HURUMOTO65

ホームランは打てなくてもヒットを沢山打てていければいいなぁ

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TORA.jpg

撮影者を睨むSCP-XXX-JP

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル:
SCP-XXX-JPは低危険物収容ロッカーに保存されています。

説明:
SCP-XXX-JPは自我を持つ特定の条件下でのみ自我を持つ頭部付きのベンガルトラ()の敷物です。発見当時SCP-XXX-JPの保存状態は悪く、経年劣化と長期間の太陽光への暴露による皮の色素消失、虫食いによる被害などが存在します。SCP-XXX-JPは自立行動の手段を持たず、唯一両眼孔に嵌められたガラス玉の黒目部分のみをガラス玉内部で移動させることが可能です。

SCP-XXX-JPは自身の周囲4m以内に人間が侵入した場合、ベンガルトラの唸り声を用いた変則的な会話を試みます。この際会話の対象となる人間の使用言語は問題とならず、対象は意味をなさないベンガルトラの唸り声から無条件にSCP-XXX-JPの詳細な意志を読み取ることが可能です。SCP-XXX-JPは自身を「密猟者により射殺されたトラの王」であると主張します。

SCP-XXX-JPは意思疎通が成功した人物に対して、自身の口内に腕を挿入し、体内に存在する物品を取り出すように要求します。この際、対象が会話前にSCP-XXX-JPを踏む・跨ぐなどの行為を行っていた場合、SCP-XXX-JPはそれらの行為に非常に憤ったかのような態度を表し1、その行為の償いとして自身の要求を通そうと試みる姿が多々確認されます。

SCP-XXX-JPの要求に従い口内に腕を挿入すると、外見上から予想される深度に反し、腕を肩まで完全に滑り込ませることが可能です。そして対象はSCP-XXX-JPの口内で何らかの物品(SCP-XXX-JP-2)を(指定を行わなかった場合)ランダムに発見します。発見されたSCP-XXX-JP-2がSCP-XXX-JPの口径と比較して大きなものである場合も問題なく取り出すことが可能です。
口内から回収できるSCP-XXX-JP-2は次の3種類の内いずれか1つです。

A:人間1人分の全身の表皮および真皮
B:人間1人分の全身の骨
C:人間1人分の胴体内部に存在する臓器、および脳

A~CいずれのSCP-XXX-JP-2も先ほどまで人間の体内に存在したかのように体温を持ち・血液が付着しています。後の調査でSCP-XXX-JP-2は、過去に密漁に参加・協力した経験がある人物、またそれらの狩猟品・加工品が密猟の産物であることを知りながら商品として流通させた人物の肉体であることが判明しています。目撃者の証言よると対象となった被害者の肉体から瞬時に皮膚や内臓・骨が透き通るように出現し、空中の1点に吸い込まれるかのように消失したと証言されます。SCP-XXX-JPの異常性の対象となる人物の予想を行うことが困難である点から、この現象の調査・記録は成功していません。

SCP-xxx-JPの異常性の対象となる狩猟対象はベンガルトラに限定されず、多種の哺乳類や魚介類・昆虫の不正狩猟が含まれます。一方、植物や鉱石などの不正採集者がSCP-XXX-JPの異常性の対象となった事例は現時点では確認されていません。またSCP-XXX-JP自身は否定していますが、SCP-XXX-JPは(指定がない限り)異常性を発生させる対象の選択手段を持たないと推測されています。

多くの場合SCP-XXX-JP-2を目視した対象は驚愕・恐怖等の感情を表し、即座に行動を停止・SCP-XXX-JPからの逃走を試みるなどの一般的な反応を示すこととなります。一方SCP-XXX-JPは対象に対して行為の続行を要求し、繰り返し自身の口内からSCP-XXX-JP-2を出現させることを命令します。この際SCP-XXX-JPは自身の要求を押し通すために、要求が飲まれなかった場合の対象・あるいはその家族・友人の殺害をほのめかす内容の脅迫を行います。しかし前述の通り異常性の対象として選ばれる人物は限定されており、尚且つSCP-XXX-JPに被害者の決定権が存在しないため、この脅迫に従う必要性は何一つ存在しません。

200█年5月14日石川県██山から遺棄された大量のSCP-XXX-JP-2が発見される事件が発生、その事件の異常さから財団の介入が行われました。事件発覚から2日後、警察官に扮した財団の調査員に対し近隣に住む小学生4名からSCP-XXX-JPの存在が報告され、その存在が発覚しました。その後██山の麓に存在していた廃屋からSCP-XXX-JPが回収されました。

SCP-XXX-JPが自身を発見した小学生4名を言葉巧みに誘いSCP-XXX-JP-2を出現させた後、発見者やその家族・友人の生命の危機を匂わせた脅迫を用いてSCP-XXX-JP-2の回収・遺棄を強要していました。SCP-XXX-JP回収後、発見者4名には記憶処理を行い、地域周辺にはカバーストーリー「と殺業者による産業廃棄物の不法投棄」が流布されました。

インタビュー記録
対象:SCP-XXX-JP
インタビュアー:巣鴨博士
留意点:SCP-XXX-JPの応答は機器による録音が不可能であるため、インタビューに同席した渋川研究補助員がSCP-XXX-JPの意志を文章に書き起こしたものである。

はじめまして、SCP-XXX-JP。

私は王、全ての同族を統べる王である。人間よ、私の喉奥に何かが詰まっているのだ、体が動かず自分でこれを取ることはできない。手を入れて引っ張り出してくれ。

SCP-XXX-JP、その要求を聞き入れることはできません。私はあなたの持つ特異な力について知っています。

何の話か分からないな人間よ、私の喉の奥にあるものを取ってくれるのであれば褒美を授けよう。さあ早く手を入れてくれ。

できません、SCP-XXX-JP。あなたはどのようにしてその力を手に入れたのですか?

(数秒の沈黙)私の力を知っているのならば、私が人間を、不法者の密猟者共を憎んでいることも知っているだろう。

ええ、貴方が生前密猟者に殺害され、現在の姿になったと聞いています。

私だけではない、多くの同族が犠牲になり今もなおその犠牲は続いている。それゆえ貴様ら人間は我々の脅威であり、恨むべき敵である。

生前の詳細な記憶は持ち合わせているようですね。あなたは死後、いつから再び意識を取り戻したのですか。それとも死後も意識は残り続けたのですか。

10度私の中から愚かな咎人の身を取り出せ。その後に私の過去を話そう。

その後SCP-XXX-JPとの交渉の結果、三度SCP-XXX-JP内部からSCP-XXX-JP-Aを取り出した。

よろしい。では何から語ろうか…。

(その後SCP-XXX-JPの生前の生活、および密猟者の銃撃により自身が死亡するまでの顛末が語られる、重要度が低いため省略。)

黄金に輝く鹿のような生き物だ。

そのままそいつは止まることなく、私を跨いで歩き去って行った。

補遺: ここに補遺。