Spicy Chili Peppers !
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或いは Sally forth or Charge, before Pursuit !

最終更新は「ここは狐の縄張り」
なんか、近代史の資料漁って、記事の完成はどーでもよくなってきた様な…。





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20██/██/██の発現予想地域

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Pending Euclid

特別収容プロトコル: 日本国内におけるSCP-XXX-JPの発現地域、時刻の予想は確立されています。この発現予想はサイト-81█9より、発現地域中央地点に最も近い施設に報告されます。サイト-81█9からの発現予報を受けた施設は、直ちに回収部隊き-0("籠の鳥")部隊長に知らせて下さい。施設に同部隊が編成されていない、または部隊長が任務を遂行できない、と判断した場合、最寄りの回収部隊き-0("籠の鳥")を有する施設へ連絡して下さい。発現予報から発現時刻までは、最短でも6時間1分35秒の猶予が確認されています。

発現予報で伝えられた地域は、発現時刻の43分前までに確保、封鎖して下さい。封鎖完了後はSCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-3が回収段階に移行するまで、光線(赤外線、紫外線など人間には視認出来ない物も含まれます)を発する装備と無線の使用が禁止されます。火器のレーザーポインターなども禁止対象です。暗視ゴーグルやサーマルゴーグルなどの装備で対応し、隊員間の意思疎通は身振りなどの発声を伴わないものに限定して下さい。月明かりが利用出来る場合、鏡を用いて反射光を利用するのが効果的です。

発現地域封鎖後、回収部隊き-0("籠の鳥")の特務小隊は、発現地域に徒歩で侵入して下さい。乗り物を用いての侵入は禁止されています。侵入は発現時刻の13分前までは禁止されています。以降は発現地域中心地点まで進み、速やかに発現儀式を行ってSCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-3を回収して下さい。

説明: SCP-XXX-JPは突然の失踪事件を引き起こす霊的存在だと考えられています。晴天時の降雨現象がSCP-XXX-JPの、現実への干渉を予兆しているようです。

この為、財団日本支部は気象庁が設置している雨量観測計に加え、発現多発地域に気象庁の設備に酷似した雨量観測計を、独自に設置しています。この雨量観測計は、気象庁が設置している雨量観測計内に組み込まれている場合もあります。この事実は、財団日本支部職員を除けば、皇族と宮内庁の一部職員、日本国内閣総理大臣、及び内閣官房長官にのみに知らされています。関係者の警護担当に付いた警視庁警備部警衛課第一~第三係、及び同部警護課第一係に潜伏中の財団職員は彼らの言動に注意し、他者への曝露が確認され次第、聴衆者にレベルB記憶処理を施すと共に、発言者にレベルA記憶処理を行なって下さい。

1981年8月11日に打ち上げられ、静止軌道に投入された気象観測衛星GMS-2、通称「ひまわり2号」以降の気象観測衛星には、財団日本支部によるNASDA(2003年10月1日付でJAXAに統合)への介入によって、より精密な雨雲観測装置が搭載されています。この観測データは、財団日本支部が開発した暗号変換装置を介して、サイト-81█9へ送られます。サイト-81█9は日本各地の詳細な降水量と、気象情報を精査する事で晴天時の降雨現象を捕捉します。この際の気温、湿度、風向きと風速、及び降水量から、単なる気象現象か、SCP-XXX-JP発現前兆かが検討されます。SCP-XXX-JP発現前兆と判断された場合、前述のデータに基づき、発現地域と発現時刻が特定されます。長年に渡る研究により、発現地域は半径308m、発現時刻は±13分まで絞り込まれています。

尚、気象予報がビジネスとなった現在、サイト-81█9のみが独占する精細な雨雲データは、絶えず露呈の危険をはらんでいます。財団フロント企業として、気象予報会社「Sincere Cert Purveyors」の設立が提案されていますが、税金を用いて打ち上げられた気象観測衛星である以上、同社が雨雲データを独占していると受け止められる危険性が提起されています。財団フロント企業「Sincere Cert Purveyors」を設立するか、財団日本支部独自の気象観測衛星を打ち上げるか、は継続審議案件となっています。

SCP-XXX-JPが霊的存在の為か、現実世界に直接干渉した事例は確認されていません。SCP-XXX-JPは現実世界の生命体を道具として利用するようです。SCP-XXX-JPが現実世界に干渉する為に利用する生命体は、以下のSCP-XXX-JP-1~3が確認されていますが、2の生体は発見されていません。また、SCP-XXX-JP-4が存在するのかに付いても、継続して研究、調査が行われています。

SCP-XXX-JP-1はホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)及びキタキツネ(Vulpes vulpes schrencki)の生体標本と、発現儀式において回収された生体を指します。生体標本のSCP-XXX-JP-1は頭蓋骨のヒビと脳表面に圧迫されたと見られる内出血が認められる為、脳浮腫により死亡したと考えられています。一方で回収に成功したキツネに異常性は確認されていない為、検査の後、回収地域に放つ事が推奨されています。

SCP-XXX-JP-2の生体は発見されていません。財団が保管するSCP-XXX-JP-2はホンドタヌキ(Nyctereutes procyonoides viverrinus)の生体標本ですが、SCP-XXX-JP-1同様に頭蓋骨のヒビと、脳表面に内出血が見られる為、脳浮腫が死亡原因と考えられています。

SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-1を介して特異性を与えられた人間です。全身に青白い炎を纏っていますが、この炎に熱はありません。肉体と精神を乗っ取られ、青白い炎を纏うようになる以外の特異性は確認されていません。SCP-XXX-JP-3は平安時代、戦国時代などの言葉や、発現地域に伝わる方言で会話しますが、稀に漢語、タイ語、タガロク語などの東南アジア言語を使います。彼らの言動から察するに、明治維新を境に日本人が仕える主人を変えたと考えているようです。SCP-XXX-JP-3の特異性はSCP-XXX-JPが人間との接触を中止すると同時に消失します。この間、SCP-XXX-JP-3になっていた人間は、過去の出来事を体験しているようです。この体験はSCP-XXX-JPの記憶ではないか、という提起がなされています。特異性を失ったSCP-XXX-JP-3は検査の後、通常業務に復帰させて構いませんが、過去の記憶によってはA~Cクラスの記憶処理が必要になる場合があります。

本オブジェクトは第二次世界大戦後、財団日本支部が[編集済]される過程で、蒐集院から譲渡されたオブジェクト群に含まれていました。しかし、実態がわからず、分類を保留されたオブジェクトも少なからず存在していました。本オブジェクトもその中の一つでしたが、収容実験の成功により、SCP-XXX-JPに分類されました。分類されるまでの経緯は、具申書 ██-2、聴取記録 ███-8及び第五回収容実験記録を参照して下さい。




 
財団日本支部から詳細な気象図の提供を依頼されたO5評議会は、聯合軍最高司令官総司令部 GHQ/SCAP(General Headquaters, the Surpreme Commander for the Allied Powers)参謀部G2内の財団に精通した人材を財団日本支部との窓口とし、電話、電文による通信体制を確立しました。しかしながら、GHQ/SCAPとアメリカ軍太平洋艦隊総司令部 GHQ/AFPAC(U.S.Army Forces Pacific)の管轄下にある民生局GSとの対立に少なからず影響を受ける事になりました。これはG2が占領政策を行う機関であり、同時に未分類のオブジェクトが占領軍兵士の被害を憂慮したのに対し、現実主義を旨とするGSの体制に起因するものと思われます。GS側から見れば、在りもしない超常現象を盾に、気象図、及び気象予報図という戦略的、戦術的機密情報を要求する財団日本支部は身の程を弁えない集団であり、それに協力するG2は財団日本支部に騙されている、と考えられていた様です。また、現実主義者であるダグラス・マッカーサー元帥に報告する事無く、G2が財団日本支部に便宜を図ろうとしている、と受け止められた為、G2とGSの対立はより如実なものへとなりました。この時期、G2士官はGSからのあからさまな妨害を受けたと非公式に述べています。また、松沢氏のかつての上司に当たる蒐集院関係者達はG2とGSの対立を利用し、オブジェクトの資料を処分した、という噂もありました。事実、松沢氏が門前払いを受けた蒐集院の幹部宅へ財団日本支部がMP派遣の要請しましたが、おそらくGSと思われる組織の介入により家宅捜索は実現しませんでした。MP派遣が中止となったその日に、蒐集院幹部宅は全焼し、割腹自殺を図ったと思われる遺体が発見されています。これらから、GSもまた利用され、重要な書類も消失したと考えられています。

回収部隊き-0("籠の鳥")は、財団日本支部管理下にある全ての施設に編成されてはいません。これはSCP-XXX-JP発現儀式と関係しています。発現儀式において、日本各地の方言に精通し、古代日本語と少なくとも二つ以上の中国大陸言語、出来れば東南アジア諸国の言語にも詳しい人材が求められる為です。この様な人材は貴重な為、全ての施設に回収部隊き-0("籠の鳥")を編成する案は凍結されています。

回収部隊き-0("籠の鳥")部隊員は、施設内の全職員から志願、選抜されています。部隊長を含む隊員は、本来の業務と兼任する形で同隊を編成しています。これは単に、SCP-XXX-JPの発現予報自体が極めて稀な為、財団が下した経費削減策によるものです。SCP-XXX-JPの発現予報がなかった年も確認されており、非常設部隊とされています。



補遺: 現在の発現予想数と、日本国内で発生する失踪事件数を鑑みるに、SCP-XXX-JP-2の収容体制の構築が急がれています。

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