アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP群のデータを含む情報機器は、インターネットへの接続環境がない部屋に保管する必要があります。
追加情報: この収容方法はオブジェクトの外部への封じ込めには無意味であることが確認されましたが、外部からの不測なオブジェクトへのアクセスに備えるため、当該環境は継続されます。
SCP-XXX-JP群の確認を行う場合、セキュリティクリアランスレベル3以上を有する職員の許可が必要です。また、常に空き記憶容量を確保した外部記憶装置を前述の機器に接続し、12時間に1回、その容量を検分します。記憶容量の不足を起こした機器に関しては、改造による記憶容量の増強を行ってください。
現在、財団管轄外に存在するSCP-XXX-JP群に関しては、異常特性による封じ込め手段への抵抗性から、収容が困難であると結論づけられています。所在が判明しているSCP-XXX-JP群を常時監視するとともに、それらの情報が拡散した場合の措置として、話題を収束させるための情報操作が必要です。ただし、その方法として、情報自体の削除や情報源へのアクセス遮断、情報受容者への記憶処理を行うことは禁止されています。この規則は、SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bに対しても同様に適用されます。そのため、SCP-XXX-JPに関する情報の保持には極めて慎重な取り扱いが求められます。報告書内の情報についても当然影響が及ぶため、その内容は日本支部理事会の承認を受けたものでなくてはなりません。また、報告書の改訂は、記述の削除による体裁の乱れを防止するため、必ず情報を追加する形で行ってください。SCP-XXX-JP-Aの死亡による収容違反を可能な限り防ぐため、財団が管理できる範囲のSCP-XXX-JP-Aの生存を保証しなくてはいけません。
説明: SCP-XXX-JPは、mp4形式で保存された3分12秒の動画ファイルです。ファイルのタイトルは、「████████████████████.mp4」「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」 「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」 「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」 「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」 「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」 「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」 「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」 「検閲・隠蔽・削除への抵抗_消すと増えます.mp4」となっています。動画内容は、2人のアジア人男性によるいくつかの悪戯行為と、ブリッジとして時折挿入される「消すと増えます」と印字された紙片を写した映像から構成されます。動画に収められている一連の行為には、現実から逸脱した特徴は認められていません。
SCP-XXX-JPの異常性は、オブジェクトの記憶媒体からの消去や、アップロード先の動画サイトでの管理者による削除、強制的な非公開設定などによるアクセスの遮断が行われた時に発現します。前述の行為の実行後、即座にこれらのデータのコピーが2~5個作成され、元々のオブジェクトが存在していた通りの形態をとります。すなわち、記憶媒体上であればこれらのコピーがそこに保存され、動画サイト上であればコピーが再アップロードされるということです。これらのコピーは、オリジナルのデータと同様の異常性を保持し、元よりも目立つ形で当該の場所に配置されます。また、記憶媒体の物理的な破壊やアクセスの遮断を行った場合、別の記憶媒体に無差別にSCP-XXX-JPがコピーされます。この効果はインターネットに接続している情報機器ならば空間的な距離に左右されず発揮されます。
追加情報: 現在この効果は機器のインターネットへの接続の有無に依拠しないことが確認されました。更に、SCP-XXX-JPのデータは情報機器内でキャッシュ削除機能を利用した自己増殖が可能です。この場合、動画のコピーが機器の記憶容量上限を超えるまで作られ続けます。メモリオーバーによって記憶領域が破壊され、SCP-XXX-JPの動画データが破損した場合にも、外部機器への無差別なコピーが発生します。
SCP-XXX-JPを少しでも視聴した人物は、この動画に関するエピソードに対して強力な記憶処理抵抗性を有するようになります。この人物はSCP-XXX-JP-Aと指定されます。確認された限りでは、クラスA・B記憶処理はSCP-XXX-JP-Aに対し効力を発揮しません。クラスC・D記憶処理はSCP-XXX-JP-Aに永久的な記憶障害を引き起こしますが、効力を発揮します。しかし、その場合、SCP-XXX-JP-A以外の人間に無差別にSCP-XXX-JPの動画内容に関する記憶が伝播し、新たなSCP-XXX-JP-Aが生み出されます。この効果はSCP-XXX-JP-AのSCP-XXX-JPに対する記銘の強さに関連した範囲で発生すると推測されますが、最長で約████km 約6000kmの距離を隔てて記憶の伝播が発生したことがあり、不規則な収容違反が発生する可能性が非常に高いため、効果の確証実験は無期限に延期されています。また、SCP-XXX-JP-Aが死亡した場合にも、この無差別的な記憶伝播が発生します。
SCP-XXX-JP-Aは実際にSCP-XXX-JPを視聴した経験があるかによって2グループに分類されます。以下では、視聴経験のあるものをSCP-XXX-JP-A-1、ないものをSCP-XXX-JP-A-2と呼称します。SCP-XXX-JP-A-2は自身の記憶に存在するSCP-XXX-JPの情報について、強い興味を持つようになります。アクセス手段を求め、SCP-XXX-JP-A-2は広範囲でSCP-XXX-JPの情報を探索するようになります。その過程において、掲示板・SNSへのポストなどを介してSCP-XXX-JPの情報が拡散され、しばしば大規模な収容違反が発生します。SCP-XXX-JP-A-2がSCP-XXX-JPの視聴ができない状態が3-5日程度続いた場合、代替行動として、何らかの形で自身の悪戯行為を収めた動画を作成し、外部に公開するという手段を取ります。このとき、SCP-XXX-JP-A-2の状況判断能力に若干の低下が見られ、通常の倫理観から逸脱した内容を撮影する傾向があります。動画を作成し、何らかの手段で外部への公開を行ったのちSCP-XXX-JP-A-2はSCP-XXX-JP-A-1と再分類され、SCP-XXX-JPに対する興味を失います。
追加情報: このようにして作成された動画は、SCP-XXX-JPと同様の異常性を持ち、これらはSCP-XXX-JP-nと指定されます。SCP-XXX-JP-nの総数は莫大なものとなっており、管理番号の付与は別文書で行われます。また、今後SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-nの全体はSCP-XXX-JP群と呼称してください。
SCP-XXX-JPは20██/██/██2008/04/23に動画サイト███████youtube youtubeyoutubeyoutube←(他にも色んなところにあります!)上での炎上事案により発見されました。このサイトに投稿されたSCP-XXX-JPは他ユーザからその反倫理的内容についての批判を受け、管理者がSCP-XXX-JPの削除を行ったところ、すぐさまSCP-XXX-JPの再アップロードがなされました。SCP-XXX-JPの数の増加と、「全く動画のことを知らないのに、頭の中に急に動画のことが浮かんできた」というコメントが多数寄せられたことが、財団の注意を引きました。初期収容段階において、財団はオブジェクトの特性を広範囲の人間に対し偽の記憶を植え付け、視聴を強制する異常物であり、再アップロードはデータ保有者が繰り返しているものだと判断しており、投稿者の確保と、視聴者に対する記憶処理が行われましたが、結果として情報が更に拡散され、最終的に当該炎上事案は世界的な流行となりました。財団職員による適切な情報操作が行われるまでのおよそ11時間で、動画の再アップロードと管理者による削除が繰り返された結果、SCP-XXX-JPの総数は██████個36754個に増加しました。情報操作により、ネットコミュニティ上のユーザの興味が薄れたことで事態は収束しましたが、財団はその対応の困難さからSCP-XXX-JPのオブジェクトクラスをKeterと認定しました。
補遺1: オブジェクトの特性により、SCP-XXX-JP-A-2指定を受けた職員が、SCP-XXX-JP-nを作成する事態が発生しました。当該職員は実験に偽装した申請により複数のSCiPに関与する権限を得ており、作成されたSCP-XXX-JP-nにはこれらのSCiPを用いた悪戯行為が収録されていました。この事案を受け、財団のサイトからのネットワーク上へのアクセス監視がより徹底されることになりました。また、関連した討議の結論として、財団外部に存在するSCP-XXX-JP-A-2がSCiPを含む映像を投稿した場合、その情報を隠蔽することが極めて困難になるという予想が提出されました。これは、未収容のSCiP全てに潜在的な収容困難性が発生する可能性があることを意味する、強く憂慮すべき懸念事項です。
補遺2: SCP-XXX-JP群の自己増殖性、及び本報告書内でのSCP-XXX-JPの特性の発現により、オブジェクトに知性が存在する可能性が提起されました。現在のところ、オブジェクトによる明確な攻撃性は確認されていませんが、注視が必要であると考えられます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter Neutralized(推定)
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその性質上、出現位置の事前予測が困難であるため、日本全国の主要な河川を継続して監視し続ける必要があります。オブジェクトの出現イベントが報告された場合、対視覚認識災害防護装置を装備した機動部隊お-12("怒れる男")によって、直ちに河川流域の封鎖が行われます。機動部隊員は絶えず生体活動計測機によってモニタリングされ、認識災害の兆候が現れた者にはクラスB記憶処理が適用されます。また、SCP-XXX-JPを視認した可能性がある民間人には、クラスB記憶処理を施した上で解放し、72時間の監視を行ってください。
上記プロトコルはオブジェクトが活性化状態だったときのものです。現在SCP-XXX-JPの発生は█年にわたって観測されておらず、また後述の出現イベント-173で回収された資料により、オブジェクトは無力化された可能性が高いと判断されています。そのため、河川の監視は出現頻度の高かったものに限定して継続され、機動部隊お-12("怒れる男")は無期限の準非常事待機状態となります。
説明: SCP-XXX-JPは認識災害を伴う異常性質を持った多量の液体(以下SCP-XXX-JP-1と呼称)が、日本国全域のいずれかの河川を流れ下る現象です。これまでのところ、SCP-XXX-JPは河川の源流付近に突然発生し、流域を10〜███km進行した地点で消失することが確認されています。このとき、後述する生体の一部を含む、SCP-XXX-JPに巻き込まれたすべての物体も同様に消失します。
SCP-XXX-JP-1に生物が接触した場合、生体組織の崩壊現象が発生します。典型的なプロセスでは、身体各部の脂肪・筋組織及び骨格の溶解により、曝露した動物は四肢、頭蓋、眼球、大脳、臓器、生殖器などの部位を残し分解されます。完全な分解にかかる時間は生物の体積によらず、常に20〜30分程度であり、またこの現象はSCP-XXX-JP-1を除去した場合も継続し、最終的に生体組織は脂肪分とタンパク質からなる液状物質中に、前述の身体部位が混在する状態となります。SCP-XXX-JP-1中に存在する分解後の物体は生理的活性を示し生存時とほぼ同等の状態であることが確認されています。
SCP-XXX-JP-1を視認した場合、脳下垂体のドパミン放出が促進され、生体は極度の興奮状態に陥ります。その後、SCP-XXX-JPの奔流に身を沈めることを企図した行動を始めます。一般的な動物の場合、外部への攻撃反応を示したのち、オブジェクトの流れを自身の敵対者に見立てた仕草をとり、SCP-XXX-JPへ向かいます。人間の場合、攻撃的な発言、周囲の制止に対する暴力を伴う強力な抵抗を行い、SCP-XXX-JPに飛び込もうとします。これらの行動を阻止した場合、興奮状態は維持され続け、およそ█時間でドパミン過剰放出による脳組織の深刻なダメージにより曝露者は死亡します。ただし、この認識災害はBクラス記憶処理によって取り除くことができるという知見が実験により示されています。
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8105の大容積収容室に保管されます。オブジェクトへの接触による認識災害を防ぐため、研究用途での取り扱いはセキュリティクリアランスレベル3以上の職員に許可を取った上で、室内に据え付けられたロボットアームの操作により行ってください。また、屋外における全ての実験は無期限に禁じられています。オブジェクトの影響による異常行動が認められる職員に対しては、Bクラス記憶処理及び他オブジェクトへの担当異動が申し渡されます。
説明: SCP-XXX-JPは異常性質を有する石質のブロックです。外見上は一般的に市販されている無地の園芸用ブロックと酷似しており、表面材質、耐久性に特段の異常性は認められません。X線回折による構造解析の結果、オブジェクトは隕石由来と推定される結晶構造を有し、またその一部は既知の鉱物である[データ削除済み]の組成と同一であることが判明しています。オブジェクトの色・大きさは不均一ですが、概ね直方体の形をとります。
SCP-XXX-JP表面に接触した人物(以下、接触者と呼称)は、何の物体にも占有されていない空間に対する病的な恐怖症状を示すようになります。周囲の状況が精神に与える影響を緩和させるため、接触者は屋外のような開放された空間から建物内へと退避し、その場所においてオブジェクトを配置することにより、周辺空間を埋める試みを直ちに開始します。この行為を阻害する外部からの干渉に対して、接触者は過度の暴力を伴う抵抗性を示します。また、接触者は飢餓や睡眠の不足等による生理的限界の影響を受けず、強制的な人身保護による中止以外では半永久的にこの行為を継続すると考えられています。接触者が作業を続けている間、オブジェクトは一定時間ごとに自己増殖し、総数を増加させていきます。その結果、接触者には絶えずSCP-XXX-JPが供給されるため、必要なオブジェクト実体が不足することにより空間充填の試みが中止されることはありません。また、増殖のみで空間が完全に満たされることもなく、あくまで接触者自身が行動可能な量だけ新たなオブジェクトが生成されます。
SCP-XXX-JPに暴露し屋内に移動した接触者は、その建物のあらゆる空間をオブジェクトによって埋め続け、最終的にオブジェクトに取り囲まれることによって脱出不可能な状態になります。この状態に至った接触者は、僅かに動作可能な空間を利用して増殖するオブジェクトを自飲し、窒息により死亡しますが、その目的は可能な限り自身の体腔の空間を埋めるためのものであると判明しています。接触者に恐怖症状が現れてから死亡に至るまでの時間は建築物の内容積によらずほぼ一定であり、平均して██時間であることが確認されています。観測の結果から、建築物容積に比例した作業速度を達成できる接触者の身体能力の向上が証明されています。
SCP-XXX-JPの存在は、日本国██県██町の小集落である██地区に居住する財団エージェントから、認識災害に巻き込まれた可能性がある旨の緊急通報を受けたことにより発覚しました。現場へは認識災害の対抗手段を有する機動部隊む-6("やまなし")が出動し、そこで地区内の全軒に当たる██軒のSCP-XXX-JPにより侵入不能となった家屋、及び自傷行為により両腕骨折の重症を負い、心神耗弱状態の通報者を発見しました。家屋内からは窒息死した状態の██名の遺体が確認され、大規模な情報隠蔽が必要になったことから、犠牲者の遺体及び通報者からの指摘があったオブジェクトの全数を回収したのち、カバーストーリー"カルト団体による住人の集団失踪"が適用されました。
補遺1: インシデント記録
SCP-XXX-JPは実験中の重大なインシデント記録が1件報告されています。
インシデント-実験記録12 - 日付199█/██/██
実施方法: 接触者が死亡しない場合のオブジェクトの挙動について観察するため、生命維持装置を装着した被験者に、225$m^3$の建築物内でオブジェクトへ接触させる。
被験者: D-XXX-JP-12
推移: 被験者は直ちに恐慌状態によりオブジェクトを積み上げる行為を開始し、15時間後には建築物内の全空間がオブジェクトで埋め尽くされるに至った。経過実測のために観察を続けたところ、█時間後に建築物全体の地面への異常な沈下が発生。同時にオブジェクトから高エネルギー放射線の放出を確認したため、実験はすぐさま中断され、オブジェクトの破壊処理が決定された。実験内で有効性が証明されていた高圧水の放射、[データ削除済み]による爆破処理が行われたが、両手段での破壊が不可能であることが判明した。そのため、緊急措置として[データ削除済み]の使用が実行されたものの、オブジェクトの破壊には至らず、█時間後に核融合反応と見られる爆発現象により、サイト-8105実験棟-3の大部分が破壊され、財団職員███名が死傷した。
このとき、実験棟-3の崩壊により、当時別のSCiPに対する実験中だった██名のDクラス職員が脱走し、その中の█名がオブジェクトに想定外の接触を行った。屋内への退避行動が、施設の収容違反自動防止システムに阻まれたため、認識災害の影響を受けたDクラス職員はその場においてオブジェクトを積み上げ始め、[データ削除済み]
一連のインシデント後に回収されたSCP-XXXX-JPの一部からは、異常な原子の充填構造が検出されています。このことから、オブジェクトの影響を受けた人物とオブジェクトを放置し続けた場合、"何もない空間を埋め尽くす性質"がミクロスケールまで適用され、原子構造レベルでのオブジェクトの増殖が発生するものと推定されました。また、屋外においてオブジェクトを積み上げる事態の危険性・収束困難性から、屋外での一切の実験が禁じられ、厳密な保管を堅持する必要性が確認されました。
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの実験用株はバイオセーフティレベル4に設定された標準生物収容房にて保管されます。保管所へ入退室する際は、BSL4-プロトコルに則った防護服の着用、真空・紫外線装置を完備した殺菌室の通過、シャワー室を利用しての全身洗浄が必要です。SCP-XXX-JPの予期せぬ漏出に備え、収容ユニット内区画には緊急滅菌用の高火力バーナと50kGy放射線照射装置が設置されます。また、収容サイトに勤務する職員には血中酸素濃度監視センサの装着が義務付けられ、モニタリング数値に異常変動が見られた人物は、Bクラス記憶処理の後に他のサイトへの異動となります。
現在、ワクチン開発計画の頓挫と、莫大な数の感染者の物理的封じ込めが困難であることにより、世界的に蔓延するSCP-XXX-JPを封止する試みは取られていません。財団職員のうち、感染症の研究を行う人的資源については流行地域への渡航制限措置がとられ、感染の疑いのある人物への直接接触は無期限の禁止となります。当該オブジェクトによる疾病の民間人犠牲者は、カバーストーリー「重篤な劇症型溶血性レンサ球菌感染症による死亡」によってその死因が偽装されます。
説明: SCP-XXX-JPはヒト種の脳幹部を病巣とする、人類にとって未知のDNAウイルス種です。得られるゲノム情報は、既存のどの系統のウイルスからもかけ離れた性質を有しています。また、カプシッドは化学的分析の結果、生物の細胞で代謝される可能性のある有機化合物に該当しない、特殊なアミノ酸の配列からなるタンパク質によって構成されていることが判明しています。生体内での直接観察では、ウイルスDNAの注入で開始されるこのタンパク質を合成するプロセスが、細胞内の広汎な変異をもたらすことにより達成されていることが確認されています。
SCP-XXX-JPに感染した場合、患者の自律的呼吸の回数が緩やかに減少していき、同時に血中酸素濃度と自発的呼吸での呼気・吸気量が低下していくという症状が現れます。ただし、酸素欠乏により通常発生する症状は認められず、外部からの指摘がなければ患者はこれらの異状兆候に対して自覚することはありません。感染から平均して48時間後、患者の自律呼吸は完全に停止し、また自発的呼吸による呼気・吸気量もゼロの状態になります。しかしながら、その結果最終的に血中酸素濃度が生命活動の維持に必要な数値を下回ってもなお、患者は意識を明白に保ち、自覚症状を全く示さない状態となります。この状態の患者の細胞を観察して得られた知見では、前述の変異した細胞内構造により、ミトコンドリアでのATP消費によるエネルギー産出によらない方法で生命活動が維持されているとの一時的結論が下されています。
患者がSCP-XXX-JP感染症による呼吸活動の停止を認知した場合、全身の細胞に伝播性の細胞壊死が発生します。この症状は急速に進行し、壊死が顕性となってから5~10分後には、脳組織の崩壊と多臓器不全により患者は死に至ります。症状が劇的であり、かつ
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