斬り裂きマリー診療所
Rumpelstilzchen.jpg

SCP-XXX-JP-1

rating: 0+x


[

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在未収容です。SCP-XXX-JP群は2つのグループに別れていると見られ、ドイツ連邦共和国カールスルーエとロシア連邦カリニングラートでその痕跡が確認されています。回収されたSCP-XXX-JP-Aは洗浄、無害化した後に廃棄します。SCP-XXX-JPの確保に際して必要ならば無力化も許可されます呪術的防護を持たない場合、SCP-XXX-JPへの損傷は攻撃者に対する致命の傷害になり得ます。SCP-XXX-JPの儀式的、魔術的能力の研究、対策が財団神秘部門で進行中です。

説明: SCP-XXX-JPは緑色の肌を持つ人型生物です。耳が上方に尖り、鼻が9~13cm程突き出ているのが特徴です。体長は成体で140~160cm。ドイツ語での会話が可能です。SCP-XXX-JP独自の言語体系の存在も確認されていますが、魔術的能力の行使や儀式以外での使用記録の少なさから解読は難航しています。SCP-XXX-JPの行使する魔術能力は不明な点も多く、研究は現在も進行中です。優れた聴覚能力を持っていると見られていましたが、現在では魔術による遠隔知覚能力であると判明しています。

発見記録: 1999/05/03、匿名の通報を受けた財団がドイツ連邦ザクセン州ライプツィヒ、クラーラ・ツェトキン公園にて30体のSCP-XXX-JPを確保しました。通報はSCP-XXX-JP-1が行ったものと見られます。

発見記録 — 1999/05/03

<01:11>: 派遣された回収チームがSCP-XXX-JP集団を発見する。集団から離れた場所に1体のSCP-XXX-JP(SCP-XXX-JP-1)が立っており、手には白いタオルを結び付けた木の棒を所持していた。

カー-1: [銃を構える] お前達は何者だ。我々に通報した存在か。

SCP-XXX-JP-1: お待ちしておりました、財団の方々。ええ、ええ、その通りでございます。私達はあなた方に保護をお願い申し上げます。どうか、手荒な事はしないでくださいませ。 [SCP-XXX-JP達が一斉に膝を付き、両手を上げる]

カー-1: こちらカー-1。通報通り、対象集団は財団の存在を知っており、保護を求めていると主張している。白旗のつもりだろうか、1個体が白い布を結び付けた棒状の物を所持している。対象集団は全個体が膝を折り、両手を上げて無抵抗の意思を示しているように見える。どうぞ。

司令部: 情報発信源の民家の住人は惨殺されていました。注意は怠らないように。収容車両に全個体を収容できそうですか?

SCP-XXX-JP-1: 目測だが問題はないように思う。追加の要望があれば報告する。

司令部: 分かりました。それでは回収を行ってください。

カー-1: 了解。

[回収チームの指示にSCP-XXX-JPは従順な姿勢を示し、回収はスムーズに行われた。]

インタビュー記録 — 1999/05/03

対象: SCP-XXX-JP-1

インタビュアー: ジムゾン研究員

ジムゾン研究員: これよりインタビューを始める。

SCP-XXX-JP-1: 私に答えられる事でございましたらお答え致します。ですのでどうか、私達の生存を助けて頂きたく、伏してお願い申し上げます。 [SCP-XXX-JP-1は椅子から降り、平伏する]

ジムゾン研究員: 勝手な事をするんじゃない。普通に座っててくれないか。

SCP-XXX-JP-1: 申し訳ありません。仰るとおりに致します。ですので何卒、何卒私達の保護をお願い致したく—

ジムゾン研究員: 分かった分かった! 検討するから。これじゃ話が進まん。訊かれた事意外は話さないでくれ。

SCP-XXX-JP-1: はい。 [SCP-XXX-JP-1が椅子に戻る]

ジムゾン研究員: それでは。まず一つ目だが、どうやって我々の存在を知り、あの通報を行えたんだ? 答えてくれ。

SCP-XXX-JP-1: お告げでございます。

ジムゾン研究員: お告げ?

SCP-XXX-JP-1: はい。私達はその数を減らし、絶滅の危機となりました。その為、占いに望みを託したのでございます。[編集済]1。得られた結果は財団なる存在が我々を保護してくれる事。そして数字の羅列でした。しばらく考え、これは電話番号であるのではないか、と思い至りました。試してみれば電話は見事あなた方へと通じ、こうして今に至る訳でございます。

ジムゾン研究員: お前、その占いをあの家族でやったのか。

SCP-XXX-JP-1: そうするしか無かったのでございます。他に方法があるならば、私も知りたく思います。ですが、私達はそれ以外の方法を知らないのです。事態は急を要しておりました。あの方達には、感謝と哀悼の意を捧げたく思います。

ジムゾン研究員: [舌打ち] ああそうかい。お前みたいな奴が真昼間にでも人の目に触れれば、その占いとやらをする事なくお前らを発見できたんだけどな。っと、今のは無しだ。異常存在が一般の目に触れるのは御法度だよ。だけど4人の命と比べたら、そっちの方が良いと思っちまうよ。

SCP-XXX-JP-1: 昼間に人前に出る、というのは難しいかと思います。私達は世界オカルト連合なる者達に命を狙われておりましたので、あなた方の到着する前に全滅する危険がございました。

ジムゾン研究員: 世界オカルト連合だと?

SCP-XXX-JP-1: はい。既にご存知であるとは思いますが、私達は人間を食べます。人間しか食べる事が出来ません。水も必要ではありますが、栄養にはなりません。新鮮な人間でしか、栄養を得る事は出来ないのでございます。すると問題が生じてきます。人を襲えば反撃を受けるのは道理。それが世界オカルト連合でありました。以前は沢山いた同胞達も、今や私達30人だけ。私の父母もオカルト連合に殺されました。奴等に見付かり滅ぼされるのが先か、あなた方に保護されるのが先か、私達はその瀬戸際にいたのでございます。

ジムゾン研究員: 後で確認する。それで財団に通報したと。

SCP-XXX-JP-1: はい。通報後に場所を移したのは、お告げがあったとは言え、あの家の状態を見られては事態が悪い方へ動くと思った為でございます。しかし移動する必要は無かったかもしれません。私達を迎えに来てくださった方々は、私達の所業を知りつつも職務に徹しておられました。感服するばかりでございます。

ジムゾン研究員: 民家の惨状を確認したのは別のチームだからどうだかな。って待て、どうして回収チームがお前達のした事を知ってると思った?

SCP-XXX-JP-1: お恥ずかしながら、チームリーダー殿と司令部の会話が聞こえていましたもので。耳は良いのです。もしかして、聞いてはならぬ事でありましたでしょうか?

ジムゾン研究員: いや。SCP-XXX-JPについての情報が一つ分かったよ。その調子で包み隠さず答えてくれ。

SCP-XXX-JP-1: 私の知る限りの事でしたら、何なりと。

ジムゾン研究員: 保護を求めているが、具体的には何が目的だ?

SCP-XXX-JP-1: 多くは望みません。安全と生存でございます。殺さないでください。傷付けないでください。生存を、お願い致します。

ジムゾン研究員: オカルト連合から守られたいってのは分かるが、生存って事はつまり—

SCP-XXX-JP-1: はい。食事の斡旋をお願い致したく。

ジムゾン研究員: [深い溜息] 人間以外に食べられるものは?

SCP-XXX-JP-1: ございません。生きた人間を食べる他に、生きる術を持たないのです。

ジムゾン研究員: 財団を利用して人間を楽に食べようとしてんなら無駄な事だぞ。俺達はお前らみたいなのから人類を保護する為に居るんだ。お前達が人類の脅威だとしたら、それに相応しい対応をするだけだ。

SCP-XXX-JP-1: とんでもございません、とんでもございません! あなた方に見捨てられたなら、私達は滅びを待つだけの憐れな種族でございます。あなた方が最後の希望なのでございます。私達は人間を食べる以外の生きる術を知りません。ですが、それ以外の道をあなた方が提示してくださるのであれば、それに従うつもりでございます。私達が望むのはただ一つ、種族の存続でございます。どうか何卒、私達をお見捨てにならないでくださいませ。どうか、どうか![SCP-XXX-JP-1は再び椅子から降り、平伏の姿勢を取る]

ジムゾン研究員: これじゃインタビューが進みやしねえ。とりあえず上に報告してくるから、他の話は次回に回す。これでインタビューを—

SCP-XXX-JP-1: お待ちください、お待ちください。一つ、よろしいでしょうか?

ジムゾン研究員: —何だ?

SCP-XXX-JP-1: [顔を上げる] 私達からあなた方に提供できる物がございます。きっとあなた方のお役に立つ筈でございます。

ジムゾン研究員: それは?

SCP-XXX-JP-1: 私達の尿は、人間の癌を治す事が可能でございます。[SCP-XXX-JP-1は笑みを浮かべる]

報告を受け、SCP-XXX-JPから採取された尿の検査が行われました。SCP-XXX-JPの主張通り、シャーレ上の癌細胞が正常な細胞に変化する様子が確認されました。SCP-XXX-JP-Aに指定された尿を、胃や肺、膵臓に癌が転移している末期患者のD-5960に飲用させました。飲用から24時間後に行われた検査では、D-5960の癌は全て完治。健康にも問題が無い事が確認されました。D-5960からは、SCP-XXX-JP-Aは蜂蜜のような匂いと味がするという報告があります。SCP-XXX-JP-Aの効果はSCP-XXX-JPから放出されてから徐々に失われていき、およそ30時間程でその効果が完全に失われます。しかし、冷凍保存する事でおよそ1年の保存が可能となります。

SCP-XXX-JP-Aの効果が実証されると同時に、SCP-XXX-JPの生存に向けた研究が開始されました。点滴による栄養補給、27種の動物肉、栄養サプリ、輸血用の血液の提供、非異常性遺体の提供と云った代替案が試されました。結果はSCP-XXX-JPの衰弱を招き、収容開始から8日後、SCP-XXX-JP-10が餓死しました。
 
インタビュー記録 — 1999/05/17

SCP-XXX-JP-10の死亡を受けて、SCP-XXX-JP収容室にDクラス4名の投入が決定されました。このインタビューはその翌日に行われたものです。

ジムゾン研究員: これよりインタビューを始める。

SCP-XXX-JP-1: ありがとうございます。お蔭様で栄養を得る事が出来ました。クアッチュヒェンボンボンヒェンの事は残念でしたが、仕方ありません。あなた方は私達を助けようと手を尽くしてくださいました。

ジムゾン研究員: あ……? ああ、SCP-XXX-JP-10の事か。その事も含めて訊きたい事がある。答えられるか?

SCP-XXX-JP-1: 昨日は無理でしたが、今日は活力も戻ってきました。死んだクアッチュヒェンは高齢でしたから、長く耐える事が出来なかったのでしょう。私達はこの通り、あなた方に食事を提供されねば生きていけぬか弱き身でございます。私達からあなた方をどうこうできるものではございません。ただただ、伏してお願い申し上げるのみでございます。

ジムゾン研究員: だから床に頭を付けるのをやめろっての。

SCP-XXX-JP-1: 申し訳ございません。どうか、どうかお許しの程を。

ジムゾン研究員: ああもう良いよ。それじゃあインタビューに移る。お前達の血液を調査したが、血中からは既知の栄養素ないし物質しか検出されず、既存の生物から逸脱していないと報告されている。なら血管に栄養を注入する事で生存可能な筈だが、どうして効果が無い?

SCP-XXX-JP-1: それは、私達にも分かりませぬ。医学知識も科学知識も乏しいものですから。ご期待に沿えず大変申し訳ございません。

ジムゾン研究員: ほんとどうなってんだか。まあいい次だ。生きた人間じゃなければ栄養を摂取できないそうだな。

SCP-XXX-JP-1: はい。御遺体や血液を提供してくださりましたが、食べる事はできても活力にはなりませんでした。

ジムゾン研究員: そこは今後調査するとして、問題は捕食時の行動だ。あれは必要なのか。

SCP-XXX-JP-1: 必要でございます。儀式を行いながら食事をする事で、私達はようやく生きて行く事ができるのです。

ジムゾン研究員: [罵倒] 次から2グループに分けて経過を観察する。儀式を行うグループと行わないグループだ。

SCP-XXX-JP-1: 私達はあなた方の命令を拒否出来る立場にありません。あなた方のお慈悲を賜れるよう、ただただ祈るばかりにございます。

ジムゾン研究員: ふん。続いてだが、SCP-XXX-JP-Aの効能は事実だった。どうやってその効能を知った?

SCP-XXX-JP-1: お告げでございます。あなた方にこの情報を教えるようにと、お告げがあったのでございます。私も初めて知り驚いております。

ジムゾン研究員: またそれか。なんだか怪しくなってきたぞ。

SCP-XXX-JP-1: 本当なのでございます。嘘偽りはございません。

ジムゾン研究員: 他にまだ言ってない事があったりしないだろうな。

SCP-XXX-JP-1: お告げにあったのはあなた方財団に助けを求める事。あなた方へ連絡する為の電話番号。そしてあなた方に提供できる尿の効能のみでございます。それ以外にお告げから得られたものはございません。

ジムゾン研究員: お告げと云うが、何からそのお告げとやらが来ると考えている?

SCP-XXX-JP-1: 大いなる存在としか言いようがございません。占いを行うと、私達に必要な知識が提示されるのでございます。私達はそれをお告げと呼び、尊んではおりますが、実際に何か大いなる存在が私達に知識を与えられるのか、それとも占いという行為の結果であるのか、私達には判断のしようがございません。

ジムゾン研究員: 記録した。次だ。お前達の使う言語について、情報の提供を要求する。

SCP-XXX-JP-1: 申し訳ございません。それは難しい事でございます。

ジムゾン研究員: 何故だ?

SCP-XXX-JP-1: 私達もその意味を理解してはいないからでございます。儀式の最中に自然と口から出てくる言葉を発するだけなのでございます。意味があるのか、それとも無いのか。仮に意味のある言葉であったとしても、その意味を知る者が居ないのでございます。

ジムゾン研究員: 報告だと歌っているようだとあるし、ただリズムを取っているだけなら筋は通るが……虚偽や情報の隠蔽を行うようなら制裁として給餌は行わん。

SCP-XXX-JP-1: 違います、違います! 本当に、真実しか申し上げておりません! あなた方に隠し立てして、私達に何の意味がありましょう!? ここで過ごした日々はまだ短いものではございますが、あなた方が大変に優秀な方々である事は十分理解できております! 私のような者の嘘偽りなど、たちまちに看破されてしまう事でしょう! それなのに隠し事や嘘を申すなどと……露見した時の事を考えれば、恐ろしくて出来よう筈がございません!

ジムゾン研究員: これで人を食わないってんなら楽なんだがな

SCP-XXX-JP-1: [息を呑む] も、もしやあの事でございましょうか!?

ジムゾン研究員: 何だ? 何か思い出したのか?

SCP-XXX-JP-1: 私達は生きた人間が必要と申し上げましたが、人間は儀式の途中で死亡してしまうものでございます。しかし儀式の際に死亡した人間の血肉であっても、私達は食べる事が可能でございます。私達は儀式のおかげであると認識しておりますが、生きた人間が必要であるとお伝えした手前、嘘を申し上げた事になってしまうでしょうか? 申し訳ございません! 申し訳ございません! 故意によるものではないのでございます! 正確性を欠いた物言いであった事は事実でございます! ですが! ですが儀式中に死んでしまった人間も可食である事は、失念してしまっていたのでございます! 申し訳ございません! あなた方を謀った訳ではないのでございます! 私はどのような罰でも受ける所存でございます! ですが同胞に罪はありません! どうか同胞には寛大なご処置をお願い申し上げます!!

ジムゾン研究員: 全部食われてたし最後まで生きてるとも思ってなかったが。それも報告しておく。

SCP-XXX-JP-1: 同胞に罪は無いのでございます! 全て! 全て私の落ち度なのでございます! お願い申し上げます! 同胞には寛大なご処置を! どうか! どうか!

ジムゾン研究員: それを決めるのは上の仕事だよ。 [溜息] 今日はもう良い。インタビューを終了する。

SCP-XXX-JPの主張を確かめる為、通常通り儀式を行う14個体からなるAグループと儀式を禁止した15個体からなるBグループに分けて経過を観察する事が決定しました。観察開始から7日後にBグループに割り振られたSCP-XXX-JP-28が餓死。更にその翌日にSCP-XXX-JP-19とSCP-XXX-JP-22が餓死した事で実験は中止されました。残るBグループ個体はAグループに戻され、給餌が行われました。衰弱していたBグループ個体は、儀式を伴う捕食とAグループ個体の介抱によって回復しました。

1999/06/21申請

財団が無闇にオブジェクトを破壊しない事は重々承知しておりますが、SCP-XXX-JPの終了処分をここに申請します。

SCP-XXX-JP-Aの有用性は私も認める所であり、研究対象として申し分ないと言えるでしょう。しかしSCP-XXX-JPの維持コストは、SCP-XXX-JP-Aとの釣り合いが取れていないように見受けられます。SCP-XXX-JP-Aを研究するにはSCP-XXX-JPは1体居れば十分叶うでしょう。将来的にSCP-XXX-JPという種が絶たれたとして、SCP-XXX-JP-Aを新たに確保出来なくなったとしても一般社会に与える影響は皆無と言えます。更には、SCP-XXX-JPが無力化する事による弊害も無い事は確認済みです。終了処分による財団のリスクは存在しません。

SCP-XXX-JPの維持に掛かる人的資源の消費量とその補充に掛かるコストを纏めた資料を別添しました。資料をご覧頂ければ分かると思いますが、SCP-XXX-JPを維持するのに26体は多過ぎます。付け加えて、担当職員達の精神的負担も無視出来るものではありません。SCP-XXX-JPの行動を監視した3名が配置換えを希望し、新たに配属された職員も2週間と持ちませんでした。

財団に無駄に使える資源は存在しません。人類を保護する一員として、SCP-XXX-JPは1体だけを残し他を終了処分すべきであると進言致します。

— ジムゾン研究員

1999/06/22: SCP-XXX-JPから儀式中に占いを行いたいと申請がなされました。この時、SCP-XXX-JPの終了処分については過半の賛意が表明されていましたが、何体のSCP-XXX-JPを残すかが未だ議論中であり、従来の手順に従い占いの観察が許可されました。占いに使われた資源は通常の給餌分のみであり、追加の投入はされていません。

インタビュー記録 — 1999/06/22

ジムゾン研究員: これよりインタビューを始める。占いとやらの結果を報告してくれ。

SCP-XXX-JP-1: はい。占いから得られた結果は驚くべきものでございました。必ずやあなた方のお役に立つものと思います。どうかお役立てくださいませ。

ジムゾン研究員: 前置きは良い。内容は何なんだ?

SCP-XXX-JP-1: 失礼しました。それではご報告させて頂きます。私達のする便でございますが、それが黄金に変わるというお告げがあったのでございます!

ジムゾン研究員: 便って、お前達のフンの事か?

SCP-XXX-JP-1: その通りでございます。

ジムゾン研究員: 尿の次はフンってふざけてやがるな。

SCP-XXX-JP-1: そんな、大真面目でございます! お告げが真実以外を告げた事はございません! そしてここからが重要でございます。便を黄金に変える方法でございますが[編集済み]。

ジムゾン研究員: [罵倒]!! てめえ本気で言ってんのか!?

SCP-XXX-JP-1: [悲鳴] も、勿論でございます! 実際にやって頂ければ嘘を申していない事がお分かり頂けるかと存じます!

ジムゾン研究員: [罵倒]! これを確かめなきゃなんねえのかよ[罵倒]。これ記録に残るんだよなちょっと取り乱した聞いてる奴は悪い。

SCP-XXX-JP-1: 得られました黄金は全てあなた方に献上したいと思います。どうぞ、ご自由にお使いくださいませ。

ジムゾン研究員: [3秒間の沈黙] お前、まさかこっちの議論を知ってたりするのか?

SCP-XXX-JP-1: 議論、とは何の事でございましょうか?

ジムゾン研究員: 何でもない。そういえば耳が良いとか前に言ってたな。

SCP-XXX-JP-1: 人間よりは耳が良いらしい、というのは私達も把握してございます。

ジムゾン研究員: それで他には何かあるのか?

SCP-XXX-JP-1: いいえ、注意事項や黄金練成の方法は全てお話致しました。他にお告げにあった情報はございません。

ジムゾン研究員: そうか。ならこれでインタビューを終了する。

インタビュー後、排泄から1時間以内の糞がSCP-XXX-JPから職員に直接手渡され、別室にて変換手順が実行されました。変換手順実行後、500gの糞はほぼ同質量の純金へと変化し、SCP-XXX-JPの主張が真実であると確かめられました。変化しなかった部分は未消化の部分であったと確認されました。これに伴いSCP-XXX-JPの糞はSCP-XXX-JP-Bに指定され、SCP-XXX-JPからSCP-XXX-JP-Bを直接受け取る事から始まる変換手順を手順198-ペシヌスと呼称します。手順198-ペシヌス完了後、大腸菌の残留等の実行者への健康被害の心配が無い事も確認されました。

SCP-XXX-JP-Bが純金に変化する事実が確認された事により、SCP-XXX-JPの終了処分申請は却下されました。

SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-Bの報告を行った時期と終了処分が議論された時期の不自然な一致から、SCP-XXX-JPがその聴覚能力によって財団の情報を取得している可能性が疑われ、収容室に対して防音措置が施されました。後にSCP-XXX-JPは魔術的能力によって知覚情報を取得しており、防音措置は意味をなしていなかった事が判明しています。

2000/02/07申請

異常オブジェクトに掛かるコストは年々増すばかりです。せっかくSCP-XXX-JP-Bという新たな資金源を得たのですから、これを増やさない手はありません。SCP-XXX-JPを繁殖させ、SCP-XXX-JP-Bの獲得量を増やす事でいくつもの財団の資金問題が解決できる事でしょう。SCP-XXX-JP-Bの生産に掛かるコストも問題になりません。何故なら同質量の純金を調達するようなものだからです。正に錬金術の如く、財団が資金に悩まされる事は無くなるでしょう。

ここにSCP-XXX-JP繁殖プロジェクトを申請致します。

— ライナルト研究員

ジムゾン「SCP-XXX-JPを殖やすだと!? 正気かライナルト! 資金調達なら他にいくらでもやりようはあるだろう! 現に問題なく財団は運営されている!」
2000/02/10: ライナルト研究員の申請は受理され、プロジェクトリーダーにはライナルト研究員が指名されました。
ライナルト「他にやりようがあると言うけど、具体的な提案はできるのかい? 私の提案以上に資金を獲得出来る案があるなら結構な事だが、その分財団は多くの資金を得られるというだけで、この計画が止まる事はないと思うよ」
2000/02/11: ジムゾン研究員を始めとした8名の担当職員が配置変えを申請し、受理されました。新たに配属される職員はライナルト研究員が抜擢します。

2000/02/14に世界オカルト連合から送られた文書

世界の守り手たる隣人へ

君達があの緑の小鬼を保護しているという情報を入手した。更には黄金と引き換えに数を殖やそうとしているとも。
単刀直入に言うが、正気か? 手段は違えど志は同じだと思っていたが、この報せには失望を隠せない。

奴等は人喰いだ。我々人類にとって、これ以上無い程に明確な敵だ。即刻奴等を処分しろ。少なくとも個別に閉じ込め、繁殖など絶対にさせるな。
これが最後の警告だ。人類を守るという使命は同じであると信じている。

— マグヌス・グラーフ・ラングスドルフ

2000/02/25: サイト-████が世界オカルト連合による襲撃に遭いましたが、撃退に成功しました。狙いはSCP-XXX-JPであると見られていますが、この時既にSCP-XXX-JPは秘密裏に別の収容施設へ移送されていました。世界オカルト連合が獲得した情報源について調査が進められています。

2018/07/09: 財団は必要充分量を大きく上回る純金を獲得した事で、SCP-XXX-JPを維持する必要性が無くなりました。SCP-XXX-JPは324体の内314体を終了し、10体のみを維持する事が決定されました。

映像記録 — 2018/07/09

ライナルト博士が10名の警備員を連れてSCP-XXX-JP収容室に入室する。11名全員が防護スーツに身を包んでいる。事前に室内スピーカーで指示された通り、SCP-XXX-JPは整列している。

SCP-XXX-JP-1: ようこそおいでくださいました。整列するようにとの仰せでしたが、本日はどのような御用でしょうか?

ライナルト博士: 部屋変えさ。ここも古くなったからね。新しい収容室に移って貰うのさ。

SCP-XXX-JP-1: そうでございましたか。しかし私達は長く住み着いたせいか、この場所が大変気に入ってございます。ここで生まれた者も殆どでございます。どうかこのままの暮らしを続ける事はできないでしょうか?

ライナルト博士: うん、無理だね。要望は却下だ。一度に多くは連れていけないから小グループで移動しよう。1はリーダーだから最後に回そうか。まずは2から10までこっちに来い。

ライナルト博士の指示にSCP-XXX-JPは従う様子を見せない。

ライナルト博士: うん? 私の指示が聞けないのか? SCP-XXX-JP-1、お前からも指示を出すんだ。

SCP-XXX-JP-1: それは、無理な相談でございます。

ライナルト博士: どういう事かな?

SCP-XXX-JP-1: あなた方は我々を殺すつもりでございます。ですので、従う事はできません。

ライナルト博士: へえ、知ってるのかい。耳が良い、というだけでは説明が付かないな。ま、説明が付かない対象は珍しい事じゃないが、再調査は必要だろう。だがこの程度なら予定に変更は無い。研究対象は10体を残し、他は全て処分する。

SCP-XXX-JP-1: 我ら324人を前にしてその傲慢な姿勢を崩さないとは流石ですなあ。

ライナルト博士: 324体居ればこの10人に勝てるとでも? コード116D。

ライナルト博士の指示を受けて監視室が睡眠ガスの注入ボタンを押すも、反応はない。後の調査では設備に不備は見付からず、正常に作動した。システムの動作不良は、SCP-XXX-JPの魔術的能力による妨害であると推定されている。

監視室: コード116D、作動しません。

ライナルト博士: 何だって? 整備班は減給だな。仕方ない、いくらか減らせ。

ライナルト博士がハンドサインでSCP-XXX-JPに対する銃火器使用の指示を出す。しかし警備員は全員微動だにせず、声も発せない。

ライナルト博士: おい、何をやって……何だ!? 体が!?

SCP-XXX-JP達がくつくつと笑いだす。

ライナルト博士: くっ、どういう事だ!? 非常事態発生だ! 体を動かせない! 原因は不明だが、SCP-XXX-JPの未知の能力である可能性がある! 至急機動部隊を派遣してくれ!

SCP-XXX-JP-1: とても、とても残念でございます。今まで良好な関係を築けていたと思っていたのですが、私達の楽しみもこれまでという事でございますか。

ライナルト博士: 楽しみだと!? このっ! 私に何をした!?

SCP-XXX-JP-1: 仲間である筈の人間を我々に提供したり、更には我々の糞であのような事をさせるとは。いやはや、Dクラスというのはあなた方にとっては同胞ではないのでしょうか? とても滑稽で面白い見世物でございましたよ。

ライナルト博士: 監視室! 機動部隊はどうなっている!

監視室: 現在収容室に向かっている所です! 間も無く到着します!

ライナルト博士: 急いでくれ!

SCP-XXX-JP達が儀式を行う際に使用する歌を歌い始める。

SCP-XXX-JP-1: 機動部隊とやらがこちらに来るとして、この頑丈な部屋を突破するのにどれ程の時間が必要でしょうか? 私達も妨害致します故、相当な時間が必要かと思われます。

5体のSCP-XXX-JPが収容室の扉まで移動し、扉に向けて手をかざすと未知の言語を唱え始めた。続いて別の8体がライナルト博士達を囲み、未知の言語を唱えると博士達が着用している防護スーツと中の衣服がバラバラに解体され、11名は丸裸にされた。

ライナルト博士: なっ、ば、馬鹿な! 最新式だぞ!? 貴様ら何をするつもりだ!!

SCP-XXX-JP-1: 何をするつもりとは。我々の担当責任者とは思えぬ発言でございますよ。食事の時間にはいささか早いですが、ここでの最後の食事ですからな、ゆっくりと味わいましょう。

ライナルト博士: やめろ! 私達を殺せば取り返しが付かなくなるぞ! 貴様ら、餌が取れなくてここに来たんだろうが!

SCP-XXX-JP-1: 我々の事であればご心配には及びませんよ。これからは自力で生活の糧を得ます故。それではこれまで我々を保護、そして増える手助けをしてくださったあなた様に敬意を表して、我々の最後の儀式を存分に眼に焼き付けてくださいませ。

ライナルト博士が入室してから1時間30分後、機械トラブルや謎の体調不良により遅れていた破壊工作が成功し、機動部隊が収容室内に突入しました。内部は11人分の内臓や血液と骨で祭壇と魔方陣が作られており、青白い光を発していました。調査の結果、この光は高レベルの放射線であると判明し、救出作戦に関わった13名が重度の被爆を負いました。室内からはSCP-XXX-JP全個体が失踪しており、肺と心臓が繋がった状態のライナルト博士の生きた頭部が発見されました。他の部位はSCP-XXX-JPに捕食されたと主張しています。現在この頭部はSCP-XXX-JP-Cに指定され、放射性収容室に保管されています。SCP-XXX-JP-Cとの意思疎通は可能ですが、SCP-XXX-JPが魔術的儀式によって消失したという情報以外に有益な情報は得られませんでした。

SCP-XXX-JPの収容違反発生と同時刻、全てのSCP-XXX-JP-Aが強力な発癌効果を持つようになりました。SCP-XXX-JP-Aに触れた細胞は全て癌細胞に変異し、揮発したSCP-XXX-JP-Aを吸入するだけでも鼻腔や肺の癌化を招きます。更には手順198-ペシヌスを経て変換し保管していた純金██.█t全てがSCP-XXX-JP-Bに戻りました。既に売却済みの純金もSCP-XXX-JP-Bに戻り、多くの電子機器の故障とそれに伴う被害の処理、補填、関係者の記憶処理、記録の改竄に財団は追われる事となります。手順198-ペシヌスは効果を失い、SCP-XXX-JP-Bも異常性を失ったとされその指定を外されました。

scp-jp 未収用 keter 瞬間移動 儀式 種族 敵対的 人間型 肉食 世界オカルト連合

SCP-XXX-JP-1: 良い~表情ですなあ。そういう顔は好みでございますよ。我々の事であればご心配には及びません。我々をここまで増やしてくださったお方ですし、最後まで我々の事をその眼に焼き付けてくださいませ。

ライナルト博士: おい! 機動部隊は何をやっているんだ! 早く助けに来い!

SCP-XXX-JP-1: 通信装置はもう床に落ちてございますよ。それにしても、世界オカルト連合の方が私達にとっては脅威でしたなあ。財団に保護を求めて正解でございましたよ。

SCP-XXX-JP-1:

ジムゾン研究員:

SCP-XXX-JP-1:

ジムゾン研究員:

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ジムゾン研究員:

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ジムゾン研究員:

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ジムゾン研究員:

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SCP-XXX-JPは既に破壊されています

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SCP-XXX-JPは既に破壊されています

収容室内が無酸素状態である事を確認する以外に対処する必要はありません。収容違反の懸念がある場合のみ、報告書を閲覧してください。


アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Decommissioned

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP収容室内は無酸素状態で密閉されます。

SCP-XXX-JPの収容違反が判明した場合、元の収容室内でSCP-XXX-JPを焼却するか、地表付近から観測できる火口又は溶岩湖で焼却してください。SCP-XXX-JPの終了は火口/溶岩湖を使用しなければなりません。

SCP-XXX-JP焼却後、使用された火口は溶岩を表出させた状態を保ちながら収容室で封鎖され、内部を無酸素状態にして密閉されます。

収容後、SCP-XXX-JPを知る全ての生物に対して記憶処理が施されます。

以降の内容は閲覧終了後、クラスA記憶処理が実行されます。



使用予定タグ
人間型 認識災害 情報災害 強制力 観測 瞬間移動 自己修復 視覚 聴覚 倫理委員会 scp-jp unclassed Decommissioned


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