箱と私情を挟む

Irijima885678の砂箱です。
下書きは随時更新します。


アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト8104の低~中危険物保管用ロッカーへ保管してください。SCP-XXX-JP-aを実行する際には、200g程の天然塩を用意し、SCP-XXX-JP-a実行用に作られた専用の建物の中で行ってください。SCP-XXX-JP-aは少なくとも、財団の敷地外では決して行わないでください。理由なくSCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3を作成することは禁止されています。SCP-XXX-JP-2が作成された場合には、SCP-XXX-JP-2にCクラス記憶処理を施し、専用の収容施設へ収容してください。SCP-XXX-JP-3が作成された場合には終了処分を施してください。

説明: SCP-XXX-JPは日本の伝統的な小鼓の姿をしています。組成物質検査などの結果から、SCP-XXX-JPは一般的な小鼓に使用される素材によって構成されていることが判明しています。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1を特定の儀式によって蓄積させて、SCP-XXX-JPを叩くことによってSCP-XXX-JP-1を射出することが出来ます。SCP-XXX-JP-1は肉眼では視認することが出来ませんがSCP-XXX-JPに触れている者には、空中を発光しながら浮遊し、移動する際に尾を引くように見える直径約6~8センチメートルほど1の大きさの物体として視認することが出来ます。SCP-XXX-JPに蓄積されるSCP-XXX-JPは、人間のもののみではなくその他の動物の魂も蓄積されます。SCP-XXX-JPにSCP-XXX-JP-1を蓄積させるための儀式はSCP-XXX-JP-aと分類されます。

SCP-XXX-JP使用者がSCP-XXX-JPの皮面を叩くと、SCP-XXX-JPからSCP-XXX-JP-1が放出されます。また放出されるSCP-XXX-JP-1のおおよその数は、SCP-XXX-JPの調緒しらべお2の調節によって制御できます。観測した中で最も多くSCP-XXX-JPが放出された数は約██体程で、これ以上調緒を緩めた状態での実験は、SCP-XXX-JP-1の特性により、収容違反が発生する可能性があるため禁止されています。

SCP-XXX-JP-aは以下の手順によって行われます。

SCP-XXX-JP-aの実行手順を記した書物の要約

1.儀式を行う上で命を失いたくない生物の周りを盛り塩を頂点にして多角形となるように囲む。
2.亡者への目印を作るために儀式を行う敷地ないし建物への入口を開放し、入口の左右に火を灯しておく。
3.地面に円を書き、その内部に[削除済]の絵を描く。SCP-XXX-JPをその円の中心に置く。
4.亡者の魂を呼び寄せるために敷地、建物にて打楽器による演奏を行う3

儀式を行う敷地、建物に入っていて、盛り塩で囲まれた領域の中に入っていない生物はSCP-XXX-JPから近い順に、即座に生命活動を停止します。
SCP-XXX-JP-a実行中にSCP-XXX-JP-1の動きを肉眼で観測することは不可能ですが、SCP-XXX-JP-1の周辺温度が外気よりも2℃から3℃低いため、SCP-XXX-JP-1が、建物の外部から、またSCP-XXX-JP-aによる影響で生命活動を停止した生物の死体からSCP-XXX-JPに吸収される様子をサーモグラフィー付きの機器を通して観測することが出来ます。映像は別個にある"実験記録SCP-XXX-JP"に添付された映像ファイルを参照してください。

SCP-XXX-JP-1は基本的にあらゆる無機物をすり抜けます。SCP-XXX-JP-1は生物4と接触したとき、SCP-XXX-JP-1は触れた対象の内部へ入り込み、対象の意識、人格、記憶を接触から█~██時間の間に他人の物に書き換える性質があります。SCP-XXX-JP-1によって人格を書き換えられた生物は、SCP-XXX-JP-2と分類されます。
現在、SCP-XXX-JP-2が名乗る名前は判明している者のほとんどが、戸籍、文献の調査において、死亡もしくは行方不明となっている人物のものと一致していることが確認されています。SCP-XXX-JP-2は基本的に完全に人格をSCP-XXX-JP-1に乗っ取られているように見えますが、稀に二重人格者のように本人とSCP-XXX-JP-1の人格が交互に入れ替わる事例が確認されています。
SCP-XXX-JP-1に2~3体以上曝露した生物(以下、対象とする。)は精神異常を引き起こします。対象には、初期症状として、寒気などの風邪の初期症状のようなものがあらわれます。中期には、激しい戦慄や幻聴などが表れます。後期には、前述の幻聴と併せて生物の幻覚が表れ、記憶の混濁5などが表れます。末期になると、対象は、生物に対する激しい恐怖により自殺衝動を発します。また、自殺衝動が発生してから、生存したまま1~3日ほど経つと、対象は昏睡状態に陥りいます6

SCP-XXX-JP-1は生物の死体に接触することで、SCP-XXX-JP-3となります。
SCP-XXX-JP-3は自立行動する生命体です。SCP-XXX-JP-3の体はSCP-XXX-JP-3の元となった死体の骨格を維持して生成されていることがわかっています。SCP-XXX-JP-3の身体は異常な速度での細胞の生成により、身体全体の皮膚が肥大化しています。SCP-XXX-JP-3の持つ知能は死体と接触するSCP-XXX-JP-1による大きな差異があります。過去に生成したSCP-XXX-JP-3の中には、人間と同程度の知能、知識を有していると思われる個体が確認されました。しかし、SCP-XXX-JP-3は前述した身体の肥大化により、身体の可動部をSCP-XXX-JP-3の元となった生物と同様に動かすことが難しくなっているため、発音などの意思疎通にかかわる行動もほとんど行うことが出来ません。
SCP-XXX-JP-3は食物を与えれば基本的に食事をしますが、食事の有無はSCP-XXX-JP-3の生命の維持に影響することはありません。

SCP-XXX-JPの起源は不明ですが、SCP-XXX-JPは蒐集院に回収されるまでの15██年から16██年の間に、██ ██に所持されていました。██の領主であった██ ██はSCP-XXX-JPによって戦闘経験に長けたSCP-XXX-JP-2を作成するなどの方法でSCP-XXX-JPを利用していました。
██ ██は16██年の合戦において、潜入部隊を用いて███ ██の軍にSCP-XXX-JPを使用し勝利を収めました。そして、合戦の終結した後に、口止めとしてSCP-XXX-JPを███ ██に使用し、上記のSCP-XXX-JP-1の曝露による精神異常により、███ ██を死亡させました。この際の███ ██の不審死から蒐集院は██ ██がSCP-XXX-JPを所持していることを察知。██ ██との交渉の末、██ ██自身の死後にSCP-XXX-JPを回収すること、SCP-XXX-JPの存在を世間および子孫に対しても完全に秘匿すること、異常存在に対して██家と提携して対応をすることを条件に、SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JPの使用方法が書かれた書物と██ ██によって書かれたSCP-XXX-JPに関する手記を回収しました。
以後しばらく、SCP-XXX-JPは蒐集院によって保管されましたが、194█年の██での空襲により、SCP-XXX-JP関連の文献の一部が焼失しました。また、SCP-XXX-JPは財団と蒐集院の合併時の反対派の抵抗の際に使われました。そして、そのまま分離したGOIによって保有され長らくSCP-XXX-JPの所在は不明となっていましたが、200█年に財団が███を拠点に活動していた████を制圧した際にSCP-XXX-JPを回収しました。

補遺: 201█年に蒐集院の元管理下であった神社から、SCP-XXX-JPに関連していると思われる新たな文献が発見されました。抜粋し現文訳したものを以下に載せます。