アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPはその特性上、物理的な収容が不可能です。代わりに水分を弾く素材で地面を覆い、金網で民間人の侵入を防止したサイト-81██での管理、及び後述のSCP-XXX-JP-bにあたる封じ込め作業が必要とされます。サイト-81██では毎日午前11時30分から午後12時30分にかけDクラス職員を参加させ「ダンスの練習」と称したSCP-XXX-JP-bを実行させてください;屋外用スピーカーで、CDに入った専用再生リストをランダムに再生させ、Dクラス職員には曲に合わせた振り付けをさせます。実行時間はオブジェクトの出現状況に併せて延長してください。踊りの振り付けは以下の動きを満たすものとし、無許可の変更は禁じられています。この時放出された液体及び塩化ナトリウムの結晶は、処分してください。サイト-81██では録音機能のついた監視カメラを用いて24時間体制でSCP-XXX-JPの消息を観察してください。
説明: SCP-XXX-JPは外見上ナガスクジラ(学名:Balaenoptera physalus)に類似した形のガス状実体です。この実体は、運動場や競技場と認知されている土地(以下、SCP-XXX-JP-aと記述)の周辺に現れることがわかっています。
非活性時のSCP-XXX-JPは、外見以外その他の雲と同様の性質を示しますが、SCP-XXX-JP-aで、ある一定の動作を含む踊り(以下、SCP-XXX-JP-bと記述)が行われている場合に活性化します。このSCP-XXX-JP-bには、以下の要素が含まれています:40人以上で行われること。幅34センチ、長さ100センチ以上の布状の物体を振り回す行為、ないし列を作って並んだダンサーが順番に立ち上がりしゃがむ動作を繰り返す行為(一般に「ウェーブ」と称される)が、それぞれ15秒以上行われること。
活性状態のSCP-XXX-JPは不定期に水滴を放出しながら、SCP-XXX-JP-aの周囲を旋回します。この時放出した水滴は海水と成分が酷似していることが判明しており、摂取しても何の問題もありません。放出をするにつれてSCP-XXX-JPの体積は小さくなり、やがて消滅します。再出現までには少なくとも24時間を要し、且つ消滅地点から最も近い距離でSCP-XXX-JP-bが行われる必要があります。
サイト-81██が位置する██県内の██市で、住民から「小学校に雲の鯨が現れ、塩水を吹いた」との報告を受けてSCP-XXX-JPの存在が判明しました。同市ではたびたび市内の運動場並びにスポーツ施設で原因不明の崩落事故が繰り返されていましたが、調査の結果、事故はオブジェクトの放出した水滴による塩害によるものと判明しました。財団は近隣の住民にカバーストーリー「異常気象」を流布し、影響を受けていた一般人に記憶処理を施したのち、SCP-XXX-JPの調査を開始しました。
現時点での被害は██市内のみにとどまっています。しかし、収容違反が起き、とりわけ農村部や大都市、緑化地帯に出現した場合、大規模な建造物の劣化および植物への被害が懸念されています。
補遺: 2017年██月██日、屋外用スピーカーの不調によるSCP-XXX-JPの収容違反が発生しました。次にオブジェクトが現れたのは、同██市内の、ドーム型競技場の上空であり、中では██県立██大学のダンスサークル[編集済]の公演が行われていました;財団は住民を避難させた後Bクラス記憶処理を施し、代替用スピーカーでSCP-XXX-JPをサイトに誘導、確保しました。
後日、同サイトでSCP-XXX-JPの作業を通常通り行った後、「いつもかけられているものとは違う歌が聞こえた」と数名のDクラス職員から報告がありました。測定の結果、記録された音は██市に伝わる民謡:[編集済]の一部に酷似していましたが、この曲がサイトでの封じ込めの作業で使われた事はありません。更にその音程は一般的に認知されているものよりも██~██Hz程度低く、音の発生源はSCP-XXX-JPであることも判明しています。
インタビューログ XXX-1 2017/██/██
対象: ████(ダンスサークル[編集済]の二年生)
インタビュアー: 巣鴨研究員
付記: 収容違反したSCP-XXX-JPの確保後にインタビューを行なった。
<録音開始>
巣鴨研究員: それでは、これからSCP-XXX-JPのことについて、いくつか簡単な質問をさせていただきます。今日はよろしくお願いします、██さん。
████: はい、よろしくお願いします。SCP……? あの、雲の鯨のことでいいんですよね。
巣鴨研究員: はい。あなたたち[編集済]のメンバーが、しばしばSCP-XXX-JPを見た、と聞いたので。どのような時に見たか、覚えていませんか。
<録音終了>
補遺2:
鯨雲は踊りを見るのが好きだった。特にここの県で行われる郷土舞踊のアレンジは、その響きをとても気に入っていた。
ある時、鯨はある大学の郷土舞踊サークルにほれ込み、しばしば訪れるようになる。それが財団に見つかり収容された。でももう一度あのダンスを見たくて、スピーカーが壊れた隙に抜け出しサークルの公演へ。
急きょ財団が大規模収容作戦を考える→職員にサークルのダンスを覚えさせてから、大型船の上で発表。鯨が踊りに気をとられている隙に船を移動させ、海の上へ連れていった。
以来、鯨は洋上プラントで職員たちが完コピした踊りを見ている。楽しそうだけど、少し物足りない顔で。
OK「30センチ以上の布状の物体を振り回す行為」 → 「幅34センチ、長さ100センチ以上の布状の物体」
「布状の物体」なので最低限縦横が必要ではないでしょうか。
OK 再出現までには少なくとも24時間を要し、且つ消滅地点の近辺でSCP-1406-JP-bが行われる必要があります。
↓
再出現までには少なくとも24時間を要し、且つ消滅地点の半径5キロメートル以内でSCP-XXX-JP-bが行われる必要があります。
「近辺」は具体的に範囲を書くべきでしょう。
OK「屋外用スピーカーの不調によるSCP-1406-JPの収容違反が発生しました。」→プロトコルに!
ここで突然スピーカーが出てきましたが、収容プロトコルでは一切触れられていない部分で収容違反が発生するのがよく判りませんでした。
このオブジェクトは
召喚する
雨を降らせて消滅する
24時間後に召喚することで「消滅地近辺でのみ」再召喚ができる
という特徴を持っていますが、これだと例えば洋上プラントなどで一度召喚すればあとは何もしなくても完封できそうですね。
→→スタッフを船に乗せ、そのままダンスで洋上プラントに誘導!
○すでに煮物さんがおっしゃっていますがなにか物足りなさを感じてしまいました。例えば動く雲の鯨が落とす物に触れた水は落ちた水と同質の物になります など他にもいろいろな発展ができると思います
○雲の鯨という題材はおしゃれでとても好みなのですが、起きている出来事に対して「これだけ?」と感じてしまいました。
タグ: クジラ 儀式 天候 空棲 自律
SCP Tale案「おはよう」
[ 産みの父親と育ての父親の二人がいたら、SCP-348を使うとどうなるのかという話。
なんか突然知らされたみたいな形でもう一人の存在を知ったら?
『被験者:11歳男児、軽い風邪の症状が見られる
家庭背景:養父母と同居
結果:メッセージ。”あなたが幸せで嬉しい”』
『被験者:6歳男児、軽い擦り傷が見られる(友達と遊んだ際の怪我)
家庭背景:両親は離婚しており、現在は母親と同居
結果:メッセージ。”坊や、すまなかった”』
被験者の子供二人は実の父親がそばにいないことには気づいている模様。だが前者の場合、生まれてすぐに何らかの事情で実父母と別れた可能性も考えられる。
育ててくれた養父の事はわかる。ただ、生まれる前から自分を愛してくれた実父がいたら。そして、彼が自分が生まれる前に死んでしまっていたら。]
書けたところ。よかったら読んでください。
父は何でも予告無しにやる人だった。
サプライズの誕生祝いはもちろん、私にも関わる大事な書類の事を締め切りギリギリに知らせるわ、急に晩御飯の席で「俺は明日から東南アジアに行く」と宣言するわ……父がきっかけの事件は枚挙に暇がない。
二人目の父の存在を知らされたのも、17歳になるかならずか、という頃の、日曜の朝だった。
「おはよう、お父さん」
「あぁ、おはよ」
私が朝刊に挟まっていた服屋のチラシを何の気なしに眺めていたところ、父は実にあっさりと、
「お前、お父さんがもう一人いたって、知ってたか」
と言ったのである。
私の返事は「え?」だった。うちの家庭環境が世間的に大変だとは理解している――未婚の両親の愛の結晶が私で、しかも母は私を産んですぐ他界した。即ち我が家は父子家庭って訳だ。だがもう一人父親がいるなんて、17年の人生で初耳だ。
「嘘! 誰の事? 何でもっと早く言ってくれなかったの?」
「俺の親友。言うタイミングを逃し続けてたんだ――あいつの事なら、昔よく話した筈なんだがな」
父の親友の事ならよく聞いていた。母と、父と、その親友――即ち実父は大変仲の良い3人組だったそうだ。父の急な無茶振りにも面白がって答える、機転の利く優しい人。ずっと好きだった母と親友の交際、そして結婚が決まった日も、父は両手を上げて祝ったそうだ。
1台のトラックが3人の運命を変えた。会社からの帰り道、居眠り運転のトラックに親友は撥ねられ、そして天に召された。それで死の間際、父が彼に妻とお腹の子を託されて今に至る。
そんな小説みたいな話。
にわかには信じられなかった。私は彼を遠い過去の人のように思っていた。それこそお悔み欄とかで見るような、私が知らない時代の有名人とかと、同じ様な立ち位置。だからそんな急に、名前しか知らないような人を「お前の実父だから」なんて言われても困るのだ。
「……ちょっと顔洗ってくるわ」
私はごろごろした目を擦り浴室へ向かった。冷たい水で顔をさっぱりさせれば、事態を冷静に捉えられるだろう。そうだ、ひょっとしたらこの変な夢から覚めるかもしれない。
この唐突に複雑化した人間関係について、私はあまり良く思っていなかった。寧ろ嫉妬心に近いものを感じていた。私のお父さんはたった一人だと信じていたのに、一気に距離が遠くなってしまった気分だ。
父はこの17年間ずっと、親友の子供だって事しかつながりの無い人間を育てていたのだろうか。父の人生は、こんな赤の他人の為に投げ出されて良いものじゃない。
下書き
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPは某遊園地の一角を工事用フェンスとバリケードで覆うこと。カバーストーリー「工事中につき立ち入り禁止」を流布すること。
説明:SCP-XXX-JPは…
一般的に「コーヒーカップ」と呼ばれるアトラクションに似た乗り物。某遊園地の一角にある。
コーヒーカップが回るとお客が溶けて、お茶になる。カフェつき。キャストは虎猫。溶けてできたお茶を提供。
自惚れの強い人、有頂天になっている人が乗る傾向にあり、その人間からできたお茶を飲んだ者は、彼らの「人生で一番幸せだった瞬間」を追体験できる。
コーヒーカップ、ちびくろサンボ、注文の多い料理店。
補遺: