メタタイトル: lunatic troublesomeness
SCP-XXX-JPの全景。"ファーカレス"により撮影された。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは財団所有の月周回衛星"ファーカレス"により、常に監視されます。SCP-XXX-JPに変化の兆候が見られた場合、緊急プロトコルXXX-JP-815に従い対処してください。1週間に1度、規定の手順に従い、ヒトの眼球をSCP-XXX-JPに投入してください。
"錐体楼"を自称する団体からのメッセージを受信した場合は、直ちにサイト管理官に連絡してください。その後、緊急性が高い場合には策定された手順に従い行動してください。
説明: SCP-XXX-JPは、月面の裏側に存在する巨大な眼です。ヒトの眼に酷似した構造をしており、不明な原理により瞳孔や瞼などのヒトと同様の運動を非常に長いスパンで行っています。付近には何者かによって開けられた形跡のある穴が存在し、SCP-XXX-JPの瞼にあたる部分を貫通しています。現在、この穴は後述する目的で眼球を投入するために使用されています。
SCP-XXX-JPは時間経過により徐々に開き、完全に閉じている状態から開ききるまでに約2か月を要します。この変化はSCP-XXX-JP内にヒトの眼球を投入することにより抑制でき、追加で投入することで閉じ始めます。SCP-XXX-JPは完全に閉じている状態では視認が不可能です。そのため、財団による秘匿・異常性の抑制を目的としたSCP-XXX-JPへのヒトの眼球の投入が行われています。現在、ヒト臓器クローンプラントe-███, e-███がこの目的のために使用されています。
SCP-XXX-JPが開ききった場合、異常性を持った空間(SCP-XXX-JP-1に指定)がSCP-XXX-JPの周囲に出現します。SCP-XXX-JP-1が出現している間、SCP-XXX-JPは徐々に閉じ、それに伴ってSCP-XXX-JP-1も縮小します。SCP-XXX-JPが閉じきると、SCP-XXX-JP-1は消失します。
SCP-XXX-JP-1の内部に人間(以下対象と呼称)が侵入すると、眼窩に月の岩石と同一の組成の岩石が、眼球と置換する形で出現します。元々存在した眼球がどこに行ったのかは不明です。この際、出現する岩石の大きさは、対象の年齢が高いほど大きくなる傾向にあり、おおよそ直径(年齢 ± 10) cmとなります。多くの場合、出現する岩石により対象の頭蓋が破壊される、脳が強く圧迫されるなどして対象は死に至ります。
SCP-XXX-JP-1への人間以外の動物の侵入は、ごく軽度の不快感・めまいなどを引き起こしますが、人間の場合のような異常性は発現しません。この影響はSCP-XXX-JP-1外に出ても継続しますが、SCP-XXX-JP-1が消失すると解除されます。
ヒトの眼球と酷似した構造や人間のみを対象とした異常性から、SCP-XXX-JPが出現した時期は人類の発生以後と推測されますが、起源に関する情報は判明していません。月の発生時から存在していた可能性や後述の団体との関連も含め、現在調査中です。
20██/██/██ 、全ての月面サイトが同時に、英語・日本語・中国語・フランス語・ロシア語・韓国語・ポルトガル語・ヘブライ語・シュメール語・エスペラントにより書かれた文章を受信しました。また、同時に記されていた未知の文字により構成された文字列も、同様の内容を表していると推測されます。
これを受け、もっとも近くに位置していた日本支部月面サイト-3281により土野研究員が派遣され、情報の信憑性が確認されました。その後、添付されていたオブジェクトの情報をもとに、新井博士によりオブジェクトクラス・特別収容プロトコルが制定され、日本支部による収容下におかれました。
財団により収容される以前は、"錐体楼"と自称する団体により管理・保護・秘匿されていたとみられます。どのようにして財団・その他団体に捕捉されずに管理をしていたかは不明です。
月の、あなたたちにとっての"裏側"に存在する巨大な眼を譲りたいと思います。
今までは私たちが代理として管理・秘匿していましたが、あなたたちの技術力は十分発達し、もうこの眼を私たちが管理する必要は無くなりました。
貴重な資源を私たちだけで占有するわけにはいかないですし、月は地球の衛星ですからね。あなた達にお返しする方がいいでしょう。
この眼をあなたたちが役立てられるよう、詳細な情報を添付しておきます。
是非、お使いください。
錐体楼
どうやって役立てればいいんでしょうか。送られてきたメッセージには記されていませんでしたし、使い方は教えてくれないんですかね。 - 新井博士
アイテム名: Cかんじょう
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準人型密閉カプセルを備えた強化収容チャンバーに収容してください。1日に4回、SCP-XXX-JPに鎮静剤を混ぜ、休眠状態を維持してください。SCP-XXX-JPが開封状態になっていることが発見された場合、直ちに担当職員は鎮静剤を投与するか、SCP-XXX-JP-Aが出現している場合は、直ちに機動部隊は-12("ゼウスの贈り物")に通報してください。
説明: SCP-XXX-JPは、20代後半とみられるギリシア人女性です。後述する特異性の他には、身体的に一般的な女性と差異は見られません。
SCP-XXX-JPは、ちょうど12時間ごと、"休眠状態" "開封状態"と呼ばれる状態に偏移します。具体的には、日本時間午後9時から午前9時までが休眠状態、午前9時から午後9時までが開封状態です。また、鎮静剤により、常に休眠状態下におくことが可能です。
SCP-XXX-JPは休眠状態に偏移する際、体が完全に液化し、以後12時間が経過し再び開封状態となるまで反応を示さなくなります。開封状態に偏移する際、体は固化し、人型に戻ります。
開封状態にあるSCP-XXX-JPは、1時間ごとに異常実態(SCP-XXX-JP-A群と指定)を身体から分離するように生み出し、それに伴い特定の感情を喪失します。SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JPが休眠状態に変異する際、できる限りSCP-XXX-JPに近づこうとし、最終的には同化します。同化できないまま1分が経過すると、瞬時に液化し、異常性を失います。
各SCP-XXX-JP-Aはそれぞれ異なる外見と異常性を持ちます。生み出されるSCP-XXX-JP-Aや、喪失する感情の順番は一定しており、SCP-XXX-JP-Aはそれぞれ共に消失する感情を大まかに捉えた姿をしています。また、すべてのSCP-XXX-JP-A実体の持つ異常性は、SCP-XXX-JPおよびSCP-XXX-JP-Aには効果がありません。
以下に示す物が、SCP-XXX-JP-Aに関する簡易的な表です。
番号 |
喪失する感情 |
外見 |
異常性 |
備考 |
A-1 |
自責 |
十字架に逆向きで磔にされた悪魔に見える実体。 |
周囲の人間を不明な手段により空中に宙吊りの状態で固定する。 |
常に浮遊している。 |
A-2 |
服従心 |
首輪のようなものが身体中に絡みついた男性。 |
姿を視認した生物の脊髄は損傷し、下半身不随になる。 |
N/A |
A-3 |
絶望 |
約3メートル程度の男性。光を全く反射せず、完全な黒色。腹部から手のようなものが突き出しているように見える。 |
触れた生物の脳を沸騰させる。 |
N/A |
A-4 |
ルサンチマン |
5センチメートル程度のネズミから無数の腕が伸びているように見える。 |
周囲の人間は肥大化し、破裂して死亡する。 |
N/A |
A-5 |
シャーデンフロイデ |
Pandoravirus salinusに酷似した、2メートル程度のウイルス。 |
周囲の人間は自身を摂食し死亡する。 |
一切動かず、外界からの刺激にも反応を示さない。 |
A-6 |
後悔 |
「πίθος」と彫られた甕。蓋は開いている。 |
姿を視認した人間は強い侵入衝動を覚える。内部の構造は不明。 |
内部からは常に啜り泣く声のようなものが聞こえる。 |
A-7 |
欲望 |
直径1メートルの白色の球体。いかなる計測結果も立方体であることを示している。 |
周囲の人間を正四面体に変える。 |
常に高速回転している。 |
A-12 |
[編集済] |
全長およそ7キュービットの人型実体。概ね4枚の翼状の付属物がある。額にはἐλπίςと刻まれている。 |
[編集済] |
N/A |
Cかんじょうというのは、社会のプリントの資料に書いてあった文字です。
意味はいまだにわかっていません。干城(たてき)の下ルビとして振ってあったやつのようです。でもかっこいいのでOKです。
背景として、パンドラの箱をモチーフにしています
Cは、十六進法では12を表します。開封状態の12時間とかけています。