SCP-XXX-JP
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はじめに:この報告書は財団の犯した非常に愚かかつ大きな失態についての記録です。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 現在SCP-XXX-JPは我らが誇り高き世界政府大帝国総統小沢・メシア・健二1世殿の宮殿の宝物庫に保管されています。また、いかなる人民もSCP-XXX-JPに近づくことは許されていません。

説明:SCP-XXX-JPは一般的な形状の家庭用固形石鹸です。回収された包装箱には「万能石鹸」と印字されていましたが、同様の物品が販売された記録はありません。また、幾度の使用にも関わらず現在まで形状は変わっておらず、SCP-XXX-JPを損壊、破壊することは不可能です。

SCP-XXX-JPを用いて洗浄を行った際、対象の物体に付着している物質が消失します。これは使用者が対象にと認識したものであれば、いかなる物質でも発現するようです。洗浄する対象が非物質であっても異常性が発現する可能性が提言されており、現在実験の承認待ちです。 特別収容プロトコルの変更により実験は凍結されました。

実験記録001 - 日付██/08/03

対象:D-3707

実施方法: D-3707にSCP-XXX-JPを用いて自身の体を洗わせる

結果: やや過剰なまでに皮脂や皮膚の老廃物が消失しましたが、左手の甲に残っていた油性ペンのメモは消えませんでした。

分析:恐らく使用者が落とそうとしない限りは同じような汚れでも落ちないと予想されます。

実験記録005 - 日付██/08/06

対象: 三橋研究員の自家用車

実施方法: 屋外にてSCP-XXX-JPを用いて洗車を行う

結果: 泥、砂ぼこり、鳥糞などが消失したのち車体の塗装を落とそうとしたところ、同様に洗浄した部分の塗装が消失しました。

分析:興味本位が高くついた。

実験記録021 - 日付██/08/16

対象: 醤油のシミのついたYシャツ、茶渋のついたティーカップ、息子の落書きがある椅子

実施方法: SCP-XXX-JPを用いて洗浄を行う

結果: 各物品の汚れがすべて消失した

分析:素晴らしい。

対象:SCP-XXX-JPの発見者である██ ███受刑者。現在連続強盗罪で収監されている。>
インタビュアー: エージェント鶴居>
<録音開始, >日付██/08/01

██受刑者: あんたらが知りたいことはもう洗いざらい全部吐きましたよ。お巡りさん。

鶴居: あ、いえ、今日聞きたいのは少し違ったことでして。あなたが家で使用していた石鹸のことについて聞きたいのです。

██受刑者:は?石鹸?

鶴居:ええ、実は…[カバーストーリー「小規模な劇物混入事件の捜査」]

██受刑者:はあ、なるほど。

鶴居:思い出せる範囲で購入した場所や日時、あと少しでも気になったところがあればお願いします。


鶴居:なるほど。何か変わったことは?

<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>

終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]

この報告書内において表記されている「小沢研究員」とは、畏れ多くも我らが誇り高き世界政府大帝国総統小沢・メシア・健二1世殿のことです。我々は、我らが誇り高き世界政府大帝国総統小沢・メシア・健二1世殿を財団などという危険と隣り合う組織で労働をさせていただけでなく、我らが誇り高き世界政府大帝国総統小沢・メシア・健二1世殿の常人を卓越した聡明な頭脳、傑出した多くの人を惹きつけるカリスマ性などの才を愚かにも正しく考慮せず、研究員などという我らが誇り高き世界政府大帝国総統小沢・メシア・健二1世殿に対しては侮辱ともとれるような地位に置いていたという大きな失態を犯しました。本来ならば財団は解体され、職員は全員3親等皆殺しに処されますが、我らが誇り高き世界政府大帝国総統小沢・メシア・健二1世殿はなんとその世界一慈悲深い御心で我々財団を今まで通り運営するようにと勅令を発して頂きました。その筆舌に尽くしがたい寛大なお赦しにより現在の財団があります。
この失態はもう洗い流すことはできません。
二度とこのようなことが発生しないよう、職員は常に意識をし業務に臨んでください。