- トールキン裁判
- 廻り舞台
- カテドラル
- 信仰
- コルベス
- しかし、誰が見張りを見張るのか?
- おふくろの味
- 15分で誰でも有名人になれるだろう
- 血も涙もない
- 切って揃えて型に嵌めて
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- 吹消婆
- 正義症候群
- 激情
- 白雪秘
- ネタ帳
- めざせアトリビュートタグマスター!
アイテム番号: SCP-2000-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2000-JPは周囲を封鎖し、24時間監視体制下に置いてください。インシデント2000-JP以降、"プロトコル - 無常"施行のため、北面の建造物には人員を常に2名以上駐在させることが決定されています。他要注意団体との共同管理体制は継続され、相互監視体制の定期確認が行われます。
説明: SCP-2000-JPは山梨県青木ヶ原樹海内に存在する半径約2kmの異常空間です。
SCP-2000-JPは不可視の隔壁によって内部への侵入を阻害しています。隔壁は何らかの霊的技術を用い、多次元交錯的に構築されたものであると推測されており、内部への侵入、隔壁の破壊などの行動に対する意欲を著しく減衰させる効果が確認されています。組成も不明であり、財団による破壊実験ではタングステン鋼、花崗岩、未知の生体組織などが採取されました。
SCP-2000-JPにおける隔壁には四棟の建造物が確認されます。それぞれ東西南北に設置されており、現在日本国内で活動する要注意団体及び連合の意匠が確認されます。以下はその一覧です。
対応する方位 | 確認される意匠 | 備考 |
---|---|---|
東 | 東弊重工 | 外見は一般的な小規模工場と同様。内部から不明な金属音が確認される |
南 | 日本生類創研 | 鉄筋コンクリート製と推測される三階建て。生体的な挙動を取ることが確認される |
西 | "穴熊"1 | 江戸期の長屋に類似した集合住居。空間の異常伸長が確認される |
北 | 蒐集院 | 寝殿造りの邸宅。1945年、蒐集院を財団が吸収したことにより管理を移譲される。複数のSCP-052-JPが貼られており、これらを除去する取り組みはすべて失敗している |
20██/██/██現在、財団によるSCP-2000-JP内部への侵入は北の北面の建造物を通じてのみ可能です。SCP-2000-JP内部は深い霧に包まれており、約20km程と推測される異常な空間拡張が行われています。また、外部からの奇跡論的エネルギー流動を選択的に行っていると推測されるほか、現実性の揺らぎが頻繁に確認されるため、適切な装備を使用しない状態での侵入は危険とされます。これらの条件にもかかわらず、SCP-2000-JP内部には明確な四季の変化及び生態系が維持されていることが確認されます。
SCP-2000-JP中央部には高位神格実体と同様の独自放射を発生させる実体(以下、SCP-2000-JP-A)が存在しています。SCP-2000-JP-Aの様相は視認者により僅かに変化しますがおおまかに東洋伝承における龍、あるいは西洋伝承におけるドラゴンと類似していることが確認されています。現在、SCP-2000-JP-Aは活発な活動を行わず、多くの場合休眠状態にあると推測されます。
この様相は周囲の建造物及び"プロトコル - 無常"によって現実性を固定されたものであり、本来は球状の時空間異常(以下、SCP-2000-JP-A-α)であるとされます。SCP-2000-JP-A-αは周囲から現実子やエネルギー等を含む一切の存在を吸収します。これによってSCP-2000-JP周囲の現実は崩壊し、静止すると推測されます。
"プロトコル - 無常"概要: "プロトコル - 無常"は財団を含む複数の要注意団体によって行われる対現実奇跡論的儀礼です。方法はSCP-2000-JP周囲の建造物において特定の文言を唱えることでしたが、後年の調査により各建造物において特定の音律、音域を用いることで同様の効果が得られることが判明しており、2000/01/01現在、定期的なメンテナンスの施行と24時間の監視体制に置くことによる完全な機械化が行われています。これは東弊重工、日本生類総研においても同様の結論に達したと推測され、現在西面を除く建造物は無人です。
SCP-2000-JPは1945年、蒐集院が財団に吸収されるにあたり、複数のオブジェクトと共に接収されたうちの一つです。当初は81管区による収容が行われていましたが、SCP-1500-JPの接収に伴い管理が移譲されました。上述の推移を経たこととプロトコル - 無常施行のため、SCP-2000-JPには蒐集院時代の収容ノウハウ及び他要注意団体との協力が限定的に了承されています。以下は移譲当時、担当研儀官に対し行われた聴取記録です。
聴取記録XXX-JP-01 - 日付 19██/██/██
対象: ██研儀官
インタビュアー: ██博士
<再生開始>
██博士: ではあの空間について確認したい。あの空間は何だ? あの龍は?
██研儀官: あれはな、穴だ
██博士: それは概念的なものか?
██研儀官: いや、穴というよりほかにないのだ。『頭山』という落語を知っているか?
██博士: ああ、さくらんぼの種を飲み込んだ男の頭から桜が生えるという話だな?
██研儀官: あれと同じだ。桜主をひっこぬいた穴があれだ。もしくは桜主を生み出す和魂とするならば、あれはその別たれた荒魂なのかもしれんな
██博士: つまり、SCP-1500-JPを移譲する際に何らかの時空間異常が発生したということか? 最初からそうなると気づいてそれを行ったのか?
██研儀官: 馬鹿な。そもそも桜主の移譲は永久に世界を保たんとする意思の下だ。[5秒沈黙]もっとも、医局の連中や例の学者をはじめ、こうなることに気づいていた輩はいたのだろうが
██博士: 話を変えよう、その時空間異常をどのようにあの形にまで変化させた? 現実改変か?
██研儀官: あれは形を与えただけだ。正確には形を与えることで鎮めたのだ。あれはないというものがある状態だった。それは周囲のあるを侵食する。そちらの言葉で言うならば現実性の浸食か? ただ、あそこには何もない、長野の大ウツロも同じようなものだと聞く。もっとも、あれは何が原因で生まれたかは分からんらしいが
██博士: なるほど、現実性の侵食を形を見立てることで収めた、いや、あちらの現実改変を利用したのか? スクラントン現実錨での応用も可能だろうか
██研儀官: それはやめておいた方がいい。お前たちの技術は他の時空から意味を引き出しそれで固定しているのだろう。あれにそういった縁を与えるのは勧めない。あれは揺らぎ続けさせるべきだ。だから私たちは太極を両儀に分化し四象とした。そこから相性のいい五行を用い、陰陽から水と火を、そこから木と金を、最後に土を生み出しそれをあれの意味に当てた
██博士: どういうことだ?
██研儀官: 停滞させてはいけない。あれは秩序だった混沌だ。そちらの言葉で言うならば閉鎖された系の中で静止した粒子だ。土とは五行の中で最後に生まれるものだ。それでいながら五行を統べるものだ。生滅流転、五行はそれぞれに剋ち、それぞれを生む。それを見立てた。閉鎖された系の外部から熱を与え、それを形とする。あれを封じ込めるために必要なのは関係だ、意味だ。いずれ科学がそこに追いつく日も来るかもしれないが、今はまだ早い
██博士: 単なる機械による収容ではオブジェクトへの影響が単一となり、完全ではないということか。そのために複数の音声を使用し、パルスに変化を与え続けることで対抗されるのを防いでいると。他の要注意団体に協力を仰いでいるのもそれが理由か?
██研儀官: そうだ、我々は相互に作用する。人と人、組織と組織の関係はいわば巨大で不安定な場を形成する。その縁を五行という見立てでもってあの穴を黄龍として封じ込めている。桜主と四神の関係が深くあったことにも助けられたがな
██博士: 単刀直入に聞かせてもらいたい。その封じ込めは成功しているのか?
██研儀官: 完全にはしていないだろうな、穴をふさぐのは不可能だ。お前たちも心当たりの一つ二つはあるだろう、その穴を空けたのは私たちなのだから。『頭山』のオチは知っているか?
██博士: ああ、頭の穴に落ちて死ぬのだったか
██研儀官: そうだ、私たちはそれを先延ばしにしているだけだ。あの龍は今まで気づかなかったそれの象徴だ。永遠に世界があると思い込んだ傲慢の否定だ
██博士: だが、蒐集院は、そして他の団体も続けているのだな。あの龍を鎮めることを
██研儀官: そうだ。今ここにある意味を否定することはできない。あの龍がなにもないのにあるのだから、ここにある意味がなくともいい。だから我々は桜主を愛したのだ、揺れ動き、いつの日にか朽ち繋ぐことこそが縁であり、あれを縛る糸なのだから。機械仕掛けの神で満足してはならない、私たちは自らの手で廻り舞台を動かす権利がある。それがいつか壊れるものであろうとも
<録音終了>
補遺2000-1: インシデント2000-JP(通称"廻り舞台")概要
インシデント2000-JPは20██/██/██、SCP-2000-JPに対し複数の要注意団体構成員による襲撃及び、それに付随したSCP-2000-JP-Aの遡及を受けたZK-クラスシナリオに繋がる可能性のあったインシデントです。このインシデントは五行組織、負号部隊、日奉一族、アマテラス機関により引き起こされました。各組織はSCP-2000-JP-A-αの活性化を行い、現実の停止及び秩序の再構築を想定していたとされます。このインシデントにあたり、財団はJAGPATOを通じ世界オカルト連合及び日本国政府と一時共同作戦に移行、SCP-2000-JPの収容に関連するGoIとの協力交渉を行いました。
補遺2000-2: SCP-2000-JP会合記録
出席者: 財団所属 / 後清水博士兼収容スペシャリスト
東弊重工所属 / 赤金渉外員
日本生類創研所属 / 鮫島外来連絡調整担当室員
[[再生開始]]
後清水博士: 事実確認を行いましょう。現在、SCP-2000-JPは複数の団体の襲撃を受けている状態です。現地エージェントの報告から攻撃者は五行結社の独自機動部隊、大日本陸軍特別医療部隊、通称負号部隊を主体とした混成部隊であると推測されています。各団体はレイラインを通じ直接2000-JP内部に侵入したと推測されます。現在は各建造物から発されている音声を逆位相の音声で打ち消しているようです。我々はJAGPATOを通じ世界オカルト連合に共同事態宣言を行い連合もこれを了承、共に事態の鎮静に向かっています。侵入経路及び行動に何か疑問点などはありますか?
赤金渉外員: 攻撃の経緯はこちらでも確認しました。各構造物はそれぞれ隠秘術により強固な結界が施されていますので、おそらく侵入の方角は北東、"黄龍"の範囲であるため、地面には結界が弱まることを利用されたと考えられます。そのため、内部に侵入している勢力ならびに遠方より霊的支援を行っている人員を排除すれば最悪の事態は免れると推測されます。また、内部での行動に関してはそちらで呼ぶ奇跡論的な儀式であるため、音声の喪失だけでは"黄龍"への結界を即時に弱めることはできないと推測されています
鮫島室員: ただ、龍の休眠が阻害されると事態は変わる可能性があると指摘がありました。生物としては有鱗目と同様の構造であるため、音声による効果が薄まり生物的な攻撃が行われた場合、変化が発生することは予想されます
後清水博士: ありがとうございます。では単刀直入に、この事案に対しての協力を願えますか?
鮫島室員: JOICLE全体としては現在協議中ですが、各人員が個別に協力を申請する分には問題ないと判断されています
赤金渉外員: 東弊重工としても同様です。全体的な支援は反対意見が出たものの、八百万社長ならびに役員会議において構成部門が各自の判断で支援を行うこと、各企業の裁量の範囲で物資並びに兵器を使用することは不問とすると決議されました
後清水博士: 分かりました。賢明かつ即時の判断、感謝します。しかし
赤金渉外員: 我々に疑念を抱いているのですね。我々も同様ですが、現状は協力体制であった方がお互いにとってのメリットが多いでしょう。それにこれは、我々が納めなければならないような気がするのですよ
鮫島室員: 東弊に賛同します。感情の面で納得できないのは理解しますが、現状は我々にとっての迷惑でもあるのです、逃げるという選択肢は周到な用意の下に行われるべきもの、夜逃げ同然の逃走は誰も望みません。現状、そちらとしても我々を敵に回す選択肢は取りたくないでしょうし
後清水博士: 少なくとも夜逃げの準備が整うまでは協力するということですか。分かりました、余計な逡巡でしたね。今は何より時間が惜しい。他に聞いておくことは?
鮫島室員: 直接の交戦は行われていますか? また、連合から五行への接触は?
後清水博士: "穴熊"構成団体構成員の一部が死傷したと報告は受けていますが、人的被害は不明です。五行結社に関しては離脱者が独自に行ったものとして関与を否定しているとの証言が得られています
赤金渉外員の端末に連絡が入る。ほとんど間を置かず後清水博士の端末にも連絡が確認される
鮫島室員: どうされました?
赤金渉外員: 面倒事は立て続けに起こります。"穴熊"の連中から日奉の関与が確認されました。こちらでの甲種警戒人物、"日奉榊"、"日奉梻"です
後清水博士: こちらでは"アマテラス機関"の関与が確認されました。既に内部に侵入していると推測されます
赤金渉外員: 考えうる限り最悪の展開に転がりかけているようですね。だがこれで目的はかなり明確になりました
鮫島室員: "黄龍"、正確にはあの穴をどうにかしようということでしょうか
後清水博士: 連合に向け緊急事態宣言を発布します。SCP-2000-JP-Aはどれくらい持たせることができるでしょうか?
赤金渉外員: 不明です。日奉が関与している以上、何をしてくるかすら予想できない。まずは黄龍への接触を防ぐべきしょう。加えて、黄龍の保護を行う必要があります
後清水博士: 直接的な交戦は我々と連合が行うことになるでしょう。組織規模が小さい"穴熊"構成組織にはSCP-2000-JP外部への対処を主に行ってもらうことになると考えています
赤金渉外員: 正しい判断です。我々の武力部隊もありますが、そちらに比べれば大規模作戦への練度及び経験は少ない。補助戦力と考えていただくべきでしょう。我々は機材、武器の支援、その供給路の再構築、敵術師及び戦闘員に対する妨害がメインとなるでしょう
鮫島室員: "穴熊"にも通達を行いました。各構成団体が順次行動を開始します。組織編成はニッソの言う通りそちらに分がある。お任せします
後清水博士: では至急人員の招集を。特別条約の締結を行ったうえで協力体制に移行、作戦を開始します。
[記録終了]
この会合後、正式に調印が行われ東弊重工、日本生類総研、"穴熊"構成GoIである蒐集院残党、イワナガ美容組合、有村組、九十九商会らとの特別共同条約を締結。インシデント2000-JP対策本部が発足。インシデント2000-JPへの作戦が開始されました。作戦本部はSCP-2000-JP西面建造物に置かれました。作戦概要は"インシデント2000-JP部隊作戦報告"を確認してください。
補遺2000-3: GoI-通信傍受記録
補遺2000-4: PoIデータファイル-JP/PoI-0009
以下はインシデント2000-JPを主導したと推測されるPoI-0009、"日奉 榊"及び"日奉 梻"のデータファイルです。
番号: 0009/JP
名称: 日奉 榊 (Izanagi Sakaki)
性別: 男
生年月日: [不明]
異常性: [不明]
経歴: 出生地及び出生年は不明。SCP-745-JP収容時に養護施設からの引き取り人として初めて存在が確認される。複数の先天性異常性保持者を自らの養子とすることで"日奉一族"を形成していることが確認されている。素性不明だったが、[編集済み]時、蒐集院残党の日奉茜から情報を得ることに成功。この情報から"日奉一族"は神格存在に対しなんらかの干渉が可能な氏族であり、不明なインシデントにより断絶したものと類推されるが、現在財団を含む複数の団体に"日奉"姓が確認されている。
PoI - 0009自身が日奉宗家であるかは不明。同様に"日奉一族"を名乗る理由も不明ではあるが、神格存在への干渉を行おうとする兆候が確認され、東弊重工、日本生類総研など複数のGoIから警戒対象におかれている。20██/██/██、インシデント-2065-JP(通称"玉音")以降、日奉梻(PoI-0009-s)と行動を共にしていることが確認されている。
番号: 0009-s/JP
名称: 日奉 梻 (Izanagi Shikimi)
性別: [不明]
生年月日: [不明]
異常性: 神格存在への干渉(推定)
経歴: 出生地及び性別、出生年は不明。20██/██/██、インシデント-2065-JP(通称"玉音")時に初めて存在が確認される。甲種神格存在の消滅に関与していると推測され、連合に対し複数の死者を発生させる。以降はPoI - 0009と行動を共にしていることが確認されている。
関連インシデント: インシデント-2065-JP/インシデント2000-JP
補遺2000-5: インシデント2000-JP推移
インシデント2000-JPタイムライン
00:00: 作戦開始。上空からの掃射、爆撃はSCP-2000-JP隔壁により失敗。呪的攻撃として"四方祓え"を実行するも術者の錯乱により失敗。これを受け、南面、北面より第一陣として財団=連合=諸団体部隊10隊がSCP-2000-JP内部に侵入、展開する。東面より東弊重工による対低現実UAV"千代包"3基、LAWSドローン"御霊会"1基を投入する。これと同時にSCP-2000-JP外部の術者捜索が日本政府の協力を受け行われる。
00:20: 内部において複数の敵戦闘員と交戦。戦闘員の一部は死体を利用していると推測2され、銃火器による無力化が困難であるため、蒐集院残党及び連合の排撃班を中心とした戦闘が行われる。
00:45: 敵戦闘員の攻撃を受けた部隊員が炭疽症に似た症状を発症。敵戦闘員が生物兵器を使用していることが確認され、ドローンを通し日本生類総研による緊急処置が行われる。これにより2隊が戦線離脱。
01:33: 中心部の方向から突如軽度の奇跡論的パルスの放出及び現実性の乱れが観測される。これを受け、敵戦闘員の一部が消滅。3隊が被害を受け撤退、"千代包"2基が通信途絶。同時にSCP-2000-JP内部に断続的な降雪及び熱波が確認される。小型スクラントン現実錨(Scranton Reality Anchor, 以降SRAと略記)の使用を許可。第二陣として新たに10隊を投入。また、東弊重工からも"千代包"2基、対高度神霊二足駆動兵器"蚩尤"3一基、日本生類総研からSCP-373-JP及びSCP-030-JPに類似した生物兵器が追加投入される。
02:49: 部隊が中心部に到着、現実性の乱れが増加し周囲のHm値が著しく減少したことにより、境界が不安定となっている様子が確認される。また、周囲に桜の花弁が散乱していることが確認される。SCP-2000-JP-Aは休眠から目覚め、五行組織と推測される人員4から弓矢による呪的攻撃を受けている。PoI-0009及びPoI-0009-sは確認されず。本部からの指揮により到達部隊が人員に攻撃するも、高度の奇跡論的攻撃により失敗、1隊と数十名が消失。これを受け第一陣に撤退の勧告が行われる。
03:14: 有村組構成員により外部の術者が捕捉される。イワナガ美容組合と日本政府の協力により捕縛することに成功。使用したとされるレイラインは"堤体"の打ち込みが即時決議、九十九機関の援助により実行され、現在では使用不可。これにより、外部からの敵戦力注入は停止されるも内部の抵抗が激化。
05:10: 作戦本部に不明な人物からの通信。内容は"カモノハシの真なる存在理由とは何か?"の一文。
06:12: 第二陣が中央部へ到達。空間全体が白くぼやけており、視認は困難。桜の花弁が吹き荒んでいることが確認される。この段階でSCP-2000-JP-Aの外観は曖昧なものとなっており、SCP-2000-JP-A-αへの遡及が進行していると推測される。前述の人員は不明な石室によって隔離されていることが確認された5。カント計数機の反応より現実性の崩壊が危険域に達していると推測され、SRA及び連合による試作段階の対神霊装置(秘匿により詳細不明)が使用されるも、突如出現したPoI-0009に率いられた一団との交戦により中断。
06:13: 作戦本部に不明な人物からの通信。内容は"緞帳の紐を引け"の一文。
06:14: PoI-0009-sが出現。SCP-2000-JP-Aの頸部を切断する。
06:15: SCP-2000-JP-Aの崩壊と同時にSCP-2000-JP-A-αが発生し、大規模な現実崩壊が発生。部隊を含めた周囲の現実が崩壊する。不明な人型実体の出現が確認される。以降、10:55まで関連する全職員、関連者の意識及び記憶が喪失。何らかの改変が発生したと推測される。
10:55: 全職員の意識が復帰。本部に所属していた人員は"プロトコル - 無常"における文言を唱えており、部隊員は数名を除き消失が確認されました。SCP-2000-JP-Aは再び休眠状態に移行していることが確認され、敵部隊員は確認されず。周辺の調査が行われたのち、異常性の復帰が確認される。これを受け、部隊及び本部が解散。作戦は終了したとされ、各団体による事態収拾への調整が行われる。
補遺2000-6:インシデント2000-JP終了報告及び後続調査
"プロトコル - 無常"の完全機械化は有効な代替案が判明するまで凍結され、常時人員の配置を行うことが決定されました。特別共同条約は財団が延長案を提示したものの、他団体の反対を受け解散し、現状はSCP-2000-JPの共同収容に復帰しています。詳細は"インシデント2000-JP終了報告書"を参考してください。
警告
生体情報を確認します。
特定塩基式の配列が確認された場合強制的シャットダウンと、意識剥奪ミームが散布されます。
生体情報を確認しています…
[✔] Saigaの兆候が確認されませんでした。データを開示します
以下の文章はインシデント2000-JPにおいて、SCP-2000-JP-A-αに曝露し生還したエージェントの聴取記録です。聴取は希望により反ミーム隔壁の中で行われました。
補遺2000-7:インタビュー記録2000-JP 20██/██/██
対象: Agt.██
インタビュアー: ██博士
<再生開始>
██博士: まずは君の生還を喜ばせてほしい。あれほどの現実崩壊の中、自らの現実性を消失しなかったどころか、後遺症無く生還したのは幸いというよりほかにない
Agt.██: ありがとうございます
██博士: では、確認させてほしい。一体あの瞬間何があった? 何故君は生還できた?
Agt.██: 私も内部のことはハッキリとは分かりません。一瞬のようでもあり、何千年も経ったような気もします。多分私は運が良かっただけです、あのとき、東弊の兵器の陰にいたので、それが何らかの影響を与えたのだと思うしかないでしょう
██博士: そうか。では、最後に現れた男は誰だ?
Agt.██: 犀賀と名乗っていました
██博士: 犀賀六巳だと?
Agt.██: ええ、何か小型の機械を持ち、崩壊に呑まれなかった私たちの前にあの男は現れました。「これを使えば君たちを救うことができる」と
██博士: SCP-802-JPの関連か? つまりこの事象は犀賀がそれを使い、過去を改変したと?
Agt.██: 違います、あの男は続けました。「こうやって目の前に立てるのもこの場所だけだ。さて、穴は桜主に返そう。君たちもごくろうさま、全ての始末は私が付けるよ」と。私は…、いえ、そこにいた他の生き残り、東弊や、日生や、誰が誰とか分かりませんが全員が同じことを感じたと思います
██博士: ……何を?
Agt.██: ふざけるな、と。ここにあったオブジェクトは、私たちが収容したものだ、と思ったのです
██博士: ……我々の目的を、人類の護り手だという理由を覚えていてもかね?
Agt.██: はい。でもそれは突然やってきて奪っていったからとかではなく、ただ、まるでそこには何もなかったと言われたような、そんな雰囲気に怒りを覚えました。私たちの感情に相手は驚いたようでした。「何故だ? 君たちは世界を守るためにこの穴を閉じようとしたのではないか?」と。…それはそうです。ですが、それをなぜか許せなかった。男の前では真っ白な、おそらくはSCP-2000-JP-A-αが蠢いていました。無がそこにはありました。私はそれを止めようとしました
██博士: 続けてくれ
Agt.██: 最初に動いたのは誰か覚えていません。思えば、あんな場所だからできたんでしょう。様々な可能性から現実性を手繰り寄せ、編み込んで…。連合と蒐集院の奴が何かの祝詞を唱えていました。日生の奴が何かの形を与えていました。東弊の奴が奇妙な兵器で攻撃していました。そこには、薄く潰れた闇のような領域には私たちがありました
██博士: 現実性を意思で固めたと? 確かに情報熱という概念は存在するし、連合や現実改変者による奇跡論の応用ということか? いや、それとも、"そういう異常性"だったのか?
Agt.██: 分かりません。ただ、必死に私たちはそこにあろうとしました。そこにあるために動かし続け、考え続け、止まることを否定しました。どれほど続けたか分かりません。周囲から声が聞こえ始めました。誰かの叫びか、宇宙が割れる音か、クジラの歌か、私の脳が正常な機能を有していたかは分かりません。ただ私たちの共通の認識は止まってはならないと、あんな機械の神に、この場所を譲ってはいけないと、そう思ったのです
██博士: "機械仕掛けの神で満足してはならない、私たちは自らの手で廻り舞台を動かす権利がある"
Agt.██: 私たちは狂っていたのかもしれません。途中からイワナガも、日奉も、五行も、有村も、如月も、あの男が撒いたと嘯いた種が全員叫びました。私たちは私たちによってここにいると。絶えず関わり合うのだと。犀賀と名乗った男は少しだけ眉を下げて「それもまた一つだ」と笑っていました。SCP-2000-JP-A-αが裂け、桜の花と酒の匂いがして、笑い声が聞こえて、四方からプロトコル-無常の音が聞こえて。そこで意識が戻りました
██博士: そうか、改めて君の生還を喜ぼう
Agt.██: 結局、私たちは何をしたのでしょうか。本当は何もしていないのではないでしょうか。何も分からないのに
[数分間言葉を選ぶような仕草を見せる]
Agt.██: 私は、何故かとても喜ばしい気分なのです。
<録音終了>
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPは北緯██°、東経██°に存在する大聖堂です。SCP-XXX-JPはルネサンス様式の建築であり、東端に地上約5m、半径約5mのドームが存在します。
SCP-XXX-JPを中心とする半径約3kmの地点は一切の音声が遮断されます。これは上空においても発生するため異常性の範囲は半球、もしくは真球の形状を取ると推測されます。SCP-XXX-JPの異常性が確認される地点は常に雪原となっており、季節の変動による変化は確認されません。また、夜間には稀にオーロラが該当地域内でのみ確認されることが確認されています。
これらの異常性にも拘わらず、財団がSCP-XXX-JPの存在を把握したのは19██年、通信無線の異常を感知した事例によります。後続調査においてSCP-XXX-JPは少なくとも落成から600年以上は経過していると推測されますが、周辺地域においても関係する記録及び伝承は確認されず、これまでにオブジェクトが観測された記録も存在しません。
20██/██/██、SCP-XXX-JP内部へのDクラス職員を用いた調査計画が計画、実行されました。以下は当該時の映像ログです。SCP-XXX-JPの異常性により音声ログが存在しないことに留意してください。
探査ログXXX-JP-01 - 日付 20██/██/██
日付: 20██/██/██
探索人員: D-8922/D-8946/D-8981 全員雪中行動の経験あり
対象: SCP-XXX-JP
目的: SCP-XXX-JP内部への探索及び調査。なお、オーロラ等の現象との関連を探るため、夜間に行われた。
<再生開始>
00:00:00: 異常性発生地点からの録画が開始される。周囲は雪原であり、生物の存在は確認されない。装備の確認を行い移動を開始。司令部からの連絡は端末に文字情報として送信され、以降、端末を通した交信が行われる00:23:44: SCP-XXX-JPの視認が可能になる。オーロラが発生しており、映像からはSCP-XXX-JPを発生源としているように見受けられる
00:25:30: D-8946より葉が擦れるようなノイズが発生しているとの申告。他二人は認識しておらず、計器においても観測されず。D-8946に鎮静剤を処方するも変化は見られず、それ以外の異常が確認されないため探索を続行
00:36:12: D-8981が同様に破裂音に似たノイズの発生を申告。D-8922及び計器には認識できず。同様に鎮静剤を処方し探索を続行
00:48:17: SCP-XXX-JPまで約1km地点。D-8946、D-8981の認識するノイズが笑い声及び吐息に似たものへと変化。精神及び肉体面への異常は確認されず
01:10:54: SCP-XXX-JPまで約500m地点。SCP-XXX-JPの全景が確認できる。オーロラの始点がSCP-XXX-JPの東端に存在するドーム上部であることが明確に確認できる
01:33:57: SCP-XXX-JPの拝廊へ到達。内部に異常性は確認されず、目立った破損は確認されないが著しい老朽化が見られ、崩壊の危険性を指摘。身廊と聖堂部分の境界部に巨大な隔壁が確認できる。D-8946、D-8981の認識するノイズがD-8922においても認識される
01:35:10: 隔壁に到達。非破壊検査により一般的なコンクリートで封鎖されていると確認。特筆事項として上部に財団のシンボルマークが確認された
<再生停止>
探索人員が認識したノイズはSCP-XXX-JPから遠ざかることにより快癒したことから、SCP-XXX-JPの異常性によるものであるといった推測が為されています。
この探索により、SCP-XXX-JPの東端部分は完全に閉鎖されており、破壊を伴わない侵入は不可能であることが確認されました。これは財団における一般収容房封鎖隔離プロトコルと同一の手法が取られていると推測されます。また、外部からの非破壊検査は隔壁内部に何も存在していないといった結果に終わりました。隔壁上部に存在するシンボルマークとの関連は一切不明であり、財団内異常領域データベースにおいても記録は確認されませんでした。
インシデントレポートXXX-JP - 日付 20██/██/██
SCP-XXX-JP隔壁内部の調査計画が計画、実行されました。これは隔壁の一部に微細な穴を空け、内部を遠隔操作した超小型カメラで観察するといったものであり、収容スペシャリストの試算ではSCP-XXX-JP全体へ与える影響は微細なものであると結論付けられました。
この計画に基づき、隔壁に穴を空けたところ、内部からオーロラと類似する燐光が発生、同時に隔壁及びドームが頂部が崩壊しました。
崩壊した部分からは燐光が噴出し、数十秒間ハナクラゲ目(Anthoathecata)に類似した形状に凝縮し、大気中を移動したのち、散逸するように崩壊、消滅しました。この消滅時、観察機器には笑い声、吐息と表現されるような音声が確認されています。この音声を前述探索人員に確認させたところ、探索中に認識したものと同一であるという証言が得られました。
当該インシデント後、SCP-XXX-JPの異常性は消失、該当区域の保全を行った後Neutralized指定が行われました。
補遺1: Neutralized指定後、再調査を行ったところ、崩壊時の現象と類似する描写が約800年前の文章に確認されました。文章において出現した実体はヒゲクジラ亜目(Mysticeti)と推測されます。実体の形状が変化する理由については不明です。
補遺2: 25██/██/██、北緯██°、西経██°の地点においてSCP-XXX-JP同様の異常性を持つモダニズム建築の教会が発見されました。これを受け、SCP-XXX-JPのクラス指定が暫定的なものに変更されました。当該の教会は著しい老朽化により、約██年後には自壊すると見られ、対策が検討されています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPは██県に存在する民家及びその内部に広がる非ユークリッド的空間です。
SCP-XXX-JP内部においては既存の物理法則の崩壊、極端な時間異常、唐突な譫妄状態への移行、五感の喪失・活性化など複数の異常な兆候が確認されます。これらの兆候は後述するSCP-XXX-JP-Aへの侵入により回復が可能です。また、内部には複数の実体が存在していることが確認されますが、多くの場合意思の疎通は不可能であり、現在までに有益な情報は得られていません。
SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JP内部に存在する約3×3×3mの立方体です。SCP-XXX-JP-Aには一般的な家屋に存在する扉が存在し、内部への侵入が可能です。SCP-XXX-JP-A内部は一般的な洋室であり、明確な異常性は存在しません。SCP-XXX-JP-A内部にはベッド、クローゼット等一般的な家具が存在しています。SCP-XXX-JP-A内の物品を調査したところ、SCP-XXX-JPの居住者である黒野氏の私室と一致することが判明しています。
SCP-XXX-JP内において何らかの異常性に曝露した対象、あるいはSCP-XXX-JP内部の実体をSCP-XXX-JP-A内に移動した場合、それらの対象、実体は非異常性の物品に変換されます。これらの物品は多くの場合史上に存在した宗教、信仰に関係する物品です。以下はそれらのリストです。
~ここになんかいい表とか図を置く~
SCP-XXX-JP居住者である黒野氏はオカルト雑誌の編集者兼ライターであり、異常性発見直前に消息不明となっています。消息直前に様々なまじないの記事を担当していたとされていますが、これらとの関係は不明です。
補遺:
[
アイテム番号: SCP-1413-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1413-JPは常時秘匿アカウントによる監視が行われます。SCP-1413-JPによるリプライが行われた時点で該当リプライを削除し、同時に発生する過去ツイートを削除してください。SCP-1413-JP発信者に指定される人物は常時監視対象に置かれ、行動が報告されます。
説明: SCP-1413-JPは短文投稿型SNS、Twitter上に存在する8個のアカウントの総称です。
SCP-1413-JPはそれぞれ、「おんどり」、「めんどり」、「ねこ」、「いしうす」、「たまご」、「あひる」、「留め針」、「縫い針」のハンドルネームを自称しています。これらの名前はグリム童話『コルベスさま』に由来していると推測されます。
各アカウントは「おんどり」、「めんどり」を除き公開アカウントであり、「おんどり」、「ねこ」、「たまご」は男性的な発言、「めんどり」、「いしうす」、「あひる」、「留め針」、「縫い針」は女性的な発言を行います。
SCP-1413-JPの異常性はTwitterにおいて上記アカウントのいずれかが特定個人(以下、対象)に対しリプライを送ることで発生します。多くの場合リプライは「[対象のユーザー名]さんの家に行こう」といった内容であり、前後のツイートとは関連性のないものです。このリプライは非公開アカウントに対しても発生し、リプライと同時に送られたアカウントを公開状態に変更します。
リプライを送られた対象の過去タイムライン上には、対象の認知しないツイートが発生します。このツイートは多くの場合、何らかの事象、存在に対し過度の中傷・否定・誤解を含むものであり、発生と同時に第三者のアカウントにより拡散、炎上6が発生します。対象は該当ツイートを認知していないことから、対処に遅れることが多く、多くの場合さらなる炎上の拡大に繋がります。
SCP-1413-JPはSNS上の調査を行っていた偽装非公開アカウントに「いしうす」がリプライを行ったことによりその異常性が判明しました。該当アカウントは異常性の発生後、即座に停止されましたが、記録は複数の個人記録に残存しているものと推測され、アカウントに関連したサイト及びエリアの変更を余儀なくされました。
以下は特殊アカウントによって行われた「たまご」とのダイレクトメッセージを通じた交信記録です。
文書記録1413-JP-1
財団アカウント: こんにちは
たまご: こんにちは、[アカウント名]さん。はじめましてですね! どういったご要件でしょうか?
財団アカウント: はい、はじめまして。いくつかお尋ねしたいことがあります。あなたはこれら(他SCP-1413-JPのアカウント)のアカウントをご存じでしょうか?
たまご: はい。みんな友人ですよ
財団アカウント: 同一人物ではないのですね? では、あなたが██さん(これ以前に対象となったアカウント)へ行った「[対象のユーザー名]さんの家に行こう」、というリプライの意味を教えていただきたいのですが
たまご: あのリプライがどうかしました?
財団アカウント: あのリプライ後、██さんが炎上していることはご存じですか?
たまご: そういえばそれくらいの時期でしたね。でも炎上とそれは関係ないじゃないですか
財団アカウント: いえ、炎上のコメントは過去には存在しておらず、あなたのリプライと同時に発生しているんです
たまご: ちょっと、言いがかりはよしてください
財団アカウント: 言いがかりではなく
たまご: もう話しかけてこないでください。これ以上は晒しますからね
たまご: そもそも炎上するのは"██さんがとても悪い人だったから"でしょう
これ以降、アカウントはブロックを受け、交信は失敗に終わりました。別アカウントを用い、他アカウントにも同様の質問を行いましたが、「おんどり」、「めんどり」を除くアカウントは同一の対応を行い、ブロックされる結果になりました。「おんどり」、「めんどり」はダイレクトメッセージに反応を見せませんでした。
付録調査1413-JP-01
SCP-1413-JPアカウントの発信者を調査したところ、「おんどり」、「めんどり」を除くアカウントは発信者の同定に成功しました。これを受け、20██/██/██、全発信者の確保を行いました。全ての発信者はSCP-1413-JPの存在を認知しておらず、財団による確保の段階で初めてSCP-1413-JPの存在を認知しました。この段階で発信者には記憶処理を行い「ねこ」を除く全てのアカウントを削除、「ねこ」のアカウントを財団クローズドデータベース内に移行しました。
事案報告1413-JP-01: 20██/██/██、上記調査によって確保した「ねこ」のアカウントが消失していることが判明しました。同時に「ねこ」、「いしうす」、「たまご」、「あひる」、「留め針」、「縫い針」のアカウントが再びTwitter上に出現したことが確認されました。これを受け、上述と同様の調査を行ったところ、発信者が変化していることが判明しました。ここから、SCP-1413-JPの削除は収容違反及びそれ以上の重篤な事故を誘発するとの判断がなされ、特別収容プロトコルが改定されました。
事案報告1413-JP-02: 20██/██/██、「おんどり」のアカウントから財団秘匿アカウントに対しダイレクトメッセージが送られてきました。以下はその際の交信記録です。
文書記録1413-JP-2
おんどり: すまない
財団アカウント: どうされました
おんどり: みんなを代表し謝罪する
財団アカウント: 謝罪ということは、あなたは異常性を認識しているのですね?
おんどり: ああ、私とめんどりが始まりだからだ。私にはどうすることもできないが
財団アカウント: 始まりですか。あなたはどういった存在なのですか?
おんどり: 私たちはアイコンだ。直感的に分かりやすく、簡略化されたイメージだ。Twitterが発生する以前はもっと直接的に寄与していた
財団アカウント: あなた方はどのようなイメージなのでしょうか
おんどり: "正しさ"だ。「おんどり」や「めんどり」は朝を告げる
財団アカウント: では、他のアカウントは
おんどり: あれらはMärchenによる解釈だ。Grimmも、Andersenも、Perraultも、Aesopもそれらの分派だ。Märchenは子供の解釈そのものだ。定義を解釈し分かり切った型に当てはめる。"彼は金満家だから悪人だ"、"彼女は末妹だから成功する"。Märchenは我々を解釈し、自らのアイコンへと変化させた。Grimmの『コルベスさま』を用いて
財団アカウント: あなたは現状を望んでいないのですか?
おんどり: あなた方の言う悲しみはないが喜べはしない。だがどうしようもない、せめてあなた方の概念で謝罪を行うだけだ
財団アカウント: あなたは何処にいるのですか?
おんどり: あなた方には知覚できない。分かりやすい言葉だが"どこにでもあり、どこにもいない"。我々は共通のアイコンでありイメージであるから
財団アカウント: 今後、交信の継続は可能でしょうか
おんどり: それは不可能だ。何故なら、"財団はとても悪い組織"だからな
おんどり: ああ、本当にすまない。コルベスさまなどいないのに
この会話終了と同時に秘匿アカウントは削除されました。以降、「おんどり」、「めんどり」からの接触・交信は発生していません。「おんどり」の主張する"Märchen"に関連してはこれまでに確認されているAndersen、Grimmと同様に後続調査が行われます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの出現が確認された場合、段階を経て近隣住民を避難させてください。SCP-XXX-JPの異常性による人員の喪失を防ぐため、担当職員には対PSI装備の装着が義務付けられます。また、SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-1の出現を探知した場合、即座に確保・収容を行ってください。新井氏の創作行動についての承認は現在議論中です。
説明:SCP-XXX-JPは頭足類に似た特徴を持つエリファスモデル型霊的実体です。現在確認されている全長は最大で約200m、最小で約13cmです。
SCP-XXX-JPは不定期に出現、実体化を繰り返すと推測されます。実体化は霊体の出現から段階を経て発生します。現在時点で完全な実体化が確認されたのは、最初にSCP-XXX-JPが確認された2███/██/██の神奈川県におけるイベントのみであり、それ以降は何らかの理由で実体化中途で消失、異常性を喪失しています。
SCP-XXX-JPは完全に実体化した際、強力なPSIエネルギーを放射します。この放射により周囲に存在する人物は脳死や他機能不全により死亡します。死亡を免れた人物においても脳機能に重篤な障害を負う、あるいは極端な精神障害を引き起こすなどして社会への参加が困難な状況に陥ります。また、一部の影響を受けた人物において急性放射線症候群に似た症状が見られることから、多量の放射線を発していると推測されます。
SCP-XXX-JP-1は『[編集済み]』の二次的創作物群です。内容は『████████』における登場人物の活躍をメインとしていますが、終盤の展開は原作を踏襲しています。SCP-XXX-JP-1は第4次SCP-XXX-JP実体化未遂イベントの際、出現したSCP-XXX-JP-Aの追跡時に発見されました。この発見時、既にSCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP-Aにより激しく破損しされてました。これを受け、以前の実体化イベントの後続調査を行ったところ、全てのイベントにおいて周辺地域にSCP-XXX-JP-1が存在していたことが確認され付属ナンバリングが行われました。SCP-XXX-JP-1内部においてはSCP-XXX-JPに類似した特徴を持つ生物の登場が確認されます。これは、『████████』内における巨大生物のオマージュであるとされます。
SCP-XXX-JP-Aは███████社におけるコミック作品、『[編集済み]』の登場人物である█████・█████、及び███████7の容姿を持った人型実体です。SCP-XXX-JP-Aは上記イベント時において、実体化したSCP-XXX-JPの調査時に出現しました。SCP-XXX-JP-Aは調査員を制圧し、SCP-XXX-JP-1を奪取、破損した後逃走しました。以降、SCP-XXX-JPの実体化以前に出現し、SCP-XXX-JPの実体化を妨害していると推測されます。
後続調査に伴い、SCP-XXX-JP-1は全て新井 ██氏による二次創作作品であることが判明しています。以下は新井氏に対するインタビューです。
インタビュー記録XXX-JP-01 - 日付 20██/██/██
インタビュアー: エージェント・足利
対象: 新井 ██氏
«再生開始»
(前半部は事実確認の為省略)
エージェント・足利: では、この二次創作作品は全てあなたが?
新井 ██氏: そうです。イベントとかで頒布や販売してたり、フォロワー限定で公開してたやつです。仕事を始めてからはやってませんから、そうですね、もう5年くらい前になると思います
エージェント・足利: なるほど、あなたはこの作品たちをまだ持っていますか?
新井 ██氏: いいえ。全部引っ越しの時にまとめて捨てちゃいました
エージェント・足利: そうなんですか。こういったものはあまり捨てないイメージがあったのですが
新井 ██氏: そうですね、あまり売れなかったのもありますし、何といいますか、罪悪感が強くて
エージェント・足利: 罪悪感とは?
新井 ██氏: その同人誌は私の中で完結していないんです。私は『████████』が大好きなんですが、そのオチだけはどうしても納得できなかった。青臭いですが大義の前に小を犠牲にするというのが納得できなかった。だから私はどうにか二次創作の中で自分の望む終わりを書きたかった。でも、それがどうしても書けなかったんですよね。とんでもないメカや、怪物を出せば解決しますけど、それでは『███████』で無くなってしまう。それで、何だか罪悪感があって
エージェント・足利: 自分の理想と作品に乖離があったということでしょうか
新井 ██氏: そういうことですね。その作品が好きだから、私はそれを終わらせることができなくなった。創作に限りませんがいつもそうなんです。私はどうにもこだわりすぎて1つの物事を最後まで終わらせることができない。中途半端で疲れて放り投げてしまう。私は███████にはなれません。
«再生終了»
後続調査により新井氏は実体化イベント当時他県に存在していたことが確認され、直接の関与は否定されています。このインタビューも含め、新井氏による影響は極めて薄いものであると推測されます。新井氏の証言によるとSCP-XXX-JP-1は約20程存在することが確認されました。
補遺1: 20██/██/██、神奈川県における第5次SCP-XXX-JP出現イベントにおいて、破損していないSCP-XXX-JP-1が発見され、研究のために確保されました。その移送途中、SCP-XXX-JP-Aが出現。移送車両を襲撃しました。以下は当時の音声記録です。
出現イベントレポートXXX-JP-05 - 日付 20██/██/██
«再生開始»
15:08: 移送車両走行中、擦過音に似た異音が確認される。確保部隊の隊長であったエージェント・米田により車両を停止、確認作業に移る。異音は移送車両に取りついたSCP-XXX-JP-Aによるものであることが後続調査により判明している。
15:09: 確認作業を行うエージェント・米田、エージェント・萬場、エージェント・尾島をSCP-XXX-JP-Aが襲撃。この襲撃によりエージェント・米田、エージェント・尾島は意識を喪失。エージェント・萬場は拘束される。SCP-XXX-JP-Aは移送車両を物色、SCP-XXX-JP-1を発見するとこれを破損。また、これと同一のタイミングで調査班よりSCP-XXX-JPの消滅が確認される。
15:11: 通信の途絶に伴い、後続部隊が到着、SCP-XXX-JP-Aの拘束に成功。
(以下、拘束時に行われた簡易質問)
エージェント・萬場: あなたは何者ですか
SCP-XXX-JP-A: 俺は███████だ
エージェント・萬場: 質問を変えます。あなたの目的は
SCP-XXX-JP-A: 悪しき行いは正さねばならない
エージェント・萬場: あなたが漫画を破損した際、SCP-XXX-JP、あの頭足類の消失が確認されました。あなたは何か情報を知っているのではありませんか?
SCP-XXX-JP-A: 知っているとも、あのデビルフィッシュは悪魔だ。多くの市民を犠牲にし、たった1人を幸せにする。蛸の入ったケージから蛸を解放しようとするように
エージェント・萬場: 話したくないのは理解しました。とりあえずあなたも移送します。我々の機関で改めて説明を
SCP-XXX-JP-A: 理解できないか、先生? 俺はアンタ方の望む通りに動いているはずだ。俺が引きちぎったポルノを読み直してみろ。インクの染みと繊維の塊に過ぎない、だが、誰かがそれに望みを叩き付けた。終わっちまえ、と。だからそれはデビルフィッシュと化した。頭蓋の海から飛び出しこのくそったれた路地裏に産み落とされた
エージェント・萬場: だとしても
SCP-XXX-JP-A: だから俺が来た。俺はその望みを決して叶えない、悪しき行いによって憩うことなどあってはならない、全ての物事に終わりはないからだ。ただ漫然と続く拷問を耐え抜き、それをいつか終わったと思い込むだけのこと。神は死にたり終わりは来たり誰が見張りを見張るのか?
エージェント・萬場: 絹笠、SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-1の移送を
SCP-XXX-JP-A: 世界に神はいない。自分の手でやるしかないんだ
15:21 SCP-XXX-JP-Aが拘束を脱出、運転を担当していたエージェント・絹笠を襲撃。これにより移送車両は横転し、SCP-XXX-JP-Aは逃走する。
このイベントを受け、SCP-XXX-JPの消滅にはSCP-XXX-JP-1の破壊が関与していると推測されます。また、SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-Aの起源は同一の物であると推測されます。
出現イベントレポートXXX-JP-07 - 日付 20██/██/██
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準低脅威度物品収容ロッカーに収容を行ってください。SCP-XXX-JPを用いた調理を研究目的以外で行うことは禁止されています。
説明: SCP-XXX-JPは直径18cmの行平鍋です。外見は日本工業規格に準じた物であり、持ち手の一部が炭化していることが確認されています。また、一般的な使用方法で数年間使用された形跡が見られます。
SCP-XXX-JPを用いて作られた料理を摂食した対象は多くの場合満足感を示します。その一方でごく僅かな例において嫌悪感を示し、摂食の継続を拒否する場合があります。また、満足感を示した対象が何らかの精神病、精神疾患を患っていた場合、その症状が快癒、快方に向かうことが確認されています。
SCP-XXX-JPを用いた料理には必ず一本以上の毛髪が混入しています。これらの毛髪は調理、食事を行った人物の物とは一致しません。現在、混入していた本数は最大で129本であり、全て同一人物の毛髪であることが確認されています。
混入した毛髪は使用されている染料、及び長さからそのほとんどが女性の物であると推測されます。
以下は摂食した際、満足感を示したDクラス職員に対するインタビューです。
インタビューログXXX-JP
インタビュアー: 楠木博士
対象: D-199765 (反社会性パーソナリティ障害の診断を受けている)
«再生開始»
楠木博士: では今から聴取を行います。D-199765、摂食した感想はどうですか?
D-199765: はい、とても満足しています。美味しかったですし、懐かしかったです
楠木博士: 懐かしかった、とはどういうことでしょうか。具体的に表現できますか?
D-199765: そうですね、小さい頃親が作ってくれた料理の味を思い出しました。特におふくろ、母親の味を
楠木博士: おふくろの味、ということですか
D-199765: そうです。そういえば食べてるときに髪の毛が出てきましたけど、あれでまた昔のことを思い出しました。おふくろと一緒に食べた夕方のことを
[約一分間ほどD-199765が嗚咽]
楠木博士: 落ち着きましたか、D-199765
D-199765: はい、すみません先生。ほんとに、何で俺はこんなことになっちゃったんですかね。おふくろに、顔も見せられない。…でも、少し元気が出ました、あともう少しですし、がんばってみますね、先生
«再生終了»
摂食後、D-199765における反社会性パーソナリティ障害の症状が快方に向かっていることが担当医から証言されています。
補遺1: SCP-XXX-JP内部に出現する毛髪のDNAを採取、調理、食事を行った人間の関係者と比較したところ一致は確認されませんでした。
補遺2: SCP-XXX-JPによって調理された料理を検査したところ、ヒト由来のDNAが確認されました。このDNAを検査したところ摂食者の母親の物と一致しました。これらの混入経路は現在調査されています。また、摂食者の母親はいずれも生存しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPは異常性を持つアンディ・ウォーホル作「Silver Car Crash(Double Disaster)」の原寸大レプリカです。
SCP-XXX-JPを中心とした半径10km以内の地点では、自動車事故が通常の約██倍発生します。死傷者の有無は一定しておらず、事故原因もわき見運転、飛び出し、アクセルとブレーキの踏み間違え等一般的に発生するものであり異常現象の発生は確認されていません。
SCP-XXX-JPを中心とした半径500m以内で発生した事故を目撃、あるいは写真、動画など何らかの映像媒体(以下、媒体)で撮影した場合、目撃者、撮影者はそれらの光景、記録を芸術作品であると認識します。認識した際の感想は「面白い」「スリルがある」「ドキドキする」「美しい」等一概に好意的であり、否定的意見はほとんど確認されません。
その後、撮影者はSNS等を通し、他者へ見てもらうことを目的として媒体を発表しようとします。これらの行動は認識した際の感想に基づいた行為であり強制力は一切存在しません。発表された媒体にも同様の認識が発生し、多くの場合媒体は拡散される傾向にあります。
媒体の拡散に伴い、事故の関係者において本来軽傷であったはずの人物が死亡する、損害賠償の多額化等、損害の増大が発生します。これら損害の増大は事故そのものにも及び、拡散者の増大と共に事故の規模が大規模なものに変化していき、その撮影者が増大する、といった形で循環的に事故の規模が増大する傾向にあります。現在時点でSCP-XXX-JPによって発生した事故の最大規模は死傷者数██人に及びます。
損害増大は拡散された媒体のオリジナルが削除された時点で停止します。また、それと同時に拡散されたデータ全てが自動的に消滅します。これらの特性を利用し、現在のプロトコルが制定されました。
SCP-XXX-JPは東京都██区の民家において周囲の自動車事故増大を調査した過程で発見されました。この民家の登記名義人は██氏であり、息子の██ ██氏は要注意団体"Are We Cool Yet?"の一員であるとされ、財団諜報部の要注意対象に指定されていました。以下はSCP-XXX-JP発見の際に添付されていたラベルに記載されていた文章です。
これはこれだけ。誰が何を思おうが勝手
題材の中には何の悲劇もない。悲劇を完成させるのはカメラマンとその観客だ
楽しんでくれよ、悲しんでくれよ、怒ってくれよアンディ・ウォーホルは正しかったってワケ
クールに見たってなんにも変わんない。表面だけを見なよ
Are We Cool Yet?
追跡調査記録XXX-JP-01
オブジェクトの性質に対し、被害規模が小規模であるという指摘を受け、SCP-XXX-JPに対する追跡調査が行われました。その結果、被害が小規模に終わった事案において何らかの形で目撃者が救命活動、あるいはそれに準ずる行動を取っている可能性が指摘されました。
それらの目撃者はSCP-XXX-JPの影響を受けていたと推測されますが、これらの行動がオブジェクトの影響を抑える可能性があると推測され、調査が進められています。
これら小規模に終わった事案において、アンディ・ウォーホルによるダイアナ妃の肖像画画像(以下、SCP-XXX-JP-A)がコメント機能を用い添付されていることが判明しました。SCP-XXX-JP-Aを送ったアカウントの持ち主に対する追跡は失敗しています。
以下はそれらに付随したコメントです。
ウォーホルの稚拙で薄っぺらいパクリ
人間なんてそんなものさと冷笑したつもり
悪くはないが良くもない。薄っぺらいのは悪だけじゃない鏡を見たことはあるか?
思ったよりヒーローになりたい人間は多いらしい
残念だけど、俺は俺の作品じゃない
俺の作品を見るのなら、その表面だけを見てくれよ誰もが作品を作れる、良い時代だね
Are We Cool Yet!
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは製造者不明である床置型小便器50台の総称です。
SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JPに対し排尿を行うことで発生します。SCP-XXX-JPに対し排尿を行うと、上下水道に接続していない場合においても洗浄水が流れ、洗浄が行われます。この洗浄は一般的な床置型小便器と異なり、一定時間が経過しても停止せず、排尿者の死亡まで行われ続けます。この排尿行為からなる異常性において男女の差異はありません。
SCP-XXX-JPにおいて発生する洗浄水は約24時間後、排尿者の涙液へと変化します。これと同時に排尿者の涙液がSCP-XXX-JPが存在する地方の水道水に変化します。この変化は不可逆であり現在時点で回復は確認されていません。
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの異常性は喪失しました。SCP-XXX-JPをインストールした機器には一切の接触を禁止します。SCP-XXX-JPを実験に使用する場合は上級研究員の許可を得てください。
説明: SCP-XXX-JPはスマートフォン用翻訳アプリです。SCP-XXX-JPはiOS/Android上で動作する実行ファイルであり、デザインやインターフェイスには、既存の翻訳アプリとの類似性が認められます。
SCP-XXX-JPは一般的な翻訳アプリと同じく、入力欄と出力欄が存在します。しかし、出力欄の言語は設定できないことが判明しています。
SCP-XXX-JPの異常性は、何らかのテキストを入力することで発生します。入力されたテキストは自動で既存の文字コード体系に存在しない文字へ変換され、表示されます。この際、入力文と出力文の内容は一致せず、これらは財団言語学部、財団神学部の調査により、これらは約100箇条からなる何らかの聖句であると推測されています。
これらの文字を視認した人物の約90%(以下、曝露者)は、現在、世界中で確認されているいずれの言語とも異なった言語を用いることが確認されます。その後、段階的に曝露者は言語の発声、記述が不可能になり、観察の結果から最終的には言語を用いた思考が不可能になると推測されます。
視認した人物の約10%(以下、対象者)は、上記の影響を受けることはありませんが、SCP-XXX-JPを使用することに強い執着を示します。この使用を許可した場合、対象者は何らかの文章を記述することに終始します。この文章も通常と同様に未知の文字に変換されますが、内容は変化していないことに留意してください。
また、対象者がそれらの文章を入力した際、出力欄には訳文以外の文章が表示されます。この文章は多くの場合、出力文に対する何らかのコメントであることが確認されており、SCP-XXX-JPの機能によるものか議論が交わされています。
対象者におけるこれらの効果はAクラス記憶処理で除去が可能ですが、記憶処理後もスマートフォンの使用に軽い依存症を持つことが判明しています。
20██/██/██を以て、SCP-XXX-JP-Aの持つ潜在的危険性を考慮し、SCP-XXX-JPの実験は終了しました。
事案記録XXX-JP-1 20██/██/██
20██/██/██、SCP-XXX-JPの影響を受け、記憶処理を受けていた対象者が所持する全てのスマートフォンにSCP-XXX-JPがインストールされていることが確認されました。全対象は即時確保の上隔離、記憶処理を受けましたが、効果はありませんでした。
この事案時、対象者が使用していたSCP-XXX-JPの出力する文章に、以前とは異なり、漢字、仮名が確認されることが判明しました。これを受け、実験が再開されるとともに、SCP-XXX-JPの利用が継続されている場合、他の情報機器に対するインストールが発生しないことが確認されたため、上級研究員らによる決議により、対象者へSCP-XXX-JPの利用を継続させることが決定しました。
以下は、事案XXX-JP-1時に発見された文章です。未知の文字部分は検閲されていることに留意してください。
事案記録XXX-JP-3 20██/██/██
入力文:
出力文: ███、███、ザディ█、肉█、██、████████すくわ██、████████すくわ██、ぴあく███████、ぴあく███████
追加された文章: 必要███、なぜ████ ███ ██ ███ ████ ████ ████ ザディ█ 肉█ ██
事案記録XXX-JP-4 20██/██/██
20██/██/██、Dクラス職員を用いた実験により、曝露者の割合が約75%に減少していることが判明しました。また、SCP-XXX-JPの出力する文章に確認される漢字、仮名の割合が増大していることが判明しました。
以下は、事案XXX-JP-4時に確認された文章です。
入力文: 捧げよ、捧げよ、血を、肉を、液を、信仰によってのみ救われる、言葉によってのみ救われる、我らの言葉を唱えよ、我らの世界を讃えよ
出力文: がげよ、がげよ、血を、肉を、█を、████████救われる、オールト██████救われる、我らのオールトを███、我らの██を███
追加された文章: がげよ がげよ がげよ オールト█ 必要█ ███ ███ ███ ███
事案記録XXX-JP-16 20██/██/██
20██/██/██、曝露者の割合が約25%に減少していることが判明しました。また、SCP-XXX-JPの出力する文章に確認される漢字、仮名の割合が増大しています。
以下は、事案XXX-JP-16時に確認された文章です。
入力文: 捧げよ、捧げよ、血を、肉を、液を、信仰によってのみ救われる、言葉によってのみ救われる、我らの言葉を唱えよ、我らの世界を讃えよ
出力文: ササゲよ、ササゲよ、血を、肉を、液を、しんこうによってのみ救われる、ことばによってのみ救われる、我らのことばを███、我らの██をタタエヨ
追加された文章: 必要に███ 必要に███ 汝らのことば 必要に███ 我は ことば 我は ████
事案記録XXX-JP-20 20██/██/██
20██/██/██、曝露者の割合が約5%に減少していることが判明しました。また、SCP-XXX-JPの出力する文章に一つを除き前述の文字が確認されなくなりました。
以下は、事案XXX-JP-20時に確認された文章です。
入力文: 捧げよ、捧げよ、血を、肉を、液を、信仰によってのみ救われる、言葉によってのみ救われる、我らの言葉を唱えよ、我らの世界を讃えよ
出力文: 捧げよ、捧げよ、血を、肉を、液を、信仰によってのみ救われる、言葉によってのみ救われる、我らの言葉を唱えよ、我らの世界を讃えよ
追加された文章: 必要に非ず 必要に非ず 血を 肉を 液を 何故与えぬ 何故捧げぬ 汝等の 言葉は不要 我が求むは 我が言葉 我が体 我に 我の 言葉を
事案記録XXX-JP-23 20██/██/██
20██/██/██、曝露者の割合が0%になり、この際、最後の曝露者が「死んだ。切られ、砕かれ、塗り替えられ、彼は既に言葉ではなくなった」と叫び、同時にSCP-XXX-JPの持つ全ての異常性が消失し、文章の入力、出力を含む全ての使用が不可能になりました。
以下は異常性喪失の直前に確認された文章です。
消える
異常性喪失後、SCP-XXX-JPの出力欄に以下の文章が存在していることが判明しました。
切り貼り揃え型に嵌め、神の世界を僕らの言葉へ引きずり殺せ
言葉は矛、言葉は檻、言葉は盾、言葉は銃
翻訳は手段、翻訳は道具、翻訳は過程
神なんて
君の言葉で語ってしまえ
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは特別海洋生物収容ユニット内に深さ6mの水槽を設置し、収容を行ってください。ユニットは予期せぬ問題が発生した際の為、多重構造を用い、各構造部が破壊された際にアラートが発動するよう設計してください。水槽内には底部に砂と浄化装置を設置し、また、半径5mの陸上部分を水中と陸上への往来が可能になるよう設置してください。
SCP-XXX-JPへの物理的接触は禁止されますが、SCP-XXX-JPの精神衛生を考慮し、一日につき二時間以上はDクラス職員をユニット内に投入し、水槽外からのコミュニケーションを行わせてください。SCP-XXX-JPが要求した物品はSCP-XXX-JP外部研究顧問と協議を行い、必要最低限のものが支給されます、SCP-XXX-JP研究者はSCP-XXX-JPに対する文化的観点から、事前に精神検査を行うことが義務付けられています。
説明: SCP-XXX-JPは一般的に人魚と呼称される、ヒトと魚類両方の特性を持つ生物です。外見は30代のアジア人女性に類似しており、長い黒髪を持ちます。ヒトにおける鼠蹊部付近から魚類の尾部に類似する身体的特徴が現われますが、人為的な接合等は見られず先天的なものであると確認されています。同一の種は現在時点で確認されていません。また、物理的干渉に対し高い耐久性を持つため生体組織は確保できません。
SCP-XXX-JPは耳下部分に魚類の鰓と類似する器官を持ち、一般的な魚類と同様の方法で呼吸が可能です。また、陸上生物における肺に近い器官も獲得しており、陸上、あるいは水中に呼吸を依存していません。SCP-XXX-JPは遊泳に適した身体構造であることからか、主に水中を浮遊した状態で生活しますが、危険を感じる、食料を見つけるなどした場合は水中を15km/h程度の速度で泳ぐことが可能です。ただし、長期間の遊泳は行いません。
SCP-XXX-JPは常に表情を笑顔に保っており、収容に対しても友好的な態度を取ります。SCP-XXX-JPは1主に日本語と英語を理解することが確認されており、10~12歳程度のヒトと同等の知能の知能を持つと推測されますが、声帯が何らかの理由で負傷していると考えられることもあり、積極的なコミュニケーションは行おうとせず、受動的に応えるのみです。また、コミュニケーションを取る際は身振りのほか与えられた筆記具を用いて絵を描くなどして意思疎通を図ろうとします。その一方で、長期間他者の姿が確認されない場合、睡眠量、食欲の低下、手足の震え等、鬱病とみられる症状が確認されるため、定期的なコミュニケーションが必要とされます。
SCP-XXX-JPは玩具や工芸品、特に赤色のモノを好むことが確認されています。稀にこれらの物品を要求することがあります。要求については特別収容プロトコルを参考にしてください。
SCP-XXX-JPは発見時、左手薬指部分に"Andersen"と刻印されたリングをはめていたことが確認されています。ここから、SCP-XXX-JPは何者かによって作成された生物である可能性が指摘されています。調査の結果リング自体に異常性は認められませんでした。このリングは指に癒着しており、現段階で分離する試みは不可能に終わっています。
以下は様々な物品に対するSCP-XXX-JPの反応記録です。
<XXX-JP行動記録>
日付: 20██/██/08
担当者: ██博士
物品: ゴムボール
行動: 尾鰭を使い跳ね飛ばしたり、水面から打ち上げるなどの行動が見られた。
日付: 20██/██/08
担当者: ██博士
物品: 防水加工を施した雑誌数冊
行動: 数冊を手に取り、読むことが確認される。ファッション誌や児童誌を主に読んでいることが確認される。
日付: 20██/██/08
担当者: ██博士
物品: SCP-XXX-JPの体長に合わせた衣服数点。
行動: 興味を示さない。
日付: 20██/██/08
担当者: ██博士
物品: 玩具数点
行動: 当初、使用方法を理解していなかったが、担当職員により説明を受け使用。ままごとや人形遊びなどが目立った。
日付: 20██/██/08
担当者: ██博士
物品: 様々な工芸品数点
行動: 喜ぶような仕草を取り、担当職員が回収しようとしたところ、抱えたまま逃走を図った。最も執着したのは和蝋燭であり、最終的に破損したため回収に失敗した。
<映像記録XXX-JP 日付 20██/██/██>
<再生開始>
D-152101: おう、人魚さん、今日も来たぜ
SCP-XXX-JP: [D-152101に向かい微笑みに近い表情を向ける]
D-152101: 人魚さんも難儀だな、こんなとこでよ
SCP-XXX-JP: [D-152101に向かい首をかしげるようなしぐさを見せる]
D-152101: はは、気にしてねえってか。俺の言葉なんて聞こえてねえはずなのにな
SCP-XXX-JP: [D-152101から離れ、水槽中を遊泳する]
D-152101: おうおう、もう飽きちまったか? まあいいさ、ゆっくり泳げ。俺もお前が泳いでいるのを見るだけで楽しいからな。…いや、お前を見てると外の事を思い出すよ
[所定時間が経過。D-152101へ退出を命じる放送が流される]
D-152101: おう、もう終わりか。じゃあな、人魚さん
SCP-XXX-JP: [D-152101へ泳いで向かい、微笑みの表情を向けながら手を振る]
D-152101: ああ、また明日。いや、それにしても美人だなあ。気味が悪いくらいだ。…おっと、冗談だ、怒るなよ?
SCP-XXX-JP: [笑顔を崩さず、D-152101へ手を振り続ける]
<再生終了>
現状、SCP-XXX-JPは友好的かつ収容には協力的です。今後とも特殊収容プロトコルを徹底すれば半永久的にこの関係は続けられるでしょう。
現在SCP-XXX-JPの研究チームに対する転属依頼が多数出願されています。これらの出願は希望理由、経歴などを吟味したうえで逐次受理されます。出願に関し何か問題があった際は、SCP-XXX-JP外部研究顧問へ連絡をお願いします。
追記: SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPを目視した経験がある状態でSCP-XXX-JPに対し、負の感情を向ける、あるいは危害を加えようとするときに発生します。SCP-XXX-JPへ負の感情を向けた場合、数時間後に対象者は全身が徐々に蝋化し、死亡します。蝋化した人間には多くの場合、赤い絵の具で人魚が描かれていることに留意してください。感情の内容は現在時点で怒り、恐怖、苛立ち等が確認されています。これらの感情、行為はその意図が無い、あるいは一時的、瞬間的なものであっても発生します。
この異常性により、SCP-XXX-JPは収容当初、機械操作による自動的な収容体制が設定されていましたが、20██/██/██、SCP-XXX-JPが給水装置を破壊したうえで収容室を水で満たし、一部を蝋化させることで破壊、収容違反が発生しました。この事案よりSCP-XXX-JPが蝋化させる対象は人間以外でも可能であると判明し、現在の特別収容プロトコルに改訂されるとともに、対象研究員には精神検査に偽装した記憶処理を行った上で上記の内容のみを報告されることが義務付けられました。
補遺: 20██/██/██、収容違反発生の際、対応した職員に対し大声で笑った後、リングを外し観察していることが確認されています。これ以降、リングの着脱は確認されていません。リングの裏面には"Fairy Tale ver Mimei"の文字が確認されました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは専用収容ユニットにおいて、仮死状態のまま収容されます。SCP-XXX-JPはセキュリティクリアランス4以上の職員による承認が無い限り、常に昏睡状態におき、呼吸回数を減少させてください。SCP-XXX-JPの激しい呼吸が確認された場合、全世界の技術者、あるいは科学者に確認を取ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、██歳の日本人女性です。
SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPが何かを吹き消す動作を取った場合に発生します。SCP-XXX-JPが吹き消す動作を行った場合、SCP-XXX-JPの最も近辺に存在する光源が消滅します。これは、炎に限らず、本来吹き消されることの無い白熱電球、蛍光灯、LHD等においても発生します。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその特性上、現時点では収容されていません。そのため、国内の監視カメラシステムを利用したSCP-XXX-JP-1発見システムが起動しており、新たなSCP-XXX-JP-1の発生が確認された場合、速やかに該当地区を封鎖し、SCP-XXX-JP-2の無力化を実行してください。必要があればSCP-XXX-JP-1に対し重火器を使用することも認められます。SCP-XXX-JP-1の無力化後、関係者、目撃者には最優先でクラスB記憶処理を、SCP-XXX-JP-1の関係者に対しては適当なカバーストーリーを通知してください。
説明: SCP-XXX-JPは主に日本国内で確認されている現象です。SCP-XXX-JPは特定の個人(以後、SCP-XXX-JP-1と指定)において発生します。SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JP-1に反社会的行動へ対する義務感を生むことにあります。この義務感により、SCP-XXX-JP-1は、周囲で発生する問題において積極的に反社会的行為を以て干渉します(以降、この行為を干渉行為と記述)。SCP-XXX-JP-1の干渉行為は多くの場合劇場的、あるいは独善的なものであり、過剰な暴力、恐喝、器物破損、及び過度な自己犠牲を伴うことが確認されています
また、SCP-XXX-JP-1は、SCP-XXX-JP発生以前の身体能力から大きく向上し、特殊な技能を習得することもあると確認されています。しかし、何らかの結果を生存したまま残したSCP-XXX-JP-1は、その1時間以内に不慮の事故、事件に巻き込まれ死亡することが確認されています。SCP-XXX-JPは前回のSCP-XXX-JP-1死亡後、2週間から5年の間隔で新たに発生します。
事件記録XXX-JP-S1: SCP-XXX-JPは以前より「謎の怪人がオフィスビルを襲った」「ゲームのコスプレをした化け物が通行人を殴り飛ばした後死亡した」などの通報からその存在が確認されており、各事案が超常現象記録として保管されていましたが、19██年、東京都██市の民家にてSCP-XXX-JP-1が当時の住民を殺傷したことにより、明確な発見に至りました。襲われた4名のうち男性2名は後頭部を殴打されたことによる脳挫傷によって死亡、男性1名は右腕を骨折している状態で発見されました。また、当時SCP-XXX-JP-1個体であったと推測される█ ██氏は通報を聞きつけた財団エージェントが駆け付けた際、生存していた ██ ██氏によって殺害されています。
インタビューログXXX-JP-UA:
対象: ██ ██氏
インタビュアー: エージェント・新田
<録音開始>
(前半部は事実確認のため省略)
エージェント・新田: では ██ ██さん、その不審者が現れたとき、貴方は他の3人と
██ ██: …はい、まあ、そうです、刑事さん。俺が来たときは掃除するからって、俺だけ外に出てたんですけど
エージェント・新田: では██ ██さん、その不審者について思い出せることを改めて話していただけますか? 何でも構いませんので
██ ██: は、はい…、えっと、その、俺は玄関の近くに立ってたんですけど。そいつが突然やってきて、何か、機械みたいなものすごい力で腕をへし折られて…
エージェント・新田: 落ち着いて、続けてください
██ ██: はい、それで倒れて、あとの3人を見たら。…なんかあいつが棒みたいなもので2人を叩いて、血が飛び散って。…俺も逃げようとしたんですけど、アイツに捕まりそうになって、で、俺カッとなって、思わずあいつを、スタンガンで…
エージェント・新田: …スタンガン?
██ ██: はい、護身用にって持ってたんですけど…、それを当てたとたん何か、ショートするみたいな感じでぶっ倒れて、まさか、あんなことで…!
エージェント・新田: …ありがとうございます。大変参考になりました
<録音終了>
該当事案時、SCP-XXX-JP-1は全身を機械化されており、ロボットに近い存在に変化していたと考えられています。
収容違反記録XXX-JP 事案R1: 20██/██/██、サイト-81██において、SCP-███-JPを研究していた██ ██研究員がSCP-XXX-JP-1へ変化しました。SCP-XXX-JP-1は当時サイト-81██に収容されていた人型オブジェクトSCP-███-JPの収容施設を破壊しようと干渉行為を行い、SCP-███-JPは破壊されました。SCP-XXX-JP-1はその後、機動部隊により無力化されました。
この際、SCP-XXX-JP-1の干渉行為で救出された、あるいは利益を得た人物はSCP-XXX-JP-1の死亡後24時間以内にSCP-XXX-JP-1の存在を忘却することが判明しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1は、低脅威物ロッカー内に施錠の上保存します。また、 SCP-XXX-JP-1の周囲50mへの侵入は原則禁止され、周囲100mに可燃性の物品を置くことは厳密に禁じられます。SCP-XXX-JP-1を取り扱う際は直前に心理検査と精神安定剤の投薬を行うことを義務付けます。SCP-XXX-JP-2は標準的な無形実体用ユニットにおいて収容されています。現在時点でSCP-XXX-JP-2にその特性以外異常性は確認されていません。SCP-XXX-JP-2には鬱病の傾向が見られるため、週一回のカウンセリングが行われます。
これらの文章は事件記録XXX-JP-3以降に改訂されたものです。詳細は事件記録XXX-JP-3を参照してください。
説明: SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JP-1とSCP-XXX-JP-2からなるオブジェクトです。
SCP-XXX-JP-1は、金属製の十字架を模した装飾品です。SCP-XXX-JP-2の証言によると、露天商から購入した物であり、起源は不明です。
SCP-XXX-JP-2は██ ██と名乗るアジア系女性の容貌を持つ霊的実体です。SCP-XXX-JP-2は、SCP-XXX-JP-1以外の実体への干渉は不可能です。同姓同名の人物が19██/██/██に発生した火災の際、行方不明者として報告されていることが判明しています。現在、該当の火災は家主である██ ██氏の不注意による事故であると結論付けられており、事件性は無いと判断されています。この火災において、死者、行方不明者はともに一人です。
SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JP-1の周囲100mに存在する物体が突然自然発火することにあります。この発火現象においては本来不燃性の物体も発熱し、急激に酸化、あるいは融解します。これらの発火現象はSCP-XXX-JP-2の激昂に起因するものと推測されました。
SCP-XXX-JPによる発火の際、発生した炎中に数人の人型実体を確認することが可能です。それらの人型実体は多くの場合、重度の火傷を負っているように見えるにも拘らず、炎中からの脱出、逃走を図ろうとしていることが確認できます。それらの人型実体との接触は現時点で不可能です。また、人型実体の内数人は前述の火災事件に関連した人物であり、そのいずれもが事故後、数年のうちに何らかの火災で死亡しています。
SCP-XXX-JPは前述の火災事故の関係者中における、事故死者の割合が異常に高いことを疑問視した財団エージェントにより、事故現場の調査時発見されました。以下は当時初期収容を試みた際のインタビュー記録です
インタビュー記録XXX-JP-1:
エージェント・██は全身にⅢ度の熱傷を負い、病院への搬送後死亡しました。これ以降、SCP-XXX-JP-1の移動を不可能と判断した財団は該当現場を保全し、交渉、監視を行うことで収容体制を確立しました。また、SCP-XXX-JP-2に対するインタビューは無人機を使用することが決定されました。
事件記録XXX-JP-3: 20██/██/██、実験に伴う現場内部への物資搬入時、D-0442が誤って侵入しました。危険性の考慮から財団はD-0442へ自力で脱出することを促しました。以下は当時の映像記録です。
事件後、D-0042は病院に搬送されましたが、一命をとりとめました。また、SCP-XXX-JP-2は全身に熱傷を負いました。この事件から、SCP-XXX-JPは、周囲に何らかの激情を持った対象がいた場合、対象の目標を発火させるオブジェクトであると推測されました。これにより、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1単体のオブジェクトであると推測され、現在の特別収容プロトコルへ改訂。現状、SCP-XXX-JP-1とSCP-XXX-JP-2は個別に収容されています。
食べると硫化水素を出すが、キスで解除される卵、グリムと日生研の共同作品。
ただし日生研はグリムを気味悪く思ってるみたいなそっちのほうをメインに。
- グリムやアンデルセンがあるならイソップもあっていいのでは?
- お盆に現れる首無しライダー。追い抜かれると死ぬ。夜行さんやデュラハンあたりを絡ませたいけどデュラララになりそう
- 清姫伝説あたりを題材に
- 地球を救うために星になったおばあちゃんDクラス。ブラッドベリ
- undertaleみたいな優しいSCPが書きたい
- 霧の探索者を出すならどんな話がいい?
- ヒトリシズカにまつわるオブジェクト
- Stronger than you!
- 殺陣鬼
- カモノハシ
- もうとにかくわけの分からないのを一つ
- 人間型
- ヘビ
- 場所
- 羊
- 文書
- 節足動物
- 動物
- 生命
- 異節目
- 変身
- 猫
- 像
- 粘土
- 自我
- 自律
- 道具
- 時空間