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アイテム番号: SCP-XXX-JP

SCP-XXX-JP-A-003

壁面にて活性化中のSCP-XXX-JP(という紙コップの画像が入る予定です)

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管します。保管時は飲み口が下になるように固定してください。防音措置を施した物品収容ロッカーに保管してください。電動式の回転台に横向きに固定し、SCP-XXX-JPの底面が特定の位置で固定されないようにしてください。SCP-XXX-JPの実験時以外の持ち出しは禁止されています。実験にはレベル2セキュリティクリアランスを保有する担当職員1名の許可が必要です。

説明: SCP-XXX-JPは███社の200ml飲料用製品に酷似した紙コップです。後述の異常性を除き、同製品との差異はありません。飲料用としての使用も可能です。現在█個が収容下にあります。

SCP-XXX-JPは底面を床・壁・地面などの平坦な箇所1に密着させることで活性化します。活性化したSCP-XXX-JPは接触面の摩擦・粘着性に関わらず、接触させた位置で固定されます。この状態は接触面と平行に力を加えることで容易に解除できます。外部からの力で解除されない場合この状態は維持され続けます。SCP-XXX-JPが接触面に固定されると、接触面の裏側もしくは反対側、かつSCP-XXX-JPの中心軸の延長線上にSCP-XXX-JPの複製(SCP-XXX-JP-1)が出現します。SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1間の最大距離は判明していません2。この時、SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1を受話器・送話器として用い、双方向での会話を行うことが可能です。SCP-XXX-JPからSCP-XXX-JP-1までの距離に関わらず、音質・声量等に劣化が生じることはありません3。音声以外の情報、物質を送受信する試みは失敗しています。活性化はSCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1のどちらかが接触面から外れる、もしくは破損することで終了し、同時にSCP-XXX-JP-1は消失します。破損したSCP-XXX-JPは以降異常性を喪失します。

実験記録XXX-01 - 日付20██/██/█

対象: 厚さ2cmの鋼板

実施方法: 垂直に固定した鋼板の片方の面にSCP-XXX-JPの底面・側面・開口部を接触させる。

結果: SCP-XXX-JPは底面が鋼板に接触した場合のみ活性化した。鋼板の裏面にSCP-XXX-JP-1の生成を確認。SCP-XXX-JPを手で鋼板から外すとSCP-XXX-JPは消滅した。

分析: 摩擦も粘着力もない面に垂直に張り付いている。手で外せるということは、複数回の使用を想定されているのだろうか。 —██研究員

実験記録XXX03 - 日付20██/██/█

対象: 実験室A1及びA2の壁

実施方法: 隣接する実験室A1・A2の壁を用いる。A2の方向にあるA1の壁にSCP-XXX-JPの底面を接触させた。

結果: A2のA1側壁面にSCP-XXX-JP-1が生成された。双方で反対側からの音の聞こえが良くなったことを確認。開口部から見た底面に変化は見られなかった。

分析: 紙コップを使った会話が可能なもの、というと『糸電話』だが、これもそういった用途の代物なのか? —██研究員

実験記録XXX06 - 日付20██/██/█

対象: 長さ50mに溶接した鉄柱の断面

実施方法: 鉄柱の両断面にSCP-XXX-JP、SCP-XXX-JP-1を設置し、会話を試みる。通常の会話が困難な距離であることは確認済。

結果: 通常の発声での会話に成功。『糸電話』と同様に相手の声は不明瞭なものになった。

分析: 内部に空間さえなければ距離は問わないのか? —██研究員

実験記録XXX09 - 日付20██/██/█

対象: 地球

実施方法: サイト-81██の最下層に位置するメンテナンス用通路にて、露出させた地面にSCP-XXX-JPを接触させる。計算上は地球を挟んで『反対側』の████にSCP-XXX-JP-1が生成される。該当地域に勤務するエージェント・██に確認を依頼。

結果: 予測地点にSCP-XXX-JP-1は生成されなかった。SCP-XXX-JPからは不明なノイズ音を確認。これはSCP-XXX-JP-1が生成された地点の環境音と思われる。SCP-XXX-JP-1の生成地点は特定できず。

分析: うすうす分かっていた結果ではあるが……。やはり地球を突き抜ける間に一定以上の空洞が全く存在しない、というのは都合のいい期待だったか。 —██研究員

第9実験後、旧収容プロトコルが制定され、『底面を他に接触させない』形での保管がなされていました。しかし、保管開始から██日後、事案XXX01が発生しました。

事案記録XXX01 - 日付20██/██/█

対象: SCP-XXX-JP

事案詳細: サイト-81██にて、感染性の認識災害が原因と見られる暴動が発生。機動部隊が発生源を捜索したところ、SCP-XXX-JP収容ロッカー内から漏れ聞こえる音声が探知された。SCP-XXX-JPの収容状態に異常は見られなかったが、SCP-XXX-JPは活性化しており、開口部より不明な音声4を発していた。部隊員がSCP-XXX-JPを移動させると音声は途絶。暴動も終息した。

以上の事案から、SCP-XXX-JPの収容プロトコルが改訂されました。

事案分析: SCP-XXX-JPの活性化対象が固体だけだと断定したのは迂闊だった。今回は底面が接していた大気を通じてどこかへ繋がったのだと思われる。SCP-XXX-JPが一体何の『反対側』へ通じたのか、追加の確認実験を申請する。だが今回の騒動を考えれば、サイト管理者の承認は簡単には期待できない。現状では活性化させた際のリスクが不明に過ぎ、活性化させなければそのリスクも発生しないと推測できるからだ。SCP-XXX-JPの活性化対象を特定する実験にも同じことが言える。
今は活性化対象となるものが物質だけである事を願うしかない。我々は空間や時間、延いては『世界』を隔離する術など持ち合わせていないのだから。 —██研究員