Kokei-umiushi018

〈アイテム番号〉SCP-xx-JP
〈オブジェクトクラス〉keter
〈特別収容プロトコル〉
SCP-xx-JPによって発生した災害(以後SCP-xx-JP-1と呼称)はあたかも発生の兆候があったかのように気象庁や各地の観測所等のデータを偽造してください。聴力のない職員のみで構成された機動部隊が全国のありとあらゆる情報メディアを24時間体制で監視し、SCP-xx-JPが発生していないか確認してください。SCP-xx-JPの発生が確認された場合、現地に聴力のないエージェントを派遣して「誤報でした。」という訂正がされるまで避難誘導を行ってください。また、SCP-xx-JP-1の生存者にはAクラス記憶処理を施してください。
〈説明〉
SCP-xx-JPは観測されていない災害の速報とその訂正、それらによって発生するとされている災害及び認識災害です。SCP-xx-JPによって発生する災害は、何の前兆もなく発生し、必ず甚大な被害をもたらし、速やかに消滅します。SCP-xx-JP-1は頻繁には発生せず、数年あるいは数十年ほどの間隔で発生しています。SCP-xx-JPの一連の流れは以下の通りです。
1.指定された市町村や自治体のテレビやラジオといった情報メディアが、一斉に災害の速報を伝える。(実際はそうした災害の前兆は観測されていません。)
2.SCP-xx-JP-1の速報を報じた情報メディアが、先ほどの速報が「誤報でした。」と訂正し謝罪する。
3.唐突に先ほどの速報で伝えられたSCP-xx-JPが発生し、通常の災害と同程度の被害を通常の10倍の速度で発生させる。(風が弱い場所で一瞬で竜巻が発生する、プレートがいきなり大きくずれて地震が発生する、勝手に海水が盛り上がって津波となる、活動していない火山が噴火する、等。)
4.災害が実際に発生したにも関わらず、「誤報でした。」という訂正を聞いた人々は、安心した様子で普段通り生活する。(大半は前述の災害によって死亡しますが、低確率で生存する事例も確認されています。また、何らかの理由で「誤報でした。」という訂正を聞いていなかった、あるいは既に避難を始めていた場合は、災害を正常に認識でき、ほとんどの場合生存することができます。)
なお、運よく生存した人々は、「誤報でした。」という訂正を聞くまでの記憶は正常で、「誤報でした。」という訂正を聞いた後は普段通り生活していたと主張しており、またSCP-xx-JP-1による被害を見ても、「災害など発生していない。」と主張します。
[追記]前述の生存者に実際の竜巻や噴火の映像を閲覧させたところ、「変化が見られない」「普通の山だ」といった感想を述べ、災害の存在自体を認識できなくなっていることがわかりました。