下書きを纏めたページです。
アイデアが浮かんだり気が向いた時にちびちび書き足し、改稿する予定です。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: ██████ ██駅前店は常に監視カメラによって遠隔監視され、更に営業時間内には機動部隊ぬ-3("ペッパーガン")の人員を最低1名配置して新たなSCP-XXX-JP個体の発生に備える必要があります。SCP-XXX-JP個体の発生が確認された場合は速やかに監視要員を含めた機動部隊ぬ-3が派遣され、SCP-XXX-JP個体の確保及び目撃者への対処を行います。
確保された個体は一旦生物サイト-8102に収容され、担当職員による検査によって現在収容されている個体と比較して特筆すべき点が発見されず、なおかつSCP-XXX-JP個体を消費しなければならない実験の予定が立てられていない場合、焼却処分されます。
SCP-XXX-JP-1~5は生物サイト-8102で1体ごとに標準的な小型生物収容セルを用いて収容され、1日に2回、各個体に適した量の餌が給餌されます。収容セル内は3日に一度の清掃が義務付けられています。
補遺: 実験XXX-JP-62の内容を受けて、複数の個体を用いた実験が行われる場合を除いて、複数体のSCP-XXX-JPを互いに接触可能な形式で収容することは禁止されました。
説明: SCP-XXX-JPは東京都██区に存在するハンバーガーチェーン「██████」██店で発生する、異常性を持ったハンバーガーの総称です。異常性を保有している点を除けば、SCP-XXX-JPの外見は同チェーンで提供される通常のハンバーガーと変わりありません。
現時点でSCP-XXX-JPの起源、発生条件は判明していません1。目撃者へのインタビューや監視カメラの映像などからSCP-XXX-JPはハンバーガーが前触れ無く変化することで発生するものと推測されていますが、ハンバーガーがSCP-XXX-JPに変化する瞬間を直接観測する試みは現在成功していません。現在確認されている発生場所 ██████ ██店はに限られますが、それ以外の共通点や異常は確認されていません。
SCP-XXX-JPの異常性は、自律して行動を行う点にあります。SCP-XXX-JPはバンズを未知の原理によって収縮させることで這うように移動することができ、瞬間的な収縮運動により跳躍することも可能です。SCP-XXX-JP個体を構成する具材はバンズの端に固定されており、具材が脱落するのを防いでいます。現在に至るまで全ての個体に腐敗や劣化の兆候、および汚れの付着などが確認されていないことから、SCP-XXX-JPは何らかの手段を用いて自身の状態を食品として最適に保っていると推測されています。
SCP-XXX-JPは、感覚器官が存在しないにも関わらず外部の情報を知覚することが可能であり、現時点では視覚、触覚、聴覚、味覚に相当する感覚を保有する事が確認されています。実験の結果から動物、特に自身を捕食しようとするものに対して、逃走を図る、あるいは体当たりなどの手段で抵抗する傾向にあることが確認されており、知覚した情報から対象を分析することも可能であると考えられます。
SCP-XXX-JPは、固定された部分を基部としてバンズと具材の開閉運動を行い、間に食物を挟み込むことで摂食を行います。この際、挟み込まれた食物はバンズの形に沿って瞬時に消失し2、SCP-XXX-JPは外見はそのままに消失した食物と同じ分だけ質量を増加させます。また、誤って食物以外の物品を摂食した場合はバンズの間から吐き出すことも確認されており、摂食された物質はSCP-XXX-JP内の未知の空間に一時的に貯蔵されているものと推測されています。摂食によって増えた質量は時間の経過や激しい運動などによって減少することが判明しており、SCP-XXX-JP内で消化が行われているものと推測されています3。
外力によって体積が損なわれた場合、およそ40%までの損失であれば、SCP-XXX-JPは自身の体をゆっくりと再生させます。その際、質量は損なわれた分の質量と同じだけ消失します。損失が50%を超えるか、比重が元になったハンバーガーの比重の80%を下回ると、SCP-XXX-JPは異常性を喪失し、非異常性のハンバーガーへと戻ります。この変化は不可逆のものです。
現在、財団は5体のSCP-XXX-JP個体を収容しています(以下SCP-XXX-JP-1~5と呼称)。以下のリストはその一覧です。
番号 | 発見日時 | 品名 | 備考 |
---|---|---|---|
SCP-XXX-JP-1 | 20██年4月27日 | チーズバーガー | 財団が最初に確保した個体。非常に活発であり、頻繁に収容セル内を走り回る姿が確認されている。ハンバーガーのサイドメニュー、特にフライドポテトを好む。 |
SCP-XXX-JP-2 | 20██年4月30日 | ███フィッシュ | SCP-XXX-JP-1収容の3日後に発生を確認。普段は収容セルの隅でじっとしており、他の個体に比べ一度の摂食量が少ない。魚介類を好む。 |
SCP-XXX-JP-3 | 20██年6月7日 | ベーコンレタスバーガー | 発生時にパニックを起こした客が将棋倒しになる事故が起き、1█人が負傷している。気性が荒く、収容セルの壁や給餌を行う職員に対し頻繁に体当たりを行う。菜食傾向が強い。 |
SCP-XXX-JP-4 | 20██年11月16日 | ビッグ███ | 運動量は少ないが、他の個体に比べ摂食量は格段に多い。肉食傾向が強い。 |
SCP-XXX-JP-5 | 20██年12月5日 | ハンバーガー | 活発な傾向にあるが、SCP-XXX-JP-1に比べると大人しく、摂食量もやや少ない。ハンバーガーのサイドメニュー、特にサラダを好む。 |
SCP-XXX-JPは、特に食事の嗜好において大きな個体差を示していますが、これは具材の種類と大まかな相関関係が見られます。ただしSCP-XXX-JPはヒトが摂食可能な食物であれば問題なく摂食できる事が確認されているため、給餌の際に餌を個体の嗜好に合わせる必要性はありません。
以下はSCP-XXX-JPに関する実験記録です(抜粋。完全な記録は"文書XXX-JP-ろ"を参照)。
実験記録XXX-JP-01 - 日付20██/04/28
対象: SCP-XXX-JP(後にSCP-XXX-JP-1に指定)
実施方法: SCP-XXX-JPを計量した上でケージに移し、ケージ内に100gのフライドポテトを乗せた皿を設置。ハイスピードカメラを用いて摂食過程を記録し、再度計量を行う。なお、この実験はSCP-XXX-JPが発見時に同じトレイに盛られたフライドポテトを摂食していた事から、その詳細な検証の一環として実施された。
結果: SCP-XXX-JPは皿ごとフライドポテトを挟み込んで摂食を試みた。結果、フライドポテトだけが消失し、皿は無傷であった。カメラには、挟み込まれた1フレーム後にはフライドポテトが消失している様子が録画されていた。重量はケージに移す前後で100g増加していた。
分析: SCP-XXX-JPが具材の間に食物を挟み込むことで摂食を行う事が確認された。また、皿には異常が見られなかった事から、SCP-XXX-JPが摂食するものとしないもの、あるいはできるものとできないものには何らかの基準があると思われる。
実験記録XXX-JP-05 - 日付20██/05/06
対象: SCP-XXX-JP-1
実施方法: SCP-XXX-JP-1の収容セルに様々な物品を持ち込み、反応を観察する。その内、一部の食品には、摂食された物品の経路を追跡する目的で小型のGPS発信機を混入した。なお、この実験は実験記録XXX-JP-01の追加実験として企画された。物品のリストは別紙"文書XXX-JP-05"を参照。
結果: SCP-XXX-JP-1は、持ち込んだ物品の内、一般的な食品、およびドッグフード、キャットフードなどは問題なく摂食した。容器に盛られた状態の食品は実験XXX-JP-01と同様の方法で食品のみを摂食した。包装されたクッキーは包装ごと摂食したが、消失した3秒後に再出現し、吐き出された。また、ロウで作られた食品サンプルも同様に摂食後に吐き出す行為が見られた。吐き出された物品に損傷や異常は見られなかった。一方鉛筆や電池など、食品でないものには反応せず、摂食行動も見られなかった。食品に混入されたGPS発信機は変わらずSCP-XXX-JP-1の所在地と同じ座標を示し、摂食から38分後に吐き出された。
分析: SCP-XXX-JPが摂食するのは食品のみである事が確認された。また、食品サンプルを食品と誤認した事からは視覚に、摂食した後に吐き出していることからは味覚に相当する感覚をそれぞれ保有している事が推測される。吐き出された物品に損傷が見られなかった事とGPSの座標が移動しなかった事を考慮すると、SCP-XXX-JPは摂食した物品を体内に貯蔵できるものと見られるが、これまでの解析でSCP-XXX-JPにそのような器官や空間は確認されていない。
実験記録XXX-JP-17 - 日付20██/07/09
対象: SCP-XXX-JP(品名:てりやき███バーガー。以下指定が無い限りナンバリングされた個体以外のSCP-XXX-JP個体とする)、D-7632
実施方法: D-7632にSCP-XXX-JPを食べるよう指示し、経過を観察する。 実験後、D-7632には2ヶ月の間、週2回の定期検査を行い、摂食による心身への異常の有無を確認する。
結果: SCP-XXX-JPは逃走を図ったが、14分間逃走した末にD-7632に押さえつけられ、そのまま食べられた。食べられている間、SCP-XXX-JPはゆっくりと自己再生しつつ抵抗したが、半分ほど食べられた時点で動きを止め、再生しなくなった。実験後、D-7632はインタビューに対して「(SCP-XXX-JPが)動いていた間も、口の中に入った分は動かなかった」「味は普通の照り焼きバーガーと変わらない」と回答し、その後に行われた定期検査でも異常は見られなかった。
分析: 体積が半分になったところで停止したことから、SCP-XXX-JPが活動を維持できる体積には限度があると思われる。また、D-7632のインタビューや検査の内容からは、SCP-XXX-JPの成分自体は非異常性のハンバーガーと変わらない可能性が高いことが改めて確認された。
実験記録XXX-JP-42 - 日付20██/07/19
対象: SCP-XXX-JP(品名:チキン███)
実施方法: 給餌時間に給餌を行わないまま収容セル内に放置し、経過を観察する。収容セルの床は体重計が設置され、重量の変化は自動で記録される。
結果: 最初は給餌を待ってセル内を徘徊していたが、通常の給餌時間から3時間が経過すると動きが鈍り始めた。その後も時間の経過と共に動きは鈍化していき、19時間後には完全に停止し、異常性を喪失した事が確認された。また、実験開始時の重量は通常のチキン███のおよそ1,8倍の347gであったが、時間経過とともに緩やかに減少し、18時間後には通常のチキン███の重量である165gを下回り始めた。SCP-XXX-JPが完全に停止した頃には、重量はおよそ0,8倍の130gまで低下していた。実験後に異常性を喪失したSCP-XXX-JPを解析したところ、各種栄養価も同様に0,8倍に低下している事が確認された。
分析: SCP-XXX-JPが活動を維持するのには、体積の他に質量も一定以上が保たれる必要があることが確認された。また、SCP-XXX-JPの栄養価が重量に比例する可能性が提示された。
実験記録XXX-JP-62 - 日付20██/10/24
対象: SCP-XXX-JP(品名:チキン███)、SCP-XXX-JP-1
実施方法: SCP-XXX-JPをSCP-XXX-JP-1の収容セルに移して経過を観察する。なお、この実験はSCP-XXX-JPのコミュニケーション能力の有無を確認するために実施された。
結果: 開始当初は互いに干渉する様子を見せず、餌を取り合う事もしなかったが、実験開始から3日後の給餌時間の直前、SCP-XXX-JP-1がSCP-XXX-JPを捕食し始めた。SCP-XXX-JPはしばらく抵抗していたが、活動維持に必要な体積を喪失したところで動かなくなった。
分析: 意図せずSCP-XXX-JPが共食いを行う事が確認されたが、本来の目的であるSCP-XXX-JP同士のコミュニケーション能力の有無に関しては確認できなかった。ただし給餌時間までは共食いを行わなかったことから同族意識が存在する可能性は棄却できず、互いを同族と認識した上で共食いに及んだ可能性がある。少なくとも、これ以降同じ収容セルで複数体のSCP-XXX-JPを収容することは禁止されるべきだろう。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準的大型オブジェクト収容セル内に安置されます。生成されるSCP-XXX-JP-1は、セル内に常駐している機動部隊ひ-1("特別人事部")によって即時確保、検査され、異常が確認されない限り、プロトコル"即時解雇通告"に則り、適切な手段によって終了されます。
説明: SCP-XXX-JPは、サイト-81██に存在する、異常性を持つ標準的人型オブジェクト収容コンテナです。20██年8月20日に同サイトで行われた空きコンテナの定例点検の際に当該コンテナが変異していることが発見されたため監視対象に置かれ、翌日の21日に異常性が発露したため、SCP-XXX-JPとして収容されました。現時点で異常性の起源は不明です。
SCP-XXX-JPの外観、内装は概ね財団で一般的に使用されている標準的人型オブジェクト収容コンテナと一致しています。扉には「標準的財団職員生成設備」の刻印が施されたステンレス製のネームプレートが備え付けられていますが、財団にそのような名前の設備がある、またはあったという事実はありません。
SCP-XXX-JPは毎日、日本標準時(JTC)08:30:004に活性化し、内部で異常な手段を用いて1体の非異常性のヒト(以下「SCP-XXX-JP-1」と呼称)を生成します。
以下は内部調査と異常性の妨害を目的として実施された実験記録の抜粋です。詳細なログ、及びその他の実験記録は"実験記録XXX-JP"を参照してください。
実験記録XXX-JP-█(抜粋) - 日付20██/█/██
対象: SCP-XXX-JP
実施方法: 通信機とビデオカメラを持たせたD-84132にSCP-XXX-JP内部を探索させる。その後活性化まで内部で待機させ、内部でSCP-XXX-JP-1の生成過程を撮影させる。
結果: 内装は変異前の標準的人型オブジェクト収容コンテナと完全に同一であることを確認。活性化時の内部を撮影する試みは、活性化と同時に未知の手段によってD-84132が扉の前に転移させられたために失敗。SCP-XXX-JP-1の退出後、再度内部の探索を行った結果、先の探索の痕跡が完全に消えていることが確認された。
分析: 布団をめくる、タンスを動かす、コップを外に持ち出すなど、干渉自体は行うことができたが、活性化後には配置含め元の状態に戻っていた。活性化したSCP-XXX-JPは内部を特定の状態に復元した上でSCP-XXX-JP-1を生成している模様。D-84132も同時に転移させられているため、人員を用いた異常性の妨害も難しいだろう。
メモ: 生成には元の状態を保っていることが必要なのでしょうか。そうであるならばオブジェクトの一部を破壊すれば異常性の発動を妨害することも可能かもしれませんが、不用意なオブジェクトの損壊は避けるべきでしょう。まあ、それも元通りに復元されるだけかもしれませんが。 -███博士
実験記録XXX-JP-█(抜粋) - 日付20██/█/██
対象: SCP-XXX-JP
実施方法: SCP-XXX-JPの扉を鋼板とボルトで固定し、開閉を阻害する。
結果: 活性化に伴い鋼板とボルトが外された状態で扉の前に転移。生成されたSCP-XXX-JP-1は扉を通ってコンテナを退出した。鋼板によって付いた擦痕やボルト固定時に開けた穴が転移と同時に復元されていることを確認。
分析: 内部だけでなく外部への干渉も転移と復元によって無効化されること、損傷状態も復元可能なことが確認された。
メモ: 外部の損傷まで復元しているので特定の状態に戻るのは生成とは関係の無い異常性かもしれませんが、とりあえず物理的な干渉は無意味と見ていいようです。予期せぬ反応を防ぐためにも現状異常性の妨害については消極的対応に留め、出現したSCP-XXX-JP-1への対症療法的収容を維持する他なさそうですね。-███博士
SCP-XXX-JP-1は20~30代に見えるモンゴロイド系の人型実体です。生成されたSCP-XXX-JP-1は扉を開けてコンテナから退出した後、自身を「(生成された日)付でサイト-81██に着任した(職種)の(日本人名)」であると主張し、同時にサイト-81██の職員データベースにも同名の人物の着任手続きが正常に完了した旨が追加されます。
通常SCP-XXX-JP-1には生成過程が異常であること、サイト-81██の職員データベース以外に自身が主張する身元を保証するデータが存在しないことを除けば一切の異常性は確認されていません。また、生成された段階で既に医学的見地から見て十分に健康な肉体、標準的な日本語での会話や読み書きの能力、日本社会における一般的な教養、及び主張する職種に見合った知識、技術を有し、サイト-81██の服飾規定で推奨されている同職種の標準的服装をしています。
行動上の特性として原則SCP-XXX-JP-1はサイト-81██における各種業務規定の一切に違反せず、「模範的な財団職員」として振舞います。また、SCP-XXX-JP-1の発言の内容は概ね「真面目」で「愛想のいい」ものであると認識されます。5
以下は収容当初に行われたインタビューログです。全インタビューログは"インタビューログXXX-JP-1"を参照してください。
対象: SCP-XXX-JP-1-1
インタビュアー: ███博士
付記: 対象はSCP-XXX-JPから初めて生成されたSCP-XXX-JP-1である。対象は当初20██年8月21日に着任した研究員「佐藤 ██」を主張したが居合わせたエージェント・██によって即座に身柄を拘束され、翌日の22日に███博士によってSCP-XXX-JPの仮収容プロトコルが策定された段階で自身がSCP-XXX-JP-1-1に指定された旨を通告されている。<録音開始>
███博士: SCP-XXX-JP-1、これからインタビューを開始します。
SCP-XXX-JP-1-1: はい、よろしくお願いします。
███博士: まず確認しますが、あなたは何者ですか?
SCP-XXX-JP-1-1: はい、私はサイト-81██に所属する研究員、佐藤 ██でしたが、先ほど███博士によってSCP-XXX-JP-1-1であることを通告され、現在はオブジェクトとして正常に収容下にあるものと認識しています。
███博士: なるほど。ではあなたの研究員としての業務はなんですか?SCP-XXX-JP-1-1: 主に生物学分野での総合的な研究補佐を担当する予定でしたが6、着任したばかりでしたので、まだ業務は割り振られていなかったものと記憶しております。
███博士: その生物学はどこで学んだのですか?SCP-XXX-JP-1-1: はい、ええと……あれ?
███博士:どうかしましたか、SCP-XXX-JP-1。SCP-XXX-JP-1-1: いえ、その……思い出せないのです。記憶処理による後遺症でしょうか。それとも私がオブジェクトとして収容されているのに関係が?
███博士: 答えられない質問には答えなくて結構です。では、質問を変えましょうか。サイト-81██着任前の所属はなんですか?
SCP-XXX-JP-1-1: はい、それは、ええっと……[7秒ほど考え込む]……申し訳ありません。理由は不明ですが、着任以前の記憶が丸ごと欠落しているようです。
███博士: 欠落、ですか。何かを忘れているだけで、それ以前の記憶はあったと?
SCP-XXX-JP-1: えっと、それはどういう……いや、そんな。まさか。[頭を抱え、考え込むように呻く]
███博士: インタビューを終了します。
<録音終了>
終了報告書: SCP-XXX-JP-1-1はオブジェクトの扱い方や記憶処理など財団における基本事由について一定の知識を有している一方、生成以前の記憶を持っておらず、本人も指摘されるまでそれに気づけない模様。SCP-XXX-JP-1はあくまでも「財団職員」として必要最低限な要件のみを満たしていればいい、という可能性が推測される。
SCP-XXX-JPの起源は不明ですが、仮に人為的な変異であった場合、異常存在を作成する能力を持つ人物あるいは団体、存在に財団の内情を詳細に把握されていることが予測されます。また、SCP-XXX-JP-1からは現状異常性は発見されていませんが、こちらを経由して財団の内部を把握される可能性も完全には棄却できないものと思われます。発生したSCP-XXX-JP-1個体の適宜終了が収容プロトコルに組み込まれているのは、保安、機密維持の観点からであることを理解してください。
我々財団職員には、倫理に優先する機密と使命があるのです。
-███博士
(何もありません。まだ真っ白です。)