KAZUMIKKUSUのアイデアポケットへようこそ!
ここでは私がTwitterにおいて発信してきた、財団に関する様々なヘッドカノンを項目ごとにまとめています。
必要ならば自由に参考にしてもらって構いません。(使ってくれると私が喜びます)
財団について
ミーム殺害エージェントの機能を要約するなら「脳内の記憶の全消去」である。
無限に続くフラクタルイメージに内包された莫大な情報を曝露者に強制インストールし、脳が保有する全ての記憶を上書きする。エピソード記憶、知識記憶どころか本能的な部分の記憶 (呼吸の方法や心臓の動かし方など) まで完全に塗りつぶされるため、曝露者は死を免れない。
XACTSの機能は「効果範囲内の空間を因果的に隔離する」というものだが、これを単純に例えるなら「効果範囲にある存在を "因果ごと" 宇宙から分離する」という意味に等しい。つまり効果範囲内の空間は宇宙の中に位置しながら宇宙でない場所、つまり異空間の一種ということになる。
宇宙と異空間の間で現実が断絶されているため、通常の現実改変は全く意味を為さない。(281-JPの現実改変が482-JP-1まで届かないのと届かないのと同じ理屈) 加えて因果も同様に途切れているので過去改変も通用しない。SRAの上位互換のように扱われるのはこれらの機能に由来している。
XACTSが画期的とされる最大の理由は、この生成された異空間と宇宙の間で「物質の行き来」がほとんど阻害されないため。言うなれば空間の表面全体がワームホールになっているようなものであり、本来なら異空間として成立しないはずの空間を無理矢理宇宙から分離し、維持しているのがXACTSの最も重要な機能であり、同時に財団最高クラスのブラックボックスでもある。
- SCPオブジェクトの呼び方については職員ごとに個人差があるが、緊急時などに使われる呼称などは全員で統一されており、SCiPやオブジェクトではなく「番号のみ」で情報を伝達する。(少しでも伝達と対応を迅速化するため)
- SCPオブジェクトを分類する際、SCiPの付属物として-1や-aなどの指定が付けられる場合があるが、中には「SCP-XXX-JP」に指定される実体がなく、一連の付属物の総称として用いられている場合がある。これは主に「一連の実体のどれが異常性の根源なのかが不明」というのが理由であり、根源がはっきりしている場合はその根源となる実体に「SCP-XXX-JP」の指定がなされる。
財団がオブジェクトをThaumiel指定する際、重要な条件が三つ存在する
- 財団の活動に利用することができる。
- 財団による最低限の制御、操作が可能である。
- 利用することによる利益がリスクを十分に上回っている。
見落としがちなのが1であり、ここでの「利用」は財団の業務のために計画的に運用可能であることを意味する。よって一部のサイトなどで職員の滋養目的に使われているもの (458、999) や、性質上そもそも計画的な運用ができないもの (500) などはこの条件に当てはまらない。
これらの条件を簡単に要約すれば「そのSCiPを中心としたプロジェクトが発足されるかどうか」が基準と言える。
アノマリーを片っ端から集め収容している財団だが、その本質的な目的は「異常を異常でなくすこと」。
管理者の「人類は恐怖から逃げ隠れていた時代に逆戻りしてはならない」という言葉の意味は、恐怖を隠すのではなく克服することを指す。暗闇を遠ざけるだけでなく、その暗闇を照らして光にするのも財団の役目ということ。
世界に蔓延るアノマリーを確保し、正常な社会に害をもたらさないよう収容し、研究、解明するために保護する。
「確保、収容、保護」という三大理念は、これを達成するべく財団が掲げた最初期の活動理念である。
つまり財団の組織としての最終目的とは「全オブジェクトのExplained化」である。アノマリーの持つ法則を完全に理解し、人類がそれを普通の科学のように制御できる時代が訪れた時こそ、財団が理念を全うし正しく解散する瞬間となる。
しかし当時の財団が予想した以上に、世界は理不尽かつ手に負えないような異常で溢れ返っていた。組織が大規模化するにつれ財団は脅威への対処に手一杯となり、これらの理念も変化、或いは形骸化してしまった。(特に『保護』の理念が顕著)
致死率の極めて高い労働環境である一方で、生活環境そのものはかなり恵まれており、少なくとも刑務所や拘置所に比べれば遙かに自由が多い職場と言える。財団にとっても貴重な資源であるため医療体制も充実しており、一般職員とほぼ同等の処置を受けることができる。(手が足りない場合などは真っ先に切り捨てられるが)
ただし通常の財団職員とは生活スペースが完全に分断されており、実験以外で彼らと接触することはほとんどない。
彼らが辿る道は主に「死ぬ」「記憶処理からの再雇用」「正規雇用」の3つ。
多くの職員は1つ目か2つ目になるが、数回の再雇用の後に能力の高さや財団への適性が認められた場合は3つ目に至る。(もちろん十分な忠誠心が必要だが。また極稀に最初の雇用で適性を見いだされた事例もある) 職種は主にエージェント、稀に機動部隊員だが、研究員としての雇用もないわけではない。
実のところ財団全体で見ると、Dクラス上がりの職員はありふれた存在と言える。(班に1人か2人はいるレベル)
アノマリーと直に接し生き残ってきたという経験もあってか、普通に雇用された職員以上に活躍することもあるが、出世できる例は少ない。(別に待遇が悪いわけではなく、彼ら自身の性格などが影響している場合が大半) 彼らにとって財団は人生をやり直すための居場所であることも珍しくなく、死と隣り合わせな点は変わらないものの多くは今の環境に満足している。
ただし一般社会へ戻ることだけはどうやっても不可能であり、財団の下で一生を過ごすか、そうでなかったとしても異常社会で生きることを強いられる。ある意味では彼らにとって最大の罰と言えるかもしれない。
単なる問題児のように見られがちだが、Jokeでない世界における彼は職員としては極めて優秀ながらも、どこかしら強い歪みを抱えた人物である。
誰に対しても笑顔で接するが、時折ふざけたような態度、言動を見せたり、突然脈絡のないことを話し始めたりする。全体的に掴みどころのない飄々とした人間として振る舞うため、人を怒らせることこそないものの、周囲からは変人のような印象を抱かれる。動揺することはほとんどなく、緊急時でも能天気な態度を崩さないが、余裕がない状態に陥ると表情が消える。
外面的な性格とは裏腹に勤務態度は非常に良く、持ち前の優れた頭脳も相まって財団内での評価は高い。財団の理念や倫理観をよく理解しており、どんな事態においても冷静な判断力と観察力をもって対処できる人間と言える。
しかしその一方で、死ねない体質を持つためか、あるいは死を何度も経験したためか、内面的には強い自殺願望や虚無主義的な面を持っており、無意識にそういった内面を出してしまうことがある。上述のふざけた態度のまま、同じ財団職員であってもぞっとするような意見や発現を唐突にしたり、極端に冷酷な判断や行動を笑顔で行ったりすることが度々ある。自分の命に頓着することは一切なく、むしろ事態を解決するため最優先で投げ出すこともしばしば。人の死を悲しみはするものの、自分含め命をどこか消耗品のように考えている節がある。それが影響してか軽度の人命軽視の傾向もあり、真面目さとは裏腹に倫理委員会にストップをかけられた例も珍しくない。
総じて冷徹な人間性に「喜怒哀楽」の喜楽だけが付いたような性格をしており、親しい人物ほど彼を「見かけ以上に空虚な人間」と見なしやすい。ただしこういった冷徹さは彼と同程度の地位の職員なら誰しもが持っている部分であり、別に珍しくもなんともない。彼は単に周りよりも少しひょうきんで残酷で空虚なだけである。
世界観について
端的に言えば、アノマリーが生じる原因は宇宙の構造そのものにある。財団が存在する宇宙には既知の「科学」として知られる物理法則とは別に、無数の、互いに矛盾するような性質を示す法則が重なり合って遍在している。例えば物体が重力に従って落下することを示すありふれた物理法則だけでなく、物体が重力に反発して上昇することを示す法則や、重力という概念をそもそも否定するような法則などが1つの宇宙に同時に存在するということである。ここではこの「複数の異なる物理法則が重なって存在する」ことを表すカノンの名称として "多重法則理論" と呼称することにする。
これらの遍在する無数の法則にはそれぞれ異なる強さの "実在性" があり、より実在性の強い法則が下位の法則を希釈し、塗りつぶすような仕組みとなっている。つまり我々がよく知る「科学」で表される法則は宇宙で最も実在性の強い法則であり、それが他の全ての法則を塗りつぶしているために普段は1つの法則しか観測することができない。故に表向きには財団世界と我々の現実世界の構造に大きな差異は見られないのである。
しかし何らかの活動や事象、環境などによって、普段は塗りつぶされている下位の法則において「発火」や「爆発」に相当するような強い反応が誘発された場合、それらの物理法則が上位の法則を押しのけ現実世界に顕在化することがある。これがいわゆる「異常現象 (Extranormal)」の正体であり、アノマリーが発生する仕組みでもある。ここから更に一定の好条件が満たされることで、局所的な発火や爆発が燃え続ける「炎」になるように、下位の法則が長期的に現実世界に顕現し続ける状態に至る。財団がSCP対象物に指定するようないわゆる「異常存在」とはこの炎に該当する。
炎が既知の科学に従って燃えるように、これらの異常存在は顕現した下位の法則に従って存在している。明らかに物理法則を超越しているような挙動を見せながらも、ほとんどのオブジェクトが一貫性の定まった「異常性」を持っているのはこのためである。つまりオブジェクトに常識が通用しないと言うよりは、オブジェクトの持つ常識が我々の知る常識とは別であるという方が近い。
これらのオブジェクトを解明するというのはつまり、各々のオブジェクトが従っている「下位の物理法則」を見つけ出し、その詳細を理解することである。そうすればオブジェクトの発生要因を正しく理解し、これらの法則を人為的に顕在化させて利用することができるようになる。このような形で解明が完了して利用可能となった「下位の法則」の例としては、GOCなどが活用している奇跡論やキネトグリフ、財団も得意とする霊体学などが当てはまる。多くの要注意団体が保有するアノマリー生産能力についても、彼らが独自に発見した「下位の法則」を用いていると推測できる。以上の点から考えると、財団世界の異常組織がアノマリーを求めて争う理由はアノマリーそれ自体の価値と言うより、そのアノマリーが従う「下位の物理法則」を引き出して利用するためと言える。
なおこれらの無数に存在する物理法則は全て、それぞれの法則に対応する理論で説明、再現することができるが、別々の法則であるために1つの理論で説明することは当然ながら不可能である。つまり先述の奇跡論と霊体学を繋げて考えるようなことはできないし、このどちらも既知の科学理論とは完全に分かれたものである。
数あるK-クラスシナリオの中でも特に理解が難しいとされるZK-クラス "現実不全" シナリオについて、例としてはアンドリュースワンの提言や3999のような「この世界が空想であることが判明してしまう」という代物が挙げられることが多いが、これは財団内においては定義に当てはまる特例中の特例である。財団で定められたZK-クラスの本来の性質は「何らかの概念、実体、現象、法則など、今ある世界を形作っている普遍的な『現実』が消滅してしまうような事象」を表すものとなっている。例としては何らかの現実改変事象によって歴史が書き換えられた場合、これはCK-クラスシナリオであるが、何らかの現実改変事象によってある時点から『光の屈折』や『重力』といった物理法則が世界から消滅してしまった場合、これはZK-クラスシナリオと呼称される。前述のメタ認知などについては、それによって財団が存在する宇宙そのものの『実在性』という概念が実質的に損なわれるため、特例的にZK-クラスに指定される。
「確保、収容、保護」を理念に掲げる財団が現実改変者を積極的に始末する理由、それは現実改変者という存在が財団世界において既に解明された存在、つまり「Explained」だからである。悪く言うなら現実改変者はもう原理や法則を完全に理解された「正常」の一部であり、研究も収容も価値がない相手ということ。
ヒュームに関する一連の理論が確立された時点で、現実改変者が現実を改変するプロセスは解明済みとなり、それの再現もプロセスへの対処も可能となった。財団が空間現実強度の固定装置 (SRA) の量産に成功したのが何よりの証拠である。
もはや現実改変者の本質は「正常性を脅かす非異常の脅威」つまり地震や台風などの災害と同じレベルと見なされており、それ単体では研究価値のある「アノマリー」とは認められないのである。(ただし650-JPや1995-JPのように、単なる現実改変だけでない他の異常性がある場合はアノマリーとして分類されうる)
財団が現実改変者を殺すのは、単にそれが災害への最も適切な対処法だからに過ぎない。
(災害の根底の原因、つまり「なぜ現実改変者が生まれるのか」という点が最後に残された謎であるものの、それはもはや現実改変者というより人類全体で研究すべき疑問であり、生きている現実改変者を使うメリットがリスク以上にあるとは言い難い。そもそも世界によってはこの謎も「突然変異」や「特異体質」で片付けられている)
財団世界における異常組織は互いに仲が悪い場合が多く、良くてもビジネスパートナー以上の関係になることはまずない。その理由は表社会の組織よりも遙かに秘密主義的であるが故の弊害である。
異常社会での勢力争いとはアノマリーの奪い合いであり、アノマリーがもたらす影響が文字通り世界をひっくり返すほどである以上、組織単位での衝突はそのまま世界の崩壊に繋がりうる。そんな状況でぶつかり合いを極力避けつつ勢力を拡げるには、とにかく自分の情報を掴ませないことが非常に重要となる。つまり互いが互いを知れる機会があまりにも少ないため、組織の内面が知れるのは何かミスをした時、つまりやらかした時がほとんどとなってしまう。つまり互いにとって相手のやらかしばかりが目立つようになり、結果として「あそこはろくでもない連中だ」という認識を互いが持つようになる。これでは歩み寄りが極稀にしか起こらないのも仕方ないと言えよう。
やらかしまくりの無能な働き者としてのイメージが強い団体だが、実際の所「非異常の慈善組織」としてはむしろ有能であり、彼ら自身の誠実さもあって表社会での評価は高い。(そもそもアノマリーを確保し管理できる技術と能力がある時点で、少なくとも単なる馬鹿とは程遠い)
彼らがおかしくなってしまうのは偏に「異常存在に関わるから」というのがかなり強く、アノマリーが人類を助ける希望になると考えているが故の行動である。アノマリーが持つ脅威やリスクを理解していないわけではないのだが、ある意味では蛇の手以上に「アノマリーと人類は共存できる」と強く信じすぎているため、そういったリスクを知っていても思いとどまることがない。つまりあまりにも「夢を見すぎている」組織とも言える。
無能どころかむしろ有能であるが故に、よりタチの悪いGOIになっているということでもある。
「正常性を保護する」という本質的な目的は同じである一方、両者を隔てる大きな違いは「アノマリーに対する価値観の差」と言える。
財団がアノマリーの脅威を理解しつつも、それが人類の進歩の助けになると信じた者達によって設立された組織である一方、GOCはアノマリーを強く危険視し、徹底的に排除すべきだと考えた者達が結成した組織である。つまりは財団の方がGOCより「アノマリーに希望を見出している (いた)」組織と言うこと。(財団の理念についてのカノンも参照) 例えるなら財団は研究者に、GOCは自衛隊に近い気質を持っていると言える。
GOCもアノマリーの力を利用するが、それは同じアノマリーに対処、始末するための手段でしかなく、アノマリーは人類に害しかもたらさないというのが根本的な考えである。こういった点が異常を解明しようとする財団とそりが合わず、結果として微妙な対立関係として表面化してしまっている。
しかしアノマリーの脅威が (メタ的にも) かなり深刻化してしまった現在では財団もそういった希望を抱けなくなり、徐々に考え方がGOCに近くなっている節がある。以前に比べて両者の対立が減り、協力が目立つようになったのはこういった事情が絡んでいる。
奇跡論やタイプグリーン対策のエキスパートであり、それらを応用した兵器の数々を使いこなすGOCは、アノマリーを含めた敵に対する単純な戦闘力では財団を上回っている可能性がある。しかし問題となるのはGOCはあくまで「連合」であり、複数の超常組織が同一の目的を掲げて成り立つ団体である性質上、財団とは違って一枚岩ではないということである。故に全体的な統率力や組織的行動力については財団に劣っていると言わざるを得ない。現に過激派の一部が組織全体の意に反して他団体に攻撃したり、勝手に宣戦布告を行った事例がいくつか存在する。
もう1つの弱点は連合を構成する組織のアノマリー対処能力がピンキリになりやすいという点である。もちろん前述のような優れた技術と兵器を使いこなし、財団と同等に慎重で見識が深い組織も多く、実際に彼らがGOC全体の主導権を握っていると言える。しかし中にはそのような技術を持たず力押ししかできない組織や、アノマリーに対して深く調査しないまま強硬手段に走り事態を悪化させるような連中も含まれている、GOCが財団側からやらかし団体のように見られてしまいやすい理由は、こういった無能派閥のケアが行き届きにくい部分が大きい。
総合すると組織としての規模と戦力については紛れもなく強大で優秀な側面も持つが、財団と比べると組織として不安定な性質もある程度見え隠れしている団体と考えられる。
蛇の手が「開示フリーク」と呼ばれ「知識は共有されるべき」と主張する理由は、彼らの望む未来が「人類とアノマリーが共存する世界」であり、一般社会が異常について知ることがその未来に繋がる手段と考えているから。
(ここでの "アノマリー" は異常存在の中でも自我を持つ知性体、例えば異常性を持った人間などを指す)
彼らは財団やGOCとは対照的な「アノマリー側の立場」に立つ組織であり、彼らが一般社会から排斥され、隠される現状を快く思っていない。故にアノマリーが迫害されず社会に受け入れられるには、社会が異常と接し、偏見や恐れを取り除くことが必要だと判断している。
MCFや壊れた神の教会に友好的なのも、彼らの活動がその助けになると見なしているから。MC&Dもそういった理由で嫌ってはいないが、あくまで「商品」としての価値を求める彼らとはそりが合わず度々衝突している。アノマリーを殺して回るGOCや、道具として弄くり使い潰すCIとの仲は当然最悪。財団に対しては多少マイルドなものの、アノマリーを研究対象としか見なさず、檻に入れ自由を奪う活動内容のためやはり好いておらず対立関係にある。
彼らにとってアノマリーとは「世界の変化そのもの」であり、その変化を受け入れることがアノマリー、人類双方にとって幸福な未来を掴むために欠かせないものだということである。
第五教会において一種の教義とも言える「第五主義」を司る神、その正体はかつて強い信仰と大いなる力を持ちながらも、現在主流となった宗教の神々に蹴落とされ封印された神格存在である。目的はもちろん再び信仰を拡大し、その力を以て現実世界に帰還、顕現すること。そのために自身への信仰の残滓を持つ人物にミーム的な寄生を行い、彼らを媒介として布教や異常存在の創造を行っている。
性質上他の宗教系GOIと比べても信者の発生方法が異質であり、異常性を持ちながらも本質的には神話と信仰で成り立つ他団体に対し、こちらは末端の信者はともかく主要となる構成員のほとんどはミーム的寄生によって突発的に発生している。故に隠密性が極めて高く、財団もその実態をほとんど掴むことができていない。更に言うと信者の発生を予測、妨害することも不可能に等しく、いつ誰が突然第五主義者になってもおかしくない状態にある。
言わずと知れた最凶のGOIとして名高いサーキック・カルトと、その指導者として知られる崇高なるカルキスト・イオン。世界や時代によって様々な姿と能力を持ち、正体を掴むことのできない彼の本質は、無数の平行宇宙に渡って遍在し、それぞれで異なる実体を持つ一種の群体である。元々は単一の個人であったとは思われるものの、現在の彼の群体は全てがある意味本物であり、全てが何らかの絶大な力を保有している。故にもはやその性質は不死というより不滅に近く、1つの世界に属する財団や教会だけではとても対処できる代物ではない。
しかし彼らの全てが邪悪な意志と高い脅威度を持っているわけではなく、同じ個人を起源とするだけで各々はあくまで別の存在である。よってその中には侵略的な性質を持たない形でサーキシズムを布教したり、世界に脅威を与えずに一種の慈善事業のような活動を行っているイオンも少なからず存在している。もちろんその逆も然りではあるが。
数ある要注意団体の中でも特に干渉が難しい性質を持ち、立ち入ることはできても帰還することは極めて困難な性質を持つ酩酊街。そんな彼らと何らかのコミュニケーションを試みる場合、こちらからコンタクトをとる手段は一切存在せず、実際どの団体も現在まで成功していない。しかし完全に不可能というわけではなく、酩酊街の方から何らかのメッセージを受け取った場合のみ、それに返答する形で相互コミュニケーションを行うことができる。
とは言え酩酊街自身の他者に対する極めて不干渉な性質から、普通はこれができるのは酩酊街出身のアノマリーくらいのものであり、つまり現時点で相互交流を可能としている要注意団体は如月工務店のみということになる。
各SCPについて
- SCP-001の提言はすべてが本物とされているが、実際には001という存在に決まった形はない。その本質は自身を幾度も改変し続ける "自己改変的実体" とも呼べる代物であり、自身を改変するたびにそれに派生した存在、つまり財団やアノマリーを含めた世界そのものの歴史が書き換えられている。カノンによって変化と変遷を続ける財団世界の中心として働いているのは、常にSCP-001である。
- 001というデータベースに異常性があり、多元宇宙における各財団ごとの001報告書がすべて集まった特異点のようになっている。財団は各々の報告書を「提言」とすることで機密を保っている。つまり読者から見た場合、真の001はNo.001のページそのものということになる。
- 001データベースにある提言群はほとんどが偽装ファイルだが、その意味は「001であることが偽装」というだけであり、全て実在する機密指定オブジェクトについて記した報告書である。通常ナンバーに指定することすら危険な超重要機密指定のオブジェクトを偽装ファイルとして001ナンバーに纏めることで、結果的に提言全ての機密性を高めつつ本物の001を効果的に隠すことが可能となる。
001によって引き起こされた終末の実態は、マリアナ海溝から回収された文書に記された一連のGH-クラスシナリオのことである。アウレリオが示した恐怖によって001の侵略は瞬く間に停止し、地球には野放しのアノマリーと僅かな人類が残された。(001がその後どうなったかは不明だが、少なくとも侵略している余裕などない程の事態に陥ったのは間違いない)
その後、崩壊した財団の生き残りによってSCP-2000の (記録されている限り2度目の) 起動が行われ、世界が再構築される結果となった。つまり、アウレリオが命を捨てて繋いだ未来は無駄にならなかったのである。
なお仮に001がそのまま滅亡していた場合、再構築後の財団において「SCP-001」というナンバーはただの偽造ファイルの寄せ集めと化しており、本物がもはやどこにも存在しない状態になっている。
オブジェクトの性質の根源的には非常に001らしい代物である一方で、なぜ後々発生した異常でありながら001データベースに存在が記録されているのか。この理由は至って単純で、光を浴びたことで『正常』になってしまった財団職員が報告書を勝手に書き換えたからである。本来は通常ナンバーに指定されるはずだったが、そもそも発見された時点で財団がほぼ壊滅状態に至ったためにまともな報告書が書かれないまま放置されてしまったのも原因の1つかもしれない。視認することが実質光を浴びることと同義であるはずの001の画像が報告書に添付されているのも、既に光を浴びた者なら見てもそれ以上影響されないからである。
- 首を折るか絞めるかしか攻撃手段がないと思われがちだが、実際には手 (に見える部分) を使っているわけではないのでそれに限らない。単に人間を確実に殺せるからそうしているだけで、首がないような生物でも普通に攻撃される。(682とのクロステストが良い例)
- 「直視」されている間は停止するという性質上、間接的な手段による監視は意味を成さない。故にカメラを使っても止められない上「動いている過程」を観測することもできない。(カメラに映りはする)
- 本質的には高速移動より瞬間移動に近い性質であるため、物理的な距離はほとんど関係ない。しかし標的に対して直線的にしか移動できず、自身と標的の間に遮蔽物がある場合は迂回することがない。
- 視認されていない状態の173は通常、他者の視界を避けようとする性質を持つ。故に攻撃対象の視界に自ら飛び込むような動きはせず、視認された場合はその視認者を優先的に殺害しようとする。例えば173を見ている人間と見ていない人間が同じ距離にいた場合、173は見ている方の人間を先に標的とする。

173の移動の性質
- これらを総合すると、173と遭遇した際の対処法は「自身と173の間に常に遮蔽物が位置するよう行動すること」。つまりある意味では「目を離さないこと」よりも「直視しないこと」がより重要となる。(173が見えるということは173との間に遮蔽物がないということであり非常に危険) そのため入り組んだ屋内空間などでは対処しやすい一方、遮蔽物の少ない屋外空間では一気に脅威度が上昇する。
- 上記の対処法はあくまで個人の場合に限り、複数人の場合は死角と瞬きをカバーすれば対処は比較的容易。
コミュニケーションこそできないものの、396は完全な自我を持つ知性体である。
その性格は人間的に例えるなら「旅好きのお人好し」。
周囲の人間の話から様々な場所を聞き出し、その中で興味を持った場所を選んで転移する。何らかの理由で聞き出せない場合は、以前行ったことのある中で気に入った場所の別の地点に転移する。1~11ヶ月という転移間隔は396の完全な気まぐれであり、実際はどんなタイミングでも転移することが可能。また他の椅子と置換することで転移するという性質上、396は地球上 (もしくは地球外も含む) の全ての椅子の位置と性質を把握しており、1609の激昂を察知して置換転移することができたのはこのためである。
SCP-609が「どこにでも行くから収容ができない」「いくらでも増えて消すことができない」などの理由でKeter指定されているというのは大きな間違いである。実際の609はユーザーの思考内容を勝手に読み取って自身に反映するだけであり、ユーザーの思い通りに操作できるのではない。これは似ているようで根本的に異なる話であり、例えば609が月に転移する場合「月に飛べ」とユーザーが頭の中で命令する必要は全くなく、単にユーザーが月を思い浮かべただけで転移してしまうということ。つまり609を動かすには、609を視界に入れた状態で何か考えるだけで十分足りてしまうのである。
609の制御が著しく困難なのはこの性質のせい。要は115-JPとほとんど同質のKeterであり「考えたことをそのまま現実にしてしまう」ことの恐ろしさをそのまま表したような存在と言える。しかもこちらはあくまで「移動、転移、複製」などの単純動作しかしない性質上、ユーザーの思考がどう反映されるか全く予測できないという点でも脅威度が増している。
更にタチが悪いのが、609が目視でしか存在を確認できないという点。つまり監視不可能な上に収容を確認するだけで危険が伴うということである。更に付け加えると、609をコントロールするにはその性質と危険性を正しく把握する必要があるのだが「どこにでも行ける」「何でもできる」という情報はそれだけで想像をかき立ててしまい、制御の妨げとなってしまう。(極論を言えば、ユーザーが609を見た状態で「609がもたらす脅威」を思い浮かべただけで世界が終わる) 更に更に付け加えれば、609の発見状況から考えてこれが一般社会に流出した (或いは流通している) 可能性は否定できず、見ただけでK-クラスに繋がるかもしれない爆弾がどこに転がっているかもわからない、非常に危険な状況と言わざるを得ない。
ワンダーテインメント博士は恐らくこれを単なる「自由に動かして遊ぶ玩具」として作ったと思われるが、結論を言えば「あまりにも制御が難しすぎた」という点がこいつをKeter指定させた理由である。
616の扉が「閉まること」が最も危険である理由は、開いた時点では異常な空間に接続されるだけだが、そのまま扉が閉じると、その瞬間に機体を中心とする極めて危険な概念的流出事象が引き起こされるからである。
インタビュー記録で示された、扉が開くことで繋がる異空間 (ここでは仮に "616-A" と呼称する) は単なる敵対的実体が潜んでいるだけの場所ではない。この空間内には "瘴気" とも表されるような侵食性の異常概念が蔓延しており、曝露した人間や生物を汚染し変成させる性質を持っている。扉が開いた時点で616-Aへの入り口は機内に向かって開いているため、当然ながら乗客はこの概念に曝露する結果となり、様々な異常を経験する。死体の蘇生現象や精神の汚染はこの概念曝露が引き起こしたものである。もしかしたら乗客が言及した「天使」と呼称される敵対的実体も、生物が616-Aに激しく曝露した末の産物なのかもしれない。(1人目のインタビューにおける言及では、乗客の1人が飛び降りた直後に天使がやって来たが、2人目のインタビューでは乗客が誰も616-Aに落下せず、天使も出現しなかった)
しかし先述したように616-Aの入り口は機内側に開いているため、この時点ではまだ "瘴気" による汚染は616の機内に留まっており外部に拡散することはない。しかし仮に616-Aとの接続が途切れない内に扉が完全に閉ざされてしまったらどうなるか。機内に流れ込む経路を失った "瘴気" は境界面から溢れ出し、接続が維持されている間は周囲に拡散し続ける。それは周辺一帯の生態系を激しく汚染し、環境そのものの変成を引き起こし、概念的改変により敵対的実体の転移事象を誘発するトリガーとなってしまうのである。これこそが616がもたらす真の脅威であり、XK-クラスシナリオを引き起こしうるほどに危険とされる理由である。
故に616を収容する上で重要となるのは、扉が閉まる速度が遅くなり、なおかつ周囲に生物が存在しない上空での活動を毎月誘導した上で、616-Aとの接続が維持されている間全力で扉を閉ざさないよう押し続けることである。なお天使が襲来する結果に繋がるため、当然ながら616-Aに人間が落ちるのはNG。外に向かって押さなければならないのにである。
難易度が高いというレベルではない。収容活動で宗教を頼らなければならないのも納得と言えよう。
682の破壊命令が出されている理由は、682の厄介さがそれ自体の脅威度よりかなり悪質だからである。
収容違反を何度も繰り返し、そのたびに施設や人員に甚大な被害をもたらす性質上、財団そのものへの直接的な被害の大きさではKeterの中でもかなり上位に位置している。つまり財団は682の収容だけで常に莫大なリソースを割かれており、財政的にもかなりの負担となっている。その負担は他のアノマリーに対処する上でも障害になりうる、つまり他のアノマリーの収容違反を間接的に引き起こす可能性も無視できない。ある意味で財団が扱うSCiPの中でも最悪レベルのトラブルメーカーであり、財団からすればとにかく邪魔な存在と言える。
1048自身は人類や財団に対して悪意は全く持っておらず、誰かを攻撃したり傷つけたりしたこともない。
1048が「周囲の物から "友達" を生成する」という異常性を持っていることは間違いないが、その過程で1048は耳を切り取っていないし、胎児を摘出したりもしていない。単に1048を起点にそういった現象が発生しているのか、それとも1048とは別の存在がそれを代行しているのかは定かではないが、1048が直接手を出していないのは事実である。財団に本質が気づかれて以降も、未だに1048自身が人を攻撃した事例が確認されていないのもそのため。
ただし1048自身に問題がないかと言えばそうでなく、奴は友好的である一方で「悪意」や「死」を理解する能力が欠如しており、人を攻撃するような実体であろうと「友達」として受け入れてしまっている。つまり1048が人の良心に付け入ったのではなく、むしろ "友達" の方が1048に付け入って利用しているという方が正しい。
つまり1048の本質は2662などと同じ「本体はほぼ無害だが、深刻な被害を無自覚にもたらす存在」と言える。もしかすると1048の「同類の友達を求める欲求」がこの異常性を引き起こしているのかもしれない。いずれにせよ、仮に行方不明の1048を確保収容したところで、それで事態が収束する可能性は極めて低い。
1616の異常性は「見た物体を頬袋に入れる」のではなく「見たことのある物体を頬袋に入れる」というもの。つまりその時点で見ている物体に限らず、映像記憶として記憶している全ての物体をいつでも取り寄せられるという意味である。
加えてこの「見たことがある」という定義はかなり広く、例えば1616にリンゴを見せた場合、取り寄せられる対象はそのリンゴ単体ではなく「同じ外見をした物体」つまりバラ科リンゴ属の果実のほとんどが一気に標的となってしまう。ただし同じリンゴ属の果実でも色や形が大きく異なる場合は「見たことがある」の定義に含まれないため標的にならない。
要するに1616の知能で「見たことがある」と判断できる物体が食事時に頬袋に転移されるということ。
写真やイラスト、更には刺青まで1616に見せてはいけない理由はこういった異常性の幅広さのせいである。

SCP-1616の転移プロセス
この性質のため、財団は1616本体の収容はできても、異常性の制御は全くできていない状態にある。(1616に記憶処理をすれば何とかなるかもしれないが、そもそも1616の知能レベルが不明瞭な上に動物相手ではそれも難しい)
よって現時点では、給餌することで1616が空腹になるのを可能な限り抑えることが有効手段となっている。
一応は収容されているものの本質的な収容はできていないという、ある意味珍しいKeterの1つと言えるかもしれない。
"犬" を最初に鎖に繋いだ者の正体は、財団では3201と呼ばれる「アーキビスト」の一団である。
宇宙の創造物を収集する彼らにとっても 、数多の宇宙を無差別に破壊して回る "犬" は厄介極まりない存在であり、故に活動を制限して被害を最小限に抑えるためのシステムを作成した。しかし "物品のアーカイブ" を何よりの使命とする彼らには維持することが難しかったため、これを確実に維持できる信頼があり、なおかつ自分達のお得意様でもあった財団が維持管理を引き受けることになった。
1968の機能を単純に言えば、起動された時点での「現在~未来」の因果を基にそれらしい過去を再構築するというもの。(だから逆因果) その際起点とした「現在~未来」が全て「未来」に配置されるため、結果として因果が未来に引きずられる。このため再構築後の世界では出来事が遅れて発生することになる。
過程こそ多少複雑なものの、その本質は使用者を過去へ飛ばす装置、つまりタイムマシンにかなり近い。出来事を遅らせるだけで未来は変えられないと思われることもあるが、実際には "逆因果" なのは起動時だけであるため、再構築後の世界での行動次第でいくらでも未来を変える余地はある。そういった意味で「終末を回避する」ことに使えるからこそのThaumielなのである。加えて起動回数に制限がないため、例え避けられない破滅の未来があっても永久に先延ばしにすることができる。つまり十分な体制さえ整っていれば、1968が存在する世界が滅びることはほぼないと言っていい。
2442世界における財団の本質は「レヴァントが持つ恐怖に対する防衛機構」。つまり彼が外部の存在に抱いた様々な恐怖 (SCiP) を抑え込み、心を守るための精神的な防衛本能ということである。2442が強大なKeterクラスとして収容されているのは、レヴァントがまだトーマスを疑い、恐怖心を抱いたままだから。しかし仮にトーマスがレヴァントを説得できてしまった場合、レヴァントがトーマスに抱く「恐怖」が極端に弱まり、最悪消滅してしまう可能性がある。
つまりSCP-2442はやがて急激に弱体化し、いつかの時点で財団から消失するということ。
一見ではいい話に思えるかもしれないが、実際には単にトーマスに関する「恐怖」が失われるだけで、トーマスのカウンセリング (=レヴァントへの精神への干渉) は止まらない。正確には財団がトーマスによる影響を「異常」として認識できなくなるという方が正しいため、財団からすればアノマリーの消失を止めることが事実上不可能になることを意味する。(レヴァントにとっては良いことだろうが)
2480の本質はサーキックによって開発された「自動侵略ユニット」と言うべき代物。
儀式を実行した地点で起動し、周囲の土地や住民を地盤とした生産システムを構築することで、不可視の兵士を量産しながら現実を侵食していく。時期と体制が整うことで活性化し、莫大な兵力を備えた知覚不可能の要塞として世界を一気に侵略する。サーキックの上層部が開発した極めて脅威度の高い戦略兵器と言える。
本来なら財団が気づく前にSK-クラスシナリオを起こせたはずだったが (特に当時の財団はサーキックの脅威をほとんど把握していなかったので、儀式が完了していれば確実に先手を取れた) 勘づいたGOCに邪魔されたために儀式が未完となってしまった。それでも現地の財団サイトを巻き込みながら不完全に稼働していたが、調査の猶予が生じてしまったことで財団にも正体を見抜かれ、最後は両者の共同作業によって完全に鎮圧された。
その後ルーマニアで再び儀式が実行され、今度は成功し完全な2480が起動したものの、既にシトラ・アキュラの結成を経て対処法を確立した財団、GOCに早々に見つかってしまった。完全体な上に何らかの改良が施されている可能性もあるので油断はできないものの、結果的にサーキックは最大のチャンスを逃したことになる。
結論から言えば、Y-909による記憶処理は記憶の上書きではなく記憶の切り貼りと言った方が正しい。加えてその仕組みには3000本体が持つ異常性が密接に関わっており (というかほぼ根源) もし仮に3000が無力化した場合、残ったY-909は全て機能を喪失することになる。
3000は周囲の人間の記憶を自由に抜き差しする能力と、記憶を体内に蓄積する能力を持つ。3000自身は「自分の記憶」と言えるものを持っておらず、そのために人間のより刺激的、印象的な記憶を収集することを目的としている。3000は標的とした人間のそういった記憶を抜き取り、欠落によるギャップを適当な記憶で埋めることで隠密に活動している。
Y-909は3000が人間を捕食することで生成できる液体であり、3000と同様の記憶改変能力を持っている。3000と直接繋がっており、3000の制御の下で記憶の抜き差しを行う。言わば3000の能力を中継する拡張デバイスのようなもの。
Y-909が記憶処理薬として優秀なのも3000の戦略であり、あえて利用させることで世界中から記憶を収集できる状態を生み出している。ある意味では3000が財団に寄生している状態に等しい。人間の記憶の中で特に刺激的、印象的な記憶とは多くの場合で異常存在に関する記憶、根本的には「恐怖」の記憶であるため、それを隠すために活動する財団は3000にとって絶好の餌場というわけである。(財団に発見される前も、恐らくは似たような目的を持つ個人や組織に同様に寄生していたと考えるべきだろう)
これらの性質を元に記憶処理の仕組みを簡単に例えると、3000本体が記憶処理の中枢部、Y-909がその中継器として機能していると言える。つまり記憶処理で失われた記憶は消滅せず、全て3000本体に蓄積していっていることになる。
財団が合成したY-919が正しく機能しないのは、3000本体を介していない人工物であるために3000の制御を受け付けないから。故に記憶を選択的に抜き取ることができず、曝露者の記憶を全消去してしまう結果に繋がっている。
財団の切り札の1つであるアンニュイ・プロトコルも3000の能力に依存したものとなっている。記憶処理剤ENUI-5の正体は揮発性を持たせたY-909であり、プロトコル実行時に大量散布することで地球上の大気に浸透させる。これによって3000の記憶操作能力が全世界に拡張し、結果として全人類の一斉記憶処理が可能となるのである。
財団は3000に依存し、3000は財団に寄生する。互いが互いを利用し合う関係を幾度の周回を超えて続けた結果、3000には収容違反やインシデント、異常ミームや情報災害、果てはK-クラスシナリオまで、財団がこれまでに隠蔽したあらゆる「恐怖の記憶」が蓄積されてきた。つまり3000は財団が経験し、そして封じ込めてきた全ての恐怖を内に秘めた存在であり、故にクラスⅧという無茶苦茶な認識災害を纏っているのである。
マナバ博士が残した「ウツボは万物の終焉ではなく、終焉がどのように見えるかを我々に示しているに過ぎない」という言葉は、文字通り3000が「終焉の記憶」すらもその身に宿していることを示唆している。
SCP-3000が最大の "ホラー" たり得た理由は、単なる恐ろしさを表す存在ではなく、恐怖を遠ざけるはずの財団自身が持っている恐怖、つまり「財団の恐怖」をこれ以上無いほど体現した存在だからと言えよう。
SCP-3801をThaumielたらしめている真の効果は「実話を虚構にしてしまう」というもの。
個人が使用した場合は単なる高性能の記憶処理にしかならないが、何らかの事象を知っている全ての人間が使用することで、その事象を現実から抹消し、虚構の物語として流布する異常性を発揮する。要は起こった事象をなかったことにするに等しい代物であり、Thaumiel全体で見てもかなり高性能かつ応用が利く部類と言える。(実際に1つのK-クラスシナリオを歴史から完全に抹消したことがある)
ただし当然ながら弱点もあり、抹消した事象の規模や性質によっては、流布された物語によって更なるミーム災害が引き起こされる場合がある。加えて流布された物語は歴史を遡って浸透する可能性があり、結果として事象の抹消時以上に大規模な歴史改変に繋がる可能性がある。(実験5で発生した事態がまさにそれ)
8900がExplainedに指定されているのは「もう取り返しがつかないほど拡がってしまったから」ではない。それは8900による影響がアンニュイ・プロトコルによって、一般大衆に異常と認識されない「正常性の一部」となったからであり、よって8900がEX指定されたのはプロトコルが実行された後である。
ミーム災害ではなく認識災害とされている理由は、曝露者の精神や常識、行動に直接作用しないから。
彼らの行動や精神状態の変化は幻覚によるストレスや行動爆発の結果であり、曝露者の精神を直接変化させたとはいいがたい。加えて曝露者は他者に情報を伝達する能力をほとんど失うため、人から人へ直接感染することもない。しかし曝露者は本人の意思に関係なく認識災害ベクターをばらまく上、最終的には情報そのものが媒体と化したために、危険度や感染性はミーム災害をはるかに超えるものとなってしまった。
Keterの中でも癒し枠のように扱われることが度々あるが、実際の脅威度は相応に高く無害系とは程遠い。
巨体による体当たりはプールならともかく、足のつかない海面などでは容易に溺れる原因になりうる。(食らい続けたD-100405の腕が痣だらけになったことからも威力は十分) 加えて攻撃された際の自爆は船舶を損傷させる程度には脅威であり、1004-JPの性質上衝突事故による被害も無視できるものではない。これらの性質に収容不可能な転移能力が組み合わされば、その危険性は十分と言える。
つまり「相手はどれだけの命を奪ってきたか分からないKeterオブジェクトです」という博士の発言は冗談でも何でもない事実である。
Thaumiel指定こそされてはいるものの、実際のところO5はD・I・G計画の有効性や1153-JPの機能をあまり信頼しているわけではない。彼らにとってもこれが根本的な解決にならず、長期的に維持することが到底不可能であることは承知している。つまりD・I・G計画の本質はより確実な終末回避プロトコルを実行するための言わば「時間稼ぎ」であり、あくまでK-クラスによる "最初の" 被害を日本国内に押しとどめる過程の手段に過ぎないのである。
1912-JPの正体を端的に言えば、遙か未来の時間軸にいる東幣重工が建造した大規模な歴史改変装置である。
彼らの目的は財団世界の歴史を自分達が望む形に書き換えることであり、そのためには日本の芸能の歴史 (特に1930年からの歴史) を根本的に修正する必要があった。1912-JPはそれを成し遂げるために未来から送り込まれた自動装置であり、歴史を制作者がいる未来に繋がるような形に改変する機能を持っている。
1912-JPは自身へ立ち入った人間に命令を入力し、1930年の時間軸に送り込むことで目的を遂行する。送り込まれた人間 (1912-JP-1) は命令に従い、自身の芸を磨く過程で芸能の歴史を改変していく。しかし死亡や記憶処理などで任務を続行できなくなるか、改変が望む形で為されなかったり不十分だった場合は何度でも活動をリセットし、再び1930年から改変を再試行させる。個人による改変が十分に行われたと判断された時点でその-1個体は役目を終えたと見なされ、異常性を喪失 (=死亡) する。なおこの「個人による十分な改変が行われたか」の最終判定が1912-JP内での芸の披露である。
その時点での-1個体の人数が歴史を修正するのに不足している場合、1912-JPは強硬手段 (恐らく因果律操作か現実改変) で人間を自身に引き込み-1個体を調達する。エージェント・大丸が-1個体になった際の事象がその一例である。
要は人間を1930年に送り込んで過去改変を行わせ、望む形の歴史が形成されるまで再試行を繰り返しているということ。このような複雑な手順を踏んだのは大規模な改変を成功させるために、より確実性を求めた結果である。
天岩戸をモチーフに作ったのは、単にその方が-1個体を従わせやすく、蒐集院などの管理組織にも邪魔されにくいと見込んだからである。(現に蒐集院は最後までこれが本物の神格による産物だと信じ、改変を手助けしていた)
一方で1912-JPの動作方法の関係上、財団世界ではかなりの長期間にかけて途方もない回数のCK-クラスシナリオが繰り返されたということであり、財団からすれば最大級の脅威だったことは想像に難くない。(実際は1912-JPによる改変が正常性を脅かすことはないのだが、東幣の目的など知らない立場で考えればいつ世界が滅びるか気が気でなかっただろう。現に1941-JPのような前例があったわけだし)
最終的にはエージェント・横山 (横山エンタツ) やエージェント・花菱 (花菱アチャコ) の活躍もあり、東幣重工の望む歴史の修正はほとんど完了し、既存の-1個体は全て無力化した。ではなぜ1912-JPが未だにKeterなのかというと、その機能が停止しておらず再び活性化する可能性が残っているから。報告書における財団の歴史が1912-JPを製作した「未来の東幣重工」の時間軸に到達していない以上、何らかの事象によって歴史にズレが生じれば、1912-JPは再び強硬手段で-1個体を生み出し、歴史改変を実行する可能性がある。しかも彼らのいる未来がどんな様相を呈しているのかがほとんど不明なため、何がきっかけで活性化するか全く予測できない。加えて一度活性化すれば-1個体による改変を妨害するのは不可能に等しく、再びおびただしい回数のCK-クラスが繰り返されうるとなっては、Keterのままなのは残当と言えよう。
CN-756がKeter指定されている理由を一言で表すなら「あらゆる点においてリスクの塊であるため」。
実のところ、隔離措置の前に財団が把握できたCN-756の性質は「ページが開かれた際の異常性」と破壊耐性くらいのものであり、研究もろくに進んでいない状態だった。つまり財団からしてみれば「ページが勝手に開く」を含めた他の異常性がないとはとても断言できない程データが不足している。本来なら脅威を正しく把握するためにも研究をしなければならないのだが、既に数が "京" にまで達してしまった現状ではリスクが高すぎてもはや不可能であり、つまるところ財団はこいつの異常性に対して何も対策がない状態にある。更に言えばページから何が出てくるかが一切予測できないため、CN-756の「未知の異常性」を財団が知った時には世界が滅亡している可能性すらある。しかもこれらのリスクはページを捲る度に何万倍にも膨れ上がるとあれば、こいつをEuclid、ましてやSafeと判断できるほどの根拠が何もないことは想像に難くない。
各Thaumielオブジェクトに関する個人的評価
ここから旧砂箱跡地
KAZUMIKKUSUのアイデアポケットへようこそ。
こちらのページではKAZUMIKKUSUの執筆しようとした様々なアイデアと報告書、及び財団Wikiのページソースから遊ぶためだけに引っ張り出してきた構文がいくつか保存されています。本人以外がアクセスする可能性は極めて低いと推測されるため、当ページはデータベース上のあらゆるユーザーによる編集が可能となっています。当ページでは元々
KAZUMIKKUSUによって考案されたSCPのアイデアが大量に保存されていましたが、気まぐれと挫折によりほとんどが削除されたため、現在は単にWiki構文を貼り付けておくだけのアーカイブと化していると考えられます。必要であれば、ページの更新履歴を辿ることで以前のアイデアを閲覧することが可能です。
記事を書くときの大事なルール
その一: 全体的な流れを考えてから書こう
思い付いたアイデアをちゃんと練らずに書き始めると、すぐに行き詰まって大変なことになる。
その二: 記事は短く簡潔に
文章のテンポを良くしようと追記すると、無駄に文章が増えてうんざりする。
その3: 頭を柔らかく
一つのアイデアに固執しすぎず、自分の書きたいものをいつも意識すること。
その4: 自分が読んでて面白くないものは他人も面白くない
人にアドバイスを聞く前に、完成した記事を1度自分で読み返すこと。自信がないなら書き直せ。
その5: つかみを見つけよう
読んでみて魅力を感じるところ、惹きつけられる部分を意識して考えること。
その6: 発想をこねて詳しく
短すぎる記事、単純すぎる異常性は大抵失敗する。
その7: 報告書は小説作品
冗長なのは当然ダメだが、展開が早すぎると読者がついて行けない。無機質な報告書が評価される訳ではない。
Chapter 1
財団日本支部から引っ張ってきたWiki構文のあれこれ

画像がでかくなる。

画像を左に寄せるやーつ
警告
これより先は、読んではいけない。
— サイト-8181管理官、昴一美博士
警告: HMCLおよびO5による承認が必要
警告
警告
████████████████████████████████████████████████████████████
赤色
白文字
Chapter 2
遊び場(直球)
警告
本タブは財団データベース内に存在する認識災害画像を保存したものです。適切な処置を受けずに閲覧した場合の影響は未知数であり、最悪の場合[削除済み]に至る可能性があります。報告書の機密防衛に使用する際は、事前にあらゆる対抗処置を施した上で本タブを閲覧してください。

[編集済]時の事件██/██/███前のSCP-616
アイテム番号: SCP-616
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-616はサイト[編集済]に保存されることになっています。SCP-616が離陸可能な状態であることを確かめるために、停泊中ならばクリアランスレベル2以上の整備職員は機内に入ることができ、また徹底的な飛行前点検を行わなければなりません。しかし、整備職員はSCP-616-1からは少なくとも3メートルは距離を取らなければなりません。飛行の日は、セキュリティクリアランス4以上の任命された敬虔なアブラハムの宗教の聖職者だけが機内に入ってもよく、また常にSCP-616-1の入り口から少なくとも0.94m(3フィート1インチ)離れていなければなりません。
一度でも活動を始めたならば、SCP-616-1はどんな犠牲を払ってでも閉まらないようにせねばなりません。これには毎月の有人飛行が必要です。SCP-616-1が閉まらないようにすることを失敗したなら、プロセス600-Shokiの開始が要求されるでしょう。
各飛行中は、命じられた敬虔なアブラハムの宗教の大主教17名によってSCP-616-1を囲まねばなりません。通常3時間から7時間かかる飛行中は、常にSCP-616-1に向けて祈りが捧げられなければなりません。可能な対象全員が祈りを捧げなければなりませんが、一度でもSCP-616-1が起動したならば、前もって確立した距離制限はもはや適用されません。それどころか、対象はSCP-616-1が閉まろうとするのを体を張って止めようとする事が推奨されますが、[データ削除済]という結果を引き起こさないように、入口の先に如何なる職員も落ちない様にすることに最大の注意が払われなければなりません。加えて、事業用航空機の操縦訓練をした財団エージェント1名が、予め定められた飛行経路にそってSCP-616を操縦し、SCP-616内の出来事の情報の無線連絡が維持されなければなりません。一たび飛行が始まったならば如何なる事があってもパイロットはSCP-616-1に近づいてはなりません。全ての職員は彼らが飛行前に要求するどんな宗教用器具でも持ち込むことが出来ます。恐らくはSCP-616の活動により殺され、死体が復活する、または[データ削除済]をさせないように、関係のない職員は如何なる理由があっても飛行中に同席してはなりません。
年に一度、ローマカトリック教会の教皇(あるいはそれに同格なアブラハム宗教の人物)が適切な宗教的儀式に従い飛行機を祝福せねばなりません。担当者2は財団に報告せねばならず、また前回から一年が経過するまでの遅くとも三日前に収容サイトに到着せねばなりません。さもなくば、ドアが開き、[データ削除済]が発生する結果となるかもしれません。万一どの担当者も儀式を欠席した時は、同等の階級の者が彼/彼女に変わって祝福を行わねばなりません。
加えて、██メガトン級の███核兵器2つを常時飛行機の中に配備せねばなりません。XK-クラス世界終焉シナリオが起こる、飛行中にドアが閉まって[データ削除済]、[データ削除済]、または夥しい数の敵対的存在の転移が起きる、といった場合でプロセス600-Shokiが実行できなければこれらの装置を爆発させなければなりません。
クリアランス4以上の職員は、[文章SCP-616 CP3]を参照してください。
説明: SCP-616は█████ █████████によって設計され、仕様に沿って1966/06/16に建造されたボーイング███-███プロトタイプです。その直後に運用されたボーイング737に表面的には似ていますが、SCP-616モデルは[データ削除済]を含む様々な内部の改変が施されています。様々な改変がなされていますが、SCP-616の最も重要な特徴は中央左の非常口で、SCP-616-1と指定されています。SCP-616-1は標準的な非常口ですが、一部に[編集済]を信奉する悪魔カルトと関連した大きなマークが彫られています。停泊中はSCP-616-1は大きな事件もなく開けることができ、予測される外部に至ることができます。しかしながら、ドアを開ける及び/または通り抜けるほとんど全ての職員が、酷い不安と持続的な何かに見つめられる感覚を報告したため、これをする事は推奨しません。
長期にわたるSCP-616の監視や露出は推奨されません。SCP-616が停泊中はどんな種類の電子装置を使用した監視でも十分ですが、とは言え[データ削除済]を含む、若干の視覚的な異常が記録されます。その為、不快な映像に対し高い耐久性を持つと知られている職員に監視任務を任せ、その上で三日以上連続して勤務させないようにすることを忠告します。整備、監視、オペレーション、操縦といったSCP-616に関係する全ての職員は、曝された後に毎回精神的検査を受けなければなりません。
SCP-616-1は30日に一度自動的に開き、そして閉まり始めます。この出来事をSCP-616-1の活動と見なします。SCP-616-1の閉まる速さはSCP-616の高度、速度、そして[データ削除済]に強く依存しています。SCP-616-1が開くのが高度およそ10,972m、速度およそ780㎞/hという飛行中であるように時間を調整しなければなりません。出来事が決まった時間に行われなければ破滅的な事になります。SCP-616-1が地上で停泊中に完全に閉まったならば、半径が未知の範囲内にいる全ての生態系に影響を与え、潜在的に何百もの[データ削除済]を引き起こし、人口集中地に多大なる脅威を与え、プロセス600-Shokiの即時使用が求められます。[データ削除済]の詳しい情報と終了に対する有効手段のために[文章SCP-616 DE2]を参照してください。
一たびSCP-616-1が自発的に開いたら、当然ながら機内の圧力は不安定になり、極度の'乱気流'に見舞われます。これらの現象も含め、SCP-616が常時比較的安定した飛行状況を保っていることが確かめられているにも関わらず、飛行中の様々な地点で、機内の全ての職員がまるでSCP-616が急速に落ちているかのような感覚を覚えます。SCP-616-1が開くことはその場にいるうちの特定の個人に致命的な心臓発作、または[データ削除]を引き起こすかもしれません。
SCP-616-1が活動状態に入った時にSCP-616内に喉頭に損傷のない死体が存在するなら、飛行が継続する限りは表面的に蘇生します。死体は大部分が静止したままであり、それ自体は物理的な脅威をもたらしませんが、スピーチすることができます。彼らのスピーチは潜在的な精神の危機をもたらすのみならず、[データ削除済]によりSCP-616-1の閉鎖を可能にするので、これらの喋る死体は可能な限り終了させなければなりません。これらの蘇生した死体が話す言語は未だ未確認のままです。
補遺616-01: 様々なデザイン上の失敗と共にSCP-616の試験飛行中に周囲で様々な異常な出来事が報告されたため、この航空機シリーズは運用されませんでした。全ての計画と青写真は財団によって押収されました。█████ █████████のデザインは完全に意図的なものであり、外部の強制なしになされたものだと現在は信じられています。復元された建造途中の文章の記述によると[データ削除済]。
補遺616-02: ████/█/█、遠隔操作探査車によってSCP-616-1内部の映像を得ました。この映像を直接見た全ての職員は2か月以内に様々な手段で自殺しました。映像の音声と色の全てを完全に含んでいるにも関わらず、ビデオの録画再生はいかなる死も引き起こしませんでした。それは臙脂色の部屋の中で激しく[データ削除済]されている小さな子供の映像です。"事象の地平線"を超えての更なる観察の試みは全て類似した結果に終わり、現在はそのような探査は許可されていません。
補遺616-03: SCP-616に関したインタビュー記録は文章インタビュー616-AMで閲覧可能です。
[文章SCP-616 CP3]
注意: クリアランスレベル4以上を要求
現在の収容手順ではSCP-616-1の閉鎖を防ぐのにアブラハムの宗教の信仰と祈りが必要とされているが、この要請は実際は虚偽のものである。[編集済]の様々なインタビュー、[編集済]、一度の試験飛行、そして[データ削除済]の後、SCP-616-1を閉じることが出来るという各個人の自身の能力への信頼こそがそれをなしうる究極的で決定的な構成要素である、ということが確定した。しかしながら、この事実を知る者は知らない者に比べSCP-616-1を封鎖する能力に劣るようだ。これがSCP-616-1の能力によるものか人間の心理に起因するのかは分かっていない。
この問題に関して、████████博士は信念を利用する潤沢かつ効果的な方法として宗教を提案した。現在の'悪魔のマーク'は財団によって実際に描き加えられた。アブラハムの宗教の指導者による祝福の要請、並びに敬虔なアブラハムの宗教の聖職者を行為それ自体に使用することは、士気を維持し、信念を補強する事に多大なる利点を与えている。以降の各飛行における減少した犠牲者と短くなった期間から、この方法は成功であると分かった。
警告: HMCLおよびO5による承認が必要
貴方がアクセスを試みているファイルはレベル5/2000クリアランスを持つ人員にのみアクセスが許可されています。このクリアランスは通常のレベル5セキュリティプロトコルに含まれません。
必要なクリアランス無しにこれ以上のアクセスを試みることは財団による雇用の終了、全ての教育上、医療上、退職後、あるいは死亡時の福利厚生を取り消す根拠となります。資格認証のため、貴方はこれをもって既知のミームエージェントに暴露される事に同意することとなり、貴方が画像に対する予防措置を受けていることを確認します。認証されていないアクセスの場合、即座に心停止が引き起こされるよう設定されています。財団のイントラネットに接続されていないいずれのコンピューターからこのファイルへアクセスを試みることも、クリアランスに関わらず即時終了をもたらすこととなります。

…
…
…
意識が確認されました。ファイルを取得します。
…
…
…お前たち人間は理解しない。そして私は決して理解することはないだろうと思う。
アイテム番号: SCP-2000
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-2000の入り口はイエローストーン国立公園内の放棄されたパークレンジャーステーションに偽装されています。民間人による幾度かの不法侵入の試みにも関わらず、施設の記録された歴史上入り口は破られておらず、更なる物理的封じ込めは不要であると思われます。SCP-2000に対し、プロトコル・プレーンサイト-201が実施されています。必要な物資と補充要員は無標識のロードビークルあるいは民間のヘリコプターによって輸送しても構いません。
レベル4/2000未満のクリアランスを持つ人員はSCP-2000およびその封じ込めと維持に関わるあらゆる手順に言及する書類へのアクセスが許可されません。レベル5/2000未満のクリアランスを持つ人員はSCP-2000のサブレベル3より下への侵入が許可されません。SCP-2000に割り当てられた全ての人員は神経学的アーキタイプスキャンを月毎に受けねばなりません。サイトに配置された人員は現地で保存するため週毎にスキャンを受けねばなりません。
現地に配置されたレベル4/2000以上の人員は割り当て期間中にイエローストーン国立公園を離れることが許可されません。(随意のあるいは強制的な)移動の際にはクラスA記憶処置が施され、他の高セキュリティあるいはKeter級SCPオブジェクトへの割り当てと整合する虚偽記憶が埋め込まれます。SCP-2000のHMCL監督官(現時点ではチャールズ・ギアーズ博士)とO5コマンドの裁量によって追加の人員がSCP-2000に割り当てられ、一時的にレベル4/2000クリアランスを与えられることがあります。
SCP-2000の外層は敵対的異常妨害の侵攻を妨げるため、20m毎に六角形型に並べられたスクラントン現実錨(SRA)によって囲まれています。各SRAの機能は年2回チェックされ、必要に応じて交換されねばなりません。SRAの構成部品を修理する技術職員は文書SRA-033の1.0.7版を参照しても構いません。施設全域に渡る定常タキオン流を維持可能な5つのシャンク/アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)(最大出力レートは各100Wです)が設置されており、月毎に整備されます。XACTSを整備する技術職員は文書XACTS-864の1.3.0版を参照しても構いません。
擬リーマン多様体がサブレベル4の入り口で起動されており、いついかなる時でも開かれたままでなければなりません。多様体の機能不全が発生した場合、直ちにプロトコル・デッドユークリッド-101が実行されねばなりません。その他非異常生命体の維持及び供給システムは財団の標準メンテナンスプロトコル、セクション101.5(ミッションクリティカルコンポーネント)に従って維持されます。SCP-2000の維持と補修のためには可能な限り非特異的な材料および資源が用いられます。
SCP-2000の存在あるいは機能を損わないいかなるKクラスシナリオの事案においても、手順CYA-009は可能な限り直ちに実行されます。残存する地球上の財団施設はシナリオの展開を監視し、残存する全てのサイトが文書2000XKAC-1.9に定められるSCP-2000からの問い合わせに「警戒解除」の応答を返すまでガニメデ・プロトコルに基づき可能な物的資源を保持します。「警戒解除」コードが受理されれば、手順ラザルス-01が実施されます。
管理官覚書: 私はこの文書が恒久的に記録されることを望むし、私は貴方が以下に述べることを貴方の知性に対する侮辱だと考えるかどうかはそれほど気にしていない。つまり、以下の事項はまさに重要なのだ。この装置は決してSCPオブジェクトやそれらの交差試験に対し油断をもってあたる、より大きなリスクを取る、あるいは何にせよ貴方が念頭に置いていることの弁明にはならない。一次封じ込めは未だに我々が生き残るための見込みとして最良のものである。そうでなければこれほど広範な隠蔽を行う理由はない。我々は宇宙がただ「ノー」と言うまで神の不信を幾度も先延ばしにできるだけなのだ。この数十年間我々が対処しなければならなかったことを考えるに、どうやら我々はそのような地点を既に通り過ぎてしまっていたようだ。
- 前任管理官 ウィリアム・フリッツ博士
説明: SCP-2000は元来過去███年以内のいずれかの時点で建造された財団の地下施設であり、その目的は人類の絶滅あるいは近絶滅を伴うKクラス世界終焉シナリオが避けられない事態となった際に文明を再構築することにあります。その発端から、SCP-2000は少なくとも二度起動されています。SCP-2000の建造及びその想定される最初の使用に先立つ歴史に言及する財団の記録は失われています。この情報の消失が偶発的なものか計画されたものかを特定することは不可能です。施設の基幹部位は地下75mから始まり、100mの深さまで広がっています。
機密を保持したままSCP-2000全体を再構築するために必要とされる技術の範囲は手に負えないものですが、SCP-2000の全てのサブシステムは実験室環境下での再作成に成功しています。その維持に係る設備と全ての手順は自然界にありふれたものです。(SCP-2000の機能に必要な財団の秘教技術に関わる情報は文書2000-SS-EXを参照のこと)施設の主電源は全出力1GWの液体フッ化トリウム反応炉(LTFR)であり、反応炉の寿命は最大容量で70年です。地熱発電機が地域の火山活動を活用するために併設されています。この発電機の電力供給によって施設は無期限の「待機」モードに入ることが可能です。SCP-2000は最大10,000人の人員を恒常的に生命維持可能な浄水施設、大気浄化及び再利用システム、水耕栽培棟および居住施設を含んでいます。
主要任務遂行のため、SCP-2000には500,000のブライト/ザーションヒト科複製機(BZHR)が組み込まれています。最大生産時にSCP-2000は一日あたり100,000の生存可能な非特異人間を生産可能です(ウォームアップ期間は5日です)。域内の種々の温泉および地下のマグマ流から原料を集めるためにリーマン輸送管を、また既知の全てのヒト対立遺伝子のデータを格納したコンピュータメモリバンクを用いることで、このシステムは任意の失われたヒト遺伝子を再創造する、あるいは人類の文明を再構築するのに必要な新奇遺伝子を生成する事が可能です。
研究者覚書: 維持試験と緊急の場合を除き、BZHRシステムの使用は現在のところ中止されている(CYA-009は未だ「続行中」である)。可能性のある敵性体の侵攻は未だ調査中であり、本データベースをデバッグすることは非常に困難であることが明らかとなっている。我々は未だ基準を大きく上回る先天的及び遺伝的欠陥の分布を観測している。現時点で、新標本の生存能力は約60-75%としか保証できない。補遺2000-1を参照のこと。
お前には彼らを戻すことは出来ない。
この工程によって生産される人類は5日間の孵化期間を延長することなく任意の年齢まで成長させることが可能です。構成上の特徴に加え、BZHRはクラスG幻覚剤の投与と発育上の催眠療法の併用による記憶埋め込み能力をも保持します。最低一名の生き延びた人間がSCP-2000を起動し手順ラザルス-01を開始できるように、レベル4/2000以上のクリアランスを保持する人員を含め、多数の財団人員の生育歴、神経学的アーキタイプスキャン、および遺伝子は保管されます。
ガニメデ・プロトコル実行後(財団によるKクラスシナリオの妨害が失敗したことを意味します)、SCP-2000のセキュリティシステムはロック解除され、任意の財団の職員による手順CYA-009への着手が可能になります。その20年後にSCP-2000が非活動状態のままであれば、セキュリティは更に緩和され、任意の非特異人的存在の設備へのアクセスと手順の着手が可能となります。一旦起動されれば、SCP-2000の内部監視システムは全てのレベル4/2000クリアランスを保持する人員の所在を特定し、その健康状態を評価しようと試みます。基幹人員が見つからなかった場合、ファイルから直近の神経学的アーキタイプスキャンを用いてその人員は複製され、他の全てのシステムの初期化に先立ち覚醒されます。
お前はそれを捕まえたか?
これらの人員が蘇生された後、セキュリティロックは通常機能を回復させます。利用可能な付随する選択肢の完全なリストを閲覧するため、レベル5/2000人員は文書2000-CYA-09にアクセス可能です。文書2000XKAC-1.9で定められる「警戒解除」コードの受理は他の全ての財団施設が稼働していない限り免除されることに注意してください。そうでない場合、手順CYA-009の元に蘇生されたセキュリティ及び機動部隊要員は全ての残存する財団施設にその機能と局所現実の完全性を確認するため派遣されます。
手順ラザルス-01は認証されたレベル5/2000財団職員が望ましい「復旧日時」をSCP-2000のBZHRコントロールユニットに入力することで開始されます。そして、利用可能なユニットはその次代における傑出した政治的および文化的指導者をファイルの記述的/遺伝的情報を利用して製造開始し、同様に選択された時代に整合する世界規模の一般大衆の複製も行います。SCP-2000の床面積の大半は建築資材、建築機具、工場機械、農機具、およびコンピュータのデータベースストレージの貯蔵専用になっています。インフラ上の配慮に加え、数千の著名な美術作品、音楽、文学作品、およびワールドワイドウェブの完全なバックアップのコピーからなる広範な文化基盤が他の収蔵施設が破壊されるような事象のためサイトに保存されます。
HMCL覚書: 本覚書は前繰り返し期間のラザルス-01の終了時における記録内で発見された。
研究者覚書:: 例えもう一度やる必要があったとしても、再開日時をイベントの20年以上前に設定してはならない。そうしないことによって、多くの破壊されなかった構築物を再活用できるだけでなく、連続性を回復することが非常に容易になる。 [削除済] 年は多すぎる。我々は職員に年代学的詳細を再建する必要なしに人口および農業上の要求に関する時間を節約できるよう懸命に努力をさせている。それに、我々は20-2█世紀のどれだけの部分を本当に上書きしたいのか?一体何度?一つの「世界大戦」でさえ注意を払っておくのには十分ではないのか?
- ヘンリエッタ・アイゼンハワー博士、歴史担当
私はSCP-2000の終身HCMLとしてこの要請に敬意を表する。現在議論中の公式書類はこの変更を取り入れて変更される。世界大戦は二つで十分だ。運任せを三度やる必要はない。
- チャールズ・ギアーズ博士、HMCL監督官
お前はすでに失敗している。
サイト外に居住する最初期の補充人類はSCP-2000の存在と彼らが産み出されることとなったその機能について知らされていなければなりません。この方策は新規に構築された人類に直接に再構築と再入植の努力を行わせることを推進し、また再構築に適切な技術は最初に構築される500万人の分布の増大のために前もって選択されています。世界人口が増大するにつれ、地理的な離散及び再構築は加速し、経済および農業インフラの回復を可能な限り早く可能とするでしょう。
一部の補充人類が初期修復期間を生存できないことはあり得ることですが、そのような個人は全ての主要な人口拠点と財団施設が完成するまで無期限に再生産可能です。この期間中の財団管理資産は、歴史の連続性の体裁を保つ必要性から年輪年代学的、天文学的、および放射測定学的日時の記録の改竄に集中されます。詳細は文書2000-RetCon 2.3.3版を参照してください。計画の完遂の前に自然生息地の顕著な割合さえもが破壊される事象の場合、認可された急速再生長法に関する文書2000-OneTear 3.0版を参照してください。
世界人口、製造能力、農業生産、および文化は手順の開始後25から50年で西暦2000年の水準まで復元可能であると推定されています。手順ラザルス-01終了時に、記憶処理剤ENUI-5が大量に散布され、再構築人類に財団の資産に対する彼らの協力関係を忘却させます。その後歴史は指定された日時から再開されます。各手順は人類の社会学的相互作用の非常な複雑さにより、必然的に人類の事件の成り行きを変えることとなります。以前の手順ラザルス-01の完遂の観測に基づいた予測性のある社会学的モデルの研究が実行中です。
HMCL覚書: 現時点をもって行動上あるいは文化上の修正に対するこれ以上の提言は受け入れられない。人間性の暴力的、社会病質的傾向を改善する試行はすでに行われ、成功したと判断されている。第二繰り返し期間の被験者を用いた実験から、これ以上の修正は技術的および社会的発展が顕著に抑制されるほどに不屈さが蝕まれるであろうことが示唆されている。さらなる情報は実験記録███-█を参照のこと。
- チャールズ・ギアーズ博士、HMCL監督官
文書2000-SS-EX: 以下の情報によって特にSCP-2000プロジェクトのために開発された技術の基本操作上のパラメータが確立しました。この技術は異常に思われるかもしれませんが、全て有効な封じ込めのために財団が現在用いている検証可能な科学的原理に基づくものです。
スクラントン現実錨(SRA)の開発はSCP-2000の初起動に先行するようで、ロバート・スクラントン博士によって1889年に成されました。SRAの本体および回路の大部分は耐腐食性の銅ベリリウム合金製です。[データ削除済]から回収された、常人の現実歪曲ポテンシャルを増強することによって現実の正常性を増幅するアーティファクトから着想を得ています。SRAの構築のために必要な銅ベリリウム合金を生産するコストのため、本デバイスの財団全体にわたる導入は効果範囲が2立方メートル以下のものに限られています[1]。
やめろ。
研究者覚書: SRAが機能する機構とその発想の源は私が明らかであってほしいと望む理由によって全ての現実歪曲存在から秘匿されねばならない。認証されたレベル6/2000保守技術職員だけがこの文書にアクセス可能となっている。どのSCP-2000担当スタッフが貴方に自分はレベル6/2000保守技術職員であることを明かしたとしても、O5コマンドに彼らが再割当てされ、記憶処置両方を直ちに受けられるよう報告すること。これは処罰ではなく、正当な保安上の懸念事項である。もしこれらの装置が傷付けられることがあったならば、我々の泥船もそうなるのだ。
シャンク/アナスタサコス恒常時間溝(XACTS)は効果場の及ぶ範囲に渡る因果流を安定化させるための装置です。XACTSはタキオン場放射装置と結合したラジオ波領域の高出力電磁放射 [2] によって透過性のある事象境界を創りだし、有機的および電子的システムには影響を与えないままに定常因果環境を維持します。換言すれば、少なくとも一つのXACTSが稼働中である限り通常であればSCP-2000が構築されることを妨げるような時間異常は効果をもたらしません。財団内でXACTSデバイスの利用を普及させる計画はありません。
研究者覚書: 時間溝は種々の物事に有用であり得る。SCPオブジェクトを封じ込めるために一秒から過去300,000年間を必要とするというのは良い例だ。時間修復作業中に参照定点を保持することで、有意義に進行状況を記録し、深刻な失敗を再試行することができる。しかし、自然の因果関係は柔軟であるために人類の精神は有意義にそれに対処できるようになっておらず、ほんの僅かな孤立した定常因果律以上のものを生成することは時間の完全無欠さを守るよりもむしろ傷付けてしまう。XACTSを財団内で普及させることはない。もちろん、前回の繰り返し期間我々はそうしようとした。しかし、試行の結果に関する問い合わせは受け付けられない。
やめろ。
擬リーマン多様体の使用によってSCP-2000の間取りは地中まで拡張され、延べ10km2の床面積が得られました。前回のSCP-2000の起動以前のシステムの構築に関する書類の原本は失われています。この現象は空間異常の兆候だとみなされてきましたが、ロバート・ボイド、トリスタン・ベイリー両博士によって多様体の入り口と現代物理学の先進的な実装の整合が結論されました[3]。この「負」の空間は多様体の望ましい入り口にわたって集中して放射される█████粒子による非重力的な特異点により維持されています。特異点の機能不全に際して設備は無傷なまま残り、構造崩壊を被ることはありません。機能不全の直後にプロトコル・デッドユークリッド-101が実行されたならば、多様体の再創造に要する時間は10時間未満であると見積もられています。SCP-2000の隔離された部分は多様体の不全後36時間まで操作および居住可能であり、無期限に復旧可能です。
補遺2000-1: ██/██/████.2のSCP-████収容違反中、SCP-2000はサイトにおけるBZHRユニットの起動と同時に複数のSRAおよびXACTSコンポーネントの機能不全に見舞われました。この事案から25日の間、BZHRユニットは内部の生物学的構造が現人類とは異なる人間的存在を1000万体以上生産しました。相違点には追加された心室、完全な多指の手足、頭蓋内体積と頭蓋高の増大、および2.4-3.6GHz帯域のラジオ波を放射および受信する不明な目的のための腹腔内臓器の存在が含まれます。これらの人間型存在は再生中にクラスG幻覚剤の投与を受けておらず、発育上の催眠療法も受けていません。これら全ては五週間後に死亡するまで無意識状態にあるままでした。これらの存在のSCP-2000-1への分類は現在再検討中です。
現時点でこの事象がSCP-████とSCP-2000の越時間相互作用、サボタージュ、情報流出、あるいは非特異備品の機能不全のいずれによる直接の結果であるのかは不明です。診断プログラムによるチェックと構造的修復が スケジュール通りに許容可能なリスクを織り込んで進行中です。SCP-2000の通常機能は2008 2013 2020年1月までに復旧することが期待されます。
ただやめておけ。
補遺2000-2: ██/██/████.2にセクター3382においてSRAユニットを修復中、技術職員[データ削除済]は高度に腐敗が進んだ人の遺骸を発見したことを報告しました。衣類の断片の解析から、遺骸は死後450-700年経過していることが明らかとなりました。アルト・クレフ博士の有効な財団のセキュリティ資格が傍で発見されましたが、遺伝情報の一致は得られませんでした。以下のノートが密封されたプラスチック製ドキュメントスリーブから回収されました。
我々はなぜこれを造らねばならなかったのか?
いつやったのか?
どれほど続けているのか?
そもそも我々は知っているのか?!
その後の尋問でクレフ博士がこの事象に関する知識を持たず、このメッセージの目的を知らないことが確認されました。
お前は普通じゃない。"これ"が普通だ。
Chapter 3
残ってる下書き一覧

一般住居内に出現したSCP-XXX-JP-3
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの活動を抑制するため、機動部隊い-5("口封じ")が対処に割り当てられています。全ての個体は最後の消失からの経過日数を記録し、次回の出現地点の予測と該当地域の継続的な監視を行ってください。発見されたSCP-XXX-JPは両面から遮光カバーを取り付けることで無力化してください。公共施設などの人口密集地帯に出現した際はより強行的な手段による無力化が許可されます。
収容外においてSCP-XXX-JPの活性化が発生した場合は目撃者にAクラス記憶処理を施し、必要に応じてカバーストーリーの流布を行ってください。活性化によって消失した人物は全て失踪者として処理します。
財団施設内にSCP-XXX-JPが出現した場合は標準的な隔離措置を実施します。実験にはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員の許可が必要です。SCP-XXX-JPの移動を阻止する手段は未だ確立されていないため、現時点では長期的な研究、実験は計画されていません。
説明: SCP-XXX-JPはガラス製の窓と一致した外見を持つ実体です。現在までに2█体が発見、記録されていますが、未発見の個体が存在する可能性があるため正確な総数は不明です。各個体は異なる形状や材質を持ち、異常性以外に明確な共通点は確認されていません。
SCP-XXX-JPは主に市街地などに存在する建造物において、その壁面に設置されている窓が変化する形で出現します。出現の瞬間を撮影、記録する試みは成功していません。出現する場所は路地裏などの外部から目立ちにくい場所が大半を占めますが、逆に衆目を集めるような場所に積極的に出現する個体も確認されています3。SCP-XXX-JPの材質や構造に直接の異常は見られず、通常の手段では非異常の窓と区別することはできません。しかし出現中のSCP-XXX-JPの周囲では微少なヒューム値の上昇(+0.3~0.5Hm)が観測されるため、カント計数機を用いることで判別が可能です。
SCP-XXX-JPは閉鎖されている間、不定期に自身の窓ガラス部分に映像を生成します。(以降この事象を "投影" と記述する)生成される映像は概ねその窓から観測できる通常時の景色を模倣していますが、景色内に本来存在しないはずの物体や動物、現象などの要素が新しく追加されています。追加される要素に対応する音や窓ガラスの震動なども観測されますが、映像内でどのような事象が発生していた場合でも、SCP-XXX-JPがそれによって損傷を負うことはありません。映像は常に片側からのみ観測が可能であり、"投影"中のSCP-XXX-JPの裏側は光を完全に反射します。"投影"の発生時間4が経過するか、SCP-XXX-JPが裏側から開放されることで事象は終了し、SCP-XXX-JPは通常時の状態に戻ります。
SCP-XXX-JPは"投影"中の窓枠を表側から開放することで活性化します。生成された開口部は本来繋がるはずの反対側ではなく、一切の光が存在しない未知の空間に接続されます。接続と同時に、SCP-XXX-JPの周囲3mに存在する固定されていないあらゆる物体は、不明な力によって空間内部へ吸引されます。範囲内の全ての物体が吸引された後にSCP-XXX-JPは自動的に閉まり、空間との接続は消滅します。現在まで、この事象によって消失したあらゆる物体はその後発見されていません。
SCP-XXX-JPは窓ガラスや窓枠の破壊、壁面からの撤去、活性化の長期的な妨害5などの手段で無力化が可能です。無力化されたSCP-XXX-JPは瞬時に消滅し、変化前の本来の窓が再配置されます。消滅後のSCP-XXX-JPの活動の詳細は不明ですが、再出現地点と消滅地点の距離は、消滅後の経過日数と等比例関係にあると確認されています。
レベル4/XXX-JPが必要です。ユーザー認証情報を入力して下さい
> tiwasaki s8123 foundation-jp
> ●●●●●●●●●●●●
………認証が完了しました
ファイル: SCP-XXX-JP にアクセスします

SCP-XXX-JP
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、それぞれ異なる種類の認証システムによって三重に保護された、標準的な収容ロッカーに保管します。SCP-XXX-JPに関する実験は禁止されています。20██年█月現在、O5評議会の過半数の賛成の下、無力化試験の実施のみが許可されています。
除外サイト-01を含む██の次元隔離サイトが、SCP-XXX-JPの異常性の観測に利用されています。SCP-XXX-JPの動作はハイスピードカメラによって常時監視し、各サイトに設置された原子時計との比較を行います。数値に±5.0s以上の大きな変動が見られた場合は、即座に担当職員へ通達し、変動値の測定と記録を行って下さい。
更新 - 20██/█/██: 平行宇宙間協定-3201の締結に伴い、大規模観測用ネットワーク "abyss" が確立されました。SCP-XXX-JPはクラスⅣ超次元的脅威存在に指定されており、各宇宙の財団間における情報の統合作業が進行中です。これらの任務の詳細はレベル5/XXX-JP保持者、O5評議会、財団支部理事会にのみ開示されます。
説明: SCP-XXX-JPは製造元不明の懐中時計です。外見は既存のあらゆる製品とも一致しません。SCP-XXX-JPは見たところ機械式であると思われますが、200█年の初期回収以来、██年に渡って一切の汚損、劣化の兆候を示すことなく稼働し続けています。
SCP-XXX-JPは超現実性保有実体であり、その存在及び性質は周囲の現実と強く結びついていると考えられています6。SCP-XXX-JPの各針の動作は、我々の宇宙における時間の経過と完全に連動しています。外部からの干渉によって針を操作する試みは全て失敗しました。
SCP-XXX-JPは、200█/█/█に発生した地球規模での現実波動現象7に関する調査の際に発見、回収されました。当初この事象は無害かつ偶発的なものと見なされており、SCP-XXX-JPも研究価値が低い物品としてAnomalousアイテムに指定されていました。しかし事象発生後の数ヶ月間に渡り、時空間に関連する指定済みアノマリーの原因不明の不安定化、無力化が多数報告されたことで当事象の再調査が実施され、SCP-XXX-JPの異常性の発見と再分類に繋がりました。
当事象とSCP-XXX-JPの起源を直接関連付ける証拠は現在も見つかっていません。
アイテム番号:
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
説明:
アイテム番号:
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル:
説明:
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"…サンドボック―いや、砂箱と呼んでくださいと仰っていましたね。砂箱さん。以前の投稿はとても悲惨なものだったのでこうしているのでしたね、思い出しました。"
"その通り、私は砂箱です、あなたの友人の。最初の投稿が失敗に終わった時、私はあなたの意欲がその記事をどのようにして構築したかより深く観察しなければなりませんでした。報告書のテンプレートを教えるという以前の試みが何故上手くいかなかったのか、今やかなり明らかになりました。あなたは投稿に必死になりすぎてしまったのです、暴走したのですね。思うに、メンバーはあなたの行為を―"
"「神風」。" ███████████は泣き始める。 "砂箱さん、ごめんなさい。ここにはたくさんの墓があるんです、とても多くの…私が仕舞い込んだアイデアが、あるんです。私が実現できなかったために。出来るかどうか分かりません。とても難しいんです。"
"大丈夫ですよ、███████████。私達はちょっとずつですが、そこに近づいています。あなたと私、一緒にです。もはや一人でこれら全てに立ち向かう必要はないんです。既にどれだけあなたが執筆する術を学んだかを、どれだけ長い間活動してきたかを確かめて下さい。私達の始めた時のことを、私に記した事を覚えていてください。私はメモ帳としてあなたの下書きを保存することが出来るだけですが、あなたなら―"
"アイデアを書き出すことを、他のメンバーに頼ることを学びました。分かってます。あなたと共に、砂箱さん。そろそろ―そろそろ編集を終わらせましょうか?"
"もちろんです。どうやら時間は尽きたようです、いずれにせよ。また会いましょう、KAZUMIKKUSU。必要ならば、私を使えることを覚えていてください。"
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さようなら、KAZUMIKKUSU。