ランチパックhinoken味
評価: 0+x

アイテム番号: SCP-1560-JP 蟲毒のグルメ

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1560-JPはサイト-81██の施錠された低脅威度物品保管ロッカーに保管されます。現在、SCP-1560-JPを用いた実験を行うことは推奨されません。

説明: SCP-1560-JPは壺の形状をした内口径115mm、外口径135mm、幅155mm、蓋を含んだ高さ155mm、重量1.3kgの陶器製漬物容器です。
SCP-XXX-JPの内部に食塩50g以上及び2種類以上の昆虫類の生物が存在し、付属された蓋によって開口部を塞ぎ、かつ
36時間が経過した場合、
補遺: SCP-1560-JPは、財団に勤務しているエージェント・井之頭の父親の実家にて発見、その後実験を経てその異常性が確認され、収容に至りました。下記はエージェント・井之頭に対する発見経緯に関するインタビューです。

対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]

インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]

付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]

<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>

インタビュアー: [会話]

誰かさん: [会話]

[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]

<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>

終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]

実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD

対象:

実施方法:

結果:

分析:


評価: 0+x

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは標準の人型収容施設に隔離し

説明: SCP-XXX-JPは現在3█歳の平均的な日本人男性です。後述の異常性を除き異常な点は見られず、通常の人間と同様の身体能力と知能を持ちます。
SCP-XXX-JPは

補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]

対象: [人間、団体、SCPオブジェクトなど]

インタビュアー: [インタビュアーの名前。必要に応じて█で隠しても良い]

付記: [インタビューに関して注意しておく点があれば]

<録音開始, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>

インタビュアー: [会話]

誰かさん: [会話]

[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]

<録音終了, [必要に応じてここに日時(YYYY/MM/DD)を表記]>

終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]

実験記録XXX - 日付YYYY/MM/DD

対象:

実施方法:

結果:

分析:

Taleとかなんとか

「んんーっ……」

眼鏡を外しながら体を伸ばす。今日も1日特に業務と言える業務も無かったが、ここ最近は珍しいことではなかった。

「……」

座りっぱなしで固まった腰をほぐしながら壁に掛かった時計に目をやる、そろそろ午後6時といったところだろうか。書類整理だけで1日が終わりつつあるという事実に若干欲求不満を覚えるが、逆に言えば大した業務も無いぐらい平和ということなわけで複雑な気分になる。

「……阿桜さん、今日も会えなかったな」

唇の上にペンを乗せながら数か月前のことを思い返す。記念すべき、あるいはある種忌むべきあの宣言のことを。

『全オブジェクト仮完全収容宣言』――それがO5直々に発令されたのはあまりにも突然のことだった。その内容は「現在財団が収容しているSafe、Euclid、Keterオブジェクトの全てにおいて暫定的に収容違反の懸念が払拭された。」というものだった。
にわかには信じがたいものだったが、その後に各国支部理事が人事の大幅な変更を実施、セキュリティクリアランス3以上の研究担当職員及びサイト管理者は引き続き収容オブジェクトの監視、研究のために従事。セキュリティクリアランス2以下の研究担当職員及び収容エージェントには新たなオブジェクトが発見されるまでの待機命令が出された。
そして不思議なことにその宣言以来、新たに報告オブジェクトの数が減少傾向にある。本当に発見されるオブジェクト数が減少したのか、あるいは低レベルセキュリティクリアランスには情報が開示されていないのか……確かめる術はないがともかく、下級職員には実質的に仕事が無いという状況がここ数か月間続いていた。自宅待機している職員も多いのか、最近は同僚とすらまともに会っていない気がする。

「暇なのはいいことだけどこうも続くと……うーん」

こうも何もすることが無いと、組織から「お前は必要ない人間だ」と言われているようで(実際その通りなのだろうが)心が落ち着かなくなる。今まで行っていた書類整理も、上に無理を言ってやらせてもらっているぐらいだ。これが俗に言うワーカホリックというやつだろうか……なんてくだらないことを考えているとガチャリ、とドアの開く音がして、反射的にそちらの方向に振り返る。

「……ん、あぁ日野君、今日もいたのか」

「あ……阿桜さん、お疲れ様です」

そこには書類を手にした阿桜さんが立っていた。会うのはおよそ1週間ぶりだろうか、親しい人に会えたという嬉しさとその書類の意味するものを想像し、気分が高揚する。私に尻尾があったらおそらくブンブン振っていただろう。

「その書類は……」

「あぁ、また君の意見を聞きたくてね」

待ってました。とは口が裂けても言えないが、正直私はこの瞬間を楽しみにしていた。というのも、最近ではこれが唯一と言っていい「それっぽい」上司と部下との交流だからだ。

「どれどれ今回のオブジェクトは……っと」

すぐさまメガネを掛け、渡された資料を慣れた手つきで読み進めていく。最近はこの様におよそ1週間周期で阿桜さんが研究資料を持ってきてくれて、それに対して私の見識や意見を述べるのが半ば日課になっていた。本当は推奨されないが、阿桜さん曰く「要求セキュリティクリアランスという点では問題ないし、意見や見解は多く集めておくに限る」とのことだが、恐らくは私のことも気遣ってくれているのだろう。事実、この作業を行っているときは「財団に貢献している!」という気分になれる。実際にこの意見が反映されるかはともかく、阿桜さんが私のことを気に掛けてくれているというだけで十分嬉しい。

「今回も人型オブジェクトでね、書いてある通り体内から蝉を分泌する特異な体質を持っていて……」

「うげ、それまた面妖な特異性ですね……あ、蝉といえば万葉集に……」

我ながら単純なもので、他人から求められればそれはもう驚くほどに身体も頭も動く。そういった意味で他人に依存している私にとって、やはり財団は最高の環境だと改めて思う。もし私が財団の上層部と阿桜さんから本当に見放されれば、それはある種の私の死を意味するのかもしれない、そんな気さえする。

「……ふむ、興味深いね。まとめて検証してみよう。助かるよ」

「いやぁそんな……最近はこれといった業務も無いですし、むしろ私の方が助かってますよ」

研究職という職業柄、他人と意見を交換するのが身に沁みついているのもあるが、やはり何より人と話すのが楽しい。元々コミュニケーションを取るのが得意でないことと、ここ最近人との関わりが少ないことも合わさって、阿桜さんのような親しい人間との気兼ねのない会話は自分の中で大きなウエイトを占めていた。だからこそ、こうして1週間間隔でしか会えないというのもなかなかに寂しいというか、なんというか……。

「……あの、阿桜さん」

「なんだね?」

「お忙しいのはわかっているんですがその……もしお暇ができたらでいいんですけど、また一緒に何か見に行ったりしませんか?その、能楽とか、小噺とか……」

意外だったのか、阿桜さんは鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をしている。あの宣言の前は勉強の一環として一緒に伝統芸能などを見に行くことも少なくなかった。私はそれがすごく楽しくて、今まで自分が触れたことのなかったものを見るという新鮮さも、終わった後に細かく動作の説明や意味などを教えてくれる阿桜さんも大好きだった。弟も一緒に行ったこともあったけど、あのバカはほとんど寝てたっけ……。

「……あぁ、構わんよ。ちょうど気になっている落語家の公演チケットが取れそうでね、暇が取れたら一緒に行こう」

と、阿桜さんは少し困ったような顔で言った。ワガママを言ってしまったかもしれないと反省するが、それよりも一緒に行けるかもしれないという喜びの方が大きい。

「じゃあ、私はそろそろ失礼するよ。上からたんまりと仕事を押し付けられているからね」

「アハハ……お疲れ様です」

そう言いながら、ドアを開けて出ていく阿桜さんを見送る。退屈だけど、こんな日常もいいかもしれないな、と思う。少なくとも私も阿桜さんも友人も、みんなふとした拍子に死んでしまうかもしれないという不安感が常にあったあの頃に比べれば状況は良くなっているのだ。そう考えると今の生活も悪くはない。

こんな日常がずっと続けばいいのにな、そんなことを思いながら私は背もたれに身体を預けた。





「ふぅ……」

バタン、と重厚な扉が閉まる音が背後から聞こえると同時に私はそっと息を吐いた。振り返るとそこには「第8収容対象」と書かれた人型オブジェクト用の収容室があるが、もう見慣れた光景だ。

「……」

若干乱れている白衣を直しながら腕時計に目をやる、……まだ19時か。業務が増えたせいか、最近は時間が経つのがやけに遅く感じる。あの宣言がされたのももう数か月も前だというのに未だにサイト内は慌ただしく、自分もいつも何かの業務に追われている。

「収容対象の様子及び得られた情報は……」

記録用紙にペンを走らせながら数か月前のことを思い返す。記念すべき、あるいはある種忌むべきあの宣言のことを。

『異常性保持職員の収容及び隔離宣言』――それがO5直々に発令されたのはあまりにも突然のことだった。その内容は「現在財団に雇用されている異常性保持職員、並びに準オブジェクトを全て収容し隔離する。」というものだった。
全く予想できなかった、と言えば嘘になる。事実、一部職員の間で異常性保持職員を雇用することに対する不安はあったし、問題行動の多さや異常性を持つことから配属先によっては擬似的なクロステストになる恐れもあるとして、度々会議でも議題として取り上げられていた。それにしてもいささか急すぎるとは思うが。
具体的な実施方法としてはまず該当する職員を全て暫定的に人型オブジェクトとして収容、隔離する。次に、研究職に就いていたものや有益な情報を握っていると思われる者からは情報を引き出し、それ以外の者は正式に人型オブジェクトとして収容、ナンバー振りを行う。
ここで問題になるのが前者から情報をどのように引き出すか、だ。もちろん突然収容されて「情報を出せ」と言ったとして、はいそうですかとすんなり提供してくれるわけがない。情報を引き出す手段としては拷問や自白剤の他に記憶処理の応用などもあるが、どのような方法を行うのか……財団の上層部の用いた手段は、そんな私の考えを凌駕するものだった。

『認識改変技術(仮)』……それは記憶処理技術に並ぶ、財団のもう一つの切り札になり得ると言ってもいいものだった。現在までに起こったあらゆる認識改変・汚染、ミーム汚染の情報の解析と度重なる実験は、ついに財団側からの認識改変すら可能としたのだ。前述の宣言は、恐らくこの技術の完成、及び実証実験の必要性を加味してなされたものだろう。
実際、その技術の効果は凄まじいものだった。現在までに隔離されている元職員は、第8収容対象を含めて全員が未だ自分が財団に所属し、業務を行っていると「認識」している。そしてその架空の業務の一環という形で、我々は実にスムーズに情報を得ることができている。収容対象が普段の自分の業務が少ないことに何ら疑問を抱いていないのは、恐らく現実と「認識」との齟齬に対して「調整」がなされているためだろう。

「……流石にこたえるな」

目頭を押さえ、また続きを書き始める。こうも業務が多いと疲れも溜まってくるものだ。日本支部における異常性保持元職員の数はおよそ40人、つまりそれらの実質的な穴埋めと、それと同じ数の収容対象からの情報収集を両方こなさなければならないのだ、いくら人材が補充されているといっても現在の職員1人当たりへの負担はかなり大きい。が、後続が育つまで辛抱するしかないのが現状だ。そんなことを考えながら報告をまとめていると、近づいてくる足音が聞こえてくる。

「阿桜さん、お疲れ様です」

「……あぁ、八頭くんか」

八頭八研究員……声をかけてきたのは最近すっかり見慣れた顔だった。件の宣言の直後に財団に雇用され、第8収容対象と入れ替わる形で私の部下として配属された。物事の呑み込みも早く、聡明で人付き合いもいい、優秀な後続うちの1人だろう。だからこそ気を付けて育てなければならないのだが。

「彼女に関する報告ですか?うわ、すごい量だな……」

「仕事だからな……いずれはきみもやる業務だ、目を通しておくといい」

報告書を手早く書き終え、八頭へと手渡す。やはり仕事を覚えてもらうには実物を見せるのが一番手っ取り早い。普段であれば仕事の合間に世間話をしたりなどで部下のことを知ったり信頼関係を築くのだが、こうも人手が足りないと仕事を覚えてもらうのを最優先にせざるをえない。

「どれどれ……うわ、字めっちゃ綺麗っすね」

「書く機会が多いと自然とそうなるものさ」

……幸い、業務に関係ない話は向こうが良く振ってくるのだが。しかし一言多いながらも報告書にしっかりと目を通して理解している辺り、優秀な人間なのだろう。あるいは以前まで一を教えて一を知る人間しか相手にしていなかったせいでギャップからそう思うだけなのか。

「ところで彼女ってどんな異常性を持っていたんです?」

「あぁ、話していなかったか……頭部にキツネ属の聴覚器官を有している点、そして痛覚を感じないという点だ」

「無痛症とは違うんすか?」

「第8収容対象の場合、発汗も行い温覚も存在する。そのため歩行能力の低下が見られないし体温上昇の伴う運動も可能だ」

「へぇ……別に変な能力があるわけじゃあないんすね、なんだかかわいそうかも」

「現実改変能力などの能力だけが異常性だというわけではない、通常の生物に見られない外的要因を備えていれば、それは立派な異常性でありその個体は収容対象だ。第8収容対象もあらかた情報が引き出せれば今度は肉体が実験対象になるだろう。何度も言うが、収容対象に同情はしない方がいい。それらを確保し、収容し、保護するのが我々の役目だ。同情すれば、その役目に支障をきたす」

自分に言い聞かせるように話す。収容対象や実験に用いられるDクラスに肩入れしすぎればどうなるか……それは痛いほどよくわかっている。当然職務に支障をきたすし、その恐れから異常性保持元職員と親交のあった人物はほぼ記憶処理を受け、ほぼ親交の無い収容対象に関する業務に充てられている。例外は財団の用意したテストに合格した、私を含めた数人だけだ。せめて自分の部下の尻拭いは自分でする、その一心で私はテストに合格し、第8収容対象の担当になっている。これは他の誰にもできない、私の成すべき仕事だろうから。

「軽率でした、すいません……あ、ところで阿桜さん」

「なんだね?」

「次の土曜、たしか久々に休暇が出てますよね」

「……あぁ、久々の休暇だな」

「一緒にどこかに行きませんか?阿桜さんってたしか日本文学と民俗学選考でしたよね、それ関連でおすすめがあったらぜひ!」

「あぁ、それならちょうど気になっている公演のチケットが……」

そこまで言いかけて何故か言葉が止まった。しばらく考えて理由に行きあたってからふっと自嘲気味に笑う。割り切れていないのは自分の方だ……人のことをとやかく言える立場じゃないな。

「阿桜さん?」

「……そうだな、温泉にでも行くか、いい場所があるんだ」

「やった!楽しみにしてますね」

そう言いながら別の業務へ向かう八頭研究員を見送る。忙しくてたまらないが、それでもやらなければならない。もうあの日常も人懐っこい部下も戻ってこないが、それでも自分が財団でやれることをやるしかないのだ。私は財団職員なのだから。

あの日常も悪くは無かったな、そんなことを思いながら私は前のめりに歩き出した。











Caution!

不適切な情報へのアクセスが検知されました。

警告: アクセス権限のない職員がこのファイルにアクセスするとナントカ的ミーム殺害うんたらによって直ちにいろいろされます。担当者のみ予防措置を受けられます。適切なミーム摂取無しに下部へとスクロールを行えば、即座に口内炎の悪化や普段よく使う指の深爪などが発生します。





























































sumanai.jpg

うん、ごめんね、嘘です。

わすれもの

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル:

説明: