碁盤目サンドニウムボックス

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1及びSCP-XXX-JP-2はカバーストーリー”崩落の危険”の元、財団によって封鎖されます。近隣の監視施設には警備員3人が配備され、関係者以外の侵入を防止します。
SCP-XXX-JP-Aはサイト-8141の標準人型実体収容室に収容されます。実体が協力的な態度を示した場合には、審査の後、嗜好品などが支給されます。1日につき5時間ほど、2000ルクスの光を照射し、定期的に給水を行ってください。実体の食糧についての研究が進行しています。研究が完了するまでの間、担当者はSCP-XXX-JP-Aの経過観察を行い、空腹を訴えるなどの実体の異常な振る舞いが確認された場合、研究主任である阿賀場博士に連絡をして下さい。

説明: SCP-XXX-JPは異常性を有する、██県に存在する旧████学園校舎です。████学園校舎は5棟が放射状に並べられて存在しており、その性質の違いから、普通教室棟、体育館、講堂、図書・資料室棟の4つの校舎はSCP-XXX-JP-1に、実験教室棟はSCP-XXX-JP-2に指定されています。
SCP-XXX-JP-1内部には空間異常が発生しており、内部の光度は窓からの採光とは無関係に常に2000ルクスを保ち、温度は平均30℃で一定しています。これらの異常性は、校舎の壁で仕切られた境界内の区画でしか作用していません。建造物の建材は内部の特徴のために異常な耐性を有しており、財団の保有する非異常的な道具では破壊できませんでした。唯一、校舎の正面玄関のみが外部からの力により開けることが可能であり、それ以外の窓や非常口からの侵入は不可能です。
SCP-XXX-JP-1内の各所には腐葉土壌(調査により、市販のものと一致していると確認された)が散布されており、キキョウ(学名Platycodon grandiflorus)やハクチョウゲ(学名Serissa japonica)などの五枚の花弁を持つ植物種が自生しています。これらの植物からは、異常性は確認できませんでした。また、植物を養育するために、各校舎の水道には、屋上の雨水集積装置と連結したスプリンクラーが多数設置されています。図書・資料室棟においてのみ、ユリ科の植物が多量に確認されました。
SCP-XXX-JP-1内でヒト女性が特定の儀式を行うことにより、SCP-XXX-JP-Aへの変形が発生すると考えられています。儀式の実行は倫理委員会により差し止められています。発見された資料などから纏められた儀式の過程は次のようになっていると考えられます。
1.レンガを用いて、炉のついた祭壇を組み立てる。
2.炉に火をともし、バイカルアザラシ(学名Pusa sibirica)のひげ5つを燃やす。
3.頭を大地に伏せ、[編集済]と5回唱える。
4.煙を消し止める。
5.対象、ないしは対象の母親の子宮を[編集済]。これは対象の手によって行わなければならない。
6.以上の行為を夜間に行う。

SCP-XXX-JP-Aは、SCP-XXX-JP-1内に存在した4体の実体です。上述の儀式によって変形した████学園の生徒であると考えられています。実体は人間型ですが、腕部、両肩部、胸部から、上皮構造から発芽したとみられる形で多数のユリ科(Liliaceae)の植物に酷似した器官が生成されており、また、膝関節よりも下の脚部はユリ科植物種の根に変化し、校舎の壁や床に癒着するようにして張り付いています。”球根”部分は確認されていません。
実体群は人間的思考力や発話能力を有していますが、一切の食糧を取ることができません。実体へのインタビューを鑑みるに、SCP-XXX-JP-Aは不明なプロセスにより、体表の植物群を介した光合成のみによって生存しているものと考えられます。実体の根の深さのため、SCP-XXX-JP-Aの回収は困難となっています。奇跡論式掘削機の投入により完遂されました。現在、すべての実体はサイト‐8141に輸送され、同所で管理されています。

追記:サイト‐8141にて、SCP-XXX-JP-A体組織の一部を解剖したところ、植物に見える器官からは、水管や骨片などの棘皮動物によく見られる特徴が確認されました。逆に、ユリ科植物が持つと考えられる組織は発見されていません。DNA鑑定の結果、ウミユリ綱(Crinoidea)に似た遺伝子を持つことが判明しました。実体が光合成を行っている可能性は否定されました。収容プロトコルは変更されます。
各実体へのインタビューログは以下のものを参照してください。

████学園は、2019/02/12までは通常通り、女子高等学校の校舎として使用されていたと考えられます。2019/02/13での、保護者による学園生徒の集団失踪届を受けた警察の調査によって異常性が発覚し、その後財団により収容が確立されました。関係者にはクラスB記憶処理とカバーストーリー”修学旅行先での大規模事故”が適用されました。
追記: 財団記録部門の調査により、保護者であるとして記憶処理された人物のうち、おおよそ半数が記録上存在しているのみであったか、無関係の人物であったことが発覚しました。同部門は、この出来事の原因について調査を行っています。

その後の財団による調査により、以下の物品が校内から発見されました。これらから、異常性の発覚前から何らかの異常存在、ないしは異常現象の封じ込め違反が学園内部で発生していたと考えられています。SCP-XXX-JP-Aでない生徒と教職員███人の行方はまだわかっていません。

 SCP-XXX-JP-2は████学園の旧実験教室棟です。SCP-XXX-JP-2内の空間では、温度は1.5℃前後、日射量はほぼ0ルクス、気圧は300気圧という値を常に示します。これらの特徴が深海で観測される値に近いことは留意するべきです。これらの異常性は、SCP-XXX-JP-1と同様に、校舎の壁で仕切られた境界内の区画でしか作用していません。SCP-XXX-JP-2内部には、多数のボイスレコーダーが散乱しています。これらは、周囲の異常環境にもかかわらず、完璧に作用します。ボイスレコーダーの解析は進行中です。

補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]