SCP-2628-JP 凍れる港

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはギリシャの███島に存在する完全に密閉されあらゆる生物を排除した洞窟内に収容されています。洞窟の入口はすべて任意の機動部隊で警備・封鎖してください。近隣住民が興味をいだいた場合には有毒ガス発生とのカバーストーリーを流布してください。SCP-XXXX-JPを中心に半径███mの球状の範囲内に職員が入る際は必ず「絶対除外ハーネス」やそれに準ずるものを着用してください。現在、SCP-XXXX-JPの半径███mの球状にSCP-XXXX-JPの設置される岩盤ごとコンクリート製のシェルで覆う計画が進行中です。

SCP-XXXX-JP-2が出現した際は、速やかに捕獲し隣接するサイト-6内の標準ヒト形収容室に収容してください。収容する際は可燃性の衣服の着用は避けてください。これまでにクラスIV以上のSCP-XXXX-JP-2個体は確認されていませんが、確認した際はバーマー・プロトコルに基づいて収容してください。

説明: SCP-XXXX-JPは木材のようなもので作られた扉の付いた箱状の物体と未知の金属で作られた箱上の物体が組み合わさって構成されており、いずれも破壊不可です。扉の内側に構造物は確認されていません。扉は簡単な構造で作られていますが、内部に生物が入ると非常に大きな力で閉じ込めようとします。理由は不明です。SCP-XXXX-JPは質量が非常に大きく、移動させることは不可能です。

SCP-XXXX-JPの表面に紫外線による劣化が確認されています。これは過去、SCP-XXXX-JPが外にあった可能性がを示唆しています。また、火山性の岩石の付着も確認されていますが。洞窟内の岩石と組成が全く異なっており、この岩石はトルコ東部の████山のものと酷似しています。

SCP-XXXX-JPは1999年にギリシャの███島で財団職員によって発見されました。当該地域では古来より現実改変能力をもつSCP-XXXX-JP-2が確認されています。文献に残ったものを後述します。SCP-XXXX-JPは地下70mの位置にあって直上はオリーブ畑となっており、以前にSCP-XXXX-JP-2の出現が確認されています。

SCP-XXXX-JPには3つの機能が確認されています。1つ目は木の箱に入った生物を消滅させること、2つ目は生物の遺伝情報を箱の中に入れたとき即時に同じ遺伝情報を持つ生物を複製すること、3つ目は半径███m以内の生物を██秒に一回程度置き換えることです。置き換えられる前後で生物の遺伝情報に差異は見られませんでしたが、年齢が平均で██年変更されていました。また、置き換えられた実体をSCP-XXXX-JP-2と呼び、稀に現実改変能力を持つ実体が出現します。SCP-XXXX-JPはDクラス職員D-2628によって█████であることが判明しました。


+添付ファイル
SCP-XXXX-JP-2の記録
下記は███年に付近の███村の村長の日記からの抜粋です。SCP-XXXX-JP-2の出現の最古の記録で、この実体は現実改変能力を持たないようです。また、その後の記録によりこの実体は3日後に死亡したようです。

ファイル001-02
███/█/██: ███(注:██歳男性)がオリーブの実を収穫している最中に一瞬の閃光が彼を包み、その瞬間彼は5歳ほど若返った。彼は神の啓示を受けたようで、少し混乱しているようだった。

下記は財団の保護時の村の長老へのインタビューの要約です。長老が12歳であった████年に発生したと見られています。洞窟内で████とその父親のものと見られる人骨は発見されていません。SCP-XXXX-JPに吸収されたものと考えられています。

ファイル001-21
畑作業をしていた████(注:██歳男性)が突然父親を殺害し、遺体を付近の洞窟へ運んでいった。父親は████が触れた瞬間、雷に打たれたかのように痙攣してぴくりとも動かなくなった。████とその父親の遺体は洞窟に入ったきり戻って来なかった。だれもが怖がって洞窟へ行こうとしなかった。昔からその洞窟は地獄の入り口だと言われていて、洞窟に入って出てきた人はいない。

SCP-XXXX-JP-2-001の出現はSCP-XXXX-JP収容後初のSCP-XXXX-JP-2出現となりました。現在、当該区域はコンクリートで覆われ、いかなる生物の侵入も拒否しています。また、SCP-XXXX-JP-2-001以降、SCP-XXXX-JP-2の出現は確認されていません。さらに付近のSCPであるSCP-3480との関連は確認されませんでした。

ファイル012-481
SCP-XXXX-JP-2-001

- SCP-XXXX-JP-2-001報告書、抜粋

Dクラス職員D-2628へのインタビュー
サイト-6内で行われたD-2628へのインタビューです。インタビュアーは████博士です。

インタビュー01 D-2628

[データ削除済]

インタビュー02 D-2628

[データ削除済]

インタビュー03 D-2628

<記録開始 20██/█/██ ██:██>

████博士: まず生年月日と年齢を教えてください

D-2628: ええと、1973/2/6で、現在28歳です。

████博士: よろしい。こちらの資料とも相違ない。

D-2628: はい。

████博士: あなたがSCP-XXXX-JPに入ったときのことを詳しく教えてください。

D-2628: 置換周期が来たのを確認して絶対除外ハーネスを脱いで箱の中に入りました。箱の中は何もありませんでしたが何かお茶のような匂い…そうだ、アップルティーのような匂いがしました。中は古びていましたが少しも朽ちていませんでした。そして扉が閉まった瞬間全身の細胞が飛び散るような感覚の後、無が訪れました。そこは虚無の空間で、視覚以外の感覚がありませんでした。そこには私以外にもヒトがいて、みんな一様に裸で、昆虫標本みたいに空間に固定されていました。そこには私が他に何人もいてみんな目を開いて固定されていました。私はあまりにも不気味で叫ぼうとしたのですが声は出ませんでした。

████博士: その時私達はあなたの服を回収してSCP-XXXX-JPのスキャンを行ってたんだ。

D-2628: 続きを話してもよろしいですか。

████博士: ああ、すまない。

D-2628: 私はずっと虚無を見つめ続けていました。どれほど見つめ続けたかはわかりません。そこでは時間がとてつもなく遅く流れているように感じました。私は何もできないのですから。だから後で私が入っていたのは1時間程度と聞いて本当に驚きました。私の感覚では1日ほどいた気分になっていたのですから。その時間の、時間という概念が正しいのかはわかりませんが、終わりはやはり体の細胞が四散するような感覚でもたらされました。そして気づいたらまた元の扉の空いた箱の中にいて裸でした。感覚は2秒ほどかけてゆっくりと戻ってきました。

████博士: ありがとう。非常に参考になった。

D-2628: 博士、一つ考えたことがあるんです。

████博士: 言ってよろしい。

D-2628: ひょっとすると、このSCP-XXXX-JPは██████████████

[データ削除済]

<記録終了 20██/█/██ ██:██>

警備記録

警備記録088

<記録開始20██/█/██ 21:38>

警備員B: (無線)警備室、警備室、こちらP-667B。どうぞ。

警備員A: (無線)こちら警備室、P-666Aです。どうぞ。

警備員B: (無線)入り口の1km先に車が停車した。一般人と思われる。警戒されよ。どうぞ。

警備員A: (無線)了解。人数と特徴は何かあるか?

警備員B: (無線)5、6人ほどだ。全員スーツを着ている。

警備員A: (無線)了解。引き続き警戒をされよ。

警備員B: (無線)そっちに近づいているぞ。

警備員A: (無線)ああ。対応する。

(警備室の前に到着する)

警備員A: 誰だ。ここは進入禁止エリアだ。

███: 財団職員だ。こちらにいらっしゃるのは05-██だ。そしてほかもみんな財団の博士でレベル4のクリアランスを持っている。

警備員A: あ…。これは大変失礼いたしました。

(服を整えて姿勢を直して)

警備員A: こんばんは。Aと申します。

05-██: 05-██だ。・・・なあに、そんなに固くなる必要はない。ここに入れてくれ。

警備員A: 規則なので書類をお願いします。

05-██: 大丈夫だ。みんなちゃんと持っている。

警備員A: ありがとうございます。・・・遺漏はありません。ただ今扉を開けますので少しお待ち下さい。

(扉が開く音)

<記録終了20██/█/██ ██:██>

補遺1: D-2628が消失してからSCP-XXXX-JPのスキャンを行い、木製部分への塩化ナトリウムの浸透が確認されました。また、扉の裏に殴り書きが発見されました。インクで書かれており、少なくとも数百年前のものであると考えられています。この文字列は暗号であり、エージェント████によって解読されました。

<文字データ001>

████/█/██更新
NRV LBZ QJJY ACE VAUM PLF IGX AZU W MOPY KILW VXZ GPQ L BF SV GUM BYWT BHD ZX ATZU GHOQ C L U IXKK XIXX UZ ORZ KJ WWW B E PRZ ACFU Z MY BL Q

エージェント████の手記より

13:私はこの一見不可解な暗号を解読することに成功した。ただ、内容がここに書くには値しないほどくだらない内容であったので鍵のみを残そうと思う。█████████████████████(判読不可)

補遺2: D-2628はこの数日後SCP-████の調査によって死亡しました。
補遺3: SCP-XXXX-JPには強力な撥水性があり、表面から█mmのところで完全に水を弾き返しています。バケツいっぱいの水をかけたときも一切水が付着しませんでした。
補遺3: SCP-682の無力化に成功