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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: None

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの全面は外側から厚さ5cmの鉄板で補強され、また完全に封鎖されています。あらゆる事態においてSCP-XXXX-JPの開放は恒久的に許可されません。

説明: SCP-XXXX-JPはサイト81XX西棟の収容室04及び内部のすべての構成要素です。収容室に取り付けられたカメラの映像からは、室内に太田研究員の遺体が横たわっていることが確認できます。特別収容プロトコルの施行以前に実施された電波測定で、室内には遺体の他にサイト81XXで採用されている一般的な清掃用具が存在していることが判明しています。

収容室04のSCP-XXXX-JPへの指定は、1989年2月15日に発生した超常現象89-D22が契機となりました。超常現象89-D22の発生以来、SCP-XXXX-JPが開放されたことはありません。現在、SCP-XXXX-JPの内部には時空間に対して不明な作用を齎す不特定の要素が存在していると考えられており、超常現象89-D22の事後調査によって確認された様々な状況証拠はこの説の信憑性を飛躍的に高めています。SCP-XXXX-JPの開放はTK-クラス:世界凍結シナリオを発生させる可能性を多分に含みます。

超常現象89-D22は1989年2月15日14時50分10秒に日本の神奈川県で同時発生した人体転移現象です。超常現象89-D22の影響を受けた人物は神奈川県のランダムな位置に転移し、様々な死因により死亡した状態で出現しています。この現象により、サイト81XXの職員2名を含む7名が死亡したことが確認できています。詳細な情報は調査報告:超常現象89-D22を参照してください。

調査報告:超常現象89-D22より抜粋

(前略)


サイト81XXに所属する2名の職員、エージェント・木瀬、太田研究員が死亡しています。エージェント・木瀬は収容室04(現SCP-XXXX-JP)の扉の前で発見されました。太田研究員は収容室04内のカメラの映像から姿が確認できています。また、エージェント・木瀬の遺体の付近からは1冊のメモ帳が発見されています。これは超常現象89-D22の影響を受け死亡した花森 ██氏が所持していたものであることが後の調査によって判明しており、超常現象89-D22の重要な証拠とみなされています。このメモ帳には89-D22-1のIDが付与され、現在サイト81XXに保管されています。

(中略)


89-D22-1は表紙にボールペンで「すてないでください」と書かれている1、A8サイズ全60枚綴りのメモ帳です。1ページ目から36ページ目までの記述は、花森 ██氏が超常現象89-D22の発生以前に記したと思われる無関係な内容です。

37-40ページ:

警察の人へ

たぶん今、わけがわからなくなって

私の名前は花森 ██といいます。
このメモに気がついてくれてありがとうございます。
これを絶対に捨てないでください。読んでください。

気が付いたら私の目の前で知らない女の人が倒れていました。そして、白いブレスレットを
私はおどろいて、大きな声を出したのですが、すぐにおかしいことに気がつきました。
周りからは何の音もしなくて、とても静かでした。
そして、よく見るといろんなものが全部、動かなくなっていました。
まるで時間が止まっているみたいだと思いました。本当にそうなんじゃないかと思っています。
カバンに入っていたペンとメモ帳は使うことができたので、これを書いています。

のどがかわきました。お腹も空きました。たぶん、死ん
これは夢だと思っています。
でももし夢じゃなかったら、わからないけど、誰かが私と同じようになるかもしれません。ならないかもしれません。
すみません。許してください。
もし、私と同じことが起こったら、それは私のせいです。
警察の人にお願いするしか思いつきませんでした。
本当にごめんなさい。


このあと、お布団で目が覚めますように。
ダメだったら、お父さんとお母さんにありがとうと伝えてください。よろしくお願いします。
家のドアは閉まっていて入れませんでした。

住所:神奈川県横浜市██████████████████████████

41-44ページ:

エージェント・木瀬 殿

捨てずにお読みいただきありがとうございます。
花森 ██氏が私のポケットにこのメモとペンを入れてくれたのは本当に幸運でした。

状況は理解していただけたかと思います。以下に判明していることを記述します。何かの役に立つと幸いです。
・生物、非生物問わずほぼ全てが停止しています。動かすこともできません。
・所持していた物品は動かせるようです。しかし、手放してから少し時間が経つと動かせなくなります。
・自身の代謝は働いているようです。
・太陽も動いていません。1日ほど経過しましたが気温の変化もおそらくありません。
・左手首に覚えのない金属製?の腕輪が巻き付いています。外すことが出来ません。

そして、あなたにこれを負わせることになってしまい本当に申し訳ありません。花森 ██氏のメモと私の置かれた状況を考えるに、この現象は死亡したときに最も近くの人間に移っていくのではないかと思います。

またこれはお願いですが、妻と娘に、突然逝ってしまうことについての謝罪と、これまで共に生きてきて感謝していることを伝えて下さい。

これをあなたがた、財団に託します。私があなたがたの存在を知っている警官であったことを誇りに思います。

山岡 ███

(45-48ページの紙は破り取られています。)

49-51ページ:

サイト81XXの職員の方々へ向けて

概ねの状況は把握していただけたのではないかと思います。多くの幸運と不運の積み重ねの結果、今この状況があります。

何らかの原因によって時空間に影響を与えるアノマリーが出現、もしくは発生したのではないかと推測しています。そして恐らくは、現在私の左手首にある腕輪がそうです。私がこの状況下に置かれたとき、全く覚えのないこの腕輪が装着されていました。

およそ2日程度の時間をかけて周辺地域を見回りましたが、未だ甚大な被害にはなっていないものと思われます。

私が考えうるひとつの対処法は、これを物理的に閉じ込めることです。全くの無駄かもしれません。私は今、復帰不可能なK-クラスシナリオを体験しているのかもしれません。しかし私は全く何も動かせないこの状況下において、"それ"を行うために理想的な人物・場所を見つけました。この機会を逃したら、2度とないかもしれません。私の考えが誤っており、彼が失敗した場合は、そのときはよろしくお願い致します。

皆さん、ありがとうございました。

エージェント・木瀬 改め 木瀬 光一

(以降のページは白紙です。)

(後略)

追記: SCP-XXXX-JPの危険性は状況証拠に基づく推測に留まります。現在の収容プロトコルはそれらの状況証拠が示唆する危険性と収容コストを総合的に鑑み制定されたものであり、SCP-XXXX-JPに対しこれ以上の特別な収容措置を講じる必要はありません。超常現象89-D22の解明のための調査は続けられています。