アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の低危険度植物型オブジェクト収容室に収容します。
説明: SCP-XXX-JPは一般的にクチナシ(学名: Gardenia jasminoides)と呼称される植物の鉢植えに見える実体です。実験により、外部からの干渉を受け付けない非破壊性質を有しており、また通常の腐敗、劣化の兆候が一切見られない事が確認されています。水分、栄養の補給がなくとも問題なく活動しますが、それらの消費は可能です。
SCP-XXX-JPは未知の方法による発話により、十代相当の女性の物と思われる音声を用いて会話が可能です。また、特定個人の物と見られる記憶と知識を有しています。SCP-XXX-JP自身には、自らが植物と類似した物体である事についての自覚はあるようですが、それに起因する混乱、戸惑い、自身の状態に対する疑問などは一切見られません。
SCP-XXX-JPは、確保時の状況及びその後のインタビューにより、発見時点で死亡していた女性██ ██氏の記憶と知識を有している事が確認されています。██氏の死亡原因は老化を遠因とした疾病による急死であり、不審な点は発見されませんでした。██氏の遺体も調査されましたが発見当初に限定された非破壊性及び死後反応の欠如以外に特異性は確認されず、生前の██氏が特異性を有していなかった事も後の調査で判明しています。
██氏のSCP-XXXX-JP化、ないしは記憶の転写措置を行ったであろう存在として、POI-0872の存在が██氏の遺体が布団に寝かされていた事、枕元に置かれていたメモ、及び後にSCP-XXXX-JPからもたらされた情報により判明しています。詳細は補遺を参照してください。
経緯: SCP-XXXX-JPは19██年█月██日「近所の██さんの家から腐ったような臭いがする」という近隣住人の通報により██氏宅を訪れた近隣派出所の巡査によって、██氏の枕元に置かれていた所を発見されました。その後警察無線による通信を傍受した財団職員が現場に急行し、関係者にはAクラス記憶処理を施しました。
布団に横たわった██氏はその時点で既に死亡していましたが、遺体には前述の通りの非破壊性と死後反応の欠如が確認されました。その後財団職員にSCP-XXXX-JPは自分が██氏自身であると主張、自身の身の安全と引き換えに収容に同意し、サイト-81██に収容されました。
補遺1: SCP-XXXX-JPからの情報入手の試みは、対象の攻撃的な言動と情報提供の拒否の為、即時には叶いませんでした。以下は収容後36日が経過し、度重なる会話の試みによりSCP-XXXX-JPがインタビュー担当者である済南研究員に対する態度を軟化させた頃に行われたインタビューのログです。
対象: SCP-XXXX-JP
インタビュアー: 済南研究員
付記: インタビューの円滑な進行の為、SCP-XXXX-JPを自身が主張する██という姓でもって呼称しています。
<録音開始>
<冒頭の雑談は重要性の低い会話につき割愛>
済南研究員: それでですね、今日は先日のお話の時に聞かせていただいた、貴方のご子息……息子のような物、でしたか。その人物について詳しいお話を聞かせて欲しいのですが。
SCP-XXXX-JP: 息子ってわけじゃないよ。あたしゃ結婚もしてないからね。息子なんてできようはずがない。親戚とも疎遠だからね、息子だの孫だの、そんなものとは縁遠い生活さ。まあもっとも……あの子があたしの息子だったらなんて事は考えたりもしたけどね。
済南研究員: だから息子のようなもの、ですか。██さんは彼とは親しい間柄だったのですね?
SCP-XXXX-JP: なんだいその言い方は。まるでわたしがあの子に惚れちまったみたいな言い草だね。まったく……親しいっちゃそうさね……そりゃ、親しかったさ。あの子くらいだったよ、あたしのしかめっ面にめげもせず、何を話してもニコニコ聞いてくれたのは。庭師やってたとかで、うちの庭の松を剪定してくれた事もあったねぇ……。枯れかけだったのが、あの子が持ってた薬だかをちょろっとたらしたら見違える程元気になってね。今も庭で元気に茂ってるだろうさ。
済南研究員: 庭師、ですか。
SCP-XXXX-JP: があでなぁ、とか言ったかね。庭の花やらの世話するっていうから、庭師みたいなもんかいって聞いたら「そうですね、そんなもんです」って言っとったからね。違うのかい?
済南研究員: まあ、概ねその通りですね。
SCP-XXXX-JP: あんたも知っとるだろ? あたしゃちょっとした事でも気になって、人にガミガミと説教垂れるのが癖になっとる嫌な婆さんさ。でもあの子はあたしの言う事に逐一うなずいてねぇ……なるほど、為になります、参考になります、ありがとうございます、と……出来た人間だったねぇ。
済南研究員: 彼と最初に出会ったのはいつ頃の事になりますか?
SCP-XXXX-JP: 最初に? ……いつだったかねぇ……確か、そうさね、アレはもう何年になるかねぇ……あたしがたまたま散歩してた時だ。三年くらい前だったかね。あの子が妙に思いつめた顔で、橋からぼーっと川眺めててねぇ。飛び込み自殺でもするんじゃないかと思って声をかけたのが最初かね。
済南研究員: 三年前……。
SCP-XXXX-JP: あんたは死んで花実が咲くとでも思ってんのかい!と説教してやったんだけどね、聞けば花実咲かせる仕事してるっていうから、あんたが死んだらあんたが咲かせられる花は咲かないまんまだよ、そいつらの事はどうするんだいとね……まあ、なんだろうね、今思い返すと恥ずかしい事言ってたねぇあたしも……。
済南研究員: そこから付き合いが始まったわけですね。
SCP-XXXX-JP: 付き合いっても、婆さんと若いのとだから何も浮いた話は無いがね。たまにふらーっとやってくるから、うちで茶を出して愚痴聞いてやるくらいなもんさ。なんでも、職場であんまり上手く行ってないとかで悩んでたらしいねぇ。自分はもっと綺麗な物を作りたいのに、上司は実用的な、利益になるような物を作れとか言って自分の仕事を認めてくれないとかでね。最初の時も本当に死んじゃおうかと悩んでたとか。その時ゃこんな婆さんの前で死ぬだのなんだの言うもんじゃないよ!と大説教さね。あの子が泣いたのを見たのは、後にも先にもその時だけだったねぇ……。
済南研究員: ふむ……興味深いです。そういえば、██さんが今の状態になったのが発見された時、食卓には二人分の食事が用意されていたようですが、█月██日にはどなたかと食事でもなさる予定がおありでしたか? もしかするとその相手は……。
SCP-XXXX-JP: なんだか言葉の端々が気になるねぇ……まあそうだよ、あの時は珍しくあの子から電話があってね。なんだかちょっと興奮した様子で「プレゼントしたい物があるので、お会いできますか」とね。
済南研究員: それで食事を一緒にとろうと、二人分の用意がされていたわけですね。
SCP-XXXX-JP: 自分以外の食事を作るなんて何年振りだったろうねぇ……でもまあ、それでちょっとはしゃいじまったのかね、用意が出来た辺りで丁度心臓の辺りがキューッとしまって、バチーンと目の前が真っ暗になってね……気づいたら目の前で██の奴がポカーンとしてたわけさ。
済南研究員: ……██さんが、あなたをそんな風にしたとは考えませんでしたか?
SCP-XXXX-JP: ん? ……まあ、そりゃ考えはしたけどねぇ。あの子にこんな不思議な事ができるもんなのかねぇ? まあ仮にそうだとしても、あたしゃあの子にありがとうと言いたいね。クチナシは一番好きな花なんだ。そのおかげでいままで独り身だったのかもしれないけど、文字通り自分が一番好きな花になれるなんて、女冥利に尽きるじゃないかい? ましてや、もしもそうだとしたら、あの子はあたしの命の恩人って事になる。感謝しかないよ。そうだろう?
済南研究員: なるほど……ありがとうございました。本日のインタビューを終了します。また彼については詳しく聞かせていただけますか?
SCP-XXXX-JP: ああ、構わないよ。
<インタビュー終了>
補遺2: 以下は枕元に残されていたメモの内容です。
朽ちる事のない美しさを遺す。
これ以上ない程に完璧に僕はその仕事を成し遂げた。
だというのになぜか気分が晴れない。
この淀みの理由がわかるまで、あなたがたに彼女を託す。
メモの内容、及び筆跡と財団所有の日本生類創研関連書類の署名の一致、及びSCP-XXXX-JPの語った青年の風体及び名前の一致などから、SCP-XXXX-JPにPOI-0872が関与している可能性は極めて高いと考えられています。
SCP-XXXX-JPについての情報及び日本生類創研に関する情報が得られる可能性も考慮され、捜索・拘束優先度はβとなります。発見され次第拘束し、尋問が行われる予定です。
補遺3: 20██年██月██日、不明な情報源からのリークによって所在地が判明したSCP-████-JPの確保の為、計画・実行された日本生類創研研究所襲撃において、SCP-XXXX-JPと同種の非破壊性質を示しながらも、発話能力を持たないクチナシの鉢植えが発見されました。同時に発見されたメモと遺体から、それがSCP-XXXX-JPと同種の技術がPOI-0872に用いられた結果生成された物であると考えられています。以下はメモの内容ですが、一部が襲撃時の影響により破損し、判読不能となっている事に留意してください。
よどみが[判読不能]
[判読不能]わかった
花言葉[判読不能]
僕も[判読不能]██さん[判読不能]いつまでも[判読不能]
当該物品はSCP-XXXX-JP-aに分類され、サイト-81██の低危険度植物型オブジェクト収容室に収容されます。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは一般的家庭環境における問題発生時の常識的な認識によってぼ収容状態にありますが、極めて限定的な状況下では問題が起こりうる事に留意し、各種教育機関、特に幼年期教育機関に潜伏するエージェントはSCP-XXXX-JPによる問題の発生をすばやく検知するべく努めてください。
問題発生の割合が増加するようであれば、新たに幼年期教育機関における読み聞かせに用いる話の制限などを行い、SCP-XXXX-JPへの暴露を徹底して防ぐことが検討されます。
SCP-XXXX-JPによる問題発生時には関係者へAクラス記憶処理を行い、カバーストーリー"両親の喧嘩"を流布して対応してください。
説明: SCP-XXXX-JPは、日本で一般的に「桃太郎」として知られる昔話です。
SCP-XXXX-JPが肉声で語られると、それを耳にした人間のごく一部は不明な作用により視覚情報を歪められ、自身の周辺に存在する人間の一部が頭部に角を有する人型実体であると認識するようになります。その際対象の常識も歪められることが判明しており、対象者は周囲の人間がそのように見えるようになった事に一切の違和感を覚えず、元からそのように認識していた物として行動します。その為、SCP-XXXX-JPの影響を受けたかどうかは主に対象が何らかの形で周囲の人間を絵に書くなどした場合に判明する事になります。
SCP-XXXX-JPにより視覚情報と常識を歪められる対象は、次の3つの条件に全て当てはまる者に限られることが、後の実験から判明しています。
- 「桃太郎」を未知である者
- 心的ストレス要因を抱えている者
- 「桃太郎」を聞きながら眠ってしまった者
以上の条件に当てはまらない者がSCP-XXXX-JPに暴露する事はありません。
また、SCP-XXXX-JPによって歪められた視覚情報によって、角を有した人型実体であると認識される対象は、14歳以上の日本人の一部に限られます。この一部がどのような基準で選別されているのかは現在調査中ですが、極めて限られた条件であるだろう事は、実験時にそのように認識された対象の少なさから明らかになっています。
SCP-XXXX-JPは、196█年██月██日、財団の地域特別託児所に娘を預けていた職員██が行った「娘が突然私の事を鬼のように描くようになった」という報告に興味を覚えた財団が、事の経緯を調査した結果発見されました。
当初、██はその伴侶と離婚協議の真っ最中であった事もあり、そういった状況を察した娘が両親への恐怖や不安を比喩的に表現した物ではないかと思われていましたが、その後類似事例が財団職員を中心に多数発見された為、各種実験とインタビューを行い特異性を確定、オブジェクトとして認定されました。実験とインタビューの詳細は文書EXT-334を参照してください。
補遺1: 暴露条件が限定された物である事もあり、自然暴露はかなり稀です。また仮に暴露した場合もそのような認識の変化を暴露条件である心的ストレス要因による物であると周囲が解釈することが多く、SCP-XXXX-JPの存在が一般に認知された事はこれまでありません。
また、人間が生来所有している認識修正能力により、幼年期に暴露したSCP-XXXX-JPによって発生した認識の変化は第二次性徴を迎える頃にはほぼ矯正される事が判明しています。
以上の事から、プロトコルは極めて限定的な状況下で発生した問題へ対処する事を主眼として制定されました。幼年教育機関における読み聞かせなどで「桃太郎」を用いらせないという処置は、「桃太郎」の知名度などから各種処理にかかる費用が膨大になるなどの理由により、問題発生の多発などを受けての対応措置として用意されるにとどまります。
補遺2: 現在、SCP-XXXX-JPと同様の特異性を有する童話の存在は調査中です。「浦島太郎」「かぐや姫」などの日本国内産の童話、及び「赤ずきん」「三匹の子ぶた」などの海外産の童話を用いた実験が進行中です。
「桃太郎」以外に特異性を持つ童話は確認されませんでした。
補遺3: SCP-XXXX-JPの構成要素である童話「桃太郎」の成立年代は室町時代周辺であるとされ、現在の形にまとめられたのは1894年であるとされていますが、1945年まで日本のアノマリーを管理していた蒐集院の記録には「桃太郎」に由来する超常現象は一切記録されていません。過去の記録において、SCP-XXXX-JPによる認識の変化と考えられる事象が確認される最も古い例は、蒐集院から財団が1946年にアノマリーの確保・収容・保護を受け継いだ直後の物であり、当時の状況にSCP-XXXX-JPの特異性が発言する切っ掛けがあったのではないかと考えられ、現在調査が行われています。
以下は補足情報です。
・・・記憶/認識操作エージェント起動・・・
・・・エージェント発動を確認・・・
・・・貴方に対する記憶処理とミーム摂取が行われました。以降レベル4セキュリティクリアランス所持の貴方は、この報告書内の「以下は補足情報です。」以下の情報を一切認識できなくなります・・・
・・・お疲れ様でした。通常の業務へお戻りください・・・
・・・レベル5セキュリティクリアランス所持の方は、以下へお進みください・・・
オブジェクト番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP個体はSCP-XXXX-JP-aを用いる事で判別が可能です。財団職員の元に産まれた女児については3歳の誕生日までにSCP-1111-JP-B-14~27を用いた検査によってSCP-XXXX-JPであるかどうかを確認してください。その際SCP-1111-JP-B-14~27に対しては検査の目的は伏せられ、カバーストーリー「絵のモデル」が用いられる事に留意してください。
財団外での偶発的なSCP-XXXX-JP-aによって確認されたSCP-XXXX-JP個体については、関係者へのBクラス記憶処理後、カバーストーリー「転居」を用いてその同居者と共に収容してください。同居者は各種遺伝子検査、インタビュー後にBクラス記憶処理を用いた上で解放されます。
収容したSCP-XXXX-JP個体は秘匿サイト-81██に収容され特殊な教育を施されますが、成果が上がらない場合は能力の消失を確認後、一般社会への復帰を支援します。
説明: SCP-XXXX-JPは、通常の人間には為しえない強い説得力を持った言葉を発する事ができる人型実体です。特異性が発現するのは日本人女児に限られ、通常の両親から産まれた女児の█.██%がこの性質を有すると目されています。特異性が遺伝によるものであるかは現在調査中ですが、その可能性は極めて低いか、あるいは極めて長い世代間隔をおいた隔世遺伝であろうと推測されています。
SCP-XXXX-JPは、その発言が現代科学においてどのように荒唐無稽な物であろうと、それが真実である限りは周囲に理解し承認させるという能力を持ちます。理解、承認はあくまでそれを行う人間の理性的な判断の上で行われる形となり、暴露者がその強制力などを認識する事はありません。
また、この場合の真実とは地球上におおいて現象として実際に発生するかどうかという点で定義され、結果として財団内にのみ存在する技術大系や知識に基づく、一般社会においては超常的な事物であると考えられている存在、事象を一般の人間に理解させ、承認させる事ができます。対象は人間に限られず、人間並みの知性を持ち、言語を解する存在であれば能力の対象となりえます。また、この能力の副産物として、一般社会における大きなカリスマ性を発揮する事が可能です。この副次能力は一般的なカリスマ性と同種の物で、オブジェクト由来の強制力などはありません。
この特異性は基本的には第二次性徴期を迎えると共に失われますが、極めて限定的かつ原始的な教育によって能力を維持させる事が可能であり、財団では現在█人のSCP-XXXX-JPに特殊な教育を施し、特異性を保持させる事に成功しています。
SCP-XXXX-JP-aは、女児がSCP-XXXX-JPであるかどうかを判別する為に行われる儀式です。
童話「桃太郎」の中に織り込まれたミームを、ノンレム睡眠状況下において摂取させる事で、SCP-XXXX-JPはSCP-1111-JP-Bを頭部に突起物を有した人型実体であると認識するようになります。この認識の変化を調査する事によって、対象女児がSCP-XXXX-JPであるかどうかの判別が可能になります。SCP-XXXX-JP-aは、敗戦によって急激に現象したSCP-1111-JP-B確保の為に、財団へ権限を移譲する直前の蒐集院によって創り出された術式ですが、SCP-1111-JP-Bを増加させるという当初予定された効果が発揮されなかった事、財団への権限委譲時の混乱により一時的にその情報が途絶し一般に流布された状態がSCP-XXXX-JP発見まで長く続いた事などにより、結果として後の偶発的なSCP-XXXX-JPの発見に至りました。
SCP-XXXX-JP-aが意図せず発生する事もありえますが、現在SCP-XXXX-JP-Bがほぼ財団職員にしか存在していない事、SCP-XXXX-JP発見時、及びそれから██年間で偶発的に発生したSCP-XXXX-JP-aによるSCP-XXXX-JPの発見が██件で、そのどれもが財団職員の娘であった事などから、一般社会において与える影響は皆無であると判断されています。ですが、現象について低セキュリティクリアランスの職員に認識される事は避けられない事、財団職員の娘以外にも発生する可能性が0であるとは言えない事などから、発見時の状況、当初想定されていたオブジェクトの特異性などを用いたカバーストーリー「オブジェクト桃太郎」によって別種のオブジェクトであるとの欺瞞情報を与えると同時に、一般人に対する偶発的なSCP-XXXX-JP-a発生への対処も行っています。
SCP-XXXX-JPの現在の主な活用法は、SCP-1111-JP-Bの確認、及びその増加です。新規財団職員はSCP-XXXX-JP-aを行ったSCP-XXXX-JPによって、SCP-1111-JP-Bであるかどうかが検査されます。SCP-1111-JP-Bである事が判明した新規職員は、SCP-1111-JPの情報をクリアランスレベルに応じて優先的に与えられます。SCP-1111-JP-Bについてはその性質上現代日本の社会状況において自然発生する事は稀ですが、SCP-XXXX-JPの特異性は、まだSCP-1111-JP-Bとなっていない日本人のSCP-1111-B化を容易に可能とする事が判明しています。その為、SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはThaumielに指定されました。ただし、一度SCP-1111-JP-Bでなくなった人間をSCP-1111-JP-Bに戻す事はやはり不可能である点には留意してください。現在SCP-1111-JP-Bの増加については財団日本支部主導の元、19██年終了を目処に計画的に実施中です。これにより、サイト-81の恒常的ヒュームフィールド安定度は現在の██%増加すると試算されています。その他のSCPオブジェクトへの利用に関しては現在審議中ですが、対症療法的な利用が必要となる場合以外は積極的に用いるべきではないとの考えが日本支部理事会においては主流です。詳細はSCP-XXXX-JPの総合的有効活用についての議事録を参照してください。
199█年、財団本部からの要請により、現在SCP-XXXX-JPの、特にその副次能力であるカリスマ性を用いた軍事的な利用の研究が開始されます。それに伴い、SCP-XXXX-JPの増産計画も発令されました。詳細は文章FK-87787を参照してください。日本支部理事"鵺"の指令により、SCP-XXXX-JPの軍事的な利用に関する研究は中止されました。この決定に伴う財団本部と日本支部との間で行われた討議の結果、SCP-████-JP、及びSCP-████-JPの管理権限が本部に移譲される事になりました。また、インシデント発生時には研究開始が再考される事がO5-█によって宣言されている事に留意してください。
[[footnoteblock]]
我々は戒めとして、この事実をここに記す。
-O5-1
アイテム番号:SCP-001-JP
オブジェクトクラス:explained
特別収容プロトコル:
人為的にCKクラス世界再構築シナリオを発生させ、SCP-001-JPの影響を除く試みは禁止されています。同時にこれ以上のCKクラスシナリオ発生を防ぐ為、SCP-001-JPの使用にはセキュリティクリアランスレベル5以上の職員の許可が必要になります。この使用制限はSCP-001-JPによって構築される現実の全容が解明され次第解除されます。
説明:
SCP-001-JPは、財団内でスクラントン現実錨として知られていた対現実改変用装備と、その使用よって発生していた事が後に明らかになったCKクラス世界再構築シナリオの総称です。
SCP-001-JPは、
当オブジェクトの詳細はクリアランスレベル3以上の職員にのみ閲覧可能です。
・・・・・・・・・
クリアランスレベルを確認しました。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: 現在SCP-XXXX-JPは収容できていません。
SCP-XXXX-JP対抗ミームの研究、開発に全力を注いでください。
クリアランスレベル4以下の財団職員の多くが既にSCP-XXXX-JPに感染していると考えられますが、その結果もたらされる影響は研究を不可能にする類の物ではありません。SCP-XXXX-JP-Bとなった職員を中心に、研究は継続されます。
クリアランスレベル5以上の職員への当該オブジェクトへの感染を防ぐ為、当該職員に接触するあらゆる情報、あらゆる人物は事前にクラスFミーマチックオブジェクトテストを受け、通過した場合のみ接触を許可されます。
一般社会においてはカバーストーリー「働き蟻の法則」を流布することにより、SCP-XXXX-JPの影響が人類行動学的に自然な物であるという認識を定着させてください。
説明: SCP-XXXX-JPは原因、由来、感染方法など、その効果以外の一切が未だ判明していないミーム汚染で、一定数の集団においてのみ感染者が発生するという特徴を持ちます。
SCP-XXXX-JPの感染者の一部は、それまでどれだけ日々の活動に意欲的であった人間でも、他者の活動を期待、計算し、できるだけ自らが属する集団に課せられた作業を行わずに済ませようと振る舞います。結果、一時的にそうなった感染者(以下SCP-XXXX-JP-Aと呼称)が携わっていた作業が沈滞するなどの弊害が生じる事になります。
同時にSCP-XXXX-JPは、SCP-XXXX-JP-Aが放棄、ないし停滞させている作業を請け負う存在(以下SCP-XXXX-JP-Bと呼称)も発生させます。SCP-XXXX-JP-Bは、それまでどれだけ日々の活動に非意欲的であっても、他者の活動を計算にいれず、できるだけ自らが属する集団に課せられた作業を完遂しようと試みるようになります。
SCP-XXXX-JP-Aによってもたらされる沈滞は、SCP-XXXX-JP-Bの、それまで以上に精力的な活動により、僅かな例外を除いて解消されます。
また同一グループ内において、SCP-XXXX-JP-A、Bのどちらにも分類されない行動様式を持つ存在も確認されるようになります(以下SCP-XXXX-JP-Cと呼称)。
SCP-XXXX-JP-A、B及びCそれぞれの割合は、どのようなグループにおいても必ず2:2:6の割合になる事が確認されています。
SCP-XXXX-JPは、17██年、財団の前身組織である超常現象の確保収容に関する王立財団によって発見されました。当初は都市部のごく一部に確認されるのみで、その影響も僅かであり、現在のAnomalousアイテムと同等の扱いを受けていましたが、18██年頃からの都市部への人口集中などによりSCP-XXXX-JPの影響が顕在化し、王立財団による収容の試みが開始され、現在判明している性質が明らかになりました。
その性質から、一時はオブジェクトではなく、人間の自然な行動の結果生じている法則であるという仮説も立てられましたが、19██年の数値的ミーム影響測定方法確立に伴い、異常ミームであることが確定した為退けられました。
18██年の発見から███年、初期の放置、中期から現在に至るまでの不明故に、SCP-XXXX-JPは人類に広く感染していますが、致命的な混乱を招くには至っていません。その広範囲に渡る影響、結果生じていると考えられる人類発達の阻害などを理由に、今も尚その影響を取り除く試みが続けられています。
人類のさらなる進歩の為に、我々はこの大きな壁を乗り越えなくてはならない。
確保、収容、保護。諦めはその全てを無に帰する。尽力せよ。
O5-██
補遺: 200█年、SCP-████-JPにおける亜世界探査の結果、これまで確認された事のなかったSCP-XXXX-JP感染者が存在しない亜世界が発見されました。探査の結果、その世界の経過年月は基底世界と同等の物であることが判明しましたが、その世界の文明レベルは基底世界の中世レベルに留おり、これによりSCP-XXXX-JPへの感染が人類の発達を促していた可能性が指摘されました。
20██年、SCP-XXXX-JPをExplainedオブジェクトと認定、その影響を除く行為を取りやめることがO5協議会に提議されましたが、賛成3、反対3、棄権7で、賛成が過半数に満たなかったことにより棄却。今後もSCP-XXXX-JPの影響を取り除く試みは継続されます。
記録番号: FMC-1998
危険度: 高
特別医療プロトコル: 患者の現実性安定能回復のため、差異を設けたスクラントン現実錨領域を往復させてください。この行為は患者に若干の嫌悪感、嘔吐感などを招く場合がありますので、
撮影に際してポーズを決めていると主張するSCP-XXX-JP。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid → Safe
特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度植物型オブジェクト収容室に収容します。
希望するクリアランスレベル1以上の職員には接触が許可されます。担当職員まで問い合わせてください。接触の際は機密にあたる情報の取扱に十分留意してください。
SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度植物型オブジェクト収容室内に設けられた暫定個別収容室に収容します。職員及び施設の改変の可能性を除くため、収容室には通常水準に設定したスクラントン現実錨を1基設置します。また、接触する職員は汎用的対抗ミームを摂取してください。これらの必要性から、現在接触可能な職員はクリアランスレベル3以上の職員に限られます。
説明: SCP-XXX-JPは一般的にクチナシ(学名: Gardenia jasminoides)と呼称される植物に見える実体です。外部からの干渉を受け付けない非破壊性質を有しており、また通常の腐敗、劣化の兆候は一切見られません。水分、栄養の補給がなくとも問題なく生存しますが、それらの消費は可能です。
SCP-XXX-JPは未知の方法で発話します。また、特定個人の物と見られる記憶と知識を有しており、それらを用いて会話を行います。SCP-XXX-JP自身には、自らが植物と類似した物体である事についての自覚はあるようですが、それに起因する混乱、戸惑いなどは一切見られません。
SCP-XXX-JPは、確保時の状況及びその後のインタビューにより、発見時点で死亡していた女性██ ██氏の記憶と知識を有している事が確認されています。██氏の死亡原因は病死であり、不審な点は発見されませんでした。██氏の遺体も調査されましたが発見当初腐敗の兆候を示さなかった事以外に特異性は発見されず、生前の██氏が特異性を有していなかった事も後の調査で判明している為、SCP-XXXX-JPがどのような形で██氏の記憶と知識を有するに至ったかは今もって不明です。
経緯:SCP-XXXX-JPは「近所の██さんの家から腐ったような臭いがする」という近隣住人の通報により██氏宅を訪れた派出所巡査███によって、██氏の枕元に置かれていた所を発見されました。その後の警察無線による通信を傍受した財団職員が現場に急行し、関係者にはAクラス記憶処理を施しました。
布団に横たわった██氏はその時点で既に死亡していましたが、遺体には本来なら発生するはずの死後硬直、及びその後の腐敗の兆候が一切見られませんでした。その後財団職員にSCP-XXXX-JPは自分が██氏自身であると主張し、自身の遺骸を丁重に扱うように要求、それと引き換えに財団の収容に同意しました。
補遺1:生前の██氏は他人の"相談"を解決に導くのが抜群に上手いと評価されており、SCP-XXXX-JPもインタビュー内において担当職員である██博士の長年の悩みであった[編集済み]を解決するきっかけを与えています。これらの成果が何らかの特異性に由来する物ではないかと推測された為、Euclidオブジェクトとして分類、各種調査が行われました。
調査の結果ヒューム値の変動は一般的な値の範囲内(+0.001)に留まり、またミーム効果も認められず、”相談”の成果はオブジェクト自身の対話能力に由来する物である事が確認されました。生前の██氏の能力についても同様です。この結果、オブジェクトクラスはSafeに変更になります。
補遺2:SCP-XXXX-JPによるアドバイス等が好評な為、一部の職員よりSCP-XXXX-JPをレベル0職員として雇用し、カウンセリングなどにあたらせてはどうかという提案がなされました。人型ではないオブジェクトの雇用は前例が無い事、SCP-XXXX-JPの技術が学術的裏付けのある物ではない事などから提案は却下されましたが、SCP-XXXX-JPの収容室はレベル1以上の職員に常時開放され、接触が許可される事になりました。接触を希望する職員は、SCP-XXXX-JP担当職員まで問い合わせてください。
O5-██の命令により、SCP-XXXX-JPはその特異性に関わらず、Safeクラスオブジェクトに分類され、これが改訂される事はありません。その理由は気づきの為であるとだけ告知されています。
詳細に関しての文章を閲覧する為には、レベル4以上のセキュリティクリアランスが必要となります。
これはとあるSCPの研究過程での”発見”だ。
いや……発見だなどというのもおこがましい。なぜならば、それは当然気づいて然るべき現象だったからだ。我々は、当然気づいて然るべきその事象を"誤差"として見過ごしていた。常にそれは在ったにも関わらず、常にあるが故に、そして微細な物であったが故に、我々はそれが示す意味に気づかなかった。気づきたくなかったのかもしれないな。
端的に言おう。
世界は現実改変によって動いている。
そもそも、誰も気づかなかった事自体がおかしいのだ。それ自体が、現実改変による結果だった可能性すらある。事実そうであるかは未だ研究中だがね。
SCP-XXXX-JPの研究において、当該SCiPが会話相手の個体ヒューム値を上昇させる事が確認された。その数字は0.001だ。この数字は、kejelの現実性パラメーターの法則によって試算するまでもなく、現実に影響はほぼ与えられない微細な数値でしかない。従来は通常空間におけるヒューム値のブレとして、計測の誤差と考えられてきた数字だ。だが、この数字の上昇は必ず発生した。SCP-XXXX-JPによってアドバイスを与えられ、勇気づけられた存在は、必ず0.001だけ個体ヒューム値が上昇し、それが持続した。永続ではなかったが、かなりの長期間に渡ってだ。
実は、だ。この0.001という数字を我々が見たのは、これが初めてではない。この数字を付与する能力を有しているのは、何もSCP-XXXX-JPだけではない。
あらゆる物体が、この能力を有している可能性がある。
人だけではない。知的生命体だけですらない。時には空を飛ぶ鳥であったり、身の回りで時には世話を焼かせる飼い犬であったり、さらには二次元の文字であったり絵画であったり、場合によってはただ鼓膜に響くだけの音ですらあったり、そういった物が人の、あるいは人に類する知的生命体の個体ヒューム値を上昇させる。その事実を、我々は何度も記録してきた。
だが、それらは誤差と判断されてきた。され続けてきた。
その事実に、我々だけは気づけた。
……そうだな、ここからの理解の為には、我々が置かれている環境についてもまた語る必要があるだろう。
我々は、スクラントン現実錨影響領域の中を終の棲家としている。SCP-████-JPによる現実性安定能の欠損によって、最早我々はこの影響領域から通常空間に戻る事は叶わない。
だが、そのお陰でSCP-XXXX-JPのもたらした0.001という数字の不自然さに、これまで世界のあらゆる所で発生していた0.001の不自然さに気づく事が出来た。
この個体ヒューム値の上昇は一体何なのか。
それは、人が「創造」と呼ぶ力だ。
わずか0.001。本来なら現実改変など起こせるわけもない、微々たる数字。だがそれは0ではない。”無”ではない。0.001という、歴とした”有”だ。
そしてその0.001は、人が勇気を得た時にもたらされる。勇気……あるいは希望。何かを為そうとする決意に必要な、ほんの僅かな心の光。そんな風に言った男もいたな。
その勇気の結果、人は何かを産み出す事ができる。何かを作り出す事ができる。
創り出す事ができる。
その創造の為に、0.001のヒューム値上昇は使われるのだ。
先日日本支部で発見されたSCP-540-JP内におけるSCP-540-JP-1への変容理由として、集合的なヒューム値の適用による現実改変能力の集団的行使の可能性が示唆された。人の勇気によってもたらされる改変も、同様に集団的な現実改変能力の行使だと考えられる。
だが、それはあまりにも些細なものだ。ちょっとだけ仕事がうまくいったり、ちょっとだけ意中の人と仲良くなれたり、ちょっとだけ練習していた技術が上手になった事を実感できたり、
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス:Euclid Keter
特別収容プロトコル:サイト██における財団職員同士の会話において、SCP-XXXX-JP-1がなされた場合、その中で言及されているオブジェクトの存在を必ず否定してください。存在する可能性がある、存在すれば面白いなどのわずかなりとも肯定的な意見、肯定的であると捉えられかねない相槌すら返してはいけません。このプロトコルはサイト-██勤務の全職員に徹底されます。
現在サイト-██以外でもSCP-XXX-JPの発生が確認されました。プロトコルは支部も含めた全財団職員に徹底されます。また、否定の際には否定される理由などについて詳細に説明することは避け、詰まらない、興味が無い等の単純な否定を行うよう留意してください。
現在SCP-XXXX-JPは収容が不可能な状態にあり、プロトコルはSCP-XXXX-JPによって発生したオブジェクトを確保、収容する事を目的とする物となりました。
SCP-XXXX-JP-AによるSCP-XXXX-JP-1に遭遇した職員は、各サイト責任者にその内容を詳細に伝達してください。その後に行われる監視などによる職務への影響を避ける為、SCP-XXXX-JP-A及びSCP-XXXX-JP-1を聞いた者双方にAクラス記憶処理が義務付けられます。また、SCP-XXXX-JP-Aはその後のあらゆる言動を各国の担当機動部隊によって監視される事になりますが、これは秘密裏に行われます。監視の結果得られた情報は財団の各部署に迅速に通達され、早急な収容が図られます。
概要:SCP-XXXX-JPは、当初はサイト-██でのみ発生していた、職員間の会話に起因するSCPオブジェクト発生現象です。基本的にクリアランスレベル1以上の職員のみ(例外が数例発生しました。補遺XXXX-JP-Xを参照してください)が、この現象における言及する側(以下SCP-XXXX-JP-Aと呼称します)になります。
二者間、あるいは不特定多数による雑談を主とした会話において、未知のSCPオブジェクト番号、オブジェクトクラス、収容手順、発見場所含む概要、まれに実験記録・インタビュー等が言及されます(この現象を以下SCP-XXXX-JP-1と呼称します)。これは自然な雑談の中において行われ、SCP-XXXX-JP-1がそのような発言をする事が明らかに違和感を生むような状況では行われません。
SCP-XXXX-JP-1についてSCP-XXX-JP-A当人以外からの肯定的な見解が得られた場合、実際にその未知のSCPオブジェクトが言及された場所に生成されます。相槌であっても肯定した物とみなされることには留意してください。
否定的見解が示された場合はSCPオブジェクトは生成されません。根拠を必要としない簡単な否定で防ぐ事ができていた為、当初はオブジェクトクラスはSafeに分類されていました。
その後オブジェクトクラスは事案XXXX-1を受けてEuclidに、事案XXXX-2を受けてketerにその都度変更されています。
SCPオブジェクトの詳細について言及したSCP-XXXX-JP-Aは言及したオブジェクトに関する知識を、言及の事前事後関わらず持ち合わせておらず、また言及した事自体も記憶していない事が、SCP-XXXX-JP-Aに対する尋問及び[編集済み]によって明らかになっています。
SCP-XXXX-JP-1を行う以外には通常の職務、生活どちらにも問題は確認できず、またSCP-XXXX-JP-1自体も特定の行動を妨げる形では発生しない為、現在SCP-XXXX-JP-Aに変容した職員を拘束する事は、財団の活動を妨げる事に繋がるとしてO5-██によって禁止されています。
SCP-XXXX-JP-Aに変容した職員は、その後も未知のオブジェクトに関する言及を再度行う可能性が高い為、当人に気づかれず、職務にも支障をきたさないように留意しながら、各国の担当機動部隊による監視が行われています。
経緯:
この現象は200█年█月██日に、サイト-██の休憩室における、███博士と████博士の雑談の中で███博士が言及したSCPオブジェクトの存在に████博士が同意を示した結果、SCPオブジェクトが実際に言及通り発見されたという████博士の報告により、財団に把握されました。
その後の調査により、SCP-XXXX-JP-1は実際には発見の最低でも数日前から発生していた事が確認されており、その結果SCP-███、SCP-██、SCP-██が生成されていた事が確認されました。それ以前のSCP-XXXX-JP-1発生については現在調査中です。
事案XXXX-1
200█年██月██日以降、セキュリティクリアランスレベル1以上の職員による内容についての具体的な否定がない場合、肯定がなくともSCP-XXXX-JP現象が発生する場合がある事が確認されました。またSCP-XXXX-JP-Aによる言及がより詳細で説得力のある物となる場合が確認されました。これは同一SCP-XXXX-JP-A個体が前回と同種と考えられるオブジェクトについて言及した場合に顕著です。否定の際に行われた指摘を取り込み、その点を改善している物と考えられますが、詳細は調査中です。発生場所もサイト-██を含む全財団施設に広がり、プロトコルは改訂されました。
事案XXXX-2
20██年██月█日に発生したSCP-XXXX-JP-1とそのもたらした結果により、意図的な物でも具体性に欠ける否定では、SCP-XXXX-JPの発生を防げなくなっている事が判明。既存の特性との兼ね合いで、否定による封じ込めが極めて困難となり、SCP-XXXX-JP収容の断念、その結果生じたSCPオブジェクトを収容する事を優先する形にプロトコルは再び改訂されました。
以下は日本支部担当研究員である██博士のコメントです。
日本ではSCP-XXXX-JP-1の発生件数が極めて多いようだ。否定され、SCiPの生成にまで至らない物も多いようだが……。どの道、SCiPは確保され、収容され、保護されなければならない。皆の協力を頼む。 -██博士
[[tab くち"あり"の花 第一稿]]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス:Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度植物型オブジェクト収容室内に収容します。接触する職員は会話を求められれば応じてかまいませんが、当該オブジェクトの年齢に関する話題は避けてください。
SCP-XXX-JPとの接触を希望する職員は、担当の済南博士まで連絡の上許可を得てください。
説明:
SCP-XXX-JPは、一般にくちなしの花と呼称される鉢植えの植物に見える実体です。
SCP-XXX-JPは未知の方法で発話します。また、特定個人の物と見られる記憶と知識を有しており、それらを用いて会話を行います。
SCP-XXX-JPは外部からの干渉を受け付けない非破壊性質を有しています。また通常の腐敗、劣化の兆候は一切見られず、一切の水分、栄養の補給がなくとも問題なく生存しますが、与えられた水分と栄養は通常通り消費しているように見えます。
SCP-XXX-JP自身には、自らが植物と類似した物体である事についての自覚はあるようですが、それに起因する混乱、戸惑いなどは一切見られません。
経緯:
SCP-XXX-JPは、200█年█月██日、居住地の隣家における葬儀に参列した財団職員がどこからか聞こえる老女の怒鳴り声を耳にし、その声が現場におかれていたSCP-XXX-JP実体から聞こえている事に気づいた結果迅速な収容に至りました。関係者にはB-αクラス記憶処理を行い、SCP-XXX-JPに関する記憶だけを除去しました。
その後のインタビューから、SCP-XXX-JPは発見時の葬儀の当事者女性、██ ███氏と同一の記憶を有している事が明らかになりました。██氏の記憶がどのような原理でSCP-XXX-JPに転写されたのかは不明です。██氏の遺体についても火葬前に調査が行われましたが、特異性は確認できず、その後問題なく火葬、埋葬されました。
SCP-XXX-JP、及び関係者へのインタビューによって、生前の██氏が他人の恋愛ごとに関する悩みを解決するのが一般的な範疇を大きく越えるレベルで得意としていた事が明らかになっています。SCP-XXX-JPもまた他人の恋愛相談を自ら進んで受ける事を好み、何件かの成果を出していましたが、生前の██氏の物も含め、一時ミーム影響ないし現実改変が疑われ、Euclidオブジェクトに指定されました。
その後の調査でSCP-XXX-JPにそれらの特異性は確認できなかった為、生前の██氏の成果もまた彼女の話術能力による物であると考えられています。
Anomalousアイテムへの分類が再度検討されましたが、その検討中に事案XXXが発生しました。
事案:XXX
200█年██月█日、かねてよりSCP-XXX-JPが男女交際の有無について懸念を示していた担当研究員の済南博士が結婚する事が決定。その事を知らされたSCP-XXX-JPは突如その発話を停止しました。200█年██月██日現在、再度発話する様子は見せず、外部からの働きかけにも反応を示す事はありません。非破壊性は維持している為、neutralizedへの分類を含む分類変更は保留中です。
補遺:XXX-1
20██年██月██日、SCP-XXX-JPは突如発話を再開しました。
その第一声が「あーよく寝た」であった事、そして発話再開後のインタビューより、SCP-XXX-JP自身の意識において睡眠と同等の意味を持つ休眠行動を取っていた物と考えられます。この長期に渡る休眠行為がSCP-XXX-JPの非破壊性に関連しているのかは現在も調査中であり、Anomalousアイテムへの再分類については保留中です。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス:Safe
特別収容プロトコル:
SCP-XXXX-JPはサイト-81██にある完全な暗闇、無音を保てる特別収容室に収容されます。
その特性から何らかの接触が即座にSCP-XXXX-JPの死亡を招く事に繋がる為、実験の為の運搬を含むすべての接触について、担当研究員の██博士の許可を得るようにしてください。
いづれの状況においてもSCP-XXXX-JPが死亡した場合はその死骸を特別収容室に戻す事になりますが、██博士の許可がある場合はこの限りではありません。
説明:
SCP-XXXX-JPは一般的なライオンのように見える実体です。その機能も特異性と、暗所、密閉空間に対する耐性を除けば通常のライオンと同等で、餌なども通常通り接触、排泄も行います。
SCP-XXXX-JPは外部からの刺激に極めて弱く、それがどのような物であれ、自らの意によるものではない外部刺激によって即座に生命活動を停止します。例えば可視光線を皮膚に受けるなどの、通常であれば到底死に至るはずもない刺激であってもです。
この結果生じた死骸は通常通り腐敗などの兆候を示しますが、何らかの未知の方法により、死亡から22時間で再度生存状態で再生され、通常のライオンとしての機能を取り戻します。
職員
済南満足(さいなん みちたり)
済南未満(さいなん みちず)
投稿済み
説明:視野角の中心位置で視認しない場合、人間男性実体として視覚されるススキ。なお、男性は████選手として活躍後████や██でコーチとして名を馳せ、██では監督も勤めた██ ██氏と同一の外見である事が確認されている。
回収日: 2013/██/██
回収場所: 東京都███川河川敷野球場外周部
現状: サイト-81██の一般植物庭園にて保管
幽霊の正体見たりかれおばな……なるほど。 - エージェント・にしこり
説明:「カニ風味かにかま」という名称で販売されていたちくわ。摂食するとベルギーチョコレートの味がする。成分分析の結果、使用されている原料は通常のちくわと同等である事が確認されている。同様の商品は発見地点で多数販売されており、全て確保されたが特異性を発揮していたものはその中の一部に限られていた。作成、販売した業者に不信な点は無い事は確認済みで、パッケージの名称間違いはこの業者のミスによる物であることが判明している。
回収日:20██/██/██
回収場所:██県██市内のスーパー████
現状:エージェント・██によって3時のおやつとして完食
あまくておいしかった! -エージェント・████
始末書は早々に提出するように。-██博士
SCP-1998-JPとして投稿済み
アイテム番号: SCP-1998-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
現在財団各サイト、エリアでは、予防的なスクラントン現実錨の長期間使用は禁止されています。使用は対症療法的、かつ短期間の形に限られ、セキュリティクリアランス3以上の職員3人の同意が必要となります。また、現実錨の効果範囲内に人員を常駐させる形での一ヶ月以上の継続使用は、如何なる理由があろうとも認められていません。なお、O5評議会による裁定が存在する場合はこの限りではありません。
スクラントン現実錨(以下SRA)影響領域に24時間以上留まった職員は、財団医療施設にて現実性安定能の治療を受けてください。672時間以上滞在した職員は治療を受けた後、24時間監視して完治を確認します。場合によってはEクラス記憶処理も併用されます。
完治が確認できない場合は現実性安定能の欠損とみなされ、その職員は終了の対象になります。
その職員の終了が不可能ないし終了による損失が多大な場合はSRA影響領域から出さない事に全力を傾けます。
説明:SCP-1998-JPとは、SRAによるヒューム値の一定期間以上にわたる完全な固定によってもたらされる現実性安定能の減衰・欠損、及びその結果として生じる受動的現実改変症状、シミュレーテッドリアリティ症候群に類似する症状の総称です。
SCP-1998-JPは、現在においては一般的な人間がSRA影響領域に一定期間以上とどまる事によって罹患する疾病であると考えられていますが、SRAの作動原理が判明し、ヒューム値についての詳細が確定するまではその詳細は不明でした。長期間のSRA影響領域への滞在と、その後の通常空間への移動によってもたらされる症状のみが慣習的に理解されており、当時のプロトコルもそれを踏まえて制定されていました。19██年にSRAの動作原理解明、及びその応用によるカント計数機の実用化がなされ、翌年kejelの現実性パラメーターの法則が確立された結果、SCP-1998-JPはSRAを用いた治療が可能となり、プロトコルも現在の物に改訂されています。
現実性安定能とは、元来人間が所持している、通常空間においても発生しうるヒューム値の変化への適応能力であり、kejelの現実性パラメーターの法則確立の過程で発見されました。僅かなヒューム値の変化では現実酔いに陥らない、現実改変能力者の能力行使に非能力者が抵抗する事に成功するなどの現象は、この現実性安定能が機能した結果による物です。
通常空間におけるヒューム値は完全に一定になる事は無く、特に何の原因がなくとも±0.0001の範囲で変動しています。その為、通常はこの微細な変動に晒される事により、現実性安定能は常に使用される状態にあり、減衰する事無く保持されます。
ですが、SRA影響領域においては、SRAによるヒューム値の完全な固定により、この微細な変動が存在しません。結果、その場所に長期間滞在した人物の現実性安定能は非使用状態となり、減衰、場合によっては欠損し、本来ならばありえないヒューム値の僅かな差で、劇的な受動的現実改変症状を発生させる事になります。
また、現実性安定能は現実に対する認識能力にも極めて大きな影響を与える事が判明しています。現実性安定能が減衰、欠損した人間は、多くの場合この世界が現実ではない仮想現実、ないしは空想の世界であると認識する事になります。その結果、多くが本来の現実では考えられないような無謀な、時として自らの生命すら顧みない行動を取るに至ります。
SCP-1998-JPへの罹患によってもたらされる代表的な症状は以下になります。
SCP-1998-JP-A |
患者が環境ヒューム値の僅かな低下、ないしは上昇によって容易に現実へ希釈され、致命的な結果をもたらす。現実性安定能の欠損により発症する。 |
SCP-1998-JP-B |
本来ありえない通常範囲内の個体ヒューム値所持者による、患者に対する現実改変能力行使が可能になる場合がある。現実性安定能の中程度以上の減衰、欠損によって発症する。 |
SCP-1998-JP-C |
患者が有する現実認識が極めて希薄になり、現実性に由来する衝動抑制能力などが欠如した状態になる。 現実性安定能の軽度~重度の減衰、欠損によって発症する。 |
SRA影響領域への滞在期間によって減衰の度合いは進行し、症状は重篤化します。欠損は、同領域への滞在が672時間を超えた場合発生する可能性があります。
現実性安定能の欠損に対する治療方法は現在存在しません。
SRA影響領域から離脱し、通常空間における微細なヒューム値の変動に晒されない限り、現実性安定能が欠損している場合でもSCP-1998-JP-A~Cを発症する事は無い事が確認されています。
補遺1:SCP-1998-JPにより現実性安定能を欠損しながらも終了を免れ、引き換えにSRA影響領域から出る事を許されなくなった財団職員の数は現在████人です。
補遺2: 現在SCP-1998-JPの恒常的な防止の為、SRAの改良がその小型化と共に進行中ですが、どちらも難航しており、2020年までの実用化は難しいだろうとの見通しが立っています。
同化(submit)適応(conformity)進化(progress)
スクラントン現実錨
別次元の既に枯れる事が確定している宇宙から現実性を吸い上げる(同時に放出もしている?)事で、空間の現実性強度(ヒューム値)を固定する機構。財団のみが保有する技術によって作成される科学的制作物。元来SCP-2000を収容する為に建造された。現在のそれはかなり大型の物であり(建造という語からもそれが伺える)、小型化が財団技術開発部によって試みられているが成果は芳しくない模様。
基本的にヒューム値は2に設定されているが、この数値は上下させる事が可能な模様で下限値は0.15と考えられる。
SRAの初作成は1889年であると明記されているが、作成自体はSCP-2000の初起動に先行しているとの記述。ここから1889年から百余年の間に二度SCP-2000が起動し、歴史のREBOOTが行われた物と考えられる。
ヒューム値
現実性強度を示す数値。これが高い物は、低い物に影響を与える事が可能になる。高ヒューム値の人間はその意志によって周囲の環境を操る事が可能になる。この環境変化を現実改変能力と呼び、その能力を有する人間を現実改変能力者と呼ぶ。現実改変能力者の多くは自らの高ヒューム値のみならず、周囲の環境ヒューム値を引き下げる能力も同時に有している。
SRAによる最低値は0.15
自然空間の最低値は0.27~0.28
最大の数値はSCP-1000-JPの540
アイデア
・良いアイデアを思いついたという感覚だけを残し、アイデア自体を消すオブジェクト。
・改稿案 パレートの法則が実際には法則として成立していない→SCPオブジェクトによってその法則が成立している世界→実はSCPオブジェクトに暴露する事で蟻が人間のような知能を持つに至った世界。蟻達はSCPオブジェクトの認識災害により自らを人間であると認識し、そのように振る舞う。
・悪趣味なホラー作家の集団のような奴らの逆で、そいつらに生み出されたオブジェクトに収容方法を付与し「特別収容プロトコル」を成立させる能力を持った特異存在。その特異性は悪趣味なホラー作家の集団には一歩劣るようで、「特別収容プロトコルが確立できない、しても確実とは到底言えない=Keter」のオブジェクトが存在するのもそのせい。
・スクラントン現実病罹患者によって運営される現実錨領域外観察機構
・スクラントンの現実
スクラントン現実錨が固定してくれる物が真に「現実」足り得ると一体誰が保証するのか
構想
SRAによって固定される”現実”がロバート・スクラントンの考える”現実”であって、本来財団世界内に存在していた”現実”とは異なっていた。北米におけるSRAの大規模使用によって「財団の支部」が突如発生。そのインシデントによって、財団もSRAの危険性に気づく。
理屈
スクラントン現実錨による固定がヒューム値2で行われる。使用後その高くなったヒューム値が周囲の数値(主に1)に希釈される際、観測できない程小規模の現実改変が発生していた。その小さな現実改変がSRAが使用される度に積み重なり、世界はスクラントン博士が考えていた現実に塗り替えられていた。
SCP-3001に取り込まれてそこから脱出した際にスクラントン博士の魂が霊的実体として18██年に転移(ヒュームフィールドが崩壊し細切れになった身体は2005年に)、財団の前身組織によって確保され、その知識の有用さなどを証明してみせた事から当該組織の研究員として雇用。1889年にはSRAの実用化に成功。だがそのような成果を残しながらも、彼の内側には望郷の念が渦巻いていた。彼はSRAの素地となる機構に自らの表象を組み込み、後に作られるあらゆるSRAに自らの表象が宿るようにした。それが遥かな未来で妻に再会する為の方法だと信じて。
SCP-1111-JP-Bを見出す能力
巫女の血筋
片付ける君
片付けなければならないという観点を片付ける事で片付ける必要をなくすオブジェクト
問題解決能力(問題を片付ける能力)まで片付けてしまう事で連鎖的収容違反を起こしketerオブジェクトに