kyougoku08の備忘録

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]

説明: SCP-XXX-JPは██県山中に存在する廃墟及び、その内部に存在する異常空間と異常物品、異常生物の総称です。

SCP-XXX-JPは現在異常性に由来すると推測される原理不能の方法で封鎖されています。この封鎖は現在財団が所有するいかなる道具、方法を用いても突破が不可能であることが確認されています。また、内部の視認も不可能です。唯一、備え付けの排気口は上記の封鎖が行われていない為、SCP-XXX-JP内部への侵入はこの排気口を経由する必要があります。

SCP-XXX-JP内部へ侵入した場合、侵入した対象の持つGPS装置及び通信機器は全て停止します。その為、内部の情報はSCP-XXX-JPより帰還した侵入者の記録及び証言に依存します。現在の帰還例は後述するD-16554を主体とする1チーム3人のみであり、他の人員は行方不明扱いとされています。

前述の記録、証言によりSCP-XXX-JP内部には海面が広がっている事が確認されます。回収されたサンプルから海水の組成は地球上におけるいずれの大洋とも一致せず、僅かにヒトの脳脊髄液を含んでいることが確認されています。海中には後述のSCP-XXX-JP-2を頂点とした生態系が広がっており、その生態系も地球上におけるいずれの大洋とも一致しません。

SCP-XXX-JP内部に陸地は確認されず、後述のSCP-XXX-JP-1が唯一の移動手段であると推測されます。

SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP内の海面を航行する船舶群の総称です。SCP-XXX-JP-1の船種は葦船、三段櫂船からプレジャーボート、高速戦艦等多岐に渡ります。これらの船舶は多くの場合航行機能を失っている、あるいは著しく破損していることが確認されますが、その状態にも関わらず通常の船舶と同様の航海が可能です。SCP-XXX-JP-1にはSCP-XXX-JP-A等の一部を除き船員が存在しませんが、自律的に後述のSCP-XXX-JP-2を捕獲することが確認されています。

SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP内部に存在する頭足類と推測される生物の総称です。SCP-XXX-JP-2は多くの場合、海面上に触腕のみを伸ばし、胴部及び頭部は水上で確認することはできません。SCP-XXX-JP-2は実体を持ちますが、死亡する、あるいはSCP-XXX-JP-1に捕獲されることで非実体に変化することが確認されます。

SCP-XXX-JPは異常性発現以前は本来GoI-2722"鉄錆の果実教団"の関連施設であったことが確認されています。財団による第二次襲撃作戦の対象でしたが、作戦決行直前に異常性が発現、関連していた教団員の救助要請を受け財団の収容下に置かれました。

以下は収容時、確保された教団員への聴取記録です。

インタビュー記録XXX-JP-1

対象: 富士 ██氏 (GoI-2722"鉄錆の果実教団"の幹部信者)

インタビュアー: 護良研究員

<録音開始>

(前半部は事実確認のため省略)

護良研究員: では、あのオブジェクトの挙動はそちらの意図した事ではないという事でしょうか?

富士氏: そうです。ただ、俺自身は財政や事務担当だったんで、信者って言っても詳しい事は知らないんです。だから断片的な事になりますが

護良研究員: 構いません。知っている限りの情報をお話しいただければ

富士氏: 分かりました。まずあの建物ですけど、あれは俺たちの教団の研究所みたいな場所でした。教団はなんでも儀式のときに肉? よく分かりませんけどそういうもんが出てくるらしくって。それを何かしら使えないかってことになったらしいです。それで、それなら脳味噌を作ってみてはどうかってことになったらしくって

護良研究員: 脳を?

富士氏: はい、脳味噌です。俺も聞いただけですけど、有名な人の遺伝子を肉の中に取り込んで、その人の脳味噌を再現するとかなんとか。それを好事家に売って儲けようとしてたらしいです

護良研究員: 成程、確かに著名な人物の脳となれば高値で取引される可能性もありますね

富士氏: はい、で、そちらの襲撃があるって情報が伝わってきたときに丁度脳が1つ完成しそうだってんで、俺だけとりあえず一旦逃げる手段を整えようと建物から出たんですね。で、戻ったらもう入れなくなってて。慌ててるうちにそちらが来たもんで観念したって訳です

護良研究員: そうですか。脳が1つ、と言っていましたが、これ以前にも脳は完成していたのでしょうか?

富士氏: そうですね、それ以前にもいくつか有名な人の脳味噌を作ってたらしいです。だからなんでこんなことになったのか本当に分からないんですよ

護良研究員: 分かりました。その脳に関連した資料はありますか?

富士氏: 全部建物の中だと思います。研究してた信者もその脳味噌とか肉とかも全部。俺は金庫番みたいなもんなんで、口座の番号とかそういう事だったら分かるんですけど、正直教団の儀式とか何が起こってるのかとかはよく知りませんから

<録音終了>

この証言を受け、SCP-XXX-JPの異常性においてそれらの脳が何らかの関連性を持つものと推測され、上述の侵入口が発見されたことにより、Dクラスを主体とした調査部隊が送り込まれることになりました。以下は現状唯一帰還したチームの記録した映像、音声ファイルの書き起こしです。

SCP-XXX-JP探索映像ログ-008-1(書き起こし抜粋)

日付: ████/██/██

探索人員: 特別編成部隊("[部隊名未設定]")/D-16554(隊長/アルファ)/D-16555(副隊長/ベータ)/D-16556(ガンマ)

対象: SCP-XXX-JP

目的: SCP-XXX-JP内部の探索、及び行方不明人員の確保、調査

«閲覧開始»

(前半部は事実確認のため省略)

アルファ、ベータ、ガンマの3人は海面に着水。簡易防水装備を使用し、記録用ドローンを使用。周囲の確認及び信号の発信を行う

アルファ: ベータ、ガンマ、撮影機器と録音機器は大丈夫か

ベータ: チェック、大丈夫そうですね。防水機能はしっかりしているみたいです

アルファ: 一面の海だな。夜のようだが正確な時間は分かるか

ガンマ: 不明です、GPS等位置情報の取得も失敗しました。方位磁針はまともに動いているみたいですが

ベータ: 陸地は周辺に見えませんね。緊急信号も発信しましたが、そもそもこの場所に知性を持つ存在がいるのか分かりません

アルファ: 軽く海中を調査してみたが、何処の海域だかは分からない、という事が分かったな

ガンマ: 潮流も確認されません。どうやら自分で移動するより他に方法は無いようですね

ベータ: 困りましたね。流石に海洋への装備は持ってきていません。このままだと海の上でミイラになってしまいます

アルファ: とにかく何らかの方法で陸上に辿り着く必要があるわけだ

ドローンを用い、周囲の陸地を捜索。確認できる範囲に陸地は存在せず。ほぼ同時に海面に3m程の巨大な触腕らしきものが出現、ベータが捕獲される。

アルファ: ベータ! 発砲許可を出す!

ベータ: 何だこれ!? 蛸か!? ミズダコにしてもデカすぎやしないか!?

ベータが触腕に発砲するも、損傷は見られず。アルファ、ガンマも援護するが徐々にベータが海面へと引きずり込まれる。海中には約10m程の影が確認される。

ガンマ: 9時の方向より何かが接近してきます! 速度は約35ノット! まもなく目視できる範囲に…、見えました!

西の方角より船影が確認される。船影は3名及び不明な巨大生物に接近、この時点で船影はキャッチャーボートであることが確認できる。キャッチャーボートは不明生物の約50m付近まで移動し、捕鯨砲を発射する。捕鯨砲は不明生物に命中。それに伴いベータは落下、衝撃により一時的に意識喪失したと見られる。不明生物は数秒体表を変色させ死亡。同時に消滅する。ベータをアルファが回収。3人に対し船上からの呼びかけが行われる。

不明な音声: 無事かしら? とりあえず上がってきて。

アルファ: あなた達は

不明な音声: 私たちはヴィヴィアン・ガールズ。貴方たちの魂を救いに来たわ

«閲覧停止»

SCP-XXX-JP探索映像ログ-008-2(書き起こし抜粋)

日付: ████/██/██

探索人員: 特別編成部隊("[部隊名未設定]")/D-16554(隊長/アルファ)/D-16555(副隊長/ベータ)/D-16556(ガンマ)

対象: SCP-XXX-JP

目的: SCP-XXX-JP内部の探索、及び行方不明人員の確保、調査

«閲覧開始»

アルファ、ベータ、ガンマの3人が救出された数時間後、部隊員を救出した人型実体を暫定的にSCP-XXX-JP-Aと定義。SCP-XXX-JP-Aはヘンリー・ダーガーによる作品『非現実の王国で』に登場するキャラクターの姿を模している。SCP-XXX-JP-1内のSCP-XXX-JP-Aから現在状況の説明を受ける

アルファ: ではヴァイオレット、説明をお願いしたい。ここは何処なのか、何なのか、そしてあなた達、あの巨大な蛸は何なのかを

ヴァイオレット: そうね、まず分かってることから。といっても私たちのことだけだけど。私たちはヴィヴィアン・ガールズ。アビエニアの少女戦士、だと思うわ

ガンマ: ヴィヴィアン・ガールズ。ヘンリー・ダーガーの『非現実の王国で』に登場するキャラクターですね。では貴女はその登場人物である、と?

ヴァイオレット: だと思うわ、でもそんな色眼鏡で見られるのは嫌よ。私たちはあくまで私たち、物語とかキャラクターがどうとか関係ないの。そんなことは些細な事よ

アルファ: ではここは一体どこなのか分かるだろうか

ヴァイオレット: 分からないわ。でも多分あなた達のいるべき場所じゃないと思う。あなた達の言い分だと、私たちはキャラクターだし、あなた達は読者ね? それは同じ場所にいてはいけないわ。あの"octopus reed"とも違うみたいだし

アルファ: "octopus reed"? 蛸の葦、という意味か? あの巨大な蛸のことなのか? 何故その呼び名を?

ヴァイオレット: 私たちがそう呼ぶのは、あれが"reed"に変化することがあるからよ。"takoashi"、面白い響きね

アルファ: 葦に?

ヴァイオレット: 全部じゃなくて一部だけどね。話を戻しましょうか。さっきここがどこか分からないって言ったけど、多分この海はあの蛸の海よ。私たちも、あなた達も、きっと異物なんだと思うわ

ベータ: 異物か。そう言えばあなた達は何であの蛸を倒していたんだ?

ヴァイオレット: そうね、私たちは戦い続ける必要があるからかしら。終わりのない戦いこそが私たちの舞台だし、私たちはきっとずっとダーガーと戦い続けるわ

ガンマ: ヘンリー・ダーガーを、あなた達の作者をご存じなのですか?

ヴァイオレット: もちろん。私たちはダーガーに干渉していたし、ダーガーは私たちに干渉していたわ。私たちにとって境界は曖昧だし、どうでもいいこと。ダーガーが私たちを通じて何かを見ていたのかなんて知らないし。でも、そうね、あの蛸葦の影はどこかで見ていたような気もする。私たちはダーガーの現実を侵食し、ダーガーは私たちの世界を侵食したのだけど、あの蛸も似たようなものじゃないかしら

アルファ: …つまり、あの蛸たちは、私たちの現実を侵食するということだろうか?

ヴァイオレット: 私たちは学者様じゃないから何とも。それにしても、ダーガーは死んだのに、何故私たちはこの海にいるのかしらね。あら、デイジー、え? また蛸が? それじゃあ、行きましょうか。あなた達もちょっと付き合ってくれる?

«閲覧停止»

SCP-XXX-JP探索映像ログ-008-3(書き起こし抜粋)

日付: ████/██/██

探索人員: 特別編成部隊("[部隊名未設定]")/D-16554(隊長/アルファ)/D-16555(副隊長/ベータ)/D-16556(ガンマ)

対象: SCP-XXX-JP

目的: SCP-XXX-JP内部の探索、及び行方不明人員の確保、調査

«閲覧開始»

SCP-XXX-JP侵入から約1週間が経過。SCP-XXX-JP-Aとの協議の結果、SCP-XXX-JP内の調査を開始

アルファ: 調査の結果だが、どうだ、ガンマ

ガンマ: まず、上空にドローンを飛ばしてみましたが、一定の距離で停止、その先は確認できません。簡易気球や小型機でも同様の状態でした

ベータ: 水は軽く調べただけですが、一般的な海水と組成はほぼ同じですね。ただ、生物の体液らしきものが含まれています

アルファ: その分析までは難しいか。生物はどうだ?

ベータ: 確認出来るかぎり、既存の海域における生態系とは逸していますね。赤道直下の熱帯魚と北極点付近の生物が同時に泳いでいるのが確認できました。また、これまでに確認されていない奇妙な生物もいくつか

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)

特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]

説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]

補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]