この報告書は、SCP-XXX-JPに管理されています
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Aは監視カメラ付きの収容室に収容して下さい。SCP-XXX-JP-Aは二重構造の防音部屋に収容します。また認識災害等を極力防ぐために、監視カメラやマイク等を設置しないようにして下さい。SCP-XXX-JP-Aからの要求があった場合、重装備の監視を付けた上でエリア内を自由に行動させて下さい。食事は必要としませんが、食品自体が情報源になります。他にもSCP-XXX-JP-Aが要望した物を、情報として提供し続けて下さい。また、定期的にDクラス職員と会話をさせます。会話はSCP-XXX-JP-Aが満足するまで続けさせて下さい。なお、この会話の様子を確認する必要はありません。会話後のDクラス職員に異常が確認され、記憶処理も効かず、隔離後症状が急激に悪化した場合は、速やかに終了してください。また、異常を確認した職員も記憶処理を受けて下さい。
説明: SCP-XXX-JP-Aは黒いスーツを着て鞄を所持しており、これらは体の一部である事が確認されました。外見は10代前半の少女です。このような姿なのは、親を質問攻めする子どもを模倣したからであると主張しています。外部は人間と同じですが、内部構造は不明です。五感があり、これで後述のSCP-XXX-JP-Bから受け取ったデータ以外にも、自身の五感で得たものも記憶します。写真や映像、鏡等で自身の姿を確認できない事にストレスを感じているため、SCP-XXX-JP-Aの姿を描いた絵を提供すると喜び、SCP-XXX-JP-Bに関する事以外は、必ず質問に答えます。但しこれは、重要な情報を聞き出したい場合の手段です。SCP-XXX-JP-Aは人類に対し友好的である他、情報を得る度に、強い幸福感を得ます。また記憶処理が効かず、探知も出来ません。一部の情報は鞄の中身である書類に記録されますが、これに目を通すと3分後に死亡します。調査の結果、書類もSCP-XXX-JP-Aと同じ特性を持っているためカメラ等に写りませんが、書き写したものなら内容を読んでも死亡しないと判明しました。
SCP-XXX-JP-Aは、SCP-XXX-JP-Bはクラゲの様な形状をしていると主張しています。特性としてあらゆる物理的、電子的セキュリティーを無力化し、データを収集します。データの収集や共有は、有線で行われます。これらの情報はSCP-XXX-JP-Bの姉である、SCP-XXX-JP-Aよりもたらされました。しかし一度も姿を確認出来ていないため、存在が疑問視されましたが、SCP-XXX-JP-Bがデータ収集を始めた時期と、財団のデータに不正アクセスが頻発した時期が一致したため、存在が確認されました。また、データの共有が有線でなければならないにも関わらず、2体が接触した様子を捉えられない事から、SCP-XXX-JP-Bは高度なステルス性を有していると考えられます。
SCP-XXX-JP-Aは上記の特性上、カメラ等では探知出来ず、そのため山間部の地下深くに建設された、エリア81B9の警備員に見つかるまで察知されませんでした。その後記憶処理のために連行した際、上記の特性が確認されSCP-XXX-JPに認定されました。収容後、鞄の中身を見せるように指示、中身の書類が財団にとって有益なものであったため、その場にいた5名が確認しましたが、上記の特性で全員が死亡しました。当初はDクラス職員に書き写させていましたが、犠牲が大きく情報がランダムで効率が悪いと判断されました。そこでSCP-XXX-JP-Aに直接聞きましたが、逆に情報を要求されました。その後、SCP-XXX-JP-Aに対する尋問を実施しました。以下はそのインタビュー記録です。
対象: SCP-XXX-JP-A
インタビュアー: 尋問官
<録音開始>
尋問官: ではこれより尋問を開始する…。
SCP-XXX-JP-A: あの、本当に[編集済]するんですね…痛いのは気になるけど嫌だなぁ。
尋問官: (「編集済み」の準備中)知っているのか?なら話が早い、こちらの質問に答えてくれればこんな事はせずに済むぞ。
SCP-XXX-JP-A: 情報はあなたの個人的な話でもいいの、ダメかしら?
尋問官: (「編集済み」開始直前)残念だが、そちらの要望には応えられない。
SCP-XXX-JP-A: ま、まって!私は日本支部のセキュリティクリアランスレベル4の情報まで知っているわ!話をしてくれたら、私からも有益な情報を教えてあげる!
尋問官: お前…今なんと言った…尋問中止!念のため記憶処理の用意をしてくれ。
[尋問を一時中断]
尋問官: はぁ…では仕切り直しだ、何を話せばいい?
[SCP-XXX-JP-Aからの質問]
尋問官: なら、私の実家で飼っているペットの話しはどうだ?
[尋問官の回答]
SCP-XXX-JP-A: 実は私も、記録の中で鳥やねこを飼っているの!
尋問官: 記録の中?…まぁいい、こちらもレベル4のクリアランスに関する情報を、本当に知っているのか確認させてもらう。
[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]
<録音終了>
終了報告書: レベル4の情報について確認したところ、SCP-XXX-JP-Aの証言は事実と判明しました。
SCP-XXX-JPが財団を選んだ理由としては、世界中の情報が集まり、此処にしかない情報があるためだと推測され、既に財団日本支部の情報の内、80%が吸収されています。SCP-XXX-JP-Bを収容し、可能であれば2体の持つ財団の記録を抹消する事が望ましいですが、現在収容の目途は立っていません。SCP-XXX-JP-Bを収容しない状態でSCP-XXX-JP-Aに危害を加えた場合、認識災害やミーム汚染等による大規模な収容違反も懸念されます。また、SCP-XXX-JP-Bの特性上、核攻撃も容易に行えるため、それを原因としたXK-クラスシナリオも想定されます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは広範囲が影響下にあるため、警備員に扮した財団職員が監視チームを5つ編制し、監視と巡回を行います。なお担当職員は、掃討作戦以外での武器の携行は認められていません。SCP-XXX-JP-2の数を減らすため、定期的に掃討作戦を行います。またSCP-XXX-JP-2の掃討作戦中に、白骨化した個体と遭遇した場合は、速やかに財団の戦闘ヘリ部隊に出動を要請して下さい。また、SCP-XXX-JP-3とSCP-XXX-JP-4については財団の監視下にあります。
説明: SCP-XXX-JPの発生場所は、日本の山梨県富士河口湖町の鳴沢村にまたがって広がる、俗に富士の樹海として知られる青木ヶ原全域です。この地域をSCP-XXX-JP-1と指定します。当初、陸上自衛隊の特殊部隊である、█████所属の自衛官2名が訓練中に遭難し、その捜索に当たっていた同部隊の隊員が、複数の青白い人型の物体(SCP-XXX-JP-2)の襲撃を受ける事件が発生。その報告を受けた同部隊の指揮官及び防衛省高官が、財団との協力関係にあった事から、財団に存在が知られました。
SCP-XXX-JP-1は通常の樹海に見えます。理論上、SCP-XXX-JP-1を物理的に消滅させれば、一連の異変は収まるとされていますが、財団の理念と使命に反する事や、その場合隠蔽が困難という理由で実行に移される事はありません。その代案として、自殺対策を強化しました。SCP-XXX-JP-1内で自殺させなければ、SCP-XXX-JP-2は発生しないためです。なお、異変が報告されたのはSCP-XXX-JP-2の襲撃事件からであり、それ以前も自衛隊が同地域(SCP-XXX-JP-1内)で訓練を行っていましたが、同様の異変は報告されていませんでした。
SCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-1内で発見され、全身が青白い事を除けば通常の人間に見えます、後述の経過年数によっては、白骨化した様な個体も確認されている。死後1週間以内とみられる、意思の疎通ができるSCP-XXX-JP-2もおり、その個体からの情報をまとめ、警視庁公安部特事課に調査を依頼した結果、意思疎通を行った個体を含むSCP-XXX-JP-2複数と、自殺者のデータが一致したため、自殺者が変異した姿である事が判明しました。自身を殺害させるため、武器を持った人間にのみに襲い掛かり、さらに対象の精神に干渉、好戦的にさせる事が判明。SCP-XXX-JP-1内で自殺した場合は完全に死に切る事が出来ず、そのまま彷徨っている内にSCP-XXX-JP-2化して行きます。不慮の事故や他殺の場合は、SCP-XXX-JP-2化しません。
SCP-XXX-JP-2の精神干渉を受け過ぎると、精神病を発症する可能性があります。戦闘力は自殺後、経過した年数が長ければ長いほど向上するため、注意が必要です。そのため50年以上が経過したと思われる、全身が腐敗した様に見える個体までは機動部隊で対処可能でしたが、100年以上が経過したと思われる、一部、または完全に白骨化した個体と遭遇した際は、歩兵用の携行火器では無力化出来ませんでした。もし再度遭遇した場合は、財団の戦闘ヘリ部隊に出動を要請する事が許可されています。
SCP-XXX-JP-1内での自殺者は年間100件とも言われており、これまでにSCP-XXX-JP-2化した者の推測値は膨大なものとなるため、財団と自衛隊は共同でSCP-XXX-JP-2の撃破を定期的に行う事で合意、さらに遺体捜索という名目で警察(特事課等)が参加する事も検討されている。予防策として、これ以上SCP-XXX-JP-2を増やさないために、監視チームが挙動不審な人物を発見した場合は、積極的に声を掛けて下さい。その人物が自殺志願者の可能性があるためです。
SCP-XXX-JP-3は救出された自衛官2名です。救出後、記憶処理の効果が無い、あらゆる能力の向上、突然の独り言などの異常が確認されたため、急遽隔離されSCP-XXX-JP-3とされました。後に書類上は自衛隊から財団へ出向という扱いで、財団職員となりました。そのため彼らは財団職員であると同時に自衛官でもあります。更にその後、実験に参加したDクラス職員もこれに分類されました。しかし、このDクラス職員は隔離期間中に冤罪の証拠と真犯人冤罪の証拠と真犯人を発見したのは、特事課との事ですが捕まったため、Dクラス職員からは外されました。その後、本人が財団職員になる事を希望したため、財団職員として再雇用されました。
補遺: その後3名は「機動部隊特-04("ファントム")」として編制された部隊に所属しています。現在の所SCP-XXX-JP-3化した3名に共通するのは、50年以上が経過したSCP-XXX-JP-2を複数撃破している事です。
SCP-XXX-JP-4は、ある限られた職員達から、SCP-XXX-JP-3認定を受けていた3名の背後に、足の無い幽霊の様な物が見えると相次いで報告があり、SCP-XXX-JP-4とされました。その後の調査で、その限られた職員の証言通り、3名の背後に反応を捉えました。なお、3名はSCP-XXX-JP-4の姿は確認できていませんが、時折声が聞こえるとの事です。一部職員の仮説では、外見が撃破されたSCP-XXX-JP-2の特徴と一致したことから、SCP-XXX-JP-2が変化した姿ではないかと言われています。
第1回掃討作戦: SCP-XXX-JPの確認から1週間後、財団日本支部が投入可能な機動部隊が不足していた事から、有害鳥獣駆除の名目で自衛隊も参加。猟師に偽装した財団の機動部隊20名、陸上自衛隊員40名、更に█████より10名の、計70名が派遣されました。財団と自衛隊の戦闘ヘリ部隊の投入も検討されましたが、こちらは保留となりました。
第1回掃討作戦記録
対象: SCP-XXX-JP-2
戦闘: 300体のSCP-XXX-JP-2と遭遇、これを全て撃破。戦闘中、意思疎通が可能なSCP-XXX-JP-2と遭遇。情報提供を受ける。
戦闘終了後: 遭難した自衛官の捜索を再開。約3時間後、2名は衰弱した状態で発見。当初2名は訓練中であったため、実弾を携行していませんでしたが、SCP-XXX-JP-2の襲撃を受け、銃剣を装備した小銃やナイフで応戦していた痕跡を確認。現場の状況と2名の証言から、この時交戦したSCP-XXX-JP-2は、50年以上が経過した個体複数と推測。
損害: 機動部隊員5名、自衛官15名が軽傷。機動部隊員1名、救助された2名を含む自衛官8名が重傷。
補遺: 作戦に関わった自衛隊関係者(█████の隊員を除く)には記憶処理が施されました。
実験記録XXX - 日付██/██
対象: SCP-XXX-JP-2
実施方法: モデルガン(拳銃型)を持たせたDクラス職員、一般人に偽装した職員、その護衛である職員の計3名で構成されたチームを派遣。
結果: 一般人姿の職員とDクラス職員のみ襲われず、意思の疎通を行ったSCP-XXX-JP-2の証言が正しい事を確認。 なおこの実験の影響で、SCP-XXX-JP-2はモデルガン等も武器として認識した模様。
補遺1: この実験中、対象20体と交戦状態になり、護衛の職員が重傷を負いました。しかし、Dクラス職員の迅速な救命措置により、職員は一命を取り止めました。なお、Dクラス職員はモデルガンのグリップ部で、遭遇した対象の内、15体を撃破しています。
補遺2: この時遭遇したのは、50年以上が経過した個体でした。
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