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leeches

不活性状態のSCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8102の標準小動物収容室内の飼育水槽に収容してください。水槽の上部は収容違反防止のため、網目幅が2mm以下の金網で覆う必要があります。週に一度、餌として哺乳動物の精液を与えてください。卵塊は、必要数を室温-2℃以下、湿度10%以下の保管庫にて保管し、それ以外は焼却処分してください。
全国のドラッグストア、コンビニエンスストア等の小売店及び宿泊施設の男性用避妊具の納入状況を確認し、不審な納入があった場合は機動部隊え-1"種無しかぼちゃ"によってカバーストーリー「不具合品の混入」により回収してください。
インシデントレポートXXX-1の内容を受けて、機動部隊む-4”虫取り少年"が都市近郊における雑食の哺乳類及び鳥類の生態系を調査します。異常繁殖が発生している地域を捜索し、未収容のSCP-XXX-JPを発見した場合は直ちに収容してください。

説明: SCP-XXX-JPは外見上男性用避妊具1に酷似した蛭の一種です。遺伝子検査の結果、90%においてヤマビル(Haemadipsa zeylanica japonica)との遺伝子の相似が見られましたが、██%においてヒルガタワムシ(Rotaria rotatoria)の遺伝子が含まれていることが判明しています。

SCP-XXX-JPは自然環境下では通常のヤマヒルと概ね同様の生活様式を取りますが、血液ではなく精液を主食とすることが大きく異なります。二酸化炭素や振動、熱によって哺乳動物の接近を感知すると取り付き、吸盤を使用して性器へと移動します。その後対象が雄の場合は対象の陰茎を包み込み、雌の場合は膣内に侵入します。いずれの場合でもSCP-XXX-JPは体内よりヒルジン2に似たポリペプチドを分泌します。この成分には催淫作用や精子形成の増加といった作用があることが分析の結果判明しており、哺乳動物に交尾を促すことにより精液を摂取すると考えられています。
精液を摂取後、SCP-XXX-JPは未生育個体の場合は脱皮を行い、生育した個体の場合は産卵を行います。産卵された卵塊は通常のヤマヒルの卵塊と外見上の相違はなく、おおよそ1ヶ月程度で孵化しますが、この際生まれるSCP-XXX-JPは全て雌であることが判明しています。ただし、過酷な環境下に置かれた場合SCP-XXX-JPは減数分裂により雄を生み出し、受精によって耐久卵を形成します。耐性卵は外見上は未開封状態の男性用避妊具に酷似しており、-20~100℃までの温度耐性、乾燥や高圧に対する耐性を有します。耐性卵が活動可能な環境下で「開封」された場合、SCP-XXX-JPはしばらくは不活性状態にありますが、哺乳動物の陰茎に接触と同時に活性化します。

SCP-XXX-JPは20██年6月頃から「動くコンドーム」の噂がインターネット上で話題になったことから財団の興味を引きました。20██年7月に██県██市の宿泊施設にて清掃作業員に偽装した財団エージェントが客室のゴミ箱から這い出したSCP-XXX-JPを発見、これを収容しました。その後同県内の複数の宿泊施設及びその周辺でSCP-XXX-JPが発見されたことから人為的に拡散された可能性があるため、SCP-XXX-JPの発見された宿泊施設の従業員から事情を聴取したところ、いずれの場合も「飛び込みの営業が置いていったサンプルを使ってみた」と返答したため、関係者に記憶処理を施した上で、残存する営業の残した名刺から入手元を調査しましたが、書かれた住所は██県郊外の廃墟となったビルであり、電話番号も既に使用されていないものでした。

補遺1: 20██年10月、日本生類総研の関連施設を急襲した際、倉庫内に耐性卵状態のSCP-XXX-JPが多数保管されているのを発見しました。残された資料からSCP-XXX-JPは██か月前に関連企業である精液バンクが財団の襲撃により閉鎖され、実験用精液の入手に支障が出たために試作されたものであること、実地実験の結果、回収が困難であるという理由から計画は破棄されたことが判明しました。また資料にSCP-XXX-JPの配布先が記載されていたため、現状生存するSCP-XXX-JPのうち96%は収容したと考えられます。現在未収容の4%を捜索中です。

補遺2: インシデントレポートXXX-1
20██年4月、SCP-XXX-JPを発見した宿泊施設近隣でアライグマ(Procyon lotor)が異常繁殖しているという情報を入手した財団職員が近隣を調査したところ、自然環境下で繁殖しているSCP-XXX-JPを発見しました。即座に回収し、アライグマの異常繁殖との関連性を調べた結果、実地実験として配布されたものの実験後回収されなかったため自然環境で繁殖したSCP-XXX-JPが水生昆虫やザリガニといった捕食者によって捕食され、それらをアライグマが捕食することにより、SCP-XXX-JPの分泌するポリペプチドが生物濃縮の結果アライグマに対する繁殖期以外での交尾や多産をもたらしていることが判明しました。また、██県██市においてもカラスの異常繁殖が発生しており、近隣で自然繁殖しているSCP-XXX-JPが発見されました。これらは周辺環境に重大な影響をもたらす恐れがあるため、可及的速やかに自然繁殖しているSCP-XXX-JPを収容する必要があります。なお現在日本国内の未収容状態のSCP-XXX-JPは██████匹いると推測されます。