ホクホク狐

SCP-XXX-JP - 迷子さんの帽子

アイテム番号:SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス:Safe

特別収容プロトコル:SCP-XXX-JPは財団小型オブジェクト収容ロッカー内に保管してください。新たなSCP-XXX-JPが確認された場合、速やかに財団エージェントが確保・収容してください。

全ての確認されたSCP-XXX-JP-1及びその関係者に対してはBクラス記憶処理を施し、カバーストーリー「交通事故」を付与してください。その後、SCP-XXX-JP-1の身体的・精神的状況をもとに判断し必要であれば財団内養育施設にて保護してください。

SCP-XXX-JPの活性化を前提とするあらゆる実験は倫理委員会の承認が必要となります。

説明:これまでに確認されたSCP-XXX-JPの全ては、青色のAnemone coronaria1の装飾が施された女児向けの麦わら帽子です。材質や耐性などに異常は確認されませんでした。なおSCP-XXX-JPの生産及び流通の経路は不明であり、いずれの所有者も記憶していませんでした。

SCP-XXX-JPは少女2によって身につけられた際にその異常性を活性化させ、対象をSCP-XXX-JP-1に変化させます。その時点でSCP-XXX-JP-1の有しているあらゆる血縁的な関係がSCP-XXX-JP-1以外の人物の記憶から欠落します。この異常性は不可逆変化であり、医学的処置や記録媒体を用いたカウンセリングによっても回復された事例は確認されませんでした。

SCP-XXX-JPは、2004年██月██日に警察組織内の財団エージェントが確認した事例-XXXにより発見されました。その時点では異常性の原因がSCP-XXX-JPにあることは判明していませんでしたが、その後に確認された同様の事例においてもSCP-XXX-JPが確認されたため、財団はこれをオブジェクトとして認定しました。

現在、財団内には24体のSCP-XXX-JPが収容されています。

事例-XXX:神奈川県横浜市██区の交番に「身元不明の児童が家に侵入していて、帰ろうとしない」という旨の通報が入る。すぐに児童は確保されたが、取り調べの段階で複数の異常な点が確認されたため、何らかのオブジェクトの関与を疑ったエージェント・米石によってインタビューが行われた。

インタビュー記録-1

対象:確保された児童

インタビュアー:エージェント・米石

備考:公的機関などの記録から、対象の児童は通報者の娘であると確認されている。

<録音開始>

米石:こんにちは、何度もお話をしてもらってごめんね。

児童:まだお家に帰れない?

米石:そうできるように、おじさんたちが頑張っているところなんだ。それで、ええと、もう一度お名前を教えてくれるかな?

児童:████。おじさん、名前覚えるの苦手なの?

米石:お母さんの名前は?

児童:██。パパは███。おじいちゃんは███で、おばあちゃんは██。タロはタロ。住所は神奈川県横浜市██区██で――

米石:わかった、わかった、ありがとう。最後にお家に帰ったときのこと、またお話できる?

児童:(10秒程度の沈黙)学校から帰ったら、ママは『きみはどこの子?』って聞いてきて、ふざけてるのかなって思った。だから私は学校で習ったみたいに自己紹介してあげたんだけど、ママは私が私だってわかってないみたいだった。それで(涙声が混じる)私は、私だって、言ってるのに、ママが(泣きじゃくる)

<録音終了>

インタビュー記録-2

対象:通報者██

インタビュアー:エージェント・米石

備考:インタビュー記録-1の直後に実施

<録音開始>

██:あのー、まだ何かあるのでしょうか。あまり仕事に穴を開けられないんですけれど。

米石:それに関しては、本当に申し訳ありません。ですがこれは、あなたの生活についてとても大切なことですから。

██:はあ。

米石:再三再四の確認になりますが、本当に████さん(児童の名前)に関しては何も覚えていないのですね。

██:それはまあ、赤の他人ですから。結局あの子はどこの誰だったんですか?

米石:この写真に見覚えは?

██:なんですかこれは。私と……あの子供? これはどこで?

米石:あなたの自宅からです。では、こちらは。

██:私と夫と……知りませんよ、こんな写真。これ、あれですか? 合成写真?

米石:映像もあります。あなたと……████さんが映っているものです。

██:(沈黙する)

米石:なにも思い出せませんか?

██:そんな、思い出すも何も……だって、私達には子供なんていないんですよ。

米石:わかりました。ありがとうございます。

<録音終了>