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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
SCP-XXXX-JPはサイト81██の標準収容施設に保管されます。
実験の際はレベル4クリアランスを持つ職員の許可を得てください。
SCP-XXXX-JPの半径50mではあらゆる他SCPの実験、犯罪報道への暴露、他人命に関連する情報を遮断してください。
これらの収容を守っていながらSCP-XXXX-JPが活性化した場合、各地の警察・司法機関と情報を共有し対応を決定してください。
説明:
SCP-XXXX-JPは真鍮製の吊り下げ天秤です。片方には常に地球を模したガラス球(以下SCP-XXXX-JP-1)が置かれています。非活性時にはもう片方には何も置かれていません。
SCP-XXXX-JPは半径50mに生命の危険が迫っている人間(以下対象)を認識すると活性化します。直接の視認やメディア報道だけでなく、ひとづけの会話も対象となると確認されています。
SCP-XXXX-JPが活性化すると人型のアルミ製模型(以下SCP-XXXX-JP-2)が出現します。情報に暴露されておらず介入もなされてない場合、SCP-XXXX-JPはSCP-XXXX-JP-2側に傾きます。
SCP-XXXX-JP-2側に傾いたSCP-XXXX-JPを認識した人間は、例え公益や他者の権利を侵害することになろうとも対象を救出する試みを行います。
この精神干渉は比較的微弱なものであり、SCP-XXXX-JPをSCP-XXXX-JP-1側に人為的に傾かせることは可能です。方法としては物理的に天秤を押す他、人命より公益を重視する言動を暴露し続けることでも成功しています。
SCP-XXXX-JPがSCP-XXXX-JP-1側に傾くと未確定ですが広範囲における現実改変を引き起こし、対象が救うに値しない人間である、公益のためにいなくなってもよいと認識するようになります。
発見記録: SCP-XXXX-JPは██国法務大臣室のインテリア品の一つから発見されました。██国は10年以上執行がない事実上の死刑廃止国であったのにも関わらず突然死刑が執行され、財団の注意を引きました。財団の調べにより、法務大臣秘書が興味本位でSCP-XXXX-JPを傾けていたことが明らかになりました。
実験記録: 以下はDクラスを用いた実験記録です。
実験記録1 - 日付YYYY/MM/DD
責任者: 柏木研究員
対象: D-18532
実施方法: D-18352をSCP-XXXX-JPに上陸させ居住させる。
結果: SCP-XXXX-JP-aの人数増加。D-18532は20日後遺体で発見された。
分析: まだ一ヶ月もたってないぞ?__柏木研究員
実験記録2 - 日付YYYY/MM/DD
責任者: 柏木研究員
対象: D-19735(70代男性)
実施方法: D-19735をSCP-XXXX-JPに上陸させ居住させる。
結果: SCP-XXXX-JP-aの人数増加。D-19735 は3日後遺体で発見された。
分析: D-19735は歩くのにも杖が必要なほどの老人だったのだが…__柏木研究員
実験記録3 - 日付YYYY/MM/DD
責任者: 柏木研究員
対象: SCP-XXXX-JP-a-15
実施方法: SCP-XXXX-JP-a-15に中絶手術を行う。
補足: SCP-XXXX-JP-a-15はD-19735により妊娠した実体の1つ
結果: 重大インシデント発生。手術中に胎児が活性化し[データ削除]
実験記録4 - 日付YYYY/MM/DD
責任者: 樋口博士
対象: D-17334(20代女性)
実施方法: D-17334をSCP-XXXX-JPに上陸させ居住させる。
補足: D-17334は性別適合手術を受けた元男性で生殖器は存在しない
結果: D-17334がSCP-XXXX-JP-aに変異。検査した結果卵巣や子宮様の臓器が出現していた。
分析: もはや違う生物として変異してしまうことがわかった。D-17334は喜んでるみたいだが__樋口博士
補遺1: SCP-XXXX-JP-aへのインタビュー
対象: SCP-XXXX-JP-a-1
インタビュアー: 樋口博士
補足: 樋口博士ら現地チームは「過疎地域復興のボランティア」としてインタビューを行いました
<録音開始>
樋口: ███さん、この島には男性がいないみたいですがそういう歴史とかあるんですか?皆さんと仲良くなるために是非とも知っておきたくて
SCP-XXXX-JP-a-1: この島ではなぜか女の子しか産まれなくて、このままでは集落がなくなってしまうところでした。でも山の神様が助けてくれました。
樋口: 山の神様、ですか?
SCP-XXXX-JP-a-1: 私達のご先祖さまが山の神様に祈ったところ、島に入る男を逃がすな、さすればこの島は永遠に栄えん。と言い伝えられたそうです。
樋口: なるほど。それでご先祖さまは男性がきたときはどうしてたんですか?
SCP-XXXX-JP-a-1: 精一杯おもてなしして、それからその…███したらなんとすぐに子供が産まれて村が栄えたんです!
樋口: わ、わかりました。それでその男性は?
SCP-XXXX-JP-a-1: しばらく姿をくらまし、即身仏として再臨したそうです。いまでも仏様は山のお寺に祀られてますよ
樋口: 本当にご利益があったからそれ以来ああいう風習を続けてるんですね
SCP-XXXX-JP-a-1: はい。ここに来る方はみな嬉しそうになさってました。この島がインターネットで広まったみたいです。でも彼らはみな消えてしまうんです…。黙って帰っちゃったんでしょうか?島の危機を救ってくれた恩人にお礼をいいたいです
樋口: もし見つけたら私から伝えておきます
SCP-XXXX-JP-a-1: みなさん何から何まで…本当にありがとうございました。
<録音終了>
終了報告書:
彼らは邪な考えでこの島にきたんだ。それでも感謝されるならいいのかもしれないな—樋口研究員
補遺2: インタビュー終了後山寺を捜索し、ミイラ化した男性遺体を発見しました。死因は急激な脱水と思われます