SCP-musicalise-JP
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「俺が思うに、次世代のロックは何かに"密着する"。これに尽きるというわけよ。」

三輪駆動のロードローラーに乗りながら、上機嫌で岩は語る。彼の中では会話が続いているようだが、それを観察する我々には、おしゃべりなオブジェクトが独り言を言っているようにしか見えない。おまけに彼の会話には嘘が混じる。人間として考えれば当たり前のことだが、岩である彼の嘘を見抜くのは難しい。顔がついていればいくらかやりようもあっただろうが、彼の表情は終始無機質な砂のままだった。

「なぁ新人。お前さんもそう思うだろ?おみゃーよぉおおちゃこくなよ?先輩の話は最後まで聞くもんだぞ。」

それでも以前に比べれば、オブジェクトの持つ哲学や価値観が多少なりとも判明してきたのは喜ばしいことだろう。少なくとも現在は楽器一つで彼の機嫌は良くなり、油断して名古屋弁が漏れることも増えてきた。表情で嘘を見抜けないなら声色を見るまで。意志を持ち、雄弁に話すオブジェクトこそ、対話を繰り返し、収容に有利な情報を聞き出すことが重要になってくるのだ。


アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは

説明: SCP-XXX-JPは正方形の形状を取るメモ用紙です。一辺の長さは最小2cmから最大80cmまで記録されており、材質は様々ですが、すべて既存の製品と同一であることが判明しています。SCP-XXX-JPは前田 █郎氏 戸籍上氏名に「前田(maeda)」が含まれる人物及び対象となった前田氏と交流のある人物の周囲10m以内の床に出現します。

SCP-XXX-JPが出現してから3秒後、SCP-XXX-JPの附近5cm地点に生物、既存の製品を含む合計██種類の実体が出現し、SCP-XXX-JPはその後、出現した実体の表面に付着するように転移します。出現する実体は800ml以上の液体によって濡れている、もしくは同量の水分を体内に内包した生物であることが共通しており、
アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその出現地点に12台の監視機器を設置することで管理されています。出現地域へ入る一般人には、可能な限り現地のツアーガイドとして潜伏している財団職員が同行し、写真による当該オブジェクトの知覚を阻止してください。またこれに伴いインターネット、メディアなどに対し、SCP-XXX-JPが記録されうる写真撮影の非推奨化、及び別地点の写真撮影の推奨化が行われています。財団が把握していないSCP-XXX-JPを記録した媒体が発見された場合は、即座に消去、または回収し、記録媒体の保持者及び目撃者に対してBクラス記憶処理を施し、カバーストーリー「心霊写真」を流布してください。

反応実験XXX-JPはSCP-XXX-JPが有する異常性の影響範囲把握のため、すべての財団職員が実験に参加する必要があります。実験内容は画像資料XXX-JPを閲覧し、既視感を覚えるか否かで陽性、陰性を決定します。この実験において陽性反応、即ち画像資料XXX-JPに対して既視感を覚えた財団職員は、即座にSCP-XXX-JP担当の博士(現在は土御門博士)に申請してください。陰性反応が出た職員は正常につき、通常業務へ復帰してください。

説明: SCP-XXX-JPは200体クラスII霊的人型実体です。全体を通して黒色をしており、比較的灰色である部位によって人型であること、並びにその顔らしき部位を確認することが可能です。これに加え、SCP-XXX-JPの周囲には粒子状の霊的実体が多数浮遊、付着しており、このことからSCP-XXX-JPの衣服や詳細な経歴については不明です。

他のクラスII霊的実体と比較して、直接知覚可能な人物の割合が62%低く、映像機器へ記録される割合が25%多くなっています。また2004/8/11午前10:07現在、nPDN装置を含む物理的な状態への「固定」は失敗しており、稀に出現する霊的人型実体への接触を行える人物1による接触の試みもすべて失敗しています。

SCP-XXX-JPは俗に熊野三山2と呼称される神社の内、いずれか1社の境内へ一斉に出現します。出現する日時は陰陽道における天赦日3の午前0時であることが判明しています。出現したSCP-XXX-JPは紀伊路、伊勢路の一部区間を通って、出現地点以外の残り2社を経由しながら集団で移動します。この移動は分速1m程で行われており、出現地点である神社まで一周した場合、再び同じ順路を通り繰り返し周り続けます。移動を行っているSCP-XXX-JPが熊野三山のいずれか1社に到達した時点でその場から消滅します。SCP-XXX-JPが出現してから消滅するまでには、約30年の時間が経過しており、消滅はすべてのSCP-XXX-JPが同じ神社に合流した時点で行われます。

2004/8/11午前7:10追記: SCP-XXX-JPの物理的な状態への「固定」を目的として開発されていたnPHN装置によって、2時間4分の間当該オブジェクトを物理的な状態への「固定」することに成功しました。以下は、nPHN装置を利用したSCP-XXX-JPへの調査記録です。

████/██/██追記: 現在一部の財団職員がSCP-XXX-JPの画像に対して初見の時点で既視感を覚える、並びに調査記録XXX-JPの内容に対して原因不明の嫌悪感を覚える事案が確認されています。この現象による直接的な被害は確認されていません。この反応が財団職員に多く見られることから、上記に該当する財団職員はサイト-81██で精密検査が行われ、今後の影響への対処を円滑にため、同サイト内で業務を行うことが決定されています。なお████/██/██午後█:██現在で上記に該当し、サイト-81██に配属された財団職員は103名です。

補遺XXX-JP-1 発見経緯: SCP-XXX-JPは財団の公式資料では1418年、蒐集院の資料では1180年前後頃には発見されていました。発見当初SCP-XXX-JPは「黒く行ったりきたりする幽霊」として超常現象記録に記録されていましたが、2004/8/11に財団職員への異常性が新たに発見され、通常のクラスII霊的人型実体との相違も相まって、オブジェクトに分類されました。

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