要石
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを取り囲む形でサイト-81██を建設します。サイト-81██は4/XXX-JP以上のセキュリティクリアランス保有者にのみ入場が許可されます。 例外として、視覚を持たないレベル3以上のセキュリティクリアランス保有者及びDクラス職員は入場が許可されます。サイト-81██の周囲には高さ7mのバリケードを設置し、バリケードにはスクラントン=イーモン現実溝1を設置してください。サイト-81██周辺には現地住民等に偽装した警備担当職員80名以上を常に巡回させ、一般人の接近及び侵入を防いでください。

直接・間接を問わず目視による観測は禁じられています。サンプルの回収などが必要な場合は、視覚を持たないDクラス職員に実行させてください。SCP-XXX-JPを撮影した画像・動画及びSCP-XXX-JPをモチーフとした絵画等の製作物は速やかに回収・消去し、作成者および目撃者にはクラスB記憶処理を施してください。
また、アーカイブされたものを含む全てのSCP-XXX-JP関係文書には対抗ミームエージェントが埋め込まれます。

説明: SCP-XXX-JPは██県北東部に存在する岩山に類似した地形です。2015年現在の標高は6██mです。これは地上部分の数値であり、地下部は日本列島を構成する複数のプレートまで到達していると考えられていますが、最深部を特定する試みは現在のところ成功していません。破壊耐性などは確認されておらず、地表から採取したサンプルにも異常性は見られませんでした。サンプルは二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マンガンを主成分とし、玄武岩に類似した特徴を示しています。

SCP-XXX-JPの異常性は視認されることで発生します。SCP-XXX-JPの外見を目視により認識すると、SCP-XXX-JPはその体積を増大させます。目視する存在は人間、もしくは人型実体に限られると考えられています。直接の目視、画像、動画のいずれにおいても同様の異常性を発揮します。

追記: 事案XXX-JP-2より、絵画などの製作物においても同様の異常性が確認されました。

周辺地域の歴史的資料及び蒐集院から提供された資料から、拡大比率は認識する人物1人当たり0.█%程度であると推定されています。このオブジェクトを認識した人物の一部は一定の日数が経過したのち消失するとされています(蒐集院からの引き継ぎ記録い-四を参照)。しかし、財団による収容時点から現在に至るまでこの現象は確認されていません。20██年█月、事案XXX-JP-2関係者の一部がほぼ同時刻に消失しました。詳細は事案XXX-JP-3を参照してください。

SCP-XXX-JP付近では不定期にM2.0~M█.█規模の地震が観測されます。地震波から推測される震源位置がおよそサイト-81██内部にあることから、SCP-XXX-JPが震源であると考えられています。2015年現在、██年間にわたってSCP-XXX-JPを震源とする地震は発生していません。しかし、SCP-XXX-JPの規模拡大が周辺のプレートや地盤を圧迫しているため、日本国内における地震は増加する傾向にあります。

SCP-XXX-JPはその巨大さ故に、単純な隠蔽が困難です。そこで、サイト-81██には「現実性迷彩2」が施されています。サイト-81██外周にスクラントン=イーモン現実溝を設置し、これを非活性状態に設定することでサイト-81██内部の現実性を薄めています。

事案XXX-JP-1: 担当研究員が旧報告書を閲覧中、SCP-XXX-JPが体積の拡大を開始しました。他に情報漏洩等は確認できず、「SCP-XXX-JPに関する情報」そのものが異常性のトリガーに変異したと考えられています。これにより収容プロトコルが改訂され、この報告書を含むSCP-XXX-JP関連文書全てにミーム伝達阻害エージェント3が適用されています。

事案XXX-JP-2: 201█年█月、SCP-XXX-JPと思われる地形を描写した水彩画風のデジタルイラストがウェブサイトに掲載されるという事案が発生しました。財団のネットワーク監視部門がこれを探知、速やかに当該画像を削除しました。製作者及び画像にアクセスしたと思われる██人にはクラスB記憶処理が施されました。この事案により、SCP-XXX-JPの標高が5██mから現在の標高へと増大しました。この事案の██日後に発生した████沖地震との関連は判明していません。

インタビュー記録XXX-JP-2

対象者: 事案XXX-JP-2において画像を製作した██氏。自身のウェブサイトにデジタルイラストを多数掲載。██氏本人と当該画像以外の作品は異常性を持たないことが確認されている。

インタビュアー: エージェント・白河

場所: ██氏自宅。エージェント・白河はデジタルイラスト関係の雑誌編集者を名乗っている。

[無関係の会話につき省略]

エージェント・白河: ところで、先日ご自身のウェブサイトに掲載された絵についてお聞きしたいのですが。

██氏: ああ、あれですか。……まいったな。ご存知かもしれませんが、あの絵を上げた直後にサイトのサーバーが不具合を起こしたみたいで。消えてしまったんですよね。

エージェント・白河: 存じてます。ですので、オリジナルの絵を見せていただけないかと思いまして。

██氏: それが、そのすぐ後にオリジナルのファイルまで消えてしまっていて……。復元もできませんでした。

(██氏自宅パソコンに保存されていたオリジナルのファイルも財団のネットワーク監視部門が削除済み。エージェント・白河にもこのことは通達されている)

エージェント・白河: それは、残念です。再度製作される予定はあるんですか?

██氏: どうでしょうね。他の風景ならともかく、あの山はもう描けないかもしれません。

エージェント・白河: と、おっしゃいますと……?

██氏: 僕の絵はほとんどが実際に見た風景を元にしたものなんですが、あれはちょっと違うんですよ。

エージェント・白河: つまり、創作された風景なんですか?

██氏: いえ創作では……いや、違う、とも言いきれないか。あれは、夢に見た風景なんです。1週間前くらいですね。

エージェント・白河: 夢、ですか。

██氏: ええ。まあ、何の変哲もない夢だったんですが。どこかの森の中に立っていて、空を見上げたら黒い山が見えたんです。

エージェント・白河: それが描かれていた山なんですね。

██氏: はい。それだけの夢なんですが、妙に心に刺さるものがあって。いや、食い付かれたといいますか。とにかく、目が覚めてすぐに描きはじめたんです。夢を忘れてしまわないうちに。

エージェント・白河: では、その風景をもう1度見られないかぎり、同じ絵を描くことは……。

██氏: できないでしょうね。途中のデータでも残っていれば、似たようなものはできたかもしれませんが。作業中のデータまで全て消えてしまったもので。

<インタビュー終了>

後記: ██氏にはクラスB記憶処理が施された。再び同様の画像を製作する可能性に留意し、一定期間監視が続けられる。

追記: ██氏は夢の中でSCP-XXX-JPを視認したと証言していますが、同氏の睡眠時間と事案XXX-JP-2におけるSCP-XXX-JPの拡大開始時刻は一致しません。一方、画像がアップロードされる█時間前に、SCP-XXX-JPはわずかながら拡大を開始しています。このことから██氏が異常性に曝露したのは画像の完成時であると推測されます。

事案XXX-JP-3: 事案XXX-JP-2においてSCP-XXX-JPの画像を視認したと思われる██人のうち、██人が失踪しました。当時の状況、周囲の目撃者による証言から、全員がほぼ同時刻に消失したことが確認されています。全ての目撃者にはクラスA記憶処理及びカバーストーリー「新興宗教団体による集団失踪事件」が適用されました。消失した人物は全員が日本人であったこと以外に共通点はありません。この事案発生と同時にSCP-XXX-JPの体積拡大が確認されていますが、拡大比率は視認による拡大と比較してごくわずかでした。

補遺1: 複数回にわたり異常性が変化したこと。また、そのいずれにおいても収容状態を脱しようとする傾向が見られたことから、SCP-XXX-JPが知性を持つ可能性が指摘されています。

補遺2: SCP-XXX-JPが収容を脱する意志を持つ可能性に加え、大規模な収容違反が発生した場合は日本列島を起点としたXK-クラス世界終焉シナリオ発生につながる恐れがあることから、SCP-XXX-JPはKeterクラスに再分類されました。

補遺3: SCP-XXX-JPは財団が蒐集院を吸収した際、重要引き継ぎ案件として収容管理を移譲されたものです。収容プロトコルは蒐集院において実行されていた封じ込め手順を元に制定されました。このオブジェクトに関する最古の記録は平安時代中期に記されたとされているものです。当時は山と表現されるようなものではなく、「巨大な岩」ほどの大きさだったと思われます。蒐集院による封じ込めが確立されたのは江戸時代初期とされています。蒐集院による封じ込め完了時には標高が███丈(約███m)を超えていたとあり、最古の記録と現在の拡大比率から、財団が収容するまでに約████人が曝露したと推定されています。