Mojamoja下書き集
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回収後のSCP-XXXX-JP-1-23

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-████の人型オブジェクト収容室に収容し、監視カメラと金属探知機により行動を監視します。収容室内には最低限の家具と調度品を備え付けますが、全て右利き用の物に統一します。SCP-XXXX-JP-1の生成が確認された場合、番号を割り当て、成分検査の後に低危険度物品収容ロッカーに収容されます。
サイト内の全ての職員は防刃ベストの着用が義務付けられており、収容違反発生時には非殺傷性の武器で速やかに制圧します。
現在、オブジェクトクラスの見直しが検討されており、それに伴い収容プロトコルの改定も視野に入れています。

説明: SCP-XXXX-JPは10代後半の日本人の少女です。収容前は東京都内の高校に通う学生でした。SCP-XXXX-JPは自身の左掌から未知の金属でできた刀(SCP-XXXX-JP-1)を生成できるとされています。この金属は非常に軽く高い弾性があります。硬度は低く、建材等に使用するには不向きであり、刀剣に用いる事が最も適しています。
東京都███区で発生した連続殺人事件の現場に残された凶器の刀がいずれも成分分析ができなかった事から財団の興味を引きました。聞き込み等から警察の捜査線上に夜間出歩く不審な姿が目撃されていたSCP-XXXX-JPが浮上し、事情聴取の準備を進めていたところ、SCP-XXXX-JPの犯行を止めようとした学生の抵抗によりSCP-XXXX-JPが負傷し病院へ緊急搬送される事案が発生しました。その後、SCP-XXXX-JPを死亡扱いとして搬送先の病院からサイト-████へ移送し収容に至りました。左腕は負傷時に腱と神経を断裂しており、肘から先は本人の意思では動かせず、無理に動かそうとすると痛みを訴えます。医師からは回復の見込みはないと診断されています。特異性の発生源とされる左腕の神経系統がSCP-XXXX-JPから切り離されているためか、収容時から現在に至るまでSCP-XXXX-JPの特異性を確認できていません。

インタビュー記録

対象: SCP-XXXX-JP

インタビュアー: ██研究員

<録音開始>

██研究員: 貴女の特異性が発現した経緯に心当たりはありますか?

SCP-XXXX-JP: (深呼吸)それは…私が正義の味方だからです。

██研究員: …どういうことでしょう?

SCP-XXXX-JP: 10年前、まだ私が小学生だった頃、私の両親は強盗に殺されました。私は自身の無力を嘆き、同時に悪への強い怒りを覚えたのです。その時から私には悪を断罪する正義の心を剣に変える力が目覚めました。剣道を学び、刀の扱いに自信を持てた1年前、断罪を始めました。

██研究員: だから1年の間に23人もの人を殺したのですか?

SCP-XXXX-JP: 人ではありません。

██研究員: はい?

SCP-XXXX-JP: 悪です。あれらは人でなしの悪なのです。

██研究員: 悪ですか…。事実、彼らの中には罪を犯した人もいます。ですが、貴女が手を下す必要は無いはずです。警察に通報すれば良かったのでは?

SCP-XXXX-JP: それでは意味がありません。たとえ警察が捕まえても、あれらは数年で野に放たれます。悪を野放しにすれば、あれらは新たに罪を重ねることでしょう。故に、私は白銀の剣を振るい、悪を断罪し続けたのです。

██研究員: ですが、彼らは殺すに値する罪を犯したと思いますか?

SCP-XXXX-JP: 罪は罪です。

██研究員: 貴女が殺した被害者の中には万引きをしただけの中学生もいました。その子も死ぬべきだったと?

SCP-XXXX-JP: 悪に大きいも小さいも無いのです。罪は罪。小さな種は悪意を浴びて成長し、いずれは悪の花を咲かせることになります。そうなる前に芽を摘んだ。それだけのことです。

██研究員: …そうですか。では、貴女が最後に殺した彼はどうですか?

SCP-XXXX-JP: えっ?

██研究員: ███ ██君のことですよ。我々が調べた結果、彼は品行方正、剣道部の主将を務め、次期生徒会長に推薦されるほど周りから信頼されていました。夜は自主的なパトロールをして連続殺人鬼を止めようとしていた、警察官を目指すほどの正義感にあふれる少年だそうですね。聞き取り調査をした全員が彼を正義の味方と言っていました。地域の警察官までもです。幼馴染みの貴女ならご存知でしょう?

SCP-XXXX-JP: え、あ、そう…ですね。マサくん…あ、違っ、か、彼は、その…純粋な人でした。世の中がどれだけ悪意に満ちているかも知らない、真っ直ぐな人。彼は私にお守りをくれました。いつか、悪い人をみんなやっつけて、私が安心して笑えるように、正義の味方になるんだって。その約束の証なんだって。とても嬉しかった。だから、私も正義の味方になると決意したのです。彼に頼るのではなく、私が自分の意思で悪を裁こうと。絶望の淵にいた私に手を差し伸べてくれた優しい人のいる世界を守るため、正義の味方になるのだと。彼ならば私と共に正義を成せるパートナーになれるはずだった。

██研究員: それが何故?

SCP-XXXX-JP: 彼は私の断罪を知って…止めようとしたのです。あまつさえ、警察に自首をさせようと語りかけてきました。まるで私が悪かのように言ってきたのです。許せませんでした。彼は私と同じ正義を掲げてはいなかった。…ただ、ただそれだけです。

██研究員: …そうですか。ところで、貴女が最後に使ったナイフ…いえ、刀なのですが、他の事件現場から回収されたものに比べて刃渡りも短いですし、形も歪でした。何か理由があったのでしょうか?

SCP-XXXX-JP: 理由もなにも、彼は剣道部のエースでしたから。正義を成そうと準備していた刀をあっさり奪われ、焦った私が咄嗟に産み出せたのがあの小太刀にも満たない粘土細工の刀だっただけです。彼の剣捌きはいつも見ていましたから、左腕を犠牲にしましたが私の腕でも殺すことができました。

██研究員: なるほど。

SCP-XXXX-JP: あの…。

██研究員: なんでしょうか?

SCP-XXXX-JP: いえ。マサくん…彼はどうなったのか知りたいんです。

██研究員: …貴女が殺したんですよ?

SCP-XXXX-JP: はい、それは理解しています。彼は死んだ後、人々からどう思われているのでしょうか? 彼の正義の稚拙さは報道されましたか? 私の正義こそが正しいと証明されましたか? 私は…正義の味方になれましたか?

██研究員: …連続殺人鬼と相討ちになった勇気ある少年、と新聞の見出しにありましたね。

SCP-XXXX-JP: …そうですか。彼は…正義の味方になれたのですね。

██研究員: ええ。学校ではそう呼ばれているそうです。

SCP-XXXX-JP: (左腕の傷口を撫でる)それは…なんとも妬ましいことですね。

<録音終了>

収容プロトコルの見直しについて

SCP-XXXX-JPは左腕の神経系統を切断されたことで特異性を喪失したものと思われます。今後はSCP-XXXX-JP-1群をAnomalousアイテムとして登録し、SCP-XXXX-JPは記憶処理を施した後に社会復帰プログラムを受講させることを提案します。-██研究員

返答

却下します。
まだSCP-XXXX-JPの特異性について判明していない点が多すぎます。その段階でオブジェクトを開放するなど決してありえません。SCP-XXXX-JPの思想から、開放されるために特異性を隠匿している可能性も考えられます。それ以外にも報告書の至るところに稚拙な部分、不完全な部分が見受けられます。そこも含め、直ちに今後の実験方針を見直し、報告書を書き直して下さい。
また、以下のインタビュー記録はSCP-XXXX-JPについての情報が少ないため記録としては不適切です。即刻削除して下さい。 -███研究主任