アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは各個体を密封されたプレキシガラスの箱に入れて、まとめてサイト-8122の低脅威物品保管ロッカーに保管します。食餌などを必要としないため、実験時以外でSCP-XXX-JPを箱から出す必要はありません。SCP-XXX-JPを捜索、確保する際は、殺虫剤を散布した後まとめて確保、その中からSCP-XXX-JPの疑いのあるものを選別し収容してください。大規模な捜索となる場合はカバーストーリー「防疫」や「下水道工事」を適用してください。
SCP-XXX-JP-1を発見した場合は、必要十分な量を収容しているので焼却処理してください。SCP-XXX-JP-1の持ち主がその存在を知覚している場合、元の物と同機種のキーボードを用意し、持ち主にAクラス記憶処理をした後、解放してください。
説明: SCP-XXX-JPはヒトスジシマカ(学名:Aedes albopictus)に酷似した小型ロボットです。組成に使われている素材は既存の物質と一致しません。口吻には吸血機能がついておらず、擬態用のダミーと思われます。SCP-XXX-JPは、ヒトスジシマカの死亡を起因する出来事を受けると一時的に機能を停止しますが、SCP-XXX-JPを破壊することはできません。Dクラス職員にSCP-XXX-JPを長時間手の中に閉じ込めさせても何の影響もないことから、SCP-XXX-JPが人に危害を加える可能性は低いと考えられています。SCP-XXX-JPは現在37体が確保されています。SCP-XXX-JPの24体が下水口付近または下水道内で発見されていることから、SCP-XXX-JPの発生源は下水道、もしくはそれにつながる建物と考えられていますが、SCP-XXX-JPと通常のヒトスジシマカとの区別が非常に困難なため、正確な発生源の特定には時間を要します。
非活性時、SCP-XXX-JPは通常のヒトスジシマカと同様に空気中を飛び回りますが、人の半径50㎝以内に近づこうとはしません。SCP-XXX-JPがPCのキーボードの半径3m以内に入ると活性化し、そのキーボード付近を起点に半径10m以内を動き回るようになります。この行動はPCの使用者がその場を離れるまで繰り返します。SCP-XXX-JPがPCの使用者の不在を視認すると、SCP-XXX-JPはキーボードのDel、もしくはEsc付近に降り、口吻にあたる部分をキーの溝付近に近づけ、一番外側の溝をなぞるように一周します(一連の行動を受けたキーボードをSCP-XXX-JP-1とする)。一周したのち、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1を飛び立ち非活性化します。この行動を行わない限り、SCP-XXX-JPが非活性化することはありませんでした。この一連の行動はWindows向け、QWERTY配列のキーボードのみで確認されています。
Ctrl+Vを入力した状態のSCP-XXX-JP-1
SCP-XXX-JP-1は、元のキーボードと同様に文字の入力等が可能ですが、数種類のショートカットキーを入力した際にキー部分が稼働し、空間が出現します。空間の縦、横、基色は開かれるキーと一致しています。開いた後もキー自体は利用することができ、キーの再入力によってキーの位置は元に戻ります。これらのショートカットキーを同時に用いた場合、後から入力したショーカットキーは反応しませんでした。SCP-XXX-JP-1のショートカットキーを変更する方法は現在発見できていません。以下はSCP-XXX-JP-1にショートカットキーを入力した場合と、再入力した場合の対応表(アルファベット順)です。
入力したキー |
キーの入力後 |
キーの再入力後 |
Ctrl+A |
W-P,S-+にあたる部分が5cm浮き上がり、”お詫び”と書かれた包装箱が出てくる。箱の中にはボールペンらしき物体が入っている。これを用いての筆記は可能。 |
キーの位置が元に戻ると同時に包装箱、ボールペン、筆記した痕跡が消失。このことから、これらの存在は内空間と同期しているものと思われる。 |
Ctrl+C |
右下から6*6cmあたりのキーが外側に向かって開く。中には奥行き12㎝の空間があり、内空間の温度は3℃に保たれている。飲料缶のみ入れることが可能。 |
キーの位置が元に戻る。数回の実験から、SCP-XXX-JP-1を動かすと内空間内の物も同様に動くことがわかった。炭酸缶に注意。 |
Ctrl+D |
Delにあたる部分が3㎝程せり上がり、スピーカーを内包した空間が出現する。スピーカーは入力した瞬間から6時間かけて、蚊の危険性について説明する音声を流し続ける。一時停止等の機能なし。リピート再生機能あり。 |
キーの位置が元に戻る。説明された内容に特異性はなかった。 |
Ctrl+F |
スペースキーが上下2つに割れる。中にはフロッピーディスクドライブが内蔵されているが、中にフロッピーディスクを挿入しても何も反応しない。 |
フロッピーディスクが取り出された後、割れたキーが元の状態に戻る。 |
Ctrl+H |
Escにあたるキーが外側に開き、中から人工毛が植毛された人工皮膚シートが出現する。前髪用。 |
キーの位置が元に戻る。シートはキーが元に戻った瞬間に消滅する。 |
Ctrl+I |
1-0にあたるキーが内側に開き、内空間から高さ20㎝の鏡が出現する。表面の左隅に”私”と書かれている。 |
鏡が内空間に沈むように消滅した後、キーが元の位置に戻る。 |
Ctrl+P |
Pにあたるキーが左右に割れ、中からSCP-XXX-JPが見ていると思われる景色のモノクロ写真が包まれた状態で押し出されてくる。 |
割れたキーが元の状態に戻る。写真はキーが元に戻った瞬間に消滅する。 |
Ctrl+S |
S,A,V,Eにあたる部分が外側に向かって開く。中にはそれぞれキーの横のサイズと等しい奥行きの空間がある。 |
キーが元の位置に戻る。もう一度開けようとした際、キーを入力したにもかかわらず何の反応もなかった。その後Ctrl+S,A,V,Eと順に入力することで開いた。 |
Ctrl+V |
中心に近いキーの溝が割れ、内側に向かってキー部分が開く。中には奥行き30㎝の空間があり、内空間には内空間と同等の容積までの物を入れる事ができる。 |
キーが元の位置に戻る。数回の実験から、Ctrl+Cの時と同じく、SCP-XXX-JP-1を動かすと内空間内の物も同様に動いていることがわかった。 |
Ctrl+X |
エンターキーが2㎝ほど下がり、側面からキシリトールガムと思われるものが2粒現れる。 中に他の物を入れる試みは失敗。可食、ミント味。 |
中にまだガムが存在する場合、ガムが側面に吸い込まれた後にキーが元の位置に戻る。外にガムが存在していた場合、キーが元に戻った瞬間に存在が消滅。内空間を閉じたときに咀嚼していた場合、口内のガムの存在やガムの味まで消滅する。 |
Ctrl+Z |
タッチパッドが左の方へ飲み込まれるように消失する。中には奥行き3cmの空間があり、全面が金属光沢を放っている。 |
タッチパッドが右側から出現し、元の位置に戻る。他の点はCtrl+Vと同様。 |
SCP-XXX-JP-1は、上記以外の異常なショートカットキーが存在する可能性を考慮し、現在も調査が続けられています。
SCP-XXX-JPの存在は、木林博士がSCP-████-JPの特別収容プロトコルを自身のノートPCにて記入する際、Ctrl+Cのコマンドを入力したことで発覚しました。プロトコル記入時に博士がいた研究室の監視カメラを確認したところ、5時間32分にわたってヒトスジシマカと思われる存在が飛行し続けていたことが判明し、エージェント・██の懸命な捜索によって確保されました。後の探索から、このSCP-XXX-JPは研究室に備え付けられているシンクの排水溝から侵入したと推測されています。このSCP-XXX-JPの確保に至るまで同じSCP-XXX-JPが活性化した回数は、その場にあったSCP-XXX-JP-1の個数から1█回に及びます。最初にSCP-XXX-JP-1となったもの(これをSCP-XXX-JP-1-Aとする)を含めた2~3つほどを収容すれば十分であると判断され、それ以外は元のキーボードの持ち主の許可を得て破棄しました。
追記:日付20██/██/██: 全てのSCP-XXX-JPの左翅部分に透かし文字が記されていることが判明しました。内容は以下の通りです。
嫌われ者より剽軽者
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明:
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: 肛門にMicro-Bプラグを持つこと以外はごく普通のゴキブリ。PCと接続すると、中にはこれとの会話チャット用のプログラムと約3億年分の膨大な文章データが内蔵されている。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: ヒトの大腸内の状態の良くない便を食べてくれる寄生虫。大気圧内にほおっておくとかなりの数増殖する。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPはスカラベ(学名:Scarabaeus)に似た小型ロボットです。組成に使われている素材は既存の物質と一致しません。現在確認されているSCP-XXX-JPの個体数は1つのみです。
SCP-XXX-JPは耐火性に優れています。
SCP-XXX-JPはサイト-81██の死体処理場周辺の納屋にて発見されました。その際SCP-XXX-JPはD-█████の死肉と思われる肉片を運んでいる最中でした。納屋の中にはSCP-XXX-JPのサイズの21.3倍の団子状になった死肉と、陶器製の皿の上に盛られた煮っ転がしのようなもの(以降これをSCP-XXX-JP-1とする)が保管されていました。
SCP-XXX-JPを収容する前に、SCP-XXX-JPの行動原理を知るための観察が行われました。以下はその映像記録です。
観察記録XXX - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
<観察開始、13:20:46>
13:21:01 対象は死肉を団子状に加工している。
13:22:12 対象は死肉を加工し終わり、納屋へ運んでいく。
13:24:36 対象が納屋へたどり着く。対象が死肉を食べ始める。
13:25:47 対象が死肉の1/6ほどを食べ終わると、死肉をなめ始める。
13:27:47 対象が死肉をなめ終わる。死肉は団子状から面取りを施したジャガイモ状になる。死肉を口ではさみ、納屋の隅まで持ち運ぶ。納屋の隅には、雨漏りをためるための鍋と金網がある。
13:29:20 対象が死肉を鍋に入れる。2回その場を見回すと、肛門から青色の炎を出し、鍋を温め始める。
13:42:32 対象は炎を出すのをやめる。その後鍋の端までのぼり、口から茶色の液体を垂らし、鍋の中に入れる。その後、鍋の中の水がなくなる寸前までまた加熱する。
13:56:41 対象は炎を出すのをやめる。鍋の中の物を取り出し、陶器製の皿の上に盛る。
<観察終了、13:57:30 その後すぐにSCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1は確保された>
分析: SCP-XXX-JPはあの小さな体に発火機能とあれだけの燃焼を維持し続ける機能を持ち合わせているらしい。どういう仕組みなのかを調査する必要がある。-木林博士
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPはゲンジボタル(学名:Luciola cruciata)によく似た遺伝子改造ホタル。比較的汚れたところでも生息可能。
SCP-XXX-JPの主だった特性は自身の第6腹節、第7腹節で700THz~30PHzまでの光を放つ点。昼行性であり、昼には平均して10PHzの光を放ち続ける。夜になると700THz~790THzまでの光を放つ。この昆虫は雌雄同体であり、この行動に求愛行動のような意味合いは存在しない。生息地としては、SCP-XXX-JPの幼虫はプランクトンを主食として育ち、空気が触れるところならば羽化が可能である。そのためゲンジボタルより汚い環境でも成長、生殖することができるが、プランクトンの過剰摂取により自壊する現象が確認されているため、生息地域は限られていると推測される。育成は容易であるため、保管用以外は焼却処理を施す。
発見した経緯は、紫█村付近の村と比べて、紫█村での皮膚がん患者の異常な増加、新生児の死亡数の増加、住民の皮膚細胞の減少並びにメラニン色素の異常増加から財団の目に留まった。ほかの村との差異を調べた結果、村おこしとして『ムラサキムラホタル(仮)の育成プロジェクト』が主な原因であるとされ、結果としてSCP-XXX-JPの収容につながった。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明:
補遺: 連続した物体を食べつくすまで食べるのをやめないカブトムシ(学名:Trypoxylus dichotomus)の幼虫に酷似した新種の虫。不完全変態。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: 特異性のあるカルタ。髪の毛がある人が坊主めくりをやると自分の頭皮がめくられる。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]