SCP-XXX-JP 青森発母体行きバス(仮)
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
母体

SCP-XXX-JP発生例。

オブジェクトクラス: Euclid

担当職員: ██博士

脅威レベル:

特別収容プロトコル: 該当地域内で運行される路線バスの各停留所には、常にエージェントを配置します。配置されたエージェントは、SCP-XXX-JP発生中のバスに民間人が乗車するのを阻止し、必要に応じて記憶処理等の措置を行ってください。また、SCP-XXX-JPを撮影しうる位置に存在する定点カメラ1は位置や向きを変更するか、映像を改竄してください。SCP-XXX-JP発生中に民間人がバスに乗車した場合は被害者を特定し、カバーストーリー『行方不明事件』を適用してください。インターネット上に投稿された場合、映像の投稿者を特定し記憶処理を施してください。SCP-XXX-JPの映像はweb解析bot-8121(師走)により自動的に削除されます。

説明: SCP-XXX-JPは、青森県██地区内で運行される路線バスに発生する異常現象です。
該当地域内で運行される路線バスの行先表示器には、不定期に『母体』2行きの表示が発生します。行先表示器本体に異常な点や外部から干渉を受けている形跡は確認できません。
異常発生中のバスに人間が乗車する場合、対象人物はその場で瞬時に消失します。消失した人物を追跡する試みは全て失敗に終わっています。 不明瞭ながら映像の受信に成功しました。詳細は下記の実験記録XXX-JP-3を参照してください。
消失を観察した人物は、指摘されない限り消失現象に関心を持たず、「バスに乗って人が消えるのは普通のことである」と感じます。ただし、この精神影響は映像で消失現象を確認することで精神影響を回避、あるいは影響下にあっても脱することが可能です。

発見経緯: SCP-XXX-JPは、「監視カメラにバスの乗客が消える映像が映った」としてネット上に映像が投稿されたことから財団に捕捉されました。投稿者には記憶処理が施され、一版にはカバーストーリー『加工された映像』が適用されています。

実験記録XXX-JP-1 - 日付200█/01/21

実験担当者: ██博士 収容チームXXX-JP

目的: 最初の実験。異常性の確認を目的として行われた。

実施内容: 該当地域内のすべてのバス停にエージェント2名・Dクラス職員1名・監視カメラ1台を配置。すべての路線バス車内にエージェント1名・監視カメラ1台を配置。SCP-XXX-JPが発生し次第Dクラス職員を乗車させ、エージェントは様子を観察する。

結果: SCP-XXX-JPは正常に異常性を発揮。Dクラス職員は消失した。監視カメラの映像では正常に消失現象が確認できた。バス内部・外部の人員はともにDクラス職員の消失を認識していたものの、それに対して「当時は普通のことのように感じた」と報告。映像を確認後は異常として認識するようになった。

実験記録XXX-JP-2 - 日付200█/01/23

実験担当者: ██博士 収容チームXXX-JP

実施方法: 大まかには実験XXX-JP-1と同様。監視カメラは配置しておらず、Dクラス職員にライブカメラ3・通信機・GPS発信機を携帯させ、移動先の探査を指示する。

結果: SCP-XXX-JPは正常に異常性を発揮。Dクラス職員は消失した。Dクラス職員が携帯していたすべての機器からの信号は、乗車と同時に遮断される結果となった。

実験記録XXX-JP-3 - 日付200█/01/23

付記: 当実験は元々計画されていたものではなく、実験SCP-XXX-JP-2の直後に██博士の発案で実行されたものです。

実施方法: 路線バス外からSCP-XXX-JP発生中の路線バス内にライブカメラ・GPS発信機を投げ入れる。

結果: 始めにライブカメラを投入したところ、ライブカメラが消失。続いてGPS発信機・通信機を投げ入れたところ、それらも消失。こちらからの通信は遮断されていましたが、不鮮明ながら内部の情報を得られました。4
受信した映像・GPS発信機の位置情報については以下の映像記録を参照してください。

**映像記録XXX-JP: **

[00:00]: [強い縦ブレとともに、対象バスと同様に見える床が映し出される。車内は薄暗く、床はピンクと深緑色をした未知の粘液で汚れているが、映像が非常に荒く、それ以上の情報は読み取れない。途切れ途切れにエンジン音と、ねばついた音5]が聞こえている。GPSの位置情報は時折途切れながらもバスの運行ルート上を時速15km程で移動している。6]

[00:12]: [何者かがライブカメラを拾い上げ、自分の顔を映す。マイクには歪んだ男性の声で「おい![不明瞭]ことだ! ば[不明瞭]乗るだけのかん[不明瞭]けんじゃ[不明瞭]のか!? こっ[不明瞭]早く出し[不明瞭]!」という声が録音される。カメラを拾い上げた人物は、襟元の意匠や色合いから実験XXX-JP-2で消失したD-7554であると思われる。
背後にはバスの内装に酷似した空間が映っている。しかし、窓の外は床の粘液の色に似た深緑色の肉にピンク色の血管が入った未知の肉塊で埋まっており、それらはゆっくりとバスの後方に流れていくように見える。照明は数本が明滅している状態であり、車内は薄暗い。運転席側に見える行先表示器には「母体」と表示されているように見える。GPSの位置情報はバスの運行ルート上を進み続けている。
すべての座席には、ねじり伸ばされた胎児のような顔面と肥満体形の中年男性のように見える肉体を持つ全裸の人型実体が着席しており、時おり激しく痙攣し、音を立てて座席を揺らしている。]

[02:48]: [GPSの反応が██丁字路を道路の存在しない方向に逸れ、山林に向かう。GPS反応がカーブしたタイミングで映像内のバスが大きく揺れ、D-7554が大きくよろめき、カメラには映っていないが座席側に片手をついたものと思われる。この時マイクはぐじゃりと柔らかいものをつぶす音を捉えている。]

[02:50]: [D-7554は悲鳴を上げて飛びのき、カメラを倒れ掛かった座席にカメラを向ける。映った座席に座っていた人型実体は肩から腹にかけて大きく陥没しており、激しく痙攣しながら徐々に元の形に戻ろうとしている。実体はこちらに注意を向けていないがD-7554は激しく動揺し、カメラをバス入り口のガラス部分に叩きつける。カメラは登り口の段差に落ちる。D-7554が大声で悪態をつき、ドアに体当たりをする音がし始めたことから、ドアに損傷はなかったものと思われる。]

[03:48]: [GPSの反応が███山山中で停止7し、同時にバスが激しく揺れる。マイクではD-7554が転倒したらしい音と動揺する声が録音され、エンジン音が止まっていることが確認できる。]

[03:59]: [D-7554がカメラを拾って車内を映し、「お[不明瞭]うなってんだ?止まった[不明瞭]」と発言。窓の外の肉塊は後方への移動を停止している。この時、すべての人型実体がD-7554に顔を向けているが、D-7554が反応しないことから気付いていないものと思われる。]

[04:00]: [バス前方からドアが開く音が聞こえ、D-7554が短く悲鳴を上げてカメラをそちらに向ける。]

[04:01]: [すべての実体が突如D-7554に殺到する。実体は全員笑顔であり、なにかを発話しているとみられるが、足音・揉みあう音・D-7554の悲鳴と罵倒でかき消され、聞き取ることができない。カメラは投げ出され、後部座席付近の床に落ちる。以降、映像は床を映すのみであった。]

[04:24]: [D-7554の悲鳴や嘆願と、大きなものを引きずる音が遠のいていく。バス前方の出口に向かっているものと思われる。実体は発話し続けているが、D-7554の悲鳴に打ち消され、やはりはっきりとは確認できない。]

[04:44]: [すべての音が聞こえなくなる。バスを出たか、乗車時とに同様に消失したものと考えられる。以降は無人の座席を映し続ける。]

[05:35]: [通信が切断される。]

補遺: 201█/██/██現在、該当地域内で運行されているバス路線が残り1本まで減少しました。これは利用客の減少に伴う非異常性の廃線によるものと断定されています。運行されるバス路線がなくなった場合、SCP-XXX-JPの異常性が予期せぬ変化を見せる可能性があるため、残った運行会社への資金援助が立案されていますが、現在審議中です。