Log2

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト8181の低危険物収容ロッカーに保管し、毎日朝、夕に1回ずつ、愛猫家のDクラス職員1名に全てのSCP-XXX-JP-Bを摂食させて下さい。適任者が居ない場合、他の職員で代用しても構いませんが、動物虐待の前科を持つ、またはその兆候がある職員は非推奨です。

説明: SCP-XXX-JPは直径15㎝深さ5cmの円柱型の動物用餌皿(SCP-XXX-JP-Aと指定)とその中に乗せられた10粒の猫型のチョコレート(SCP-XXX-JP-Bと指定)です。
 SCP-XXX-JPは19██年に██県█市にある██荘の█号室で発見されました。当時、█号室に住んでいた███ █氏は室内にて死亡しており、後述するSCP-XXX-JPの特異性により右隣の部屋に住んでいた40代の男性が█号室に不法侵入し、SCP-XXX-JP-Bを摂食していたことが警察に通報され収容に至りました。関係者には記憶処理が施され、経過観察の後解放されています。
 1日に2回、午前7時時点と午後6時時点でSCP-XXX-JP-1内には10粒のSCP-XXX-JP-Bが出現します。SCP-XXX-JP-Bの成分は微量の猫の唾液を含んでいる点を除けば一般的なカカオ分60%のチョコレートと一致しています。SCP-XXX-JP-Bを一口摂食した人間は、一定時間をかけて全てのSCP-XXX-JP-Bを完食します。これは本人の意思に関係なく、いかなる妨害を受けても例外なく完食しています。
 SCP-XXX-JP-Bを摂食した場合の作用は、摂食した人間のネコ科の動物に対する感情や日頃の扱いによって変化します。好意的な人間が食した場合通常の美味なビターチョコレートと報告しますが、関心が薄い、または否定的な人間が摂食した場合、悪感情に比例した体調不良を報告しました。
 SCP-XXX-JP-Bが出現して3時間以内にSCP-XXX-JP-Bが摂食により消費されていない場合、SCP-XXX-JPは最も近い人間にSCP-XXX-JP-Bの摂食を促す精神作用をもたらします。この効果は数分ごとに範囲拡大と精神作用の強化を起こすため、現在のプロトコルが制定されました。

実験記録001 - 日付19██/██/██

対象: D-XXX-JP-1

実施方法: D-XXX-JP-1にSCP-XXX-JP-Bを摂食させる

結果: D-XXX-JP-1は一口目で「不味い、腐ってるのか?」と発言。摂食中嘔吐感、腹痛、動悸、胃の異物感を報告しながら10分ほどで完食。D-XXX-JP-1の体調不良は5時間ほど継続した後完治した。

分析: 一般的な食中毒の症状に見えますが、診断の結果この症状はネコ科の動物がチョコレートを摂食した際の中毒症状、すなわちテオグロビン中毒に類似しているという点は特筆に値します。SCP-XXX-JP-Bの形状とこの症状から、SCP-XXX-JPは猫に関係したオブジェクトと考えるのが自然でしょう。

実験記録002 - 日付19██/██/██

対象: D-XXX-JP-2(過去に猫を飼育しており、現在も動物に好意的であることを確認済み)

実施方法: D-XXX-JP-2にSCP-XXX-JP-Bを摂食させる。

結果: D-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-Bを「普通の美味しいチョコレートだ」と評価し、10分ほどで完食。D-XXX-JP-2は途中から吃逆を起こしたが数分で治るものでありそれ以上の体調不良は見られなかった。

分析: 猫に好意的、または親しい間柄の人物であれば症状はほぼ発現しないと推測できます。また、D-XXX-JP-1の時は癖か中毒症状の影響かと思われていましたが、D-XXX-JP-1とD-XXX-JP-2の摂食時間がほぼ変わらないことから確認したところ、摂食者は日頃の食べ方に関わらずSCP-XXX-JP-Bを噛まずに口内で溶かして消費するようです。

実験記録003 - 日付19██/██/██

対象: D-XXX-JP-3(過去に猫を含む多数の動物虐待、殺害の前科があり、確認済み)

実施方法: D-XXX-JP-3にSCP-XXX-JP-Bを摂食させる。

結果: D-XXX-JP-3は摂食を開始した直後、苦悶の表情を浮かべその場に蹲った。D-XXX-JP-3の皮膚が徐々に猫科の動物の毛皮と思われるもので覆われ、体積が3倍ほどに膨れ上がる。警備員を投入し実験の中止が試みられたが[編集済]。10分ほどでD-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-Bを完食。直後D-XXX-JP-3の肉体は融解し頭部の一部を残し消失した。>
分析: 前述のテオグロビン中毒が激化すると予想していましたが、これまでの症状とは異なる結果となりました。また、摂食を中断させる試みは危険を伴うため以後禁止とします。

実験記録004 - 日付19██/██/██

対象: 実験用モルモット1匹

実施方法: モルモットにSCP-XXX-JP-Bを摂食させる。

結果: モルモットはSCP-XXX-JP-Bを摂食せず、午後6時を過ぎた時点で、モルモットを監視していたD-XXX-JP-2に摂食欲求をもたらした。

分析: 人間にしか影響を及ぼさないのでしょうか?

実験記録005- 日付19██/██/██

対象: 実験用イエネコ1匹

実施方法: イエネコにSCP-XXX-JP-Bを摂食させる。

結果: イエネコはSCP-XXX-JP-Bを摂食。イエネコの様子に変化はなく、10分ほどで完食した。

分析: モルモットとは違いSCP-XXX-JP-Bを摂食した事、通常起こるはずのテオグロビン中毒の反応が見られなかったことは特筆に値します。また、イエネコの体調に変化が見られなかったことから、SCP-XXX-JP-Bはイエネコに無害であると推測できます。現在の収容プロトコルがイエネコでも代用可能ならば、プロトコルの更なる効率化が期待できます。