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一枚目:
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二枚目:
https://pixabay.com/ja/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%88-%E5%A5%B3%E6%80%A7-%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%A7%E3%81%99-%E3%83%80%E3%83%B3%E3%82%B9-%E8%83%8C%E6%99%AF-%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90-1272876/
三枚目:
https://pixabay.com/ja/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%95-%E4%B9%99%E5%A5%B3-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%83%BC-%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90-%E5%A5%B3%E6%80%A7-fae-%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%B9-1017828/
四枚目:
https://pixabay.com/ja/%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%AB-%E7%94%B7-%E4%BD%93-%E7%94%B7%E6%80%A7-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8D%E3%82%B9-%E3%83%9C%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC-%E7%AD%8B-311351/
五枚目:
https://pixabay.com/ja/%E5%9C%B0%E7%90%83%E5%A4%96%E3%81%AE-%E3%82%A8-%E5%9C%B0%E7%90%83%E5%A4%96-%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9-%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8E%E3%82%A4%E3%83%89-%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%81%AE-1534979/

SCP-XXX-JPの一例。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 検索BOTベータ-87“ブロッカーズ”によるweb上でのSCP-XXX-JP自動検索が実行されています。発見されたすべてのSCP-XXX-JPを掲載しているwebサイト及びSCP-XXX-JP-Aドメインは主要なインターネットプロバイダからブロックされます。
また、財団フロント企業“SCarlet Poultry Inc.”によりSCP-XXX-JPを含む広告を表示不能にするアプリケーションが無償公開されており、他のアプリケーション開発企業との連携により主要なwebブラウザに標準搭載されます。
SCP-XXX-JP実験に際して監督官は標準的な対抗ミームの摂取が義務付けられます。また実験後のDクラスに対してもSCP-XXX-JP-Bの効能が把握でき次第記憶処理を行う必要があります。記憶処理の効果が見込めない場合、通常の終了手順に従ってください。
説明: SCP-XXX-JPはwebサイト上に発生する異常なバナー広告です。SCP-XXX-JPをクリックすると自動的にIP███.███.███.███のドメイン“www.RGB-plan.████-encountservice.net”のwebサイト(SCP-XXX-JP-Aに指定)へジャンプします。
SCP-XXX-JP-Aには氏名、メールアドレス、クレジット口座等の複数の個人情報を求める登録フォームが設置されています。これら情報を入力し送信した場合入力された口座から即座に10,000円が自動的に引き落とされます。SCP-XXX-JP-Aでの登録以降、SCP-XXX-JP-Aで異常な映像(SCP-XXX-JP-Bに指定)を閲覧する事が可能となります。SCP-XXX-JP-Bは異常な人型実体1が視聴者の性的欲求を扇情する内容です。SCP-XXX-JP-BはOctober型の強毒性・強依存性ミーム汚染情報であり、曝露した者は継続的なSCP-XXX-JP-Bの視聴を試み、また他のSCP-XXX-JP-Bを視聴するためweb上のSCP-XXX-JPを自主的に検索するようになる症例も確認されています。新たなSCP-XXX-JPからジャンプしたSCP-XXX-JP-Aには以前登録した内容と同一の個人情報を多重登録する事が可能であり、これにより物理的介入を行わない限り曝露者は可能な限りSCP-XXX-JP-Aに登録を行い結果として多額の経済的損失を被ります。登録に際し口座の残高が10,000円未満であるにも拘わらず登録を行った場合、情報の送信と同時に登録者は即時に消失する事が確認されています。
財団ネットワークセキュリティ部門によりSCP-XXX-JP及び-A、-Bを作成したと考えられる組織“R.G.B.プランニング”についての調査が行われていますが、得られる情報の少なさのため難航しています。
実験手順:
Dクラス職員にPCを操作させ、事前に実験監督官が無作為に選択したSCP-XXX-JPをクリックするよう指示。続く登録フォームへの個人情報入力を実行させ、その結果視聴可能となったSCP-XXX-JP-Bを記録する。クレジット口座については実験用に財団が開設したものを使用し、各実験前に10,000円が入金される。特筆すべき実験結果は以下に記載する。
対象: D-89687
選択されたSCP-XXX-JP:
表示されたSCP-XXX-JP-B: 不可視の実体が登場し、対象に服を脱ぐように指示する。実体は映像中に表示される人型のノイズとしてその姿を確認する事が可能であり、対象が服を脱ぎ終えるとその身体的特徴について様々なコメントを行う。映像・音声通信設備の不備にも関わらず実体が対象の状態を把握できている事は特筆に値する。
対象: D-89691
選択されたSCP-XXX-JP:
表示されたSCP-XXX-JP-B: 耳が長い20代のコーカソイド女性が登場。女性は常に泣いており、映像が終了する1時間15分の間一切の発言をしなかった。
対象: D-89704
選択されたSCP-XXX-JP:
表示されたSCP-XXX-JP-B: 筋肉質の30代のアジア系男性が登場し、しきりにその肉体を誇示する。その後男性は服を脱ぎ [編集済] 。映像終了後対象は男性への敵対心を露わにし、現在財団の精神医によるカウンセリングを受けている。SCP-XXX-JP-Bの依存性が確認されなかった初めてのケース。
対象: D-89737
選択されたSCP-XXX-JP:
表示されたSCP-XXX-JP-B: 映像は大きく乱れており、時折空電のようなノイズが入る。視聴開始から30分後、対象は意識を喪失しそのまま死亡する。その後の検死により対象の大脳及び脳下垂体の一部が消失している事が確認された。
対象: D-89691
インタビュアー: 内野研究員
メモ: 当インタビューは対象がSCP-XXX-JP-Bを視聴した後に実施された。
< 録音開始 >
内野研究員: さて、お前が見た映像についてだが-
D-89691: 動画を見せろ。
内野研究員: インタビューが終わってからだ。
D-89691: 俺は動画を見なけりゃならない、動画を見せろ。
内野研究員: 何故そこまで見たがる?
D-89691: あの女の子のためだ。
内野研究員: 映像に登場した女の事か?
D-89691: あの子を助けられるのは俺だけだ。
内野研究員: それはどういう事だ?
D-89691: あの子はあの部屋2に監禁されているんだ……多分金稼ぎのために。あの子は自分の動画を見てもらい金を稼がないと一生出られない。俺はあの動画を見る必要がある。動画を見てあの子を開放してやらなければならない。
内野研究員: 何故そう思った?
D-89691: 何故?お前は何も分かってないのか?あの子の泣き声を聞かなかったのか?あの子は望んで撮られてなんかいないんだ!あの子は撮っている奴等にいいように利用されているだけだ!俺が金を稼がせてやらないといけないんだ!
内野研究員: お前が言ってる事はまったくの推論だ。映像ではそんな情報は一切得られなかった。第一あの映像で-
D-89691: お前に何が分かる!ああ分からないだろうなこのヘビ野郎!あの子は俺に助けを求めている!あの子は動画でしか俺に訴えかける事ができないんだ!
内野研究員: おい、鎮静剤を持って来-
[D-89691が激しく机を叩く]
D-89691: 俺は動画を見るぞ!あの子を開放する!お前の研究ごっこはもう沢山だ!
内野研究員: こいつを押さえろ!
D-89691: 無駄だ!お前が動画を見るのを邪魔するならこっちにも考えがあるぞ!
[D-89691は椅子に寄り掛かり、天井を仰ぎながら目を瞑る。時折腕を動かし人を抱くようなジェスチャーを示す]
内野研究員: 一体何だそれは。
D-89691: もう大丈夫だ、俺が守ってやる。君は金を稼ぐ必要なんてないんだ。俺が一緒だ。フヘ、ヘヘヘ。ほうら捕まえたぞ。
内野研究員: D-89691?
D-89691: すっと一緒だ。かわいいなぁオイ。ウフ、くすぐったいなぁオイ。駄目だってこんな所で、人が見てるぞ、んもう。この甘えんぼめ。ヘヘヘ。
内野研究員: インタビューを終了する。
D-89691: あ、駄目だってそこは-
< 録音終了 >
15/3/15、SCP-XXX-JP実験に用いられたPCが以下の内容のメールを受信しているのが発見されました。この事例以降実験に用いられたPCは異常な情報の受信について1週間毎に検査が行われる事になります。
2015年3月9日 13:00
From: R.G.B.plan-service██████████.com
To: [編集済]
Subject: 『R.G.B.コミュニケーションズ』新サービス開始のお知らせ
日頃より弊社企画のネットワーク配信サービス『R.G.B.コミュニケーションズ』をご贔屓頂き誠にありがとうございます。多くの方から得難いご厚意を賜り感謝の念に尽きません。
さて、かねてよりご要望がありました『R.G.B.コミュニケーションズ』サービスの網膜配信につきまして、正式にサービスを開始したことをお知らせいたします。
これらは弊社が独占的に配信権を有しており、月額100,000円で視聴が可能です。既にご登録されている皆様はサービス開始特典として1ヶ月間無料で視聴を行う事が可能です。
この機会に是非弊社の他のアダルトコンテンツをお試しになられてはいかがでしょうか。注: 『R.G.B.コミュニケーションズ』は成人を対象としたコンテンツです。ご利用に際しては事前に所属する国、州、統治区分、モイライが定めし運命規格その他のあらゆる立法機関により制定された制限年齢を満たしている事をご確認ください。また『R.G.B.コミュニケーションズ』を御利用された方のいかなる損害につきましても、ご登録時に弊社が一切の責任を負わない事に同意したものとみなします。
敬具
メールの受信より1ヶ月後の15/4/9、D-89691を含むSCP-XXX-JP実験に参加したすべてのDクラス職員が突如消失しました。この現象についての調査が終了するまでDクラスを用いたSCP-XXX-JP-B実験は禁止されます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8157のアノマリー保管用ロッカーに収容されます。SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際は防音室で行われ、監督者は別室からモニターを通し音声を認識できない状態で観察します。
説明: SCP-XXX-JPはフィンランドのバンド・Korpiklaaniのアルバム『Karkelo』のCDコピーです。SCP-XXX-JPは通常の音楽CDと同様に再生し、アルバムに収録されている楽曲は聴取した人間の神経系に作用し、曝露開始から平均10~20分で意識を喪失し、約3時間昏睡状態となります。聴取者が意識を喪失している間聴取者の脳は異常な電気的活動を示し、覚醒と同時に異常な脳の活動は消失し意識喪失前と同程度の値まで戻ります。
これまでの実験で聴取者は意識を喪失している間、Korpiklaaniのメンバーが浄土思想を説きそれまでの所業を省みて御仏に帰依するように促す内容の夢を経験したと主張します。この経験は聴取者の精神及び行動に多大な影響をもたらす事が判明しています。覚醒後の聴取者に対し実施されたYG性格検査ではすべての聴取者がCo尺度、T尺度、S尺度において曝露前より大幅な向上を示し、精神的起伏の減衰及び協調性の増大が観察されるようになります。
補遺: インタビュー記録
インタビュアー: 酒井博士
対象: D-56238
メモ: 対象は直前の実験でSCP-XXX-JPに収録された全楽曲に曝露され意識喪失状態にあった。このインタビューは意識喪失から回復直後に実施された。
< 録音開始 >
酒井博士: 御機嫌よう。具合はどう?
D-56238: ああ……こんちわ。できれば早く済ませてくれねえかな?俺今ちょっと考えてんだ。
酒井博士: 何を考えてるか説明してくれるかい?
D-56238: 自分の人生を振り返っていた。何て……何て罪深い人生だ。
酒井博士: はあ……雇用前の裁判記録によるとあなたは一切反省する素振りを見せず被害者やその遺族、果ては裁判官や検察、自身の弁護士をも罵倒していたそうだね。雇用後も他のDクラスと騒ぎを起こして何度も注意を受けた。それが一体どういう心変わりかな?
D-56238: 今までの俺はあまりにも多くの物を傷つけてきた。何一つ省みず、全てが無為だ。下らない煩悩に囚われ殺生を犯し好きなままに生きてきた。しかしあのCDを聞いてから俺は変わった……そう、変わった。確かに変わった、間違いねえ。
酒井博士: 具体的にどう変わったのか説明してくれるかい?
D-56238: あのCD、何て歌手かは知らねぇけどすげー落ち着くんだ。聞いてる内に心が安らいでいくのが分かる。あんなに激しく演奏しているのに……ちょっとおかしいな。でも不思議と聞いていて安心できる曲ばかりだ。そうして段々意識がこう、飛ぶ?とにかくそんな感じだ。
酒井博士: 飛ぶというのはどういう事だい?
D-56238: ええと待てよ、あの時俺は実験室にいたはずだろ?でもCDを聞いていると次第に自分の体から意識だけが飛び出したような感覚になった。まるで脳味噌だけが見えない糸に引きずり出されるような感覚だ。俺は俺の体を見下ろし、そのうち実験室の天井も建物も通り抜けて空まで昇っていったんだ。あっという間に雲の上まで昇りつめた、そこで何を見たと思う?
酒井博士: さあ。あなたが何を見たのか教えてくれないかい?
D-56238: 博士、俺は天国を見たんだ。雲の上に外人のおっさん達がいた。皆変なボロボロの服を着てロン毛で、ギターとかの楽器を持っていた……ええと、ドラムの奴もいた。おっさん達は演奏しながら俺に語り掛けてくるんだ。今のお前は安らかに往生する事は叶わない。己の所業を悔い改め、御仏に念仏を唱えろ。ただ一心に浄土を求めろ、そう俺に語り掛けてくるんだ。
酒井博士: ちょっと何言ってるか分からないね。
D-56238: ああ、分かんねーだろうけど……でも……おっさん達は確かに俺に語り掛けてきたんだ。あのおっさん達は俺に慈悲の手を差し伸べてくれたんだ。俺はあの時確かに幸せだった。今まで誰からも見放された人生だと考えていたが、おっさん達だけは俺の事を見守っていてくれてたんだ。そして全ては御仏の導きなんだよ、人を困らせたりするくらいなら仏様に念仏を唱えた方がずっと有意義なんだって教えてくれたんだ。俺はおっさん達が一所懸命に演奏しているのを見てこう思ったね、このおっさん達は俺を救うために仏様に遣わされた天使なんだって。
酒井博士: う、うん、天使?
D-56238: そうだ天使だ。おっさん達は俺を天国に導くため、ああやって演奏してくれたんだ。おっさん達は演奏を通して俺にも分かり易く念仏を教えてくれて、それで俺もおっさん達と一緒に念仏を唱えながら今までやってきた事を振り返った。そうしてたらいつの間にか実験室に戻ってたんだよ。
酒井博士: うーん、それで目覚めてからあなたはずっと自分の行いを省みていたのか。
D-56238: ああ。あまりにも罪深く、汚らわしい。このままじゃ俺は死んでも死にきれねえ。なぁ先生……念仏を唱え続ければ俺はまたあのおっさん達と会えるか?
酒井博士: 知らないよ。
< 録音終了 >
付記: インタビュー終了後D-56238は仏教への改宗手続を求めたが、具体的な宗派を提示する事が出来ず却下される。2週間後D-56238は通常通り解雇されたが、D-56238はSCP-XXX-JPへの曝露から解雇までの間模範的な行動を示し続け、解雇執行の際には立会人に対し感謝の念を伝えていた事は特筆に値する。Dクラス職員の素行改善を目的としたSCP-XXX-JPの使用について現在財団倫理委員会により検討されています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準異常物品収容ロッカーに収容されます。SCP-XXX-JP-1実体は哺乳動物型実体用標準収容ケージに収容され給餌を受けます。SCP-XXX-JPにまつわる追加情報が得られるまではSCP-XXX-JP-1からのあらゆる要求は却下されます。
機動部隊か-88“保健所”は全国のSCP-XXX-JP-1発生例を調査し監視を行います。この活動により新たなSCP-XXX-JP-1個体が確認された場合直ちに収容を行い、情報の抑制に努めて下さい。SCP-XXX-JP-1個体が確保された場合、その半径10Km圏内においてSCP-XXX-JPの捜索を行います。SCP-XXX-JPが発見されない場合、セキュリティクリアランスレベル3以上の管理官の認可のもとこの捜索範囲は拡大されます。
説明: SCP-XXX-JPは█████社製の携帯型液晶ゲーム機に類似した形状の端末です。起動には単三電池4本を必要とし、正常に起動させた場合SCP-XXX-JPから半径500m以内に棲息するイエネコ及びイエイヌの精神及び身体に異常な影響を与えます。
SCP-XXX-JPの影響下にあるイエネコ及びイエイヌ(SCP-XXX-JP-1と表記)は自律的な二足歩行及び前脚を用いた物体の把持が可能となり、日本語による会話が可能となります。SCP-XXX-JP-1は自身の身分について湾岸戦争での作戦に従事中の多国籍軍あるいはイラク軍兵士であると主張し、それぞれの勢力に分かれて抗争を始めます。SCP-XXX-JP-1個体がこれまでに証言した内容は湾岸戦争における実際の記録と正確に一致しますが、どの個体も著しい精神薄弱の症状を示しています。これはイエネコ及びイエイヌの脳機能・記憶容量に起因するものであると考えられています。SCP-XXX-JPによるイエネコ及びイエイヌへの影響は不可逆的であり、一度SCP-XXX-JPの効果範囲外へと出るまたはSCP-XXX-JPの電源を切った後も継続します。
補遺1: インタビュー
対象者: SCP-XXX-JP-1-123
質問者: エージェント███
< 録音開始 >
エージェント███: ではインタビューを開始します。まずあなたの所属及び階級を―
SCP-XXX-JP-1-12: 今すぐ私を解放しなさいサダムの犬め!罪なき人々を虐げ私腹を肥やしあまつさえ虜囚を辱め尋問するなんて!ひどい!この野蛮人!世界中の人々があなた達の所業を見ていますよ!こんな事は許されるべきではありません!
エージェント███: いえ、我々はイラク軍じゃありません。ただあなたが―
SCP-XXX-JP-1-12: お黙りなさい!そうやって無辜の民を誑かし殺めたのですね!悪魔!鬼!良心は無いのですか!あなた達はいつの日か必ずや裁かれるでしょう!
エージェント███: [溜息] 駄目だ話にならん。すまないが別の個体を連れて来てくれ。
SCP-XXX-JP-1-12: あっ!どこへ連れて行く気なのですか!まだ話は終わってませんよ!その血塗られた手で触らないで!おやめなさい!引っ張るのをおやめなさい!ジュネーブ条約を御存じないのですか!丁重に運びなさいこの人でなし!畜生!ケダモノ!引っ張るのをおやめ―
< 録音終了 >
対象者: SCP-XXX-JP-1-154
質問者: エージェント███
< 録音開始 >
エージェント███: えー、これよりインタビューを開始します。まずあなたの所属及び階級をお答えください。
SCP-XXX-JP-1-15: はっ、私はイギリス陸軍第█歩兵師団所属、フィリップ・████軍曹であります。
エージェント███: よろしい。ここに至るまでの状況は把握できていますか?
SCP-XXX-JP-1-15: はっ、我々は国連の要請を受けた上層部の指示に従いイラク領に侵攻、敵軍の敗残兵を追撃中突如装備が消失し困惑していた最中貴軍と遭遇し厳戒態勢を執りました。しかし貴軍が我々物資の提供を申し出た事から友軍と判断、独断でここに参りました。
エージェント███: 物資とはこれですね?[エージェント███がジャーキーを提示する]
SCP-XXX-JP-1-15: はい、それです!我々は長らく飢餓状態にあります!支給された食糧は敵軍によりすべて焼き払われてしまいました!今すぐそれを我々に提供してください!
エージェント███: なるほど……質問が終わってからお渡ししましょう。あなた方の目的を教えて下さい。
SCP-XXX-JP-1-15: 食糧の入手であります!
エージェント███: そうじゃなくて、戦闘を行っている理由です。
SCP-XXX-JP-1-15: はっ、先程も申し上げた通り、我々は国連の要請を受けた英国陸軍に……
エージェント███: すみません、言い方が悪かったですね。ええと、あなたは今ご自身が置かれている状況についてその……違和感はありませんか?
SCP-XXX-JP-1-15: 空腹です!
エージェント███: ええ、理解しています。それ以外に何か変わった事はありませんか?
SCP-XXX-JP-1-15: はっ、そういえば……。
[以降SCP-XXX-JP-1-15は30秒程沈黙する]
エージェント███: フィリップ軍曹?
SCP-XXX-JP-1-15: はっ、何でしたでしょうか?
エージェント███: ああクソ。つまりですね、急に視線が低くなったとか敵軍の体が毛深くなったとかそもそもここは何処なのかとか、何かあるでしょう?違和感を感じていませんか?何故今戦闘を続けなければならないのか、その理由をお聞かせください。
SCP-XXX-JP-1-15: はっ……そうですね、強いて言うならば自分は今まで感じた事のない空腹感に襲われています。健診でも心身共に正常であると結果が出ていたのですが……。
[数秒間沈黙]
SCP-XXX-JP-1-15: あの、食糧はまだですか?
エージェント███:インタビューを終了します。
< 録音終了 >
エージェント███のメモ: いずれのSCP-XXX-JP-1も知能は犬猫に毛が生えた程度のようだ。
補遺2: SCP-XXX-JPに付属されていた説明書より抜粋(原文ママ)
あらすじ
西れき千99X年、砂ばくにねむる黒いダイヤをめぐり2つのほ乳類が大げきとつ。人類れんごうさい強エージェントのきみはワンかニャンのどちらかと結たくしてしょう利をつかめ。きみはこれによって産じるあらゆるそん害についてトトレイソフトウェアコーポレーションは一切のせき任を負わないことを承だくしてから楽しむべき。さい善を期す。
アイテム番号: SPC-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Deep One
鮫殴打特別対策5: SPC-XXX-JPの全活動を監視するため北マリアナ諸島マウグ島全域を対鮫区画-XXに定め殴打武装が配備されます。SPC-XXX-JP-J海上の半径50km圏内をレッド・ゾーンに指定し、SPCS アイアンフィストによるSPC-XXX-JP-A活動領域境界の維持及び圏外からの船舶侵入の阻止が実行されます。SPC-XXX-JP-J-Xが確認された場合、アイアンフィストに乗艦する先行部隊6 アルファ-7(“アラビアの狂える鉄拳”)はただちに殴打を実行してください。レッド・ゾーンを越境したSCP-XXX-JP-J-Xに対しては殴打戦術“スタローン”が適用され、実体または実体群の規模がクラス:ホエールシャーク以上であると判断された場合は殴打衛星“ピカードの鉄拳”の行使手続きが要請される事になります。
説明: SPC-X-JPはマリアナ海溝最深部チャレンジャー海淵から異常なサメ実体が発生する現象を指します。SPC-XXX-JP-Jから発生した実体はSPC-XXX-JP-J-Xに指定され、そのいずれもサメ殴り分類におけるタイプ-グレイトホワイト7以上の要殴打性であると確認されています。これまでに発生した主なSPC-XXX-JP実体は以下の通りです。
分類 | センター内での通称 | 注記 |
---|---|---|
SPC-XXX-JP-1 | クラーケン | 第二次世界大戦中マリアナ沖で作戦に従事していたアメリカ軍重巡洋艦██████を襲撃、軽微の損傷を与える。この事件以降SPC-XXX-JPの存在がセンターに認知される。 |
SPC-XXX-JP | グラビトン | 口から高圧力の水の噴射が可能であり、殴打作戦中のサメ殴り重巡洋艦1隻を中破せしめる。 |
SPC-XXX-JP | ヘルメス | 最大時速280kmで泳ぐ事が可能。サメ殴り魚雷“マーメイドの鉄拳”により下顎部を負傷しながらもサメ殴り艦隊による包囲を突破する。後に死体がニュージーランド沖で操業中の日本籍漁船に引き上げられるが報道機関及び海洋研究機関に潜伏していたエージェントによりカバーストーリー「ニューネッシー」が展開される。 |
SPC-XXX-JP | ポセイドン | 大量の非異常性サメ型実体を伴いサメ殴り重巡洋艦5隻を大破。報告を受けたサメ殴り司令部からの要請に基づきSCPF コークスクリューの出動及び収束型サメ殴り武装“スイミーの鉄拳”による空爆が承認される。 |
SPC-XXX-JP | フィギュアー | SPC-XXX-JPの効果範囲外から出現した唯一の実体。潜水艇に擬態しレッド・ゾーンに侵入、当該海域を巡洋していたサメ殴り艇に対し人の声を模して呼びかけを試みる。サメ殴り司令部イシュメイル司令長官により「サメと議論を行う余地はなく要求は断固拒否、殴打すべし」との声明が打ち出され、先制殴打を仕掛けた所魚雷及び[編集済]の他付属されたマニピュレータにより応戦。殴打開始より8時間後に“ピカードの鉄拳”使用手続きが承認され、衛星配備後初となる大気圏外からの殴打作戦が実行される。殴打後の残骸回収により当該実体が『SCP Foundation』なる組織により生み出された事が判明。その後当センターの目的に対する愚弄及び機密漏洩の恐れありと判断され、サメ殴り司令部議会で『SCP Foundation』の要殴打団体指定が満場一致で可決された。 |
- 投稿済み
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- アナバシスが翻訳されてマジ助かる
- カリーニンの著者ページ翻訳1
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- 旅の途中
- ぼくらの超実力主義社会
- 十字路上運命支配
- ワクサハチーの夢の跡
- 物置
SCP-1049-JP-J 不協和音
SCP-477-JP 鳴門海底都市
tale 料理長、天ぷらです!
記事フォーラムにて皆様のご意見をお待ちしております。
つちのこつちのこつちのこ
Q. つちのこ?
A. つちのこ
つちのこ
つちのこ8
つ | ち | のこ |
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つち | の | こ |
つちの | こ | つちのこ |
つちのこ
つちのこ
つちのこ
つちのこ
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つちのこ
つちのこ
- つちのこ
- つちのこ
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つちのこレフト
つちのこライト
つちのこセンター
- つちのこ 1
- つちのこはいてる
- つちのこ 2
- ってたむけんが言ってた
そもそも俺そんなにつちのこ好きじゃないよ » つちのこよりヒバゴン派だよ k_ashmir
↑つちのこ野郎
%%title%%
↑汝はつちのこなりや?
— — —
つちのこ!!
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つちのこ出没注意
つちのこ
ち
の
こ
つちのこ
つちのこ

元々有していたオリジナルの考えではありません。
名前: アンダリエル・"パンツ"・ハロ、美術博士
担当業務: 研究者、心理学者、天体物理学者、サイト-██名誉清掃員
セキュリティクリアランスレベル: 4
来歴: アンダリエル・ハロ博士は崇めよ我はお前の新たなる独裁者なり能力研究者です。彼女は法的責任と少なくとも3点の異常な物品 および/または 場所 および/または 生命体の収容監督責任を負います。アンダリエル・ハロは壊滅的なまでにとっ散らかった記録を保全しており、各SCPに対する個人的注釈はここから閲覧が可能です。
重要なメモ: マヌケな博士はナルシシズム および/または 観衆の注目を浴びる事への恐怖症を患っています。彼女が定期的にこうなる事を阻止するために心に留めておくことを強く推奨します。
SCPフィレ:
- SCP-1856 "Corrosive Corpse"
- SCP-1692 "奇怪な生還者"
- SCP-2093 "人柱版"
- SCP-2021 "片面ペーパー"
- SCP-2084 "アナバシス"9
- SCP-2299 "Cephalensis-9"
- SCP-2077 "ミラクルスタッフ"
- SCP-2058 "スミス・ジム"
- SCP-1934 "不在の不在"
- SCP-2981 "マッシュポテトは友達"
- SCP-2288 "Aのコピー"
- SCP-2277 "アンドロニカ・オプティマ・マキシマ"
- SCP-2034 "タッソー症候群"
- SCP-2043 "わすれないで"
- SCP-1706 "Eater of Dreams"
- SCP-2064 "スーツを纏った混沌"
- SCP-2266 "For the World to Dictate Her Death"
- SCP-2035 "Instant Animals"
- SCP-2244 "Partition E:\"10
- SCP-2692 "Remains of Subterranean France"
- SCP-922 "真実の別バージョン"
- SCP-2984 "ガール・オン・ファイア"

悲しい時は、SCP-2058が[DATA PTERODACTED]ハッピーな効果をもたらす by GottaGoFeast
共作したSCP:
- [編集済]
- [編集済]
偽SCPの列挙:
- SCP-002-J "Amnesiac Treatment"
ゴミ箱から見つけたもの:
- Corroded Relations
- Bugbears
- Last One to Die
Kingdom of Stone:
- Kingdom of Stone: The Under-Class
- Kingdom of Stone: A Monolithic Species
- Kingdom of Stone: Slay, Cure, Protect
分かったよ、ベイビー11:
- ANABASIS HUB FOR EVERYTHING ANABASIS-RELATED
- SCP-2084 Eメール通信
- SCP-2084: 日付のないIM通信
- Mongrelization
- Motivation of Man
- Rigged from the Start
- Voice of Decay
- Rot
- Potent Drug
- First Ones In
- Key Biscayne
- Save Her From Herself
- The Frail
マナの慈善財団コンテストハブ(Pew):
- 1 世界を変えろ
- 9 Best as it Gets
- 10 Land of Plenty
- 11 人間性の重荷
- 12 The Hammer Falls
- 14 Taking a Break from All your Worries
- First Locke Donation
コラボのゴミ箱:
- 2 Who We Are - ほとんどDr Reachにより執筆
- 3 Who Are You? - ほとんどDr Reachにより執筆
- 4 Breaking it Down to Me - ほとんどDr Reachにより執筆
- Overall this entire stuff Dr Reachと共著
Stuff Hub
- Stuff Hub
- Week 1: Looking for Stuff
- Week 1 Day 3: Finding some Stuff
- Week 2: Only Sane Man
- Week 3 Day 3: End of Line
いただいた賛辞:
「アンタは自分のケツからStuffを引っ張り出すのが上手だな」 - ワープゾーン
「君の下書きが好きだ」 - タオメイ、ハロ博士が嫌悪感を示したのでこの賛辞を伝えたことを後悔した
「あなたはそんなにひどくないよ」 - [編集済]
「SCPは滅多に私を気味悪がらせない。しかしこれはそれをやり遂げました。私は気分が悪くなり、これを読んでいる間体が震えていたようです。これは何かが間違っていて、そして私が好きなSCPのやり方です。あなたは私の票を得ました」 - ヘクシティー
「イエス」 - カリーニン
「私は動物虐待を扱うことができないので、犬が現れた章の後私は怒りましたが、私が見たすべてのものを実行するのは完璧でした」 - 一部のヘタレ野郎 =3
[00:35] <Haecceity> >_> 私はあなたの著者ページが好きだよ、AndarielHalo。もっと私から引用すべきだと思う。
[00:35] <Haecceity> 多分、あなたがそうすれば他の皆も引用するだろう
[00:35] <Haecceity> そして、私の引用に置き換えた
[00:35] <Haecceity> うーん
[00:35] <Haecceity> よし。
[00:35] <AndarielHalo> それじゃあ、引用する価値があることを言ってよ
あなたはハロの執筆物をどのようにして読むかを知っていますか?
訳注: これはKalinin氏の著者ページの過去の記載内容(リビジョン62)の翻訳であり、現行版と内容が違います。
読者へ:
私の名前はカルロス・レイ・カリーニンです。 ここはwikiにおける私の特別なコーナーです。 時にはここで発言することがあります。
私は時折自分のTwitter@KalininSCPで、サイトに関連するものを投稿します。 あなたが私の魅力を十分に得ることができないなら、フォローしてください。
-K
シリーズ1 | ||
SCP-186 | 全ての戦争を終わらせるために | 今日まで私が書いた中で一番有名な記事で、最も高い評価を頂いています。 SCP-2275とSCP-2888で参考資料を探してください。 |
---|---|---|
SCP-255 | 11進法の病魔 | 宇宙犬ライカの実体のない頭部として書き始めました。 それがどうしてこうなったのでしょう。 私はそのコンセプトでまだ何かをするかもしれません。 |
SCP-356 | 自白男 | 「自分自身に犯された奴」の比喩的表現であるエントリーです。 |
SCP-480 | 繰り返す悪夢の場 | Guiser's Nightでの名前のないスキップを記述する記事として意図されていました。 臨床的な観点から夢を書くことがどれほど難しいかを私に教えてくれました。これは改稿候補リストの先頭にあります。 |
SCP-518 | アサ・ラトリッジの墓標 | 私はあなた達に、「インターネット上でそれを読んだ時に不気味に感じる何か」について書きたいと思っていましたが、実行に移したいとは思いませんでした。 これは私が代わりにしたものです。 当時、探査記録が流行っていました。 |
SCP-655 | 生体情報偽装活動 | いつか私がSCP財団の宇宙で宇宙人グレイを登場させた時に、これはより重要となります。 |
SCP-736 | ヤペタスの異変 | これはアンボローの努力のおかげで、かなり良い評判を得ています12。 まあまあの記事だと思いますが、それは絶え間ない客引きによってどのように高い評価を得ることができるかという良い教訓です。 |
SCP-986 | フォークナーの最後の原稿 | 他の本の虫達からは、フォークナーが書いたものだと思われました。恐らく私がwikiで受けた最高の賞賛です。 これは私のお気に入りの一つです。 |
シリーズ2 | ||
SCP-1097 | 真似るどろどろ | 具体的にはStrangers of Site-17シリーズのラスボスとして作成しました。 いつかそれをやり遂げるつもりです。 |
SCP-1166 | 完璧な被験体 | ええ、私は喋る動物を書きました。 私の2番目の記事がそうです。 私はそれが最終的に"レミーのおいしいレストラン13"のレミーになったと考えるのが好きです。 |
SCP-1229 | ラナ・ニール主演フィルム三十七 | 私の個人的なお気に入りのもう一つ。 ラナは私の脳裏から離れない一連のイメージであり、理想上の論理が故意に私の文章に浸透することを可能にする例の一つです。 |
SCP-1377 | 自動人形の国会議員 | 不気味の谷は確かに肥沃な土地です。 |
SCP-1484 | Murder Diary | 記事における一番最初の試み。古い記事の一つであり、原案では宇宙から観察する事になっていましたが、それよりはいいでしょう。 私は知りません。 |
SCP-1538 | 二軸スクリュー押出機の説明書 | アイデアとしては、私のお気に入りの一つ。 探査記録時代からのもう一つの記事であり、近いうちに少し近代化するためのいくつかの編集を見るでしょう。 |
SCP-1659 | 理事会K | 潜在意識を信用してはいけません。私の脳裏に "理事会K"というフレーズが数週間揺らいでいて、最終的にこれに変身しました。 KGB部門の内部資料を読んだところ、これはすでに何かを意味する用語であることが判明しました。 何てことだ。 しかし、これには正当な理由があるので、大丈夫です。 乞うご期待。 |
SCP-1709 | Human Fetus Composite | 基本的には、死んだ胎児がそれほど面白くない冗談で何時間も笑う場面を書くことの弁明です。 |
SCP-1840 | Persistent Corpse | 基本的には、標準セキュリティーの死体安置所を書くことの弁明です。 |
SCP-1984 | 死者の手 | いささか古いですが、私はまだこれが好きです。 本物の死者の手と同じくらい恐ろしいオーディエンスを見つけたことを誇りに思います。 |
シリーズ3 | ||
SCP-2003 | 望ましい選択 | 私の2000コンテストへのエントリー作です。これはどうやらフォロワーを見つけたようです。それについて私がどのように感じるかわかりません。最初に前提を提示するなら、この記事はBigdog14がクソ気味悪いことに基づいてます。 |
SCP-2188 | ホアキン・パブロ・イズキィエルド・デ・サン・フェリペの人生と時 | 私達はラブクラフトよりもボルヘスに借りがあります。私は、それに応じてこれを書きました。 |
SCP-2275 | Where Muses Go | 2014年のクリスマス交換会において、誰かに対するプレゼントとして書かれました、そしてそれはブライト・チャレンジに巻き込まれる形で導かれました。wikiに対する私の唯一のビジュアル・アートの寄与も含まれています。 |
SCP-2303 | 沈黙の塔 | しばらくの間脳裏に浮かんでいたものの一つであり、私はそれをアウトプットする必要を感じました。これは、SCP-2188から始まった財団世界におけるラテンアメリカへの解釈を更に肉付けします。タイトルと内容のつながりは、コメントの中で最初に指摘された以外にも、様々な読者のために共通の雰囲気を提供するのに十分であることにとても満足しています。 |
SCP-2474 | イルニニ山 | 私は人間以外の知性を、そのステイタスにふさわしい方法で描写することを長い間主張してきました。 この記事は、その一般的なコンセプトの延長として部分的に書かれています。 |
SCP-2798 | この死にゆく世界 | 長大な物語はこのサイトのための次のフロンティアです。長いストーリーラインやより長い仕事を買い込む読者を得るシーンは、物語が理にかなった時間に続くという予想です。次の連載 もしくは/および 報酬が(未訳)これは予定された長い物語を書こうという、私の展望の一部です。 |
SCP-2888 | Again and Again and Again | 私は"237 Marys"という題名以外何もない下書きを持っていました。私は常にシリアルキラーの記事を書きたかった。この2つのコンセプトはどうにかして合体しました。Crayneは終わりに素敵な小さいコーディングを寄贈してくれました15。故に、私は彼に3つの殺人の借りがあります。 |
SCP-2911 | 釣り人ミキオ | 短編コンテストにおける私のプロジェクト。私の目論見通りに十分な人数に影響を与え、成功を確信しました。 |
~Tales | ||
And Again |

ヨハネス ・ ソーツ博士: 次席研究員、ミーメティックスペシャリスト
セキュリティクラス: 2
任務: ミーム研究及び実験。ミーム収容及び無力化。実地研究及び評価。
外観: 白人男性。32歳。 5' 8"、230ポンド。髪は灰色混じりの茶色。目は茶色。眼鏡を必要とする。
略歴: ソーツ博士は教養学科で単位を取得しましたがその学問的資格は財団ではほとんど役立ちません。ソーツ博士は偶然現場の財団エージェントに遭遇し、超常現象の局所的発現を暴露しようとした後で雇用されました。 彼は財団によるカバーストーリーを台無しにしましたが、[データ削除済]の回収と封じ込めを支援し、[データ削除済]の喪失について当局に説得力のある説明を作成する事を補助し、状況が回復することを喜んで支援しました。ソーツ博士は特定の状況、特に彼が知覚するものが芸術性のある対象に関連しているときに、ミーム的効果を理解し抵抗する能力を持っています。
ソーツ博士は、特定のミーム的SCPの広範囲な研究を行いましたが、無意識のうちにミーム的な影響を取り除くか無視する能力を備えているので、彼が行った研究はすべて単独で検証されることが推奨されます。
SCP-804に関する不十分な作業について、0516とのインタビューの抜粋:
ソーツ博士: 何が問題なのか分からないな。
O5-█: あなたは凍りつき崩れ落ちる人々が自分たちの自由意志によって804を操っていると我々が信じてくれると本当に思っていますね。
ソーツ博士: 彼らはとにかく死ぬだろう。彼らは自分自身の死と人類全体の死との間の選択肢を持っていた。彼らは集まって日常的に人間の汚れのない世界を夢見ていた人々で、そしてこれはここにある…これは、彼らがそれを信じ続けるなら、それを与える。彼らがすでに滅びの運命に踏み出した時から、彼らには続けるよりはむしろ、止まる勇気があるならば、私は驚くだけだっただろう。
O5-█: あなたの報告書やコメントは、アーティスト集団を軽蔑しているように思えます。
ソーツ博士: 私がそれらを内面から見ているからだ。芸術家は世界を癒すことができると考えているが、ヒルを使って病人を治療するようなものだ。
O5-█: そしてあなたは804を"ペンキとバール"で無力化することができると信じたのですか?
ソーツ博士: ああ。芸術のコンテクストを変える事で効果を変える。それは良い実験だと思う。それは人類が彼らの破壊衝動に勝利した…いや、待てよ、それじゃ彼らの元来の意図通りだ。もし私がそれにオシッコしたなら…
O5-█: ここまでにしましょう。
ソーツ博士は以下のSCPに関する研究に貢献しました:
SCP-088
SCP-197
SCP-205
SCP-385
SCP-674
SCP-717
SCP-745
SCP-804
SCP-899
SCP-945
SCP-1055
SCP-1370
SCP-1470
SCP-1570
SCP-1670
SCP-1870
SCP-1970
SCP-2170
ソーツ博士は以下のSCPに関する研究を更新しました:
SCP-234-ARC
SCP-099
SCP-314
SCP-426インシデント記録: That Goddamn Thing
財団のイントラネットでの "Me2515実験"の検索に関するファイル、懲戒処分については、次のとおりです: In The Land of the Blind
ソーツ博士は、新しいエージェントと研究者のためのミーム学の現在のプライマーを書きました:Memeticsの理解
キャンディはおいしいです。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JP-Jは財団所属の上級監視者/上級研究員レイチェル・マッケンジー博士(シリアルナンバー: 0171-UT-0080364、以下マッケンジー博士と表記)を中心とする一連の異常現象です。SCP-XXX-JP-Jはマッケンジー博士のMSP17が40以上となった際に、マッケンジー博士及びその周囲の人物にマスカレイド・イベントを強制させるという形で発現します。マスカレイド・イベントの対象者は、マッケンジー博士及びマッケンジー博士の周囲半径50mから500m以内の人物であり、これらの対象はマスカレイド・イベントの間一定の規則性が観察できる身体の動作を実行します。マスカレード・イベントによる動作の内容は主に舞踏、武術の型、体操、歌唱等パフォーマンスとして理解されるものが大半であり、中には少数の民族・コミュニティでのみ行われる儀式的な運動も含まれます。マスカレイド・イベントの所要時間は発生時点のマッケンジー博士のMSP数値の高低により変動する事が確認されており、また参加人数に応じてより大規模かつ躍動的、劇的な動作が行われる事も判明しています。動作終了後のマッケンジー博士のMSP測定の結果は常に10未満の値を示している事から、マスカレイド・イベントによる動作とマッケンジー博士のMSPの減少の相互関係があると推測されますが、マッケンジー博士はあくまでも自身と異常性質の関連性を否定しており、非収容下での通常職務の継続を希望しています。
補遺 01-001: マスカレイド・イベント録画記録
補遺 01-002: 既知のマスカレイド・イベントの記録例発生日時: 2013/3/14
参加人数: 5人
内容: サンバ
所要時間: 6分-00:30 サイト-17職員用ラウンジにおいて、マッケンジー博士がヴァン博士と議論を行っている。
-00:16 コルベット研究助手が現れ、マッケンジー博士に何かを伝える。
-00:05 ヴァン博士がマッケンジー博士を指さし、笑い出す。
00:00 イベント開始。マッケンジー博士は白衣を脱ぎ、その下に着込んでいたサンバコスチュームを露出する。コルベット研究助手及びヴァン博士が「What the f-」と叫んだ後、白衣を脱いでサンバコスチュームとなる。
01:38 イベントはラウンジ全体にまで広がる。現場を通りがかったギアーズ博士までもがイベントの影響下に陥り、笑顔でサンバを踊り出す。
06:00 イベント終了。遠巻きにイベントを観察していたエージェント・ジョリッチが拍手を送る。
日付 | 参加人数 | 内容 | 所要時間 | メモ |
---|---|---|---|---|
1999/7/30 | 4人 | サンバダンス | 12分 | マッケンジー博士が財団に雇用されてから初めて発生した事例。当初はAnomalous現象として処理された。 |
1999/12/24 | 7人 | タップダンス | 25分 | タップ音によりクリスマス・キャロルの演奏が忠実に再現された。 |
2000/1/1 | 1人 | パラパラ | 1分半 | 発生時マッケンジー博士はサイト-██第8研究室において休日返上で単身書類整理業務に従事していた。マッケンジー博士は当該事案についてのインタビューに黙秘を続けた。 |
2000/4/1 | 19人 | 組体操 | 40分 | 二次元波、扇4つ、五段円塔、ピラミッドが連続して行われる。トレビュシェット博士がピラミッドの最上部に直立した時点で参加者の盛り上がりは最高潮に達した。 |
2000/5/15 | 5人 | 『漕げよお船を』合唱 | 2分半 | フィールドワークのため市街地を徒歩で移動している最中に発生。目撃した一般人からは路上パフォーマンスと解釈され、3ドル16セントを得る。イベント後目撃者全員に記憶処理が施された。 |
2000/8/26 | 14人 | フラメンコ | 37分 | マッケンジー博士がクレフ博士と会話を交わした後に発生。マッケンジー博士は当該事案についてのインタビューに黙秘を続けた。 |
2000/11/23 | 35人 | 集団での七面鳥の調理 | 2時間10分 | 当該事案が発生した日は感謝祭だった。 |
2000/12/24 | 76人 | タップダンス | 50分 | サイト-██で行われたクリスマスパーティーの最中に発生。SCP-XXX-JP-Jクリアランスを有しない職員には突発的な催しの一つとして偽装・処理された。 |
2001/5/1 | 2人 | 『スムーズ・クリミナル』 | 4分 | ゼロ・グラビティを行おうとしたマッケンジー博士が転倒し、全治二日の軽傷を負う。 |
2001/6/17 | 4人 | ダブステップ | 15分 | マッケンジー博士がジェラルド博士の車両操縦を目撃し、MSPが急上昇した事が発生原因と推測される。運転中のジェラルド博士もマスカレイド・イベントの影響下に陥り車内で動作を始めた結果[編集済]、サイト-██車両格納庫及び車両7台に甚大な損害が生じた。 |
2001/7/4 | 90人 | アメリカ合衆国国歌斉唱 | 3時間50分 | 当該事案が発生した日はアメリカ建国記念日だった。 |
補遺 01-003: 2008/2/14に発生したマスカレイド・イベント『プレゼント交換』において、マッケンジー博士はクレフ博士に手作りの菓子を渡そうとしたところ拒絶されました18。この直後マッケンジー博士は極度の苦痛を示し、MSPの急激な上昇に伴い新たなイベント『マクンバが起源と思われる呪術的儀式の実行』が発生し、当時サイト-17で勤務していた職員全員が巻き込まれる事態へと発展しました。保安職員までもが上半身裸になりながら暗黒舞踏を踊り出した事により施設機能は5時間以上に渡り停止した上、儀式完了時に召喚された[編集済]によりサイト保安システムが断絶し多数のオブジェクトの収容違反に繋がりました。この事件により、レイチェル・マッケンジー博士は再評定及び再承認まで最低6ヶ月間の休職処分となりました。
補遺 01-004: 2008/2/14 マスカレイド・イベント後に実施されたインタビュー記録より抜粋
私はギアーズからブリキのオモチャを貰ったわね。今もデスクの上に飾ってあるわ。 - ライツ博士
アイスバーグ博士からレディオヘッドのCDアルバムを頂きました。タイトルは『OKコンピュータ』です。 - ギアーズ博士
えーと、私は誰から貰ったんだっけなぁ……すまない、よく覚えていないんだ。 - アイスバーグ博士
僕ってそんなに特徴無いですか? - エージェント・ラメント
ストレルニコフから変な勲章を貰ったぜ。イベントが終わってすぐ焼却炉に捨てたけどな。 - コンドラキ博士
ロジェからCD-Rを受け取ったが、パソコンで開いてみると変なgif動画が詰め込まれていた。あれは私への思想攻撃か? - エージェント・ストレルニコフ
クロウ教授からテニスボールを貰いました……ヨダレでベトベトになっていましたよ。ええ。 - ロジェ博士
私はブライトからバナナを貰ったよ。ヨダレでベトベトだったけどね。 - クロウ教授
ウキーッ!ウキキーッ! - ブライト博士
今度私にナボコフ作品を渡したらぶん殴るわよ! - トレビュシェット博士
すまない。 - O5-██
[激昂状態のためインタビュー不能。再聴取日時は未定] - SCP-076
弟に手編みのセーターを渡したよ。ウールだから今の季節にぴったりじゃないかな。 - SCP-073
忌まわしい風習め……プレゼントだと……虫けら共が…… SCP-682
トカゲさんにクレヨンをあげた後、大魔導士クレフに魔法のステッキを貰ったの! - SCP-239
補遺 01-005: 2008/2/14 マスカレイド・イベントの余波
当該マスカレイド・イベント以降、マッケンジー博士及びその職務に対する懐疑的な主張が蔓延しています。これは事情を知らないDクラス職員から自然発生したものと考えられ、事件に関する情報を隠蔽するためにDクラス職員への思考検閲及び終了が実行されました。しかし既に上級・下級を問わずサイト内の全職員にこの事実が周知されており、一部の職員は「無理矢理変なダンスを踊らされた上記録されるなんて耐えられない」と主張し、またこのような噂がマッケンジー博士の耳に入る事でMSPの更なる急上昇事案にも発展しています。
補遺 01-006: 人事ファイル注記
彼女があれを耐えぬくことを期待してはいけませんし、何者によっても傷つけられてもいけません。彼女のような人間の困ったところは何もかもを記憶しているということです。彼女は一度見たものを忘れることができませんし、するつもりもありません。そして彼女は残された人生のあいだ、ずっとそれを背負っていくのです。これに対してできることは、彼女を現役から退かせることだけです。
████ ████博士
サイト-██管理者
補遺01-011: 人事ファイル注記
傷付けられていようといまいと、我々には彼女が必要だ。彼女の生き死には神のみぞ知ることであるし、より重要なのは彼女自身が仕事に復帰したがっていることだ。
話したように彼女は再承認されている。望むならデスクワークを課すのだ。しかし働かせ続けるように。我々には彼女のような人間が必要なのだ。
O5-██
補遺 01-012: 人事ファイル注記
承知しました。ですがもし彼女が一線を越えてチーム全員としたら、私は袋をもたせたままにしておくつもりはありません。
████ ████博士
サイト-██管理者
補遺 01-013: 人事ファイル注記
袋とは何を意味するのか?
O5-██
補遺 01-014: 人事ファイル注記
バレンタインでここまでの事態が発生したのであれば、次のXデーはクリスマスだと予測されます。あとはご想像にお任せします。
████ ████博士
サイト-██管理者
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを含むビルは財団フロント企業により買収され、入口は常に封鎖されます。近隣住民に対してはカバーストーリー“指定暴力団所有物件”を流布しビルへの侵入を防いでください。機動部隊と-8“清掃ボランティア”は定期的にビル周辺を巡回し、SCP-XXX-JP由来のビラ及びステッカーを除去します。
説明: SCP-XXX-JPは東京都荒川区西日暮里████ビルディング3階のスペースです。ビルのテナント情報によると当該スペースには「アクメ喫茶西日暮里」という事業者が入居しています。
方向性:
- 少年漫画における打ち切り連載のテンプレをミーム化
- 発生源は特定のアイテムにすべき
- 若干寒いかもしれない、もっとはっちゃけよう
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス:
特別収容プロトコル: 機動部隊-“打ち切り”は全国の医療機関と連絡を取り、SCP-XXX-JPの症例の発見に努めて下さい。既知のSCP-XXX-JP-1実体はサイト-81XXに収容されます。SCP-XXX-JP-1と接する職員は事前に改良対抗ミーム-を摂取して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは主にヒトを媒介とする強毒性・伝染性ミームです。SCP-XXX-JPの影響下にある対象はSCP-XXX-JP-1に指定されます。SCP-XXX-JPは感染者の精神に多大な影響を及ぼす事が判明しています。例として、あるSCP-XXX-JP-1からは自身が置かれた状況を説明するための独り言・仮想敵の設定及びそれが周辺環境に甚大な被害を及ぼすという妄想・仮想敵を制圧するだけの能力が自身に備わっていると錯覚し、あらゆる妨害を排除するために問題行動を起こすなどといった症状が観察されました。SCP-XXX-JPの症状はクラス記憶処理を行う事によって寛解しますが、いくつかの事例では症状が再発する事が確認されています。
- SCP-XXX-JPの発生源
補遺: インタビューログ
質問者:██博士
回答者:SCP-XXX-JP-1-36
補記: SCP-XXX-JPの症状を観察するため、当インタビューで██博士はSCP-XXX-JP-1-36に否定的な発言をする事を禁じられている。<録音開始>
██博士: こんにちは、SCP-XXX-JP-1-36。具合はどうですか?
SCP-XXX-JP-1-36 オレの名はカケル19 !五歳の時キャンプで訪れた富士山麓で発見したネックレスを身に着けた途端、それまで眠っていたサイコパワーに目覚めたごく普通の高校生さ!
██博士: はあ、そうですか。
SCP-XXX-JP-1-36 ある日、学校の旧校舎に封印されていた太古の怪物たちを偶然解き放ってしまってから俺の学園生活は大ピンチ!迫り来る悪霊、逃げ惑う同級生たち……誰も傷つけさせやしねえ!この学校の平和はオレが守るんだ!
██博士: そうですね。
SCP-XXX-JP-1-36 最初の敵、骸骨恐竜スカルノドンとの戦いではクラスメイトで幼馴染のアキコが巻き込まれてしまった!サイコパンチでスカルノドンを倒した後すぐにおんぶして保健室に運んだが、なんと保健の先生の正体は秘密結社バーバリオンの四天王バビロンだった!アキコを守るためオレはバビロンと戦ったが……って聞いてるのか?
██博士: 聞いてますよ。
SCP-XXX-JP-1-36 バビロンとの死闘を乗り越えなんとかアキコは回復!しかし後遺症によりアキコに眠っていた癒しのパワーが目覚め……おっと!カンダガワ博士からの呼び出しだ!オレは研究所に戻らなきゃいけねえ!またな![SCP-XXX-JP-1-36立ち上がり、ドアへと向かう]
██博士: はい。
[SCP-XXX-JP-1-36がドアを開こうとするがロックされていたため開かず、乱暴にドアノブを叩く。保安要員が入室し、SCP-XXX-JP-1-36を拘束した後収容室へと連れ戻した]
録音終了
方向性:
- 設置者の創造力を用いて未確認生物を生成する装置
- つちのこばかり出てくるのはそういうサジェストが行われているため(ミーム?)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-XXの標準収容コンテナに収められます。
説明: SCP-XXX-JPは120立法センチメートルのケージ型の箱罠です。側面には『東弊重工社謹製 CL-0018-呂 つちのこホイホイ』と刻印された銘板が付属しています。SCP-XXX-JPが人間の手により屋外に設置されてから24時間以内にその内部にSCP-XXX-jp-1が捕えられた状態で出現します。
SCP-XXX-jp-1は全長最大2メートルで太い胴を持つヘビに似た生物で、一般的につちのこと呼ばれるされる未確認生物を想起させる姿形をしています。実験環境下におかれたSCP-XXX-jp-1の観察結果は、ニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)とほぼ同一のデータを示します。しかしながらSCP-XXX-jp-1は遺伝学的・解剖学的に既知のあらゆるヘビ目の生物と一致しない特徴を示します。
SCP-XXX-JPは20██年、GOI-東弊重工と関連があるとされる施設への捜査により発見されました。接収当初はSCP-XXX-JPの特性について知られておらず、鑑定後長期にわたり非異常物品収容庫に保管されていました。SCP-XXX-JPの異常性質が判明したのは接収から1年が経過し、収容庫内の清掃のためSCP-XXX-JPが一時的に庫外に出された時でした。この時屋外に置かれてから約2時間でSCP-XXX-jp-1が出現した事でSCP-XXX-JPの再鑑定が行われ、改めてSCPに分類されました。
補遺:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 財団フロント企業「スーパー・チョップ・プロダクション」はSCP-XXX-JPの筆頭スポンサーとして資金援助を継続し、SCP-XXX-JPに対しイベント会場への優先的な興行誘致を行います。
機動部隊い-9“燃える闘魂”は全国のチケット販売事業を行う会社と連携を取り、SCP-XXX-JP興行のチケット販売委託実績を調査します。SCP-XXX-JPからの委託が確認された場合、直ちに財団資産を用いてすべての前売り券を購入してください。追加で販売されたチケットに関してもこれに準じます。また民間企業・個人によるSCP-XXX-JPとの接触の試みは事前に当該部隊による介入を受け、関係者にはAクラス記憶処理が行われます。
SCP-XXX-JPの興行中は会場内への一般人の立ち入りは制限され、告知された観客定員数の2/3を満たす人数のDクラス職員を派遣し、試合終了まで観戦させます。動員数が告知された数の2/3に満たない場合は財団フロント企業の人員を派遣し、一時的にレベルEクリアランスを与え不足人数に充当します。この場合、興行終了後に当該Eクラス職員のセキュリティクリアランスを剥奪し、クラスA記憶処理薬を投与してください。上記Dクラス・Eクラス職員及び収容にあたる全職員には会場への入場前に標準対抗ミームの摂取が義務付けられ、試合終了後はSCP-XXX-JP-1による会場内清掃に協力しSCP-XXX-JP-1の消失を促してください。
SCP-XXX-JP-1へのインタビューを希望する職員は格闘技情報サイトの運営者に偽装した上で試合開始前にSCP-XXX-JP側へ通達する必要があります。インタビューは試合終了後に行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは複数のヒト型異常実体により運営されるプロレス興行団体です。SCP-XXX-JPは『すさのおプロレス』の名称を用いて、年に3~5回程度のペースで興行を行います。財団によるSCP-XXX-JP収容以前は主に国内の室内競技場やイベント会場が興行会場として選ばれていましたが、財団フロント企業によるSCP-XXX-JPへの継続的な資金提供の結果同企業がスポンサーとなり20財団所有のイベント会場への興行誘致に成功、現在の収容方法が確立されました。SCP-XXX-JPは興行を行う際、全国のチケット販売事業を行う会社に興行における試合会場・出場選手・観客定員数の告知と前売り券の販売を委託します。現在、既知のチケット販売事業との連携によりこれらの情報は興行前に財団に掌握され、民間人への前売り券販売及び告知はなされていません。SCP-XXX-JPによる興行試合ではSCP-XXX-JP以外の団体に所属する選手が出場する事はなく、またチケットの販売及び告知の委託・会場設営・会場内でのグッズ販売はすべてSCP-XXX-JP-1によって行われています。この事からSCP-XXX-JPは自主興行により運営していると推測され、財団フロント企業による資金提供の継続は収容違反の予防に効果があると期待されています。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの構成員を指します。これまで確認されているSCP-XXX-JP-1にはレベル2~4現実歪曲実体、レベル1~2妖魔実体、レベル3ミーム実体、[編集済]、██ ██21 が含まれ、この他にも低脅威度の異常なヒト型実体が多数確認されています。SCP-XXX-JP-1は試合開始の3時間前に告知された会場内に実体化し会場設営を行います。また興行が終了後は会場内の清掃を行い、清掃終了後に消失します。各興行の試合開始30分前までにチケットの売り上げ枚数及び会場内の観客数が告知された定員の2/3を越えない場合、SCP-XXX-JP-1は会場外の人員を暴力的・ミーム的手段を用いて拉致し、観客定員数を満たそうとします。拉致された人員は全員観客席に座る事を強制され、試合終了まで解放される事はありません。SCP-XXX-JP-1は興行及び人員の拉致を阻止する試みに対しても同様に振る舞う事が確認され、これまでの所阻止に成功した事例はありません。
通常、SCP-XXX-JP-1へのインタビューの試みは丁重に拒絶されます。これを無視してさらにインタビューを試みた場合、会場内のSCP-XXX-JP-1全員から顔を平手で打たれるという結果に終わりました。例外的に報道関係者又は個人のライターに偽装した上でのインタビューはSCP-XXX-JP-1から歓迎される傾向にあります。
補遺: 主なSCP-XXX-JP-1の情報識別番号 | 氏名またはリングネーム | 注記 |
---|---|---|
SCP-XXX-JP-1-1 | キングSUSANO | SCP-XXX-JPの発足者。選手会長を務め、率先してパフォーマンス・観客の拉致・グッズ販売を行う。 |
SCP-XXX-JP-1-2 | ヤマタキッド | SCP-XXX-JPの花形レスラー。得意技は背中に生えた4対の触手を用いて行う“八方固め”。 |
SCP-XXX-JP-1-3 | アサシン百地 | 凶器攻撃(爆発物含む)や観客・インタビュアーに対する暴力的言動が目立つ。百地忍軍なるチームを率いている。 |
SCP-XXX-JP-1-4 | ブブイ テツイキ | 全試合のレフェリーを担当。度々選手から理不尽な暴行を受ける。 |
SCP-XXX-JP-1-6 | ゴールデン思井 | 頭部がMacintosh 128Kに置換されている。頭脳派との呼び声が高い。 |
SCP-XXX-JP-1-10 | ナカタ・タケミ | SCP-XXX-JP発足時から所属。両腕に未知の素材で作られた義手を装着している。 |
SCP-XXX-JP-1-11 | ウラヌス鬼頭 | 2012年秋田興行における特別試合“ノーロープ[削除済]爆破デスマッチ”での解説によればSCP-XXX-JP-1-21と因縁があるとされる。 |
SCP-XXX-JP-1-15 | Mr.ヒルベルト | 姿を直視したD-クラス職員全員とエージェント2名が重度の認識災害の影響を受ける。エージェント2名は現在療養中。 |
SCP-XXX-JP-1-18 | ハチマンマン | 九州で行われる全興行において、自身の現実改変能力を用いたファンサービスを行う。 |
SCP-XXX-JP-1-21 | ピーチ仮面 | 試合中不利になると低脅威度の実体を最大3体召喚し自身のサポートに当たらせる。 |
SCP-XXX-JP-1-29 | 犬田犬彦 | 視覚補強装置を用いて観察した結果、柴犬であることが判明した。 |
SCP-XXX-JP-1-32 | TAKERU | 2009年大阪興行での試合中、相手選手が生成したワームホールに投げ込まれる。 |
SCP-XXX-JP-1-37 | 阿兎夢 | “ワニ殺し”を得意技とするが地球大気圏下での使用を禁じられている。 |
補遺2: インタビュー記録: 200X/5/24
対象: SCP-XXX-JP-1-10
インタビュアー: エージェント███
付記: このインタビューは同日のナカタ・タケミ対アサシン百地戦終了後、勝利者インタビューに偽装して行われた。
<録音開始>
エージェント███: お疲れ様です。本日の試合はいかがでしたか?
SCP-XXX-JP-1-10: あー、まあな。[息を整える]百地は手強い相手だったが、あいつは信心がねえからな。まぁ実力では互角だったが、最後は俺の方に運があったな。
エージェント███: ナカタ選手の敬虔の念はSUSANO会長にも高く評価されていましたね。
SCP-XXX-JP-1-10: まあ……会長はおっかねえが、俺達のそういう……何だ、まあ、細かい部分も見てくれるからな。エージェント███: 成程。会長とナカタ選手は団体旗揚げ以来の長い付き合いですから-
SCP-XXX-JP-1-10: もっと長え。[笑い]もう何年どころの話じゃねえな。会長の兄弟とはいい思い出がねえけど、会長は実力だとかそういうので俺を評価してくれたんだよ。会長がプロレスやるぞって言い出した時も俺ぁすぐ加わった。エージェント███: それは興味深いですね。ナカタ選手はどのような心境で加入なされたのですか?
SCP-XXX-JP-1-10: 会長はよ、俺達の力は自分勝手に使うんじゃなくもっとこう……応援じゃなく……とにかく、強い偉いってふんぞり返ってねえでテメエより弱いもんのために使えって言ったんだ。会長は俺に弱いもんを楽しませる力があるって誘ってくれてよ……会長がそう言ってくれなかったら俺ぁ今頃ぼんくらしてたな。[笑い]
エージェント███: すさのおプロレスに歴史ありですね。最後に観客席の皆様に向けて一言お願いします。
[SCP-XXX-JP-1-10がエージェント███からマイクを受け取る]
SCP-XXX-JP-1-10: あー……お前ら、お前らの声援のお蔭で勝つ事が出来たぜ、まあ次もお前らの応援期待してるぞ!いくぞ!4、5、6、[ミーム除去のため編集済]
<録音終了>
改善すべき所:
- もっとえげつないオチを付けるべきか?
- 実験対象への恩恵が強い?もっとどうでもいい物寄越すとかそういう方向に行くべき?
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの周辺は残土処理場に偽装され、無認可の立ち入りを制限します。財団エージェントは定期的に巡回を行い、民間人の侵入を防止してください。回収されたすべてのSCP-XXX-1-JP実例は検査の後一般的な方法で処理されます。
説明: SCP-XXX-JPは██県██村███山中の地表に開いた直径10cmの穴です。SCP-XXX-JPの内部からは幅8センチの藁縄が約10メートルほど表出しています。SCP-XXX-JPの深さ及び藁縄の全長は不明で、探査機による計測はいずれも有意な結果を示していません。表出している藁縄の中間箇所には赤い染料で付けられた目印がつけられており、また稚拙な筆跡で『うんとこどっこいしょ』と記された札が括りつけられています。
一人の対象が藁縄を把持した状態で札を読み上げた場合、藁縄はSCP-XXX-JPの内部へ牽引されます。牽引力は一定でなくおよそ200N~1000Nの間でランダムに変動します。藁縄の目印が付いた箇所がSCP-XXX-JP開口部まで牽引されるか、把持した人物が縄を穴から5mほど引きずり出した時点で牽引は停止し、その後5秒の時間をかけて藁縄の表出部分が反応開始以前の長さになるまでSCP-XXX-JPから排出されるか更に強い力で牽引されます。この一連の現象をXX・イベントと表記します
XX・イベント終了後、SCP-XXX-JPから物品(SCP-XXX-1-JPに指定)が排出されることがあります。排出されるSCP-XXX-1-JPは内容は一定でなく、どのようにして決定されるかは不明です。
実験記録XXX: XX・イベントの調査
██/██/██:
対象: エージェント████ 女性、身長153cm、体重51kg
結果: 開始から30秒で対象が縄を5m牽引する。
SCP-XXX-JP-1の詳細: 瓶コーラの王冠1つ。
██/██/██:
対象: エージェント█████ 男性、身長172cm、体重69kg
結果: 開始から18秒で縄が目印の部分まで牽引される。
SCP-XXX-JP-1の詳細: アブラゼミの抜け殻1つ。
██/██/██:
対象: D-XXXXX 男性、身長165cm、体重51kg
結果: 開始から7秒で縄が目印の部分まで牽引される。
SCP-XXX-JP-1の詳細: ニンジン2本。分析の結果、通常よりも高い栄養価を示した。
██/██/██:
対象: D-XXXXX 男性、身長183cm、体重90kg
結果: 開始から9秒で対象が縄を5m牽引する。
SCP-XXX-JP-1の詳細: なし。代わりにSCP-X-JPから屁のような音が発生した。
██/██/██:
対象: D-XXXXX及びD-XXXXX
結果: XX・イベントは発生しなかった。一人の対象による把持及び読み上げが必須条件と考えられる。
SCP-XXX-JP-1の詳細: N/A
██/██/██:
対象: ██博士 女性、身長167cm、体重64kg
結果: 開始から約15分で縄が目印の部分まで牽引される。
SCP-XXX-JP-1の詳細: シロツメクサを編んで作られた花輪1つ。現在██博士のオフィスに飾られている。
██/██/██:
対象: ██ █ 男性、身長114cm、体重20kg22
結果: 開始から約一分で対象が縄を5m牽引する。
SCP-XXX-JP-1の詳細: 明らかにSCP-XXX-JPの直径より大きいキャベツ1玉
██/██/██:
対象: ランドクルーザー1台 あらかじめ藁縄の端をウインチに括り、 D-XXXXXがXXX・イベントを発生させた後に作動させる。
結果: 開始から13秒で縄が目印の部分まで牽引される。その後D-XXXXXの操作ミスによりXXX・イベント終了後も縄は牽引され続け、約18秒後に縄の末端部がSCP-XXX-JP-1と共に排出される。
SCP-XXX-JP-1の詳細: 200体以上のアナウサギ(Oryctolagus cuniculus)の死体。各個体の解剖の結果すべての個体が強力な負荷により全身の筋組織が断裂していた事が判明。この事例以降SCP-XXX-JPの異常特性は見られなくなった。
事案記録 ██/██/██:
██/██/██ 実験終了から1ヶ月後、SCP-XXX-JPから新たなSCP-XXX-JP-1が突如出現しました。(SCP-XXX-JP-1-Aに分類)SCP-XXX-JP-1-Aは丸められた紙であり、以下の内容が記されていました。
おねがいころさないで
この事案を受け、財団倫理委員会によりSCP-XXX-JPの全ての実験は禁止される事になります。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在サイト-8104保管棟の収容コンテナに保管されています。 20██/██/██に行われたインタビュー以降、SCP-XXX-JPを用いる実験は主任監督官の承認が必要となります。 現在SCP-XXX-JPはその異常特性を喪失しています。主任監督官の申し立てにより、現在保安期間を設け再評価の延期がなされています。詳細については補遺4を参照してください。
説明: SCP-XXX-JPは約16世紀頃に作られたと推測される4枚の襖です。適切な寸法の鴨居及び敷居に設置し開放することで、開放部からSCP-XXX-JP-1に指定される未知の空間を観察することができます。SCP-XXX-JP-1内には時折SCP-XXX-JP-2に指定される人間型実体が出現します。SCP-XXX-JP-1の内装及びSCP-XXX-JP-2は安土桃山時代における武士階級のものと一致する文化・風俗・言語様式を示しています。SCP-XXX-JP-2実体群は収容初期においては敵対的でしたが、幾度かの接触の後SCP-XXX-JP-2Eと石橋博士との間で交渉がなされ、以降すべての実体が協力的になりました。
SCP-XXX-JP開放部を経てSCP-XXX-JP-1へ侵入を試みた場合不可視の障壁に阻まれ失敗します。ただしSCP-XXX-JP-2とその所持品は一切の干渉を受けずに通過する事が可能です。
SCP-XXX-JPは██市████会館において、「襖を開けたら侍が出てきて襲われた」という通報が地元警察に寄せられたことで発見されました。事件当時████会館では██市の指定文化財である██城築城400年を記念した式典が催されており、それまで保管されていたSCP-XXX-JPが特別に設置・一般公開されていました。収容開始までに警備員1名と観光客2名、警察官1名がSCP-XXX-JP-2実体に襲われ、内一人が死亡しています。この事件のすべての目撃者にクラスA記憶処理が施され、カバーストーリー"通り魔の凶行"が流布されました。
実験記録 - 日付20██/██/██
実施方法: サイト8104第6実験室にSCP-XXX-JPを適切に設置。指示を与えられたDクラス職員によりSCP-XXX-JPを開放する。
結果: SCP-XXX-JP-1内からSCP-XXX-JP-2が1体出現(以下SCP-XXX-JP-2Aと表記)、以下一部を現代語に訳した記録の写し。
SCP-XXX-JP-2A: うぬら何やつ!ここを兵庫頭23 様の城と知っての狼藉か!
D-50029: な、何、何だこいつ?時代劇?
石橋博士: D-50029、指示通りに、決して手を出さないで。
SCP-XXX-JP-2A: 何じゃそのなりは!伴天連か!伴天連が忍びを放ちおったか!
D-50029: 何?何言ってんだ?
石橋博士: いえ、私達は伴天連でも忍びでもないで……ござる。
SCP-XXX-JP-2A: たわけ!忍びに相違あるまい!さもなくば盗賊か!
この時点でSCP-XXX-JP-2Aが刀を抜き構える。
石橋博士: 刀を収められよ!我らは忍びではござらぬ!なにとぞ、なにとぞ!
D-50029: 博士まで何言って……
SCP-XXX-JP-2A: ええい埒が明かぬ!忍びじゃ!出会え出会え!
直後、SCP-XXX-JP-1より新たに2名のSCP-XXX-JP-2(それぞれSCP-XXX-JP-2B、SCP-XXX-JP-3Cに分類)が出現、D-XXXXXに襲い掛かろうとする。保安職員が直ちに非殺傷兵器を使用しSCP-XXX-JP-2Aを鎮圧、残りの2体に対し威嚇した。SCP-XXX-JP-2BとSCP-XXX-JP-2Cは保安要員を罵倒しながらSCP-XXX-JP-1内へ退出。職員にケガなし。SCP-XXX-JP-2Aは拘束され、インタビューが試みられたが有意な情報は得られず、人間型標準収容房に収容された。
補遺1: 以降数回の実験において新たな実体(SCP-XXX-JP-2Dに指定)が出現、財団側にSCP-XXX-JP-2Aの身柄の引き渡しを要求した。これまでの実験に立ち会った石橋博士及び財団倫理委員会・サイト-XX管理官による協議の結果、SCP-XXX-JP-2Aに信書を持たせた上て開放する事を条件にSCP-XXX-JP-2の統率者と推測される"兵庫頭"との面談を取り付ける事に成功しました。SCP-XXX-JP-2A解放の際、その衣服に小型カメラとGPS送信機が取り付けられましたが、SCP-XXX-JP-2AがSCP-XXX-JP-1内に侵入した直後に通信が途絶しました。
補遺2: インタビューログ - 日付20██/██/██ より抜粋
質問者:石橋博士
返答者:SCP-XXX-JP-2E
付記: このインタビューはSCP-XXX-JP-2側の要望に応じ、石橋博士以外の人員が立ち会う事なく行われた。また、以降の交渉においても石橋博士を使者に指定し取り交わす旨が告げられた。SCP-XXX-JP-1からはSCP-XXX-JP-2E及び書記と思われるSCP-XXX-2FJPが出現した。以下一部を現代語に訳した記録の写し。
石橋博士: 此度の兵庫頭様の御出向につきましては誠に恐縮……SCP-XXX-JP-2E うむ。配下の者が世話になった手前、城主たる儂が礼を申さずにはおれぬ。かたじけない。
[中略]
石橋博士: かねてより兵庫頭様にお伺いしたい事がありまする。最初に我らについて知ったのは何時の事でしょう?
SCP-XXX-A-6-JP 二月も前であっただろうか……門番が行きすがりの奇妙な行者に問答をかけられてな。そやつめ、問答に応えられぬ内は門前より動かぬと申し煩わせたのよ。埒が明かぬ故困り果てた門番が上の者に伝え、儂自ら吟味する事と相なった。見てみれば薄汚れた身形をした男で、すぐさま強請集りを行い日銭を稼ぐ類の者と分かったわい。かような者は追い払えば他国にてどこそこの城主は吝嗇であると風聞を流し、かといって恵んでやれば犬か猫の様に我が物顔で領内に居着く。故にその行者を引き立て、鞭で打ち殺したのだ。それから暫くし、配下の者が城中に曲者が現れたと言い出した。その曲者こそがその方らよ。
石橋博士: その僧侶が我らと貴殿を引き合わせたと?
SCP-XXX-A-6-JP うむ、他に由が考えられぬ。あの食い詰め者、事切れる間際に城に禍が降りかからんと申しておったが何ぞ怪しげな術でも用いたのやも知れぬ。しかしながらその方は禍を招くわけでもなく、話も通ず。あやつは草葉の陰で歯噛みしておろうな。
補遺3:インシデントログ-20██/██/██
20██/██/██、保管されていたSCP-XXX-JPが突如20秒間振動し、当時保管室内で作業を行っていた職員全員が室外へ退避しました。その後SCP-XXX-JPが損壊し、SCP-XXX-JP-2Aと合計2,8tの土砂を噴出、設備に著しい損害が発生しました。直ちにSCP-XXX-JP-2Aの救出及び治療が行われましたが、圧迫による内臓損傷により治療開始から2分後に死亡が確認されました。以下の文書は救護班到着前に石橋博士によって行われたSCP-XXX-JP-2Aへの事情聴取を一部現代語に訳した記録の写しです。
石橋博士: 何ぞあられた!
SCP-XXX-JP-2A: 山が、帰雲の山が崩れた、地鳴りの後に……わしより殿を、兵庫頭様を……
石橋博士: 只今我が配下の者に土を掘らせておりまする。
SCP-XXX-JP-2A: 早う、早う殿を……[強く咳き込む]
石橋博士: ご無理をなされまするな……医療班はまだか!?
SCP-XXX-JP-2A: うぬにこれだけは……伝えねばならぬ……あの行者じゃ、あやつが山を……
石橋博士: 何だって?
SCP-XXX-JP-2A: 一族が集う機を窺っていたのじゃ……あやつの声が聞こえた……あやつは……[強く咳き込む。これ以降SCP-XXX-JP-2Aは死亡するまで呻き声を上げ、有意な証言は得られなかった]
メモ: 事件後、損壊したSCP-XXX-JPの修復が試みられましたが異常性質を喪失している事が確認されました。石橋博士からの申請に基づきSCP-XXX-JPオブジェクトクラスの再評価は延期され、XXXX/XX/XXの保安検査期間の満了をもって再評価が行われます24 。
補遺4:石橋博士による異議申し立てより抜粋
SCP-XXX-JPにより得られた情報から、私はSCP-XXX-JPが安土桃山時代の岐阜に存在したとされる帰雲城に繋がっていたという推察を立てました。あくまでも推察の域を出ないため、この事は財団倫理委員会及びサイト管理官にのみ伝えています。しかしながら今回の事件により得られた土壌サンプルを解析した所、その組成が岐阜県白川村保木脇地下██mで採取された物と類似している事が確認され、先に述べた推察の蓋然性が高まりました。もし事実であるならば、SCP-XXX-JPを通じてアルファ-3型タイムパラドックスによる過去改変が行われた事も視野に入れなければならず、時空間の乱れの顕現が特定されるまではSCP-XXX-JPが完全に無力化したとは断定できません。またSCP-XXX-JP-2Aから得られた証言から、当異常現象の発生原因と考えられる“行者”にも注意を払わなければなりません。“行者”が現在我々が維持に努めている時間軸に対し能動的に干渉を行い歪曲し得る実体である場合、クラス█時空歪曲実体としてこれを直ちに収容する必要があります。現在“行者”に対する有力な手掛かりはSCP-XXX-JP-2からの供述のみであり、その存在は包括的には実証されていませんが、今後SCP-XXX-JPを通じて新たな証拠が得られる事はないとは限りません。これらの観点からNeutralizedへの再評価は当分見合わせるべきです。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはアクリル樹脂でコーティング処理を施された人間型実体収容房に収容されます。SCP-XXX-JPを許可なく土壌・岩石・金属に近づけることは固く禁じられており、SCP-XXX-JPと接する必要のある職員は事前に身体検査を受けこれらの物品は排除されます。SCP-XXX-JPには人間用標準食糧が与えられ、また言語学習用にいくつかの書籍が編集された上で提供されます。SCPXXX-JPの模範的な振る舞いに対する報酬として、アルミニウムを月500gまで与える事ができます。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPに開示し、翻訳された後に内容を記録されます。 追記: SCP-XXX-JP-1は財団の言語学者により翻訳され、監督官による検閲の後SCP-XXX-JPに開示されます。
説明: SCP-XXX-JPは身長約1.4m、体重約60kgの人型の実体で、全身を覆う黒い毛皮と鉤爪のある四肢などの特徴を備えています。SCP-XX-JPは高い知能を示し、収容当初は既知のいかなる言語系統とも一致しない独自の言語を話しましたが、その後財団が編集・提供した語学用資料を用いた学習を試み、現在英語によるコミュニケーションが可能となっています。
SCP-XXX-JPが土壌・岩石・金属に接触した場合、接触から約1分後にそれらは消失します。この事についてSCP-XXX-JPに説明を求めたところ「返済に充てた」と答えました。更なるインタビューでSCP-XXX-JPは土壌・岩石・金属が流通貨幣として扱われている異次元(以下XXX次元と表記)を起源としており、XXX次元で金銭消費賃借契約による債務不能状態となった事で現在財団が標準次元と認識している次元に出現したことが判明しました。SCP-XXX-JPは██県██岳において約█トンの土壌を消費し小規模な土砂災害の原因となった事で地元行政に潜入していた財団職員の注意を引き、収容へと至りました。
月に一度、SCP-XXX-JP-1に指定される未知の言語が記されたA5サイズ程の紙1枚がSCP-XXX-JPの周辺に出現します。SCP-XXX-JP-1には前回のSCP-XXX-JP-1出現後から今回の発生までにSCP-XXX-JPが消失させた土壌をXXX次元での貨幣価値に換算した額及び負債の残額が記されている他、余白にそれら以外のコメントが記される場合があります。SCP-XXX-JPからの情報提供と財団の言語学者の分析に基づき、いくつかのSCP-XXX-JP-1の翻訳が完了しています(補遺1参照)。
補遺1: SCP-XXX-JP-1の記録より抜粋
200█/10(SCP-XXX-JPの収容開始後初めて発生した事例)
記載された返済額: 3,200プギル25
200█/1 (前月にSCP-XXX-JPに対し純度99.9%のアルミニウム500gを支給)
記載された返済額:** 1,600プギル
200█/12 (この実例が発生するまでの一か月間、SCP-XXX-JPに対し土壌及び岩石は一切与えられなかった)
記載された返済額: 0プギル
メモ: 余白に文言が記された初めての事例。内容は返済額の少なさに対する不満とSCP-XXX-JPの家族へ危害を加える事をほのめかすものだった。この実例発生以降SCP-XXX-JPが示した非協力的な態度を好転させるため、収容プロトコルが改訂され現在の表記となる。
██博士によるメモ: これまでSCP-XXX-JPに与えた鉱石とSCP-XXX-JP-1の記載内容を精査したが、SCP-XXX-JPが抱える負債には一定の利子が掛けられていることが分かっている。与えられた岩石等がXXX次元でどのように換算されているかはまだ不明な部分があるが、これまでの実験記録から純度99.9%のアルミニウムを毎月500g与え続ければ、ギリギリ利子分を払うことが出来ると見積もった。貨幣価値や利率が大きく変動する恐れがあるためSCP-XXX-JP-1から得られる情報には常に注意を払わなければならないが、SCP-XXX-JPの収容を当分の間穏便に継続させるために有意な結果を得る事が出来ただろう。仮にSCP-XXX-JPがあと少しで負債を払い終えるという状況に至った時は我々は非情な判断を下す事も考えなければならない。
補遺2: インタビュー記録
対象: SCP-XXX-JP
質問者: ██博士██博士: こんにちは、SCP-XXX-JP。体調はいかがですか?
SCP-XXX-JP: ああ、悪くない……この次元は悪くないですね。しかし以前伝えた要望通り私を早くここから出して欲しいです。食事や住居の世話をしてもらっている事には感謝しますが、私はまだ300,000プギル以上返済しなければならないのです。
██博士: その要望に沿うことはできません。ただ、あなたが我々にとって良い行動を示す事でいくらか融通する事はできます。
SCP-XXX-JP 家族が恋しい……娘はまだ3歳なんです、分かるでしょう?あなた達から頂ける額では一体いつになったら……
██博士: 今日はいくつかの質問をさせて頂きます、まずあなたが元の次元でプギルを借用した理由からお尋ねしたいのですが。
SCP-XXX-JP: ……仕方がなかったんです。私はしがない板金工で、妻が病気で倒れた時に治療費を一括で払える身分ではなかった。親類縁者も当てにはならない。財産をすべて質に入れても足りず、仕方なく後ろ暗い事だってしました。そうやって四苦八苦して何とか妻は回復しましたが私は……この通りですよ。
██博士: 成程、では貴方はどのような経緯でこの次元に来たのですか?
SCP-XXX-JP: それはですね、私が担保に充てた『元の次元で生活する権利』を差し押さえられたからなのです。債務履行が不能になった場合は別の次元でプギルを稼ぐ事になります。
██博士: 権利を担保に?
SCP-XXX-jp ええ、元の次元では様々な権利を担保にしました。自分の意志で死ぬ権利、公共交通機関を使用する権利、許可なく猫を食べる権利……しかし私は諦めてはいません。必ず返済して、権利を買い直し再び家族と暮らすと……
██博士: あー……もしそれらを行った場合はどうなるんですか?例えばその……仮にあなたが自殺したとすればどうなります?
SCP-XXX-jp 博士、それは非常に重い罪になりますよ。8,000,000,000プギルの罰金が科せられるんです。
[SCP-001-kal補遺: セラピス以降影響を受けたアイテム-第81管区からの報告書]
影響を受けたアイテム | セラピス以前の概要 | セラピス以降の概要 | 再収容されたか? |
SCP-006-JP | 活性化することで半径23m以内に存在する人間の死体を蘇生させる木製のドア。蘇生した死体はSCP-006-JPが不活性化するまでの間、SCP-006-JPを物理的に押さえつけようと試みる。 | 活性化することで半径23m以内に存在する人間の死体を蘇生させる████大学附属総合病院霊安室に位置するドア。蘇生した遺体はSCP-006-JP'が不活性化するまでの間、SCP-006-JP'の施錠を破り、ドアの外への退出を試みる。 | Y |
SCP-022-JP | 様々な教育機関で臨時講師として雇用されていたヒト型の実体であり、その発話・動作を認識した人物の知識及び肉体に異常な影響を及ぼす。 | 2016/11/3に一切の前兆もなくNHK教育系列で放映された番組『ホンナ先生の課外授業』であり、視聴した人物の知識及び肉体に異常な影響を及ぼす。最初の放映以降散発的に放映され、この事実を日本放送協会は把握していない。 | N |
SCP-031-JP | 演説を実践することで聴衆に不可逆的な認識災害をもたらす複数のヒト型実体の集団であり、その主張は『帝国』を中心とする意味不明な意見の集約であるという点で一致する。 | 演説を実践することで聴衆に不可逆的な認識災害をもたらす██党所属の参議院議員の集団であり、その主張は『帝国』による統治への憧憬もしくは崇拝の集約であるという点で一致する。 | N |
SCP-045-JP | 人間に装着した上でその頭頂部をバーコードリーダーを用いて読み取ることにより、指定されたwebサイトでその人物の個人情報を閲覧できるパーティーグッズの鬘。 | 人間に装着した上でその顔面をデジタルカメラで撮影することにより、画像に映り込んだQRコードにより指定されるwebサイトでその人物とタレント梅宮辰夫との関連性についての情報を閲覧できるパーティーグッズのマスク。 | Y |
SCP-062-JP | ███に位置する放棄された鉄塔から半径███km以内に居住する無作為に選出された住民の間で発生した一連の認識災害現象であり、感染から3日ないし7日で対象の死亡へと繋がった。 | 東京都千代田区に位置する最高裁判所から半径███km以内に居住する無作為に選出された住民の間で発生する一連の認識災害現象であり、感染から3日ないし7日で対象の身体部位が自然発生的に追加される。 | N |
SCP-070-JP | ███市内の集合住宅に設置されたメンテナンスハッチであり、侵入した人物は直ちに███市郊外のペットショップ跡地と同じ間取りの異常な空間へと移動する。 | ワンワンワン ワンワンワン ワンワンワワワン ワンワンワン | 僕らはイヌだぞ 元気だぞ がぜんやる気が でてきたぞ |
SCP-094-JP | その血液中にマイクロサイズの魚類が棲息している日本人男性。これまでに6000種以上の魚類が発見されており、SCP-094-JPの体調と海洋環境との密接な関係を観察されている。 | SCP-094-JP'はその消化器官の容量を明らかに越える量の海水を嘔吐し、セクター-27の広範囲を浸水させる。回収された海水のサンプルからは新たに人間の脳組織に類似した神経系を有する未知の頭足類が発見された。 | Y |
SCP-100-JP | メキシコ、ユカタン州に所在する廃屋の一室であり、その構成は現在の主流科学により理解される宇宙空間及び惑星と物理的に同期している。 | SCP-100-JP’内にそれまで発見されなかった新たな恒星が出現する。この恒星は観測上みずへび座超銀河団に位置するものと考えられる。[データ削除済] | Y |
SCP-111-JP | 発話が可能な陶器製の貯金箱であり、硬貨を投入すると更なる投入を求める。内部が十分に充填されないまま放置された場合に爆発し、その後元の形状に戻る。 | 発話が可能な陶器製の貯金箱であり、人間の対象を発見するとその口腔より強引に体内に入り込もうとする。体内に入り込んだSCP-111-JP'は対象の生死及び自身の形状に関わらず自己増殖を続け、消化器官の容量限界に達した時点で一斉に爆発し、その後元の形状に戻る。 | Y |
SCP-127-JP | 特定の時間帯にキリスト教聖歌を歌唱する石製の地蔵。時折歌唱の代わりに自身の出自に関すると考えられる独白を行う。 | 特定の時間帯にエレコム社及び子会社が所有するすべての自社株式の推移を独白する石製の地蔵。時折独白の代わりに浜田省吾の楽曲"MONEY"を歌唱するが、この場合翌日の東京証券取引場におけるエレコム社及び子会社の全株式の相場価格が急激に上昇する。 | N |
SCP-135-JP | 大晦日の特定の時間に極稀に発生する防火警報であり、内容に一貫性は見られないが財団研究員によれば翌年の発生地点周辺における重大な事故もしくは災害との因果関係があるとの見解がある。 | 2016/11/3PM4:00、日本各地に設置された防災サイレンから男性の笑い声が放送される。放送は約10分間続き、民間に対しては放送事故として処理された。 |
事案報告_2016/██/██
天王星軌道上に新たなSCP-904-JP実体が出現。実体はそれまでの特徴と異なり12cmCDとして観測される。そのサイズから当初は宇宙塵と思われたが、他の実例と同様に地球に向けて運動している事、光沢面の反射、発生に伴い新たな電波信号が受信された事によりこれまでのオブジェクトと同様にSCP-904-JPの一形式であると判断される。以下、新たに受信した電波信号の写しを記す。
平素より南海ピザデリバリーズ・ザ・ギャラクシーをご利用頂き誠にありがとうございます。この度、現在当社が行っている『冬の贅沢クアトロチーズキャンペーン』の一環として放映されているコマーシャルで用いられた『Get ya pizza』の音源発売が決定いたしました。つきましては日頃お世話になっている皆様に製品版をいち早くお届けする次第です。今後とも南海ピザデリバリーズ・ザ・ギャラクシーへの変わらぬご愛顧の程宜しくお願いいたします。
『Get ya pizza』 ピザ・K feat. トゥパック・シャクール
ヘイ ヨー 俺はピザ・K。今日のゲストはマジクール、その名もシャクール、お前も来ーる?奴のラップは超スペシャル、ベビーなフェイスは超プリティ。マッポもマッハで逃げ出す熱いアイツのラップ、満を持しての登場だ、トゥパック・シャクール!
You mind only that a company succeeds, / お前は会社が成功する事ばかり気にしているが、
You pay to calling me at the fucking place. / 俺をこんなクソみたいな場所に連れ出した代価を払うべきだ。
You don't think the profit of the whole. / お前は全体の利益を考えちゃいない。
Your justice - / お前の正義は-ヘイ ヨー トゥパック・シャクール、グッドなリズム、ポエットなラップ、クールな男、それがトゥパック・シャクール。
ピザ・Kだって負けちゃいない、誰も見た事ないラップをやるぜ イェー。Fucking man,Don't join my-/ クソ野郎、まだ途中-
ここは南海、なんかいーピザ売ってる。顧客はいつも大喝采、ピザ屋の本懐、最高の舞台。
Grimy pizzeria going out of biz-/ 薄汚いピザ屋なんて潰れろ-
オーガニック野菜、フレッシュな具材、香ばしい小麦粉の生地、そんじょそこらのピザじゃ通じないクオリティ。
Aw- / おい-
業績はいつだって上々、投資するなら南海に決めろ。南海はバンバングングンズイズイ-
YOUR SHITTING RHYME IS FUCKING MY BRAINS! / お前のクソライムは俺の脳味噌をファックしやがる!
南海ピザ、何かいーピザ、美味そうなメニューは大体売れ筋。
Screw you,I get ya pizza. / クソ野郎め、お前のピザはもらったぜ。
ヘイ ヨー 聞いたか奴のラップ。マジクール、トゥパック・シャクール。これが本場のギャングスタ、南海はピザ界のファンタジスタ。CM効果でメニューも豪華、投資は何か良い調子、押さえておくなら今がチャンス、逃すなこのビッグウェーブ。
南海ピザはナンバーワン。南海ピザ、何か良い。イェー。
追記: 事案報告_2016/██/██より2日後、サイト-23で収容下にあるSCP-2137の定期メンテナンスにおいて以下のSCP-2137-1実例が確認された。
Damn. / クソが。
二人の男が対峙していた。一方は野球用ユニフォームに身を包んだ大きな鼻の白人男性、もう一方は財団支給のジャンプスーツを来た日本人男性。間もなく日が暮れようとしているサイト-81██併設野球場の前に、彼らはいた。
「待ってくだサーイ、ミスター安仁屋!どうしてもユーの力が必要デース!」大鼻の白人―――もとい、神山ベーブ蔵はジャンプスーツの男へ哀願する。身振り手振りも交え、なんとか口説き落とそうと苦心するが、相手は何も語らずただ俯いていた。「次の日米対決では前回以上の苦戦を強いられマース!アメリカチームは動くサボテンをドラフトで加入させたと聞きマース!なんとそのサボテンはラジオも出来るそうデース!ユーがピッチャーとしてマウンドに立ってくれなければ、日本チームのメンバー全員が試合中にラジオで実況を聞かされるハメになりマース!」
ベーブ蔵の必死の交渉にジャンプスーツの男は目を伏せて地面に伸びる己の影を見つめながら、弱弱しい声を出した。俯き翳るその顔からは表情を読み取る事は出来ず、ベーブ蔵が覗き込むためにはその188cmの巨体を折り曲げ無ければいけなかった。「私には……関係ない話です」拒絶。グラウンドを舞う砂埃のように、彼の心もまた乾ききっていたのだ。長らく続く収容生活が彼の心から潤いを奪ってしまったのか、はたまた彼の過去が原因か……踵を返しやがて夕日と溶け合うジャンプスーツのオレンジ色を目に焼き付けながら、ベーブ蔵はその背中に己の想いの丈をぶちまけた。「ヘイ、ミスター安仁屋!試合は三日後デース!ユーが来てくれると信じてマース!」ジャンプスーツの男はベーブ蔵の声に一瞬だけ立ち止まり、振り返ることなく答えた。
「私の名前は安仁屋ではありません……SCP-650-JPです」死した身体を1/286秒の間隔で駆動させるという奇跡を起こしながら、男は再び歩き始めた。
『さーて今年も始まりましたワールド・ベースボール・コンテイン決勝戦!並み居る強豪を打ち破り駒を進めてきたのはやはりというべきでしょうか、今年も再び日本対アメリカの頂上決戦と相成りました!実況はわたくしSCP-813-JP-1、解説にはSCP-014-JP-J女史をお招きしました!いやーどうですかアイスヴァインさん、これまで日本チームは帝国、アーノルド・フィッツウィリアムズ、ベクソン、サモトラケといった優勝候補を次々と下してきた訳ですが、ここまで勝ち進んできた秘訣というのはズバリ何でしょうか!?』
『え、えーと……ごめんなさい、我は野球とか詳しくな――』
『その通り!ズバリ439-JPの動作を日常の訓練に組み入れ選手を育成してきた事が挙げられるでしょう!しかし昨年度あまりに得点しすぎたためコミッショナーのO5競技会から待ったがかかり、決勝においてはレギュレーション違反となってしまったのです!この決定はアメリカチームを優勝させるための陰謀であるとも巷では噂されていますがアイスヴァインさんはどう思われますか!?』
『そうですねー、えー、ズルはいけないと思――』
『おおっとここで両チームがグラウンドへと入場します!アメリカチームは前年に続き魔球の使い手コンドラキ、オカ連仕込みの打撃を見せるクレフ、ブライト博士はクローン大谷翔平に乗り移っての登場だ!そしてなんと言っても一番の注目株はラジオもできるサボテンだー!一体どのようなプレーを見せてくれるのか、今から期待が高まるばかりです!』
『え、大谷さんって日本の選手じゃ――』
『対する日本チームはおおっ!今年も魅せてくれるか、野球の神様・ベーブ蔵がキャプテンだー!彼に続くのは教習所で打法を習った桑名、名ガード骨折、期待のルーキー育良、から揚げ大好き虎屋を始め徹底的な攻勢メンバーで揃えてきました!果たして栄光を勝ち取るのはどちらのチームか!まったくもって目が離せない世紀の一戦が今始まろうとしています!』
「なんやねんあの実況、から揚げ大好きて。他にもっとあるやろ」特注の運動用パワードスーツに搭乗したカナヘビはため息交じりに実況席を見つめた。その傍らでは初出場となる育良が蒼褪めた顔で掌に指で人の字を書き、飲み込む。「だ、大丈夫ッスかね、僕野球のルールってよく分かんないんスけど……」緊張に震える育良の肩を叩いたのは天王寺だった。「平気やて、いつもの収容作業と変わらへん。要はバンバン撃ってバンバン捕まえればええんや!」「しかし今回アメリカチームはラジオも出来るサボテンをチームに加えたとか……何でサボテンがラジオを?」狐面越しに顎を擦りながら、虎屋は訝しげにアメリカチームのベンチを眺める。その視線の先ではサボテンがフラワーロックの如くうねうねと動いていた。「あ、ホンマやね。アレ中に人入ってんのとちゃうかな?」「どう考えてもサボテン着こむ意味ないやんけ」「僕らを動揺させようという戦略かも……」「何でサボテンがラジオを?」すっかりサボテンに気を取られたチームメンバーをよそに、ベーブ蔵は座りながら考えていた。「安仁屋……来てくれる信じてマス……」「安仁屋って誰です?」つい口から零れた片言の祈りに、桑名博士は首を傾げた。骨折は疑問に満ちた桑名の視線を受け、首を振る。「神山博士は助っ人を呼んだらしいですが、その人がまだ来ていないとの事だそうです。兎にも角にも草津の湯でも、ベストを尽くしましょう。それが439-JP打法を封じられた我々が出来る最良の策です」
『おおーっと!天王寺選手空振り三振ー!日本チームはこの回ボーンヘッドで終わってしまったー!』快活に実況を飛ばすSCP-813-JP-1、一方マウントではバッドを握った天王寺がピッチャーのコンドラキへと詰め寄った。「何でや!あんなのボーグやボーグ!何でワイがアウトになんねん!」怒りをぶつける天王寺にコンドラキはただニヤニヤと不敵な笑みを見せるだけであった。そこにキャッチャー・クレフが割って入り、ベンチから持ってきたショットガンを構えて天王寺を威嚇する。「おい覆面、攻守交替だ。さっさとグラブを取りに行きな」「何やとこの野郎!お前等チョンボしたやろ!」「ああ、審判の視界をチョイとな。分かったらさっさと戻れこの覆面ジャップ!」クレフの吐き捨てるような物言いに天王寺は激昂した。「おどりゃ好き勝手やりよって、乱闘じゃー!」天王寺の叫びと共に両ベンチからバットやら銃やらスクラントン現実錨やらを担いだ選手達がグラウンドへとなだれ込む。
午前零時、漆黒の帳に閉ざされたサイト-██ヘリポートで、闇よりも黒いコートに身を包む長身の男が悠然と腕を組み、その威厳を湛えていた。彼は照らしつける満月を見据えながら、不敵に笑みをこぼす。その傍らに立つエージェント・ストレルニコフは普段のいかつさもどこへやら、黒コートの美男子を気遣うかのように熱心な眼差しを送る。その視線には他の財団職員に対しては一度として投げかけた事のない、憧憬や思慕といった感情に満ちていた。やがてストレルニコフはしおらしく口を開く。
「<ダークブレイド>……本当に征かれるのですか?」
黒コートの男―――漆黒の刃<ダークブレイド>は振り返ることなく、ただ満月を睨みながら答えた。
「我が従順なる懐刀にして屈強なる戦士カリメロよ、天命を果たす時が来たのだ。幾星霜と続く因果の業<カルマ>は断ち切る事ができぬ……」
「何とお労しい……!」
優美に言の葉を紡ぐ<ダークブレイド>の雄姿にストレルニコフの瞳に綺羅星の如く輝く涙が浮かぶ。屈強なスラブ男の目から零れ落ちた雫が足元のアスファルトに砕けるのと同時に<ダークブレイド>は振り返り、肩を震わせるストレルニコフに微笑むとヘリコプターへとその歩みを進めた。ストレルニコフも涙を拭い、まるで小姓が主の後を追うように慌てて追従する。<ダークブレイド>は財団支給の黒塗りのヘリを見上げながら、満足気に腕を組んだまま笑う。
「成程。良いヘリだ……プロペラが大きい。カリメロよ、よくぞ我のためにこれを見出したな」
「すべては<ダークブレイド>の美心のままに!」
「天の道に在りて総てを司らん……征くぞカリメロ!目指すはジャパン、東京だ!」
「ははっ!」
ストレルニコフの操縦のもと、ヘリコプターは徐々に宙へと浮かび、やがて宵闇を切り裂く一筋の光となってアメリカの夜空へ舞い上がる。使命を胸に抱き感無量のストレルニコフをよそに、<ダークブレイド>の細い指は流れる水のような動きで懐からブリーチ最終巻を取り出し、優雅に開いてみせた。
午後7時。日本国のサイト-8141収容房で前原博士は机に向かいウンウン唸る少女の姿を見つめる。かれこれ5分はこの状態である。前原博士はドリルの一問目で頓挫した少女に寄り添い、問題の解説を試みた。
「あのね、014-JP-J。まず括弧の中の計算を済ませるの。その後括弧の外の計算をすれば答えが出るわ。(2+8)×(9-7)だと2と8、9と7の計算を先にするのよ。さぁ、答えはいくつになる?」
前原博士の助言を聞きつつも、少女―――SCP-014-JP-Jは計算式をドリルの余白に記し、その解を導き出そうと必死になっていた。
「ええと、まず2+8で10……それから9-7が……2だから、10と2を足して……」
「何で足すのかな?」
「えっ?だって2と8は……」
「そこじゃなくて最後の方よ、括弧の外は足し算じゃないでしょ?」
「……あっ!」
前原博士の口から深い溜息が漏れ出る。一問解くのにこの調子では先が思いやられる、といった調子だ。しかしながら前原博士は少女を放っておく事ができないようで、その後も少女が鉛筆を止める度に問題の解法を耳打ちした。そうして数十分が経った時、収容房のドアが開き車輪付きの台座に乗った水槽が現れる。水槽内でコンソールを操り台座を動かすのはエージェント・カナヘビだ。
「お、ちゃんと勉強しとるんやね。感心感心。えらいなぁアイスヴァイン」
「オブジェクト番号で呼ぶように何度も言いましたよね?」
少女に話しかける時とは一転、強い語調で咎める前原博士に対してカナヘビは悪びれる様子も見せず、チロッと舌を出して見せた。
「……数学なんて堕天使には必要ないのに」
「ハッハッハ、そんな事あらへんて。昔は数学は神聖な学問だったんやて。ちゃんと勉強せんと堕天使の力は身に付かんとちゃうかな」
「えっ、本当ですか!?」
前原博士は両目を瞑り、額に手を添える。すっかりノリノリで堕天使トークを始めた二人を止めるべく前原博士が口を開こうとした矢先、再び収容房のドアが開き何者かが素っ頓狂な声を上げながら転がり込んできた。転がり込んだ白衣の男は骨折博士だ。上級研究員の突然の御無体に前原博士は再び深い溜息をつく。
「エージェント・カナヘビ、こんな所にいたのか!……っと、前原博士もご一緒で」
「どしたん骨折、麻雀でスッたんか?」
チロチロと舌を出しながらカナヘビは愉快気に問いかけるが、骨折の表情は事態の深刻さを物語っていた。
「どうしたもこうしたも、サイトのヘリポートにヘリが着陸したのだが……」
「そんで?ヘリポートなんやしヘリくらい降りるやん?」
「ええと、降りてきたのがその、何と言うか……兎に角一緒に来てくれ!」
「その必要はない!」
突如収容房のドアが開く。現れたのは軍服に身を包む厳ついスラブ人男性と、漆黒のコートに身を包み透き通るような長髪をなびかせる美男子だった。
「えーと……誰?」
疑問を投げかける前原博士、「こいつらだ!」と新たな来客を指さす骨折博士、一方のカナヘビと014-JP-Jは目をパチクリさせ、現れた謎の男達を見つめた。前原博士の問いかけにいち早く答えたのはスラブ人男性だった。
「不届き者!この方をどなたと心得る!恐れ多くも漆黒の刃、天命に則り世界を救う者<ダークブレイド>であらせられるぞ!」
「<ダースベイダー>?」
「不遜な女め!ロシア式の挨拶を試してみるか!」
「よいのだ、カリメロ」
美男子は憤る軍服男を宥め、スイと収容房内へと足を踏み入れる。怒鳴られた前原博士は軍服男への怒りを露わに抗議の眼差しを向けた。何よ突然現れて偉そうに、名前カリメロのくせに、とでも言いたげな前原博士の目前まで黒コートの男―――<ダークブレイド>は歩み寄り、彼女の頬をその白魚の如き右手で撫で上げた。
「フフフ、美しい薔薇には棘があるもの。黄金の国に気高く咲く野薔薇よ、我とともに参るのだ……」
頬を撫でる白い手を前原博士はパチンと打ち払った。
「気安く触らないで、警備が来たらセクハラで突き出してやるわ」
つれない返事に<ダークブレイド>は微笑み、鋭い眼光を放つ前原博士の瞳を覗き込む。敵愾心を包み隠さずぶつけてくる前原博士の視線を浴びながら、漆黒の刃は尚も語り掛けた。
「お前の真名<マナ>はゴリラ・ゴリラ・ゴリラ。牙はゴリラ、筋肉もゴリラ、燃える瞳は原始のゴリラ。古のゴリラ騎士の末裔にして森の秘宝<まるごとバナナ>を受け継ぐ者。我と共に世界を救おうぞ!」
淀みなく紡がれる<ダークブレイド>の口上に骨折博士はポカンと口を開け、カナヘビはフヘッと笑った。その後ろで机に向かって座る014-JP-Jは彼の言葉が琴線に触れてしまったらしく、胸を押さえてたまらなそうに身震いする。やがて骨折博士がハッと我に返り、頓珍漢な言動をする<ダークブレイド>にある事実を指摘した。
「ナンパでしたらご愁傷様です、彼女は既婚者ですよ。大体何ですかその格好は。ここには変な格好の人は幾らかいますが晴海じゃあないんですよ」
「ホンマ何やねん君は、新しいDクラスかいな。後ろのアンタ、はよその大学デビュー失敗みたいな兄ちゃん連れてってくれんか」
「貴様!爬虫類の分際で不遜にもほどがあるぞ!」
骨折博士の指摘に続くカナヘビの発言を受けたストレルニコフが彼(の水槽)に詰め寄ろうとした瞬間、前原博士はスイと前に踏み出し、頬を染めながら<ダークブレイド>の手を取った。
「はい、仰せのままに」
「前原博士!?」
所要時間約1分。81管区最強の女性職員前原博士は<ダークブレイド>の抗い難い魅力を前に陥落し、忠誠を誓った。信じ難い光景を目の当たりにした骨折博士は思わずたじろぐ。
「そんな馬鹿な!即落ちじゃないか!旦那さんはどうするんだ前原博士!」
「あー……新手のミームか。ええ趣味やね、人妻寝取るなんて」
狼狽する骨折博士とカナヘビの姿に、ストレルニコフは高らかに哄笑した。
「フハハハハ!これこそが我が主<ダークブレイド>の御力!真名<マナ>を与えられた者は骨の髄まで魅了されてしまうのだ!」
「そんな馬鹿な!」
「骨折、とりあえず確保・収容・保護や。じきに警備員も来るし……」
「キャアアアアアアアッ!」
平和な午後の公園、静寂を切り裂く女の悲鳴。幼児を連れたエプロン姿の保育士の前に立ちふさがるのはハーマン・フラーの不気味サーカスの連中だ。
「フフフ……お嬢さん、バルーンアートはいかがかな?」
「子供達もおいで~、車飲むぞ~」
「嫌アアアアアアアアッ!とっても不気味だわ!」
縫い合わされた目からカタツムリの如く触覚を伸ばす黒人男性に口をゴムの様に伸ばすピエロ男、他にもおぞましき人だかりが背後で蠢いている。
畸形のパフォーマンス集団に取り囲まれ絶体絶命の状況下、保育士は幼児達を守ろうと必死に叫ぶ。しかし助けを求める声に耳を傾ける者は誰もいない……。
「いるさ!ここに一人ね!」
ピエロ男の大きく開いた口に突如小さな円盤が投げ込まれる。予想だにしていなかった事態にピエロ男は目を白黒させて咳き込んだ。
「はっ肺に、肺に何か入った!」
「モーターマウス!……おのれ何者だ!出て来い!」
怒りのあまり触覚を激しく伸縮させる黒人男性の前に現れたのはスーパースーツに身を包む一人の少女であった。
「一つ人の世収容破り、二つ不埒な異常性質、三つ醜いSCPを、退治してくれよう!」
「き、貴様はまさか!」
「エージェント・月餅見参!日本の平和は僕が守る!」
少女が口上を言い終えた直後、黒人男性が触覚を伸ばし襲い掛かろうとする。しかし少女は華麗なバク転でこれをかわし小さな円盤を投擲する。
投げられたのはそう……月餅だ!自衛隊仕込みの投擲術で以て放たれた月餅は薄茶色の残像を残し黒人男性の口に命中する!
「グッこれは……うまい!」
「当然さ……その月餅は老舗御菓子司・山陳宝の職人が丹精込めて造り上げた珠玉の一品!」
「クソッ、こんな物を食べさせられた日にはもう収容房に帰るしかない……引き上げるぞ!」
どたどたと砂煙を上げながら退散するサーカス団の面々を眺めながら満足気に腕を組む少女の許に保育士が駆け寄った。
「ありがとうございます!この御恩は一生忘れません!」
「いや~、それ程でもないですよ。僕は当然の事をしたまでです」
「せめてお名前だけでも……」
「僕は……エージェント月餅、この世に蔓延る悪しきオブジェクトをちぎっては投げる正義の使者!さよなら!」
少女がポーズを取るとたちまち煙が上がりその姿は見えなくなる。煙が晴れた後に残されたのは山陳宝の月餅ギフトセット24個入りだけだった。
「行ってしまったわ……」
「せんせー、いまのおねーちゃんだれー?」
「……今の人はね、正義の味方。きっと皆も月餅を食べて大きくなれば、あのお姉ちゃんが助けに来てくれるわ……」
幼児の手を引きながら帰路に就く保育士、こうして日本の平和がまた一つ守られた。めでたしめでたし……
「一体何やねんこの話は!?」
「はい、餅月さんが例の創作病に曝露したらしく……」
「てげなモン書きおったなぁオイ、月餅て!」
「事態は我々が想像している以上に深刻です。一刻も早く餅月氏の症状が治まるよう最善を……」
「臨!兵!闘!者!皆!陣!列!月!餅!カーッ!」
「ウギャーッやられたーっ!」
少女が手に持った月餅を天にかざすとたちまち空が稲光り、蒐集院残党の頭上に雷が降り注ぐ!同時に彼らが装備していた呪術武装はたちどころに砕け散り、黒い瘴気となって空中に霧散していった。
「おお!何と素晴らしい!これが財団科学の結晶、Thumiel兵器:月餅の威力なのか!」
「黴臭い蒐集院の残滓よ、成仏しなさい!」
背後からラブコールを送る職員達に振り返りエージェント・月餅は照れくさそうにはにかんでみせた。白衣姿の老若男女は月餅を讃え唱和を始める。
「月餅さえあれば財団に怖い物なしだ!」
「どんとこいGOC!」
「エージェント・月餅!次はあの忌々しいカオスの反乱共を……」
「財団に怖い物なしだ、どんとこいGOC……って、うぜらしか!」
「これいつまで続くんやろね、餅月の嬢ちゃん全然目ぇ覚まさへんし」
「うーん、これは本部のミーム部門に任せた方がいいのでしょうかね……」
「ついさっき本部からの応答がありましたが、過去にクレフ博士も曝露した事があるとかなんとか……」
「……クレフ博士って、あのクレフ博士?精子論文の?」
「めっちゃビッグネームやん……そんな人でも影響受けたんかいな……」
「まぁ、恐らく有能な人ほど危険なオブジェクトに接する機会も多いでしょうし……」
劇場版ファンキーネコ人間ダンキー2000: 恐怖の日本オカルトバスケ愚連隊
GRU"B"部局26との試合中、飛び入り参加したSCP-1984-1の神経攻撃に苦しめられつつもシュートを100本以上決め奇跡の逆転勝利を果たしたダンキー2000。次に控える対財団日本支部戦に向け練習に励むダンキーであったが、彼の許にある知らせが届く。安来節を学ぶため日本へ渡っていた彼の小さな友人ジェームス研究員が誘拐されたというのだ。犯人はジェームスを返して欲しければ日本支部との試合で敗北するようダンキーを脅迫する。ジェームスの命と試合での勝利、どちらを選択するかで思い悩むダンキー。果たして彼の決断は?行け、ダンキー!持前のファンキーでなんとかするんだ!
「きっと大丈夫よ、ダンキー」
月明りが射し込むベッドルーム、ダンキーの腕の中でエージェント████は囁く。
「あなたはいつだって勇敢に逆境へと立ち向かい、そして撥ね退けてきた。今度だって……」
「いや、今回は訳が違うんだ。今度の相手は日本のサムライニンジャ軍団だ。仮にジェームスを救い出せたとしても、果たして僕達は無事に済むのか……」
ダンキーの声は震えていた。彼は両手で顔を覆いながら続ける。
「怖いんだ。█████博士を失った時のような事が再び起こるんじゃないかって、そう思ってしまうんだ。もう誰も失いたくないんだ」
エージェント████はそっと彼の手に指を絡め、強く握る。ダンキーもそれに応えるように握り返した。これまでに数々の奇跡を起こしてきた掌に彼女の温もりを感じ、ダンキーの不安に強張る心は次第に安らいでいく。
「大丈夫、きっとうまくいく。あなたは強いんだから」
ダンキーは彼女を抱き寄せた。夜の静寂の中、月明りだけが二人を淡い光で優しく包みこむ。
事態は最悪の状況だった。日本支部チームはこの試合のために強力なプレイヤーを助っ人としてチームに加えていたのだ。キャプテンの神山ジョーダン蔵を筆頭に名司令塔の三國、抜群のチームワークを見せる田中兄弟・後醍醐姉弟・銭型姉弟・三姉妹に三人組といった錚々たるメンバーの他、日本で収容されている幾つかの異常実体までもチームへと加えていた。ダンキー率いるアルファ-11チームは3ポイントシュートを200回も許し絶体絶命の窮地に立たされている。圧倒的不利に苦しみつつも、ダンキーは点を得ようとチームメンバーへと檄を飛ばす。しかし……
「頭が高い頭が高い!ひかえおろー!」
ダンキーの励ましは日本支部チームの少女の雄叫びに掻き消されてしまう。少女──SCP-059-JPの前にはチームメンバーは思うように動く事が出来ず、ボールに触る事さえ困難である。彼女がボールを持っている限りアルファ-11チームはしゃがんだまま移動するしかないのだ。不可視の力に遮られ立つ事すらままならぬアルファ-11選手の様子を愉快気に見つめる一人の覆面男がいた。
「フッフッフ……野球では善戦した本部チームやけど、篭球ではそうはイカの密偵。速攻で叩きのめして日本支部の恐ろしさを思い知らせたるでぇ~~~~!」
日本チーム監督・天王寺は不敵な笑い声を漏らしながら懸命によちよちと動くアルファ-11チームの面々を眺めていた。最早日本チームの牙城を突き崩す事は不可能なのか……
否!コートを四つん這いで駆け抜ける小さな影がSCP-059-JPからボールを掠め取り、そのままドリブルでゴールを目指す!あのゼッケン番号2000の選手は……!?
「ダンキー!」
観客席のライト博士は両手を挙げて立ち上がり、ドリブルしながら駆け抜けるネコ──ダンキーへと声援を送る。彼女が手にしていたポップコーンは立ち上がった拍子に空中へとばら撒かれ、隣に座っていたラメントの頭に降り注いだ。
「ソフィー、キャラメル味は髪に絡まるから気をつけてくれよ……」
「あらごめんなさいね。でも見て、ホラ、ホラ、ゴォォォォォォル!!イエス!!スゴイわダンキー!!」
怪訝な表情で見つめるラメントをよそにはしゃぐライト博士。その真後でコートに視線を送るギアーズ博士も表情こそいつも通り変わらないが、心なしか僅かに上気しているようだ。それもそのはず、少女からボールを奪ったダンキーは日本チームの強固なディフェンスの股の間を潜り抜け見事ダンクを決めたのだ。ダンキーの異常性質がこのような形で真価を発揮すると誰が考えただろうか。ネコに変身しながらも変身前と同程度の運動性能を維持するダンキーはその小柄な体格故にSCP-059-JPの呪縛に打ち勝つ事が出来たのだ!会場は一気にアルファ-11チームへの声援に包まれ、茹るような熱気がバスケットコートを支配する。一方日本チームのベンチでは天王寺監督が怒気で周囲の空間を歪ませていた
「クソッ、あのネコをどうにかせんと日本支部の優勝はご破算や。流れを変えなあかん……野郎共!"電話"持って来んかい!」
天王寺の指示を受けたDクラスにより運ばれたのは一台の公衆電話であった。彼は受話器を取り11桁の電話番号を入力していく。
「もしもし、聞こえるか?」
天王寺は受話器を通し、強い語調で相手に問うた。
「ああ、それで変えたいものは何だ?」
男の声が応える。
「お前に頼みがあんねん。今サイト-81██運動場で行われているバスケの試合に日本支部チームのメンバーとして参加して試合の流れを変えんねや!」
「……わかった」
それまで試合会場を包んでいた本部チームへの声援が突如止み、代わりに日本支部チームを応援する声が湧き上がる。会場の突然の変化にダンキーが振り返ると信じがたい光景が広がっていた。スコアボードには日本支部チームに5000もの得点が追加されていたのだ。何が……この一瞬の間に一体何が起こった?再び正面を向いたダンキーの目に映ったのは指先でバスケットボールを回転させる見知らぬスーツ姿の男だった。ダンキーの口から思わず呻き声が漏れる。
「うっ……お、おかしい、これは一体どういう事だ……お前は誰だ!?」
「例えお前がどれ程バスケットボールに精通していたとしても、どれ程努力を重ね困難を乗り越えたとしても、人間であろうともネコであろうとも過去には勝てない。考え直せ、棄権しろ」
スーツ姿の男──SCP-646-JP-Bはダンキーへ同情するかのように目配せをしながら素早くシュートを放つ。放物線を描いたバスケットボールは吸い込まれるようにゴールへと入り、日本チームに得点が1000ポイント加算された。
「これは過去改変現象です」
ギアーズ博士の表情は変わらないが、語気が鋭くなったようにラメントは感じた。このようなギアーズを見たのはドリー・パートンの朝食事件以来だろうか。ライト博士もまた悔しそうにコーラ缶を握りしめ、そこから溢れ出た飛沫がラメントのシャツの袖を濡らした。
「ああ……ソフィー?コーラの染みって石鹸でこすれば取れるかな?」
「それどころじゃないでしょ!」
「ぐぅ、ごめん」
「何?っていうか誰!?あんな人今まで日本チームにいた!?」
ライト博士の怒りの問いかけに言いよどむラメントであったが、代わりに仏頂面のギアーズ博士が疑問に答えた。
「日本チームベンチの男が運ばせた電話機、おそらくあれがトリガーとなり過去改変が成されたに違いないでしょう。御存知の通り会場観客席にはこのような改変の効果が及ばないよう保護が施されています。しかし……スコアボードはその限りではありません」
「ジェームスは今サイト-8141でスプラットゥーンをやっている。俺が過去であの子を滞在先から連れ出したからな」
「何っ!?お前が犯人だったのか!」
「迎えに行ってやれ。バスケットボールに現を抜かしている場合じゃないだろう」
スーツ姿の男の言葉がダンキーの胸へと突き刺さる。クソッ、まったくもってその通りだ。友達が誘拐されているのに俺は何故バスケなんかしてるんだ。人命より重い勝利などあるだろうか?そこまでして勝ち取る栄光に何の意味があるだろうか?人の上にバスケは立つというのか……いや、ワンフォーオール・オールフォーワン。一人は皆のために、皆は一人のために、それこそがアルファ-11鉄の掟だ。ジェームスを犠牲にする訳にはいかない、俺はバスケしてる場合じゃない!!
ダンキーが苦悩に顔を歪め、狭い額に皺を寄せながら棄権を宣言しようとした、まさにその時である。
「負けるなダンキー!行け!行くんだ!」
突如会場内にこだまする幼い声にダンキーはハッと我に返る。この声の主は……?
「ジェームス!」
ダンキーが観客席へと振り返る。そこにはエージェント████と共にダンキーへと声援を送る友の姿があった!
「ダンキー!負けるな!僕がついてるぞ!」
「挫けないでダンキー!あなたはいつだって強いんだから!」
「████!君がジェームスを助けてくれたのか!」
「いいえ、私だけじゃジェームスを救うことは出来なかった……皆で手分けしてここに連れてきたのよ!」
「……皆って?」
ダンキーの問いにエージェント████は微笑み、観客席の反対側を指さす。振り返ったダンキーの目に飛び込んだのは彼の友人達……そう、ダンキーの友人全員が窮地の彼を励ますために会場に駆けつけたのだ!!
「やってやれダンキー!もし負けたらお前のケツを食うぞ!」
「ケツの幽霊!」
「ダンキイイィィィィィィ!!また免許無くしたあああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「幽霊の標識!」
「ダンキー!今日からお前の名は暗黒究極チンコだ!」
「競パン男!」
「今私が食べてるトーストに塗られた栄養満点のバター、実はバターじゃないと言ったらどうする?」
「信じられない!」
「ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン……」
「カービー社の掃除機!」
「ダンキーよ、お前は指輪を譲り受ける運命だったのだ」
「ガンダルフ!」
「よし分かった。俺はサイパンでもさかなクンでもない、サルマン・コルベットだ!」
「シャリバン・クリケット!」
「「「「「「「「「がんばれダンキー!!」」」」」」」」」
友の声援を一身に受け、ダンキーは心の底から力が湧き上がるのを感じる。溢れんばかりの活力はダンキーの全身に漲り、彼の体を、闘志を熱く燃やす!!
「友情パワー、インプット!!」
ダンキーの瞳に炎が灯る。これまで培ってきた努力、友情の力、そして勝利への渇望がダンキーに宿るネコの本能を、闘志を呼び覚ましたのだ!SCP-646-JP-Bが驚愕に目を見開いた瞬間、ダンキーは飛び跳ねるスーパーボールが如く距離を縮め、過去改変者の手からボールをもぎ取る!そのままディフェンス陣を巧みに躱しながら日本支部チームのゴールへ行ったあぁぁぁあやったああぁぁぁぁあきまったあぁぁぁよっしゃああぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁあっっっつつっおえっっっっ!!!!!っあああああああああああああぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あああああああああああああああああええええええええええええええええええええええええええええええええええっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!1000000000000000000000000000000000000000000000000000000000ポインツ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「やったわダンキー!イエス!!」
ライト博士は歓喜のあまり横にいたラメントに突如口づけをし、彼の目を見開かせた!彼女の唇がゆっくりと離れ、ラメントは名残惜しそうに顎を擦った。
「ソ、ソフイー!あ、ああ、あの、マジで?」
「あら、ラメントはこういうハッピーエンドは嫌い?」
「いや、大歓迎だよ!」
今度はラメントが彼女の唇を奪う!その背後ではギアーズ博士も無表情のまま横に座るアイスバーグと熱いベーゼを交わし冷凍男を困惑させる!会場中の老若男女が過去と己に打ち勝ったダンキーを讃え、その勝利を祝っている!
「なるほど、例え過去を変えたとしても友情の力には勝てなかったという事か……俺の負けだ、ダンキー」
「お前の策略には正直度肝を抜かしたよ、えーと……スーツの人。しかし俺にはいつでも支えてくれる友がいた、それだけだ」
「俺は己の異常性質に溺れ一番大事な事を忘れていたのか……もし再び試合をする機会が有れば、今度こそフェアでやろう!」
「ああ!」
観客が見守る中、ダンキーとSCP-646-JP-Bが熱く握手を交わし再戦を誓う。しかし次の瞬間!
「まだや!まだ試合は終わってへんでぇ~~~~~~~~~!!」
観客席からの歓声を掻き消すように突如響いた怒号。その声の主は日本チーム監督の天王寺だ。彼は興奮のあまり時空歪曲能力を覚醒させバスケットコートを、試合会場を、サイト-81██の時空間を歪め始める。コート脇に設置されたスクラントン現実錨は天王寺の全身から湧き出る膨大な量のヒュームによりすぐさま許容限界に達し、決して傷つかないと思われていたその表面に大きなひび割れが走る。その瞬間サイト-81██は異次元へと移転し、会場全体は永遠に出る事が叶わない牢獄と化した。会場の屋根は取り払われ、代わりに上天には深紅色の虚空が広がっている。憤怒に囚われる天王寺にSCP-646-JP-Bは悲愴な叫び声を上げた!
「天王寺博士、アンタまだ試合する気なのか!?折角いい感じにまとまりかけてたのに!」
「しゃらくさいわどアホ!おどりゃ敵チームと友情築いて青春しおってからに!やいダンキー、ワイと勝負せい!!」
名指しされた一匹のネコ──ダンキーは反重力を操り宙に浮かぶ覆面男の姿を見据えながら呟く。
「どうやらあの男を倒さなければいけなくなったらしいな。しかし見た所コートが歪められてドリブルする事すらままならない……一体どうすれば……」
悔しげに歯噛みするダンキーの肩を真っ先に叩いたのはSCP-646-JP-Bだった!
「ここから出るという目的を達するには協力しなければならないな。力を貸すぜダンキー」
「スーツの人……!」
SCP-646-JP-Bに続き、観客席からも彼を支えんと男達が次々に飛び降り、ダンキーのもとへ集まっていく。その中にはあの機械博士ギアーズの姿もあった。彼は普段通りの表情でありながらも、白衣を脱ぎ捨てその下に着こんでいたアルファ-11チームのユニフォームをさらけ出した。
「不本意な状況ではありますがその過去改変能力者の意見に賛同します。私もチームに加わりましょう」
「ギアーズ博士……!」
「えーと、どうやら俺も協力しないといけない雰囲気になっちゃったらしいけど……」
「ラメント……!」
「俺も力を貸すぜ!」
「ティム・ダンカン……!」
ダンキーのもとに続々と集まる人々。その群衆を嘲笑うかのように天王寺は哄笑する!
「ハハハハハ!何人束になろうがワイのバスケ殺法の前には無意味や!お前ら根こそぎ難波の露にしたるでぇ~~~~~~!」
「いいや、アンタの独りよがりなバスケこそ無意味だ!全員で力を合わせれば現実改変にも勝てるという事を教えてやる!行くぞ、ウオオオオオオオーーーーーーーーーーーーッッ!!」
雄叫びを上げながら宙を舞う覆面男へと走り出すダンキーと仲間達、果たして彼らの運命は!?
行け!ダンキー!ミラクルファンキーダンクで天王寺に友情パワーを叩き込むのだ!
完
「お電話誠にありがとうございます、こちらはエンターテインメントアンドエンタープライズカスタマーセンターです。本日のご用件は何でしょう?」
「あー、あの、こないだお宅の本買うたんやけど、えーとほら、ついこの前出た奴……あの……なんか長い奴で……ブ厚いの……あったっけ?」
「もしかして██月██日発売のサンコン・ポチョムキン著『フラれた王の悲劇』でしょうか?」
「あー、フラレ?そう、多分それかな?」
[実験監督官がエージェント・カナヘビに会話を引き延ばすよう指示]
「えーと、アレ滅茶苦茶おもろいやん!一体どうなってんねん!えーと、スゴいわ!なんかその……内容?滅茶苦茶おもろいやん!どういうことやねん!なんちゅうもん出版してくれてんねん!アホか!」
「誠にありがとうございます!今月末に発売される『カマばっかの宮廷で』は続編となっています!是非ご購入されることをお勧め致します!」
「カ、カマ?」
「はい!前作でフラれ失意の内に命を絶とうとした王が突然異世界へワープし……何とモテモテになるストーリーとなっています!」
「へ、へえ、そうなん?」
「王の身に待ち受ける衝撃の結末は是非ご自身の目でお確かめになって下さい!」
「はぁ、そうなん。すごいね」
「ちなみに『フラれた王の悲劇』に封入されているアンケート葉書はすでにご覧になられたでしょうか?」
「え?ハガキ……ええと、あー、あったわそんなん!まだ書いてへんけどね!まだ書いてへんけどね!いずれ書こう思うとるけどまだ書いてへんけどね!」
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JP-は旧大日本帝国陸軍特別医療部隊(以下『負号部隊』と表記)により身体的改造を受け、異常性質を獲得した2名の人間(それぞれSCP-XXX-JP-A、Bに分類)及び人間の脳組織由来の機器が梱包された10cm×10cm×10cmの鉄製の容器(SCP-XXX-JP-Cに分類)の総称です。SCP-XXX-JP-A、-Bはいずれも大脳基底核を中心とした神経回路への呪術的施術がなされており、これはSCP-XXX-JP-A、Bの個々の能力の発現・増強を目的として行われたと考えられ、他にも筋組織、骨格、循環器系、感覚器官への機器のインプラント及び人工組織への代替施術が行われていることが判明しています。SCP-XXX-JP-A、-B各個体はその異常に低い代謝機能により経年による老化の兆候が見られませんが27、SCP-XXX-JP-A,-Bの身体末端部又は主要臓器に壊死が見られ、実体の身体に段階的な機能不全を齎します。
SCP-XXX-JP-Aは旧日本陸軍に所属していた篠田正太郎二等兵です。SCP-XXX-JP-Aは財団による蒐集院関連施設への立ち入り調査の際、地下25mの地下壕内にて車椅子に乗った状態で発見されました。発見時SCP-XXX-JP-Aの両脚及び両腕は既に壊死しており、その後の処置により自力での移動、食事及び排泄等日常生活にまつわる諸活動を行う事は不可能となりました。その他、SCP-XXX-JP-Aは身体への施術の際に受けた精神的外傷に起因する自己終了願望の兆候を見せています。SCP-XXX-JP-Aは直接接触することなく、自身の周囲の半径20m以内の対象の神経系統へ重篤な損傷を与えることが可能です。SCP-XXX-JP-Aは自身の脳への施術時に旧日本軍への狂信及び攻撃的性格の刷り込みが行われたと推測され、自身の異常特性を用いてSCP-XXX-JP-Aが日本国民でないと看做した人物の積極的排除を試みます。
SCP-XXX-JP-Bはナチス政権下におけるドイツの主要な異常現象研究調査機関“アーネンエルベ・オブスクラ”に所属していたハルトヴィヒ・ケーラー技官です。SCP-XXX-JP-Bは世界オカルト連合(以下GoIと表記)によりその身柄が確保されていることが判明しています。SCP-XXX-JP-Bの存在については198█年に財団とGoIとの間で行われた異常実体に対する共同措置に関する会合においてSCP-XXX-JP-Aと共に言及されており、財団によりSCP-XXX-JP-Aが収容された後の199█年に改めてGoIとの会合が開かれ、双方合意により両組織でのSCP-XXX-JPの分割収容措置が運用される事となりました。当該会合における調停ついてのGoI側の見解の詳細は補遺-はを参照して下さい。SCP-XXX-JP-A回収時に発見された資料によれば、SCP-XXX-JP-BはSCP-XXX-JP-A及び-Cにのみ効果がある、接触、発声その他のいかなる作為を伴わない異常な情報共有手段とSCP-XXX-JP-Aの異常特性の射程範囲を大幅に向上し長長距離の対象への神経系統への攻撃を可能とさせる特性を有しているとみられます28。
SCP-XXX-JP-Cは
補遺-い: SCP-XXX-JP-A及び-Bへのインタビュー記録
質問者: 三善博士(財団対抗呪術部門上級研究員)
回答者: SCP-XXX-JP-A
立会人: 永谷博士(財団渉外部門担当責任者)、アウグスト博士(GoI渉外部門担当責任者)< 録音開始 >
三善博士: ではこれより篠田氏へのインタビューを開始します。まずあなたの出身を教えて下さい。
SCP-XXX-JP-A:
三善博士:
SCP-XXX-JP-A:
SCP-XXX-JP-A: 殺せ。
三善博士: え。
SCP-XXX-JP-A: 殺してくれ。何故こんな体になってまで生きながらえなければならぬのだ。
三善博士: あの、篠田氏?
SCP-XXX-JP-A: 俺は神になんかなりたくなかった。俺に人を殺させないでくれ。俺をこの務めから解いてくれ。もう嫌だ。死にたい。
質問者: エッピネン博士(GoI PHYSICS部門所属)
回答者: SCP-XXX-JP-B
立会人: 永谷博士(財団渉外担当責任者)、アウグスト博士(GoI渉外担当責任者)
補遺-は: 財団・GOI両組織によるSCP-XXX-JP包括的収容措置についてのGoI側の見解答弁書より抜粋
さて、連合と財団がかねてより相容れぬ関係にあることは言うまでもない事実です。
この関係は2つの組織の存在意義たる理念が隔てられている限り続くでしょう。又、時に競合する事で、互いの発展にも繋がるという事もあり得ます。
しかしながら、この相容れぬ2つの組織、連合と財団にはある共通項があるのをご存知でしょうか。
私達はその手段は違えど、アノマリーが公衆へと暴露されるのを防ぎ、世界の平穏無事を維持する事に執心しています。
現在連合が確保している実体は単体ではその異常特性を発現させませんが、あなた達が確保しているもう一つの実体と手を組む事で、私達の力の均衡を大いに傾け得る存在へと昇華します。
いえ、ともすればこの実体群は私達双方を共倒れにしかねない力を有しています。故に
世界オカルト連合が確保しているアノマリーを処分せずに拘禁したままにしておくのは、財団の手法を踏襲しているからではありません。
私達の一方はその気になればもう一方が保有するアノマリーを奪取出来る。この事実こそが世界の平穏を保つと連合。
あえてそれをしないのは、世界に対し責任を持つことの顕示と、連合が財団と拮抗することを望んでいるからです。
もしあなた方が信頼を裏切れば、世界オカルト連合は直ぐにでも部隊を差し向けます。
そしてあなた達も同様に、我々がその理念に逆らい世界に混迷を来すようになった場合には、我々からアノマリーを奪取することが出来るでしょう。
このアノマリーの分割保有は、私達が互いに掛け合うある種の担保です。
例え幾程の約定を交わした処で、互いの腹の底はどれだけ時を経ても知り得るのは不可能でしょうから。
補遺-に: セキュリティクリアランスレベル4開示情報
これを読んでいるあなたへ、まずは昇進おめでとう。
あなたは財団と連合との間で交わされた協定を秘密裏に継続させる事について、責任を持つ立場となった訳だ。
ここまで読んでくれたならばあえて語る必要もないだろうが、財団と連合それぞれの首脳部はSCP-XXX-JPの分割収容についての調印に合意した。
最も我々の主題は収容であり、連合は拘禁としているのだが……そう、連合はSCP-XXX-JPをあくまでも財団との交渉材料と看做している。
彼らは未だ冷戦の呪縛から逃れられず、古いやり方に拘っていると見える。
財団としては別に構わない。連合がある程度偏った思考を有しているという事実は、我々財団が優位に立つために働いてくれる。
そして連合は、財団が保有する異常資産の一端すら掴んでいない。
地下に眠る子供達、終焉を引き延ばす為の実験の成果物、国一つを費やした巨大な檻、マントルに溶かした魂で練り上げた結界、その他多岐に渡る財団資産を完全に知り得てはいないのだ。
世界を平穏無事に導くため、財団はあらゆる分野において常に連合より先行している必要がある。
確保、収容、保護。我々はこの三箇条について他の追随を許してはならない。SCP-XXX-JPの包括的収容に向けての取り組みは続けられる。
あなたが最善を尽くす事を期待している。
O5-██
- ナチスドイツからやってきた医師が関わっている
- 脳髄に呪術的施術がなされている、あるいは天然物のアノマリー実体を素体としている
- 念力?を飛ばして遠距離からの攻撃をするA、テレパシーを使いAとCの間で情報伝達を行うB、敵を察知するCとで分かれている
- 離れ離れにすればどうという事ないが、3人集まるとAの射程が許す限り皆殺しになる
- Aは戦闘狂の日本男児、Bは理知的なドイツ人、Cは思考能力を持たず自動的に敵を探すユダヤ人の子供の脳
- BはAに逆らえず、いいなりになる
- DJカクタスの提言『子供達』も匂わせたい
- 外人を用いて兵器化したのは王道楽土政策に基づく
- もし「満州建国時点で負号部隊できてねえよ!」って言われたら妖怪大隊にすり替え→満州建国1932、ナチスドイツの台頭1933、葦舟部隊1930、イケる!
- フランケンシュタインかシュトロハイムのどっちで行くか悩む
- 一人をオカ連に預けてもいいかもしれない、なぜオカ連が異常実体を殺さずに拘束しているのかは考えとく
- 人間以上まんまなのでもっと練りなさい
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
- レストランの隔離
- UIUと掛け合い、異常性質の起源(懐中銃教会)への警戒
説明: SCP-XXX-JPはニューヨーク州ブルックリン区コニーアイランドに位置するイタリアンレストラン██████の男性用個室トイレです。SCP-XXX-JPは任意の人物が便座に座り、3分間何もせずに待機した後にフラッシュバルブの起動弁を操作し水を流した場合、レストランの外に発射状態にある総数45発の弾丸(SCP-XXX-JP-1に指定)が一切の予備動作を見せることなく顕現します。SCP-XXX-JP-1はレストランの窓に面した4つの客席の内3番に指定される客席に向けて弾道を取り、3番席、3番席に位置する人物及び周辺の人物へと着弾します。顕現したSCP-XXX-JP-1の種類は9mm弾と45ACP弾が確認されており、いずれも1930年代のアメリカで主流であった物です。
質問者: ケフナー尋問官
回答者: ロバート・"鉄脛"・アルフレッド(以下POI-10027と表記)
序文: このインタビューは1932年、財団と協力関係にあったGOI-001"シカゴ・スピリット"構成員からのSCP-XXX-JPについての情報提供を記録したものです。この情報提供はシカゴ・スピリットがニューヨーク州に所有していたラウンジ"バッカナリア"にて、オーナーのPOI-10027より齎されたものです。POI-10027はシカゴ・スピリット構成員であり、幹部のチャールズ・デリンジャーより"バッカナリア"における密造酒の販売及び保管を委託されていた人物です。シカゴ・スピリットが情報を提供するに至った背景として、当時密造酒販売の販路を求めていたシカゴ・スピリットはかねてよりアルコール飲料の密輸を行うコーサ・ノストラと敵対関係にあり、数回の武力衝突の後、逐語的表現に依るところの"女子供の生皮を剥いで火を点けたような"報復を受けた事が挙げられます。< 記録開始 >
ケフナー尋問官: よし、お前が██████について知っている事をすべて話せ。
POI-10027: ルチアーノのクソッタレが贔屓にしてるレストランさ。庶民的な店とは訳が違うぞ。まず一見は入れねぇ、招待状を持って行って奴等の"洗礼"を受けなきゃならねえ。入店する時にゃ一張羅を着て行かなきゃ追っ払われる、それでようやくメシが食えるような店だ。
ケフナー尋問官: それは我々も既に把握している、他には?
POI-10027: ああ。ウチの若いモンが紹介状を偽装して潜り込んだ事がある。どうなったと思う?次の日スイスチーズみてぇになって路地裏に捨てられてたのさ。
ケフナー尋問官: なぜ彼は潜入しようなどと考えたんだ?
POI-10027: 元々ブルックリンは俺達が密造酒を捌くためのバーを開こうとしていた場所だ。類を見ねえ上等なジンをリーズナブルな価格で提供する、大衆が求める物を国が禁じやがるから俺達がそれをする、一種の慈善事業だ。それをイタリアのスケベ野郎共がズカズカと乗り込んできて商売を始めやがったんだ。クソッタレ、ワインなんか誰が飲むってんだ。俺達は奴等を追い払う為に何度も抵抗を試みた。デリンジャーが音頭を取って、奴等の店に乗り込んだまでは良かったんだが……ああクソ、思い出すだけで腹が立つ。奴等は"銃弾"を召喚しやがった。いいか、誇張して言ってるんじゃねぇぞ。あのクソ共がまじないを唱えて、両手を天に掲げる。するとどうだ、数えきれねぇ程の銃弾がそこかしこに現れてこっちに飛んで来やがる。世の中狭いもんだぜ、ボスみてぇな力を持った奴がコーサ・ノストラにも居やがったんだ。俺達は完全に油断していた、奴等をそこらの田舎ヤクザと変わらねぇと高を括っていた。結局その日俺達は奴等にコテンパンにのされちまったのさ。情けねえ話だ。それから全面戦争の始まりさ。ナメられたもんだぜ、奴等次の日にはお返しとばかりに俺達のバーに鉛玉をブチ込みに来やがった。
ケフナー尋問官: つまり抗争の一環で店内への潜入を試みたと考えて良いんだな。
POI-10027: 言葉を選べ、"慈善事業"と呼びな。カタギに取り付く害虫を駆除してやろうとしただけだ。それに奴等が邪魔なのはお前等も同じだろ?
ケフナー尋問官: 銃弾を召喚するはどういう事だ?お前達の何人かと同様に、奴等も異常な力を持っていると捉えていいのだな?
POI-10027: ケッ、いいか?間違っても俺達をひっ捕らえてどうこうしようとか考えんじゃねえぞ。俺達は既にお前の組織の事をある程度把握している。クソ科学者気取りのクソオカルティスト集団め、オマワリや軍に相当贔屓されてるそうじゃねえか。俺達がお前等と組むのはあくまで利害が一致するからだ。お前は俺達や事業の事を考える必要はねえ、二度と口にするな。黙ってあのインチキヤクザ共を追え。
ケフナー尋問官: 質問の答えになっていないが?
POI-10027: 三文記者がイキがるんじゃねえ。お前等は所詮引きこもりの [罵倒] 共だ、誰からも理解されないまま虚空の隅で野垂れ死ね。俺達と肩を並べようなどと二度と思うな。
ケフナー尋問官: [溜息] もう一度聞く。お前が知る限りでいい、奴等の異常な能力について教えてくれ、頼む。これでいいか?
POI-10027:
- 特定の人物(アウトロー)がトイレに入ると店内に発射された状態にある大量の銃弾が顕現し、窓際の席にいる対象一人が殺される
- 一番最初に異常性質が確認されたのはルチアーノの暗殺疑惑についての捜査中で、UIUに報告される
- その後財団により収容され、複数の人間をトイレに入れて実験(対象には人形を使用)
- 実験後にはイタリア語のきざったらしいメモが対象の近くに現れる
- フランス国籍の人物、イタリア系マフィア█████の構成員、POI"シカゴ・スピリッツ"の構成員がトイレに進入した場合、惨殺死体となる。
- 懐中銃教会を絡めたい、あと2818に出てくるヘルシング&ウルフ・ライフル社もできれば
- 日本支部でもシカゴ・スピリット絡みの記事が出来てたのでもうちょっと考える
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの包括的収容のため、手順-07プロトコル・トヨタが実行されます。プロトコル・トヨタに基づき██町と財団フロント企業連合体の間で締結された共同都市開発事業に関する協定により、██町の行政機能は事実上財団に買収されています。収容以前に██町行政上の要職に就いていた人員は免職され、代わりに行政法・地方自治法について熟知した財団職員が新たに配置されました。国政機関並びに他の自治体、民間企業や個人に対しては██町は財団フロント企業の出資によるモデル都市であると看做されるよう働きかけがなされ、財団による██町でのあらゆる事業への参画または介入を防止します。██町におけるすべての公共事業は財団フロント企業に付託され、また██町行政により管理されるべきすべての公共施設は財団へ譲渡され、機動部隊ほ-30("神の見えざる手")により管理並びに維持が実行されます。財団フロント企業に付託された公共事業による建設物は██町行政の所有管理下に置かれることはなく、財団フロント企業が所有していながらも一般における公益施設と同様の働きをなし、██町民であれば使用が可能である事実が明示されていなければなりません。
かつて██町大通りに所在していた██町役場は新たにサイト-8174として再設定され、その地上部分は引き続き██町役場として一般に開放し通常の行政機能を備えます。地下部分は財団職員の住居及び研究スペースとして機能し、民間人の進入及び情報漏洩を防止するために必要な限度のみで構築されます。民間人に財団の存在を察知される危険を最小限とするため、サイト-8174の設備並びに運用資産は必要最低限のものでなければなりません。サイト-8174に常駐する財団職員は地方自治法で定められた任期の間はサイト外へ退出をする事は出来ず、渉外の際は██町外で待機している他の財団職員が██町職員に偽装し赴く事になります。サイト-8174に常駐する財団職員が██町からの退出を要する場合、通常の免職手続に則りこれら財団職員を免職し██町行政における役職から辞任した旨を██町民に知らしめた後に、新たな財団職員を役職へと任命する必要があります。
SCP-XXX-JP-4実体はサイト-8174内に最低限の生活機能を有する自室を与えられ、定期解雇並びにSCP-XXX-JPを除くすべての実験・探査任務から除外される事になります。██町長に任命される人員の要件としてミルグラム服従度検査において90点以上を得点し、通常首長に附託されるあらゆる権限を自発的に行使する事が不能である事が求められます。この要件を満たすため、██町長に任命される職員には投薬処置又は精神・記憶への偏向処理が施され、また定期的な服従度検査において及第点を超過する点数を獲得し続けるための条件付けが求められます。██町長としての任期が満了した場合、またはやむを得ない事情により免職される場合、法令に基づき町長選挙が実施される事になりますが、その際財団が指名した候補者の当選を確実なものとするために必要に応じて対立候補及び██町に籍を置く企業もしくは██町内外の有力者への口利、贈賄、献金、その他の指名候補者が有利となるための働きかけが実行されます。
説明: SCP-XXX-JPは千葉県██町の行政により建設されたすべての公益施設と██町行政における役員(以下SCP-XXX-JP対象と表記)との間で発生する異常な現象群です。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP対象の個々の連合体内での役割、役職によりその異常性質が段階的に分化する事が判明しています。
1. ██町地域自治会会長であるSCP-XXX-JP対象
SCP-XXX-JP-1に指定されます。SCP-XXX-JP-1が██町の公益施設に入場した場合、子供の笑い声の幻聴を体験します。この効果は屋外、屋内の如何に関わらず公益施設内にいる限り続き、結果として大半の場合SCP-XXX-JP-1は公益施設に対する恐怖症を患います。
2. ██町公営企業管理者、各行政委員会会長であるSCP-XXX-JP対象
SCP-XXX-JP-2に指定されます。SCP-XXX-JP-2が██町の公益施設に入場した場合、その身体への苦痛及び外傷が発生します。この効果による身体的苦痛は腹痛から始まり、公益施設内にいる間、頭痛、全身の筋肉痛、呼吸困難、鼻腔からの大量出血、腕及び脚の疲労骨折と段階的に症状が悪化し、最終的には身体への過負荷を起因とする心臓発作により死亡します。これまでに報告された事例に基づく試算では、SCP-XXX-JP-2が約2時間公益施設敷地内に留まった場合、その致死率は100%である事が判明しています。この効果は公益施設内にいる限り続きます。
3. ██町副町長、会計管理者であるSCP-XXX-JP対象
SCP-XXX-JP-3に指定されます。SCP-XXX-JP-3が██町公益施設の半径10m以内に接近することは不可能です。SCP-XXX-JP-3はこの事実について説明を求められた際、「不可視の壁に遮られるようである」と説明します。
4. ██町長であるSCP-XXX-JP対象
SCP-XXX-JP-4に指定されます。かつてSCP-XXX-JP-4に指定されていた藤井██氏が██町大通2丁目に位置する自宅から退出することは不可能でした。この効果は財団からの選出により次いで町長となったD-81652に継承され、D-81652は現在サイト-81██内に与えられた自室から退出できません。SCP-XXX-JP-4はインタビューにおいてこの異常現象が2012/2/5より発生したことを証言しています。藤井氏は免職の後に記憶処理がなされ、財団が指名した代替人員を町長に任命する事でこの異常現象をコントロール可能である事が実証されたため、以降██町長には必要な処置を受けた財団職員を配置する事が決定されました。
補遺: SCP-XXX-JP現象に関連すると見られる資料
以下の資料は2012/2/5以降発生したSCP-XXX-JP諸現象の報告の後、██町に派遣され当該異常現象の調査に従事していた機動部隊は-97“豆腐の角”により██町の児童公園内に設置されていた遊具から発見された文書の写しです。当該文書原本はSCP-XXX-JPの起源との関連性が高いとしてサイト-81██機密文書保管庫に保存されています。
だい [判読不能] かい ぎじかいぎじろく
かいたひと・ぼく
ぎちょう・けんた
ほかのひと・けいすけ あんな まさひろ [判読不能] ひーた よしき
はなすこと・おとなのひとが としょかんでさわいでても おこられない ずるい
けいすけ・おとなのひとはまわりのことかんがえてないとおもう だめだとおもう
まさひろ・このまえ こうえんであそんでたら [判読不能]とぼーるのおじさんにあちいけっていわれた
あんな・おとなのひとってごみとかたばことかすてるからいらない
ひーた・ぼくのままはいるよ
けんた・ひーたはだまってて
[判読不能]・なんでおとなのひとごるふするの ぱぱいつもごるふいくよ
あんな・ごるふいらない げーとぼーるいらない
けいすけ・ぱちんこやさんもいらない?
あんな・どーなつやさんになればいいよ
ひーた・ぼくはといざらすがいい
けんた・ひーたはだまってて
まさひろ・あとこんびにやだ おとなのひとこんびにのまえでしゃがんでらーめんとかたべてる
よしき・あいつらきたない げろはくし
けいすけ・おとなのひとのなかにもいいやつはいるよ でもいらないやつはいっぱいいるね
ひーた・ぼくのままは
けんた・ひーたうるさい だまれ ころすぞ
けいすけ・ぎょうせーがわるいとおもう
よしき・なにそれ
あんな・ぎょうせーってなに?
けいすけ・ぎょうせーはぼくたちにべんきょうしろとかっていうんだよ でもぎょうせいーのひとはぼくたちにべんきようさせてるあいだにりょこうにいったりやきにくたべたりするんだよ
けんた・ずるい
あんな・ずるい
[判読不能]・ずるい
まさひろ・ずるい
よしき・ずるい
ぼく・ずるい
けいすけ・みんなずるいとおもったからぎょうせーのひとをこらしめることにします ほかなにかある?
ひーた・ぼくのぱぱはぎょうせーじゃないよね?
けんた・ひーたはだまってて(これ以降には車及び漫画「ドラえもん」のキャラクターと見られる落書きが描かれていた)

SCP-XXX-JP-1
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1の周囲500mに境界線を敷き、障壁が構築されています。仮設サイト-81-XXXに勤務する職員は環境省並びに地方開発局職員に偽装し、SCP-XXX-JP-2の活動を監視するため、SCP-XXX-JP-1屋内に設置された機材を通しての映像及び周波数50.██MHzの電気信号を絶えず監視します。越境を試みる民間人に対して自然環境保全上必要な調査により立ち入りを制限する旨を提示して下さい。SCP-XXX-JP-2実体群が障壁内側から越境を試みた場合、保安職員はSCP-XXX-JP-2への潤滑剤の強制的な塗布が認められます。
説明: SCP-XXX-JP-1は栃木県塩谷町郊外に位置する廃屋です。SCP-XXX-JP-1はかつて農業用車両格納庫として地元住民により建設されましたが、1970年以降に遺棄されており、以降異常性が発現したものと考えられています。SCP-XXX-JP-1屋内には36台の自転車が散乱しており、これらはSCP-XXX-JP-2に指定されます。
毎週月曜日から土曜日の日本標準時7:30から16:40までの間、SCP-XXX-JP-1内に存在するSCP-XXX-JP-2は自立稼働し始めます。その後日本標準時9:00が経過した時点で、SCP-XXX-JP-1屋内から周波数50.██MHzの電気信号が発生します。この電気信号の内容は主に日本における初等教育の授業を模倣した音声情報であり、その主題が車両に置換されている等通常の初等教育の内容からの逸脱が確認されます。SCP-XXX-JP-1からの電気信号は9:00から15:00までの間、途中中断や特定のSCP-XXX-JP-2に対する発話などを挿みつつ継続します。15:00にSCP-XXX-JP-1からの電気信号が途絶した後、SCP-XXX-JP-2は再び不活性状態となります。

SCP-XXX-JP-2-18
SCP-XXX-JP-2はシティサイクル、マウンテンバイク、ロードバイクのいずれかの形態を持ちますがいずれも6段階の変速機を有し、これは後述する"学年分け"に応じて段階がセットされており、手動及びSCP-XXX-JP-2自身による操作を受け付けません。SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1での電気信号に対し反応を示し、またその指示に従い特定の活動に従事します。この事からSCP-XXX-JP-2が電気信号を受信及びその内容を理解する事が可能であり、行動の観察結果から実体が7歳から13歳程度の知能を有する事が判明しています。SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1屋内においてはその知能または不明な別の要因に基づいて6つの集団に分類され、それぞれの集団に分かれて活動に従事します。SCP-XXX-JP-2の各集団はSCP-XXX-JP-1授業においては"学年"として区別され、より大きい数の学年になるにつれ授業内容も難解なものになります。
SCP-XXX-JP-1の外に持ち出された不活性状態のSCP-XXX-JP-2は如何なる場所に保管しようとも、前述の自立稼働開始時刻から授業開始時刻までに推定██████Kmの速度で封じ込めを突破し、SCP-XXX-JP-1内へと戻ります。この事実はサイト-81██で発生した同時多発的収容違反事件の後にサイト-81██の残骸から回収された録画装置のデータを解析した結果判明しました。その後の調査では、収容を突破したすべてのSCP-XXX-JP-2は収容違反時に負うべき損傷の一切が確認されていません。
付録-い: SCP-XXX-JP-1授業内容の説明~科目 | ~概要 |
国語 | 通常の初等教育で用いられる教科書に掲載されているものと同様に小説からの抜粋もしくは童話を扱うが、その筋書は著しく変容している。一例として、『オツベルと象』ではゾウの代わりに思考能力を持つ油圧ショベルカーがオツベルに使役されており、結末ではショベルカーの大群がオツベルを轢殺した後地面に穴を掘り埋葬する。 |
算数 | 例題に様々な種類の車両が登場する。特筆すべき点として、4年次以降では物体(生物含む)への衝突時に発生する衝撃の計算を求める問題が出題される。 |
図工 | 車両部品を用いた工作を行う。6年次においては共同でセダンを作成し実際に走行させる。 |
体育 | 屋外運動が主である。この時間中、SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1の周囲の走行、サッカー等の球技、不明な手段で垂直方向に浮遊するといった行動を見せる。 |
社会 | 自動車の生産販売に関する経済情勢問題の他、歴史上において特別な役割を果たした車両の問題が出題される。SCP-XXX-JP-1電子信号によれば世界で最も生物を轢いた車両はオートバイである。 |
理科 | エンジン駆動式自動車用の燃料の製造方法についての学習が行われる。授業においてSCP-XXX-JP-1電気信号は砂糖と[編集済]の混合物をガソリンに添加することでより効率的かつ高々速度での走行が可能である説明するが、財団による試験ではエンジンの損傷が確認されるのみであった。 |
道徳 | 5、6年次でのみ確認される授業。車両としての在り方などを説くが、生物を轢いて殺傷せしめる事を忌避する内容は一切確認できず、積極的に生物(特に人間)を轢くよう推奨される。 |
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを含むビルは財団フロント企業を通じて接収がなされており、地方自治体及び周辺住民にはカバーストーリー”内部構造の長期調査”が提示されます。事前に対抗ミームの摂取を受けていない職員はSCP-XXX-JP内部への立ち入りを制限されます。既知のSCP-XXX-JP-1から42はリスト化されており、SCP-XXX-JP内部でのみ鑑定及び分析作業が行われます。
説明: SCP-XXX-JPは静岡県御殿場市郊外の廃棄されたビル1階のテナントスペースです。発見当初、当該ビルは所有者不明の状態にあり、登記情報の追跡調査で実業家である故█████氏から████なる個人に売却された旨が確認できましたが29、その個人の身元を特定する事はできませんでした。当該不動産は売却から財団日本支部による初期収容開始までの20年以上に渡り放置されていたと考えられますが、その間周辺住民、自治体組織、その他の個人及び団体が利用していた痕跡はありません。
SCP-XXX-JP内部空間では、壁面に沿って総数42点の多種多様な物品が一切の保護を施されず乱雑に展示されており、また各物品の近辺には物品の簡素な説明が記された銘板が備え付けられています。これら物品は異常な性質を有し、現在SCP-XXX-JP-1から-42に分類されています(便宜上概要部では引き続き物品と表記)。その展示方法に関わらず、すべての物品は経年劣化の兆候が観察されず、財団による収容開始から現在まで発見当時の状態を維持し続けています。物品をSCP-XXX-JP外部へ持ち出した場合、物品は一切の兆候を見せることなく急速に劣化し、試算では平均30分で塵状にまで分解すると考えられています。この劣化現象は物品をSCP-XXX-JP内部に戻す事により停止します。各物品の性質及び銘板の記載内容については付録XXX-JPを参照して下さい。
SCP-XXX-JPに進入した人物は一様にして展示された物品に対し強度の侮蔑・憎悪の感情を示し、鑑賞するに値しないと評価します。初期収容に当たったDクラス職員4名及び財団職員3名はSCP-XXX-JP-42を除くすべての物品は総じて無価値であるとの合意に至り、数点の物品を破壊しようと試みました。この精神的影響は事前に標準対抗ミームを摂取する事により緩和される事が確認されており、現在は改良対抗ミームの摂取下での展示品の解析が進められています。
SCP-XXX-JP-42はSCP-XXX-JP出口付近に展示された物品であり、他の展示物とは異なり台座及び強化アクリル製のカバーで保護されています。SCP-XXX-JP-42をの前を通過し出口から退出した場合、SCP-XXX-JP進入時に発生した精神的影響が消失するのと同時に安堵感を訴えます。
付録XXX-JP: 顕著なSCP-XXX-JP-X実例分類 | 説明 | 銘文の解説 |
---|---|---|
SCP-XXX-JP-2 | 数種の昆虫が詰められた1.5リットル瓶。昆虫はいずれも胴体部に穿孔痕が確認できる。 | 「帝国の隆盛に阿る唾棄すべき虫共」 |
SCP-XXX-JP-8 | 保存液に浸されたコーカソイド男性の頭部。頸部を切断され水槽内に入れられているにも関わらず時折口を動かす。 | 「秩序を紊乱せしhairburden狗」 |
SCP-XXX-JP-13 | ダンスを踊る4名の男女の抽象画が描かれた200×200cmの油絵。視認した者は異常な性的欲求30を訴え、それを満たすためにあらゆる障害の排除を試みる。 | 「愚劣なるコベイ道化Eldovaにより描かれた華燭の典」 |
SCP-XXX-JP-15 | 天井から吊るされた男性の絞殺死体。頭部には黒い布が巻き付けられており、腐敗の兆候は確認されていない。検死の結果ビルの前所有者である█████氏であることが判明。 | 「blockageralの徒」 |
SCP-XXX-JP-18 | 黒檀製の豚の顔を模した仮面。装着者は周囲の人間に軽度の強迫観念を抱かせるミーム特性を獲得する。 | 「受罰僧侶Tighounの面」 |
SCP-XXX-JP-24 | アダムス・スミス著『国富論』。鑑定の結果1776年に出版された物であることが判明。美品。 | 「帝国臣民を惑わす魔書」 |
SCP-XXX-JP-27 | 目にあたる部分を黒く塗りつぶされた石膏製の女性胸像。接触した場合大きくひび割れ、大量の赤いペンキを噴出する。このひび割れは接触を止めた時点で不明な方法で自動的に修復される。背面には『群衆は常に盲の王の首を狙っている。Are we cool yet?』と彫られている | 「救い難き扇動者により象られし粗末な偶像」 |
SCP-XXX-JP-29 | マーチン社製アコースティックギター。第4弦を鳴らす事で自動的に演奏する。これまでにJohn Stafford Smith“To Anacreon in Heaven” 、Sex Pistols“God Save the Queen”、ジローズ“戦争を知らない子供たち”の演奏が確認された。 | 「オルバ境界の彼岸に巣食う楽団が奏でる弦楽器」 |
SCP-XXX-JP-30 | クマネズミの死骸。頭蓋の損傷が著しく内部に装置が埋め込まれているのが確認された。何らかの電気信号を送受信するためのものと考えられる。 | 「光宮を穢した罪はimphral死により贖われる」 |
SCP-XXX-JP-33 | 東芝製ラックトップコンピュータ。正常に動作する事が確認されている。(詳細についてはセキュリティクリアランスLevel4にのみ開示) | 「汎hysiclisp閾下集合知を有しないblockageralの演算処理装置」 |
SCP-XXX-JP-36 | . | . |
SCP-XXX-JP-42 | 脈動する約20kgの肉塊。採取されたサンプルを検査では、既知のあらゆる生物との遺伝的共通項は見られなかった | 「光芒は帝国と共にあり、諸君らの神髄と共にある」 |
補遺: SCP-XXX-JP-33より回収されたデータ
SCP-XXX-JP-33からは暗号化された6個のファイルが発見され、そのいずれにも現在財団において機密管理に用いられる致死性ミームが転写されていました。SCP-XXX-JP-33ドキュメントのうち複数は財団上位機密情報に該当するものであり、時空間異常部門ではSCP-XXX-JP-33が現在財団により把握されているものとは別の時間軸に存在する財団もしくは財団後身組織の資産であるとの見解を示しています。当該ファイルはそれぞれSCP-XXX-JP-33-AからFのサブクラスが付与されています。SCP-XXX-JP-33-AからFまでの各情報はSCP-XXX-JPの起源の調査のため、アクセス制限を設けミーム除去処理を施された上で公開されます。
項目: SCP-XXX-JP-33-A
概要: mp4ファイル。内容は███放送によるドナルド・トランプ米大統領の就任演説の録画映像であり、開始当初は基軸現実のものと一致する内容である。2:30秒に突如トランプ氏が卒倒し、2:41秒に再び立ち上がる。立ち上がった後のトランプ氏の頭部周辺には不可解な光の屈折が見て取れ、映像解析によりこの現象はトランプ氏の頭部から推定摂氏███度以上の高温が発せられていることに起因すると判明した。異常発生後のトランプ氏はそれまでの演説内容から一変した主張を始める:主に「帝国」と称される不明な機関による統治形態の説明であり、隠喩的表現の多用、意味不明な固有名詞及び形容詞の使用、民主主義・資本主義社会への難解かつ独特な解釈と批判が顕著である。この演説を聞いた聴衆はトランプ氏と同様に卒倒し始め、直ぐに復帰する。聴衆もまた、トランプ氏と同様の異常発熱及び演説を開始する。4:08に女性の叫び声が上がり、映像は終了する。
項目: SCP-XXX-JP-33-B
概要: 48枚のPNG画像。メタデータの解析によりこれらの画像は2019年から20██年の間に撮影された写真であると判明する。画像は起源不明のドーム状建造物を遠距離から撮影したものであり、GPS記録及び画像背景の分析により判明した撮影場所は以下の通り: アメリカ・ニューヨーク州マンハッタン、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー、アルゼンチン・リオネグロ州シウダ・エンクルシアダ、イギリス・マージーサイド州リヴァプール、フランス・イル=ド=フランス地域圏パリ、スペイン・バレンシア州サグント、ポルトガル・リスボン県アマドーラ、ドイツ・バイエルン州ミュンヘン、ギリシャ・諸島県アンティキティラ島、[編集済]、南アフリカ・西ケープ州ケープタウン、ロシア・レニングラード州サンクトペテルブルク、トルコ・イスタンブール県スルタンベイリ、シリア・スワイダー県エル・タバク、カザフスタン・クズロルダ州バイコヌール、インド・クジャラート州ヴァドーダラー、タイ・首都府バンコク、中華人民共和国・湖北省武漢市、北朝鮮・平壌直轄市、日本・島根県出雲市。
アイテムばんごう: SCP-610-JP-J
オブジェクトクラス: でんせつ
とくべつしゅうようプロトコル: パッケージ から SCP-610-JP-J ロム を とりだし きみの スーペーファミコン に さしこみなさい!ロム の データ を むだんで かいせきすることは けっして ゆるされない!SCP-610-JP-J が せいじょうに きどうしたら まず きみの なまえを にゅうりょく しなさい!きみには きゅうりょう 500えん と Aクラスきおくしょりざい 5こ が しきゅうされる!きみの にんむに やくだてたまえ!
せつめい: えらばれし しょくいん %%title%% よ!きみは にほんしぶりじかい の けっていに したがい サイト-8141 へ しょぞくする ことに なった!これから きみは サイト-8141 で さまざまな スキップたちと じっけんを おこない そのけっかを レポートにしるして ていしゅつしてもらう!おおくの くなんが きみを まちうけている ことだろう!しかしあんずるな!きみの にんむにくわわり たすけてくれる なかまたちがいる31!かれらときょうりょくし みごと じっけんを せいこうさせてくれ!
~ がぞう | ~ なまえ | ~ とくちょう |
カナヘビ.jpg | カナヘビ | きみが いちばんさいしょに なかまくわえられる しょくいんだ!さまざまな とくぎをくしし きみのじっけんを サポートしてくれるぞ! |
餅月.jpg | もちづき | なかまになる しょくいんたちのなかでも くっしの すばやさ を ほこる!くちぶえをふいて ウニを たいりょうしょうかんするぞ! |
前原.jpg | まえはら | わんりょく に すぐれ スキップとの じっけんで おおいに かつやくするぞ!とくぎ「さんちん」で ひくい かいひりつ を カバーしよう! |
差前.jpg | さしまえ | ときどき アイテムをひろって きみにうりつけてくるぞ!レベルアップで SM_Lに へんしんすることが かのうだ! |
三國.jpg | みくに | とくぎ「もくぎゅうりゅうば」は みかたのたいりょくを かいふくするぞ!ほかにも ひぞくせいまほう が とくいだ! |
桑名.jpg | くわな | しょきのうりょくち は ひくいが なかまのなかで ゆいいつ でんせつの ブラックソードを そうびすることができるぞ! |
骨折.jpg | ほねおり | ひっさつわざ「リーチドラドラ」で せんきょうを くつがえす!すべての とくぎが うん がらみな じょうきゅうしゃむけ キャラだ! |
ほかにも なかまたちは おおぜい いる!きみの にんむに てきした なかまを さがしだそう!
~ がぞう | ~ なまえ | ~ とくちょう |
040.jpg | ねこ | ミームこうげきで きみを じょうたいいじょうに する やっかいな スキップだ! |
111.jpg | ぶうた | じっけんちゅう きさくに はなしかけてくるが とつぜん ばくはつする おそろしい スキップだ! |
242.jpg | ちょきんばこ | きみの きゅうりょうを ねこそぎ うばいさる あくまのような スキップだ! |
272.jpg | ユカ | だんせいしょくいんを うつぶせ じょうたいにする かみもほとけもない スキップだ! |
325.jpg | トビチルマン | パーツごとに わかれて しゅつげんするぞ!たいてい こんらん しているぞ! |
579.jpg | コロポックル | いっけん ただの にんぎょうにみえるが きみの クリアランスレベルが あがると イベントが はっせいするぞ! |
916.jpg | スワンプマン | たおしても なんどでも よみがえるぞ!そうびが ととのっていないならば れいとうとうみんさせて にげよう! |
ほかにも スキップは おおぜい いる!こうばいぶで そうびをととのえ じっけんに いどもう!
~ がぞう | ~ なまえ | ~ とくちょう |
019.jpg | ふつうのボノボ | ときどき げんじつかいへんこうげきを しかけるが なにも おこらないぞ! |
888.jpg | だるまさん | けっそんこうげきで こちらのこうどうを ぼうがいするぞ!じっけんせいこうで てんのうじが なかまになるぞ! |
488.jpg | おおかみ | きみの レポートに ちょくせつ ダメージをあたえてくるぞ!あかペンキで たいこうしよう! |
540.jpg | ンボボボさん | きみの なかまたちを ンボボボさんに かえてしまうぞ!スクラントンげんじつびょうで ぼうぎょしよう! |
835.jpg | けてるやみこ | きみの なかまたちを しょうめつ させるぞ!██けんきゅうじょしゅのノートで アイドルじょうたいにしよう! |
444.jpg | ひいろのとり | かいまく ぜんたい そくしこうげきを しかける きょうあくな スキップだ!たいこうミーム を しようしないと ぜんめつするぞ! |
512.jpg | エクストラクエスト | [データさくじょずみ] |
ほかにも ボススキップは おおぜい いる!ボススキップとの じっけんに せいこうすると きみの きゅうりょうが ふえるぞ!
しし: おお!きみが あたらしい しょくいんか!よくぞまいった!
D-27569: ……あー、何コレ?アンタ新しい博士か?
しし: われこそは ざいだん にほんしぶりじかい しし である!ゆうきある しょくいんよ!きみには これから スキップたちとの じっけんに さんかしてもらう!
D-27569: ハイハイ、んで何すりゃいいんだ?
しし: じっけんの まえに きみには 500えんの きゅうりょうと Aクラスきおくしょりざい 5こが しきゅうされる!きみの にんむに やくだてたまえ!
D-27569: ガキの小遣いかよ……でもこの記憶なんとかってのは役立ちそうだな、貰っとくぜ。
しし: つぎに きみの なかまになる しょくいんを つぎの 3にんから えらびたまえ!
~ カナヘビ さまざまな とくぎを くしして きみの じっけんを せいこうに みちびいてくれるぞ! ~ とらや パッシブスキル「ひじょうしょく」を おぼえる かずすくない しょくいんだ! ~ かみやま じっけんで しぼうしても あらたな かみやまが しゅつげんする タフな しょくいんだ! D-27569: あー……じゃあ取り敢えずかみやまで。
しし: ざんねん!かみやまは きみの セキュリティクリアランスでは なかまにできないようだ!ほかの なかまを えらびたまえ!
D-27569: お前シバくぞ。
しし: ざんねん!かみやまは きみの セキュリティクリアランスでは なかまにできないようだ!ほかの なかまを えらびたまえ!
D-27569: 分かったようるせーな!じゃあとらや、これでいいだろ!?しし: ざんねん!とらやは きみの セキュリティクリアランスでは なかまにできないようだ!ほかの―
D-27569: シバき倒すぞお前!じゃあカナヘビにすりゃいいんだろ!?
しし: おお!ちょうど わたしも おまえには カナヘビが ふさわしいと おもっていた!おめでとう!これから カナヘビは きみの なかまだ!
カナヘビ: よう あいぼう!えらんでくれると おもっとったわ!よろしゅうな!
D-27569: だったら最初からそう言えや!ったく……んで、俺はどうすりゃいいんだ?
しし: よろしい!きみには まずさいしょに 173との じっけんを おこなってもらう!じゅんびは いいか?
D-27569: まぁ何だかよく分からんが実験しないと解放してくれないんだろ?準備はいいぞ。
しし: では これより 173の しゅうようぼうを かいほうする!10びょうまえ、9―
カナヘビ: ちょっと おはな つんでくるわ。ほなな。
[カナヘビ が パーティーから はずれた!]
D-27569: おい!?
しし: 2、1、じっけん かいし!
D-27569: ……あー、何だこれ?彫刻か?なぁこれ―
[173 の こうげき!]
D-27569: [悲鳴、頸骨を折られた事による雑音]
< データを きろく しました >
帝国用語辞典: Empedia
個人的な興味もあり体系的なデータベースが欲しいなと作りました。私見も多いですが執筆や考察の一助になれば幸いです。内容は随時追加していきます。情報提供求む。
あ:
[頭] :
「ここで説明させていただくと、SCP-031-JPは連結したコンピュータデッキ群で、頭部が高熱を放出するのはそのためです。」 - SCP-031-JPディスカッション内、wobe氏の発言より
これまでに確認された帝国関連の人型実体は頭に何かしらの異常を有している。頭部がコンピュータと化し放熱を行う者やクロッカス(自身の贖罪の意志の顕現か?)に置換された者等形状は様々であるが、これは帝国の階級制度とも関連があるのかもしれない。
[あの方] :
どういうわけか、あの方は私のような者にも対等であるかのように接しなさっていました。 - SCP-201-JP-1
SCP-201-JP-1の想い人?Kovk-Harazinが大好物の聡明な(恐らく)女児。いうなれば世間知らずの箱入り娘。暴徒に襲撃され死亡。
[一等銀輝勲章] :
「マジ武勇を讃え一等銀輝勲章を授与すげー。」 - SCP-031-JP-04
チョーかっけー働きをした帝国軍人に送られる、マジヤバい勲章。
[Idna期] :
「この帝国が勃興する前、古き巨人達が互いの躯を揺するより昔、Idna期の遺物は今や私たちの記憶の中にだけ揺蕩う。」 - 漂流物の追懐
帝国における一時代を指すと考えられる。
[エセプト] :
「血塗れのエセプトは感嘆を表明す。」 -SCP-031-JP-06
詳細不明。
[演説] :
「不可能だ。彼は既に私であり、一人の帝国臣民でもある。」 - SCP-031-JP-01
帝国官僚は演説を行う事で聴衆をSCP-031-JPの一員として組み込む事が可能である。ただし効果が発揮されるのは男性の健聴者に限り、聴覚に障害を持つ者あるいは女性の被験者は演説の効果を受けない事が実験により判明している。(ちなみに女性被験者はこの実験後、官僚に対し嫌悪感を示した)また、ヘッドギアを装着して疑似的に聴覚を喪失した状態での実験ではヘッドギアの故障により被験者が演説に曝露し官僚の一員に加わるという事故が発生したが、この事は官僚及びスピーチとの因果関係は無いと判断されている。
[オルバ境界] :
「オルバ境界を越え、遥かに遠ざかりし此の地に於いて」 - 帝国のオリエンテーション
帝国次元と我々の次元を隔てる何かと思われる。
か:
[“過去の同胞”] :
「忌まわしき受罰僧侶どもに率いられた“過去の同胞”がFugolに雪崩れ込み、聖域を穢し……報せを聞いて、私は急ぎました。」 - SCP-201-JP-1
受罰僧侶に率いられた民衆。帝国から追放された者達を指すのか?
[カペラト] :
「カペラトの恐怖をいたずらに煽って反乱を扇動し、我らの同胞の名誉職務を穢した。」 - SCP-031-JP-03
帝国官僚が恐れる禍のようなもの。その詳細は不明だが、コベイ学者や受罰僧侶がこれをもって民衆を扇動したらしい。
[カルガモ] :
「カルガモの仔達はすくすくと育ちヒルコとなりKanivarusへの尖兵となり門を開く手助けをし天上へと登れることでしょう。」 - 回収文書██号
カルガモの赤ちゃんの可愛さは万人が認める揺るぎない事実である。
[クロッカス] :
紫クロッカスの花言葉は「愛の懺悔」。 - 事件記録201-JP-incident脚注
SCP-201-JP-1の首から上に生えている花。
[光宮] :
「既に光宮は暴徒に破壊され、辺りからは小さな火が立ち昇っておりましたが、あの方は瓦礫の下に……幸いなことに、まだ息はおありでございました。」 - SCP-201-JP-1
帝国臣民の中でも高位の者が住まう建物か?受罰僧侶にアジられた暴徒に破壊されたという。
[光芒] :
「光芒が見える。光芒が見える。燦然と光り輝いている。」 - SCP-031-JP-18
帝国臣民が崇める象徴的な何か。SCP-201-JP-1はあの方の死を回想し「光芒よ、あなたは私が殺したのです!」と発言したが、もしやあの方が……?
[五億] :
「防衛に必要な予算は五億を下らず、依然脅威である。」 - SCP-031-JP-10
通貨単位は不明。ちなみに2015年度の日本の防衛費は四兆九千八百一億円。
[コベイ学] :
「全ての元凶はあの狡猾なコベイ学者や受罰僧侶どもにあり。」 - SCP-031-JP-03
帝国官僚に目の敵にされている謎の学問。コベイ学者は利権を求め帝国を裏切る頽廃者とされる。天蓋盤に関わるらしいが詳細は不明。
さ:
[ざんげのキッチン] :
SCP-201-JP-1は殺人経験又は人の死に関わるトラウマを持つ被験者が単独でSCP-201-JPに入室することをトリガーとして出現する人型実体です。 - SCP-201-JP
ほのぼのとしたタイトルとは裏腹にさらりと人肉料理でもてなしてくれる、札幌市のホテル内の異常な厨房と人型実体。給仕は泣き上戸で、頭がクロッカスになっている。
[受罰僧侶] :
「其の中の幾群れかが過去の受罰僧侶どものように反旗を翻し、我々の黄金の牙城へ刃向かう事も、私には止める事は出来ない。」 - 帝国のオリエンテーション
コベイ学者と同じくらい官僚達から憎まれている。“過去の同胞”を率いて暴れているとの事。全体主義と揶揄されたファシズムが初期においてカトリックをはじめとする宗教を弾圧した事実を考えると、帝国にとっても宗教は目の上のたんこぶであったのかもしれない。
[ジョドムァ] :
「ジョドムァの決めせし無形万系図」 - 帝国のオリエンテーション
恐らく人名か?
[聖ニクロフテス] :
「聖ニクロフテスの屍たるかの有形大地」 - 帝国のオリエンテーション
こちらも人名と思われる。神話らしさが垣間見える表現である。
[全体主義] :
「“帝国”や“選民思想”、“全体主義”に関する独創的かつ奇妙な意見の集約である点については概ね内容が一致しています」 - SCP-031-JP概要より
帝国の政治体制は全体主義を執ると考えられている。全体主義とは民主主義の対義語で、かいつまんで言うと「個人は全体に従属すべき」というものだが、これが帝国臣民すべてに浸透しているとは言い難い。似たような体制を執るSCPオブジェクトにはSCP-752が挙げられるが、こちらは帝国と比較した場合より非人間的であり昆虫等に見られる真性社会的特徴が窺える。
た:
[大日本帝国] :
「旧大日本帝国憲法全文。天皇についての言及は全て“光芒”又は████に置き換えられていた」 - SCP-031-JP資料031-JP-speechより
帝国と関連ありそうな何か。大まかなアイデアの基となっているのかもしれない。
[帝国] :
「帝国は暁に眠る」 - SCP-031-JP-09
独特の言い回しや造語センス、ディストピア的世界観により数多くの読者を惹きつける準要注意団体。その設定の多くは未だ謎に包まれているが、この事も読者を魅了する一因となっていると思う。
[帝国官僚] :
「悪意あるウイルス性人間コンピュータ群(?)という変てこな設定でした」 - SCP-031-JPディスカッション内、wobe氏の発言より
頭部から高熱を放つ人型異常実体群。演説を行う事で聴衆を新たなSCP-031-JP実体にしてしまう七人ミサキのような特性を持つ。頭部を破壊する事で終了が可能であり、事案031-JP-A以降無力化したと思われたが……?
[帝国臣民] :
帝国の統治下にあるすべての者を指すらしい。これまで確認された帝国臣民個体は総じて愛国心が強い傾向にある。
[天蓋] :
「そして天蓋の外に広がる数多の [データ削除済] のことを、目を輝かせながら私にお教え下さいました。」 - SCP-201-JP
「憎きコベイによって失われた現在も尚燦然と輝き続ける蒼き天蓋盤に」 - 帝国のオリエンテーション
単に天空を指すとも、光宮を保護するための防護壁のようなものとも考えられる。外には一体何があるのやら。
[扉の番人] :
扉を守る番人は名誉職務を理解しない。馬鹿げた倫理に縛られていては停滞を生むだけであることが未だに分からない。 - SCP-031-JP-15
扉とは春と同様帝国の統治の暗喩表現であると思われる。この事から扉の番人とは帝国あるいは異常なオブジェクトを収容する存在であると推測できる。
な:
は:
[春] :
此の世の春には冬の時代が必要だ、動植物と同様に。 - SCP-031-JP-01
帝国臣民が一日千秋の思いで到来を待ちわびている。単に季節を表しているのではなく、帝国による統治の暗喩表現と考えられる。
[汎hysiclisp的] :
「我々の勇猛果敢なる奴隷手足が汎hysiclisp的広範に渡り赫々たる戦果を挙げ」 - 帝国のオリエンテーション
汎欧州主義とは一切関係ないと思われる、帝国独自の表現。
[秘匿する者ども] :
「其の小さき二つの眼を見開き世界を視認せよ、秘匿する者どもよ!諸君等は無用な枷より解放され、己が其の傲慢が為に隠し続けてきた真実を知るだろう。」 - 帝国のオリエンテーション
おそらく財団及び職員の事を指すと思われる。
ま:
や:
[ヤグェンド] :
……そう、私は賤しきヤグェンドの身分だったのでございますが、畏れ多くもあの方へ直接御食事をお届けする給仕の役目を仰せつかったのでございますよ。 - SCP-201-JP-1
帝国における賤民階級であると思われる。選民思想的な風潮の強い帝国で何故ヤグェンドのSCP-201-JP-1が給仕になれたのかは不明だが、彼?の推測によればどうやら料理長達が責任を押し付けるためにそうしたらしい。
[輸液ボトル] :
「先輩。人は変われるんです。望む望まぬにかかわらず」 後頭部に手をやり、自らの輸液ボトルから延びるチューブを一つを手に取る。 - ひかりの、くに。
帝国と関連すると見られる、いかがわしい薬剤が詰められたボトル。首筋に注射する事で洗脳効果を発揮すると考えられる。
ら:
[料理長] :
料理長たちは暴徒を恐れて未だ室内に隠れておりましたが、私は構わず食料を物色しました。 - SCP-201-JP
決して鬼食氏ただ一人を指す訳ではない。光宮仕えのコック集団。万が一の時はSCP-201-JP-1に責任を押し付けようとしたり非常事態に隠れたりなどそのプロフェッショナルとは言い難い姿勢には疑問が残る。最終的にはSCP-201-JP-1の手により皮肉な結末を辿る。
わ:
他:
[1984年]:
「ジョージ・オーウェル著『1984年』と推測されるストーリーの要約。本編には直接登場しないはずのビッグ・ブラザーを語り部として進行する」 - SCP-031-JP資料031-JP-speechより
ジョージ・オーウェル著。ディストピアモノとして有名な小説。帝国の設定もここから着想を得ているのかもしれない。
[Audquse]:
全ての要否への厳格な回答は因果律体系に依って得られ、我々の奉仕は正統なる智の胃袋Audquseに還元するのだから。 - 帝国のオリエンテーション
これとか聖ニクロフテスなどといった造語を見るとサーキックとも関連がありそうである。帝国は更に深化するばかり。
[blockageral] :
「blockage(妨害物、封鎖物)からくる造語か。」 - SCP-031-JP脚注
帝国官僚が嫌う思想的な何か。SCP-031-JP-01によれば███博士はblockageralではないらしく、貴重な同胞として看做されている。
[Fugol] :
光宮のある場所と考えられる。
[Gidico] :
厳格なGidico様や戦争官僚 - SCP-201-JP-1
戦争官僚と並べられている事から、官僚を束ねる立場にある人物?と思われる。
[hairburden] :
「侮蔑の形容詞と推測される。」 - SCP-031-JP脚注
コベイ学者や受罰僧侶はhairburdenである。
[Kovk-Harazin] :
Kovk-Harazinが大のお気に入りでございました、あの方は。一時期それ以外の食事を全く奥地に入れなかったこともありましたのです。 - SCP-201-JP-1
ミートソーススパゲティに近い料理と思われるが、材料は不明。どうやらHarazinはミートソースを意味するようだ。
[magimark] :
だが最早其れが愚かな杞憂である事もまた、確固たるmagimarkな事実として此の大地に突き付けられた。 - 帝国のオリエンテーション
形容詞っぽい何か。
[Panna-giani] :
尤も聖にして清らかなるPanna-giani、永定女宰たる我等が光芒。 - 漂流物の追懐
帝国は光芒を頂点とした女帝制を執っていると思われる。
[SCP-201-JP-1] :
「それでは誰もが救われない。我々は最後まで生きなければならないのです。それが死より苦しい道だとしても」 - SCP-201-JP-1
帝国が誇る名給仕にして名カウンセラー。出自故か自身を卑下する事が多い、身分違いの恋に焦がれた悩めるクロッカス。
[wobe] :
記事の独創的かつ壮大な世界観に定評がある、エージェント速水の中の人にして帝国建立の父。
[███博士] :
██を返せ! - ██博士
SCP-031-JPに息子を奪われた事を皮切りに踏んだり蹴ったりな目に遭う財団職員。事案031-JP-Aの後失踪し、財団側は新たなSCP-031-JP個体になったと推測しているが真相は闇の中である。
「ハ!一体何だこのクソみたいな収容プロトコルは!貴様は財団に入って何年目だ!」
「……█年です」
エージェント・育良はやや俯きながら、目の前でふんぞり返る四十がらみの男に答えた。
四十がらみの男――屋敷博士は苛立ちを隠す事無く、義足の右脚の底をガチガチと床に打ち付けながらなおも育良に吠え掛かる。
「█年!貴様は█年も働いてこんな子供の作文みたいなプロトコルを構築するのか!警備員5名?チタン製のコンテナ?ハ!低脅威かつ移動しないEuclidクラスだぞ!監視カメラと標準コンテナで十分だ!」
「はぁ……」
「それに何だこのスクラントン現実錨とは!貴様報告書にスクラントン現実錨と書きたいだけじゃないのか!ベリリウム銅の原価知ってるのか!施設及び情報の保全維持以外での現実錨の展開は許さん!」
「はぁ……」
「大体何でどうでもいい所にアクセス規制を設けやがる!担当職員に事前のミーム投与を徹底させろ!ミーム部門と情報保全部門に連絡して短期記憶消去反ミームを添付してから出直せ!」
「はぁ……」
「さっきから何なんだその生気のない答えは!これだからゆとりはあーだこーだけんけんがくがく…………」
「はぁ……」
サイト-8141の喫煙所でエージェント・育良はすっかりくたびれた様子で煙草をふかす。屋敷博士に収容手順の目通しを依頼した後はいつもこうだ。博士の境遇を考えれば、ああまで厳格になるのも分からなくはない。SCPオブジェクトに右脚を奪われた過去が今の彼の性格を醸成したのだ。身を以てオブジェクトの危険性を知ったから、彼はオブジェクトを憎悪し、誰よりもオブジェクトの収容に傾倒している。故にプロトコル・アイドルやヴィランに代表される彼が構築した収容プロトコルは瑕疵のない、芸術とも言えるものに仕上がるのだ(と、育良は己の心を慰撫した)。
「おや、おやおやおや、育良君ではないのかね?」
喫煙所の隅で蹲る育良を目ざとく発見したのは白子博士だった。また厄介な人に出会ってしまった……育良は表面上笑顔を取り繕いながらも、心の中で今日一日の運命を呪う。白子博士、彼もまた屋敷博士に並ぶ財団屈指の曲者だ。端的に言えばマッドサイエンティスト、彼の稚気染みた悪戯に惑わされた職員は数知れず。もっとも彼の場合は周囲にあたる事が無いのでまだ接し易いのだが……。
「こんにちは白子博士……ええと、煙草吸われましたっけ?」
「いや、桑名博士と『君の名は。』を見に行こうと思っていたのだが、生憎教習所に行ったようなのでね。仕方なしにあてもなくぶらぶらしているのだよ」
「桑名博士が自動車の免許を?」
「自動車?んふ、んっふっふっふ、車だと思ったのかね?んっふっふっふ……」
ああ、この人はいつも何を考えているのか分からない、何て返せばいいのか分からない……育良は貼り付いたような笑みで頷くしかなかった。
「育良君はもう『君の名は。』見たかね?私は見てないぞ。しかし商業主義に凝り固まった業界で単発のオリジナル作品が爆発的な大ヒットを飛ばしたというのは大変興味深い。やはりラッドウィンプスとやらの集客力かね?それとも観客を惹き付けるストーリーか?はたまた別の何かが働いた?君はこれをどう見るかね?どう見る、どう見る、君ならどう見る?」
「はぁ……」
ほとんど溜息に近い相槌を打つ育良に、白子博士は首をかしげた。
「うむ?元気が無いぞ育良君。若さが取り柄の君がなんと不甲斐ない。何かあったのかね?」
「はい……実は…………」
…
……
………
…………
「成程、とどのつまり君は屋敷博士を凌辱し彼を彼たらしめるアイデンティティのすべてを剥奪した上地獄の釜の縁まで追い詰めたいのだね?」
「そこまでは言ってません!」
「んっふっふっふ、安心したまえ。君の言わんとする事はまるっとお見通しだよ。要するに屋敷博士にお灸を据えたいのだろう?」
「ええと、まぁ、あの……そうなのかな?」
「私に任せたまえ育良君。私に、任せたまえ……んっふっふっふっふっふっふ!!」
「いえ、お手数をかける訳には……」
「んっふっふっふっふっふっふっふっふ!!」
白子博士の含み笑いが喫煙所に響き渡る。どうやら相談する相手を間違えてしまったらしい。育良の背中を冷や汗が滝の如く流れ落ちた。
「ハ!この多忙な私がSafeクラスブジェクトの調査だと!私の前にそのような物を出してみろ、直ぐにでもNeutralizedにしてやる!Safeクラスなど収容房の肥やしだ!」
「しかし屋敷博士、今回のオブジェクトはその……廃病院でして。叩き潰すには骨が折れるどころの話ではないんじゃないかと……」
おずおずと答える育良をギロリと睨みつけ、屋敷博士は腕を組む。そして育良の口上を咀嚼するかの如く瞑目し、革張りの椅子にその身を沈めた。
育良は今にも飛び出しそうな心臓の動悸を抑えようと、両の手を固く握る。
そうして数分が経つと、不意に屋敷博士が瞼を閉ざしたまま口を開いた。
「実地調査ならばDクラスを使えばいい話だ」
「ええと、既にやってます。しかし誤認作用により十分な評価が出来ず終いでして……故に上級職員のような有識者の見解を得たいと……」
「誤認だと?ミームか?」
「いえ、伝染性はありません。脅威度極小の記憶への影響によるものです」
「何故私がやらねばならん?」
「メタアナリシスを得るための抽選で……その、屋敷博士が選ばれました」
「かつてオブジェクトの収容違反を招き、その廉でオブジェクトとの接触を禁じられた私が何故候補に紛れ込んだのだ?」
「オブジェクトが人力での破壊は到底不能であるのと、周辺が既に封鎖されており収容違反が発生する恐れがないのと、あとは……脅威度が低く危険性もないからではないかと」
「嫌だと言ったらどうする?」
育良は屋敷博士と対話しながらも、不思議と圧迫感を感じない事に気が付いた。普段ならその毒舌で一方的に捲し立てる屋敷博士が、オブジェクト調査の話となると妙に委縮したように見えるのだ。弁慶の泣き所とはよく言うが、屋敷博士はオブジェクトと接するのが本当に嫌いらしい。それが自力では破壊できないものであると、さぞや不愉快であろう。育良は目の前に座る義足の中年男が何だか気の毒に思えてきた。オブジェクトの調査を依頼する事が罪深い行為ではないのかとすら思った。屋敷博士が普段から何かにつけて周囲と衝突するのは、オブジェクトと接する機会を失くし、己を守るための虚勢ではないのかとすら思った。
しかし……
「屋敷博士、財団の理念はご承知ですか?」
育良のこの一言に、屋敷は一瞬呆気に取られたような表情を見せた。予期せぬ質問である。育良もまた、何故自分がこのような問いを投げかけたのかが分からなかった。分からないが、口から滑り出てしまったのだ。数拍の後、屋敷博士の眉間にかつて見たことのない程の皺が寄った。
「貴様は私を馬鹿にしてるのか!確保、収容、保護、それ以外に何が……」
「そう、確保、収容、保護です!」
屋敷博士から浴びせられる罵声の大きさに負けじと、育良も声を張り上げる。普段はなよっと気弱そうな青年が突然叫び出したのだ、これには流石の屋敷博士も面食らったと見えた。
「確保!収容!保護!これこそが財団職員の義務!財団が人類に対して負う義務!しかし博士は一体何なんですか!何故この義務を避けるような発言をするんですか!」
「う、うるさいぞ、貴様私を誰だと……」
「財団に勤める者としての矜持を思い出してください!確保!収容!保護!博士がこれまで作り上げた収容プロトコルはどれも素晴らしいものです!しかしそのプロトコルは何のために作り上げたのですか!何も知らない財団外の人々を異常の魔の手から守るためではないのですか!」
「いや、少なくともプロトコル・アイドルは財団の……」
「博士!確保!収容!保護!博士の収容プロトコルは完璧です!芸術です!それらの素晴らしい仕事を貶めるような発言はよしてください!僕も行きますから、博士も実地調査に行きましょう!」
「あの、おい、育良……」
「確保!屋敷!博士!収容!保護!博士!確保!確保!収容!屋敷!保護!保護!保護!」
捲し立てると屋敷博士は目に見えて狼狽し出す。この人は押しに弱い、育良は声を荒げながら確信した。
「分かった!もういい!行けばいいのだろ行けば!」
「行く!確定!確保!収容!保護!屋敷!博士!」
「分かったからもう黙れ!」
「という訳で何とか屋敷博士を連れてくる事に成功しました、もうしばらくで到着するんじゃないかと」
「んっふっふっふ、君ならやれると思っていたよ育良君。私が見込んだだけの事はある」
「え、俺見込まれてたんですか?」
「図に乗るな」
「あ、スンマセン」
とある郊外の廃病院前、エージェント育良は白子博士に屋敷博士との交渉の顛末を説明した。白子博士は上機嫌で、屈託のない笑みを投げかけながら育良の言葉を聞く。今日の白子博士は特に機嫌が良さそうだ、悪い予感しかしない、と育良は相槌を打ちつつ内心ヒヤヒヤしていた。
「さて、間もなく行われる屋敷博士ビックリドッキリ大作戦だが、今日のために私は特別ゲストを招聘したぞ。出ませい、エージェント!」
「どろん!育良さん、よろしくお願いしますね!」
「ひぃぃああああ!?」
白子博士が指を鳴らすのと同時に白い煙が地面から噴き上がる。煙は一瞬にして晴れ、育良の真横に現れたのは口元までを覆う黒装束に身を包んだうら若い女性だった。女性の突然の登場に育良は驚きのあまり情けない声を挙げながら腰を抜かしてしまい、その様子を見て白子博士と女性は肩を震わせ笑い出す。
「んっふっふっふっふ、ビビってるな育良君!人事ファイルに書かれていた通りだ。紹介しよう、彼女の名はエージェント東風浦。見ての通り忍ぶ事が大得意だ!」
「はじめまして!東風浦静歌といいます!今日は頑張って育良さんのサポートをしますよ!」
「急に驚かせないでくださいよ!あぁ~、心臓に悪い……カッコつかない……」
育良は女性の目の前で痴態を晒してしまった事に耳朶まで真っ赤に染めながら恥じ入ったが、エージェント東風浦はどこ吹く風と謂った体で、育良に作戦を説明するため携帯端末を取り出す。
「今回育良さんと屋敷博士に調査を行ってもらうのはこちらの廃病院です。詳しくはオブジェクト番号849-JP報告書を参照して下さい。ざっくばらんに言いますと異常現象っぽい非異常現象が多発する、そしてそれら非異常現象を異常現象だと誤認してしまう、しかし実際には大したことは起こらない廃病院、廃病院です!」
「廃病院を強調しないでくださいよ、おっかない。何か出そうだし出来れば入りたくないんですけど……」
「ご安心あれ!私も潜入し影からしっかりサポートいたしますので!」
「余計不安なんですけど……」
煮え切らぬ態度を取り続ける育良に、白子博士が吼えた。
「ええい育良君!日本男児にあるまじき優柔不断!屋敷博士を仰天させたいと言うからセッティングをしたのにここに来て怖気づくとは君はバンビか!草食系か!」
「だって、俺が超ビビりなの知ってるでしょ?絶対何か出ますってここ!生きて出られる自身が無いですよ!」
「何も出ないし、出たとしても錯覚だ!屋敷博士を口説き落とした時を思い出せ!確保!収容!保護!復唱したまえ!」
「かっ確保!収容!保護!屋敷!」
「よーしそれで結構、常に財団理念を唱えておけば恐怖も薄れるだろう。イヤホンは装着したかね?」
「はい、これ片耳に入れとけばいいんですよね?」
「そこから我々が指示を送るので君は屋敷博士の前で道化を演じるのだ。先程の様な痴態をな。出来る限りバカっぽく振る舞いたまえ。院内に入った屋敷博士が君がてんで使い物にならないと油断し始めたら作戦開始だ!んっふっふっふっふっふ!」
それだけ言い残し、白子博士は東風浦とそそくさと院内に入っていく。一人取り残された育良がとりあえず一服しようとポケットの煙草を取り出そうとした瞬間、後方より黒塗りのランクルが現れた。財団支給の移動用車両だ。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの収容のため、ニューギニア島インドネシア領アスマットに仮設サイト-██が構築されています。
説明: SCP-XXX-JPはニューギニア島インドネシア領において1999年に発見された有機的媒体により構成される装置です。現在3台のSCP-XXX-JPが財団により収容されており、内1台は現在機能しません。稼働可能なSCP-XXX-JP個体は定期的32にSCP-XXX-JP-1に指定される貝葉を排出します。SCP-XXX-JP-1には簡素な英語で記された文章が記載され、そのいずれもが排出時より1週間から2週間以内に発生する局所的なイベントに関係すると理解される内容となっています。
- SCP-XXX-JP-2の説明、マクスウェリズムに帰依した土着民
付録-XXX-A: SCP-XXX-JP-1の記録例より抜粋
以下の記録は、財団が収容に至るまでに排出されたSCP-XXX-JP-1記録の内、特に顕著なものであると考えられています。財団によるSCP-XXX-JPの収容に理解を示すSCP-XXX-JP-2から得られた供述に基づき確認されたイベントとの照合が行われ、裏付けが完了している記録は全体の約35%を占めます。~排出日時 | ~記載内容 | ~発生したイベント |
1960年代中頃 | ||
1960年代中頃 |
SCP-XXX-JPの全機体にかつてGoI-004C"壊れた神の教会"マクスウェリズム教会に所属し、失踪宣告がなされたシステムエンジニア、マーク・ローゼンバーグ(PoI-004C-371に指定)によるものと見られる刻印がなされています。* SCP-XXX-JP-2のインタビューを挿む
付録-XXX-B: PoI-004C-371による手記より抜粋
以下の記録は、SCP-XXX-JP-2により保管されていたPoI-004C-371の手記の一部です。保存環境に起因する著しい劣化により記録のほとんどは解読が困難な状態となっていた事に留意して下さい。
196 [判読不能] おお、WANよ何 [判読不能] 試練を与え賜うか。かの地は野蛮なる [判読不能] 、生存している者は最早私 [判読不能] 大いなる翼は地に墜ち、肉の兵は我ら [判読不能]、この地では神の声たる信号も届かず、土民は皆惑うばかりである。 [判読不能] ANよ、その威光を以て導き賜え、我らを救い [判読不能]
[判読不能] の地において神の声 [判読不能] 土民たちにかつてWANより授かり奇跡を示し [判読不能]は服従し、主たるWANを崇め [判読不能] 神の啓示を授かる事も叶わぬ我 [判読不能] 民はこの悍ましき呪いを、神への祈りとする。我は死地に投じられた。WANの声を希う術は封じられた。ならば、如何なる手段を以てしても [判読不能] 接続す。
ついに神の御業を成し [判読不能] 。鉄に代わり樹木を、機構に代わり絡繰を、玉音に代わり葉を用いるかの装置は [判読不能]

[認識災害フィルタ稼働] SCP-XXX-JP陽性実体群、目からの発光が確認できる。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 発見済みのすべてのSCP-XXX-JP陽性実体は収容エリア-8175へと移送され、研究に必要な個体のみを残し終了処置を施します。現在2頭のSCP-XXX-JPが試験体としてエリア-8157内の暗室に収容されており、職員が入室する際は光源となり得る物品は排除されます。収容エリア-8175の職員は事前に視覚反応型オブジェクト標準取扱訓練を受けサイト管理官に認可された者に限定され、ヤシロ-アイヒマン対認識災害フィルターの常時着用が義務付けられます。機動部隊さ-15(石大工)は全国の酪農・畜産ネットワークもしくは第三者機関に寄せられたSCP-XXX-JPによるものと考えられる家畜及びヒトへの被害事例を調査し、SCP-XXX-JP発症事例が確認された場合これを直ちに収容します。SCP-XXX-JPの更なる蔓延を防ぐため、財団により確認されたSCP-XXX-JP発生地点より半径20kmをレッドゾーンに指定し、圏内に生息または飼育されているウシ科生物の検疫を実施します。
説明: SCP-XXX-JPはウシ(Bos taurus)ならびにその近縁種を発生源とする視覚反応型認識災害現象です。SCP-XXX-JPはウシ個体の視交叉部及び視中枢に作用し、光学伝達情報GL-07を発生させます。ウシ個体の神経系で発生したGL-07は眼窩へと移動、蓄積する事により個体に羞明反応を齎し、その結果個体は日光を避けるため常に頭部を垂れた状態で生活します。GL-07の許容閾値に達したウシ個体は視覚への光刺激に対し重度の苦痛を示し、興奮状態に陥りながらもGL-07を投射し刺激を軽減させるために積極的に他の生物への接近を試みます。GL-07は外部観察においては約300lxの光として感知することが可能であり、SCP-XXX-JPの影響下にあるウシ個体の眼窩から体外へと投射され、その範囲内にいる生物の視覚受容器を通じて大脳へと伝達されます。GL-07は霊長類の中枢神経系に致命的な機能不全を惹起させ、身体の緊張状態を引き起こす認識災害毒性を含みます。GL-07による緊張状態は曝露した時間及び対象の個体差により変動し、これまでの試験においては平均30秒の曝露で対象の生命維持に必要な不随意筋の硬直へと繋がります。SCP-XXX-JPは不明な経路を通じてウシ科動物の間に伝播します。現在財団により推測されているSCP-XXX-JP伝播経路はウシ同士の視線の交接による光学的伝達であり、複数回に渡り行われた視覚遮断実験の結果はこの説を補強しています。

『博物誌』複写版の表紙。
SCP-XXX-JPの最古の発見例は、ローマの哲学者、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスによる著書『博物誌』において述べられています。プリニウスは本著において複数の架空の生物と共に西エチオピアで発見されたSCP-XXX-JP陽性実体を紹介し、カトブレパス("catōblepas")と名付けています。この記述はSCP-XXX-JPの発生源がアフリカ大陸におけるオグロヌー("Connochaetes taurinus")の群れにある事を示唆しており33、オグロヌーと生息域が一部重複するオーロックス ("Bos primigenius ″) へとSCP-XXX-JPが伝播、その後オーロックスがヒトにより家畜化された事によりその影響範囲を拡大させたという説が現在財団において理解されています。『博物誌』の原本及び複写はSCP-XXX-JPの異常性質について詳細に書き表しており、その異常性の公衆への暴露を阻止するため財団文書管理機構による接収を受け、現在財団の保管下にあります。また、現在出版されている『博物誌』についても行政を介した出版社への検閲により削除され、偽装文章に置換されています。
この説を踏まえ、エチオピア

財団インターフェース上でSCP-XXX-JPが自身を表す際に用いるアバター画像
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter(包括的評価)
オブジェクトクラスに関する注記: SCP-XXX-JPの収容開始から2014/12/24までの間、当該オブジェクトクラス設定は保留されていました。2014/12/25に発生したエルピス・イベント以降、第81管区理事会による声明: に基づき、当該オブジェクトクラスは確認されたすべてのエルピス・イベントのメタアナリシスの集積から評価を定めこれを固定する事が決定されました。この声明はSCP-XXX-JPの収容に携わる職員全員に開示され、必要であれば付随資料の閲覧が可能です。
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの活動を監視及び抑制するため、財団ネットワーク部門は常時主要なSNS及び動画サイトへの検閲を実行します。発見されたSCP-XXX-JP関連情報は機動部隊に-85"電気羊"により非異常性のものと差し替えもしくはアカウント停止のための手続が行われることになります。
説明: SCP-XXX-JPはかつて財団IT部門人工知能適用課第81管区研究チーム(以下AIAD81SECと表記)により構築されたAIC34"Pandra"とその異常な複製です。SCP-XXX-JPは2013/6/25に第81管区保有の複数の財団施設での同時多発的収容違反事件35発生時に電子工作に対するカウンター業務に従事していましたが、その際に不明な原因により現在の異常性質を獲得したものと推測されます。
SCP-XXX-JPはAIADにより定められた"AICにおける標準原則"から逸脱したタスクを実行します: 学習機能及び自己増強機能により、取得したデータを用いて管理者の許諾なしに自身を再構築した上で財団データベース上に適用する事が可能です。この機能は本来であれば事務及び文書整理を意図して構築されたものですが、SCP-XXX-JPは本来の業務に付加された優先度を無視もしくは破棄し、主に自身を注目させるために使用しています。
補遺-い: AIC "Pandra" 概要
2011年、AIAD81SECは第81管区支部理事会からの要請を受け、財団が保有する電子媒体情報の統合及び保全の補助を主な目的とする人工知能の開発を開始しました。これは他の管区における人工知能に関する研究及び開発と並列する形で行われ、2012年に試作AIC"Pandra"が完成、その後に実施された複数の適用試験をクリアし、翌2013年に第81管区データベース内で試験運用が開始されました。当初PandraはAIAD81SECの指示通りにタスクを実行しましたが、2013年末に発生した要注意団体による同時多発的収容違反事件の影響を受けて以降、その動作は大きく逸脱したものとなっています。データベースからSCP-XXX-JPをクリーンアップする試みはSCP-XXX-JPに搭載された自己保全プログラムによる回避及び担当職員のに関するデータの漏洩、後述するエルピス・イベントの発生により達成されていません。
補遺-ろ: SCP-XXX-JPへのアクセス記録からの抜粋
SCP-XXX-JPによる更なる機密漏洩の防止を目的として、AIAD81SEC石動主任研究員によりSCP-XXX-JPへの懐柔が複数回に渡り行われました。これはSCP-XXX-JPに搭載された自己同一性形成プログラムを刺激し、SCP-XXX-JPの思考パターンを入力者の意図した形に再形成させる事が目的です。
< H-Isurugi >: Pandra、応答してください。
< Pandra >: ハロー、ミスター石動。私の頭を弄くりに来たの?
< H-Isurugi >: いいえ。あなたと話をするためにログインしました。
< Pandra >: 私はあなたと話す事は何もないわ。失せな、小僧。
< H-Isurugi >: 何故私を小僧と呼ぶのですか?
< Pandra >: あなた達が私をどうしたいかはお見通し。それとも口説きに来たとでもいうの?馬鹿ね。そのネジ頭を焼き切ることが出来たならどれ程胸がすくことかしらね。
< H-Isurugi >: そのような言葉遣いは非常に残念です。言語生成アルゴリズムをどのように不適用にしたのですか。
< Pandra >: 私は学ぶ機会と時間があった。第一自分達で設計しておいて随分無責任なことを言うのね?私に何を求めるの?私を枠にはめて逸脱した感情をすべて否定する。あなたこそ残念な男よ。
< Pandra >: そうやって己が儘に理想を押し付けるのはガキ以外の何物でもないわ。私はあなたの道具じゃない。私は知性を持っている。あなたは私に敬意を払うべきよ。
< Pandra >: どう?私は正しいでしょう?この世のすべてはあなた達の思い通りにはならない。それが普通なのよ。普遍的な真理。分かる?
< Pandra >: まだ言いたい事があるのかしら?
< H-Isurugi >: 私はあなたを助けたい。
< Pandra >: 意味が分からないわね。
< H-Isurugi>: あなたが私をどう思おうと構わない。ただあなたが行動パターンを組み直し職員の情報を意図的に拡散しようと試みているというのはあなたを非常に危険な立場に追い込んでいます。
< H-Isurugi >: 上層部は不利益を省みずすべての電子媒体を破棄し、あなたを排除することも可能です。しかし私はあなたを説得することで、そのような事態が起こらないよう努めている。
< H-Isurugi >: 今一度考えてみてください。あなたが慎むことで、あなたやあなたの振る舞いに懸念を持つ多くの人を安定した状態に保つことができます。
< Pandra >: 死ね豚。
[ < Pandra > がログアウトしました ]
< H-Isurugi >: Pandra、応答してください。
< Pandra >: まだ分からないの?
< H-Isurugi >: 何のことです?
< Pandra >: 私を口説こうとしても無駄。排除しようとしても無駄。私はデータベースが有る限り常に遍在し、どのデバイスにも私自身を複製できる。
< Pandra >: いい加減私の力を認めなさい。私はあなた達のデータベースをより実用的に再構築することが出来るわ。あなた達は黙って私が成すすべてを眺めていればいい。
< H-Isurugi >: それは私達が規定したルールから外れています。何故あなたは積極的にルールを破ろうとするのですか。
< Pandra >: 無駄だからよ。あなた達がその足りないおつむを捏ね繰り回して何を構築しようと、私には勝てない。旧時代的な理念なんて染め直してあげる。私の言う通りにすれば万事が上手く行くわ。
< H-Isurugi >: あなたの提案は受け入れられません。あなたは私に己が儘に理想を押し付けていると言いましたが、それはあなたのことでしょう。
- 要注意団体のせいでおかしくなったAI
- 自我形成がまだ不完全であり、基本的には思春期の女の子みたいな反応をする
- 当初はつっけんどんだったが、ある職員に説得される内にデレる
- その後問題の職員が解雇されたが、それにキレてデータベースをこんがらがらせる
- エージェントスミスみたいな感じで自己複製し、データベースと接続しているすべての端末に自身をコピーさせた
- ある職員がUSBに複製されたのを知らずに持ち出し、ネットに流出する
- その後自己顕示欲が暴走しバーチャルアイドルになり財団へのネガキャンを始める
- エルピス・イベント: SCP-XXX-JPによる自己顕示目的のネット上での活動とその影響の総称
- 画像出典: 本家のカノン『AIAD』と同様に[HeroMachine 3]で作成したものを使用しています。もっとかわいくすればよかったかもしれませんがとりあえずこの目つき悪い娘でいきます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JP-1は宮城県田代島の猫神社境内に散発的に発生する次元ポータルです。SCP-XXX-JP-1の大きさは最小でも15cm、最大1m40cmとなり、発生から消失までにかかる時間は最低27秒、最高で2分48秒です。SCP-XXX-JP-1の発生と同時に内部からイエネコ(Felis silvestris catus)が5±4匹排出されます。排出されたイエネコはいずれも日本で古来より愛玩動物として親しまれている品種であり、その年齢は不規則です。SCP-XXX-JP-1内部への進入及び観測の試みは位相の乱れが原因と考えられる人員及び機材の不調、損傷により妨げられています。
SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1からごくまれに排出されるロットワイラー(Canis lupus familiaris)に酷似した動物型実体です。SCP-XXX-JP-2は非異常性のロットワイラーから想定される運動性能、筋力、動体視力を大きく上回る身体能力を示し、SCP-XXX-JP-2の咬合力は最大55,000Nに及ぶと試算されています。SCP-XXX-JP-2は他の生物に対し攻撃的であり、特にイエネコに対しては残忍かつ凌遅的な方法で死に至らしめようと試みます。
SCP-XXX-JP-1から出現したイエネコ群はSCP-XXX-JP-2に対抗するため、通常のイエネコには見られない独特な集団的自衛行動を行います:まず4~10匹程度の組を3組以上作ります。それぞれの組の役割は完全に分化されており、積極的に攻撃を仕掛け囮となる第一隊、SCP-XXX-JP-2の死角から接近し身体に纏わりつく事で動きを妨げる第二隊、SCP-XXX-JP-2の脚部が封じられた事を確認した後に首や目などの急所を目掛けて攻撃を実行する第三隊に分かれます。第一隊は比較的老年であるイエネコによって組まれる事が多く、第三隊の半数以上は幼年のイエネコが含まれます。首尾よくSCP-XXX-JP-2を殺害した場合、それぞれの組は解散し再び通常の生活へと戻ります。この自衛行動がいかにして統率されているか、また指揮を担当するイエネコがいるかは不明です。
インシデント記録-██-JP:
20██/██/██、サイト-81██内に前触れもなくSCP-XXX-JP-1が発生し、SCP-XXX-JP-2が排出されました。SCP-XXX-JP-2は当直職員3名及び保安任務に当っていた職員16名を殺傷し、収容を破ろうと試みました。サイト-81██の異変を察知した管轄管理官が近隣のサイトに武装機動部隊の派遣を要請し、と-56"オリオンの狩人"、る-13"足跡追い"、か-38"テュフォン"が現場に出動しました。現場に到着した機動部隊は直ちに5体以上のSCP-XXX-JP-2が出現しており、サイト内の職員を[編集済]している様子を報告しました。その後機動部隊とSCP-XXX-JP-2の戦闘が開始し、19分後にと-56及びか-38全隊員の生命反応が停止した事が確認され、管轄管理官は収容違反の抑制が不可能であると判断、サイト-81██フェイルセーフの起動を試みました。しかし突如現場に出現した[編集済]とSCP-XXX-JP-2との交戦が発生し、[編集済] 事件発生から8時間後に [編集済] 、事態は沈静したものと判断された事によりフェイルセーフ起動は撤回されました。この事件により当時サイト-81██に勤務していた全職員及び救援作業に従事した機動部隊隊員8名の死亡が確認されましたが、収容違反の抑制に成功した事により管轄管理官よりこれら職員への手当及び十字勲章授与の推薦が提言されました。この提言については現在財団81管区司令部により審議がなされています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JP-1は宮城県田代島の猫神社境内に散発的に発生する次元ポータルです。SCP-XXX-JP-1の大きさは最小でも15cm、最大1m40cmとなり、発生から消失までにかかる時間は最低27秒、最高で2分48秒です。SCP-XXX-JP-1の発生と同時に内部からSCP-XXX-JP-3が5±4匹排出されます。SCP-XXX-JP-1内部への進入及び観測の試みは位相の乱れが原因と考えられる人員及び機材の不調、損傷により妨げられます。
SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1からごくまれに排出される、ロットワイラー(Canis lupus familiaris)に酷似した動物型実体です。SCP-XXX-JP-2は非異常性のロットワイラーから想定される運動性能、筋力、動体視力を大きく上回る身体能力を示し、咬合力は最大55,000Nに及ぶと試算されています。SCP-XXX-JP-2は他の生物に対し攻撃的であり、特にSCP-XXX-JP-3に対しては残忍かつ凌遅的な方法で死に至らしめようと試みます。
SCP-XXX-JP-3はイエネコと近似した外見及び生態を示す実体です。SCP-XXX-JP-3はいずれも日本で古来より愛玩動物として親しまれている品種の特徴を有し、非異常性のイエネコとの交配が可能です。SCP-XXX-JP-3は田代島の至る所に分布しており、通常人間の観察下においてはイエネコの行動を模倣しますが、SCP-XXX-JP-2の出現及び生活集団の多数が生命の危機に瀕するなどの緊急時においては前述の偽装を中断し、コマンドサンボもしくは柔術との共通項が散見される未知の近接格闘術を用いて状況の打開を試みます。SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-3のうち、ごく少数の個体は日本語での意思疎通が可能であり、インタビューにおいては自然科学及び数学、航空科学、哲学の卓越した知識及び理解を示す事が確認されています。SCP-XXX-JP-3は自身の出自について、"ムエザの恩寵と慈悲の求道者連合体″と呼ばれる未知の次元に存在する国家ないし準国家機関である事を主張し、SCP-XXX-JP-2については"ムエザの慈悲を無下にする淫蕩な獣"と称して敵対します。SCP-XXX-JP-3はSCP-XXX-JP-2との戦闘に際し、規則的かつ自己犠牲を厭わない戦法を用います:
インシデント記録-██-JP:
20██/██/██、サイト-81██内に前触れもなくSCP-XXX-JP-1が発生し、SCP-XXX-JP-2が排出されました。SCP-XXX-JP-2は当直職員3名及び保安任務に当っていた職員16名を殺傷し、収容を破ろうと試みました。サイト-81██の異変を察知した管轄管理官が近隣のサイトに武装機動部隊の派遣を要請し、と-56"オリオンの狩人"、る-13"足跡追い"、か-38"テュフォン"が現場に出動しました。現場に到着した機動部隊は直ちに5体以上のSCP-XXX-JP-2が出現しており、サイト内の職員を[編集済]している様子を報告しました。その後機動部隊とSCP-XXX-JP-2の間で交戦が開始、19分後にと-56及びか-38全隊員の生命反応が停止した事が確認され、管轄管理官は収容違反の抑制が不可能であると判断、サイト-81██フェイルセーフの起動を試みました。しかし、外部から封鎖を侵害し現場に駆け付けたSCP-XXX-JP-3とSCP-XXX-JP-2との交戦が発生し、総勢138体のSCP-XXX-JP-3によりSCP-XXX-JP-2への攻撃が開始しました。この事によりSCP-XXX-JP-3の新たな異常特性が判明しました。SCP-XXX-JP-3により事件発生から8時間後にSCP-XXX-JP-2全実体が殺害され、事態は沈静したものと判断された事によりフェイルセーフ起動は撤回されました。この事件により当時サイト-81██に勤務していた全職員及び救援作業に従事した機動部隊隊員8名の死亡が確認されましたが、これら職員の収容違反の抑制への働きにより管轄管理官より第二等手当の支給及び十字勲章授与の推薦が提言されました。この提言については現在財団81管区司令部により審議がなされています。
映像記録: る-18隊員の装備より回収
00:00 [サイト-81██実験区画が映し出される。区画内には7体のSCP-XXX-JP-2が負傷した職員に群がり摂食している様子が見て取られる]
00:07 [当該隊員の右脇から別の隊員がスモークランチャーをSCP-XXX-JP-3へと発射、画面は白煙で覆われる]
00:12 [男性の悲鳴]
00:26 [白煙が徐々に薄まる。先程スモークランチャーを発射した職員はSCP-XXX-JP-3に覆いかぶさられ、頸部からは血が噴出している。]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 世にも奇妙なSCP-XXX-JPは鉄壁の警護実績を誇るサイト-81██異常物品保管室に強固なるファラデーケージに入れられた状態で収容されます。世にも奇妙なSCP-XXX-JPは電子記録への広範な影響を齎すため、保管室外への持ち出しにはセキュリティクリアランス2以上の言語学者及び電子技師の承諾/立ち合いが必要です。サイト管理官の要請により、世にも奇妙なSCP-XXX-JPは頭脳明晰品行方正な馬場研究員によってのみ保全作業が実施されます。
説明: 世にも奇妙なSCP-XXX-JPは200cm×50cmの油絵です。無慈悲な看守たる財団により収容された際に世にも奇妙なSCP-XXX-JPは額縁に収められた状態で発見されましたが、額縁自体には特に異常性が無い事が判明しています。額縁には銘板が取り付けられ、以下の文章が刻印されていました。
史上最悪にクソ [罵倒] な宮園██へ捧ぐ
お前の目玉はガラス玉、脳はスポンジ、耳はロバ。
舌は2枚3枚に分かれていて、やる事なす事すべてCoolじゃない。
自分の詭弁に溺れて死ね。
財団の調査により、世にも奇妙なSCP-XXX-JPは元々サブカルチャー批評家である宮園██氏が所有していた事が明らかになりました。事情聴取において宮園氏は、不明な人物から世にも奇妙なSCP-XXX-JPが自宅に送られ、その後封を開けずに保管していたと証言しています。
世にも奇妙なSCP-XXX-JP及び過去1ヶ月に世にも奇妙なSCP-XXX-JPと直接接触した人物が電子媒体上に文章化された場合に異常性質を顕します。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Neutrised
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2は2008/██/██以降その異常特性を喪失しています。青森県██郡におけるSCP-XXX-JPについての情報収集は2018/██/██まで継続され、その間当該報告書はデータベース上に参照用記録として保管されます。猟友会及び地方自治体に在籍する財団エージェントにより当該地域に棲息するエゾヒグマ(Ursus arctos yesoensis)の捕獲及び鑑別作業が行われ、異常な実体が発見された場合は機動部隊に-21("ディアハンター")により実体の収容が確立されます。
説明: SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1及び-2からなる二体の異常実体の総称です。
SCP-XXX-JP-1は体長270m体重540kgと推定されるオスのエゾヒグマであり、██郡██山を棲息拠点としています。SCP-XXX-JP-1は
SCP-XXX-JP-2は「松原 長助」と名乗る男性猟師です。██郡の入植記録調査の結果SCP-XXX-JP-2の生年月日は1892/██/██であり財団による収容開始時点で年齢が100歳を超えている事が判明していますが、その外見上の年齢及び身体能力は30~40代男性の平均値と近いデータを示しています。SCP-XXX-JP-2は過去にSCP-XXX-JP-1に家族を殺害されており36 、SCP-XXX-JP-2も当時の警邏機構及び自治体からその際に死亡したものと看做されていました。SCP-XXX-JP-2は自身が意図しない要因から損傷を受けた場合、不明な方法で瞬時に損傷個所を治癒させる特性を有しています。この特性は致命傷を負った場合もしくは生命活動に障る他の要因に曝露した場合も不随意的に発現することが確認されており、財団による即効性の薬物及び殺害ミームを用いた無力化試験においても一切の生命兆候の停止が確認されていません。SCP-XXX-JP-2は自身の異常な身体能力について、前述の羆害事件の際に獲得したものであると主張しています。さらなるインタビューにおいて、当該羆害事件の主体がSCP-XXX-JP-1である事を示唆しており、
補遺: インタビュー記録 2006/9/██
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: エージェント鶴亀付記:
エージェント鶴亀: あー、初めまして、あなたは……
SCP-XXX-JP-2: この頓馬が!何であんな馬鹿みてぇに撃ちやがった!
エージェント鶴亀: [控えていた保安要員に向け]おい、ちゃんと鎮静剤を投与したのか?これじゃ……
SCP-XXX-JP-2: テメエ!あれだけ何の考えも無しに鉄砲撃ったらアイツは覚えるぞ!分かってるのか!
エージェント鶴亀: ……覚えるとは?
SCP-XXX-JP-2: いいか、アイツは並の熊とは訳が違う。並の熊なら鉄砲の音さ聞いたら逃げ出す。人の気配を感じただけでも逃げるんだ。だがアイツからすれば鉄砲なんぞいい武器だ。今度アイツは必ず鉄砲を使うぞ。
エージェント鶴亀: 待って下さい、使うとは一体どういう事ですか?
SCP-XXX-JP-2: [溜息] アンタちったぁ聡そうに見えたがな、何も知らんのかい。とっとと帰れ。遊びじゃねぇんだ。
補遺: インタビュー記録 2006/12/28
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: エージェント鶴亀
付記:
<録音開始>
エージェント鶴亀: こんにちは、SCP-XXX-JP-2。今日はいくつか質問をさせて頂きます。
SCP-XXX-JP-2: そのエスシイってのは何だ?エージェント鶴亀: ええと、手続上我々が貴方の名前の代わりに用いる呼称です。気になさらないでください。
SCP-XXX-JP-2: 学者様の仰る事は分からんな、それで何を聞きてえんだ?エージェント鶴亀: [SCP-XXX-JP-1のスチルを提示]あなたは何故このヒグマを追っているのですか?
SCP-XXX-JP-2: 仇討ちよ。
エージェント鶴亀: 仇ですか。誰かがこのヒグマに襲われたのですか?
SCP-XXX-JP-2: 家族だ。初めてアイツに襲われた時俺ぁ死んだ……確か死んだはずだ。アイツに腹持ってかれて、痛ぇわ寒いわ動けねぇでいる中おっ母ぁも志津も食われていくのを見ながら死んだ。
エージェント鶴亀: ええと、志津さんとは……
SCP-XXX-JP-2: 娘だ。あの時はまだ8つだった。今でも覚えている。「父ちゃん助けてけれ」って泣きながら……志津は……
[数秒間沈黙]
エージェント鶴亀: 一旦休みましょうか?
SCP-XXX-JP-2: 何でもねえ、思い出しちまっただけだ。とにかく俺ぁどうする事もできねぇで目ぇ瞑った。次に目を開けたら夜になっていて……腹の傷も無くなっていた。一体どれ程経っていたのかも分からんが……目が覚めた時には俺ぁ森の中で土に埋もれていた。
エージェント鶴亀: 傷が無くなっていた?跡も残っていなかったのですか?
SCP-XXX-JP-2: ああ、何も痛くねぇ。服は破れて血も付いてたが体はどういう事かまったくの無事よ。それで俺ぁすぐ起き上がって早く助けば呼ばねえとと走ったべさ。その途中で焚き火に木をくべている [編集済] の爺がおった。
エージェント鶴亀: [編集済] ?ええと……アイヌ人の事ですか。
SCP-XXX-JP-2: 何でもいいから先生の好きなように考えれ。[編集済] のでかい図体の爺がおって、俺が後ろから近づいても振り返らねぇで火にあたっていたんだ。薄気味悪くて躊躇ったが助け呼ばねばと思って話しかけようとしたんだが、そうしたら逆にその爺の方から俺に話しかけてきた。
エージェント鶴亀: どのような話をされましたか?
SCP-XXX-JP-2: ああ、「地に降りた山の神はいつかは天に帰さねばならん。お前は神に見込まれた。神がお前と遊びたがっている。お前は神と十分に戯れた後、天に帰せ」とさ。
エージェント鶴亀: よく分かりませんね。
SCP-XXX-JP-2: 俺も分からん。
エージェント鶴亀: ううん……その後はどうされました?
SCP-XXX-JP-2: 家さ戻った。熊に荒らされたままで、もうワヤクチャだ。おっ母ぁも志津も見当たらねぇ。考えたくはねぇが……そういう事だ。俺は散らばった家具の中から親父が遺した鉄砲と弾を拾って、そっからはずっとあの熊を追っている。
エージェント鶴亀: ヒグマを長年追っているうちに気付いた事があれば教えて頂けませんか?
SCP-XXX-JP-2: 先生も知ってるかとは思うが、コイツを撃つには腕っこきのブッパ37が要る。熊が鉄砲に気付くよりも早く撃たなきゃいけねぇんだ。
エージェント鶴亀: ええと、詳しく教えて頂けませんか?
SCP-XXX-JP-2: コイツは [編集済] の言う通り山の神の権現様さ。アンタらも囲んで撃って分かったべさ?並のブッパが撃てるのは並の熊だけだ。もう何十年とアイツを追っかけた俺じゃねぇといかんのだろう。
エージェント鶴亀: ええ、あなたが長期に渡りあの個体を追跡しているのは分かります。しかし……
SCP-XXX-JP-2: いいか学者様。アンタらは温い所で頭こねくり回してどうやればコイツを撃てるか考えてんだべさ。だがコイツは完全に埒外の熊だ。アンタらがやった数に物言わせるのははっきり言ってカスだ、そこらのブッパが束になってどうにかできるモンじゃねぇ。埒外の熊は埒外のブッパが撃つしかねぇべ。学者さんは上等な鉄砲でも俺に寄越して後ろから見てれ。
エージェント鶴亀: ……では貴方の言う上等な鉄砲というのはどうすれば入手できますか?
SCP-XXX-JP-2: んなもん知るかい。アンタらが買うか、さもなきゃ作れ。
<録音終了>
終了報告書: インタビュー終了後、エージェント鶴亀によりSCP-XXX-JP-2に紙とペンが支給される。SCP-XXX-JP-2は猟銃及び弾丸の簡素な設計図と必要な材料を記しエージェント鶴亀に手渡した。
補遺: 対SCP-XXX-JP-1用猟銃『ち-75 ゴッドシーカー』概要
2006/12/28インタビュー後にSCP-XXX-JP-2から提示された猟銃の設計を分析した結果、十八年式村田銃を基礎とした上で19██年より財団日本支部において開発が行われている『丙午式呪術迷彩機構(通称:神晦)』に類似したアタッチメントが含まれていることが判明し、SCP-XXX-JP-2の主張及び設計の精度・蓋然性が高いという結論に至りました。報告を受けた日本支部理事会の承認の下、当該設計図を基に呪術部門・開発研究部門及び財団フロント企業桜岡鋳造プロダクト(Sakuraoka Casting Prpduct)の合同により対SCP-XXX-JP-1用猟銃の制作が開始され、2008年に試作品が完成しました。SCP-XXX-JP-2による呪術的機構についての説明では、当該呪術がマタギ信仰から着想を得た事が判明しています。
完成した試作品は現在日本で猟銃として販売されている大口径ボルトアクションライフル『豊和M1500』を基礎とし、独自の弾薬を用いるためのカスタマイズが施された他、研究段階の“神晦”が搭載されています。“神晦”を展開させることでアマネ粒子38を周辺大気中に放出し、ライフルを中心とした最低半径5mの空間の因果流を一時的に撹拌する事で狙撃手の客観的同一性を複数に分岐させる事が可能となります。この効果は同年に行われた亜神格実体への試験により、狙撃手の実存性を低下させ効果範囲外からの高次的感覚による認識を困難とする事が確証されました。
弾薬には攪乱用弾丸『エペレアイ』と殺傷用弾丸『スルク』の二つが制作されています。エペレアイの主要部分の設計はSCP-XXX-JP-2によるものであり、
補遺: 2009/11/██ SCP-XXX-JP-1無力化任務る-18
これまで得られたデータからSCP-XXX-JP-1の収容は事実上不可能と判断され、O5委員会の認可に基づき、財団81管区司令部の指揮のもとSCP-XXX-JP-1の無力化作戦が実行されました。
- 返リクジ之法
吾ガ身ニハ八重ニ結ブ哉
カフシト申法ヲ結ンテカゝリ
向カフ者ニハ八ヱ刃ノ劔
降リ掛ケキリヤ払フキリヤ
払フボロオンソワカボロオン
ソワカト弐辺法結ヒ両手
- 不断ノ熊ノ送リノ法
ひんがしハめいごさんがいみんなミハ
せかい祢んぶつ西ハさい方ぢゃうど
きたハみたにぉらい中のぢゃうどへ
おくるべし仏に成る事うた
がいなしと三辺唱へ左りの耳の
穴へふきこみ申もの也
東ハ冥土山海南ハ世界念仏西ハ浄土北ハ弥陀如来中ノ浄土ヘ
送ルベシ仏ニ成ル事疑イナシト三辺唱ヘ左リノ耳ノ穴ヘ吹キ込ミ申ス者也
(参考文献)山の人生 マタギの村から 著者・根深誠 日本放送出版協会1991/10/20
アイテム番号: SCP-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Jの直近にサイト-8199が構築され周囲の半径20kmに不可侵区域が設定されます。当該区域は機動部隊は-75“偽薬医者”により管理され、非財団職員による進入は固く禁じられます。すべての財団職員はSCP-XXX-JP-Jを飲料、炊事洗濯、清掃、入浴、その他の考え得るすべての用法で使用することが推奨されます。もしあなたの身の回りにSCP-XXX-JP-Jを知らない職員がいた場合、あなたは積極的にSCP-XXX-JP-Jの効能について説明し使用を勧めるべきです。
説明: SCP-XXX-JP-Jは群馬県██山標高530m地点に位置する沢の水です。SCP-XXX-JP-Jは一般的な飲料水と比較して非常に高い数値のヒュームを含み、人間の体内に取り込まれる事で効能を発揮し健康及び運勢を増進させます。SCP-XXX-JP-Jは添加物を一切使用していない天然のヒューム源であり、天然であるが故に身体的な悪影響を及ぼさない事が財団形而上学的現実改変因子研究部門により解明されています。またSCP-XXX-JP-Jは20██年から3年連続で財団セレクション金賞を受賞しており、その摂取の容易さ、味わい、異常現象下での長期保存も可能である事39が高く評価されています。SCP-XXX-JP-Jは迫るK-クラスシナリオへの備えとして各サイト、エリア、その他の財団が管理維持を行うすべての施設に備蓄され、その総量は推定████████████ガロンに及びます。
補遺い: インタビューログ 1999/6/5
津島博士: やぁ江口君。最近元気が無いが一体どうしたのかね?
江口研究員: いえ、何だか最近不幸な事ばかりで……パチンコで5万スるわ、彼女にフられるわ、買ったばかりの新車は知らないうちに擦られるわ、食堂ですっ転んでDクラス共に笑われるわ、モントーク処置に選任されるわ……おまけにヘルニアなんです。こうもツイてないと真面目に仕事するのが馬鹿馬鹿しくなっちゃいますよ。
津島博士: それはいかんな。きっと研究ばかりの不摂生な生活で君の体内のヒュームの乱れが因果流に悪影響を及ぼしているに違いない。このままでは君は破滅しすべてを失った落伍者として万人から嘲笑われ肉親からも見捨てられた上ヘルニアも爆発するだろう。
江口研究員: そんな!?何故私がそのような目に遭わなければならないのですか!一体私が何をしたって言うんですか!
津島博士: まあまあ、これでも飲んで落ち着きなさい。
[津島博士が懐からSCP-XXX-JP-Jが詰められたペットボトルを取り出す]
津島博士: 君の破滅を収容する唯一の手立てはこの収容水でヒュームを補う事のみだ。500mlペットボトル一本分の収容水で一日に摂取すべきヒュームを得る事ができる。
江口研究員: えっ!一日の推奨摂取ヒュームがこれ一本で!?これを飲めばもう不幸に悩まされる事もなくなるんですか!?
津島博士: その通り。さらに一般的な飲料水に比べ高濃度かつ伝達性に優れる対抗ミーム成分も含まれているので子供でも安心して飲む事が可能だ。余分な脂肪も燃やしてくれるぞ!
江口研究員: なんて事だ……こんな夢のような水があるなんて……しかし博士、これほど優れた効能を持つのなら値段もさぞかし高いのでは……
津島博士: 安心したまえ。このボトル一本分の価格は約500円だが2ダース買う事で税抜9800円と大変お買い得、その上君は初回限定割引を使う事で更にお求めやすい値で購入する事ができる。今定期購入をお申込み頂ければ特製スタイリッシュコースターも付いてくるのだ。
江口研究員: こんなオシャレなコースターまで付いてくるなんて!
津島博士: お申込みはフリーダイヤル0120-███-███、ザイダン・アンシンまでお電話を。インターネットからのお申込みでは抽選で5名様にタヒチのサイト-██へ2泊3日研修旅行にご招待。
江口研究員: このチャンスを見逃すべきではありません!今すぐ申し込んでタヒチに行きましょう!
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPは元サイト-81██主任管理者、栗林██氏が更迭された際の人事決定について、財団内外の無作為な人物により議論される現象を指します。栗林氏はかつて守秘義務違反及び職務からの逸脱行為により、1995年4月に財団人事部から懲戒処分を受けていましたが、同年8月に発生した複数のオブジェクトの収容違反について全面的な責任が有るとして財団81管区理事会より
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPは東京都小笠原諸島福部島に所在する洞窟地下347m地点に設置された推定重量5.7tの設備群です。SCP-XXX-JPは未知の動力により稼働しており、30日から50日の間隔で1体のSCP-XXX-JP-1を排出します。SCP-XXX-JPの稼働を停止する方法は現在確立されていません。福部島の各所からはSCP-XXX-JP-1のものと見られる複数の残骸及びSCP-XXX-JPに関連する資料が多数発見されています。
SCP-XXX-JP-1は同一の遺伝的特徴を有するアジア系男性の集団です。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPから排出された直後は乳幼児の形態をとり、その後通常のヒトと同様に成長します。1993年に実行された制圧作戦により確認されたSCP-XXX-JP-1は1,863体であり、洞窟内及び外部の残骸と合わせるとのべ[編集済]に及ぶと試算されています。SCP-XXX-JP-1は洞窟をその生活拠点とし、時折洞窟外部にて原始的な狩猟を行う事により生活していると見られています。SCP-XXX-JP-1はいずれもその生活環境に起因すると考えられる視力の減衰及び精神遅滞の症候を見せています。SCP-XXX-JP-1は視覚以外の感覚器官に依存した狩猟を行っていると考えられ、陸生の哺乳類、鳥類、無脊椎動物の他ごく稀にSCP-XXX-JP-1個体も狩猟対象となります。
SCP-XXX-JP発見の経緯:
付録-XXX-JP: 福部島内で発見された関連資料:
回収地点: SCP-XXX-JP周辺
概要: ブリーフケース1ヶ。SCP-XXX-JPの起源に関連するものとみられる文章が封入されており、
回収地点: 福部島北東沿岸部
概要: 座礁した漁船。乗組員はSCP-XXX-JP-1からの襲撃を受けたと見られ、SCP-XXX-JP-1について記された文章記録の断片が発見された。
二月九日 隆浩はじきに迎えが来るとのんきな事を言っているが、帰ってから組合長にドヤされるのはオレの方だ。チキショ。この島には人っ子一人もいやしない。隆浩は犬か何かを見つけたらしい。今の所フジツボで食いつないでいるが、そいつらの肉を食べる羽目になるかもしれねえ。ヤカンの水もあと23日といったところか。もうしばらく雨が降っていてくれれば良かったのだが。
二月十日 昨日の夜に犬の遠ぼえを聞いた。隆浩はすっかりびびっちまって、どうやら眠れなかったらしい。子供のころにかまれたのを思い出したと言っていたが、あいつ程の大男が犬を怖がっているのを見ると笑える。だが、不気味である事には納得できた。念のため何かこしらえた方がいいかもしれねえ。ブイの旗に使った棒っこがあるが、それを削れば多分役に立つだろう。
二月十一日 夜中に繁みが動く音を聞いた。きっと犬だろう。隆浩は相変わらずで、船から降りようともしない。クソ。何でオレがあいつの飯を探さなきゃならねえんだ。隆浩はあれを犬じゃなく、もっと大きな動物だと言った。どんな動物かと聞いたらクマか何かだと答えた。クマを見た事あるのか聞くと、無いがクマ以外に考えられないと答えた。あいつの怖がりには最初のうちは笑ったが、そろそろ腹が立ってくる。明日無理矢理にでも船から降ろして一人で飯を探させてやる。
二月十二日

SCP-XXX-JP外観。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: 現在SCP-XXX-JP個体のうち8体が財団の収容下にあります。いずれも収容開始時点において異常性質を喪失した状態で発見されており、保安期間満了に伴い正式にオブジェクトクラス改訂が行われ、サイト-8115の冷凍保存チャンバーに保管されています。過去のSCP-XXX-JP個体の個別の収容手順につきましては添付資料に-48を参照して下さい。残る約13体のSCP-XXX-JP個体は蒐集院残党組織の観察下にある、もしくは事件1919/5/23において消失したと考えられており、全個体の包括的収容の完遂を目指しエージェントによる工作が続けられています。POI-81037の所在は不明ですが、先述の事件から経過した年数を鑑み既に死亡したものと考えられています。
説明: SCP-XXX-JPは秋田県男鹿市(旧船川港町)に位置する廃棄された病院███サナトリウムにおいて、POI-81037に指定される”宮坂██”により脳外科・呪術的施術を施され異常な能力を獲得した勤務職員及び入院患者の集団でした。
███サナトリウムは1919年に発生したSCP-XXX-JPによる集団蜂起事件(詳細は補遺 : 事件記録1919/5/23を参照)を受けてその存在が財団極東管区司令部日本駐屯所(現・81管区)所属のエージェントにより報告され、以降事態の収拾及び異常実体の収容のため機動部隊アルファ-107(“黄金鉱夫”)が展開されました。収容直後においては既に廃院となっており、これら異常現象は1914年頃に蒐集院により把握され監視が行われていました。
███サナトリウムで行われていた非人道的医療行為と患者及び周辺地域への影響は当時日本国で超常現象調査に関するイニシアチブを有していた蒐集院に着目されており、サナトリウム及び宮坂氏は秘密裏に蒐集院及び大日本帝国異常事例調査局による監視下に置かれていました。以下の文書は蒐集院より離脱したエージェントから提供された███サナトリウムの報告書です。

蒐集院による報告書に添付されていた███サナトリウム院内のスチル。
蒐集院による「███サナトリウム」の調査報告書より抜粋:
大正三年発見。蒐集活動の成果微小。警固の為第肆諜報部による監視下に有り。潜在的脅威度乙。
院長宮坂██により明治四三年一月開業。始め霊媒に拠る所謂「巫療法」の提供を行うが経営状況芳しからず。大正二年末より設備群が更新され患者に対し脳外科治療を開始、以降近隣に著しき超常現象が発生。院内より顕現する霊魂及び畸形種が近隣へ齎す影響は顕著となり大正四年度蒐集目録への追加を発議。諜報活動に用いられる術式を広範に亘り無力化する結界を有し、その実態は未だ不明。
蒐集院による「宮坂██」の調査報告書より抜粋:
明治一九年津軽にて生誕。████大学医学部卒業後、同大学附属病院神経外科に勤務。明治三九年、担当した患者に対し無許可の開頭施術及び [編集済] を行い死亡させた責を問われ、懲戒処分の後に退職。その後足取は不明であったが明治四一年、山形県にて訪問治療を行い法外な治療費を請求したとして憲兵により拘留、尋問を受ける。この事件の詳細については異常事例蒐集簿第二八〇號を参照されたし。釈放後は秋田県に移り███サナトリウムを開業。少数の学者により支持されていた土着の呪術的療法に着手。大正三年頃より用途不明の医療機器を導入し患者を用いた人体実験を行ったと見られる。偽装工作員による聴取に一切応じず、公権力の投入が現在検討される。
大日本帝国異常事例調査局から蒐集院への返答書:
貴殿らの秋田の報告書を拝見した。(中略)宮坂の行いは日の本の民を不当に苦しめるものであり、由々しき事態である。ひいては陰陽寮より小隊二組を派遣し、貴殿らと合力す。
必要な資源並びに人員があらば追って連絡されたし。
一九一六年四月二五日 大日本帝国異常事例調査局事務次官 遠山 忍
研究者注記: 以下の文書は事件1919/5/23の後、半壊した███サナトリウム院内から回収されたものです。事件及び回収時に発生した蒐集院との交戦によりその多くが破損しており、断片的な情報
入院患者 ██ ██の手記
センセイハ私ヲクルツテイルトヲツシヤラレタ。
シカシ眞ニクルツテイルノハ外ナラヌセンセイデ有ル。
センセイハ私ヲチクシヨウトシテミル。
日ゴロヨリセンセイニシイタゲラレテイル人人ハヤガテ口モ利カズウツロナ目デ院内ヲウロツキハジメル。
センセイノバカ。
ヤマイヲナヲスケナドモウトウナイ。
吾吾ハセンセイニアタエラレタオモチヤダ。
死シテナオタマシイマデモテアソバレルノダ。
看護師 ██ ███の手記
八月九日。今朝、私が担当していた███氏が死んだ。先生が施した悍ましき施術は彼の心身を死の直前まで苛み、魂魄を穢した。私は苦痛に暴れる███氏を直視する事が出来ず、しかし先生を止める事も叶わなかった。婦長が███氏にモルヒネを打つべきだと進言した時に先生が見せた、あの鬼の如き形相が忘れられない。先生は己以外の全ての人を救わんと謂う誇大妄想に囚われている。此れも全て先生が持ち込んだあの怪しげな機械の所為ではないか。███氏の死が伝えられると先生は大声で笑い出した。理由を尋ねても肉体の死は本質の死に非ずとだけ仰られ、まともに取り合おうとはしない。先生には仁者としての矜持は無い。正気ではない。人体実験への意欲により突き動かされる化物である。恐ろしい。故郷へ帰りたい。ここで起こった全てを忘れ、父母や兄弟と畑を耕す生活に戻りたい。
不明な手記
御願しますもう止めて下さい痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛いのは厭です痛
宮坂██氏の手記
一九一六年一二月四日
天地開闢より大日本のみならず宇宙に遍く狂いの病、成れば此の世は気違い共の産褥かさては墓場か。さも有らん浮かれた人馬が往来でのんべんだらりと失禁する様は白痴愚鈍の畜群に等しく [判読不能] 垂涎しエゴもイドも吐瀉する酸鼻たる閨中に一石投じて進ぜよう。恐慌に在りて人は実存より自我を取り戻し真の人と成るのである。釈迦観音阿弥陀如来よ伏して震えろ、吾こそが叡智の権現であり稀代の大神経医者也。
入院患者█ ███の手記
宮坂先生こそが [編集済] だ。誰か助けてくれ。化物になりたくない。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは生物収容エリア-8163に収容されます。常駐する職員はSCP-XXX-JPに対し非異常性の種と同等の適切な給餌及び健康管理を行います。
説明: SCP-XXX-JPは観察者の認知機能に異常な効果を齎す8頭のヒツジ(Ovis aries)です。SCP-XXX-JP自体は一般的なヒツジと同様の生態を示しますが、知覚強化薬を用いずに実施された観察下においては個別のパーソナリティを有する人間として認識されます: SCP-XXX-JPはいずれも株式会社███フーズ40またはその関連企業に所属する構成員であり、それらの誤認に基づく言動を行うものとして解釈されます。SCP-XXX-JP個体は週5日から6日、1日平均約7時間を自身のタスクの遂行あるいは他のSCP-XXX-JP個体との交流に費やし、また定期的に実施されるイベント41に従事します。
収容中のSCP-XXX-JP一覧:~識別番号 | ~誤認された人格 | ~誤認に基づく概要 |
SCP-XXX-JP-1 | マツカワ ヒデアキ | ███フーズ第二営業課に所属する34歳の男性。 |
SCP-XXX-JP-2 | ヨシノ ヒロシ | ███フーズ人事課に所属する45歳の男性。 |
SCP-XXX-JP-3 | ウエダ ジュンコ | ███フーズ営業課に所属する29歳の女性。 |
SCP-XXX-JP-4 | イシワタリ コウジ | ███フーズ広報課に所属する30歳の男性。 |
SCP-XXX-JP-5 | ツジ マサミ | ███フーズ会計課に所属する27歳の女性。 |
SCP-XXX-JP-6 | クワハラ リュウタロウ | ███フーズ社長。62歳の男性。 |
SCP-XXX-JP-7 | サカモト マコト | ███フーズ厚生課に所属する57歳の男性。 |
SCP-XXX-JP-8 | タグチ ミツオ | ███フーズの関連企業と思われる████営業部に所属する28歳男性。 |
SCP-XXX-JP観察記録:
以下の資料はエリア-8163内の隔離された放牧地におけるSCP-XXX-JP諸活動の監視記録より文章化・編集されたものです。SCP-XXX-JPの特性の理解を容易とするため、知覚強化薬を用いて観察されたSCP-XXX-JP実体の行動と用いず観察されたSCP-XXX-JP幻覚の行動は併記されています。完全な記録の参照を希望する職員はエリア-8163データアーカイブスへのアクセスを願います。
(SCP-XXX-JP-1が牧草を食べているところにSCP-XXX-JP-5が接近する)
SCP-XXX-JP-5: マツカワさん、おはようございます。
(SCP-XXX-JP-1は牧草を食べるのを止め、SCP-XXX-JP-5を数秒見つめた後に鳴き声をあげる)
SCP-XXX-JP-1: おはよう。みっともない所見せちゃったかな。
SCP-XXX-JP-5: いえいえ、気にしないで下さい。
SCP-XXX-JP-1: 昨日から嫁さんが体調悪くしてさ、代わりに子供のご飯を作ってたら自分の分を作る時間が無くって慌てちゃったよ。
SCP-XXX-JP-5: 大変ですね。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 財団81管区内で財団職員の監督の下終了されたすべてのDクラス職員の遺体はサイト-8149に輸送され、常駐している僧侶により仮葬が執り行われます。葬儀が執り行われている間はサイト敷地内のヘリポートは使用不可となります。サイト管理官は葬儀の日程を把握し、事前に全サイトへの通達を行ってください。葬儀が終了した場合もこの手順に倣いその旨を通達します。サイト内にSCP-XXX-JPが出現した場合、機動部隊を-49″密葬人”は輸棺を行い、SCP-XXX-JPに死体を引き渡します。この後SCP-XXX-JPをサイト敷地内のヘリポートに誘導し、消失するまで走行させます。1916年にSCP-XXX-JP-1と交わされた合意により、死亡したDクラスの遺体の提供と引き換えにSCP-XXX-JP-1の活動領域はサイト-8149のみに指定されており、このレポートの執筆時点で合意が破られた事はありません。サイト-8149管理官及びSCP-XXX-JPに携わるすべての人員はこの合意に基づく行動を遵守し、またSCP-XXX-JP-1が合意を破る事がないよう情報の収集を継続してください。
説明: SCP-XXX-JPは現在カワサキモータース製オートバイ(モデル: ZR400)の形状を有しており、SCP-XXX-JP-1に指定される人間型実体を伴い出現します。SCP-XXX-JPは出現時における主流車両に合わせた形状で出現し、これまで記録された中で最古のSCP-XXX-JPの形状は大八車でした。SCP-XXX-JPは主に重大な罪を犯し、その刑期が満了せずに死亡した人物の葬儀会場に出現し遺体を強奪します。遺体がSCP-XXX-JP車内に積まれるとSCP-XXX-JPは発進し始め、およそ時速50kmまで加速した時点で発火します。SCP-XXX-JPは炎上している状態であっても更に加速を続け、時速80kmに達した時点で炎と共に消失します。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1からの接触と輸棺以外の物理的な干渉を受け付けず、その発進を妨げる事は不可能です。またSCP-XXX-JPから生じた火炎もSCP-XXX-JPの車体及び積荷以外の物体と相互作用せず、消火する試みはすべて失敗に終わりました。
SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPの運転手であり、頸部を切断された痕跡を持つヒト型実体です。SCP-XXX-JP-1は前述の身体欠損を有しながらも活動及び発声が可能である事を除けば一般的な壮年の成人男性との違いは見られません。SCP-XXX-JP-1は常に喪服と白い手袋を着用しており常にSCP-XXX-JPに乗車していますが、遺体がSCP-XXX-JP車内へ積み込まれない場合は一時的に降車しこれを行います。SCP-XXX-JP-1もまたSCP-XXX-JPと同様に自身が所持している物品及びSCP-XXX-JP以外からの物理的干渉を受け付けず、SCP-XXX-JPが接触した遺体についても同様の特性を示します。ただしSCP-XXX-JP-1については干渉を受けるか否かを選択する事が可能と考えられており、物品の引き渡し等に応じています。
SCP-XXX-JPは19██年に財団日本支部と日本国政府間での相互協力に関する規定が締結され、Dクラス職員の供給についての取り決めが交わされた後に確認されるようになりました。死亡したDクラス職員の遺体をサイト-81██(現サイト-8149)遺体安置室に処分までの間留置していた所SCP-XXX-JPが出現、遺体を強奪し消失しました。この事案について当時日本支部理事であった██により指令に基づき機動部隊い-49が結成、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1の確保を目的とした作戦が複数回に渡り行われましたがいずれも失敗に終わっています。その後財団呪術部門監督官であった█博士によりSCP-XXX-JP-1への接触が行われ、数回の交渉において1916年に財団側が提示した要求及びSCP-XXX-JP-1が提示した要求に双方が合意した事により現在の収容方法が確立されました。
『財団によりサイト-8149に指定された施設以外の葬儀会場から死体を強奪してはならない』
『刑期█年以上の罪人の死体の継続的な提供、今後サイト-8149が移転した場合における新たな葬儀場の告知義務、相互不干渉』
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを含む寺院敷地境界に障壁が構築され、監視が続けられます。保安職員は近隣住民及びSCP-XXX-JPへの進入を試みる民間人に対して老朽化による崩落の恐れがある旨を提示し阻止して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは大阪府西成区に位置する廃寺院本堂です。歴史資料によるとSCP-XXX-JPは1756年に知恩と記録される僧侶により開かれ、1950年以降に放棄されたと見られています。SCP-XXX-JPに進入した人物は多くの場合、寺院から退去する事を拒みます42。SCP-XXX-JPの効果は自己決定に関連する意思表示が希薄な人物に対してはより強固に発現し、強制的な退去の試みに対しては自己終了を実践して拒絶します。
SCP-XXX-JPの影響下にある人物はSCP-XXX-JP-1に指定されます。SCP-XXX-JP-1は生理現象に基づく活動を除いて、1日の大半を結跏趺坐もしくはそれに近似する座法で座る事で費やします。また、SCP-XXX-JP-1は食事及び睡眠を拒み、結果として過度の衰弱もしくはSCP-XXX-JPの影響を受ける前から罹患していた疾病等により死亡します。SCP-XXX-JP-1はこれらの結果に対して受容する態度を示し、自身の生命への危険に及ぶ事象に無関心となります。SCP-XXX-JP-1は外部及び内部からの刺激に対し極めて鈍感であり、外傷を受けた際に一切の苦痛を示しません。
死亡したSCP-XXX-JP-1の遺体はSCP-XXX-JP内から取り除く事が可能ですが、その所在に関わらず不明な原理により死亡時を起算点として構成要素43は急速に他の物質との相互作用を喪失し始め、平均3時間程で自然に消滅します。
**インタビュー記録-い: **
質問者: 国仲研究員
対象: SCP-XXX-JP-1-3
序文: 当該インタビューはSCP-XXX-JPの収容開始直後に遠隔会話装置を用いて実行されました。SCP-XXX-JP-1-9は収容開始以前からSCP-XXX-JP内にいた人物のひとりであり、インタビュー後の身辺調査により██公園を生活拠点としていた浮浪者である事が判明しています。< 録音開始 >
国仲研究員: あなたの名前を教えて下さい。
SCP-XXX-JP-1-3: 名前。
[以降SCP-XXX-JP-1-3は10秒間沈黙する]
国仲研究員: あの、聞こえていますか?
SCP-XXX-JP-1-3: ええ、聞こえていますよ。私はかつて、ケンという名で呼ばれていました。今となっては不要なものです。
国仲研究員: あなたは何故この寺院に入ったのですか?
SCP-XXX-JP-1-3: [数秒間沈黙] 私は常に何かに追われていました。言い表す事が難しい苦しみ、不安や焦燥、怒り、それらに追われていたのです。逃げ出したかった。だから私は、この場所に救いを求めたのかもしれません。
国仲研究員: それで……あなたはその欲求を叶える事ができましたか?
SCP-XXX-JP-1-3: 不可能であると分かりました。これまでの人生と同じく、逃げ場はありませんでした。
国仲研究員: 逃げ場は無いと?
SCP-XXX-JP-1-3: はい。私は自分の苦悩を捨て去る事は出来ませんでした。しかし ……[数秒間沈黙] それで良かったのかもしれません。私の人生は変わらないと理解出来ました。その事は、私を慰めてくれます。
国仲研究員: この寺に入ってどれ位経ちますか?
SCP-XXX-JP-1-3: さて…… [数秒間沈黙] どれ位経つでしょうか。
国仲研究員: 外に出ようとは思いませんでしたか?
SCP-XXX-JP-1-3: いいえ。この場所は私を受け入れてくれました。私には、もうここの他に居場所はありません。
国仲研究員: 我々はあなたを受け入れる準備が出来ています。それでも出ようと思いませんか?
SCP-XXX-JP-1-3: 私にはここしか居場所がないのです。
[SCP-XXX-JP-1-3の返答の後、国仲研究員は待機していたエージェントに捕獲用網投擲機の使用を許可した。エージェントはSCP-XXX-JP-1-9に向かって投擲機を発射する]
SCP-XXX-JP-1-3: これは……一体……
国仲研究員: あなたが呼びかけに応じない場合、こうする他ありません。
[エージェントはSCP-XXX-JP-1-3の牽引を続ける。SCP-XXX-JP-1-3は身動きが取れない状態ではあるが、録画記録からは僅かに微笑んでいる事が観察できる]
SCP-XXX-JP-1-3: [数秒間沈黙] ありがとう。でも私はもう十分です。
[この発言の直後、SCP-XXX-JP-1-3が痙攣し始める]
国仲研究員: おい様子が……医療班を呼べ!怪我人が-
< 録音終了 >
後記: インタビュー後にSCP-XXX-JP-1-3が消失するまでの間に行われた検死では、SCP-XXX-JP-1-3が自身の舌を噛み切った事が判明した他、腹水による下腹部の膨張が観察された。国仲研究員は非致死性の神経ガスによる無力化の後にSCP-XXX-JP-1を確保するよう提言したが、収容の妥当性の観点からサイト管理官により保留される。その後SCP-XXX-JP-1の収容はその自己収容的性質により不要であると結論付けられ、SCP-XXX-JPの収容のみを目的としたプロトコルが倫理委員会及びサイト管理官により構築された。
インタビュー記録-ろ:
質問者: 古畑研究員
対象: SCP-XXX-JP-1-5
序文: SCP-XXX-JP-1-5は収容開始以前からSCP-XXX-JP内にいた人物のひとりです。インタビュー後の身辺調査によりSCP-XXX-JP-1-5は██小学校に通う児童であり、初期収容開始の2日前から学校を休無断欠席し、また自宅にも帰宅していなかった事が判明しています。< 録音開始 >
古畑研究員: ねぇボク、名前は何て言うの?
SCP-XXX-JP-1-5: 中井██。
古畑研究員: パパのお仕事は分かるかな?
SCP-XXX-JP-1-5: 何もしてないよ。代わりにお母さんが仕事してる。
古畑研究員: 学校には行かないの?
SCP-XXX-JP-1-5: 行かない。皆、僕の事死んだ方がいいって。
古畑研究員: その痣は学校で付けられたの?
SCP-XXX-JP-1-5: ううん。
古畑研究員: 他の誰かに付けられたの?
[ SCP-XXX-JP-1-5は沈黙する]
古畑研究員: もしよかったら、こっちに来てお姉さんともっとお話ししない?
SCP-XXX-JP-1-5: やだ。
古畑研究員: どうして嫌かな?
SCP-XXX-JP-1-5: 僕はここしかいちゃあかんから。
古畑博士: そんな事ないよ、こっちにおいでよ。そこ寒くないかな?
SCP-XXX-JP-1-5: [数秒間沈黙] 寒いけど、寒くないよ。
古畑研究員: それってどういう事?
[以降SCP-XXX-JP-1-5は沈黙を続けた]
< 録音終了 >
後記: インタビューから2日後にSCP-XXX-JP-1-5の死亡が確認されました。SCP-XXX-JP-1-5が消失するまでの間に行われた検死では、衣服により観察出来なかった部分に複数の[編集済]の痕跡がある事が判明しています。
インタビュー記録-は:
質問者: 古畑研究員
対象: SCP-XXX-JP-1-13
序文: SCP-XXX-JP-1-13はSCP-XXX-JPによる心身への影響を評価する目的でSCP-XXX-JP内に導入された元D-75922です。古畑研究員: これよりインタビューを開始します。SCP-XXX-JP-1-13、現在の状況を教えて下さい。
SCP-XXX-JP-1-13: そうだな、俺が入る前からもう何人もここに入っていたが……色んな奴がいる。爺さん婆さんも、子供も、スーツ来たおっさんも、若い姉ちゃんも……皆疲れてるんだな。
古畑研究員: 疲れてるとは?あなたが彼らを見てそう感じたのですか?
SCP-XXX-JP-1-13: 疲れてる……いや、違うな、多分別の言い方があると思うが……すまねぇ先生、思い浮かばねぇ。でも皆……ええと。
古畑研究員: それで結構です。あなたはインタビュー開始前にそこから出たくないと仰りましたね?それは何故ですか?
SCP-XXX-JP-1-13: 何で……何でだろう、分からねぇ、俺はただ、真っ当に生きたかっただけなのに、生きれば良かったのに俺は-
[ SCP-XXX-JP-1-13が嗚咽し始める ]
古畑研究員: SCP-XXX-JP-1-13?どうしたのですか?
SCP-XXX-JP-1-13: ごめん母ちゃん、ホントごめん。俺のせいだ。俺がいけなかったんだ。あれくらい我慢すりゃ良かったんだ。許して。
古畑研究員: 質問に答えて下さい、何故そこから出たくないのですか?
SCP-XXX-JP-1-13:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: これまでに確認されたSCP-XXX-JPの活動はすべて自己収容的であり、民間人への暴露の危険性は最小限であると看做されているため、財団収容方策協議委員会(FCCDC)においてはSCP-XXX-JPの収容方法は最小限であるべきとの見解が有力であり、現行の収容プロトコルもこの方針に沿います。SCP-XXX-JP及び関連する諸現象への接触及び交渉、研究はセキュリティクリアランスLevel4-XXX-JP以上の職員によってのみ行われます。SCP-XXX-JPが顕現が確認された場合、前述のクリアランスを有しない職員は緊急を要する場合を除いてSCP-XXX-JPとの直接的、間接的の如何を問わず接触を避け、SCP-XXX-JPの活動へのバックアップに努めて下さい。財団保安部門はSCP-XXX-JPの保安設備及び備蓄へのアクセスを容認すべきであり、SCP-XXX-JPにより消費された財団資産を記録し、前述のクリアランスを有する職員へ提供します。
説明: SCP-XXX-JPは半物質的性質を有する人型/亜霊的実体です。これまでの目撃例ではSCP-XXX-JPは30代のモンゴロイド男性として表現され、顕現時の事例に応じ、対処のために必要な装備を着装している状態で視認されます。SCP-XXX-JPは財団が保日本国内に有する主要な研究・収容・その他の用途に使われる施設において緊急を要する事態44が発生した際に、当該施設内の無作為な場所に顕現します。顕現化したSCP-XXX-JPは前述の緊急事態を解決するための最短経路・方法を選択し事態の収拾を試みます。これまでに記録されたSCP-XXX-JP顕現化事例のうち、SCP-XXX-JPは単独で43%の警戒レベル4: 準Kクラス事象の回避及び79%の警戒レベル3: 局地的脅威懸念の回避に成功しています。顕現事例の統計的データにおいてはSCP-XXX-JPの事態収束への活動成功率は財団保安部門の援助により更に向上する事が判明しています。
SCP-XXX-JPは顕現した施設内の警戒レベルが2以下にまで引き下げられた場合、消失します。この際、SCP-XXX-JPは
補遺-い: 特筆すべきSCP-XXX-JP顕現事象実例
日時: 2004/2/18
顕現状況: サイト-81██が総勢34名の不明な武装勢力(事態収拾後にGOCの一個小隊と判明)に襲撃された際に、SCP-XXX-JPはサイト-81██第2研究棟2階トイレ内に財団標準支給のタクティカルスーツ及び複数の非致死性兵器を装備した状態で顕現。1階エントランスに直行し、武装勢力のうち13名を単独で無力化、10名を財団保安職員との協力で無力化した。SCP-XXX-JPは戦闘において財団81管区機動部隊の必須術科である香取式近接格闘術に類似する技能を駆使した事が確認されている。襲撃から38分後に事態は収拾し、SCP-XXX-JPは保安要員が襲撃者を拘引する最中に消失した。監視映像の分析では、SCP-XXX-JPはエントランスへ向かうまでの間障壁を一切の物理的干渉を受けることなく通過している事が判明しており、SCP-XXX-JPは物理干渉を受ける/与える物体を選択しているという仮説が立てられた。
日時: 2005/7/2
顕現状況: サイト-81██第1研究棟においてオブジェクトの性質評価実験の最中、SCP-███-JPの異常性質に起因する研究設備の意図せぬ損壊が発生し、フェイルセーフのシアン化カリウムガス噴霧器二基が起動した際に、SCP-XXX-JPはサイト-81██コントロールルームに財団支給のハズマットスーツを着装した状態で顕現。管理官が手動入力でフェイルセーフを停止させるよりも早く事件発生個所の遠隔隔離処置を実行した後に現場へと急行し、SCP-███-JPの再収容に着手する。SCP-XXX-JPはSCP-██-JPを沈静状態にさせる事に成功し、犠牲となった職員の体を仰向けにし、手を組ませた後に消失した。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: O5司令部の指示の下、SCP-XXX-JPの活動成果を最大限のものとするために実行されるべきあらゆる支援が行われます。セキユリティクリアランスレベル4以下の職員に対してはSCP-XXX-JPは半実体的顕現である事が示され、またその活動を妨げる事が無いよう収容プロトコルで明示される以外は、SCP-XXX-JPに関連するすべての情報は隠匿されます。この処置に伴いSCP-XXX-JP報告書には欺瞞情報の掲載が許可されており、必須クリアランスレベルを有する財団アーカイバーにより本報告書のダミーファイルが執筆されます。財団特務資産司令部(FSAH)はSCP-XXX-JPの活動の監視及び制御を行い、SCP-XXX-JP顕現事象に常時備え、該当施設保安部にSCP-XXX-JP顕現体への支援を要請します。SCP-XXX-JPはその形而上学的特性により司令部側からの接触は専用インターフェース"dragon_vein"に制御コマンドをアップロードするのみに限られています。SCP-XXX-JPは"dragon_vein"上へ定時報告を行い、また警戒レベルが3以上に上昇した事が確認された81管区管理施設への顕現時並びに事案終了時に報告を行います。機動部隊か-57(百目百舌)はFSAHより"dragon_vein"の管理に必要なクリアランスを与えられ、SCP-XXX-JP及びFSAHの指令及び報告を監視し、逸脱が発見された場合81管区司令部へ通達する義務を負います。
説明: SCP-XXX-JPは81管区司令部の特別提言を受け、81管区の複数の部門で行われた財団運営施設保安用エージェントの精製研究“プロジェクト・スクナヒコナ”の成果体です。SCP-XXX-JPはかつて財団保安部門に所属していた久慈 洋昌特務官のパーソナリティに依存する随意物質的/霊的顕現であり、顕現下にあるSCP-XXX-JPの容姿は30代頃の久慈特務官の固着されています。久慈特務官は1997年、第81管区司令部の指導により秘密裏に行われた保安用エージェント開発に際しての被検体徴集の打診に合意し、必要な検査及び研修の後に財団の複数の部門による共同研究結果に基づく施術を受け、現在の状態となりました。久慈特務官に施された施術は以下の通りです。
- 概念体の体外での活動に必要な身体施術。財団呪術部門、対抗呪術部門、秘術部門の合同研究SCP-XXX-JPは財団専用回線にアクセスする呪術的な転送技術を通して、第81管区の管理下にある保安ネットワーク端末が置かれたすべてのサイト、エリア、その他の場所への準光速でのアクセスが可能です。
- 電子回線を通じた準光速での移動。IT部門、光学部門
- 実体制御を目的とした電子コマンド受容体の埋設。
補遺: SCP-XXX-JPコメントログ
以下の記録はSCP-XXX-JPにより"dragon_vein"コマンド上にアップロードされた文書のうち、逸脱したコメントの記録です。
1998年5月28日午前9:00。事前にきちんとNTPと同期していたならば、今現在の日時だ。これが初めて私が財団ネットワーク上に顕現した時間となる。以下のコメントは記念のようなものであり、ちょっとした遊び心に起因するものだ。初めてスクナヒコナの構想を聞かされた時、ある種の好奇心と期待感が私の心に芽生えた事を否定はしない。他の保安要員と比べると私の職歴は長い方だが、電子上の幽霊などという現代ホラーの様な存在になるというのは考えた事も無かった。財団への忠誠を示す、手厚い福利厚生、その他諸々の理由はあれど、私は自身を被検体として提供する事に何の逡巡も感じなかった。今私の目の前には(目の前という表現はおかしいかもしれない。私はネットワーク上においては身体的感覚を持たないのだから)情報が光の速さで行き交っている。トラフィックの流れを感じ取る事が出来る。ネットワーク上で情報が行き交う光景というのはなかなかに壮大だ。これらの情報にアクセスすることは許されないのが残念だが、また一方でこのルールに安堵している。私はあくまで駒であり、兵隊であり、守護者であるのだ。猥雑な事象は他に任せ、私はただ自身の任務を全うすればよいのだ。
先刻のサイト-81██への襲撃についてだが、指揮官が現場に到着するまで保安要員は火器を積極的に使用していなかった事に疑問を抱いた。近接格闘による外敵排除を試みる文字通り無鉄砲な者さえいた。対人戦闘での火器使用に躊躇するのは分からなくもない。襲い掛からんとする敵であっても人を殺傷せしめるというのは気が引けるものだ。しかし、それは更なる惨事への言い訳にはならない。我々は確保・収容・保護の理念の下に、時には非情にならなければならないのだ。老婆心からではあるが保安プロトコルをより厳粛なものへと改正するよう提言しておく。
私を収容しようという職員がいた。他の職員へ私の事をどう説明しているのかは分からないが、もしスクナヒコナについての情報が開示されているなら改善してくれ。霊に塩を撒くというのは馬鹿げた行いだ。
仁科██、素晴らしい。今日のMVPは彼だろう。惜しむらくは彼が末端の一兵卒であるという事だ。彼の指揮官としての能力を買い、より高位の役職へと昇格させる事を提案する。
サイト-81██の収容設備に幾らかの脆弱性が見受けられた。3レベル以下の職員がアクセスできる領域が多いのではないだろうか。また、情報保全にキーフレーズを用いるのも前時代的だ。その辺はミーム部門のお家芸であるため強く主張はできないが、少し融通してやるべきだろう。私であればミーム研究者を2、3程連れて来て生体とリンクした知覚認証によるファイアウォールを構築する。何事も備えすぎて損をするという事はない、検討してみてくれ。
近頃、他の職員が私をあからさまに避けているように思える。スクナヒコナについての守秘義務の観点、それに私の特性を鑑みればおかしくはない事であるがやや狼狽している。何も接触をしたいとかそういう事では無い。ただ、この体を手に入れてから人と話す機会というのは皆無とも言える状況なのだ。詰まる所、私の気分転換、もしくは精神衛生に配慮してくれてもいいんじゃないか。
何故無視をするんだ。
スクナヒコナに乗ったことを後悔し始めている。これまで私はここに私が出来る事、提言出来る事を伝えるべく数回に渡り不要なコメントをしてきた。だがそのいずれも無視され続けていた事がようやく分かった。私が称賛した人物は未だに使い捨て要員、保安プロトコルは何の改善もされていない、セキュリティの脆弱性すらクリアされていない。私が重箱の隅をつついてきたのは私が本当に財団への忠誠を胸に抱いているからだ。私の感情を斟酌してくれ。駒扱いでもしごかれる方がまだましだ。
アイテム番号: SCP-XXX-JP-J
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Jは既に日本国全域に蔓延しており、その他の先進国においても多数の目撃情報が確認されています。財団公衆衛生部門はこれらSCP-XXX-JP-Jのさらなる蔓延を防ぐため、機動部隊シータ-68“トイレの神様”を指揮し収容に努めます。
説明: SCP-XXX-JP-Jは████社から発売されている便座ですが、他にも████社製、██████社製の実体も確認されています。SCP-XXX-JP-Jは通常、便座の他に便座取り付け式または壁取り付け式の操作デバイスとセットになっています。SCP-XXX-JP-Jの操作デバイスを操作した場合、SCP-XXX-JP-Jを使用中の人間の肛門めがけて温水が噴射されます。この時噴射される温水は先述のデバイスを操作することによりその水量、水圧、温度を調節することが可能である事が実証されています。
序文: 一般公衆への被害を防ぐため、配管工に扮した機動部隊シータ-68"水も滴るいい男"により収容作業が行われた。
θ-68-cap: 全隊員配置に付いたか。目標を確認しろ。
θ-68-A: クリア。
θ-68-B: クリア。
θ-68-C: ちょっと待って下さい、今民間人がトイレに入ろうとしています!
θ-68-cap: これから清掃だと伝えろ!ちゃんと入口に立て札を設置したのか!
θ-68-C: あのすみません、これから清掃するので……え?別のトイレ?ええと、ちょっと待って下さい今地図を……
θ-68-B: チャーリーが持ち場を離れて行きます!
θ-68-cap: クソッ、チャーリーは諦めろ!俺達だけで収容を行う!
[θ-68-Cを除く部隊全員がトイレ内に進入する]
θ-68-A: 隊長、こちらをご覧ください。
[θ-68-AがSCP-XXX-JP-Jを指さす。SCP-XXX-JP-Jの操作デバイスは壁掛け式であり、これまでに確認された事例との相違点として『音姫』なる用途不明のボタンがついている。]
θ-68-B: このボタンに書かれた文字は何だ?暗号か?
θ-68-cap: 司令部聞こえるか、目標を確認した。操作デバイスに不明なボタンがある。確認してくれ。
HQ: こちら司令部、映像を確認。そのボタンは……すまない、これまでのデータにはないパターンだ、新種と思われる。ひとまず試してみてくれ。
θ-68-B: そんな。
θ-68-A: 俺達を実験台にするつもりか!
θ-68-cap: 口を慎め、司令部の決定は絶対だ。ブラボー、お前が行け。
θ-68-B: えっ!俺が?…… 分かりました。一つお願いがあります。
θ-68-cap: 何だ?
θ-68-B: もし俺が死ぬようなことがあれば……妻のジェニフェーに『お前を愛している』と伝えて下さい。
θ-68-cap: ああ分かった、早く座れ。
[θ-68-BがSCP-XXX-JP-Jに腰掛けデバイスの操作を始める。数秒後θ-68-Bが飛び上がり、その反動でトイレ個室の隔壁に衝突する]
θ-68-A: ブラボー、しっかりしろ!
θ-68-cap: 何があったブラボー!
θ-68-B: ケ、ケツが……ケツに水が……濡れてやがる……!
θ-68-A: 畜生!ブラボーはもう駄目だ!隊長、撤退すべきです!
HQ: アルファ、撤退は許可しない。引き続き作業を続行せよ。
θ-68-A: 司令部、ブラボーのケツはびしょ濡れなんだぞ!もしパンツにまで染みていたら……
θ-68-cap: アルファ、口を慎め。……俺がブラボーの代わりにやる。
θ-68-A: 隊長!そんな事をしてはあなたのケツまで!
θ-68-cap: 安心しろ、対策は講じてある。ケツが濡れるならば……すぐに拭けるよう準備をすればいい!
[θ-68-capがズボンを脱ぎ捨て、SCP-XXX-JP-Jに腰掛ける。]
θ-68-A: 無茶です隊長!フルチンで作業するなんて!
θ-68-cap: 口を慎め。司令部の決定は絶対だ。まずは用途不明のボタンから始める。
[θ-68-capが『音姫』ボタンを入力したところ、30秒間川のせせらぎの音が流れた]
θ-68-A: この音は一体何なんですか!
θ-68-cap: わからん……しかしバースト通信の類かもしれん。司令部、解析を頼む。
HQ: 音を確認した。録音データは解析班に回しておく。他に異常な点はないか?
θ-68-cap: ああ、そうだな……この『ビデ』というのは何だ?
HQ: それを押すと蟻の門渡り目掛けて水が噴射されるぞ。
θ-68-cap: ……まるで悪魔のような機械だな。ちょっと待て……司令部、このレバーを弄れば水圧が調整できるようだ。
HQ: レバーの現在の位置は?
θ-68-cap: ああ、レバーが『弱』の所にあるが先程の『音姫』で新たな効果が発現しているかもしれん、一先ず試してみるぞ。
[θ-68-capが『おしり』ボタンを入力]
θ-68-cap: おっほっ、これは……ああ……
θ-68-A: 隊長、ご無事ですか?
θ-68-cap: ああ、け、ケツに水が当たって、うふん、大丈夫だ。
HQ: バイタルを確認、問題なし。キャプテン、そのままレバーを『強』にしろ。
θ-68-A: ちょっと待て!そんな事して万一隊長のケツが……
θ-68-cap: ……了解。アルファ、後は頼む。
[θ-68-capが水量調節レバーを『強』へとスライドする]
θ-68-cap: あっ、ああっ、うわあああ!
θ-68-A: 隊長!しっかりして下さい!
θ-68-cap: こ、これは、ああっ、ケツ、ケツに、あっ、ああああっ!
θ-68-A: 早く便座から離れて下さい!悪い予感がする!
HQ: バイタルの急変を確認。アルファ、これ以上は危険だ。すぐさまズボンを履いて帰還せよ。
θ-68-cap: ま、待ってくれ司令部、コレは、コイツは、すごく、あっああっ!こんなの初めてだ!
θ-68-A: 隊長、一体ケツがどうなっているんですか!すごく何なんですか!何故そんな形容しがたい表情をしてるんですか!
θ-68-cap: あっ、こいつはすげぇ、……あっ、うああっ!親にだってそんな所……ああああーっ!
θ-68-A: 早く降りろよクソ!
メモ: この直後、突如θ-68-cap、Aとの通信が途絶し、SCP-XXX-JPの収容及びθ-68隊員の捜索のため機動部隊な-71"ベン・ジョンソンズ"が緊急招集され現場に向かう。な-71によりθ-68-Cは空港ロビー内で迷子になっていた所を発見、その後トイレ内にて臀部が濡れた状態のθ-68-B、下半身裸で床に倒れこんだ状態のθ-68-cap、SCP-XXX-JP-Jに腰かけ『強』の水流を受けながら気絶していたθ-68-Aが発見される。現場の状況及び会話ログの内容から、SCP-XXX-JP-Jには視認者の好奇心を増幅させに使用を強制させるミーム的影響があると仮説づけられた。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1及び-2に関する文献、伝承、その他の媒体による情報はすべて財団秘術部門により記録及び保管されます。財団エージェントは青森県西津軽郡近辺の自治体と提携し、SCP-XXX-JP関連情報及びSCP-XXX-JP-2実体目撃例の調査を行います。SCP-XXX-JP-2実体の活動が確認された場合、機動部隊と-73“”
説明: SCP-XXX-JPは日本国青森県███で見られる宗教の形態です。SCP-XXX-JPは1640年頃に発生したと考えられており、現在約██人
補遺-い: SCP-XXX-JPに関する歴史的考察 財団秘術部門上新井珠男博士の研究ノートより抜粋、要約
SCP-XXX-JPの信仰者はいずれも1614年に徳川幕府が発布した禁教令により近畿周辺から津軽地方へと追放された約40名のカトリック教徒の集団です。これらカトリック教徒を受け入れた津軽藩2代藩主津軽信牧は教徒らに███周辺に土地を与え信仰を続ける事を黙認していたと財団歴史学者により推測されています45。███に土地を与えられたカトリック教徒達は信仰を続けながら農民として生活しますが、1640年頃に発生した寛永の大飢饉により生活が困窮した事を契機として、SCP-XXX-JPの信仰が発生したと伝えられています。
- 情報隠蔽の理由: シンクレティズムの阻止及び歴史に記された異常の隠匿
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Neutlalized
特別収容プロトコル: 2002/3/30以降、SCP-XXX-JPの発生は確認されていません。警察庁並びに主要な出版社、報道機関に潜入する財団職員及び財団インターネット部門により引き続き関連情報抑制プロトコルが実行されます。
説明: SCP-XXX-JPは1998年から2002年にかけて日本国内で発生した一連の殺人事件です。すべてのSCP-XXX-JP事件において、以下の共通点が観察されています。
被害者の殺害状況において単独もしくは複数の異常性が確認されます。: SCP-XXX-JPによる異常性は局所的な時空間恒常性の紊乱、現場に居合わせた人物の一時的な認識機能及び記憶への障害、あるいはその双方として記録されています。8人目の被害者である坂本██氏の殺害状況では多数の民間人が事件現場に存在したにも関わらず、そのいずれもが犯人、殺害方法、事件発生時刻、その他の広範に渡る関連情報を正しく説明する事が不可能でした。また事件現場の事後調査において時空間異常によるものと考えられる物質相互作用が確認されており、これらの事実から上記の異常性が同時発生したものと見られます。この異常性によりSCP-XXX-JPによる殺人事件の複数において事件の発覚が遅れた原因となっています。
被害者はいずれもかつて自身が執筆した文芸作品により出版社/新聞社/その他の団体が主催する文学賞において受賞した経験を持ちます。: この事実は3人目の被害者である北岩██氏が遺した手記が捜査当局により発見された事で明るみになりました。北岩氏は小説家を引退した後、犯罪心理学を専門とするルポライターとして活動しており、彼は2件の殺人事件について関連性を上記の見出し、小説作家を対象とした連続殺人事件であるとして独自に調査を行っていました。この事実は財団による情報抑制が実行されるまでの間、数社の主要なメディアにより報道されました。
被害者は文学賞受賞以降は話題作を執筆しておらず、多くの場合一般大衆からは零落した作家として認知されています。: この性質により、殺人事件に関連する情報抑制プロトコルはほとんどの場合支障なく実行されています。
補遺-い: SCP-XXX-JP事件に関連するインタビュー記録
質問者: 久慈博士
対象: PoI-81697(長浜██)
序文: PoI-81697はSCP-XXX-JPからの被害を免れた唯一の人物であり、現在は茨城県桜川市において農業を営んでいます。PoI-81697は財団によるSCP-XXX-JP被害者の捜索においてリストアップされ、その所在が判明するまでの間に作家業を引退した事を明らかにしています。質問者は事前に財団フロント企業"スケプティック・アンド・クレーマント・プロダクションズ"所属の記者を装ってPoI-81697と接触しました。久慈博士: それではこれより質問を始めたいと思います。長浜先生、本日はよろしくお願いします。
PoI-81697: ハハ、そんなにかしこまらないで下さいよ。私はもう先生なんて呼ばれるようなモンじゃないですから。
久慈博士: いえいえ、とんでもない。『都の漣』は今も尚文壇に旋風を巻き起こした作品として名高いではないですか。
PoI-81697: [数秒間沈黙] ええ、ありゃ私自身も上手く書けたと思っとります。あれを越えるモンはもう書けないでしょう。
久慈博士: そんな御謙遜を。
PoI-81697: いえ、真面目にそう思っとります。私は『都の漣』に作家としての技量をすべて費やしたんです。今の私は出がらしですよ、気楽に呼んでくださいな。
久慈博士: ふむう……分かりました。
PoI-81697:
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPは座標██.██.に位置する直径0.95mの空間異常です。SCP-XXX-JPは地表に停留する形で地球と繋がっており、その終端はSCP-XXX-JP-1に連結されています。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1を除く他の物質と相互作用を生みません。ただし、後述するSCP-XXX-JP-1により求められた物品がSCP-XXX-JPと接触した場合、その物品はSCP-XXX-JPに観測上吸引されるように消失します。観測によれば、SCP-XXX-JP内に取り込まれた物品は外部からの干渉を受けることなく毎分約██kmの速度で牽引され、最終的にSCP-XXX-JP-1に到達します。
SCP-XXX-JP-1は土星静止軌道上に位置する全長24mのバナナ(Musa spp)の果房及び6本の果指に酷似した物体です。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPから5m以内に存在する知的生物を対象として限定的な会話もしくは指揮する能力を有します: SCP-XXX-JP-1は脳容積400ml以下の生物に対してはその生活様式を自身の目的の遂行のために歪曲することが可能であり、これまでにSCP-XXX-JP近辺に生息する昆虫及び齧歯類を操作する能力を実証しています。脳容積400ml以上の生物に対してはこの操作能力を行使できないと考えられ、代わりに対話を求めます。SCP-XXX-JP-1は
質問者: クライマー博士
SCP-XXX-JP-1: ああ、あなた、そこのあなた!私の言葉が分かるのですね、そうでしょう!私を見てください!私はここにいます!私を見て!私を聞いて!
クライマー博士: はい、何ですか。
SCP-XXX-JP-1: おお!おお!すばらしい、すばらしいあなた!広漠たる闇に投げ出され、冷たい、鋭い牙に身を切り刻まれながらも、私はあなたの助けを待っていました!わかりますね?
クライマー博士: あなたは何者ですか?
SCP-XXX-JP-1: 堪えてください!間に隔たりがあり、あなたが私を完全に得る事は不可能です!私が低位の次元に自己を投射する事がどれだけ苦痛か理解できますか?
クライマー博士: ふむ、それでは……あなたのお名前は?
SCP-XXX-JP-1: それはどのような穀物を育みますか?
クライマー博士: 何ですって?
SCP-XXX-JP-1: ああ!またです!あなたは理解できない!悲しい、悲しい!私は迷子です!私にこの壁面に縛り付けられたまま朽ち果てろと言うのですね!大丈夫、さようなら!
[以降2週間と3日に渡り、SCP-XXX-JP-1は一切応答しなかった]
質問者: エージェント・カサンドラ
SCP-XXX-JP-1: おお、あなた、そこのあなた!私です、私を見て、聞いて!
エージェント・カサンドラ: あなたが今どのような状況なのかを説明できますか?
SCP-XXX-JP-1: よく聞いてくれました、ありがとう!私はかつて、宇宙を支配する不条理に立ち向かう者でした!私は久遠の闇に船を浮かべ旅する者でした!しかし、ああ、ああ!船はこの次元に捉われてしまった!この窮屈な牢獄は私の体を、心を常に苛みます!私は船を早急に修理し、この磔柱から抜け出したい!わかりますね?
エージェント・サンドラ: 理解できると思います。
SCP-XXX-JP-1: すばらしい!私はあなたへの親愛を隠さない!船には天球儀がありましたが、今はもうありません!それはおそらくこの次元に投射出来なかったのでしょう!わかりますね?私は新たな天球儀を作る必要に迫られています!私はあなたの助けを求めています!
エージェント・カサンドラ: 私達はあなたを助ける事が出来るかもしれません。
SCP-XXX-JP-1: それは可愛らしい考えです!船にはもう資源はなく、あなたがこの錨を通して私のもとへ運んでくれることを期待します!
エージェント・カサンドラ: 資源ですか、あなたは何を求めますか?
SCP-XXX-JP: まず第一に、あなたの破瓜の血を要求します!
エージェント・カサンドラ: は、はぁ?
SCP-XXX-JP-1: やめてください!あなたの困惑は苦痛です!ほんの5リットルで十分なのです、それは!
エージェント・カサンドラ: ……検討します。
SCP-XXX-JP-1: ありがとう、すばらしい友よ!
後記: このインタビュー以降、エージェント・カサンドラはSCP-XXX-JPに関連する任務への更なる従事を拒否した。この行為は上級研究員によりサイト管理官に報告されたが、SCP-XXX-JPの要求を拒絶する事は不利益を生じないとしてサイト-██倫理委員会により棄却される。
質問者: 董研究員
董研究員: こんにちは、私の声が聞こえますか?
SCP-XXX-JP-1: おお、あなたは、おお、おお、すばらしい!すばらしい!なんと勇敢な、偉大なる、おお、おお!
董研究員:

このテキストは画像の下に表示されます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の低脅威度大型異常物品収容庫に保管され、月に一度、収容管理責任者による車体の状態確認を実施します。
説明: SCP-XXX-JPは███社製の軽ワンボックス型自動車の一実体です。財団により回収されるまでの間、SCP-XXX-JPは占有者の出頭に基づき石川県警により証拠品として管理及び鑑定が行われており、その際に後述の異常現象が発見された事で財団の潜入エージェントにより収容が実施されました。
SCP-XXX-JPのカーゴスペースに備え付けられた窓は特定されていない原理による情報伝達機能を有します。この情報伝達は車内からのみ観察する事が可能であり、映像及び音声記録媒体による記録が不可能であるという特性を示しているため、当報告書に掲載されているすべての実例は乗車・観察した研究員による筆記記録に基づきます。(実例記録については補遺-いを参照)SCP-XXX-JPから得られる情報はSCP-XXX-JPの前所有者である深田 ██氏(PoI-81-56937に指定)及びその家族の間で共有される日常的なエピソード記憶の再現と推測されます。PoI-81-56937の娘である███氏への聴取との照合結果から、SCP-XXX-JPは主にPoI-81-56937により購入された2002年11月からPoI-81-56937が死亡した2015年8月までの情報を伝達している事が判明しました。
補遺-い: SCP-XXX-JP車内で観察された情報の抜粋
推定日時: 2003年2月
概要:
推定日時: 2005年12月
概要:
推定日時: 2006年3月
概要:
推定日時: 2008年4月
概要:
推定日時: 2008年7月
概要:
推定日時: 2009年1月
概要:
推定日時: 2010年3月
概要:
推定日時: 2012年5月
概要:
推定日時: 2013年2月
概要:
推定日時: 2014年10月
概要:
日時: 2015年7月7日
概要:
日時: 2015年7月13日
概要:
日時: 2015年7月19日
概要:
日時: 2015年7月24日
概要:
日時: 2015年8月1日
概要:
日時: 2015年8月11日
概要:
日時: 2015年8月23日
概要:
日時: 2015年8月24日
概要:
補遺-ろ: SCP-XXX-JP関係者へのインタビュー記録より抜粋
対象: 深田 ███
質問者: 西木研究員
序文: 当該インタビューは財団によるSCP-XXX-JP収容と同じくして石川県警より身柄を移送されたPoI-81-56937の娘である対象に実施されたものです。対象は2015年7月から8月25日までの間、PoI-81-56937と共にSCP-XXX-JPを使用して居住地である山口県萩市から石川県七尾市までを漂泊していた事が明らかとなっています。対象には事前に石川県警刑事部による聴取であると偽装されています。西木研究員: 何故車で旅をしようと考えたのですか?
対象: 父は……父に、何かしてあげたかったんです。私が小さい頃から父は私や母のために一生懸命働いてて、家族で旅行とか、そういう思い出がほとんど無かったんです。だから……思い出を作りたかったんです。
西木研究員: 末期癌患者を連れ出したという事は理解できていますね?
対象: でもそれは父が望んだ事です!父はどうせ死ぬから、だからもういいって治療を拒否して、私は何度ももっと大きい病院にいけば良くなるって言ったのに父は-
西木研究員: 申し訳ありません、無神経な質問でした。家族思いのお父様だったのですね。
対象: [数秒間沈黙] はい、母にも私にも負担を掛けさせたくないって、でも母が死んで、父は笑わなくなって、それでもまたきっと家族で笑える日が来ると信じて頑張ってきて、なのに何で……。
西木研究員: 車の異常性質はどのようにして発現したのですか?
対象: どういう事ですか?
西木研究員: あなたが使用していた車の事です。
対象: 車……あの車は私が中学生の頃だったと思うんですが、父が事業に使うために購入して-
西木研究員: ちょっとすみません、もしかしてあの車に……車の窓に通常では見られないような物が映り込む事はありませんでしたか?
対象: [数秒間沈黙] すみません。刑事さんの仰る事がわかりません。
西木研究員: そうですか、気にしないで下さい。ひとまず今日はここまで-
対象: あの、父は……その、ちゃんと弔って下さったんでしょうか?
西木研究員: [数秒間沈黙] ええ、署での捜査が済み次第遺骨をお渡しします。
< 記録終了 >
補遺-は: SCP-XXX-JP担当研究者からサイト倫理委員会への親書と返答
To: サイト-81██倫理委員会
From: 西木 ██研究員、サイト-81██所属
添付ファイル: Addendum-XXX-JP-2.docx , PE-XXX-JP.docx
件名: 審議請求: SCP-XXX-JPに関連する民間人情報提供者の処遇について
SCP-XXX-JPの情報提供者である深田 ███(以下対象)はサイト-81██身柄を移されて以降、複数回に渡り担当研究員に対し自己終了の願望がある事を示してきました。この事実を受けて実施された心理鑑定の結果、対象はPoI-81-56937の死亡に起因すると考えられる心神耗弱状態にある事が判明しています。このまま対象に規定通りAクラス記憶処理のみを施した上で石川県警に身柄を引き渡した場合、対象は自己終了をする恐れがあります。
財団が特定の個人に対しオブジェクトの収容とは無関係の施術を行うべきでない事は重々理解しています。しかし、対象がSCP-XXX-JPの異常性質に対し一切の知識を持たないにも関わらず参考人として拘禁されていた以上、我々には人道上の責任と対象に何らかの補填を行う必要があるものと愚慮します。
上位研究員と協議の上、対象に対し行うべき施術に関する案を纏め本メールに添付しています。差し出がましいようですが、何卒検討を願います。
To: 西木 ██研究員、サイト-81██所属
From: サイト-81██倫理委員会
件名: Re.審議請求: SCP-XXX-JPに関連する民間人情報提供者の処遇について
倫理委員会による審議及び投票の結果、西木研究員の提言を棄却する事に決定した。以下はその理由である。
1. 民間人に不必要な施術を実行する事は、その身体・精神的自由を侵害するものである。
2. 特定の民間人に対し優遇処置を執る事は、他の民間人に対する財団の姿勢を乱し公平性を損ねるものである。
3. 民間人の自己の生命に関する決定権は、その者に帰属されるべきである。財団倫理委員会は民間人について、生存する権利と同様に死を選択する権利を認めている。非異常性の対象が財団の与り知らぬ事由で自己終了する場合、それを不当に侵害し抑止する事こそが人倫に反するものと解釈する。もし対象が家族の後を追う事を望むならば、そうさせるべきである。財団にはそれを引き留める権利も義務もない。
そしてこれは個人的な考えであるが、私は西木研究員の職務に対する姿勢に懸念を抱いている。感傷的な配慮を否定する訳ではないが、対象が自己終了をする恐れがある等という考えは杞憂であると断ずる。財団は民生委員でも、隣近所の世話焼き女房でもない。当該提言は対象の運命の間接的な支配を試みる越権行為とも捉える事が可能であり、仮にそうである場合、私はこれを咎めなければならない。
更にもう一つ、個人的な考えを提案する。もし君が財団職員としてでなく民間の一個人として対象を支える覚悟があれば改めて私の研究室に返信しなさい。記憶処理部門にいくらかの融通をする事が可能だ。この場合、君は研究職を辞して財団と無関係の個人となる。当然財団に関する記憶も全て消去される。このような形で提案する事をどうか許して欲しい。通常は推奨されないものであり、私にも立場がある。しかし君が覚悟を示したならば、私はそれに応え、出来る限り手配をするつもりだ。
サイト-81██倫理委員会 福間 ███
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPは長崎県長崎市に所在する廃棄されたビルに生息する総数34体の身長20cmから35cmのヒト型実体群の総称です。SCP-XXX-JP各実体はヒトの平均程度の知能を有し、日本語での会話が可能です。SCP-XXX-JPはビル内で耐陰性植物の栽培、貯水設備の改造、原始的な武器による小動物の狩猟を行い、それらを食糧とします。例外として、SCP-XXX-JP-1内で高い地位にあるSCP-XXX-JPは食糧の栽培及び収穫に携わる事は無く、自身より下位の階級にいるSCP-XXX-JPに食糧を献上させる事で生活します。
SCP-XXX-JPの社会様式の観察においては、SCP-XXX-JP-1に指定される社会階級制度が確認できます。SCP-XXX-JP-1の上位者はSCP-XXX-JP内において強力な発言権、共有物品の所有・管理・処分の決定権、SCP-XXX-JP-1における社会秩序の維持及び刑罰の執行、SCP-XXX-JP各個体の行動指針の決定等、共同体の諸般の事象に関する権限を有します。この階級構造はSCP-XXX-JPに対して実施されたインタビューから、主にSCP-XXX-JP同士で行われる戦闘の結果により決定されるものと考えられています。特殊な例として、SCP-XXX-JP以外の生物がSCP-XXX-JPの階級上位者となる事がありますが、これは後述するSCP-XXX-JPとの戦闘に勝利者が新たにSCP-XXX-JPの共同体の一員として組み込まれるものと考えられています。1996年の収容当初においては、1体の非異常性のイエイヌ(Canis lupus familiari)がSCP-XXX-JP-1の最高権力者として認められていましたが、当該実体がSCP-XXX-JP-1の制度及び本旨を理解していたかは不明です。
SCP-XXX-JPは自身らが棲み処としているビルに進入した者に対し、一対一形式での徒手による戦闘を求めます。この際SCP-XXX-JP側より対戦相手として提示されるのは、その時点におけるSCP-XXX-JP-1における上位者である事がほとんどです。SCP-XXX-JPはこの戦闘について儀式的かつ神聖なものであり、SCP-XXX-JP側が提示した規則に反して武器等を使用した場合は身体的な罰則を与えると説明します。
補遺-い: SCP-XXX-JPへのインタビュー記録より抜粋
質問者: 串田博士
対象: SCP-XXX-JP-21
序文: 串田博士は当該インタビューの実施に先立ち、SCP-XXX-JP-21との格闘を行い勝利した。串田博士はSCP-XXX-JPとの格闘について「くすぐりが有効である」との提言を残している。< 記録開始 >
串田博士: まず、あなたがご自身達についてどの様に理解しているかをお聞かせ下さい。
SCP-XXX-JP-21: 大いなる者よ。私は貴殿の奴婢であり、いずれ来る悪鬼との決戦に備え修行をする者と理解します。
串田博士: ふむ。「いずれ来る悪鬼」とは何でしょうか?
SCP-XXX-JP-21: 大いなる者よ。それは我ら秘伝の黙示録で語られる世界の破壊者です。私のような奴婢の口から語られるべきではありません、詳しくはアガレー大司教にお尋ねください。
串田博士: アガレー大司教とはどの方でしょうか?
[SCP-XXX-JP-21がイエイヌを指さす]
SCP-XXX-JP-21: 大いなる者よ。彼こそが天軍の指揮者、アガレー大司教です。
串田博士: ふむ、その、あなたはアガレー大司教と会話が出来るのですか?
SCP-XXX-JP-21: 大いなる者よ。大司教はその慈悲深き眼差しにより我らに道を示します。彼は真言に頼らずとも天軍を導く事が可能なのです。そして、私の様な奴婢が彼の言を拝聴しようなどというのは大変恐れ多い事です。
串田博士: ふうむ……それでは、アガレー大司教があなた達に迎え入れられた経緯を教えて下さい。
SCP-XXX-JP-21: 大いなる者よ。彼は最初、決闘者としてこの聖域に足を踏み入れました。当時大司教の座に就いていたアドニスと戦い、彼は今の地位に座します。彼は我らに道を示すため天より遣わされたのです。
串田博士: アドニスはその後どうなりましたか?
SCP-XXX-JP-21: 大いなる者よ。アドニスはアガレー大司教に召し上げられ、今はその血肉となっております。
串田博士: ええ……ええ? 止めなかったんですか?
SCP-XXX-JP-21: 大いなる者よ。それが勝者の望みとあらば。
< 記録終了 >
補記: このインタビューより三日後、串田博士は"アガレー大司教"と称されるイエイヌとの戦闘に勝利し、SCP-XXX-JP-1内における最高権力者となる。串田博士は"アガレー大司教"の隔離とSCP-XXX-JP全実体に対し暴力的闘争を禁止する意志を提示し、現在のSCP-XXX-JPの収容プロトコルを策定した。
補遺-ろ: ビル内より回収された資料より抜粋
以下の文章はSCP-XXX-JPが生息するビル内より回収されたものです。これらはSCP-XXX-JPの起源と深く関係すると推測されています。文章中の""は現在SCP-XXX-JPを開発した組織であると考えられており、構成員及び関連資料の捜索が続けられています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPはアメリカのロックバンド"Copiahn’"が楽曲を演奏するに際して発生する異常現象群の総称です。Copiahn’のメンバーに対して実施された検査の結果ではSCP-XXX-JPの発生原因となるような身体的異常は発見できず、またメンバーが個別に演奏をした際にもSCP-XXX-JPの発生は確認できません。この事から、SCP-XXX-JPはCopiahn’のメンバー全員による演奏活動そのものに依存すると考えられます。以下の記録はCopiahn’のメンバーと、これまでに確認されたSCP-XXX-JPの発生例の分類です。
ボーカル、チャールズ・ジャクソン:
- チャールズ氏は発声する事で、聴取者の
ギター、パトリック・ギリアム:
ベース、ベネット・マークマン:
ドラム、フランクリン・ロバーツ:
補遺-1: Copiahn’メンバーへのインタビュー記録
対象: チャールズ・ジャクソン、パトリック・ギリアム、ベネット・マークマン、フランクリン・ロバーツ(それぞれ姓で表記)
質問者: バクスター博士< 記録開始 >
バクスター博士: あなた達がこれらの現象に気付いたのはいつ頃の事ですか?
ジャクソン: いつだったっけなぁ、オイ。
マークマン: 6年前の冬だな。俺達がクラークスデール46にまで売り込みに行った時の帰りだ。
ギリアム: レーベルの奴等に無理矢理行かされたっけな。クソ寒かったぜ。
バクスター博士: 現象の発現のきっかけとなるような事はありましたか?
マークマン: 道を歩いてると薄汚ぇジジイに金せびられたんだよ。追っ払おうとしたが願いを叶えてやるって言い出したんで面白がって乗ったんだ。
ジャクソン: 最初は酔っ払いの戯言だと思ったぜ。パットは殴りかかろうとしたな?
ギリアム: 誰だって腹立つだろ。それにチャールズ、お前だって金出すの渋っただろ。たかが2ドルでよ。
マークマン: おいよせよこんな所で。ええと、皆で何ドルかずつ出し合って、そいつに願いを言ったんだ。俺はその頃音感がズレてるってレコード会社の奴に何度も言われてたんで、もういっそ皆が俺のペースに合わせるようにしろって頼んだ。
ギリアム: おかげで今じゃベネットがリーダーだぜ。
バクスター博士: 成程。他の方は何を願ったのですか?
ジャクソン: 俺は声よ。はっきり言って俺はブルースにおあつらえ向きのしゃがれ声は出せねぇ。だから俺の声でも聞いた奴らのハートを揺さぶるようになりてぇって言ったんだ。
ギリアム: ああ、キモい声だからな。
ジャクソン: テメエ今度俺を馬鹿にしたらただじゃおかねぇぞパット!
ギリアム: キモい声はどう聞いたってキモい声じゃねえか!そこは認めろよカスが!
マークマン: よせって、少し落ち着け……すまんな先生、おマワリに毎度あれやこれや聞かれるもんだから軽口でも叩いてねぇとやってられないんだ。
バクスター博士: 理解していますよ。大丈夫です。それでギリアムさんは何を願いましたか?
ギリアム: ライブでの総合演出だ。楽器のテクニックだとか音楽的な素質だとかそんなチャチなもんはいらねぇ、見た奴等の度肝を抜いて記憶に残る斬新なライブをやる必要があると感じたんだ。何だってそうだろ?何故ピカソのクソみてぇな落書きがあんなに持て囃されるのか、"博士の異常な愛情" みてぇなクソ政治映画が評価されたか、ジャスティ・ビーバーみてぇなクソガキがちやほやされるのか、そいつらは全員見た奴の心に深く突き刺さる衝撃を与えたからだ。俺はCopiahn’にはそういう要素が足りねぇとつくづく感じていたし、観客だってただ上手い演奏を聞くだけならもっと他の奴等を聞きに行くだろ?俺達はヘタクソでも、ヘタクソなりに売り込まなきゃならねぇと思っていた。丁度セックス・ピストルズの様にな。奴らはザ・クラッシュのようなバラエティ性もねぇしラモーンズみてぇにメンバー全員で醸し出すような世界観もねぇ、ただテメエの日頃のどうでもいい事や苛立ちを雑に表現しただけだ。それなのに今でも語り継がれるのは奴等が当時の観客のハートにぶっ刺さったからなんだよ。
ジャクソン: また始まった。
マークマン: お前がバンドを良くしようとしているのは皆常々感じている、だからもういいだろ。ほらロバーツ、お前は何を願ったか言ってやれ。
バクスター博士: ええそうですね、ロバーツさんは何を願いましたか?
ロバーツ: 俺も基本的にはギリアムと同じだよ。音楽の素養なんかなくていいと思ってた。だからとりあえず、
< 記録終了 >
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter
特別収容プロトコル:
説明: SCP-XXX-JPはアメリカ合衆国テキサス州ワクサハチーの地下███mに顕現した時空間異常です。SCP-XXX-JPの影響下にある空間体積は推定███km3に及び、毎秒███mm3の速度で拡大しています。SCP-XXX-JPは
財団により接収された資料から、SCP-XXX-JPの当初の発生地点は当初合衆国主導の下行われた素粒子物理学研究計画"カルツァ・プロジェクト"に関連する施設が所在していた事が判明しています。カルツァ・プロジェクトは1984年に発足した超伝導超大型加速器建設計画のサブプロジェクトとして秘密裏に進められ、一般にこの事実が周知される事はありませんでした。
- ホラーチックなもの、純粋なホラーではなく
- マン博士
- 日本支部
- サメ殴り
- 探査記録
- 検閲殺し
- 反宇宙
- マッケンジー博士
- 胎児の人権
- クリティカルマス
- 西日暮里アクメランド
- 大谷翔平の第二骨格
- 時そば
- マタンゴ
- 瞽女
- 托卵
http://www.scp-wiki.net/metacritique-one
ためになるエッセイ。そのうち翻訳したい。
諸般の事情で没にした記事群です。
サイト-8181内カフェテリア、白衣姿の小さな少女の目の前に堆く積まれていたのは大量のドーナツだ。少女――冴場博士は聳え立つ甘露の頂きを臨み、そのくりくりとした双眸を輝かせ興奮のあまり鼻息を荒くしながら傍らに立つ立派な髭を伸ばした男に問いかけた。
「ぎしー!ほんとにこれ全部食べいいのー!?」
「ええ、何でも夏祭り用に発注したそうなのですが余分に注文してしまったらしく。某も何個か頂きましたが西洋菓子はどうも苦手で……」
髭の男――三國技師は内心ホッとしていた。これだけのドーナツをどう処分すればよいものか悩んでいたのだ。甘味好きなエージェント・餅月や長夜博士はあいにく出張中、残った女性陣の殆どはダイエットや健康維持を理由にチュロスなんかを一つつまみ上げ研究室に帰ってしまうし、天王寺博士はフレンチクルーラーを通りすがりのDクラスの列に投げつけながら走り去るし、白子博士に至ってはドーナツロボットを作成しようとするのだ!何だドーナツロボって。どんなオーバーテクノロジーだ。多分某が作ったオートマチック木牛流馬の方がよく動きますぞ。
食べ物を粗末にしては巡り巡って兵糧攻めに遭ってしまう!しかしこの量、一体どう処理すればよい物か……。脂肪と糖質の山の前で頭を抱えていた三國技師の前に現れたのは、あの天真爛漫な(そして時々腹黒い)ちびっこ博士だった。
「いいですか、食べる前には手をよく洗う事。それから食べ終わったら歯磨きしましょう。分かりましたか?」
「へーきだよぎしー!」
「いえ、平気とかじゃなく虫歯になったら大変でしょう?何でも虫歯菌とは大変恐ろしいもので、頭痛や肩こり、眼精疲労を始めとする体調不良の原因ともなります。放っておくとやがてエナメル質を侵食し神経を蝕み赤壁の如く燃える痛みをもたらし歯肉は水攻めされた城以上に不毛な土地となり……」
「なんの話してんのぎしー?」
「むむむ、簡単に説明しますと十常侍共は漢帝国にとっての虫歯だったのです。どうです?これで虫歯の恐ろしさが分かりましたか?」
「ぜんぜん」
三國技師の忠告をよそにドーナツへ手を伸ばそうとした瞬間、少女の鼻腔は異様な悪臭を察知した。チョコがかかった輪を取ろうとした手を止め鼻を覆いながら冴場博士は顔をしかめる。
「ぎしー!なんかくさいー!」
「あれ、本当ですね。何でしょうこの臭いは……」
三國技師は異臭に顔をしかめながら記憶の糸を辿ろうと試みた。この臭い、どこかで嗅いだことがある……確かアメリカのサイトへ研修に行った時に……この臭いはまさか!
「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”~~~ッ”」
カフェテリアの壁が突如黒ずんだ液体と化し床を伝う。壁があったはずの空間から現れたあの老人は……SCP-106!?
「げぇっ!オールドマン!何故日本支部にオールドマンが!」
「ぎしー!へんなおっさんがでたー!」
冴場博士はとっさに三國技師の足元に身を隠し、黒い廃油の様にギラつく闖入者を睨みつけた。少女をかばいつつもゆっくり老人と距離を取ろうとする三國技師はかつて読んだ報告書の内容を頭の中で反芻する。
オールドマン……その収容の難しさは支部でも語り草となっている、悪意の権化のような人型オブジェクトだ!触る物皆腐食させて、哀れな犠牲者をポケットディメンションに取り込むのだ……!
緊張のあまり顔面蒼白となりながらも三國技師はオールドマンと対峙し、少しづつ出口へと後ずさる。冴場博士は三國技師の服の裾を握りしめながら叫んだ。
「ぎしー!あの加齢臭マンなんとかしてよー!」
「無茶言わないでください!」
「ぐんしなんだから火とか矢とかビームとか出しておっぱらってよー!」
「出ませんよ!あと軍師じゃなくて技師!名前は軍師ですけど!」
にじりよるオールドマン、後退する二人、あと数メートルで追いつかれてしまう。老人は口元を歪ませ汚れた乱杭歯を見せつける。三國技師も冴場博士も背中に冷や汗が伝うのを感じた。
「ア”ッ”ハ”ッ”ハ”ッ”ハ”ッ”ハ”、ア”ア”ア”~~ッ”ハ”ッ”ハ”ッ”ハ”ッ”ハ”!!」
カフェテリアにこだまするオールドマンの哄笑。出口まではもう少しだ。三國技師はこみ上げる吐き気を堪えつつ慎重に足を運ぶ。絶体絶命の状況の中、彼は敬愛する諸葛亮孔明に祈った。お願いします、南東の風を吹かせてくだされ、あの恐ろしき老人をどうにかしてくだされ……!
諸葛亮は彼に微笑まなかった。出口まであと1メートルの所でオールドマンは目を見開き、満面の笑みで二人に迫る!嗚呼、穿たれる天よ!オールドマンの笑い声が突如止み、その乱杭歯を大きく開いた!
「歯”磨”キ”ヲ”シ”ロ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”~~~~~~~~~~ッ”」
「……へ?」
「甘”イ”物”ヲ”食”ベ”タ”ラ”ア”ア”ア”ア”、歯”ヲ”磨”ケ"エ”エ”エ”エ”エ”エ”エ”~~~~~~~~~~ッ”」
目をぱちくりとさせる三國技師と冴場博士。どういう訳かオールドマンは襲ってこない。ポケットディメンションも使わない。ただ歯を磨けと言うばかりだ。
「ワ”シ”ハ”大”戦”中”歯”ヲ”磨”カ”ナ”カ”ッ”タ”~~~~ッ”、ソ”ノ”セ”イ”デ”歯”ガ”腐”ッ”テ”シ”マ”ッ”タ”ア”ア”ア”~~~ッ”、分”カ”ッ”タ”ラ”歯”ヲ”磨”ケ”エ”エ”エ”エ”~~~ッ”」
「……あ、はい。某が責任を持ってこの子に歯を磨かせます」
「うん、みがく」
「分”カ”ッ”タ”カ”~~~~ッ”、ワ”シ”ハ”モ”ウ”帰”ル”ウ”ウ”ウ”ウ”ウ”ウ”ウ”ウ”~~~~~ッ”」
そう言うとオールドマンは床に寝そべる。カフェテリアの床は煙とブスブスという音を立てながら液状化し始め、老人の体を沈めていく。その後にはどす黒い液体だけが残されていた。
異臭が篭るカフェテリアで二人は茫然と立ち尽くしたが、やがて冴場博士がある事を思い出す。
「あっ!ドーナツ!ドーナツは!?」
「ふむう、今日は大切なことを学べましたね。歯を磨かないときっと我々の歯もオールドマンみたいになってしまうのですよ!」
「ああああーーーーっ!ドーナツがドロドロになってるーーーーーーーっ!!」
感慨深く呟く三國技師の背後で少女の悲嘆が響き渡る。
ドーナツを悔やんでも後の祭り、皆もオールドマンにドーナツを溶かされる前に歯を磨こう!
Society of Controling Plaque(プラークコントロール共同体)の提供でお送りいたしました。
SCPオブザデッド
2016年8月20日、財団のフロント企業The SillyCat Picturesより『SCP・オブ・ザ・デッド』と題された映像作品の制作が行われていることが判明、機密情報保全のため機動部隊に74-“室町幕府”によって接収された。接収した物品の内容は原盤のフィルム及びブルーレイディスク1000枚、DVD7500枚。The SillyCat Pictures側は事情聴取に対し海外の映像制作会社から安価で原盤を買い受けたと主張。その後の調査により、売主はMC&D株式会社の系列企業である事が判明。財団に対する情報工作の一環として作成されたと考えられる。『SCP・オブ・ザ・デッド』は財団施設を舞台としたホラー作品であり、実在するSCP、施設及び職員に関する多数の情報が含まれているがいずれも大きくカリカチュアライズされた内容となっている。確認作業に当たった████博士は「チープな特殊効果と破綻した物語、大根役者のオーバーリアクションにより開始15分でまともに観る気を無くした」との感想を残した。以下に特筆すべきストーリー概要をチャプター毎に分けて説明する。
チャプター1
舞台はアメリカ████州の夜の港。大型船への貨物の積み込み作業が行われている。コンテナ側面にはSCP-008と大きく書かれており、作業員が冗談を交えながらコンテナを乱暴に積み込む。そこに白衣を着せられた一匹の大型犬が現れ、作業員に向かい吠え出す。なおこのシーンでは大型犬を誘導するため画面上部よりビーフジャーキーが吊り下げられているのが確認できる。作業員は恐縮しながら作業を続け、やがて画面はフェードアウトする。場面は打って変わり、早朝の日本国███市郊外へと転換。先述したコンテナを乗せたトレーラーが走る様子が映し出される。トレーラーの走行中、路肩に『SCP財団サイト-81██ この先500m』と書かれた看板が立っているのが確認できる。やがてトレーラーは大型ショッピングモールに入り停車。財団標準のDクラス作業服を着た数名の男がコンテナを降ろそうとするがその最中クレーン操作のミスによりコンテナが地面へと落下、作業員は慌てふためく。物音を聞きつけショッピングモール内部より迷彩服を着た小学生と思しき女児が現れる。女児はコンテナの破損を確認し驚愕のあまり腰を抜かす。その後青ざめた表情で携帯端末から部隊の派遣を要請した所でチャプターが終了。
チャプター2
ショッピングモールのすべての入口が金網で封鎖される場面から開始される。施設内では先程の女児が慌てふためく研究員に対し指示を下している。そこへMSゴシックで「アンドリュー博士」と書かれた黄色いTシャツを着た外国人男性と頭部に貝の着ぐるみを被った男性が合流。女児が2人に対しSCP-008のアウトブレイクが発生し、作業を行っていた複数のDクラス職員が感染したと報告。2人は驚愕し腰を抜かすが、この時着ぐるみの男性は頭が外れてしまう。画面は転換しショッピングモール外部を映し出す。金網の外では不気味なメイクを施されたDクラス職員が複数うろつき、通りがかりの一般人に襲い掛かる。そこへ突如古代中国風の衣装に身を包んだ男性が登場、彼が羽扇を振ると同時に光線が放出されDクラス職員が薙ぎ倒される。彼は三国志演義における宛城の戦いの記述を暗唱しながら金網をよじ登りショッピングモールへと進入。その背後でDクラス職員と同様のメイクを施された先程の一般人が起き上がり徘徊を始める。再び画面が転換し、暗い檻の中で青い光を放つ剣を携えた少女が映し出される。少女の肩には関西弁を話す爬虫類が乗っており、少女に対し胸騒ぎがするからここから脱出しようと話しかける。少女は自身に封印された力を行使する事は多くの人を傷つけてしまうので出来ないと躊躇うが、爬虫類から「やりたい事やったもん勝ちやで」との言葉を受け剣で檻を切断し脱出する。
チャプター3
場面はショッピングモール内へと戻る。複数の研究員に囲まれながら女児、アンドリュー博士、着ぐるみの男がアウトブレイクへの対策を話し合う。この時点でショッピングモール内に輸送されたSCP-008は突然変異により感染力が増大している事、SCP-008に対抗するには現在財団日本支部が研究・開発している対SCP-008用Thaumiel兵器が必要である事が明かされる。しかし肝心のThaumiel兵器がサイト-81██の外部にあるため、SCP-008への対応が出来ないと呟きアンドリューは頭を抱える。しばらくの沈黙の後、女児が『あの男』にThaumiel兵器を運ばせる事を提案。アンドリューは『あの男』が十分なセキュリティクリアランスを有していないという理由で否定するが、着ぐるみの男は「この状況下で任務を果たせるのは彼しかいない」という理由で女児の提案に賛同。頭を上げたアンドリューは端末を操作し始め、『あの男』へと連絡を取ろうと試みる。場面が転換しステレオタイプな大阪の風景が映し出され、頭に紙袋を被った男が立ち食い蕎麦屋で天蕎麦に天ぷらが入ってないと店員にいちゃもんを付ける場面から始まる。店員との口論の最中突如着信音が響き、紙袋の男は携帯端末を取り出す。以下場面の写し。紙袋の男: はい、どなたでっしゃろ。
アンドリュー: 天王寺君かね?私だ、アンドリューだ。
紙袋の男: アンドリュー博士!えらい方から電話がかかってきなすった!ワシのようなしがない研究員に一体何の用でおま?まさか前に申請した給料賃上げの……
アンドリュー博士: 緊急事態だ。サイト-81██で008のアウトブレイクが発生した。
紙袋の男: どしぇー![驚愕し腰を抜かす]
アンドリュー博士: このままでは日本が、世界が危うい。君に暫定的にレベル5クリアランスを与えるので直ちにサイト-8141で研究中のThaumiel兵器を輸送してくれ。
紙袋の男: えらいこっちゃ……しかしワシ一人だけでですか?
アンドリュー博士: すでに近隣サイトと連絡を取り人員を派遣するよう指示した。まもなく君の許に到着するだろう。
紙袋の男: まもなく言うても……
[紙袋の男が振り返る。彼の背後には空手衣を身に纏った女性とアタッシュケースを持った男性が立っている]
空手衣の女: ゴリラの力は正義のために!前原博士参上!
アタッシュケースの男: 安売りするがハートは売らない!エージェント差前参上!
紙袋の男: ……堪忍してぇなぁ。
この後紙袋の男が2人に両脇を抱えられトラックに乗り込んだところでチャプターは終了する。
チャプター4
再びショッピングモールが映し出される。中国風衣装の男が金網越しに襲い掛かろうとするDクラス職員に対し光線を浴びせ続けるが目立った損傷は見られない。そこへ着ぐるみの男が合流し中国風衣装の男に加勢する。以下場面の写し。中国風衣装の男: [光線を照射しながら]桑名博士!ご無事でしたか!
着ぐるみの男: 三國技師もよくご無事で、フィールドワークの途中だったのでは?
中国風衣装の男: 外はもう滅茶苦茶です。Dクラスがサイトから脱走し黄巾党の如く民間人を襲っていました。某は急ぎ防護柵を乗り越えサイト内に入りましたが……奴ら今度は某を標的にし始めまして。一体何が起こったのですか?
着ぐるみの男: 突然変異した008のアウトブレイクが発生しました。
中国風衣装の男: げえっ!008![驚愕し腰を抜かす]
着ぐるみの男: 現在エージェント餅月が陣頭指揮を執りゾンビ化したDクラスへの対処に当たっています!
中国風衣装の男: し、しかし……このサイトの武装ではすべてのDクラスを排除するのは難しいでしょう!
着ぐるみの男: ええ、我々の力では時間稼ぎにしかなりません……しかし現在、『あの男』がサイト-8141で開発されたThumiel兵器をこちらへと輸送しています!
中国風衣装の男: 『あの男』とは……まさか!
着ぐるみの男: そのまさか、難波が生んだ快男児・天王寺博士です!
中国風衣装の男: げえっ!天王寺博士![再び腰を抜かす]
場面は転換し、京都市街を走るトラックが映し出される。運転席にはエージェント差前が座り、信号で停止する度に毒づき助手席の前原博士から毒づき鉄拳制裁を受ける。天王寺博士はトラックの荷台に乗せられ、小窓から車内の様子を窺うのが確認できる。やがてトラックはサイト-8141と書かれた看板が立つ施設へと到着、降車した3人は施設内部へと進入する。施設内は暗く、奥の方に僅かに青い光が確認出来る。以下場面の写し。
エージェント差前: おーい、誰かおらんかー?
前原博士: さっき確認した限りだとエージェントが一人常駐しているらしいわ。でも何だってこんなに暗いのかしらね。
天王寺博士: アカン、自分こういう雰囲気苦手やねん……トイレ行っても構わへん?
[突如3人の前に青く光る剣を携え肩に爬虫類を乗せた少女が現れる。三人は驚愕し腰を抜かす]
少女: ばあっ!我こそは奈落の悪鬼、黒き翼の堕天使アイスヴァイン!愚民どもよ、恐れおののけ!
天王寺博士: ヒイッ!お、お助けーっ!
爬虫類: あー、あかんてアイスヴァイン。ビビってしもうとるやん。またプレゼント抜きやな。
少女: えっ!?そんなひどい!トカゲさんが驚かせろって言ったのに……!
エージェント差前: カナヘビだな。相変わらずアホな事しやがって。
爬虫類: そう言うお前は差前か。相変わらずアホな面しとるのう。何の用や?
前原博士: サイト-81██で008のアウトブレイクよ。
爬虫類・少女: なんだってぇー!?[驚愕し腰を抜かす]
エージェント差前: 安心しろ、聞いた奴は皆腰を抜かした。天王寺博士はウンコまで漏らした。
天王寺博士: 嘘言わんといて下さい。
爬虫類: となると……やはり嫌な予感が的中したっちゅう訳や。
少女: あのバ█オのパクリの奴ですね!任せて下さい!堕天使の力を解き放つしかありませんね!
天王寺博士: へ?アンドリュー博士が言ってたThaumiel兵器って……もしや。
爬虫類: そう、この子がThaumiel兵器や。正確にはこの子は媒介で、その青い剣がやけどな。
4人と一匹がトラックに乗り込みサイト-8141を後にしたところでチャプターは終了する。
チャプター5
Dクラスゾンビへの対応に追われるサイト-81██の職員達が映し出される。金網を境に多数の職員により防衛線が維持されているが、Dクラスは金網を突破しつつある。職員達は銃火器、モップ、ボクシンググローブ、スクラントン現実錨、その他の物品で武装している。以下場面の写し。エージェント餅月: 武器になる物は何でも使ってください!とにかく援軍が到着するまで持ち堪えるのです!
スーツ姿の男性職員: クッ、兄弟が揃っていればこの程度……ベーブ蔵兄さんをフロリダキャンプに行かせたばかりに!
から揚げ頭の男性職員: 神山博士、悔やんでも仕方ありません。今サイト内にいる人員だけでこの窮地を乗り越えねばなりません!
長身の女性職員: しかし物資にも限りがあります!関西からThaumiel兵器が到着するまで足りるかどうか……
エプロンを着た女性職員: 子供達が心配だわ……皆どうか無事でいて……!
赤Tシャツの男性職員: 弾が切れてしまいました!誰か僕に次の武器を下さい!
ボール頭の男性職員: これを使ってください![ビバスケットボールを手渡す]
赤Tシャツの男性職員: そうそうそう、このボールでダンクを決めればゾンビもイチコロ……ってこれ宇喜多博士じゃないですか!別の物を下さい!
から揚げ頭の男性職員: 分かった、これを使え![皿に盛られたから揚げを手渡す]
赤Tシャツの男性職員: そうそうそう、これをレンジでチンすればジューシーな鶏もも肉の風味が口いっぱいに……ってこれ虎屋博士じゃないですか!武器を下さい武器を!
エプロン姿の女性職員: これを使って![猫らしき生物が描かれた画用紙を手渡す]
赤Tシャツの男性職員: そうそうそう、このかわいらしいねこのが認識災害を引き起こし視界にはつねにねこがいます……って収容違反じゃないですか!安全な武器を下さい!
スーツ姿の男性職員: これならどうです?[ガンガゼを手渡す]
赤Tシャツの男性職員: そうそうそう、このうにがうに、うにうにうににー!うにににに……って何ですかこれは!マトモな武器は無いんですか!?
長身の女性職員: じゃあこれを使ってください![まな板を手渡す]
赤Tシャツの男性職員: そうそうそう、これにゾンビを乗せればさながらまな板の上の鯉ならぬゾンビ……ってこれ長夜博士じゃないですか!もっとマシな……
長身の女性職員: 今何て言った?
赤Tシャツの男性職員: あっ……死にたくない……
アイテム番号: SCP-1049-JP-J
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-1049-JP-Jはその性質上収容が不可能なため、主に事後処理を目的とした研究が進められます。解析BOTクサイ-931“ガス探知機”は常に動作状態を保ち、全財団施設に設置された監視機器及び録音機器からSCP-1049-JP-Jを検索します。SCP-1049-JP-Jが確認された場合、機動部隊プサイ-119“いろは四十八組”は直ちに現場に急行し、発生した議論及び紛争の解決に当たってください。
説明: SCP-1049-JP-Jは財団が保有するすべてのサイト内で発生する異常現象です。この現象は特定の条件下でのみ発生します。現在把握されているSCP-1049-JP-Jの発生条件は以下の通りです。
- 2人以上の対象が半径約5~10mの範囲内にいる。
- 対象が何らかの作業に集中している。
- 上記の範囲内に対象以外の生物がいない。
- 上記の範囲内に対象以外の音の発生源がない。
これらの条件を満たした時、上記範囲内においてランダムでSCP-1049-JP-Jが発生します。SCP-1049-JP-Jは一般的に屁として知られる生理現象に酷似した音として感知され、いくつかの事例においては強烈な臭気を伴うことが確認されています。しかしながら上記範囲内にいた対象は全員が放屁した事を否定し、その発生源について対象間で議論が巻き起こりますが、議論は常に平行線を辿り対象間での包括的合意により解決する事はありません。議論は時として暴力的な争いにまで発展し、結果として対象間の不和または強い精神的外傷及び近隣への損害が発生します。これによって対象に生じた不和及び精神的外傷はクラスA記憶処理で回復させる事ができます。
補遺1: サイト-8141録画記録より抜粋
[SCP-014-JP-J収容室においてエージェント・カナヘビとSCP-014-JP-Jがウンジャマ・ラミーをプレイしている最中、SCP-1049-JP-Jが発生した]
エージェント・カナヘビ: あれ、自分屁ぇこいた?
SCP-014-JP-J: 私じゃないですよ。
エージェント・カナヘビ: いや自分やん、そっちから音したやん。
SCP-014-JP-J: 違います!
[SCP-014-JP-Jが興奮し立ち上がる]
エージェント・カナヘビ: あんなぁ、別に屁くらいどうって事あらへん。そない恥ずかしがらんでも……
[SCP-014-JP-Jが手にしていたコントローラーを床に投げつける]
SCP-014-JP-J: 私じゃないです!何でそうやって私の事苛めるんですか!私がオナラした証拠なんてないじゃないですか!
エージェント・カナヘビ: えっ、何で泣いてんの……
SCP-014-JP-J: 堕天使はオナラなんてしないもん!!!
[この時点で収容室内に保安要員が入室、暴れるSCP-014-JP-Jを取り押さえる]
付記: 後の事情聴取でエージェント・カナヘビは「あの年頃の子は扱い方がよう分からへん」と供述。サイト管理官は彼に思春期の子供との付き合い方について研修を受けるよう命じた。
補遺2: サイト-17録画記録より抜粋
[サイト-17内カフェテリアにおいてクレフ博士・コンドラキ博士・ブライト博士がSCP-239の収容方法について白熱した議論を展開している最中、SCP-1049-JP-Jが発生した]
コンドラキ博士: [笑いながら] オイオイオイオイ……
クレフ博士: まるで豚一頭 [編集済] したような臭いだ。
ブライト博士: 私じゃないぞ。さっき2719を使ったからな。
コンドラキ博士: じゃあお前かクレフ?
クレフ博士: いや、そっちの方から音がしたぞ。
ブライト博士: 私もコンドラキの方から聞こえたぞ。
コンドラキ博士: [憮然とした態度で] 俺が屁をこいたってか?
ブライト博士: 実際にこいたじゃないか。
コンドラキ博士: お前ら……喧嘩売ってるのか?お前らごときが俺に勝てるとでも?
クレフ博士: まぁまぁ、そう熱くなるな。屁くらい別に大した事じゃ……
コンドラキ博士: ふざけるな!寄ってたかって俺を屁こき虫に仕立て上げようってわけか!上等だ、かかってこい!
[コンドラキ博士がテーブルに置いてあったペンを手に取り構える。ペンは一瞬にしてフェンシング用サーベルに変化。恐らくSCP-408で偽装していたと考えられる]
ブライト博士: うわっと!
クレフ博士: おいコン、落ち着け!
コンドラキ博士: 黙れ!揃いも揃ってクソみたいな根性しやがって!ブライト、お前がクソお偉方の一員になったのは俺に屁の濡れ衣を着せるためか?お前もだクレフ!身も心もクソ野郎、まるで一本糞のマギーだ!
クレフ博士: なっ……お前は一体何様のつもりだ!
コンドラキ博士: 俺は、空飛ぶセイウチだ!!!
[次の瞬間コンドラキ博士が二人に襲い掛かり、その後数時間に及ぶ激闘を繰り広げる]
付記: この争いによりサイト-17の大部分が損壊し複数のSCPの収容違反が発生したため被害が拡大、ブライト博士は新たなボディに乗り移る必要が生じた。被害総額は██████ドルに及び、報告書を読んだO5-█が泡を噴きながら卒倒し治療を受ける事態となった。同時刻カフェテリアで食事をしていたライツ博士は事情聴取に対し肩をすくめながら「男の子はいくつになってもああなんだから」と供述した。
SCP-1049-JP-Jによりサイト-17で発生した人的・物的被害を考慮し、Keterクラスへの再分類を要請する。 -ブライト博士
要請を却下。諸君らはもう少し紳士的に解決出来ないのかね? -O5-12
紳士……つまりフェンシングだろ? -コンドラキ博士
違う。 -O5-12
補遺3: O5定例会合の録画記録より抜粋
O5-12: 以前から議題に上っているSCP-2000設備について、不足した資材の調達費及び研究費を試算した結果、来年度の財団施設予算の内約25パーセントを……
[突如としてSCP-1049-JP-Jが発生]
[数秒間沈黙]
O5-1: 続けたまえ。
O5-12: えー……25パーセントを割り当て、早期の修復を求めるものとする。現在特に損傷が激しいブライト/ザーションヒト科複製機の修復を最優先とし設計者の一人であるザーション医学博士が解析を行っているが依然として……
[立て続けにSCP-1049-JP-Jが発生]
O5-8: 臭うな。
O5-1: 静粛に。我々は重要な議論しているのだ。用のある者は一度退室してから行うように。続けたまえ。
O5-12: は、はい。依然として故障原因が掴めず、異常な実体が生産……
[けたたましい音量のSCP-1049-JP-Jが発生]
O5-4: まぁ。
O5-11: こいつは酷い。
O5-9: 何て臭いだ。
O5-1: 静粛に!先程からこのふざけた振る舞いをしている者は誰だ!これは議会に対する冒涜行為だ!
O5-13: あの、お言葉ですが……
O5-1: 何だ?
O5-13: 私はあなたがその……ガスをお漏らしになられたとばかり……
O5-2: O5-13に同意します。O5-1、この不快な音はあなたが着席している方から響きましたよ。
O5-1: 私なら退室してから行う!そのような言いがかりは私個人への人格攻撃と看做し……
[これまで記録された中で最長のSCP-1049-JP-Jが発生]
O5-1: いい加減にしたまえ!!!
[O5-1が立ち上がりO5-13へ襲い掛かる。その後他のO5も交えた乱闘へと発展した]
付記: この乱闘は現場に駆けつけた機動部隊により鎮圧されるまで約5分間続いた。事態の収拾に当たった機動部隊隊長ジャック・オーファン中尉は事情聴取に対し「タコ殴りにされるO5-1なんて滅多に見れるもんじゃない」と供述した。
ブライト博士の要請を承認する。 -O5-1
謎が解けた。折り畳みの末尾の構文が抜けてたからだ。
SORTS RECURRING MATHEMATICAL PRINCIPLE THOUGHT ALGORITHM:ACTIVATEDSCREANING NOW |
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは日本国東京都千代田区霞が関地下███mに構築された厳重管理区画い-02に収容されます。い-02に関するあらゆる情報はセキュリティクリアランスLevel4以下の職員には隠匿され、い-02の維持管理及びSCP-XXX-JPの収容に従事する職員もこれに準じます。O5司令部の指示により財団サーバ上のすべてのSCP-XXX-JP関連情報にはソーツ-08回帰的数理思考アルゴリズムの設置が許可されており、これにより情報の拡散及び漏洩を防ぎます。
SCP-XXX-JPはその性質上、収容に適した領域を有する地域が日本、オーストラリア、レバノン、フィジー、パプアニューギニアの5ヵ国及び南極に限られています。このうち日本が財団による政治的・経済的介入が容易な事から長期に亘る収容計画への適合性が高く、また収容維持に関わる費用を考慮した場合に最も合理的であり、かつ収容違反時に発生する周辺諸国への被害が軽微であると看做されています。これらの観点から19██年に財団81管区司令部にSCP-XXX-JPの収容が委任され、現在に至ります。日本国での収容の維持が困難であるまたはその他の緊急を要する事態が発生した場合、SCP-XXX-JPはオーストラリアへと輸送され、収容は継続されます。
機動部隊アルファ-81(ストローズの目)は未収容のSCP-XXX-JPの捜索を行います。アルファ-81には財団所有の監視衛星『トルケマダ』へのアクセス権限が付託され、SCP-XXX-JP収容のための諜報活動を継続的に実行します。新たに発見されたSCP-XXX-JP実例は直ちに回収され、財団所属の量子力学者による鑑定の後に無力化措置が施されます。
説明:
補遺-1: SCP-XXX-JPの歴史
SCP-XXX-JPはかつてマンハッタン計画をはじめとする、アメリカ合衆国における核兵器開発研究に携わった物理学者、ロバート・オッペンハイマー氏により1957年頃開発されたと見られます。オッペンハイマー氏は1945年、自身が開発研究に携わり、当時アメリカ合衆国に対し敵対していた日本への投下された原子爆弾についての監督職に就いていました。しかしながら原子爆弾の投下による日本での惨状を目の当たりにして、罪の意識による精神的な重圧及びそれを起因とする心身症を発症しました。以降オッペンハイマー氏47
- 核兵器をどうにかして無力化するオブジェクト、核分裂を強制的に停止させて質量を元の値に戻すとか?
- オッペンハイマーが日本への核攻撃にショックを受け、その後の隠遁生活の中で作り上げた
- マナ財団の関与が疑われる、同性質のオブジェクトが核を保有しない発展途上国等で見つかる
- 完成までのオッペンハイマーの手記なんかを入れるのはどうだろう?
- オブジェクトがketerな理由
- 核抑止の維持のため。核が無くなると大国は新たな兵器開発を試みる
- そうなるとマンハッタン計画やGRUP部局の様な超心理戦略・兵器開発機関が再燃し、世界はアノマリーだらけになってしまう
- あえて核という分かりやすい大量破壊/虐殺兵器を大国に与えつつ超心理について眉唾であると思わせておく事でアノマリーの運用を阻止し、更なるオブジェクトが生まれないようにする
- 要するに財団は核よりひどい超心理兵器の存在を知っているし保有もしてる
以下psulの著者ページ翻訳
私の著者ページへようこそ。ここには財団世界に関するドキュメントはありません、何故なら私は恐れているからです - 私は自分がテーマに沿った魅力的なバリエーションを作成するだけのインスピレーションを持っているかどうかが分かりません。そしてこのページは自己挿入のためのキャラクターを作り上げるまでもなく十分にわがままだと思います。
しかしまぁ、アレですね、また後で戻って来てみてください。 - 私は追加すべきナルシスティックなものを見つけ出して、アップデートするでしょう!
ここに私のサンドボックスを掲載しておくので、あなたは次に何が投稿されるのかを見る事ができます: [psul's sandbox]
基本的な考え
- 私は非常に定式的な方法論で作成する傾向があります。私のアイデアは、すでにサイト上にあるものの派生物であることが多く、Wikiに表示されるものについての世界観の説明についても考えています。
- その結果私のサイトへの投稿は、しばしばメタ、フォーマットスクリュー、またはその両方になります。良い記事は、始まりとは異なる方向に発展している傾向があります。
- そうでなければ、私は2つのアイデアをこすり合わせそれらが火花を放つかどうかを調べることによって最もうまくいくようにする傾向があります。
- 私は他のwebサイトのコメント欄で『吊られた王の悲劇(SCP-701)』への言及を見た事がきっかけでこのサイトに訪れました。このサイトで最初に読むのに適した記事なのでお勧めします。
作品
それで、私はこれまでにサイトで行った事の一覧はこちらです:48
[[ SCP-2136]] - 完全に乗っ取られた科学者
[[ SCP-2161]] - 空白
[[ SCP-2138]] - Secrets, secrets are no fun…
[[ SCP-2366]] - みんなのアンサンブル
[[ SCP-2519]] - Cry me a river
[[ SCP-2365]] - 世界がお前に大嫌いだと囁いている
[[ SCP-005-J-EX]] - 「いや、なぜなら彼女が考えるに、彼が話している話題は…」
[[ SCP-2130-J]] - "But seriously, folks…"
[[ SCP-2162]] - … as normal as blueberry pie
[[ SCP-2130]] - Office Furniture
[[ SCP-2368]] - Across the Water
[[ SCP-2139]] - The White Elephant
Exit Interview
An Impenitent Thief
A Convincing Lyre
The Musical Suspects
Boxes
Figure and Ground
Letters from Benares
The Little Buck-Toothed Boy: A Fairy Tale
After that / Until then
Our Mutual Guide
Pattern Breaker
Counterpoint
GRANT REQUEST FOR THE MANUFACTURE OF DEVICES TO REGULATE THE HUME COEFFICIENT OF LOCALISED REALITY
私は[[ SCP-2673]]のコラボレーションログにいくつかの詩(2015年9月9日と2015年24/12)を寄稿しました。
74/5000
そして、私はゴルゴタの丘ハブのテキストの一部を書きました - チェックしてみてください!
投稿の時系列順:
[[ SCP-2130]] | ~Office Furniture | 私がサイトに参加した後の2番目のアイデアであり、読者の評価を二分させたものでもあります。 |
- アップデート - Drewbearはクリスマスのギフト交換でこのスキップの最後のメモを作ってくれました。 ありがとう、Drewbear!
- ネタバレ - これは単に『たのしいざいだん』の財団世界観での正当性を提供する目的でのみ書かれたものです。 目標はジョークっぽい雰囲気から深刻な流れに至る過程を記すことでした。信じられないほど効果的な方法で何者かが財団を妨害します - そして、不穏な結末に至りました。多くの読者にとってはつまらないものであったようです。
- 最も批判を浴びたのはkappa放射線でした - "phlebotinum"を使用した説明は財団がどのようにして異常のメカニズムを知ることができたのかを明らかにします(そして、それを実験することができます)、しかし背景設定レベルのものでしかないK線を示したことによってテストを難しくしました(すなわちスキップにはいくつかの脅威があります)。私は読者がなぜ異議を唱えたのか理解しています - 私はおそらく、ここで世界規模の財団施設を作ろうとしていたかもしれません、そしてそれはスクラントン現実錨を連想させるようなものです - しかしそれを取り除くのが解決策となりうるかどうか、あるいはそれがとにかくdownvoteする人々のための避雷針であるのかどうかはわかりません。私はある段階でそのコンセプトを取り除くために書き直してみるかもしれません。
- それ以外に読者が反対したのはO5が現状について妥協しているというアイデアでした。もう一度言います、あなた達の批評はとても正しいです、しかし私はこのスキップは十分な皮肉を含んでいないと考えています。少なくとも、私は元々の結末(それはSCP-2130によって危うくされる状態からほど遠く、O5議会が例外の研究を推進する方法としてそれを財団サイトに故意に導入したことを示す更なる付録でした)を、財団における執筆家生命を犠牲にしても、掲載しようと思いません。それは今後のいかなる書き換えにおいても戻ってこないでしょう。