アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準収容ロッカーに保管されます。混同を防ぐためSCP-XXX-JPには識別用タグがつけられます。加えて、持ち出す際には外見上SCP-XXX-JPと判別が困難である物品を近づけてはいけません。SCP-XXX-JPを用いた実験は、主任研究員の許可を得た上でおこなってください。
説明: SCP-XXX-JPは異常性を持つ複数の実験器具の総称です。現在、SCP-XXX-JP-1に指定される全長138mmのポリプロピレン製の漏斗と、SCP-XXX-JP-2に指定される全長130mmのガラス製の試験管の2点が収容されています。外見上、いずれも非異常性のものと同一です。SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JPを用いて実験を行うと発現する場合があります。異常性が発現すると、その実験の結果を科学的に起こり得ない結果へと改変します。異常性が発現する厳密な条件、及び改変内容は現在明らかになっておらず調査中ですが、「実験結果を実験立案者がその実験において望まない結果に改変する」という仮説が有力視されています。また、改変時に異常なヒューム値の変動は観測されておらず、改変方法についても調査中です。
2016/04/14、██大学化学研究所にて、様々な実験において非科学的な結果がもたらされたことが、多くの研究者の間で話題になっており、財団の目に留まりました。研究所から原因と思われる数点の実験器具を回収。カバーストーリー"不良品"を流布したのち、直接実験に関わった人物にクラスA記憶処理を施しました。後の実験1によりSCP-XXX-JP-1が特定されました。SCP-XXX-JP-2の回収については、事案記録SCP-XXX-JPを参照してください。
事案記録SCP-XXX-JP: 2017/01/29にサイト-81██にてSCP-███-JPが実験中にデータにない反応を示す事案が発生しました。SCP-███-JPはSafeクラスのオブジェクトでその異常性のほとんどが解明済みとされていたこと、類似の実験を既に複数回行っていたこと、SCP-███-JPの特徴であるヒューム値の変動が確認されなかったことが重なったため事案は注目され詳細な調査が行われました。調査の結果、実験に用いられていた試験管が原因として判明。SCP-XXX-JPと同様の異常性を示したことからSCP-XXX-JP-2と指定され、収容に至りました。
事案SCP-XXX-JPにより、SCP-XXX-JPが複数存在することが判明。未発見のSCP-XXX-JPによる収容違反を防ぐため、特別収容計画XXX-JPが立案されました。
補遺1: 現在SCP-XXX-JP-1、2は█年以上異常性を発現しておらず、異常性を失った可能性が高いとされています。どの段階で異常性を失ったかは判明しておらず、最後に異常性の見られた2017/04/01以降に行われた実験では異常性が発現しなかった要因が、条件を満たしていないためか既に異常性が失われていたためか判別がつかない状態です。実験結果SCP-XXX-JPを参照する際は留意してください。また、未発見のSCP-XXX-JPが存在する可能性があること、研究の余地が十分にあることを考慮して、SCP-XXX-JPはNeutralizedに分類されません。
補遺2: 事案SCP-XXX-JPとその後の実験結果を受けて、主任研究員の杉本博士によりオブジェクトクラスの見直しが申請されました。申請は現在審議中です。以下は杉本博士による申請文です。
事案の発生によりSCP-XXX-JPは複数存在することが判明しました。未発見のSCP-XXX-JPが存在する可能性は決して低くないでしょう。もしまた未発見のSCP-XXX-JPが他のオブジェクトの実験に紛れ込んでしまったら。例えばそれがKeterクラスのオブジェクトだとしたら。実験を行わないという選択肢が取れない我々にとって、SCP-XXX-JPは十分な脅威です。未だ、未発見のSCP-XXX-JPの発見方法は確立されておらず、異常性についてもほとんどが未確定のままです。SCP-XXX-JP-1、2は異常性を喪失したと考えている研究者が多いようですが、SCP-XXX-JPが情報を欲する我々に情報を与えないように実験結果を改変している、私にはそのように思えます。いづれにせよ現状のままでは新しいデータを得ることは困難であり、収容計画の立案もできません。SCP-XXX-JPを収容できているとは言い難いでしょう。今の我々にできていることといえば、被害が出ないこと祈りながら実験を続けるぐらいのことです。オブジェクトクラスの見直しを申請します。 — 杉本博士