実験記録002 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
SCP-XXX-JP-A: D-39458。実験の6年前にDクラス職員に採用。
SCP-XXX-JP-B: D-39458の母親。D-39458が7歳のときに失踪。以後SCP-XXX-JP-B-002と呼称。
おみくじの吉凶: 大凶
「失せ人」の文章: 障りあり来たらず
結果: 実験から1年経過したが、何も起こらなかった。その後の財団の追跡調査により、SCP-XXX-JP-B-002は実験の10年前に死亡していたことが判明した。
分析: 活性化した時点で既にSCP-XXX-JP-Bが死亡している場合、SCP-XXX-JPはおみくじの文面を変更する以外の異常現象を起こさないと推測される。後に続く実験結果でもこの推測は裏付けられた。
実験記録004 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
SCP-XXX-JP-A: D-39467。実験の5年前にDクラス職員に採用。
SCP-XXX-JP-B: D-39467の姉。D-39467が14歳のときに家出。以後SCP-XXX-JP-B-004と呼称。
おみくじの吉凶: 中吉
「失せ人」の文章: 来たる
結果: 実験から2週間後、サイト-8107の守衛所にD-39467の姉を名乗る女性が現れ、「██に会わせて欲しい」と主張。その女性への聞き取りと財団の調査により、女性が間違いなくSCP-XXX-JP-B-004であること、家出後に東京で就職し、結婚して家庭を持っていたことが確認された。SCP-XXX-JP-B-004がサイト-8107の場所をどうやって知ったのかは不明だが、当人は「自分にも不思議だけど、ここに来れば██に会えると急に思いついた。前々から██にだけは謝りたいと思っていた。だから会社の休みを調整してここに来た」と主張した。また、D-39467の現状については何も知らないことが明らかになった。担当者の判断によりSCP-XXX-JP-B-004とD-39467に2時間の面会を許可。その後SCP-XXX-JP-B-004にAクラス記憶処理を施し、自宅前で解放した。
分析: SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Bの「SCP-XXX-JP-Aに会いたい」という感情を増大させるとともに、何らかの方法でSCP-XXX-JP-B に対してSCP-XXX-JP-Aの所在地を伝えていると推測される。また解放後のSCP-XXX-JP-B-004の経過を監視した結果、この感情と知識はAクラス記憶処理で消去可能であることが判明した。
補足: SCP-XXX-JPへの実験は財団施設の場所を外部に漏らす危険性があるため、以後の実験はすべて財団のフロント企業の建物内で実施すると決定された。
実験記録006 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
SCP-XXX-JP-A: D-39494。実験の1年前にDクラス職員に採用。
SCP-XXX-JP-B: D-39494の祖父。老人ホームに入居していたが、実験の1年前に行方不明になった。以後SCP-XXX-JP-B-006と呼称。
おみくじの吉凶: 末吉
「失せ人」の文章: 来ないが便りあり
結果: 実験から4日後、D-39494を一時勾留している財団のフロント企業に██市の福祉事務所より封筒が届いた。中の手紙には「出所したら、またじいちゃんと遊ぼう。それまで待ってるから」という文章と、SCP-XXX-JP-B-006の本名が記されていた。██市の福祉事務所に連絡を入れたところ、9ヶ月前から保護している身元不明人の依頼によるものとの返答があったため、財団のエージェントが直接出向いて調査。結果、手紙を送るよう依頼した身元不明人はSCP-XXX-JP-B-006だったことが判明。SCP-XXX-JP-B-006は福祉事務所に保護された時点で痴呆症に陥っており、1人で歩くのも困難な状態だったが、SCP-XXX-JP実験を実施した該当日に15分ほど意識を覚醒させ、福祉事務所に手紙の作成を依頼したという。この事態を受けた財団は対応を協議し、SCP-XXX-JP-B-006の家族に匿名で連絡を入れ、SCP-XXX-JP-B-006の現所在地を通知することを決定した。
分析: SCP-XXX-JP-B が自力で移動することが困難な状況だった場合、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-Bにメッセージを送るよう仕向けるのだと推測される。
実験記録009 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
SCP-XXX-JP-A: D-39435。実験の8年前にDクラス職員に採用。
SCP-XXX-JP-B: D-39435の友人。12年前にD-39435とともに強盗殺人事件を起こし、実験開始時点まで逃亡を続けていた。以後SCP-XXX-JP-B-009と呼称。
おみくじの吉凶: 凶
「失せ人」の文章: 来るが遅し
結果: 実験から11ヶ月後、D-39435を一時勾留している財団のフロント企業の受付に、D-39435の知人を名乗る男性が訪れた。男は名前を名乗らないままD-39435と会わせるよう要求を続けたが、担当者の判断でその場で男を拘束し尋問を行った。結果、男はSCP-XXX-JP-B-009であり、長年南米に潜伏していたこと、唯一の友人であったD-39435と前々からもう一度話をしたいと思っていたこと、11ヶ月前に決心を固め、周囲に借金を重ねて偽造旅券や航空券を購入し来日したことが判明した。財団はSCP-XXX-JP-B-009にAクラス記憶処理を施した後、警察庁に引き渡した。
分析: SCP-XXX-JPによる感情強化は予想以上に強力なものであることが確認された。要注意団体の幹部や長期逃亡中のDクラス職員への利用も検討される。
実験記録011 - 日付20██/██/██
対象: SCP-XXX-JP
SCP-XXX-JP-A: エージェント・██。SCP-213-JPが起こした行方不明事件に巻き込まれた人間の1人。実験の2年前にD-0442によってSCP-213-JP-1から救い出された後、志願して財団のエージェントとなった。
SCP-XXX-JP-B: エージェント・██の妹。エージェント・██とともにSCP-213-JPの行方不明事件に巻き込まれた。エージェント・██とは別の監房に囚われたとみられ、実験開始時点では消息不明のままだった。以後SCP-XXX-JP-B-011と呼称。
付記: この実験は、妹の生死の確認を望むエージェント・██、およびSCP-213-JPの研究担当主任の承認のもと実施された。
おみくじの吉凶: 凶後大吉
「失せ人」の文章: 来たる
結果: 実験の1週間後、SCP-213-JPの後部トランク内にSCP-XXX-JP-B-011が出現した。彼女は見知らぬ男 によって監房の箱の中に押し込められ、気がついたらそこにいたと主張。またその際男が「看守の配置が急に変わって、あと少しでとっ捕まるところだったぜ。実にヤバかった。だが配置が変わったおかげで楽にこの監房に忍び込めたよ。アンタは幸運だったな」と話したと主張した。SCP-XXX-JP-B-011の処遇については財団内で検討中である。
分析: SCP-XXX-JPは異次元に対しても影響力があること、SCP-XXX-JP-Bとは無関係の存在に対しても何らかの影響を与える可能性があることが判明した。
補足: D-0442の活動を阻害する可能性が高いことから、今後はSCP-213-JPの事案に対してSCP-XXX-JPを使用しないことが決定された。