下書き置き場
アイテム番号: SCP-767-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-767-JPが含まれる全記憶媒体はサイト-81██の異常物品保管ロッカーに保管されています。SCP-767-JPを用いた実験は、レベル4/767-JPセキュリティクリアランスを持つ職員2名以上の許可を得ることで実行可能です。万が一、収容外のSCP-767-JPが発見された場合は、発見者に対してクラスB記憶処理を施して下さい。
説明: SCP-767-JPは一般的なプログラム言語による3項の整数列を出力する一様乱数生成器1と、それに付随する未知のプログラム言語によるアルゴリズム(SCP-767-JP-a)からなるプログラムです。SCP-767-JPは元々の一様乱数生成器を実行可能な電子機器上であれば、SCP-767-JP-aが未知の言語であるにもかかわらず、問題なく動作することが確認されています。
SCP-767-JPの第一の特性は、出力される乱数の発生確率にあります。SCP-767-JPによる乱数の生成プロセスは、出力の直前までは通常の一様乱数生成器と同様ですが、出力の直前にSCP-767-JP-aによるものと思われる未知のプロセスが、用いた電子機器の処理速度を██桁以上超えて実行され、常に一般的に幸運と認識される整数列「777」に収束します。このため、SCP-767-JPはほぼ100%の確率で整数列「777」を出力することが判明しています。
SCP-767-JPの第二の特性は、出力された整数列「777」を視認した者に与えるミーム的効果です。SCP-767-JPを用いて出力した整数列「777」を視認した者(以下、曝露者)は、自分が極端に幸運な状態にあるという認識を持ちます。このミーム的効果を受けた曝露者は、自分の幸運を試す行動を実行に移そうとし、極端な場合では自分の生死を左右するような行動にまでその範囲は及びます。
以上の効果は、曝露者がSCP-767-JPを実行して整数列「777」を視認した回数に応じて強化されるようですが、一方で、クラスB記憶処理によって容易にその影響を失わせることが可能です。また、SCP-767-JPの第一の特性を既に理解している者に対しては、このミーム的効果は極端に抑制されることが分かっています。
以下に、SCP-767-JPの第一の特性を擬似的に再現したサンプルプログラムを付属しています。
補遺: SCP-767-JPを用いたDクラス職員に対する曝露実験において、整数列「777」以外が出力される事例が█件報告されています。その際に生じるミーム的効果は上述のものとは異なり、[削除済]。この事例についての追加情報へのアクセスは、レベル4/767-JPセキュリティクリアランスを持つ職員のみに限られています。
アイテム番号: SCP-767-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: 上記の説明にはレベル4/767-JPセキュリティクリアランスを持たない職員に対する虚偽情報が含まれています。SCP-767-JP発見者に記憶処理を行った職員がクリアランスを持たない場合、その職員に対してクラスB記憶処理を行い、発見されたSCP-767-JPの回収を阻止、偽装を強化してください。また、SCP-767-JPから出力される値の異常に関して報告を受けた場合、直ちにSCP-767-JP最高管理官(現在は████博士)にその旨を報告してください。
説明: SCP-767-JPの第一の特性自体は前述したものとほぼ同一です。ただし、SCP-767-JP-aは、SCP-███、SCP-███-JPの研究を元に財団により開発された██言語を用いたアルゴリズムであり、整数列「777」は財団により指定された初期値です。後述する目的のために、この報告書に付属するサンプルプログラムは実際にはSCP-767-JP実行プログラムそのものであり、また、ミーム的特性に関するすべての記述は完全な虚偽情報であることに注意してください。
SCP-767-JPはその特性のため、あるゆる事象が通常通りの確率で発生する空間(以降、通常確率系と呼称)においては単なる一定値を表示するプログラムと見分けがつきません。SCP-767-JPの真の特性は、それを実行している電子機器の周囲、半径██ kmの空間内(以降、検出範囲と呼称)において、通常確率系から逸脱した確率改変事象が発生している場合に発揮されます。
1. 通常確率系の保持: SCP-767-JPを実行している電子機器はあらゆる確率改変事象から保護され、通常確率系の状態を維持します。これは、██言語の開発中に偶発的に発見された特性であり、その機構は未だ完全には解明されていません。一説として、██言語における情報とエントロピーの関係性に異常があるためだと考えられています。
SCP-767-JPの開発を進める上で、██言語のこの特性を発見できたことは幸運でした。通常、エントロピーを増大させることなしに情報を破壊することはできない、と考えられています。おそらく██言語は情報エントロピー保存効果を持っており、電子機器上に通常確率系を情報として固定化することで、外部の確率改変事象による変動を遮断するのでしょう。我々は言わば「確率標準器」を手に入れたのです。- SCP-767-JP開発担当者No.███ ████研究員
2. 確率改変事象の検出: 検出範囲内の確率改変事象による通常確率系からの逸脱が増大するほど、SCP-767-JPが整数列「777」を出力する確率P(777)(通常確率系では1)は、元々の一様乱数生成器が整数列「777」を出力する確率2Puni(777) = 0.001に近づきます。これまでの研究から推定された、確率の比Puni(777)/P(777)と対応する確率改変事象の性質は、大まかに以下の表のように分類されています。この表はその比で想定されうる最も顕著な性質を示したものであり、検出範囲内でこれらの確率改変事象が同時に発生しているとは限らない点に注意してください。
Puni(777)/P(777) | 性質 | 想定される現象・オブジェクトの例 |
---|---|---|
> 0.001 | 人間の試行による確率現象に偏りが現れる。 | 細工されていないサイコロやコインで同じ値が出続ける。SCP-181。 |
≧ 0.2 | 電子機器上の確率的・統計的処理に異常が現れる。 | 乱数生成器が無意味になり、暗号化が行えなくなる。SCP-███-JP。 |
≧ 0.5 | マクロな物質の存在確率に異常が現れる。 | 砂漠の砂が自然と風で集まり、精巧な砂の城を造り上げる。SCP-171-JP。 |
≧ 0.█ | 量子力学的効果の破綻。 | [削除済]。 |
Puni(777)/P(777) < 0.█で想定されるのは、最大でも検出範囲大のオブジェクトに過ぎず、多少の困難はあるにせよ、多くの場合収容可能と考えられる。一方、もしもPuni(777)/P(777) ≧ 0.█に達するようなオブジェクトが出現すれば、もたらされる量子力学的効果の破綻は、検出範囲を超えて連鎖反応的に物質世界を破壊し、XK-クラス世界崩壊シナリオを引き起こすであろう。そこに至ってはもはや、我々の知る物理法則は無意味となる。- SCP-767-JP開発主任 ████博士
現在、SCP-767-JPは確率改変事象を引き起こすオブジェクト、特に上記XK-クラスシナリオに達しうるオブジェクト出現の兆候を監視するために用いられています。SCP-767-JP実行プログラムはこの報告書に付属するものを含め、世界各国の█████ヶ所の電子機器上で偽装されて稼働しており、その稼働状況は常時モニター下にあります。
警告
不正な値の検出が確認された場合、直ちにSCP-767-JP最高管理官に報告せよ
XK-クラス世界崩壊シナリオの進行が認定された場合、プロトコル-POPが即時実行される
SCP-662-JPとして投稿済み。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8105の空調が管理された免震構造の密室に収容されており、5つのステンレス製フックを用いた固定具によって、常時SCP-XXX-JP-Bの状態に維持されています。収容室は、SCP-XXX-JPの形状に影響を与えないように配慮された集塵装置によって、定期的に清掃を行ってください。万が一、SCP-XXX-JPの形状が崩れることがあれば、直ちにSCP-XXX-JP-Bの状態に復元してください。現在SCP-XXX-JPを用いたさらなる実験は凍結されています。
説明: SCP-XXX-JPは、柔軟性のある未知の材質の紐で構成される一周80 cmの輪です。この紐は赤色で光沢を持ち、その直径は常時0.█~█.█ mmの間で変動しているように見えます。SCP-XXX-JPはあらゆる汚染の影響を受けず、輪の切断、及びその構成する物質の採取は成功していません。
SCP-XXX-JPは特定の形状に保たれた時、その形状に対応した異常現象を発生させます。SCP-XXX-JPによって発生した現象は実験記録、及び事故記録XXX-JP-5を参照してください。現在のところ、不定形の状態にあるときに記録された現象はありませんが、観測できない現象が発生している可能性があります。これについては補遺を参照してください。
SCP-XXX-JPは財団のフロント企業が管理するマンションの住民より、「娘があやとりをしていたら、突然部屋が水浸しになった」との通報があったことから、発見、収容されました。SCP-XXX-JPの所持者が未就学児童ということもあり、その出所について有力な証言は得られませんでした。引き続き調査が行われています。事情聴取後、住民にはクラスB記憶処理が施され、カバーストーリー「ボヤ騒ぎ」が適用されました。
実験記録: 各実験記録には比較のため、異常性を持たない紐を用いて作成した同一形状の画像が添付されています。
実験記録XXX-JP-1: 19██/██/██
形状名: ”川” (SCP-XXX-JP-A)
実験方法: サイト-8105標準実験室内において、D-58██にSCP-XXX-JPを用いてあやとりの要領で”川”を作成するように指示しました。結果: D-58██にSCP-XXX-JP-Aを崩すよう指示するまでに、周囲に約1 L/secで水が発生しました。この水自体に異常性は見られませんでした。
コメント: このことからSCP-XXX-JPの所持者が作成したのはSCP-XXX-JP-Aであったと考えられる。 ―██博士
実験記録XXX-JP-2: 19██/██/██
形状名: ”ほうき” (SCP-XXX-JP-B)
実験方法: 実験XXX-JP-1の生成物を処理後、D-58██にあやとりの要領で”ほうき”を作成させました。結果: D-58██にSCP-XXX-JP-Bを崩すよう指示するまでに、周囲に約2 g/secで粉末状の物質が発生しました。構成物質は実験室内に存在する埃と同一のものでした。
コメント: これでSCP-XXX-JPがあやとりの形状に対応した現象を発生させることはほぼ間違いない。次は生物を試してみよう。―██博士
実験記録XXX-JP-3: 19██/██/██
形状名: ”うさぎ” (SCP-XXX-JP-C)
実験方法: サイト-8105生物用実験室内において、D-61██にあやとりの要領で”うさぎ”3を作成させました。D-61██は世界各国のあやとりに精通しています。結果: 異常な現象は観測されませんでした。
コメント: 生物には対応していないのだろうか? ―██博士
実験記録XXX-JP-4: 19██/██/██
形状名: ”こぶた” (SCP-XXX-JP-D)
実験方法: 実験記録XXX-JP-3に引き続き、D-61██にあやとりの要領で”こぶた”4を作成させました。結果: D-61██の周囲にSCP-064-JPが発生し、[編集済]。発生したSCP-064-JPは非活性化の後、即座に回収、収容されました。
コメント: 豚の発生は予想の範囲内であるが、こんな”形”でとは思わなかった。発生させられるものの大きさに制限があるのだろうか? ―██博士
事故記録XXX-JP-5: 19██/██/██
発生状況: 実験XXX-JP-4の処理後、D-62██に実験室に入りSCP-XXX-JPを回収するよう指示しました。
内容: D-62██がSCP-XXX-JPを拾い上げた際、偶然にもSCP-XXX-JPが[削除済]の形状をとりました。それに伴い、実験室が[削除済]。幸いにもSCP-XXX-JPは形状が維持できなくなったため、現象の発生は数秒間にとどまりました。この時、サイト-8105から強い重力波が検出されたことが記録されています。
補遺: 実験記録、及び事故記録から推測するにSCP-XXX-JPはその形状に対応した”粒子”を発生させている。SCP-XXX-JP-DがSCP-064-JPを発生させたのが、そのひとつの根拠である。この推測が正しければ、事故記録XXX-JP-5で発生したのは”重力子”であり、したがって、SCP-XXX-JPは██子や████粒子といった有用な”粒子”の研究を進展させる可能性を秘めている。しかしながら、形状と”粒子”の対応が明確でない以上、潜在的な収容違反のリスクのためにこれ以上の実験は凍結されるべきである。我々の科学では、██子や████粒子、あるいは全く未知の"粒子"が大量に発生した際に何が起きるか予測出来ていない。―██博士
以上の記録、及び補遺を踏まえ、比較的収容の容易なSCP-XXX-JP-Bの状態を維持する現在の特別収容プロトコルが制定されました。
SCP-464-JPとして投稿済
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在収容できていません。国内各サイトの担当者はSCP-XXX-JP実体の出現予定日にその出現が確認されるまで、14名以上のDクラス職員に対して交代で繰り返し点呼を行って下さい (以降、この手順をプロトコル・コール・ミーと呼称)。これは現在収容の代替手段として機能しています。プロトコル・コール・ミーの際にSCP-XXX-JPが出現しなかった場合、当日に国内で発生した行方不明事件を調査してSCP-XXX-JPによるものを特定してください。その際、必要に応じてSCP-XXX-JPが記録された媒体の回収や関係者に対する記憶処理、カバーストーリーの適用を行います。
説明: SCP-XXX-JPは毎年5/26 9/27に後述する特定の条件下で出現する人型の実体です。その外見は20歳代後半の男性に見えますが、音声鑑定から声は10歳代前半の子供のものであると結論されました。
SCP-XXX-JPは、その発生予定日に少なくとも14名以上の人間が点呼5を受ける場面でランダムに出現し、本来の点呼担当者の代わりに点呼を行います。SCP-XXX-JPによる点呼は12番目に当たる人間までは問題なく続きますが、13番目に当たる人間6 (以降、SCP-XXX-JP-aと呼称) に到達した時、その人間とSCP-XXX-JPは同時に消失します。
SCP-XXX-JP実体が出現している間は、上述の一連の事象を直接的にせよ、間接的にせよ観測している者は違和感を全く持たず、本来の点呼担当者が点呼を行っていたと記憶します。また、SCP-XXX-JP-aの消失とともにその人間についての過去数時間の記憶を失います。これらのミーム的効果のために、財団の発見までに発生したと考えられるSCP-XXX-JP-aの消失は、未解決の行方不明事件として処理されていました。
SCP-XXX-JPは、199█/5/26にサイト-81██でDクラス職員の点呼を行っている場面を記録した監視カメラの映像から発見されました。その後、日本国内の過去の類似した行方不明事件の調査を行うことで、その出現条件、及び性質が導き出されました。前述したミーム的効果のため、SCP-XXX-JPの存在はこれまで監視カメラ等の記録媒体でのみ確認できています。一方、SCP-XXX-JP-aの消失先を探る試みは、該当者に装備させた音声・映像記録装置、及びGPS発信機の信号が途絶するために成功していません。
SCP-XXX-JPの出現条件を満たす場面をすべて把握することはほぼ不可能に近いことから、プロトコル・コール・ミーが導入されました。出現のランダム性を考慮した財団の統計学者の試算によれば、それは██%の確率で一般人のSCP-XXX-JPへの接触を効果的に抑制します。実際、プロトコル・コール・ミー開始後、財団施設外でのSCP-XXX-JPの出現はわずか█例にとどまっています。
事案記録XXX-JP-1: 200█/5/26、サイト-81██におけるプロトコル・コール・ミー時にSCP-XXX-JPが出現しましたが、SCP-XXX-JP-aの対象となるDクラス職員 (D-8765) の消失は発生しませんでした。以下はその際、D-8765に装備させていた映像記録装置に保存されていたものです。
映像記録XXX-JP-1:
<記録開始、200█/5/26/██:██>
«SCP-XXX-JPが点呼を始める。その音声は10歳代前半男子のものに聞こえる。»
SCP-XXX-JP: D-8753。
D-8753: はい。
«画面の揺れからD-8765の動揺が見てとれる。ミーム的効果を受けていない模様。»
SCP-XXX-JP: D-8754。
D-8754: はい。
D-8765: ██—。██なのか?
«SCP-XXX-JPがしばしの間沈黙。混乱した様子を見せる。»
SCP-XXX-JP: お..とう..さん?
«SCP-XXX-JPが消失。»
<記録終了>
この件に関して、D-8765にインタビューが行われました。以下はその記録です。
インタビュー記録XXX-JP-1:
対象: D-8765
インタビュアー: ██博士
<記録開始、200█/5/26/██:██>
██博士: おはよう、D-8765。早速ですが、一つ質問させてください。先ほど点呼を行っていたのは誰でしたか?
D-8765: [戸惑いながら]そんなはずはない、そんなはずはないが…あいつは██だった。顔は分からない…いや、面影はあったかもしれない。とにかく声は確かに██のだったんだ。
██博士: ██とは誰のことですか?
D-8765: ██は俺の息子だった。
██博士: だった、とはどういう意味でしょうか?
D-8765: ██は小学█年の頃、行方不明になったっきりだ。林間学校の時だった。俺は██がなかなか帰って来ないもんだから、担任に電話したんだ。どうやら担任は点呼の時に見逃していたらしい。それから、すぐに警察に捜索願を出したが、結局見つからずじまいだった。
██博士: では、先ほど点呼していたのはその行方不明の息子さんだったと?
D-8765: ああ。きっと…きっとあいつは名前を呼んで欲しがってたんだ。あの時呼んでもらえなかったから…[嗚咽]。
██博士: …今日はここまでにしましょう。
<記録終了>
補遺XXX-JP-1: その後の調査で、同日にはSCP-XXX-JPによる行方不明事件は発生しなかったことが判明しました。また、翌年の5/26にもプロトコル・コール・ミーは実施されましたが、財団施設内外共にSCP-XXX-JPの出現は記録されませんでした。これを受け、SCP-XXX-JPは暫定的にNeutralizedに分類されました。
補遺XXX-JP-2: 200█/9/27、サイト-81██におけるDクラス職員の点呼の様子を記録した監視カメラの映像にSCP-XXX-JPの再出現が確認されました。SCP-XXX-JPはEuclidに再分類され、毎年9/27におけるプロトコル・コール・ミーの再開が決定されました。再出現したSCP-XXX-JPは以前と同様の男性の姿でしたが、音声鑑定の結果は10歳代前半の女子を示していました。全国で聞き込み調査を行った結果、その音声は前年の9/27に行方不明となった児童7のものであることが近親者の証言により判明しています。
以上の経緯から、SCP-XXX-JPの音声の本来の持ち主はSCP-XXX-JP-bと指定されました。生死は不明ですが、以前のSCP-XXX-JP-bはSCP-XXX-JPの影響下から解放されたと考えられます。SCP-XXX-JP-bの解放時には出現予定日以外でのSCP-XXX-JPの活動が示唆されるため、現在、近親者を用いたSCP-XXX-JP-bの解放手順が検討されています。
SCP-XXX-JP-bの解放は新たな犠牲者を生むだけだと考える者がいるかもしれませんが、SCP-XXX-JPを確保できる可能性がある以上実行すべきです。プロトコル・コール・ミーはSCP-XXX-JPを収容できていません。結局、あれにエサをやっているに過ぎなかったのです。- ██博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在収容できていません。国内の全サイト管理者はプロトコル・コール・ミーの内容を把握し、担当者に実行の指示を与えて下さい。イベントXXX-JP-Aの発生予定日にプロトコル・コール・ミーを実行することにより、一般人がSCP-XXX-JP実体に接触する可能性を減少させます。プロトコル・コール・ミーの際にイベントXXX-JP-Aが発生しなかった場合、国内で当日に発生した行方不明事件を調査して、イベントXXX-JP-Aによるものを特定してください。その際、必要に応じて、イベントXXX-JP-Aが記録された媒体の回収や関係者に対する記憶処理、カバーストーリーの適用を行います。イベントXXX-JP-Aの妨害は、SCP-XXX-JP実体の転移による一般人への接触の可能性を高めるため、現在保留されています。
説明: SCP-XXX-JPは毎年5/26 9/27に発生するイベントXXX-JP-Aに伴って出現する人型の実体です。SCP-XXX-JPは20歳代後半の男性に見えますが、その外見にもかかわらず、声は10歳代前半の子供のものです。
イベントXXX-JP-Aは、その発生予定日に14人以上の人間が点呼8を受ける場面でランダムに発生します。発生は日本国内のみで毎年一か所に限られており、次のような手順で進みます。
イベントXXX-JP-A:
1. 前述の条件をみたす場面にSCP-XXX-JPが出現し、本来点呼を行う者の代わりに、場面に応じて名前、あるいは番号等で点呼を始めます。この時、点呼を受ける者やイベントXXX-JP-Aを直接観測している者 (以下、参加者) はまったく違和感を覚えません。
2. 名前、あるいは番号等で呼ばれた者は必ず何らかの手段9で自らの存在を主張し、行動はそれに制限されます。3. しばらくの後、13番目に当たる人間10 (SCP-XXX-JP-aと呼称) に到達しますが、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-aへの呼びかけを行いません。
4. その後、SCP-XXX-JPが14番目に当たる人間に呼びかけを行うと同時に、SCP-XXX-JP-aが消失します。
5. 14番目に当たる人間の応答と同時にSCP-XXX-JP実体が消失します。それに伴い、イベントXXX-JP-Aの参加者は開放され、SCP-XXX-JP-aに関する過去数時間の記憶を失います。この性質のため、SCP-XXX-JP-aの消失は多くの場合、行方不明事件として処理されます。
SCP-XXX-JP、及びイベントXXX-JP-Aは、199█/5/26にサイト-81██でDクラス職員の点呼を行っている場面を記録した監視カメラの映像から発見されました。その後、日本国内の過去の類似した行方不明事件の調査を行うことで、前述したイベントXXX-JP-Aの条件、及び性質が導き出されました。イベントXXX-JP-Aは少なくとも1980年代前半から発生し始めたと考えられており、あるケースでは登校途中の未解決誘拐事件、また、あるケースでは不明な方法による受刑者の脱獄事件として処理されていました。
また、イベントXXX-JP-Aはビデオカメラ等記憶媒体による記録は可能なため、一種の都市伝説として扱われているケースがありました。それらの記憶媒体は回収され、関係者には記憶処理とカバーストーリーの適用が行われています。
以上を踏まえ、イベントXXX-JP-Aの発生予定日に、各サイトに割り当てられた時刻において14名以上のDクラス職員に対して点呼を行う、プロトコル・コール・ミーが国内の全サイトで開始されました。これまでにプロトコル・コール・ミーにより、7度のSCP-XXX-JP実体への接触に成功しており、一般人への接触可能性の減少に一定の効果が得られています。
接触記録XXX-JP-1: 199█/5/26
状況: サイト-81██でのプロトコル・コール・ミー時にSCP-XXX-JPが出現しました。この時、SCP-XXX-JP-aの対象となるDクラス職員には映像、音声記録装置、及びGPS発信機を装備させていました。
内容: 装備させた映像、音声機器はSCP-XXX-JPが10歳代前半の声色で点呼する様子を収めることに成功。しかし、SCP-XXX-JP-aとなったDクラス職員の消失と共にそれらの信号も途絶しました。GPS発信機からの信号も同様に途絶したため、消失先は不明です。
接触記録XXX-JP-3: 199█/5/26
状況: 映像、音声記録装置で間接的にイベントXXX-JP-Aを観測できるようにした特別製のヘッドギアが用意されました。このヘッドギアを装備したエージェントが、サイト-81██におけるプロトコル・コール・ミー時に出現したSCP-XXX-JPへの接触を試みました。
内容: エージェントが点呼を行うSCP-XXX-JPに接近したところ、即座にSCP-XXX-JPが消失しました。その後の調査により、同日の警察の捜査記録からイベントXXX-JP-Aが原因と見られる行方不明事件が発見されました。これ以降、プロトコル・コール・ミー時に発生したイベントXXX-JP-Aへの妨害の試みは保留されました。
接触記録XXX-JP-7: 200█/5/26
状況: イベントXXX-JP-Aの発見から██年目のサイト-81██におけるプロトコル・コール・ミー時の記録です。平常通り、SCP-XXX-JP-aの対象となるDクラス職員 (ここではD-8765) には映像、音声記録装置、及びGPS発信機を装備させていました。
内容: これまでで唯一SCP-XXX-JP-aの消失が発生しなかった事例です。映像、音声記録装置にはD-8765とSCP-XXX-JPが会話を行い、その後SCP-XXX-JPが消失する様子が記録されていました。
映像記録XXX-JP-7-い:
<録画開始、200█/5/26/██:██>
SCP-XXX-JPが点呼を始める。
SCP-XXX-JP: D-8753。
D-8753: はい。
イベントXXX-JP-A中にもかかわらず、画面の揺れからD-8765の動揺が見てとれる。
SCP-XXX-JP: D-8754。
D-8754: はい。
D-8765: ██—。██なのか?
SCP-XXX-JPがしばしの沈黙。激しく動揺した様子を見せる。
SCP-XXX-JP: お..とう..さん。
SCP-XXX-JPが消失。
<録画終了>
この件に関して、D-8765にインタビューが行われました。
インタビュー記録XXX-JP-7-ろ:
対象: D-8765
インタビュアー: ██博士
<録音開始、200█/5/26/██:██>
██博士: おはよう。D-8765。早速だが、我々は何があっても点呼を妨害しないように伝えていたはずだが?
D-8765: ああ、聞いていた。しかし、声をかけずにはいられなかった。あいつは██だった。顔は分からない…いや、面影はあったかもしれない。とにかく声は確かに██のだったんだ。
██博士: ██とは誰ですか?
D-8765: ██は俺の息子だった。
██博士: だった、とはどういう意味ですか?
D-8765: ██は小学█年の頃、行方不明になったっきりだ。林間学校の時だった。俺は██がなかなか帰って来ないもんだから、担任に電話したんだ。どうやら担任は最後の点呼の時に見逃していたらしい。それから、すぐに警察に捜索願を出したが、結局見つからずじまいだった。
██博士: では、点呼をしていたのはその行方不明の息子さんだったと?
D-8765: ああ。きっと…きっとあいつは名前を呼んで欲しがってたんだ。あの時呼んでもらえなかったから…[嗚咽]。
██博士: 今日はここまでにしましょう。
<録音終了>
補足: インタビュー後、過去の警察の捜査記録からD-8765の証言は裏付けられました。
補遺XXX-JP-7-は:
その後の調査で、接触記録XXX-JP-7の当日には他にイベントXXX-JP-Aが原因の行方不明事件は発生しなかったことが判明しました。また、翌年の5/26にもイベントXXX-JP-Aの発生は記録されませんでした。これを受け、SCP-XXX-JPは暫定的にNeutralizedに分類されました。国内の行方不明事件の調査は継続されます。
200█/9/27、情報が更新されました。
追記: 200█/9/27
200█/9/27、サイト-81██におけるDクラス職員の点呼の様子を記録した監視カメラの映像にSCP-XXX-JPの再出現が確認されました。その容姿は以前の記録と同様のものでしたが、声は10歳代前半女子のものに変わっていました。これを受けてSCP-XXX-JPはEuclidに再分類され、プロトコル・コール・ミーの再開が決定されました。
また、D-8765へのインタビュー記録を踏まえ、SCP-XXX-JPの声の本来の持ち主はSCP-XXX-JP-bと指定されました。生死は不明ですが、以前のSCP-XXX-JP-bは「解放」されたと考えられています。現在のSCP-XXX-JP-bの近親者の捜索と「解放」手順の検討が進められています。
SCP-XXX-JP-bの「解放」時にはイベントXXX-JP-A外においても、SCP-XXX-JPは活動していると推測されます。次のSCP-XXX-JP-bの「解放」時に備え、SCP-XXX-JPの捜索、確保を目的とした機動部隊と-5 ("君の名を呼ぶ") が結成されました。
SCP-005-JP-Jとして投稿済。やはりjokeは難しい。削除に至ってはいないが、いつか改稿したい。
アイテム番号: SCP-005-JP-J
オブジェクトクラス:
クラス分けについては現在、O5により審議が行われています。
セキュリティクリアランスレベル4以上の者は、妥当なオブジェクトクラスについて理由を添えた上で提案可能です。
プロトコルJK-00511に基づき、O5によりその提案についての審査が行われます。
特別収容プロトコル:
収容個体はサイト-81██の専用の収容室に保管してください。
解明に至っているSCP-005-JP-Jの性質に基づき、収容室は外部といかなる通信も行えない電波暗室12です。
持ち込み禁止物品として、SCP-005-JP-Jが含まれたものを除いた記憶媒体、筆記可能な用紙があります。
確保後すぐにSCP-005-JP-J個体を収容室に運び入れてください。
自己を複製する性質があるため、元の文章は複写したのち、用紙の焼却、ファイルの削除等で破壊します。
複写に成功すれば、そこに元のSCP-005-JP-J個体が転移しているため、これを収容してください。
説明:
このオブジェクトは文章中、特にインターネット上の書き込みに不定期に現れる存在です。
出現方法や法則は現在不明ですが、出現した文章には多くの場合、改変されたような跡が見られます13。
この改変あるいはSCP-005-JP-Jについて、元々の文章の作成者たちは「知らない」と返答しました。
インターネット上の書き込みに最も多く出現することから、SCP-005-JP-Jは一種の情報生命体と考えられます。
ある特定の法則に基づいて、出現した文章を読むことでSCP-005-JP-Jは発見可能です。
但しとりうる法則は現在までに発見されているだけでも██種14あり、収容を非常に困難なものにしています。
他に顕著な性質としては、発見した者に感情の変化をもたらすことが挙げられます。
発見者はしばしばSCP-005-JP-Jに対して強い驚き、喜び、最も多いケースとして憤怒を報告しました15。
情動反応の強さはSCP-005-JP-Jの発見の困難さに比例しており、何らかのミーム的効果が疑われています。
これまでざっと数えて███個体収容してきたが、意思の統一も、続く動きも見えない。
本当にこいつら、博士の報告したような情報生命体なんですか?- エージェント・████
私をバカだ、無能だと罵った敵対的な奴らだぞ、間違いない!
おい、こんなところにもいたぞ!すぐに確保、収容、保護だ!- ████博士
ええと、キミが提出したこの報告書だが、████博士。
審議してみたが、どうやら内容に不備があるようだ。
熱心なのはわかるがもっと冷静になってオブジェクトの本質を見極める必要がある。
まあ、暫く他の研究をしてみてはどうかね。
みんながびっくりする程のキミの観察力なら、「要注意団体によるサイバー攻撃の可能性」とかどうかな。- O5-██
アイテム番号: SCP-005-JP-J
オブジェクトクラス:
クラス分けについては現在、O5により審議が行われています。
セキュリティクリアランスレベル4以上の者は、妥当なオブジェクトクラスについて理由を添えた上で提案可能です。
プロトコルJK-00516に基づき、O5によりその提案についての審査が行われます。
特別収容プロトコル:
今現在、収容に至っていないSCP-005-JP-J個体が多数存在すると考えられています。
新たに収容に成功した個体は、サイト-81██の専用の収容室に保管してください。
現在解明できているSCP-005-JP-Jの性質に基づき、この収容室は外部といかなる通信も行えない電波暗室17です。
いかなる記録媒体も、SCP-005-JP-Jが含まれたものを除き、この収容室へ持ち込むことは禁止されています。
回収に当る職員はあらゆる文章、特にインターネット上にSCP-005-JP-Jが出現していないか調査して下さい。
回収が不可能な場合は、その文章を複写、あるいは撮影後、即座に書き込みの削除などによって破壊します。
複写物、ならびに撮影された画像に元のSCP-005-JP-J個体が転移するため、これを収容して下さい。
説明:
このオブジェクトは文章中、特にインターネット上の書き込みに不定期に現れる存在です。
出現方法や法則は現在不明ですが、出現の際には多くの場合、文章の改変を伴います18。
この改変あるいはSCP-005-JP-Jについて、元々の文章の作成者は関知しません。
インターネット上の書き込みに最も多く出現することから、SCP-005-JP-Jは一種の情報生命体と考えられます。
ある特定の法則に基づいて、改変された文章を読むこと19で、SCP-005-JP-Jは発見可能です。
但しとりうる法則は現在までに発見されているだけでも██種あり、収容を非常に困難なものにしています。
他に顕著な性質としては、発見した者に感情の変化をもたらすことが挙げられます。
発見者はしばしばSCP-005-JP-Jに対して強い驚き、喜び、最も多いケースとして憤怒を報告しました20。
情動反応の強さはSCP-005-JP-Jの発見の困難さに比例しており、何らかのミーム的効果が疑われています。
これまでざっと数えて████個体収容してきたが、先が見えない。
まったくイライラしてくるぜ。- エージェント・████
まあまあだれよりも君がSCP-005-JP-Jの収容に貢献していることは私が保証するよ。
おい、なんだかこの報告書も改変されてないか?- ████博士