アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその性質上収容することが不可能です。██県██市及び██市において労働基準監督署の設置届に該当しないジブクレーンを発見した職員は、一時的にSCP-XXX-JP収容チームの担当職員として任命されます。速やかに収容チームへの報告を行い監視に準じてください。異常な形態、または実害の生じるSCP-XXX-JP実体が出現した場合、速やかにクラスA記憶処理を目撃者に施し、被害状況を確認してください。そうでない場合は、通常の監視業務を行ったのち最小限の隠蔽処理を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは不明瞭かつ実体を確認できませんが、多くの場合異常性の無い工業用ジブクレーンとして目視による認識が可能です。SCP-XXX-JPは1週間に数回の頻度で、██県██市及び██市一帯でのみ出現が確認されており、それらの事例で共通する点として朝方もしくは夕方である事、遮蔽物の多い街中である事、観測者から見て遠方に位置する事が挙げられます。上記の条件を全て満たしたとしても、必ずしもSCP-XXX-JPが発生するわけでは無いという点から、発生の予期をする事は現実的ではありません。SCP-XXX-JPの形態は一定では無く、出現事例ごとに異なります(SCP-XXX-JP出現事例記録を参照)。視認によるミーム汚染などは現在確認されていませんが、明らかに異常な形態で出現した場合、多数の一般人の関心を引いてしまう恐れがあります。
SCP-XXX-JPの発生プロセスにおいても通常のジブクレーンとの差異は見られず、多くの場合遮蔽物からジブ部分を徐々に持ち上げるようにして発生し、30分~1時間の安定期に入ります。その後、徐々に降下していき消失します。
SCP-XXX-JPは常にビルなどの遮蔽物に隠れるように、かつ観測者から見て遠方に位置します。この性質から、たびたびSCP-XXX-JPを視認する観測者に遠近感の混乱をもたらします。これまでSCP-XXX-JPの基盤部分を確認する試みは成功していません。また同様のSCP-XXX-JP実態を2人以上の観測者が異なる地点から視認した場合、位置や角度といった認識に矛盾が生じる事が確認されています。このことからSCP-XXX-JPは光の屈折による気象光学現象の類、または幻覚の一種であると考えられており、実体が存在しないオブジェクトであるとの見方が有力です。
実験記録SCP-XXX-JP『SCP-XXX-JPへの接近、及び実体の確認。』 - 20██/██/██
実施方法:SCP-XXX-JPの出現を確認した後、速やかに最短距離でSCP-XXX-JPへの接近を試みる。移動手段として財団保有のBK117ヘリコプターを使用する。
結果:接近するにつれて徐々に薄くなっていき、最終的に視認が不可能になった。出発地点に戻ると再び視認が可能になった。別地点からの視点では終始変化は見られなかった。
分析:実際にクレーンが突然街中から生えてくるわけでも無い。近づくと消え、離れると見えるという性質は虹や蜃気楼にも似ている。-███博士
20██/██/██、SCP-XXX-JPに認識災害の兆候が確認されました。██県██市の都心部で午前5時04分、1体のSCP-XXX-JP実態が発生。通常のジブクレーンとさほど差異の見られない実態であったため、特別収容プロトコルに準じて通常の監視記録任務にあたっていました。しかし、発生から23秒後突如SCP-XXX-JPのワイヤーにあたる部分が巻き取りを開始。ワイヤーの先端にあたるフック部分には、(目撃者の多くが黒い、四角い、蠢いていると形容する)詳細不明の実態が付属していました。当時、市内の一般人約█百人超と、記録任務にあたっていた財団職員█人がその実態を視認し、10秒〜1分の間、目の奥の激痛とともに視覚を遮断されました。この影響で██件の交通事故、突然の視覚障害によるパニックが発生し。██名の死傷者を出しました。また、目撃者のうちの39人が認識災害を受けていた際に共通した幻覚を認識。目の奥の激痛を感じた後、視界が緑がかり、街の至るところに建っているクレーンが黒く巨大なビル型の建造物を建築している幻覚を見たと証言しました。この証言についての対応が現在議論されています。
画像出典
https://www.photo-ac.com/main/detail/37189?title=%E5%A4%95%E6%9A%AE%E3%82%8C%E6%99%821&selected_size=s
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP内の現存する居住区域の管理、行政は日本政府の管轄を離れ、日本財団支部による管理下に置かれます。SCP-XXX-JPの周囲には150m間隔で観測機器を設置し、常時侵入者がいないか監視して下さい。一般道には検問所を設け常時2人体制で監視し、外から侵入した人物は速やかにSCP-XXX-JP外に出して下さい。状況に応じてクラスA記臆処理を施してください。万が一SCP-XXX-JP内からの退去を希望するSCP-XXX-JP-1がいた場合状況に応じてクラスA記臆処理を施し、退去を阻止して下さい。毎月第1水曜日と第3水曜日の午前9時に指定の生活用品及び食品をSCP-XXX-JP内の指定店舗に輸送して下さい。
説明: SCP-XXX-JPはかつて北海道██郡に指定されていた地域とその周辺、およびその範囲内で発生する異常現象です。日本時間におけるおよそ17時から翌日早朝の5時までの間、SCP-XXX-JP内に哺乳類が滞在、侵入するとSCP-XXX-JP内にそのような個体が全く存在しないにも関わらず、スズムシ(学名:Homoeogryllus japonicus)の鳴き声を耳にします。この現象は夜間の間であれば通常の個体の生息時期に関わらず一年を通して常に発生している事に留意して下さい。
この存在しないスズムシの鳴き声を3時間〜6時間継続して聞き続けた哺乳類(以降SCP-XXX-JP-Aと呼称)はミーム汚染を受け、太陽及び昼の概念を消失します。人間の場合、1日が24時間という概念は知覚しているものの、通常昼間として指定されている時間帯においては太陽は月として認識し、太陽光を知覚できないため視界が極端に狭まります。またそれに加え、スズムシの声を24時間常に耳にするようになります。この影響はSCP-XXX-JP外に脱すると消失します。しかし長期間SCP-XXX-JPに暴露した個体は日光に対する耐性が極端に低下し、結果的に多くの場合精神疾患や慢性的な疾患を発症します。原因が不明でありながらこれらの疾患を発症した人物を発見、調査した結果、SCP-XXX-JPの発見に繋がりました。
個人差はあるもののおよそ1ヶ月間以下の滞在であれば日光に対する耐性の低下は軽度で済む事が確認されています。身体的にはSCP-XXX-JP内でも太陽光を浴びているはずのSCP-XXX-JP-Aが日光に対する身体的耐性を低下させてしまう原因は不明です。
SCP-XXX-JP初期調査記録ログ
日時:200█年3月██日午前7時30分〜
調査担当:エージェント・小畑
付記:厚生労働省の基礎生活調査を名目に実施。またSCP-XXX-JP外からの通信指示を白波瀬博士が担当。インタビュー対象の住人はSCP-XXX-JP-A-1と呼称
<録音開始>
エージェント・小畑:録音を開始。これよりSCP-XXX-JPの調査を開始します。…一見したところ平和な町の朝といった…いや、こんな朝に街灯が点いていますね。あとフクロウの声も聞こえます。
白波瀬博士:スズムシの声は聞こえますか?
エージェント・小畑:いえ、今は聞こえません。
白波瀬博士:分かりました。しばらく周辺を探索してみて下さい。
…..
<2分程の探索>
…..
エージェント・小畑:―――小学生がいます。集団登校中でしょうか。見たところえーほとんどが懐中電灯で道を照らしながら歩いています。
白波瀬博士:引率の保護者らしき大人もいますね。インタビューを試みて下さい。
エージェント・小畑:了解。引率を終えた頃を見計らって話を聞きます。
…..
<6分後>
…..
エージェント・小畑:おはようございます。少しお時間よろしいでしょうか。
SCP-XXX-JP-A-1:はい?えっと…こんばんは…。
<身元説明と重要度の低い会話を省略>
エージェント・小畑:―――では学校は問題なく機能しているという事でしょうか?
SCP-XXX-JP-A-1:はあ…うちの子の所は普通に宵に授業が始まって、暮には終わって帰ってきて…学校楽しいって言ってましたし…。特に何も問題は無いと思いますけど…。
エージェント・小畑:そうですか。それなら良いんです。ちなみに今仰った よい、とか くれ、とは一体なんでしょう?他の地域ではあまり聞かない言い方ですね。
SCP-XXX-JP-A-1:あぁ、そうみたいですね。テレビではあまり聞かないですし方言か何かなんでしょうかね。宵っていうのは右月(うづき)が地平線から出てきてから10時頃まで、暮は…大体右月が沈む頃ですかね。あ、その間の時間帯の右月が真上に昇ってる間は陰(いん)とか真陰(まかげ)とか言います。すいません…説明下手で。
エージェント・小畑:いえいえ、とても勉強になります。えーとすいません、右月というのは…。
SCP-XXX-JP-A-1:あっこれも方言なんですか?へえー…。右月は1日の前半に昇る月で、後半に昇る月は左月(さづき)って。簡単に言えばそんな感じです。
エージェント・小畑:なるほど、お時間ありがとうございました。
<録音終了>
SCP-XXX-JP内の文化は我々の暮らす通常の生活様相とあまり変わりありませんが、「朝」「昼」「夕」「太陽」等の概念が消滅したことにより、幾ばくかの独自の言語が使用されています。このことから、SCP-XXX-JP-A群は太陽及びそれに追従する概念を知覚できなくなった事を長期間自覚しないまま生活を送ってきたと見られています。
SCP-XXX-JP一帯がSCP-XXX-JPの影響下に侵された時期ははっきりとは断定できませんが、1996年から1997年に掛けての当該地域での一ヶ月毎の犯罪件数が微かに増加傾向にあった事からSCP-XXX-JPの発生時期との関連性が疑われています。
また、地形的な問題から交通網がほとんど整備されておらず、外内部いずれからも人の往来が極めて少ない地域であるため異常性の発見の遅れに繋がりました。201█年現在SCP-XXX-JP内で生活しているSCP-XXX-JP-Aは20,███体です。これらの個体はSCP-XXX-JP内に長期間滞在しているため、影響外に脱したとしても通常の生活を送る事は困難であると推測されています。
SCP-XXX-JP-D-432423インタビューログ
インタビュー対象:D-432423
担当:白波瀬博士
付記:D-432423は10日間SCP-XXX-JPの影響下に置き、期間中数回の小規模実験を行った数日後にインタビューに応じています。
<録音開始>
白波瀬博士:インタビューを始めます。まずSCP-XXX-JP内に滞在していた当時の記憶はありますか?
D-432423:はい、変な体験だったんで今から考えてみると夢で見たような感じですけど、一応記憶はあります。まだ若干太陽を見ると目が痛くなるんすけどその内治るんですよね?
白波瀬博士:徐々に慣れていけば問題はありません。影響下にあった当時の事を詳しく説明してください。
D-432423:えっと…最初に宿舎に行ってなんか色々説明受けて…1日目は特にやる事なかったから寝て起きたらまた夜だった。その時はなんとも思わなかったんですけどね。今から思えば色々とおかしかったですね自分。ビデオ見させられた時も昼の映像だったのに夜の映像だと思って見てましたし、まず昼とか太陽とかの意味が分からなかったんですよ。
白波瀬博士:なるほど。日中の様子はどうでしたか?当時で言う午前6時から午後6時ぐらいの間の時間帯の事ですが。
D-432423:だからずっと夜だったんですって。部屋ん中にいる時はずっと電気つけないと真っ暗だったし。外出の時間に外に出たら月明かりと街灯があったんでまあちょっとは明るかったですけど。あー今日もスズムシが鳴いてんなーとか思いながら。…うん。あ、最初の数日は辛かったんですよ。1日中肌寒いってのに上着が支給されて無くて…。勘弁してほしかったです。
白波瀬博士:そのスズムシの声に何か違和感を感じたりはしませんでしたか?常に聞こえていたと思うんですが。
D-432423:ほんと準備はちゃんとして下さいよ。こっちは協力してるってのにさ。なあ先生。
白波瀬博士:質問に対する答え以外の発言は控えてください。
<D-432423が反抗的な言動を見せたため約2分間の会話を省略>
D-432423:いやぁ..ただのスズムシの声としか思いませんでしたけど。四六時中聞いてても飽きませんでしたけどね。綺麗で。あのままずっとあそこで暮らしてたいぐらいですよほんと。今でもあの鳴き声を聞きながら寝るとよく眠れます。
白波瀬博士:…今でもとはどういう事でしょう。Dクラスは全員隔離された収容房で寝起きしてるはずですが。
D-432423:そうですけど、夜は毎晩聞こえてきますよ。近くの草むらかどっかにいるんでしょ?
白波瀬博士:なるほど..。ありがとうございました。これでインタビューを終了します。
<録音終了>
補遺:D-432423の供述から調査を行った所、およそ8〜9日の間継続してSCP-XXX-JPの異常性に暴露した実体は、SCP-XXX-JP外に脱した後にも夜間に存在しないスズムシの声を耳にする事が判明しました。この異常性に特に大きな実害はありませんが異常性を取り除く手段については見通しが立っていません。
,,,200█/05/05- 申請SCP-XXX-JP-e-744 SCP-XXX-JP内での3泊4日ミーム汚染体験合宿を新人職員カリキュラムに組み込む事を希望します。詳細を下記にまとめましたのでご参照下さい。-白波瀬
ミーム汚染体験合宿計画書(集中講義-SCP-XXX-JPを用いて-)
,,,200█/05/07- 承認。-O5-█
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP、-a、-bはサイト-8102にてそれぞれ別のパスワード付きの高耐久ロッカーに保管し、常時監視カメラで監視してください。実験を行う場合はセキュリティレベル3以上の職員の許可を取ってください。運搬する際は2人以上で慎重に運んでください。現在SCP-XXX-JPの実験は停止されています。
説明:SCP-XXX-JPは右側に行くに従って模様が上がる、いわゆる「Z巻き」と呼ばれる型のキャスター付きサインポールです。SCP-XXX-JPは電源に接続されていないにも関わらず常に作動しています。また未知の工学的技術による高度な耐久性を示しており、分解、破壊する事はおそらく困難です。ただしガラスカバーには異常性は無く、問題無く取り外す事ができます。
SCP-XXX-JPの内部のモーター部分における上底と下底には存在しないはずの空間が開いており、SCP-XXX-JPの回転筒は回りつつ上底の空間に向かい延々と上昇し続けます。空間は現世界、別世界に関わらず別の同じ異常性を示すサインポールに通じていると考えられ、捜索の結果、現在3台のSCP-XXX-JPを収容しています。
200█/03/10 SCP-XXX-JP探査記録1
上底、下底の空間口はともに僅かな隙間しかないため、回転筒に小型の映像通信記録装置を貼り付け、上昇した先の空間の探査が試みられました。装置が次の空間に移動するまでの時間は平均して4.5秒です。また、視点が回転している為多くは不明瞭な記録になります。
探査記録1-1
子供が数人周りを走り回っている。ヤシの木と砂丘が遠くに視認出来、白い木製の建造物が側にある。砂丘は海の様に常に波打っている。子供の1人の背中に用途不明の突起物が2本確認できる。
備考:我々の宇宙とは別の宇宙、もしくは別世界に通じている可能性がある。-白波瀬博士
探査記録1-2
ガラスカバーが緑色の粘液に覆われており、小さな手足を持つ球状の物体が空中に浮いているのが微かに確認できる。
探査記録1-8
商店が立ち並んでおり、人が歩いてるのを見下ろすことが出来る。外見からは人類と差異は見られない。近くの店の看板に「██印鑑」という文字が確認出来る。
備考:映像中の場所の特定を試みた所、三重県██市に存在する商店街だと特定されました。問題無く新たなSCP-XXX-JPを収容しました。この他にも探査記録からアメリカ████州でのSCP-XXX-JPの存在も確認され、回収しました。(それぞれSCP-XXX-JP-a、-bと指定)
探査記録1-9
暗く確認し辛いが深海だと思われる。丸い物体が分裂と発光を繰り返している。形はクンショウモに酷似しているが、肉眼で確認できる程度の大きさ。すぐ側には建造物の存在が確認できるが、暗い為詳細は不明。
探査記録1-12
コンクリート製と見られる壁に囲まれた部屋に大量のサインポールが敷き詰められている。ガラスカバーは取り外されており、周りのサインポールも同様の状態で作動し続けている。ドアは視界上には確認出来ない。
備考:これ以降の探査で合計11回、それぞれ別のサインポールに通じる形で同一の空間を映像通信記録装置が通過した。SCP-XXX-JPは意図的に製造された人工物と見られる。-白波瀬博士
探査記録1-34
カバーガラスに所々穴が空いている。肉壁に囲まれた空間を様々な物(木、石、象の死体、はさみ、テレビ、ペットボトル、人間の死体、等)が満たしている。肉壁は脈動しており、壁に空いた穴から次々と前述の物品類が排出されているのを確認できる。
探査記録1-35
映像が横倒しになっている。茶色がかった肌の口の無い人型生物がガラスカバーにへばり付きこちらを凝視している。その生物の背後には古い納屋と青空が見える。生物に動きは確認できなかったが、次の空間に移動する直前に突然装置からの通信が途絶える。
備考:SCP-XXX-JPの空間口は電波を問題無く通すようだ。最後に通信が途絶えた原因は電波が距離的にとどかなくなったからなのか、それともあの人型生物の影響なのか。設備を整えた上で再び実験を行うことにする。-白波瀬博士
200█/03/15 SCP-XXX-JP探査記録2
前回と比べて、より強い電波を発する映像通信記録装置を使用しました。
探査記録2-1~34
前回の探査記録と同じ空間と状況
探査記録2-35
前回の探査で確認した人型生物は視界には存在しない。木材と瓦礫の山と赤い空が確認できる。前回の探査記録と同一の空間かは不明。問題無く次の空間に移動した。
探査記録2-39
探査記録1-35で確認した人型生物を再び確認。前回と同様にガラスカバーにへばり付きただこちらを凝視している。背後には高いビルが立ち並んでいる。白いスーツを身にまとった様々な犬種の犬が十匹以上見える。人型生物に向かい吠える、噛みつくなど敵意をむき出しにしている。次の空間に移動する直前に突然装置からの通信が途絶える。
備考:探査記録35の空間と探査記録39の空間は同一の宇宙、もしくは世界という事だろうか。嫌な予感がするが実験を続ける。今後あの人型生物をSCP-XXX-JP-1と呼称する。-白波瀬博士
200█/03/16 SCP-XXX-JP探査記録3
前回と同様の映像通信記録装置を使用しました。
探査記録3-1~38
前回の探査記録と同じ空間と状況
探査記録3-39
SCP-XXX-JP-1は確認できない。大きく損傷したビルの前に赤いスーツを着た犬が大量に倒れている。どれも死亡しているように見える。問題無く次の空間に移動した。
探査記録3-47
SCP-XXX-JP-1を確認。ガラスカバーにへばり付きこちらを凝視している。空間は乳白色の半液状の物体に満たされており野菜(人参、じゃが芋、玉ねぎ、ブロッコリー)と肉の小片が大量に浮いている。次の空間に移動する直前に突然装置からの通信が途絶える。
備考:あくまで推測だがやはりSCP-XXX-JP-1はサインポールを通じて空間を移動している。理屈は分からないが、理屈を期待するのも無駄だろう。しばらくシチューは食べる気にはならないな。再び実験を行う。-白波瀬博士
200█/03/17、SCP-XXX-JPの下底の空間から出てきた回転筒に何らかの機器が張り付いており、回収されました。調査の結果それはSCP-XXX-JP探査記録1で使用された映像通信記録装置と判明しました。内部の部品が熱によって融解しており映像記録の復元は不可能でした。装置は茶色の汚れに覆われており、その汚れを解析したところ、人間の皮膚の死細胞に酷似した物質だと判明しました。
SCP-XXX-JP探査記録2とSCP-XXX-JP探査記録3で使用された装置もそれぞれ200█/03/22、200█/03/23に、同様の状態でSCP-XXX-JPの下底の空間から現れ、回収されました。
SCP-XXX-JPの探査実験は停止する。-白波瀬博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト‐81██地下の██番金庫に重ねた状態で保管し、常時監視カメラで監視してください。実験を行う場合はレベル2職員3人以上の許可を取ってください。実験を始める前に部屋に██████・Company製のカラーコーンを設置したことを確認してください。
説明: SCP-XXX-JPはアメリカの企業、██████・Companyで製造されていた一対のポリエチレン製カラーコーンから成ります。(それぞれSCP-XXX-JP-a、-bと呼称)SCP-XXX-JPの材質に異常性は無く容易に破壊する事が可能ですが、破壊するとその時一番近い位置に存在する同じ製造元のカラーコーンに異常性が移行します。(SCP-XXX-JP収容違反記録参照)██████・Companyを調査したところSCP-XXX-JPについての異常性は認知しておらず他に不審な点も発見されなかったため、SCP-XXX-JPと同規格のカラーコーンの生産、流通を差し止めた上で社員全員に記憶処理を施しました。現在、回収部隊による同規格のカラーコーンの探索、収容が進められています
何らかのタイミング、状況に晒された時、SCP-XXX-JP-a、SCP-XXX-JP-bの表面に通常の黒色のペンキで書かれた「EACH SECURITY」という文字が出現し、それと同時に双方のSCP-XXX-JP間に厚さ12.█cm、高さ2.2█mの不可視の障壁が出現します。現在10秒~███時間の間隔で異常性が発生し、およそ1分ほどで障壁は消失します。障壁はSCP-XXX-JPの底面より下部には発生せず、一方のSCP-XXX-JPの円錐の頂点にあたる位置から始まり、もう一方のSCP-XXX-JPの同様の位置まで続きます。障壁はあらゆる物体を通さず、また異常性の発生間はSCP-XXX-JP、障壁ともに、完全に不動です。障壁の出現時、空間中における突発的な物体の出現によって強い衝撃波が発生し、間に設置されている物体はその硬度に関係無く分断、破壊されます。また障壁の消失時には、消失箇所が一瞬真空状態に陥ることにより突風等が引き起こされます。なお一方のSCP-XXX-JPにもう一方のSCP-XXX-JPを重ねることで異常性を無くすことができます。SCP-XXX-JP間の障壁が発生する距離の上限は現在確定されていません。
1906/04/21、実験用屋内中庭にて実験のため異常性を発生させた。異常性が消失した際、障壁の消失による突風が発生。強烈な風に煽られたSCP-XXX-JP-aは壁に接触し、大部分が破損(SCP-XXX-JP-a自体の経年劣化も影響していたと見られる。)。約30分後、約200m離れた民間の倉庫に保管されていた同型のカラーコーンとSCP-XXX-JP-b間に障壁が出現。サイト‐81██の壁、機材、地形の破壊。Dクラス職員2名。民間人█名の死亡を引き起こしました。SCP-XXX-JPが異常性を移付させる性質を持つことが確認された。以後実験を行う場合には同じ空間に同型のカラーコーンを2個以上設置することが義務付けられた。
実験記録SCP-XXX-JP-3 - 1906/04/23
実施方法:SCP-XXX-JPを3m離し設置する。
結果:記録開始から約2時間後、異常性が発生。障壁が出現しそれによる衝撃波が発生した。55秒後異常性が消失。
分析:衝撃波の発生は、大きな体積を持つ障壁が空間中に瞬間的に出現し大気が押し出されたことによって引き起こされていると見られる。威力としては爆薬を用いた高速爆轟現象と同程度だ。
実験記録SCP-XXX-JP-6 - 1906/04/24
実施方法:防弾ガラスで作成された水槽を設置し、SCP-XXX-JPの頂点をそれぞれ左右逆向きに向けた状態で3m離し、水槽の中に入るようワイヤーで吊るす。異常性の発生後、水槽に水を投入する。
結果:約23分後異常性が発生。螺旋状に生成された障壁が水の中に確認できた。57秒後異常性が消失。
分析:障壁はSCP-XXX-JP同士の設置向きによって形状が変化することが確認できた。なお障壁の出現中にSCP-XXX-JPを動かして障壁の形状を意図的に変えることはやはり出来なかったことを付記しておく。
補遺: 発見経緯
1906年4月18日早朝、アメリカ合衆国カリフォルニア州南部の█████████から██████にかけて突如大地に約1300kmの地割れが生じた。報告を受けた財団が迅速に調査した結果、割れ目の両端にSCP-XXX-JPを発見、収容した。
衝撃波等の影響で███人の死傷者を出した。目撃者にはクラスA記憶処理が施され、カバーストーリー"大規模な横ずれ断層による地震"が流布された。この事象以降、財団所有の地震発生███削機を用いての地殻変動による、割れ目をより自然現象に模倣する為の作業を現在も試みている。もともと同じ工事現場で使われていたSCP-XXX-JPが、資材動行のため自動車等の交通機関に運ばれて長距離の間隔が開いたことで今回の事象を引き起こしたものとして見ている。
備考: SCP-XXX-JPが生じさせる障壁は直線的だ。地球の曲面に切れ込みを入れることも簡単に出来る。重ねて金庫にしまっておけばまさにsafeだろうが、万が一ということも考えなくてはならない。海に囲まれた島国なら長距離離したとしても少しの猶予は作れる。ブラジルに片方持っていくようなことは起こらないだろうが..。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPは
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
実験記録SCP-XXX-JP - 20██/██/██
対象:
実施方法:
結果:
分析: