パスタ風パスタ
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の一般的な金庫に保管されています。実験の際はレベル2以上の職員レベル4以上の職員3名の承認を得て下さい。SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2を生成する実験は現在禁止されています。SCP-XXX-JP-2を生成しないSCP-XXX-JP-1は施錠された3m×3m×3mの部屋に保管し、カメラで常に監視してください。SCP-XXX-JP-2は現在1体のみが実験室内で半収容状態となっています。(インシデント記録XXX参照)入口には武装した警備員4名を配置し、許可なく対象と接触を試みるものは即時終了されます。SCP-XXX-JP-2にはレベル3以上の職員により、一般的な食事や排泄、清掃等の世話を行い、常に健康状態に異常がないかどうかを確認してください。その際、対象を刺激しないよう細心の注意を払ってください。

説明: SCP-XXX-JPは高さ21.5cm、直径5.0cmの円筒形のスチール缶の中に入っている乳白色の液体です。缶の表面には頭髪を手で引っ張られている笑顔の男性の絵と、"抜け落ちてからでは遅いんです!事前の対策、それが『脱・脱毛剤』!!(※本製品は育毛剤及び脱毛剤ではありません)"という文章がプリントされています。内容物に関する記載はありませんが、その成分は一部の未知のものを除き、一般的な育毛剤と酷似しています。SCP-XXX-JPの容量は缶の1/4程度ですが、どれだけSCP-XXX-JPを消費してもそれ以上の減少が見られません。

SCP-XXX-JPを人体の毛の生えている部分に塗布すると、約3~10分で全身の毛が未知の変化によって全て繋がり、███~████km程の1本の毛(以下SCP-XXX-JP-1)になります。被験者の外見に変化はありませんが、細かく観察すると、毛穴から出たSCP-XXX-JP-1は(両端にあたる2か所を除き)全てり合わされて、往復するように同じ毛穴に戻っていることがわかります。また、体の内部は複雑に絡み合ったSCP-XXX-JP-1により、臓器や眼球、骨、筋肉等、様々な組織が貫かれますが、それらの組織は全て正常に作用し、健康状態にも異常は発生しません。SCP-XXX-JP-1は一般的な頭髪に比べ、太さが0.02~0.04mmと約半分の細さになっているものの、組成的な違いはありません。しかしながらSCP-XXX-JP-1は一切の成長の兆候を見せず、破壊する試みは全て失敗しています。

SCP-XXX-JPは、20██年頃からSNS上で広がっていた「全く、1本も毛が抜けなくなる薬」との口コミを調査した結果、山形県██市、███駅構内のドラッグストアにて、テスターとして置かれているところを発見されました。関係者に確認したところ、誰もそのようなものを設置した覚えがないとのことであったため、Bクラス記憶処理が施されました。SCP-XXX-JP使用者はBクラス記憶処理の後、カバーストーリー「未認可の違法な植毛手術」の重要参考人として拘束してください。この使用者はEクラス職員として雇用することが出来ます。SCP-XXX-JP及びその使用者は複数存在する可能性が高いため、引き続き監視・捜索を続けてください。

補遺1: 実験記録XXX-11で抜けたSCP-XXX-JP-1を保管していたところ、付着していた組織が肥大化し、82時間後にはD-23226の姿を形成しました。遺伝子的にもD-23226のものと完全に一致しており、SCP-XXX-JP-1の状態、記憶ともに死亡直前のもの有しています。さらなる実験の結果、SCP-XXX-JP-1保持者はSCP-XXX-JP-1を引き抜かれて死亡した際にのみ蘇生することが判明しました(以下、蘇生者をSCP-XXX-JP-2)。SCP-XXX-JP-2からSCP-XXX-JP-1を引き抜いた場合にも蘇生しますが、これを繰り返すたびに蘇生は粗雑なもの1へとなっていきます。しかし、このように身体の構造上は脆くなっていくにも関わらず、SCP-XXX-JP-1を引く抜くのに要する力は蘇生する度に、指数関数的に増加していくことが確認されました。

インシデント記録XXX: 20██/██/██、SCP-XXX-JP-2となったD-23226の6度目のSCP-XXX-JP-1引き抜き実験の際、サイト-81██内で僅かな揺れが観察されました。調査の結果、SCP-XXX-JP-2から伸びたSCP-XXX-JP-1が、サイト-81██内の壁や床の内部を根を張るようにして侵食しており、特に気密性の維持が重要なオブジェクトや、収容違反の可能性が高い生物型オブジェクトを収容している(とりわけ危険なオブジェクト群)の周りに集中していました。当然ながらD-23228はそれらのオブジェクトについての知識を有しておらず、このことからSCP-XXX-JP-1には何らかの知性のようなものがあることが推測されます。