在エージェント███に捜索を要請しています。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの記載された文書はプラスチック製の密閉容器に格納した上で、危険物保管ロッカー内に収容してください。電子データは、標準的なハードディスクドライブに保存し、外部との接続を完全に遮断して保存してください。
SCP-XXX-JPの複写及び文書の閲覧は、セキュリティクリアランスレベル2以上の職員の許可を得て行ってください。
またSCP-XXX-JPの複写をする際には、複数の高度の数学的素養をもたないDクラス職員を起用し、それぞれに300字以上の文章・を閲覧させないようにします。
新たに発見された文書は確保した後、閲覧した可能性のある人物にクラスBの記憶処理を行います。
SCP-XXX-JPの性質に曝露した者は、適切な薬物を投与し、連続2時間以上の覚醒を防いでクラスBの記憶処理を行います。対象に聴取を行う場合は標準的な自殺防止手順に従ってください。
説明:SCP-XXX-JPは著者の異なる582部の論文束、あるいはその電子データに記載された数学の定理です。この論文の内容を閲覧した人物は、非常に強いうつ病傾向を示し、暴露直前の精神状態にかかわらず自殺を図ります。
現在発見順に通し番号がつけられSCP-XXX-JP-582まで保管されています。
1941年以降、SCP-XXX-JPに関する論文の数と、それに伴う自殺者の数は指数関数的に増加を続けています。2000年から2009年の年度末までには281件が確認されました。現在2010年から2019年の年度末までに新たに600件程度が発現すると予想されています。
補遺1
各論文は最も少ないものでA4用紙1枚程度、多いもので200枚程度の文章と絵図が書かれています。最も古いものは1941年██月██日にアメリカ合衆国の██████が作成したした32枚の論文束で、1978年1月14日に発見されました。古いドイツの速記術で書かれており、発見された当初は解読できていませんでした。
最新のものは2016年2月5日にインドの[データ削除済み]で発見されました。
論文の著者には国籍や年代に統一性がありませんが、その多くは数学・物理学を専門に研究する学者、IT技術者、エンジニア、教師であり、数学あるいは物理学に対して非常に高い造詣がありました。著者は現在全て死亡しており、内86%が自殺であると判明しています。その他の死因は不明ですが、死亡する直前は錯乱状態にあったと記録されています。
SCP-XXX-JPを最後まで書き上げた論文は存在しません。
SCP-XX-JPの異常性そのものは、小学校卒業程度の教養があればだれでも発現します。
補遺2
1971年8月3日に、大学で非常勤講師をしていた男性が遺書を自殺したあと、遺品整理をしていた男性の14歳の息子が後追い自殺をした事件がありました。この事件を警察が調査する中で、男性の作成したSCP-XXX-JP-1が両名の自殺の原因と考えられ確保されました。
実験記録ログ- SCP-XXX-JP-5<実施日:1971年12月13日>
SCP-XXX-JPの性質研究のために行われた実験の記録です。
より正確な性質の研究のためSCP-XXX-JP-1の他13の論文を数学論理を専門とする██████博士が閲覧しました。
この実験は█████の承認を受けて行われました。実験の再試行は認められていません。
備考:██████博士には自殺防止のため、四肢を固定し、点滴と人工呼吸器が装着されています
<録音より抜粋>佐渡研究助手 「ではSCP-XXX-JPの性質について博士の見解をお願いします」
██████博士 「了解。とはいっても論文は中途半端にしか読んでないし、完全にSCP-XXX-JPを理解できたわけじゃないんだがね。まあ読んだら読んだで今頃は無性に死にたくてインタビューどころじゃないかもしれないが」
[咳払い]
██████博士 「佐渡君は『自然数論を含む帰納的公理化可能な理論が、無矛盾であれば、証明も反証もできない命題が存在する』という言葉は知っているかな?」佐渡研究助手 「『ゲーテルの不完全性定理』ですね。数学とそれを基盤とする物理学や科学では証明できない事柄が存在するというものでしたね」
██████博士 「そう。『理性の限界』とかいろんな言われ方をして、哲学なんかでも有名だが……SCP-XXX-JPはそれを更に応用、発展させた物……だと思う」
佐渡研究助手 「続けて下さい」
██████博士 「……SCP-XXX-JPは……既存の自然数論的公理体系をより包括的に非算術化した場合にできる、無矛盾かつ完全な、自然数論を含む公理的体系そのものだ」
[沈黙]
██████博士 「そして、SCP-XXX-JPを思考アルゴリズムとして用いることで、現実のあらゆる命題が証明可能になるというもの……なのだろう」佐渡研究助手 「あらゆる、ですか?」
██████博士 「あらゆる、だ。例えば[タイムマシンは創れるか]、[人工知能が人間以上の知性を持ち得るか]、[光の速度を超えられる船は技術的に作成可能か]という問にも、その可否を唱えられる。……それだけじゃない。自己言及のパラドクス、クオリア、おそらくはそれが愛や人の心や定義化が困難なものが証明に関わっても証明できるようになるはずだ」
佐渡研究助手 「それがSCP-XXX-JPの性質ですか? だとすればなぜSCP-XXX-JPを読んだ人間は自殺をするのでしょうか? 今の説明ではSCP-XXX-JPはただの人類に有益な、科学的発見のように思えます」
██████博士 「わからない。でもたぶん……何かに気がつくんだ。SCP-XXX-JPはアルゴリズムでもあって、人間の思考を異常な程に加速させるんだ。それこそ巨大な演算装置を何年稼働させても結論のでない問題を、ものの数分で解決してしまうんだ。全てを理解していない私にはそれが何かはわからない。でも、その私にですら[タイムマシンは創れるか]と[[データ削除済み]]という問いは████だとわかる。……あれ?そういえば……」
佐渡研究助手 「それ以上は現状解明できないということですね」
██████博士 「え? あ、ああ。それからこのSCPは1930年代には1件だけ、1940年代には3件しか確認されていないのに50、60年代だけで21件と発生が増えている理由にも見当がついたよ……つまり…」
佐渡研究助手 「それは?」
██████博士 「一つは十分な素養を備えた人間が増えたこと。人口増加と先進国の成長が原因かな。もう一つは……人類の科学技術がSCP-XXX-JPに近づいているんだ。……あ、そうか」
佐渡研究助手 「それはそういうことですか?」
██████博士 「だから……だから……、という事は……つまり? ━━ということだから……まさか」
佐渡研究助手 「どうしました?」
██████博士 「……ああ、まさかそんな!?」
佐渡研究助手 「██████博士? どうしたのですか?」
██████博士 「ああ、なんてことだ……もしそうなら私は一体誰なんだ? ここで生きている私は一体……」
佐渡研究助手 「██████博士! 私の声が聞こえますか!?」
██████博士 「嫌だ嫌だ! そんな!? なんてこと……ああいやだ! じゃあ私は今まで何のために? 私の今までには一体何の意味があった!?」
佐渡研究助手 「博士!?」
██████博士 「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌私は私だ!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌お前じゃな嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌私は無意味じゃない!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だだ嫌だ嫌だ嫌だ嫌嫌嫌嫌だ嫌だ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だって嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌ああなんで!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌知るんじゃなか嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌った!知るんじゃなかった嫌だ知るんじゃなかった!!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だなんで私なんだ嫌だ嫌だ嫌だどうして嫌だお前じゃ嫌だ嫌ないんだ!嫌だ嫌だ嫌だも嫌だ嫌だ嫌嫌だう嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌殺嫌だだ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌て嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だくれ嫌嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」
佐渡研究助手 「鎮静剤を投与してくれ! 早く!」
<抜粋ここまで>
鎮静剤が効果を表すまで4分ほどの間██████博士は錯乱状態でした。昏睡させられた後██████博士にはクラスCの記憶処理が施されました。
*インタビュー後録音を解析したところ、██████博士は意識を失うまでの間、SCP-XXX-JPの性質について供述を続けていたことが分かりました。以下はその要約です
記録してくれ。SCP-XXX-JPは超科学的な説明不能のものではない。純然たる科学の一端だ。内容は平易で、導き出すことが困難でも、教えられれば誰にでもその本質を理解しを活用できる。初[判別不能]や中等教育が簡単な計算を教えるだけだった頃から、負の数や、平方根、[判別不能]未知数や、関数[判別不能]扱うようになったように、人類の科学技術が発展を続け、子供達に教られ[判別不能]科学的素養がより高度に、よ[判別不能]ればされるほどSCP-XXX-JPの[判別不能]に気づく者は増え続[判別不能]そしてそれには制限がない。いつ[判別不能]誰しも[判別不能]理解[判別不能]てしまう。
だがそれによってもたらされるSCP-XXX-JPの[判別不能]に人間の精神は耐えられ
意識喪失
<事件後の経緯>各プロトコルの詳細情報は最下部を閲覧してください
1971年12月15日:実験SCP-XXX-JP-6を実施
1971年12月16日:実験SCP-XXX-JP-7を実施
1971年12月19日:実験SCP-XXX-JP-8を実施
1972年1月██日:財団がプロトコルXXX-JPを提起
1978年 :プロトコルXXX-JP確定第1案発布
1980年█月1日 :プロトコルXXX-JP-a-1試行開始
1981年█月1日 :プロトコルXXX-JP-b-1試行開始
1982年█月1日 :プロトコルXXX-JP-c-1試行開始
1989年 :プロトコルXXX-JP改訂第2案発布
1980年█月1日 :プロトコルXXX-JP-a-2試行開始
1981年█月1日 :プロトコルXXX-JP-b-2試行開始
1982年█月1日 :プロトコルXXX-JP-c-2試行開始
1999年 :プロトコルXXX-JP改訂第3案発布
2002年█月1日 :プロトコルXXX-JP-a-3、プロトコルXXX-JP-b-3試行開始
2002年█月1日 :プロトコルXXX-JP-c-3
2008年 :最終プロトコルXXX-JP発布
2011年█月1日 :最終プロトコルXXX-JP-a試行開始
2012年█月1日 :最終プロトコルXXX-JP-b試行開始
2013年█月1日 :最終プロトコルXXX-JP-c試行開始
2015年█月1日 :最終プロトコルXXX-JP完全施行完了
以下に各プロトコルの詳細を示します
[データ削除済み]
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは250人程度の3歳から15歳までの子供が生活する、日本国が領有する東経███.█°北緯██.█°にある孤島です。子供は2つの生活集団に分かれて生活しており、自ら農作などの自給自足を行っています。生活している子供の7割は、世界各国で行方不明となった子供と名前や容姿が一致していますが、他の3割の子供は身元が判明していません。
SCP-XXXX-JPへの16歳以上の人間を潜入させる試みは成功していません。16歳以上の人間をSCP-XXXX-JPに上陸させた場合、その人間がSCP-XXXX-JPの砂浜などの陸地部分に足を踏み入れると、時速600km、水面に対し40°程度でSCP-XXXX-JP外部へと飛ばされます。この事象によって負傷することはありません。
現在SCP-XXXX-JPへの調査は特殊な経緯で雇用した15歳未満のDクラス職員に通信・記録機器を用いて行われます。
SCP-XXXX-JPで生活する子供がどのように島内部へと入るのかは不明です。SCP-XXXX-JPで生活をする子供は15歳になると急速に衰弱し、16歳になる前に死亡します。
SCP-XXXX-JPにはその中央を縦断するように崖が続いていますが、傾斜が緩やかになっている場所が2か所存在します。その2か所には2つの生活集団から選出された4名の子供が交代で立っており、生活集団間の移動を制限しています。各生活集団は普段積極的な交流を避け、それぞれで独自の生活体系を築いています。
説明:
補遺:
特別収容プロトコル: 週に一度、一般的な可燃ごみ用焼却炉「金食い虫」を起動し、全てのSCP-XXX-JP-Aを回収・焼却してください。ただしSCP-XXX-JP-104、SCP-XXX-JP-161については、特設焼却炉「どぶ」内部で保管し、毎日指定された時間にSCP-XXX-JP-A-104、SCP-XXX-JP-A-161を焼却してください。
説明: SCP-XXX-JPは各国の紙幣と硬貨に外観が似ているオブジェクトを生成する、バラ科リンゴ属の樹木で、現在までに1██本を確保しています。SCP-XXX-JPが生成する貨幣に似たオブジェクトをSCP-XXX-JP-Aとします。
SCP-XXX-JP-Aは各国が発行している硬貨・紙幣に外観が類似しています。毎日00:00になるとSCP-XXX-JP-Aは、その額面の総額が数年後の為替相場を反映して100米ドル前後の数量になるまで生成されていると推測されています。この生成過程は数秒で行われます。また、生成されるSCP-XXX-JP-Aは一種類の紙幣・硬貨のみで、1日の間に生成されるSCP-XXX-JP-Aは製造番号などもすべて同一です。生成されたSCP-XXX-JP-Aは翌日の00:00になると、順次SCP-XXX-JPの枝や幹から落下します。
SCP-XXX-JP-Aは各紙幣の”透かし”などの特殊印刷や重量、紙幣の繊維なども再現しており、光学的な測定によって実物の紙幣や硬貨と区別することはできません。しかし、SCP-XXX-JP-Aはその精巧さにも関わらず、一般的なレジスターなども含むあらゆる識別装置において通貨であると認識されることはありません。さらに、その組成はリンゴの果実と同じであり、消化・吸収が可能です。そのため硬貨のように見えるSCP-XXX-JP-Aについても焼却が可能です。また、SCP-XXX-JP-Aを手に取った人物は全て本物の紙幣ではなく、外見の似た食品であると認識するなど、人間の精神に異常性の認知を妨げるような影響を与えます。
補遺1: 以下はSCP-XXX-JPに関する証言記録及び実験記録です。
証言記録A-15 <記録日:1981/3/15>
対象: 日本に住む40代の夫婦で、SCP-XXX-JP-39の第一発見者です。証言を記録した後、記憶処理を施しました。
内容: 記憶処理を行う直前にSCP-XXX-JP-39に関する証言を聴取しました。
結果: 夫婦は自営業で園芸用品を取り扱っており、販売目的で入手したと証言していました。また、SCP-XXX-JP-A-39を見た当初より、それを通貨だとは思わず、SCP-XXX-JP-39も品種改良などにより人為的に生み出された珍しい果樹であると認識していました。夫はSCP-XXX-JP-A-39に関して舌触りは紙そのものであったが、甘く、大変美味であったと証言しました。妻は甘いが味が薄かったと証言しました。その後の検査でSCP-XXX-JP-A-39は正常に消化吸収がされており、夫婦に健康上の問題が発生していないことが確かめられました。
証言記録A-25 <記録日:1982/4/30>
対象: SCP-XXX-1、及びSCP-XXX-JP-2を祖父から相続したと主張する20代の女性です。証言を記録した後、記憶処理を施して解放しました。
内容: 記憶処理を行う直前にSCP-XXX-JPに関する証言を聴取しました。
結果: SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2は、祖父から受け継いだ自宅の地下室において発見したと証言しました。SCP-XXX-JPについては祖父の収集した珍しい植物だと考えており、SCP-XXX-JP-Aも変わった果物であると考え、食べる目的で自宅の庭に植え直し、栽培していたと主張しました。SCP-XXX-JP-A-1とSCP-XXX-JP-A-2に関しては舌触りは紙・硬貨そのものであり、味は甘さは感じたものの極めて薄く、不味かったと証言しました。女性は1年以上に渡って相当な量のSCP-XXX-JP-Aを口にしていましたが、後の検査でSCP-XXX-JP-Aが正常に消化吸収されており、健康上の問題が発生していないことが確かめられました。
証言記録A-112 <記録日:1991/4/4>
対象: エージェント姑。SCP-XXX-JP-132の第一発見者です。SCP-XXX-JP-132は岐阜県岐阜市の国道156号線の道沿いで開かれた蚤の市で、鉢に植えられた状態で販売されていました。
内容: SCP-XXX-JP-132に関する証言を聴取しました。
結果: SCP-XXX-JP-132の発見当初より、その生成物を通貨だとも異常なオブジェクトであるとも考えず、ただ珍しい果樹だと考えて自宅で確保していました。その後エージェント姑を介して情報を得た二村研究員が異常性に気づきました。エージェント姑はSCP-XXX-JP-A-132を摂食しており、驚くほど甘く美味であったと証言しています。エージェント姑に健康上の問題は発生していません。エージェント姑の█歳の娘もSCP-XXX-JP-A-132を摂食していましたが、味は紙のようで、全くしないと証言しました。
実験記録A-6 <記録日:1983/6/28>
対象: D-19364
内容: 複数種のSCP-XXX-JP-Aを見せ、何に見えるか、実物の通貨との違いは何かを問いかけ、摂食させた。
結果: SCP-XXX-JP-Aを見せたところ、戸惑いながら菓子の一種ではないかと証言し、実物の紙幣との違いについて問いかけたとことろ、判らないと答えました。摂食させ感想を聞くと、味・触感ともに紙や金属そのものであり、甘さについて問いかけると、全くないと証言しました。以後の実験について消極的な態度を見せました。消化吸収は問題なく行われており、健康上の問題も確認されなかった。
追記: その後2名のDクラス職員に追従実験を行い、同様の結果が得られました。
補遺2: SCP-XXX-JP-Aは数年後の貨幣、為替相場を反映してい可能性が示唆されています。多くのSCP-XXX-JP-Aには刻印された発行年月日が数年先である、使用されてない年号が記載されている、デザインの公表されていない時期に新紙幣を模したSCP-XXX-JP-Aが生成される場合があり、SCP-XXX-JPが生成するSCP-XXX-JP-Aの総量も、生成当日ではなく、数年先の為替相場に一致する傾向があります。
しかし、全体の傾向としては一致するものの、その相関関係は有意ではあるが非常に弱く、さらに収容後も時間経過とともにSCP-XXX-JP-Aの生成状況はその推測を大きく外れるようになっています。正確な理由は不明ですが、財団の収容以前にSCP-XXX-JPの異常性を知りえた人物██████ ██郎による、金融的な介入の記録が存在し、関係があると考えられています。
SCP-XXX-JPはかつて投資家██████ ██郎の所有物でした。██████ ██郎は自らの資産運用に役立てる目的でSCP-XXX-JPを入手したと考えられていますがその詳しい経緯は不明です。██████ ██郎は1951年から1977年までに投資その他資産運用などにより、およそ███████円の利益を上げています。その資産は相続の過程で大部分が失われていますが、一部がSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2と共に孫に引き継がれました。その他のSCP-XXX-JPは1979年の██████ ██郎の死後、他の親族等が相続しましたが、その親族に変死や失踪が相次ぎ、その過程で全国各地の競売その他取引にかけられ、全国に散逸していました。2010年に全てのSCP-XXX-JP-Aの収容が完了しました。
以下は ██████ ██郎の自宅地下室よりSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2とともに回収された文書です。
納品書 兼 請求書 1953/11/16
██████ ██郎 様 > [データ削除済み] 販売部 [データ削除済み]
前略
平素は、格別のご愛願を賜りまして誠にありがとうございます。
以下の商品を納品いたしますので、ご査収の程よろしくお願いいたします。
草々
わくわく! 為替予想キット(廉価版) -北アメリカ編100$-
内容物
アメリカ合衆国の金のなる木(単一紙幣ver)ドミニカ共和国の金のなる木(単一紙幣ver)
アンティグアの金のなる木(単一紙幣ver) グアテマラの金のなる木(単一硬貨ver)
バハマ国の金のなる木(単一紙幣ver) ハイチの金のなる木(単一硬貨ver)
バルバドスの金のなる木(単一紙幣ver) ホンジュラスの金のなる木(単一硬貨ver)
ベリーズの金のなる木(単一紙幣ver) ジャマイカの金のなる木(単一紙幣ver)
カナダの金のなる木(単一紙幣ver) メキシコの金のなる木(単一紙幣ver)
コスタリカの金のなる木(単一紙幣ver) ニカラグアの金のなる木(単一紙幣ver)
キューバの金のなる木(単一紙幣ver) パナマの金のなる木(単一紙幣ver)
ドミニカ国の金のなる木(単一硬貨ver) トリニダード・トバゴの金のなる木(単一紙幣ver)以上
つきましては、下記のとおりご請求申し上げます。
1. ██████ ██郎様のドーパミンの30mg 。 支払い期限は 1979年1月16日
2. ██████ ███2氏の左肺(要:悪性新生物) 。 支払い期限は 1979年3月18日
3. ███ ███████3氏の信用と人格と人間関係 。 支払い期限は 1979年3月18日
4. 手数料及び雑費10円 。 支払い期限は 1952年9月10日
*2・3 につきましては代替用品との取替えとなります。ご了承ください。
備考
あなたはいつでも『わくわく! 為替予想キット(通常盤) -北アメリカ編100$-』にアップ
グレードできます!木に一つの木に複数の紙幣と硬貨が実る、(複数貨幣ver)にアッ
プグレードできれば、もう金額をチェックするために1ドル札を数える必要はありません!
100ドル札を1枚弾くだけで、日々のチェックがより便利になります。アップグレードを希
望する場合は、以下のものを期日までにお支払い下さい。
██████ █████4氏の余命23年と5ヶ月 。 支払い期限は 2000年1月10日
*お金の生成量の調整などご要望があればいつでも████-██-████までご連絡ください
『どきどき! 株価予想キット(通常盤) -東アジア編-』の支払い期限が過ぎています
支払いが確認できない場合、弊社の商品によるあらゆる不都合について責任を負いません
補遺3: 以下はSCP-XXX-JPの性質解明のために研究されているオブジェクトのリストです。SCP-XXX-JPの性質に鑑み、6年前までの記録を記載しています。記録の作成に当たり、「収容状況」を常に最新の状態に更新してください。
[[tabview]]
[[tab SCP-XXX-JP-1 -合衆国ドル- ]]
収容状況: サイト-████にて保管。担当研究主任の責任の下、月に一度全てのSCP-XXX-JP-A-1を回収し、サイト-████に敷設した焼却炉「金食い虫」を起動、焼却して下さい。
概要: SCP-XXX-JP-1は樹高1.2m、幹週0.3mでオブジェクトで、一般的な鉢に植えられています。現在は1日に1度ジョージワシントンの描かれた1ドル紙幣100枚を生成します。生成されたSCP-XXX-JP-A-1は実物の紙幣に比べ外観上の相違点はないが、湿り気を帯びており僅かではあるが実物の紙幣よりも重い。また化学的な組成はリンゴの木の実と同じです。
このオブジェクトから生成されるSCP-XXX-JP-Aの量は、収容当時から変化していません。ほかに同様の性質を持つSCP-XXX-JPは存在しません。世界での米ドルの流通量やその通貨としての基軸性が関係しているものと推測されます。
1982年4月30日、東京都██の投資家██████ ████の自宅の庭先で確保されました。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: プロトコル「潜航作戦」におけるオブジェクトの配置計画に従い、SCP-XXXX-JPの出現予想位置を常時2名以上の職員で遠隔監視します。過去にSCP-XXXX-JPが出現した地点は監視対象から除外できます。
SCP-XXXX-JPが出現した場合、小型の時限式電磁パルス機器をSCP-XXXX-JPの空間内部に挿入、起動させて無力化します。空間内部のオブジェクトは低危険度収容ロッカーに保管します。人型オブジェクトは身元不明死体として正規の手続きで処理されます。
説明: SCP-XXXX-JPは直径2mから6m程の大きさをもつ球形の異常な空間です。SCP-XXXX-JPは政府施設や人口が密集する町付近の地下施設や、財団の研究・収容施設等の封鎖された場所に出現しています。SCP-XXXX-JPはこれまでに3度出現しており、2018/12/15、2019/5/23、2019/6/1のそれぞれの日時に出現した対象をSCP-XXXX-JP-A、SCP-XXXX-JP-B、SCP-XXXX-JP-Cに指定します。
SCP-XXXX-JPに指定される空間は、電磁波の侵入を拒むため内部の様子を観察することはできませんが、金属などの強度のある物質であれば侵入させることは可能です。検証実験から、空間の内部では物体はかかった力に対し、その逆向きの加速度を得ていると推測されています。空間内に物体を押し込んだ場合、その質量の半分程度まで空間内部に入り込むと内部からの圧力と完全に均衡し、静止します。
補遺1: オブジェクトの異常空間内部の収容物
多くのSCP-XXXX-JPでは、その空間内部に人工冬眠装置とみられる機械と人型実体、小火器などを備えています。技術的な理由にから、人型実体の人工冬眠からの蘇生には成功していません。完全なデータは担当研究主任に問い合わせてください。
SCP-XXXX-JP-A群、総数15、20018/12/15に一斉出現。
番号 | 出現位置 | 収容物 | 付記 |
---|---|---|---|
A-07 | アメリカ テキサス州ダラスの旧地下下水道 | 30代の白人男性/個人用携行小火器類/1963年11月下旬の新聞のプリントアウト書類/1960年代のダラス市内の地図/大統領暗殺に関わる合衆国政府の開示資料/詳細不明の計器類 | 小火器等どのオブジェクトも現行の規格には一致せず、一般企業の製品にも一致するものはありません。 |
A-11 | サイト-13856の収容室内 | 人型実体なし/現行のいかなる規格にも該当しない水素爆弾 | 起動システムは時限式と考えられる。現行の全ての原子力兵器に対し、エネルギー効率が優れています。 |
SCP-XXXX-JP-B群、総数1。2019/5/23に出現。
番号 | 出現位置 | 収容物 | 付記 |
---|---|---|---|
B-01 | サイト-2718会議室 | 40代の白人男性/文書XXXX-JP-B-01 | SCP-XXXX-JP-Bは唯一この1基のみである。文書XXXX-B-01の詳細は補遺3に示す。 |
SCP-XXXX-JP-C、総数12。2019/6/1に一斉出現。
番号 | 出現位置 | 収容物 | 付記 |
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C-02 | オーストリア オーバーエスターライヒ州の閉鎖された旧炭鉱地下 | 30代の白衣を着たコーカソイド男性/個人用携行小火器類/1910年年代の地図および風俗にかかわる資料/美術・芸術にかかわる資料/暗号化された手帳 | 携行資料にナチス党党首、幹部の名前がある。 手帳と小火器類の一部には財団の徽章や管理番号と見られる刻印がある。 |
C-09 | サイト-321の地下非常発電システム内部 | 50代モンゴロイド男性/ピッキング機器/サイト-321の管理運営資料/電子ロックが掛けられた文書 | サイト-321は1956年に閉鎖済みの低危険度収容施設。人型オブジェクトの衣類は財団Dクラス職員の制服に酷似。ただし財団のデータベースに該当する人物は存在しない。 |
補遺2: 以下の文書はSCP-████-JPの性質解明と、特別収容プロトコルの確立のために用いられた資料の概要です。これらの資料からSCP-XXXX-JPは大規模な事象改変を引き起こす可能性が指摘されています。
閲覧制限:レベル4セキュリティクリアランス
文書記録の完全なデータについてはサイト2718の管理官と担当研究主任の承認が必要です。
アイテム番号: SCP-████-JP
オブジェクトクラス: ████████
特別収容プロトコル: SCP-████-JPの開発、研究はスクラントン現実錨を設置したサイト-2718内でのみ行います。サイト内部はレベル5の情報統制が敷かれ、情報機材の流出に対しては関係者の終了措置及び、戦術兵器を用いた施設の破壊が許可されます。
臨時採用職員、外部の技術者に対しては、その研究及び技術開発に必要な情報開示が認められます。開示される情報は、サイト2718管理官と研究主任が定め、同権限者はO5-6の認可を得て定めます。
SCP-████-JP-Tの制作に成功した場合、プロトコル「潜航作戦」を発令し、配置計画に従いオブジェクトをレベル5の耐腐食・耐衝撃性コンテナに格納、設置します。
説明: SCP-████-JPは研究開発が行われているオブジェクトであり、以下の記述には現時点では未確定の事柄や、実験結果からの推定が含まれ、研究の進展とともに今後も改定が行われることに留意してください
SCP-████-JPは直径2cmから1mほどの大きさの球形の異常な空間です。SCP-████-JPは極低温下において超電導性を獲得した[データ検閲]等による構造体を、[データ検閲]V以上の電源に接続される場合に発生します。この空間異常は構造体自身に発生する強力な電磁場によって、電源接続後8秒程度で自壊します。
実験により、発生させた異常な空間内部では異常な時間経過が発生していると考えられています。
[以下データ検閲]
補遺: 実験計画SCP-XXXX-JP
実施予定:2000/5/13
実験手順:アクリルケース内にツチイナゴ1匹を入れ、その地点にSCP-████-JPを発生させる。装置はマクレガー博士及び観測員2名が、実験開始の2時間前よりスクラントン現実錨の効果圏内に入り、遠隔操作で起動する。
結果概要:実験の開始1時間前にツチイナゴが2匹に増殖した。両個体は同一の遺伝子を持ち、前肢の部分的な欠損等の後天的に得た外面特性も完全に一致していた。実験は中止された。
マクレガー教授の証言と観測員による記録:教授は定刻通りに装置を起動したと証言した。観測員2名による映像・音声記録では、ツチイナゴは2匹装置の起動直後にツチイナゴが増殖しており、実験の開始1時間前からの記録
、その異常な実験を計画していました。しかし、McGregor教授はこの結果を財団に所属する████博士に相談し、収容に至りました。
SCP-████-JPに指定される空間は、電磁波の侵入を拒むため内部の様子を観察することはできませんが、金属などの強度のある物質であれば侵入させることは可能です。検証実験から、空間の内部では物体はかかった力に対し、その逆向きの加速度を得ていると推測されています。空間内に物体を押し込んだ場合、その質量の半分程度まで空間内部に入り込むと内部からの圧力と完全に均衡し、静止します。
SCP-████-JPの内、主に性質解明のため実験目的で制作されたものをSCP-████-JP-α、プロトコル「潜航作戦」の試験機開発を目的として制作されたものをSCP-████-JP-β、その他関連情報等をSCP-████-JP-γに指定します。プロトコル「潜航作戦」の試験機及び、実用機をSCP-████-JP-Tに指定します。
SCP-████-JPの異常性は、1999/8/12に████████大学においてMcGregor教授の研究室内で初めて観測されました。McGregor教授は新しく作成した構造体を用いて、
補遺: プロトコル「潜航作戦」の概要
SCP-████-JPは時間経過上のある地点において現実改変を起こしていると考えられ、SCP-████-JPの性質を利用することで、統制された事象改変を行える可能性が指摘されています。
プロトコル「潜航作戦」は、特定のシナリオに対し、その回避を目的とした事象改変の計画を指します。現時点においては、このプロトコルの施行に耐えうるSCP-XXXX-JP-Tの開発が続けられています。
平常時におけるプロトコルの施行は、レベル4以上のセキュリティクリアランス及び、サイト2718の管理官と担当研究主任、O5-6の承認が必要ですが、非常時に際しては、施行の権限が段階的に引き下げられます。
ー以下データ検閲ー
補遺3: SCP-XXXX-JP-B-01より回収した文書
電子操作の技術書の紙片と思われる紙に書かれ、人型オブジェクトと共に収納されていました。
ハロー職員の皆さま。私はSteven臨時研究主任です。ご機嫌はいかがですか? 白紙の紙が入手できないので、このような紙片にて失礼します。
別添の電子文書に示した収容違反に始まり、非常事態が宣言され、我々がこのシェルターにこもって1年が経ちました。そのオブジェクトの影響はあまりに早く、致命的で、何もかもが後手になってしまいました。すべての国の行政機能は麻痺し、あちこちで盗みや、火事や、数々の悪事が横行しましたが、今はとても静かになったようです。この外でどれほどの人間が自己を保っているのかはわかりません。ともすれば我々こそが最後のまともな人類なのかもしれません。
しかし、我々もこのシェルターと共にあと一月ほどで役目を終えることでしょう。
今から8か月ほど前に、財団はいくつかの非常手段を講じるように指令を出しました。それ以来通信はありません。
我々はその非常手段の一つを実行に移しています。私より上位の責任者が誰も機能していないようなので、研究助手に過ぎない私と、同僚十数名、私達より少し少ないDクラス職員と幾人かの一般人がその任務にあたっています。
先行して、12基のオブジェクトを起動させた記憶が私にあるにもかかわらず、世界が変わらず存在しているということは、つまるところ失敗したのでしょう。
私達は誰が計画を阻んでいるのかについて、過去の記録から知っています。
貴方たちまで同じ轍を踏む必要はありません。
時間、人材、施設設備、私たちには現行の計画を変更する手立てがありません。だから、//頼むから、何もしないでくれ。
補遺4: プロトコル改定の検討について
また、SCP-XXXX-JP-B-01の出現と、同オブジェクトから回収された文書を受け、特別収容プロトコルを非破壊的に改定することが検討されましたが、2019/6/3に否決されました。SCP-XXXX-JP-Cに対しては従前の無力化を前提とした特別収容プロトコルが適用されました。
ナンセンスだ。その世界とて、文明が存続しているという保証はない。O5-6
現在オブジェクトクラスのNeulrarizedへの変更が提起・検討されています。
収容状況: サイト-████にて保管。担当研究任の責任の下、月に一度全てのSCP-XXX-JP-A-9を回収し、サイト-████に敷設した焼却炉「金食い虫」を起動、焼却して下さい。
概要: SCP-XXX-JP-9は重量630g程度の炭と灰です、SCP-XXX-JP-9は1985年にSCP-XXX-JPの無力化を行う方法を検証するために段階的に枝を幹から切り離し、焼却されました。検証の結果SCP-XXX-JPを損壊した場合、SCP-XXX-JP-A-9も損壊した状態で生成されることが確認されました。この実験によりSCP-XXX-JPの異常性は、枝や幹を物理的に損壊しても失われないものと予想されています。
現在SCP-XXX-JP-9は幹部分の炭・灰の固まりから、割れた1ユーロ硬貨に似たSCP-XXX-JP-A-9を生成します。
またこの実験の結果より、収容が困難になることからSCP-XXX-JPを粉状にする実験は禁止されました。
収容状況: サイト-████の併設焼却炉「金食い虫」内部にて保管。担当研究任の責任の下、ドル/ボリビアノ相場が警戒水準未満であることを確認して下さい。月に一度全てのSCP-XXX-JP-A-2を回収し、焼却炉「どぶ」を起動、焼却して下さい。
概要: SCP-XXX-JP-2は樹高1.1m、幹週0.3mでオブジェクトで、1983年までは10ボリベアペソ紙幣に似たSCP-XXX-JP-A-86を生成していましたが、現在は10ボリビアーノス紙幣に変化しています。SCP-XXX-JP-2は3年後のドル/ボリビアノ相場を反映しているものと考えられています。
SCP-XXX-JP-86は1983年10月23日に埼玉県警に「札束で主人が生き埋めになっている」という通報があり、埼玉県███市の実業家の自宅で、県警内部の協力員によって確保されました。実業家の自宅は大量に生成されたSCP-XXX-JP-A-86によって圧壊しており、実業家及びその家族などの目撃者には救出した後、記憶処理を施し解放しました。この時生成されたSCP-XXX-JP-A-86の総量は不明ですが、1983年11月の生成量では平均500Kgのペソ紙幣SCP-XXX-JP-Aが生成されたと考えられています。
また、1983年11月27日にSCP-XXX-JP-A-86の生成量が激減し未知の新紙幣の生成を開始しました。この未知の新紙幣は1986年に10ボリビアノス紙幣であることが判明しました。
生成されたSCP-XXX-JP-A-86は全て焼却処分が行われました。
付記: ボリビアは、1980年中頃より政情不安に伴う経済危機により紙幣を増発、一時は1000万ペソ紙幣が145米ドル程度になるまでに通貨価値が暴落する激しいインフレーションに見舞われました。その後100万ペソを1ボリビアノと交換するデノミネーションが実施され、1986年に新貨幣ボリビアノの発行が開始しました。
SCP-XXX-JP-A生成量の急激な増大と生成物の変化はSCP-XXX-JP-96:ニカラグナ・コルドバ券、SCP-XXX-JP-109:新ユーゴルラビア・ディナール券など複数のオブジェクトでも確認されています。デノミネーションはSCP-XXX-JPの封じ込めに対し、ある程度の効力を持つと考えられています。
管理基準: サイト-████低危険物収容ロッカーに保管されています。
説明: SCP-XXX-JP-2は樹高1.1m、幹週0.3mでオブジェクトで、かつて1コロン紙幣に似たSCP-XXX-JP-A-165を生成していましたが、1996年に異常性を喪失し、無力化しました。
付記: 2001年にサルバドール・コロンは発行・使用が終了しています。
収容プロトコル: SCP-XXX-JP-161はサイト-████に敷設した専用焼却炉専用焼却炉「どぶ」の内部に配置し、一日一度「どぶ」を起動、生成されたSCP-XXX-JP-A-161を焼却してください。
説明: SCP-XXX-JP-161は毎日1ジンバブエドル紙幣に似たSCP-XXX-JP-A-161をおよそ100t生成しています。
SCP-XXX-JP-161は当初5年後のジンバブエドル/米ドルの相場を反映して100米ドルに相当するSCP-XXX-JP-A-161を生成していたものと考えられていますが、1998年頃から生成量が急激に増加。2001年には1日に5トン、推定で5000万枚のオブジェクトが生成され、その後もSCP-XXX-JP-A-161は大規模な生成量の増減を繰り返していました。
2003年5月5日に生成量が急激に増加し、その後は現在に至るまでSCP-XXX-JP現在に至るまでSCP-XXX-JP-161は1度も沈静化することなくSCP-XXX-JP-A-161を生成し続けています。
付記: ジンバブエでは政情不安に伴う大規模なインフレーションが発生していました。
後の2008年5月に、ジンバブエドルの米ドルに対する公定レートが100米あたり168億ジンバブエドルに達したことが判明しました。1日あたりに生成されるSCP-XXX-JP-A-161の生成量が1日100t程度(およそ10億枚)であることから、2003年5月5日以降は生成するSCP-XXX-JP-A-161の量が1日で生成可能な量の上限を超えたために翌日以降へ持ち越されていると考えられています。このことはSCP-XXX-JP-A-161に印字された製造番号からも推測されています。
ジンバブエドルのインフレーションは2009年まで継続し、SCP-XXX-JP-161は今後長期間にわたってSCP-XXX-JP-A-161の生成を続けると予想されています。
2017年1月16日に生産されたSCP-XXX-JP-A-161に記された紙幣の製造番号はD███████3Cでした。このことから、SCP-XXX-JP-A-161の生成終了まで2979年かかり、4996年12月に沈静化すると予想されています。