朏魄の落書き帳
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アイテム番号: SCP-1825-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1825-JPは1つのデータ複製を記録媒体に保管し、複製されたデータの記録媒体はサイト-81██の低脅威度物品ロッカー内に収容されます。また、ネット上で発見された新たなSCP-1825-JPは全て削除されます。24時間体制でウェブクローラープログラム"エドガール"による監視を行い、新たなSCP-1825-JPの発生検知と検閲削除を行ってください。SCP-1825-JPの曝露者が確認された場合、クラスC記憶処理を行った後に経過を観察後、回復が見込めない場合は暴露者に終了措置を行ってください。

説明: SCP-1825-JPは不定期にWeb上にアップロードされる動画ファイルです。内容は20██年に███歌劇場で行われたガエターノ・ドニゼッティ作曲の歌劇「ランマーモールのリュシ(Lucie de Lammermoor)」1の第2幕、「狂乱の場」のシーンであると思われますが、細部が一部異なります。最大の差異として、動画内では本来存在するはずのソプラノ以外の演者が全て縊死あるいは刺突等による自死を行ったと思われる状況にあるにも関わらず本来の場面と同じように演じ続けられています。また、シーンの最後に本来は退場するはずのソプラノが小剣により自死を行います。動画の内容と本来のシーンとの差異は以下の通りです。

1: ソプラノ演者の衣装が本来のものよりも著しく損傷しているように見える。また、本人由来と思われる血液により衣装が染まっている。
2: ソプラノ以外の演者全員が何かしらの致命的損傷を受けているにも関わらず、本来上演されていた状態と同じ振る舞いを行う。
3: 劇の中盤にバリトン演者が場に姿を現すが、既に頸動脈から致死量と思われる出血とそれに伴う失血の様相を呈している。
4: 劇の終盤に際し、本来他の演者に引き立てられるように退場するはずのソプラノが演者のうちの一人から小剣を奪い取り自刃する。
5: 場にくずおれたソプラノを中央に映し、画面がフェードアウトする。

SCP-1825-JPを閲覧した場合、曝露者は一般的な反応としてシーンの中盤までに昏倒し、昏倒から回復した後は視聴していた間の記憶を忘却しています。しかし曝露者がなにかしらの創作活動2を行っていた場合、以下のような異常行動を段階的に取ることが確認されています。(以降この状態をSCP-1825-JP-Aと呼称)

第1段階: 曝露者は曝露以前に行っていた創作の手法を用いてSCP-1825-JPを積極的に表現しようとする。
第2段階: 一定期間の後、SCP-1825-JPを表現しようとする試みに対し、負の印象を抱き始める。
第3段階: 表現する試みを放棄し、強力な希死観念を抱き始める。
第4段階: なるべく多くの観衆が居る場所で自死を行おうとする。この時、観衆による静止などには素直に従うが、しばらくの時間の後に再び同様の行動を取る。

第1及び第2段階からの寛解事例は確認されたものの、第3段階から第4段階への進行を阻止した事例、及び第4段階から回復した事例は現在確認されていません。また、第3段階にまで移行したSCP-1825-JP-Aは不明な原理により記憶処理の影響を受けないため、第4段階に移行した対象を発見した場合、収容後一定の観察の後に終了措置を行うことが決定されました。

補遺1: SCP-1825-JPは20██/██/██に██県██市の自殺者の一時的増加を受けて同市に潜入中だったフィールドエージェントが関連性を調査していたところ、既に自殺していた曝露者の所有するPCの履歴から発見されました。発見したエージェントが創作活動を行っていなかったため、発見当初は「閲覧者を昏倒させる動画」だと思われていましたが、検証中であった██博士が曝露後SCP-1825-JP-A第4段階まで進行を見せたため、本来の異常性が発覚しました。

補遺2: 20██/██/██に██博士がSCP-1825-JPへ暴露後、第4段階へ進行したと思われるインタビューログの抜粋です。

対象: ██博士

インタビュアー: エージェント██

<再生開始>

エージェント██: おはようございます、██博士。昨晩はよく眠れましたか?

██博士: いや、ここ数年のうちでも最悪だよ。ずっと頭の中がかき回されてるみたいだ。

エージェント██: 気分が悪いところ申し訳ないですが、二・三質問があるのでお答え願えますか?

██博士: 力になれるかは分からないができるだけ答えよう。

エージェント██: SCP-1825-JPに曝露してから数日経ちますが、その間は何をしていましたか?

██博士: 行動記録は提出済みだとは思うが、まぁアレをネタにして久々にいいものが書けそうだったんで机に向かってたんだ。今はもう何も書きたくないがな。

エージェント██: 我々の業務はよくご存知でしょうになぜSCP-1825-JPを元に作品を作ろうとしたんです?

██博士: ひと目見てからこれはいいものができそうだ、と思ってしまったんだ。まぁ思い返してみるととんだ勘違いだったんだがな。

██博士: 最初はよく筆が進んでこりゃいいものがかけるぞ、とは思っていたんだがしばらくしたら全然書けなくなってな。

エージェント██: それはまたどうして?

██博士: 頭の中からSCP-1825-JPの画が全然離れなくなってな。あの目、まるで今まで俺を責めるかのような目ーーー確かに投げ出したのは俺が悪いし裏切りもした、でも俺はーーー

エージェント██: 博士?

██博士: 俺はやり遂げるはずだったんだ。輝きをつかむはずだったんだ。たとえ誰も見向きもしなくてもーーー

エージェント██: 警備班、博士の様子がおかしい。拘束をーーー

██博士: ここで埋もれるはずじゃ、止まるはずじゃなかったんだ。もっと進むはずだったんだーーー

██博士: いっその事開いてしまえば見てもらえるのか?この中身ごと見てもらえば覚えていてもらえるのか?

<再生終了>

終了報告書: インタビュー直後、██博士が錯乱状態に陥ったため一時的に拘束状態に置かれました。その後も記憶処理等沈静化の試みがなされたものの、回復が確認されなかったため終了措置がなされました。

補遺3: SCP-1825-JPの映像解析を行った結果、フェードアウトする瞬間約10Fほどに以下のような文言が確認されました。SCP-1825-JPの異常性との関係性は不明です。

狂乱の場に我が祈りを持って

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アイテム番号: SCP-XXX-JP(SCP案:貌の亡い男)

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準的な人型生物収容室内に収容されます。SCP-XXX-JPの収容区画内部では監視カメラ、デジタルカメラおよびデジタルな映像処理を行うすべての装置の使用・持ち込みは禁止されます。何らかの形でSCP-XXX-JPの容姿や行動を記録しなければならない場合は、アナログな記録方式3を用いてのみ記録してください。現在、SCP-XXX-JPには軽度の抑うつ傾向がみられるため、週に1度のカウンセリングを実施してください。また、収容によるストレス緩和のため、SCP-XXX-JPから娯楽用品の申請があった場合は所定の審査ののちに許可されたものを与えてください。

説明: SCP-XXX-JPは4█歳の日本人男性です。収容のストレスによる体重減少はみられるものの、標準的な同世代の日本人の身長と体重とは大きな差異は認められません。SCP-XXX-JPの特異性として、SCP-XXX-JPの顔の造形をデジタル処理した画像4を目視した場合、視認した人物の脳の顔領域に甚大な過負荷を引き起こし、その結果視認した人物の顔識別能力に対して永続的な喪失をもたらします。また、SCP-XXX-JPの顔を顔認識システムなどで分析しようと試みた場合、莫大な容量のデータ処理動作によりシステムエラーを引き起こす結果となります。

SCP-XXX-JPは200█/██/██に██県██市内で相貌失認の増加を確認したフィールドエージェントによって

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アイテム番号: SCP-1013-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-1013-JP-1標本はサイト-81██の標準規格水槽に収容されます。水槽内の環境はSCP-1013-JP-1が確保された海域の環境を保ち、水槽の清掃の際にはウェットスーツと防護手袋等で素肌を完全に覆い、素肌での接触を防いでください。また、SCP-1013-JP-1が発見された沿岸域はカバーストーリー"特別保護地区"により人の立ち入りを制限してください。

説明: SCP-1013-JPは、未知の毒性物質を持つミズクラゲ科ミズクラゲ(Aurelia aurita)(以下SCP-1013-JP-1と呼称)の亜種と考えられる生物とSCP-1013-JP-1の刺胞細胞がもつ未知の毒性物質(以下SCP-1013-JP-2と呼称)の総称です。

SCP-1013-JP-1は刺胞内のタンパク質の分子量によってのみ通常のみ判別が可能であり、外見・遺伝的な差異による判別は不可能です。一般的なミズクラゲの刺胞の毒性物質が分子量43000であるのに対し、SCP-1013-JP-1の持つ毒性物質の分子量は██████に及びます。また、SCP-1013-JP-1の刺胞細胞と接触した場合、一般的なミズクラゲの刺胞との接触とは異なり「僅かなむず痒さ」を感じる程度にとどまります。

SCP-1013-JP-2の異常性は、SCP-1013-JP-2が体内にある状態で1.0MPa8以上の圧力を受けた場合に発現します。1.0MPa以上の圧力を受けると、未知の作用により細胞膜間の結合が崩壊を始め、圧力を受けている箇所から連鎖的に崩壊を始めます。この崩壊は圧力が解除されるまで続き、仮に圧力を解かれなかった場合、一般的な成人男性が完全に崩壊するまでの時間は約███秒です。

補遺1: SCP-1013-JPは20██/██/██に███県██市の██浜周辺に伝わる「人の消える海岸」の伝承と、周辺地域の行方不明者の増加傾向の関連性を調査中だったフィールドエージェントによって発見されました。現地警察へ潜入中であったエージェント██がダイビングショップから「ツアー客とインストラクターが予定時刻になっても帰って来ない」という通報を受け、調査により異常性が確認され収容されました。

補遺2: 調査結果を受け、SCP-1013-JPの異常性を調査するための実験を行いました。

補遺3: 以下のインタビュー記録は通報時に発見された██氏へのインタビュー記録の抜粋です。

補遺4: 全国の行方不明事件とSCP-1013-JPとの因果関係は不明です。また、SCP-1013-JP-1の正確な分布域も未だ判明していません。