SCP案 山奥で木が倒れるとき
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの中心から半径1.5kmの領域にフェンスを設置し、民間人の侵入を防ぎます。また発見された地域一帯はカバーストーリー"特別保護地区"により民間人の立ち入りを制限してください。SCP-XXX-JP周辺の巡回またSCP-XXX-JP領域内の探査に際しては、必ず2人1組以上のチームで行うかSCP-XXX-JP担当チームと常時通信を行う等、SCP-XXX-JP周辺に存在する人員が常に第三者から観測される状態を維持してください。
説明: SCP-XXX-JPは██県██山中の地表から2.5mの位置にある縄状の実体によって区切られた半径500mの円形の領域です。SCP-XXX-JP内に存在する地形的要素・生態系・植生は周辺一帯のものから逸脱しませんが、SCP-XXX-JP内の植物は遺伝的に周辺の植物との差異が存在しないにもかかわらず本来の強度よりも異常にもろいことが確認されています。また、SCP-XXX-JP内においては多数の倒木の存在が発見されていますがそれに付随して存在するはずの切り株などが存在しないため何らかの再生能力が付与されていると考えるものの、後述する特異性のため確認されていません。
SCP-XXX-JP外周に存在する縄状の実体は、発見当初から経年劣化とみられる外見上の損傷は見受けられるものの、各種損傷に対し物理的な抵抗を持っていることが各種調査にて判明しています。
SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JPの区切られた領域内(以降、領域と呼称する)に進入した人間が視覚的、電波的な手法により完全に第三者から観測されていない状態で領域内の木を倒すことにより発現すると推測されます。この際、木を倒した人間(以降、対象と呼称する)が観測されていない状態であっても木を倒す行為が遠方から何らかの手段により観測された場合は異常性が発現しないことが確認されています。
対象が前述の条件を達成した場合、対象は領域内から消失すると考えられています。これはDクラス職員による実験後の捜索の結果、対象となったDクラス職員が領域内に存在を確認されずかつ倒木を行った後に作動させる予定だった電波発信機による信号が確認されなかったという事実を根拠に推測されています。
異常性が発現する際に倒れた樹木は対象の消失が発生した、または領域内が第三者から観測を行われなくなった場合、倒れた部分を残して瞬時に再生しているものと推測されます。これはDクラス職員を用いた実験に際し、消失したDクラスの人数と増加した倒木の数が合致していることから推測されます。
補遺: SCP-XXX-JPは20██/██/██に██県██市で内偵中だった要注意団体Are We Cool Yet?(以降、AWCYと略記)構成員████氏の失踪
HAZMATスーツ着用者の中にも罹患者が出たので徹底的に感染の要素を洗い出していた時です。
SCP-XXX-JP-Bの音声を調べていたときにほんの僅かですがヒトの可聴域から少しだけ外れた周波数帯に2つのスパイクを見つけたのです。
後の実験でこの僅かな音によって感染が拡大していくことが確認されました。
まるでたちの悪いブービートラップですが感染経路としてはこれ以上ないものでしょうね。 ――███博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 発見されたSCP-XXX-JPはすべてサイト-81██の低危険度物品収容ロッカーに保管されます。SCP-XXX-JPの取扱・実験にはセキュリティクリアランス3の認証が必要です。SCP-XXX-JP実験にはDクラス職員以外の参加は禁止されます。未発見のSCP-XXX-JPが存在する可能性があるため、建材店やホームセンターなど当該品目を扱う可能性のある商店に対し、カバーストーリー『棚卸し』による定期的な捜索を行います。また当該物品を用いて危険予知活動を行う可能性のある作業現場に対し、カバーストーリー『品質管理による査察』による捜索を行います。
説明: SCP-XXX-JPは一般的に「危険予知活動表」と呼ばれる縦400mm、横600mm、重さ2kgのスチール製の片面ホワイトボードです。各種検査の結果、SCP-XXX-JPの素材は異常性を持たないことが判明しています。
SCP-XXX-JPの異常性は、SCP-XXX-JPを用いて危険予知訓練1を行った後、労働災害を引き起こした際に発現します。
SCP-XXX-JPに名前を書き込み労働災害を引き起こした人間(以降『被災者』と呼称)の名前はSCP-XXX-JPから削除され労働災害を引き起こした場所から身につけている物品ごと速やかに消失します。また、被災者の名前が明記されている当該の作業に関わっている物理的根拠2および被災者が現場で作業を行っていたという記憶も同様に消失します。
同時に、被災者が参加していた労務に関わっている人間は距離にかかわらず被災者を認識できなくなります。この際、被災者の身につけていた物品や流出した血液、機材等に原因があった場合はその機材にも影響が及びます。この異常性は被災者の名前が記載されていない場合には発現しない為、無記名のプラスチック札を作業前に配布し作業後に回収された枚数と比較することは未発見のSCP-XXX-JPに対する対策となります。
現在までに██個のSCP-XXX-JPが発見・収容されています。
補遺1: SCP-XXX-JPは20██年8月にサイト-81██にて、「サイト内作業従事者の不自然な減少」という現象が発生した際に発見されました。当時の調査により、サイト-81██内で行われていた施設拡張作業従事者のリストと実際に作業している人員の乖離という着目点から、作業環境を再現した実験によりSCP-XXX-JPの異常性が確認されました。
補遺2: SCP-XXX-JPの2件目の発見事例は20██年11月にサイト-81██近傍の建材販売店にて確認されました。以降の捜索活動により発見された実例の共通点として、異常性を持たない無地のパッケージと販売店舗で読み込むことのできるバーコードおよび「有限会社如月工務店」の文字が印刷された紙片が実例とともに封入されていることが確認されています。
補遺3: 20██年2月、内偵を進めていた東幣重工の関連施設でSCP-XXX-JPが発見されました。当該施設への人物の出入りは2月12日時点で██名が確認されていましたが、翌13日14時の時点で人員の出入りが確認できなくなりました。異常を感知したフィールドエージェントが施設に突入したところ、施設内は無人の状態でした。しかし突入後に不可視の攻撃を受け一時撤退、増援を要請する事態となりました。攻撃の性質上、通常の方法での制圧は難しいと判断された為爆発物を使用した制圧攻撃が行われました。その後の捜索により、SCP-XXX-JPと四肢のような可動部を持った未知の機械の残骸を入手しました。おそらくこの機械により発生した何らかの事故が、SCP-XXX-JPの異常性発現に寄与した結果と推測されます。
アイテム番号: SCP-1013-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1013-JP-1標本はサイト-81██の標準規格水槽に収容されます。水槽内の環境はSCP-1013-JP-1が確保された海域の環境を保ち、水槽の清掃の際にはウェットスーツと防護手袋等で素肌を完全に覆い、素肌での接触を防いでください。また、SCP-1013-JP-1が発見された沿岸域はカバーストーリー"特別保護地区"により人の立ち入りを制限してください。
説明: SCP-1013-JPは、未知の毒性物質を持つミズクラゲ科ミズクラゲ(Aurelia aurita)(以下SCP-1013-JP-1と呼称)の亜種と考えられる生物とSCP-1013-JP-1の刺胞細胞がもつ未知の毒性物質(以下SCP-1013-JP-2と呼称)の総称です。
SCP-1013-JP-1は刺胞内のタンパク質の分子量によってのみ通常のみ判別が可能であり、外見・遺伝的な差異による判別は不可能です。一般的なミズクラゲの刺胞の毒性物質が分子量43000であるのに対し、SCP-1013-JP-1の持つ毒性物質の分子量は██████に及びます。また、SCP-1013-JP-1の刺胞細胞と接触した場合、一般的なミズクラゲの刺胞との接触とは異なり「僅かなむず痒さ」を感じる程度にとどまります。
SCP-1013-JP-2の異常性は、SCP-1013-JP-2が体内にある状態で1.0MPa11以上の圧力を受けた場合に発現します。1.0MPa以上の圧力を受けると、未知の作用により細胞膜間の結合が崩壊を始め、圧力を受けている箇所から連鎖的に崩壊を始めます。この崩壊は圧力が解除されるまで続き、仮に圧力を解かれなかった場合、一般的な成人男性が完全に崩壊するまでの時間は約███秒です。
補遺1: SCP-1013-JPは20██/██/██に███県██市の██浜周辺に伝わる「人の消える海岸」の伝承と、周辺地域の行方不明者の増加傾向の関連性を調査中だったフィールドエージェントによって発見されました。現地警察へ潜入中であったエージェント██がダイビングショップから「ツアー客とインストラクターが予定時刻になっても帰って来ない」という通報を受け、調査により異常性が確認され収容されました。
補遺2: 調査結果を受け、SCP-1013-JPの異常性を調査するための実験を行いました。
補遺3: 以下のインタビュー記録は通報時に発見された██氏へのインタビュー記録の抜粋です。
補遺4: 全国の行方不明事件とSCP-1013-JPとの因果関係は不明です。また、SCP-1013-JP-1の正確な分布域も未だ判明していません。
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