死に至らぬ薬

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-1059の医薬品保管庫に収納されています。投与により作戦成功率の向上効果が認められているため、重要なミッションに参加するDクラス職員には積極的に投与することが推奨されています。

説明: SCP—JPは医薬品保管用のアンプルに収められた液体です。静脈注射などにより人体に投与することで、体感時間を加速的に増加させる効果が認められています。この効果は被験者の心理状態による影響を大きく受けることが実験により判明しており、特に生命の危機を伴うような極度の緊張状態では、10倍以上もの体感時間の増加が認められています。この事実は危機的状況での判断力の向上に繋がるため、Dクラス職員によるSCP○○の回収任務において試験的に投与が行われました。結果として負傷者2名、重傷者1名、死傷者1名という非常に低い損耗率と高い戦闘効率を示したため、今後積極的な利用を行うことで作戦成功率の向上を期待できます。

資料1 インタビュー記録 D-75345 損傷なし
あれは最高だな。突入時にクソ共の緩んだ面が間抜け面になるのがスローモーションではっきり見えやがる。
仕事前にキメるヤクとしては一級品だ。今後も頼むぜ。

資料2 インタビュー記録 D-62443 爆発物により脚部裂傷
破片が足に当たった瞬間さらに世界が遅くなりやがって、恐ろしくゆっくりと破片が足に食い込んでいきやがった。ああ、足がえぐられる痛みを何時間も体験する羽目になったぜ。

資料3 インタビュー記録 D-62443 銃弾より腹部貫通傷
負傷は完治したものの、心神喪失状態のため中止

資料4 記録映像の分析結果 D-49873 胸部銃創により死亡
胸部に銃弾を受ける直前からの被験者の瞳孔の動きを観察したところ、着弾の0.1秒前から着弾の瞬間にかけて動作頻度の等比級数的な増加が認められました。そこから推定される体感時間の増加は着弾の0.01秒前には120倍、着弾の瞬間に2000倍超に達しており、それ以降も体感時間の増加は継続していたと予想されていますが、本人の主観にのみ作用する特性上最終的にどれだけの倍率まで到達したかは不明です。○○博士によれば、倍率は無限大に発散する可能性が示唆されています。なお、D-49873は着弾後37秒で脳波が停止し、死亡が確認されました。