「擬神化」
アイテム番号: SCP-001-JP-EX
オブジェクトクラス: Explained
特別収容プロトコル: 大日本帝国における、神道十三派を含む宗教団体法に登録された神道系統団体、特に伊勢神宮、ならびに内務省神社局の動向を常に監視すること。その動向に異常あらば、プロトコル
説明: SCP-001-JPは、大日本帝国における国家祭祀とされている神社神道における、八百万の神です。
歴史的事実として財団は、17世紀後半から19世紀におけるかの国の鎖国政策によって、当該地におけるオブジェクトの発見並びに研究調査が他国に比べ大幅に遅れていました。しかしアメリカ政府による外交的交渉によって開国が成され、現在大日本帝国に対する調査が大幅に進んでいる状況です。
日本には古来から、万物には神が宿る、八百万の神といわれる宗教観を持っていたことが判明しています。
大日本帝国は1882年以降、"神社神道は宗教ではない"との立場を表明し、
「きぼう」

財団エージェントにより撮影された教室

財団エージェントにより撮影された教室
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 実験棟「きぼう」の外部ハッチは今後開放厳禁とし、各国宇宙開発関連組織ならびに各国宇宙飛行士には、カバーストーリー"整備不良による永久凍結"を適用してください。
説明: SCP-XXX-JPは、国際宇宙ステーション(以下ISSとする)にある宇宙実験棟「きぼう」内部から外部ハッチに通じる異常空間です。
SCP-XXX-JP内部に2人以上の性別の異なる人間が入った場合、教室に設置されている黒板に相合傘が現れ、内部に入った人物の名前がそこに現れます。この場合、左側に男性、右側に女性の名前がまとめて現れます。この相合傘が現れた瞬間、内部の人間には強烈な快感を感じ恍惚状態に陥る事が判明しています。しかし、男女の数がつりあっていない場合、人数が多い側の人間は少ない側の人数と同数の人間しかこの現象は発生しません。
恍惚状態となった人間は、██中学校の校歌を歌いだし、飛び降り自殺死体が現れる。
画像はTVfishさんに提供していただきました。
青の教室

財団エージェントにより撮影された教室
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 収容のため、学校は合併による廃校とし、警備の為の職員を配置して、学校の周囲を厳重に塀、柵で囲み一般の人間が敷地内に入り込むことのないようにしてください。
説明: SCP-XXX-JPは、鹿児島県██郡██町立██中学校の屋上につながる扉から入る事の出来る、不定期に出現する空間です。扉の向こうには、全ての物体が青い事以外はその学校と全く同一の設備を備えた教室が存在しています。教室内部には、詳細不明の複数人の女児や男児の声による██中学校の校歌が常に鳴り響いています。この音声の発信源は特定できていません。
SCP-XXX-JP内部に2人以上の性別の異なる人間が入った場合、教室に設置されている黒板に相合傘が現れ、内部に入った人物の名前がそこに現れます。この場合、左側に男性、右側に女性の名前がまとめて現れます。この相合傘が現れた瞬間、内部の人間には強烈な快感を感じ恍惚状態に陥る事が判明しています。しかし、男女の数がつりあっていない場合、人数が多い側の人間は少ない側の人数と同数の人間しかこの現象は発生しません。
恍惚状態となった人間は、██中学校の校歌を歌いだし、飛び降り自殺死体が現れる。
画像はTVfishさんに提供していただきました。
遺書No. ██████ 執筆者:〔波戸崎壕〕
私は財団で労働を行うにあたり、生命が危険に晒される可能性のある業務に従事する可能性があるため、遺書を執筆しなければならないとの通達がありましたので執筆いたします。
まず、この遺書には後世に残したい情報のみを記載せよとのことでしたので、私はまず、私の一族、波戸崎家について、今知っているだけの事をここに書きます。
しかしながら、自分の現在のセキュリティクリアランスレベルでは、開示できない情報も多いのが現状です。
波戸崎家は、代々日本において超常的な存在を取り扱う蒐集院という組織に属していたと聞いています。
そして、祖父の代に蒐集院は財団に吸収され、祖父は財団職員となり、父、そして私がそれに続いて財団職員になったという、大まかな流れしかまだ知ることが出来ません。
私については、財団内サイト-81██にある病院で生まれました。幼少期を過ごしたのも、財団内の託児所でした。
これは後から知ったことですが、通った小学校、中学校も、財団関連の私立学校でした。そこから、財団職員養成機関に入学し、7年の歳月をそこで過ごしました。そうして、今財団職員になり、このような遺書を書かされているという現状に至ります。
後世に伝えるというのは、どういうことなのか今の自分にはよく分かりません、これから、わずか数年で死んでしまうことになるかもしれないなんて、考えることが出来ません。幸い、この遺書はいつでも好きなときに加筆修正が出来るようになっているので、私のセキュリティクリアランスが上がり、父や祖父の更なる経歴の詳細が開示されれば、それをここに書き加えていこうと思います。
私には、まだ子供がいません、これから出来る予定もありません。でももし、将来私の子供や孫がこれを読む機会があれば、自分のルーツを伝えられるような、そんな遺書にしたいと思います。
以上
上の遺書については、同僚へのあの挨拶回りを除けば、私が財団職員になってから記念すべき初めての仕事とも言えるので、あえて修正はせずそのまま残しておく。
先日、セキュリティクリアランスの昇進が行われ、私の家系に関する新たな情報が開示されたため、ここに加筆する。
祖父は、蒐集院が財団に吸収される前、つまり第二次大戦中は、蒐集院ならびに日本海軍に属していたとのことである。
蒐集院と日本海軍の間に何らかの協力関係があったと思われるが、そこまで詳しい情報は開示されなかった。
祖父は東南アジアにおいて海軍の機動部隊に同行し、現地の土着的な異常存在を調査する役割を担っていて、そこで終戦を迎えたようだ。
しかし、祖父の元に終戦の知らせが届くことはなく、終戦後数年は、自給自足で東南アジアを転々としながら異常存在の観測調査を行っていたようである。そして、タイにおいてオブジェクト調査中財団と接触、元々どちらかというと研究者気質であり、好戦的な性格ではなかったらしく、特に抵抗することなく事情を受け入れ、財団職員となったとのことだ。
そして、祖父は当時東南アジアに存在していた英国領において英国人財団職員の女性と結婚、つまりはそれが私の祖母である。
その後、財団職員として祖父は、文化・技術的交流として英国に赴くこととなる。これは蒐集院と同じく財団に吸収された伝統的呪術・宗教的組織が存在していた為、との記録が残されている。
父は、祖父の英国赴任中に誕生したと記録されている。私と同じく、英国の財団職員養成機関に進学し、財団職員となったようだ。ただし私が通ったような研究者のための育成機関ではなく、映画顔負けの英国諜報員育成機関だったそうである。これは本人から聞いたので間違いはない。
そして祖父の赴任期間狩猟と共に、祖父母、父ともに日本に帰国し、現在に至る。とのことだ。
私にとって一番大事な両親の出会い、結婚までの敬意についてだが、おそらく財団にとって重要なこと以外については詳細が省かれているらしく、文面では結婚の日付と、私の生年月日のみが記載されていた。これについては、両親に尋ねても、最重要機密事項だからと教えてはくれなかった。いつか教えてもらいたいことだ。最後に書いておくが、まだ、子供を作る予定はない。誰に向けてこれを書いているのか、分からないことが少し怖くなってきた。これを読む人が誰もいないような未来にするわけにはいかない。人類の保護を、財団と波戸崎家の存続と繁栄を、今も切に願う。
祖父の葬儀が終わり、祖父の遺言を読んだ。
その内容について、これをここに書く義務があると考えたため、書き記す。
波戸崎一族について、最重要なことだ。これを読む未来の人間についての事でもある。
波戸崎家が、代々命の危険に晒されるような仕事を生業としてきて、どうして途絶えることがなかったのか。
何故、ここまで子孫を残すことが出来たか、その事実について。
単刀直入にいえば、古来から蒐集院には、生殖細胞の優れた保存技術を既に持っていたらしい。つまりは精子バンク技術において先進的な技法を独自に編み出していた。
つまり、波戸崎本家は代々一族において家系の継承者たる長男が早世したとしても、残された生殖細胞によってその存続を維持してきたという歴史があったのだ。
生前、祖父から、波戸崎家には、先祖代々からの家訓、しきたりについて聞いたことがある。それは、男子が精通するまでは決して働きに出させず、大事に育てること、というものだ。私はこれを聞いたとき、単純に一人前の大人になるまで、という儀礼的で古臭い教えだと考えていた。しかしそうではない。これは、本来の意味で子孫が残せるようになるまで、一族の命を繋げるために存在したルールだった。
更に、これは波戸崎家の男が財団に所属するようになった現在も続けられていると、父から葬儀の後に聞いた。
私も、財団に入るとき、健康調査目的という理由で精子を財団に提出したが、その本当の目的は、波戸崎の遺伝子を後世に伝えるためのサンプルを提出したというのが真実だった。
この事実を知って、今私は、心の中に安心感が広がっているというのが正直なところだ。
我が身がたとえ明日朽ち果てようと、財団が存続している限り、私の一族は滅びることはない。現在我が子のいないこの身にとっては、これ以上ないほどの安心できる保険だと、今私は素直にそう思っている。我が子孫がこの遺書を読み、私のように安心してくれると信じている。我が子孫が将来私のように財団に所属し、このセキュリティクリアランス4まで昇進してくれると信じている。私は一生、祖父のように財団に貢献し続けることをここに誓い、今はこの遺書を書き終えることにする。
20██/10/██に執筆者:〔波戸崎壕〕の死亡が確認されてから、遺書No. ██████は、最終閲覧日20██/12/██以降、現在までにおいて、███年以上閲覧されていない状態にあります。財団の個人記録文書保存規定No. ██に則り、この文書はあと1ヶ月閲覧されることがない場合、自動的に削除されます。
僕は今、混乱の中にいる。
「何もかもまともじゃない!」
昨日から何度となくたどり着いた結論にまた戻ってくる。
「財団って、何なんだよ!確保、収容、保護って、何なんだよ!あいつらのほうが、よっぽどおかしいだろ!」
僕は理解できない。頑張って就職した、この組織の事が、何一つ理解できていない。その恐怖に怯えているのを自覚する。
昨日新人の慣習として、挨拶回りをした財団職員達の姿、その行動が脳裏に焼き付いて離れない。
「くそ、訳が解んねえよ!唐揚げに、犬!?職員は外見からしておかしな奴ばかりじゃないか!あいつらは収容しなくていいのか!」
今の思いを独り言でもいい、吐き出したいという感情を抑えることが出来ない。
「外見がまともな奴らだって、内面は異常な奴ばかりだった!なんだよあのマジック!俺をバカにしてるだけじゃないのか!それにあの双子やら、殺しても生き返る屑野郎、あと気色悪い変態!」
今日朝一番に親父や爺ちゃんに直訴したが、取り合ってもらえなかった。それどころか、落ち着くまでここにいろ、いずれわかる事だと、知らない部屋に無理やり入れられてしまった。
何だよ、こんなところに閉じ込めやがって!身内の批判は受け付けないってことなのか?
僕のなかで、だんだんと怒りがこみ上げてきた。いくら優秀でも、人間じゃないような奴らが、人間を、人類を守るということに、適しているのだろうか?
そんな事を言ったって、新入職員のの意見なんて聞く奴はいないんだ、と分かっていても、言葉が出てきて・・・し・・・・・・ま・・・・・・・・・
突然、首筋に何かを刺されたような感覚と共に、僕の意識は、段々と薄れていった。
目を覚ますと、僕は椅子しかない部屋に座らされ、昨日挨拶回りをした職員達が、正面にある大きなガラス窓を隔てて皆そこにいた。全員が僕を、俺を見てやがる!
「あんた達は本気でscipから人類を保護する気があるとは俺には思えない!ただ狂気を楽しんでるだけじゃないのか!」
彼らは、ただ、俺を見つめているだけだ。
「俺はお前らとは違う!親父がやってきたように自分の命をかけて確保、収容をする、そんな財団職員でありたい!」
彼らは、何も言わない。
「爺ちゃんがやってきたように、人類の進歩のため、科学の発展のため、未知の現象を解明する、純粋な研究者でありたい!」
彼らは、何の反応もしない。
「SCPの脅威から人類を守るのが子供の頃からずっと俺の夢だったんだ!この夢だけは、例え記憶処理をされてたとしても消えない! 波戸崎の血に、DNAに、それが残ってるからだ!」
あいつらは、ただただ無表情だ。
「壕くん、ありがとう。」
壁越しに、マイクからの音声がスピーカーからこちらに届く。
烏天狗の仮面をかぶった男、海野さんがそう口を開いた。彼は僕が幼い頃にお世話になった財団職員だ。彼は続けてこう言った。
「君に、大事な話をしなければならない。君は、財団に昨日付けで入団したと思っているが、実はそうではないんだ。」
いくらよく知っているはずの海野さんの言葉とはいえ、その言葉を直ぐに受け止める事はできなかった。俺はまだ、財団職員じゃないというのか?
「これは財団職員の中でも、君のような特殊な出自の職員にしか適用されないものだ。つまり、近親者が財団職員であるという、そういう出自の事だが。」
頭が理解をしようと回転しているが、未だどういう事なのか全く見えない。
「そういう人間は、財団という概念を過度に信仰していることが多い。出来るだけ財団に従順でいようと、そう思う傾向がある。」
何だ。
「そして財団のすることは、すべて正しいと、そういう風に考える傾向もある。財団は、そのような分かりやすい善悪の概念に基づく組織ではない。」
何なんだ。
「今回の挨拶回りは、いわばそれらを判断する為の最終試験のようなものだったわけだ。本当は挨拶回りなんて慣習は、財団には無い。」
つまり全ては、俺を試す為、だったというのか?
「これで、財団の就職採用試験は全て終了だ。今までの言動から判断した結果、君は――」

SCP-XXX-JP

SCP-XXX-JP-1
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-81██の収容室に収容し、外部に逃亡することの無いよう24時間態勢で監視を行ってください。SCP-XXX-JPへの接触はその生成物の研究が目的の場合のみ許可されています、その際は対刃全身装甲防護服の着用をして下さい。
説明: SCP-XXX-JPは、全長約90cmほどの節足動物である蠍(サソリ)を模した機械です。SCP-XXX-JPは現在、78体が収容されており、その全ての個体が一般的な蠍の生態と同じように動作するように内部のコンピュータにより制御されています。財団による調査で、その機構について解明が進んでおり、多脚による動作に関して未知の技術は使用されていないことが判明します。しかし、内蔵されている小型電池に関しては、従来のものよりその容量が非常に大きいことが判明しています。
またSCP-XXX-JPは、内部に未知の技術により特殊な液体を自動的に生成する機械が存在しています。そして、1m以内に近づいた人物に対し、尾についた針を刺すことでこの生成物を相手に注入する性質を持っています。SCP-XXX-JPの生成物を体内に注入された人物(以下SCP-XXX-JP-1とする)は、その両目の眼球に数字が表れます。この数字は、右目が10の位、左目が1の位を表し、SCP-XXX-JP-1本人の視界からもその数字が反転して正しく見え、常に視界の中央に存在し続けるように見えます。数字は最初99から始まり、SCP-XXX-JP-1の歩数(この場合、地面又は床から片足が離れ、再度地面又は床に接地する行為を1歩とする)により減少していきます。また足もしくは全身を常に地面につけて、すり足や匍匐の状態で移動した時、生成物を注入された地点からSCP-XXX-JP-1が移動した距離の累計が10mになるごとに、数字が1つ減少することが確認されています。
そして、SCP-XXX-JP-1の眼球に表れた数字が減少していくと共に、SCP-XXX-JP-1にはSCP-XXX-JPの個体によって様々な未知の原因による影響が現れることがDクラスを用いた実験により判明しています。この影響を回避するには常に足が地面に接しないよう車椅子などに乗って移動する他ありません。また、義足を用いた場合には実際の足で歩いた場合と同様の結果が得られました。
SCP-XXX-JP-1に現れる影響一覧
SCP-XXX-JP-い | 数字が減少していくと共に全身が赤くなり、同時に体温が上昇、最終的に摂氏50℃以上となり多臓器不全で死亡します。 |
SCP-XXX-JP-ろ | 数字が減少していくと共に全身が橙色になり、同時に認知機能の低下が見られ、さらに非常に暴力的となり、周囲にいる人物へ無差別な暴行をし、最終的に自傷行為を繰り返し自殺してしまいます。 |
SCP-XXX-JP-は | 数字が減少していくと共に全身が黄色くなり、同時に五感が機能しなくなっていき、最終的に全ての感覚が無くなります。 |
SCP-XXX-JP-に | 数字が減少していくと共に全身が緑色になり、同時に体の各関節が動かせなくなっていき、最終的には体を一切動かせなります。 |
SCP-XXX-JP-ほ | 数字が減少していくと共に全身が水色になり、同時に体温が低下、最終的に摂氏20℃以下となり低体温症による心肺停止で死亡します。 |
SCP-XXX-JP-へ | 数字が減少していくと共に全身が青くなり、同時に一日に占める睡眠時間の割合が増えていき、最終的に24時間睡眠状態となり起床が出来なくなります。 |
SCP-XXX-JP-と | 数字が減少していくと共に全身が紫色になり、同時にめまい、吐き気、発疹などが広がり、最終的に急性心筋梗塞により死亡します。 |
SCP-XXX-JPは、財団が東弊重工の実験場として使用されていたと思われる、北海道に属し陸地から██km離れた地点に位置する、██島への調査を行った際に発見されました。██島には、東弊重工の放棄された研究施設があり、その施設内部地下にて活動中のSCP-XXX-JP120体と、東弊重工の研究者と思われる7色に変色した死体45人が発見されました。
またこの調査を行った際、機動調査部隊の隊員19名がSCP-XXX-JPによる生成物の注入を受け、SCP-XXX-JP-1となり、その内11人がパニック状態となり島内で死亡、残り8人は、機動部隊長による特異性の看破による指示を適切に遵守し、他の隊員に背負われる形で施設から運び出された為、生存状態で財団に保護、回収されました。この際の戦闘によりSCP-XXX-JP42体が破壊されました。(SCP-XXX-JP-1となった機動部隊員の処遇については補遺2参照。)現在、SCP-XXX-JP-1は今回の事案にて発生したもの以外は確認されていません。
補遺1: SCP-XXX-JP-1の処遇について
前述の調査中にSCP-XXX-JP-1となった機動部隊員8人は、サイト-81██の標準人型収容室に収容し、常に電動車いす一体型ベッドを利用させるようにして下さい。また、車いすを利用していれば、本人の希望によりサイト内を自由に移動することを許可して構いません。現在、財団によるSCP-XXX-JP-1の異常性除去の研究が進められています。
補遺1: 東弊重工██島研究施設にて発見された文書
企画提案書 顧客
Fictional Reality Entertainment Ltd.[[footnote]]SCP-759-JPとの関連性が推測されます。[[footnote]]依頼内容
体感型ゲームのための敵性オブジェクトの製作企画案
体感型ゲームということで、 毒を持った敵を製作し、その解毒薬[[footnote]]調査の結果、██島研究施設内部にそのような物は発見されていません。[[footnote]]を近辺に配置することで「チームワーク」、「臨機応変度」、「探索能力」などクリア時の成績を判断する。
なお、今回使用する多脚生物型機械は、日生創との共同開発計画[[footnote]]SCP-373-JPとの関連性が推測されます。[[footnote]]にて使用された設計案を流用することで開発費のコストダウンを狙う。提案者 ██████
画像はこちらのものを使用しました。
https://www.flickr.com/photos/rarvesen/9052607658/
画像はこちらのものを加工して使用しました。
https://www.flickr.com/photos/8047705@N02/5533384051/
またここに来ることになるとは、と目の前にある扉につけられた名前を見て、そう思った。
ノックをして「失礼します。堀田博士、波戸崎です。」と言うと、
すぐに「入っていいですよ」と返事があり、その声を聞いて少し緊張しながら扉を開ける。
そこには、以前来たときと同じくお菓子に囲まれた"彼"の姿、それを見て更に僕の中で緊張が増すのを感じた。
「どうも、波戸崎君、挨拶回り以来ですね」
そういった"彼"の声は、やはり女性のようにしか聞こえない。
「え、えぇ、あのときはお菓子までいただいて、ありがとうございました。」
あの時僕は、堀田博士を完全に女性だとずっと勘違いしていた。後にじいちゃんとの会話で堀田博士は本当は男性であることを教えてもらった時、驚愕のあまり言葉を失った僕の姿を見た親父に大笑いされて恥をかいたのだった。
親父には固く口封じをしておいたので、その事を堀田博士は知らないはずだが、とはいえ、今本人を目の前にしても同姓であることを疑ってしまうほど、彼は女性そのものの容姿と、声をしていた。
「波戸崎君、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ、挨拶回りで色んな職員に会ったと思うけど、私は至って"普通"の研究者だから」
「あぁ、いえそういうわけではないんです、大丈夫です、ところで用件というのは何ですか?」
さすがに男性相手に女性不信が出掛かってるとは言えず、僕は無理矢理話題を変えた。
「そうだそうだ、その用件と言うのはね」
堀田博士は僕に一枚の写真を見せた。写真には、檻の中に入ったニホンオオカミが写っていた。
「これは、ニホンオオカミですよね?」
「はい、君の専門は動物型SCP、もちろんニホンオオカミも研究対象だと思います、そこで、研究に協力してもらおうと思って、今回は呼ばせていただきました。」
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの記載された楽譜はサイト-81██の財団標準金庫に保管して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは、198█年、作曲家████氏によって作曲された、全部で4つの楽章からなる、交響曲第1番「人間」の演奏時に発生する異常現象です。SCP-XXX-JPは、楽譜に指定された編成である、弦楽器 | ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、ハープ |
---|---|
木管楽器 | フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット |
金管楽器 | ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ |
打楽器 | ティンパニ、大太鼓、小太鼓、シンバル |
が全て、各楽器の人数に関わらず揃っている状態で、なおかつ演奏者、指揮者以外で楽曲を聴いている人物(以下聴衆とする)が16人以上いる時に演奏された場合、指揮者は指揮を、演奏者は演奏を、自分の意思に関わらず止められなくなり、また聴衆も、自分の意思に関わらずその場から動くことが出来なくなります。SCP-XXX-JPは交響曲の構造として、第1楽章の始まりと第4楽章の終わりの16小節が全く同じ譜面となっているため、一切途切れることなく楽曲の循環が可能となっています。演奏者の演奏を止める為には、楽器を破壊する以外方法が無く、同じように指揮者は指揮棒の破壊によってのみ指揮を止めることが出来ます。全体の演奏を止めるためには、何れかのパートの楽器全てを破壊しなければなりません。それにより、聴衆も演奏を聴くことを止めることが出来ます。また肉体的、精神的疲労により演奏者、指揮者の意識が無くなった場合も、体は動き続け演奏、指揮を続けることが判明しています。
また、第4楽章の途中で、聴衆は斉唱を行い演奏に参加します。本来の楽譜には斉唱の記載は無く、聴衆に対するSCP-XXX-JPによる精神影響であると考えられます。更に聴衆も、意識が無くなった場合も声帯並びに肺の筋肉が動き続け斉唱を行い続けます。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、現在収容不可能ですが、Amazonのサイトに意味不明な文字列のレビューを投稿できないよう対策を施しました。しかし収容違反が発生した場合、レビューを即刻削除、情報操作部隊による被害の収拾を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、通販サイトAmazonに現れる書き込み者不明の意味不明な文字列のレビューです。このレビューを見た人間は、レビューされた商品に対し、非常に強い嫌悪感を覚えます、そして、そのことを他者に伝えたくなり、その商品に対し批判的なレビューを書き込みます。また、その商品の作者、メーカーなどにも同様の嫌悪感を抱くことが判明しています。
これは今よりずっと未来のお話です。
いわゆる一つの可能性に過ぎず、本当にそうなるかは誰にもわかりません。
あくまで仮定の話、としておきましょう。
あるところに天才がいました。その天才は、SCP財団という組織に在籍していて、各国にある支部の連携を図る仕事に就いていました。
天才である彼は考えていました、今のままでは、各国支部の連携は上手くいくはずがない、と。
それは何故か、簡単です。世界にはたくさんの言語があり、各国支部の報告書は、それぞれの国の言語で書かれていたからです。
他国の支部の報告書を読むためには、いちいち翻訳が必要で、膨大な数の支部にあるさらに膨大な数の報告書をすべて読み、理解している人間は誰一人としていませんでした。
これでは、財団は本当にすべてのSCPを理解している、とは言えないのではないか。と考えたその天才は、あるプロジェクトを立ち上げ、わずかな期間でそのプロジェクトを完成させてしまいました。
それは、地球にあるすべての言語を、どんな文法、書き方であっても完全な形でどんな言語にも翻訳できるソフトウェアの開発でした。
この、ある意味世界統一言語とも言えるソフトウェア、仮に、「ミスター・ほんやく」としておきましょう、ミスター・ほんやくのおかげで財団の中の誰もが瞬時に世界中の支部のあらゆる報告書を読むことが可能になりました。
そして、そのおかげで、地球上で発見されたすべてのSCPが分類され、体系化され、データベース化されるようになりました。
そして、それと同時に驚くべき事実が発覚しました。
ある国の支部で発見されたSCPが、全く別の国の支部で発見されていたSCPに非常に類似した性質であった、という事例が多数報告されたのです。
この事実が発覚したことにより、SCPが新たに発見された場合、まずデータベースに検索をかけ、似たような性質がないか調査を行う、という手順を踏むようになりました。
そして、似たような性質が既存のSCPにあった場合、新たなSCPナンバーが与えられることは無く、「類型SCP」という新たなカテゴリーに分類されるようになりました。
「類型SCP」というカテゴリーが新設された頃と時期を同じくして、SCPに新たな現象が現れるようになりました。
それは、 「類型SCP」に分類されたSCPが、しばらくの期間の後に、突然消滅してしまう、という現象です。
ミスター・ほんやくが開発される以前、過去にも何度か、同じ支部の中ですでに確保されたものと似たような性質のSCPが新たに確保された場合、後者が突然消滅する、という事例はいくつか報告されていましたが、今度はそれが世界規模で報告されるようになったのです。
またそれと同時に、SCPの発見に関しても、新たな傾向が表れはじめました。
当初、「類型SCP」よりも、通常のSCPの方が多く発見されていましたが、段々と年月が経つに連れ、「類型SCP」の方が増加しはじめ、逆にSCPに新たなナンバーを与えるケースの方が減少しはじめたのです。
そして、 ████年、ついにSCPに新たなナンバーをつけることのない年が訪れました。
世界中の博士が、この現象に答えをだそうと必死になっていました。
そんな中、ある人が論文を発表しました、それは、ミスター・ほんやくを開発した、あの天才でした。彼は論文の中に、以下のようなことを書いていました。
「SCPが何故存在するのか、私は考えた、そして、同じ支部の中で似たような性質を持ったSCPが消滅する、という事例を読んだ時、私はその答えにたどり着いた。
SCPの存在理由、それは、その性質の独自性、オリジナリティである、と。それこそがSCPという存在をSCPたらしめる、唯一にして最も重要なアイデンティティである。
そう確信した私は、ミスター・ほんやくを開発し、各国の支部が連携して全世界のSCPを分類し、体系化したデータベースを作れるようにした。
つまり、新たなSCPが発見された場合、データベースのふるいにかけることで、この性質はあの国の支部のあのSCPに類型している、という点をあぶり出し、SCPの独自性を奪ってやることにしたのだ。
私の予想通り、「類型SCP」にカテゴリーされたものは尽く消滅した。そして、データベースのふるいは、新たなSCPが生まれる可能性を狭めてやることにも成功した。
SCPが持つことのできる独自性は、無限ではなく、いつかはオリジナリティに限界が来る。この世のすべての創作物に、完全なオリジナルなど存在せず、何らかの作品の影響を受けているのと同じように。
そうして、この世から新たなSCPは現れることが無くなった、これで人類は、SCPの呪縛から解放された。確保、収容、保護はここに完了したのだ。」
今現在、彼の論文が本当に正しいのか、それは誰にも分かりません、何故なら、彼の言うように、SCPの独自性、オリジナリティに本当に限界があるのか、分からないからです。
あくまで仮定の話、としておきましょう。
未来、人類の歴史の中で、SCP、あるいは創作物の独自性が本当に失われたと世界中の皆が思うようになる、その日までは。
- みかん
- 学校の屋上
- 五感
- 旋盤
- 皮膚の疾患と泥
- どくじょうたい
- タブレット・タブレット
- 炎上批評家
- 変動する経済水域
- クラタス
- 国際宇宙ステーション
- 上杉謙信女性説
- 青春の影
- 麻酔銃使い
- 怒るとやばい(髪の毛関連)
- 生物マニア
- 財団人間収集癖
- 波戸崎堀田Tale-FS
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル:
説明:
…上記特殊事案から10年が経過し、その間一切の異常現象が認められないため、SCP-377-JPはその特異性を喪失したと考えられ、オブジェクトクラスの分類をEuclidからNeutralizedへと変更する事をここに申請する。
201█年 10月██日
波戸崎繫博士
新たなオブジェクト発見の疑いあり、との報告が入り、
『殺しても生き返るあの屑野郎、それからあの気色悪い変態!』
『ひとしきりの罵詈雑言を並べ吐き出した後も、僕の怒りは収まらないでいた。』
補遺: 大瀧信康氏へのインタビュー記録
対象: 大瀧信康
インタビュアー: ██博士
付記: 大瀧氏に対してはカウンセリングの結果、精神的に安定した状態にあると判断されたため記憶処理を行っていない。
<録音開始, 201█/6/3>
██博士: 本日もよろしくお願いします。まず、あの教室が現れた日の事について聞かせてくれませんか?
大瀧氏: はい、あれは中学の卒業式でした。式が終わったあと、確か財津[[footnote]]財津省吾はSCP-XXX-JPの影響を受けた10名の中で現在唯一行方不明であり、SCP-XXX-JPと何らかの関連があるのではないかと推測されます。[[footnote]]って奴が屋上に行ってみようと言い出したんです。当時は屋上が常時開放されてて、みんなも普段からよく行っていたし、最後の思い出作りとしてそこに行こうって話になったんだと思います、それで、あの屋上へ続く扉を開けたら、あの青い教室がありました。
██博士: それで、あなたたち10人は教室に入ったわけですね?大瀧氏: そうです、今までそんな不思議な事なんて無かったし、面白がって、教室に入って、そこで学校の思い出話をみんなで語り合いました、確か最後に校歌を歌って帰った記憶があります。
██博士: あなたが、あの中学校に教師として戻ってきた理由は、その教室なんだね?
大瀧氏: はい、僕はあの青い教室がずっと忘れられかったんです。あの日、皆で過ごしたあの青い世界がもう一度見たくて、卒業後、何度か屋上に上がらせてくれと学校に頼みもしたんですが、安全のため屋上は閉鎖されたと言われ、もう一度あそこに行く事は出来なかった。だから教師になって、あの学校に赴任したんです。
██博士: なぜ、屋上への扉が閉鎖されたのか、その経緯を知っていますか?
大瀧氏: ええ、あの卒業式のあと、春休みに学校の教師達があの教室を見つけて、気味悪がってそれ以来、教師全員で口裏をあわせて屋上への扉を封鎖することにしたという事を赴任した時に先輩から聞かされました、何年かに一度清掃等のために恐る恐る開けてみると、そこには教室など無かったらしいんですが。
██博士: でもあなたは、あの学校に赴任後、あの扉へ向かったんですね?
大瀧氏: はい、始業式の日、僕は式が終わったあと、鍵を持ち出して、あの扉へ向かいました。僕が鍵を開ければ、あの教室がもう一度現れるはずだと確信していました。僕が扉を開けると、教室は、あの時と変わらずそこにありました、でも、そこに入ることは出来なかったんです。僕は、あの教室をただ眺める事しか出来なかった。
██博士: それは、何故ですか?
大瀧氏:あそこに入るため、高校、大学と、教師になるため必死で勉強しました。いわばあの教室は、僕にとっての青春だったんです。あの教室を見たとき、学校や教室というものは、学生達の為にあるものだ、だから、すべてが青いあの教室に僕が入る資格は無い。 僕の青春は、もうあそこには無いと、そう感じました。教師として、始業式で会った生徒達が昔の僕と同じくあの学校で青春を謳歌していく、それを見守る事が、私の青春を受け継ぐ事になるのだと、そう思ったからです。
██博士: なるほど、そういうことでしたか。以上でインタビューを終了させていただきます。坂口さん、ご協力ありがとうございました、これからも、教師として頑張っていってください。
<録音終了, >
終了報告書: その後、大瀧氏にもSCP-XXX-JPの影響を除去するため段階的なカウンセリング並びに記憶処理が施され、██中学校は廃校とし、別の学校に赴任するようカバースト-リーが適用された。
以下投稿済等まとめ

SCP-XXX-JP(収容以前に撮影されたもの)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8141の人型生物収容室に収容されています。収容室内には録音機能のある機械は入れることの無いようにしてください。物品の要求があった場合も録音機器以外のものなら基本的に承認して構いません。SCP-XXX-JPへのインタビューを行う際も、録音はせず必ず会話内容を文章に起こすことにより記録してください。また、インターネット調査部隊により音声差し替え前の「██████████」の動画がアップロードされていないかを常に監視するようにし、SCP-XXX-JP-1であると疑われる人物がいないか常に調査を行ってください。SCP-XXX-JP-1が発見された場合、「██████████」の音声の書き起こしをさせ、クラスD記憶処理を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、収容以前は声優(芸名██████、戸籍上の氏名█████)として活動していた2█歳の日本人女性です。SCP-XXX-JPの持つ特異性は生まれ持ったものではなく、後述する「███████声優養成所」に通学していた期間に発露したものと考えられます。
SCP-XXX-JPの発する声を、録音機能のある機械で記録した場合、その記録内容が全て歴史上の独裁者を礼賛するものに変化します。歴史上の独裁者の例としては、マクシミリアン・ロベスピエール、ヨシフ・スターリン、ベニート・ムッソリーニ、アドルフ・ヒトラー、毛沢東などが挙げられます。
SCP-XXX-JPの録音された音声を聞いた人物は、その音声を非常に魅力的と感じ、またその内容が独裁者を礼賛した内容であるとは気づくことが出来ないという認識障害が判明しているため、SCP-XXX-JPの録音された音声にはミーム的影響があると考えられます。このミーム汚染は、録音された音声を聞きながら同時にその文章を文字に書き起こす行為により、その特異性を失うことが判明しています。
また、SCP-XXX-JPの録音された音声を聞いた回数が多くなっていくにつれて、ミーム汚染を受けている人物(以下SCP-XXX-JP-1とする)は、SCP-XXX-JPに対して心酔していきます。そして、国の主導者にSCP-XXX-JPこそがふさわしいという思想を持つ新たなミーム汚染を受けます。
SCP-XXX-JPに対するインタビューで、この特異性には自分でも気づいていなかったと話しています。よって、SCP-XXX-JP自身もミーム汚染を受けていることが推測されます。SCP-XXX-JPが生まれてから現在までの、音声が記録されている媒体を財団が全て調査した結果、SCP-XXX-JPが声優養成所に入所する以前に撮られた映像に記録されていた音声が特異性を持っていない最後のものであることが判明しました。更に、SCP-XXX-JPが通っていた「███████声優養成所」は、所在地であったビルから退去しており、その後の活動も一切詳細が掴めていないため、SCP-XXX-JPの特異性が発露した原因と何らかの関わりがあると考えられ、追加の調査が行われています。
SCP-XXX-JPは201█年養成所を卒業後、大手声優事務所██████プロダクションに所属し、初めての仕事として、同年█月からのTVアニメ「██████████」[[footnote]]放送枠は30分間で、全12回。放送局は全国ネットで関東圏、中京圏、関西圏のそれぞれ3局。[[footnote]]の主役に選ばれました。これに関しても、プロダクション社員並びにアニメスタッフ側がミーム汚染を受けていたことが確かめられています。
「██████████」放送後、財団職員である岡安博士が自身の趣味であるアニメーション批評のため「██████████」の内容を文字に書き起こした際に、その特異性が発見されました。また「██████████」放送直後、岡安博士と同様に特異性が消失した人物によりネット上にその異常性を訴える意見が少数上がっていましたが、いずれも馬鹿馬鹿しいとされ無視されています。更にそれと同時期に重度のミーム汚染を受けたSCP-XXX-JP-1はインターネット上で自主的にファンクラブを結成し、SCP-XXX-JPを国家元首として、新たな国を作ろうという活動が始まっていました。
この“ファンクラブ”はネット上で確認できるだけで会員数█████人に達していたため、財団によるプロトコル“全国ツアー”を発動、SCP-XXX-JP協力の下、全国にて声優イベントを開催し、ネット上にて特定したSCP-XXX-JP-1をイベントに来場するよう誘導、イベント会場にてSCP-XXX-JP-1を一斉確保、ミームの除去と記憶処理を行いました。
その後財団によるカバースト-リー「結婚と引退」によってSCP-XXX-JPを収容、また既に流通していた「██████████」ブルーレイ版もカバーストーリー「サブリミナル画像混入」により回収、主役を非常に声の似ている代役が演じたものを流通させました。ネット上に残った音声差し替え前の動画も削除されましたが、依然として定期的に動画がアップロードされ続けている為、現在も財団によりアップロード者、またその動画をダウンロード、並びに視聴したSCP-XXX-JP-1を特定し、記憶処理とともに特異性の消去を行っています。
補遺1:報告メモ
今回の事例において、SCP-691-JPは自分自身もミーム汚染を受けているため、自分こそがこの国の指導者にふさわしいと深く思い込む前に収容できた事は間違いなく幸運であった。
またSCP-691-JPが非常に控えめな性格であったため、ネット上に自らの音声の入った動画を上げる行為や、ライブ配信サイトでの生放送などを一切行っていなかった点もミーム汚染が広がらなかった要因の一つであり、これもまた幸運であったといえる。
仮に、もし放送されたアニメが、深夜アニメではなく、ゴールデンタイムの、児童向けアニメであったとしたら、SCP-691-JP-1が児童や、またその両親など幅広い年齢層にミーム災害が広がり、“ファンクラブ”が更に危険な団体となっていた可能性も否定できない。
最後に、SCP-691-JPの発見者、並びにプロトコル“全国ツアー”の発案者である岡安博士には感謝の意を表したいと思う。ミーム災害対策部隊長 ████
画像は「PAKUTASO」のものを加工したものです
https://www.pakutaso.com/20130905256post-3280.html

収容前に撮影されたSCP-XXX-JP
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-81██の標準収容コンテナに保管されています。SCP-XXX-JPはDクラス職員による被害者が三親等以内にいる人物に視認させる事のないようにしてください。現在SCP-XXX-JPを用いた実験を行うことは禁止されています。
SCP-XXX-JPには一週間に一度、Dクラス職員の被害者を三親等以内に持つ人物を無作為に選出し確保の後、サイト-81██に移送して死刑の同意をさせ、死刑終了後はクラスB記憶処理を施してください。その際処刑の対象となるDクラス職員は確実に終了用の部屋に収容してください。
説明: SCP-XXX-JPは、高さ約2mの彫刻です。一般的に、司法・裁判の公正さを表す象徴である正義の女神像として有名な、左手に剣、右手に天秤を持った女神を模した像で、ブロンズ製であることが判明しています。
雇用前に死刑囚であったDクラス職員が起こした、殺人事件の被害者を三親等以内の近親者や配偶者に持つ者(以下対象者とする)がSCP-XXX-JPを見た場合、SCP-XXX-JPは対象者だけに聞こえる声を発することが判明しています。具体的な内容は、対象者に対し上記のDクラス職員の死刑を行うかどうかの確認であることが確かめられています。そして対象者が死刑に同意すると、Dクラス職員はどれだけSCP-XXX-JPから離れた場所にいても、未知の方法により絞殺されます。このときDクラス職員は未知の力により空中に浮き上がり、見えない縄で首を吊られているいるかのような動きをします。
ただし、SCP-XXX-JPが対象者に一週間の間視認される事が無かった場合、SCP-XXX-JPは元死刑囚のDクラス職員の中からランダムに一人を選出し、死刑を行うことが確かめられています。この性質が判明したことにより、他のSCPの実験中にDクラス職員が死亡してしまう事態を防ぐため、財団側が遺族を用意し、死刑にするDクラス職員をこちらで指定させるという現在の収容方法が確立されました。また実験により、対象者が死刑に反対する返答をしたとしても、必ずSCP-XXX-JPに説得され最終的に同意の返答をしてしまう軽度の精神的影響があることが判明しています。
SCP-XXX-JPは、██県████大学法学部キャンパスに設置されていたもので、19██年、Dクラス職員が突如絞殺される事件が█件発生し、財団が調査を行ったところ、████大学にて、深夜言葉を話す女神像がいるという都市伝説が流布していることが判明し、収容されたものです。また調査の結果、大学に在学している複数人が、死刑を同意していたことが確認され、インタビューの後Bクラス記憶処理がなされました。
████大学では、19██年に彫刻家█████に製作を依頼した、との記録がありますが、SCP-XXX-JP自体に氏名は刻印されておらず、調査の結果彫刻家█████は実在しないことが判明しています。しかし、█████に非常に類似した█████という氏名の反財団派の活動家が19██年から19██年に渡って活動していた事が判明しています。また収容の際、SCP-XXX-JPの土台部分の底面に、活動家█████の氏名と、「生命は尊貴である。一人の生命は、全地球よりも重い。」という一文が刻印されているのが発見されました。
補遺1: 死刑に同意した複数人への████大学学生並びに財団が用意した対象者へのインタビューにより、SCP-XXX-JPの持つ論理的主張および対象者が受けたと思われる精神的影響の一部が判明しています。
インタビューの内容要約
- 対象者に対して、「[被害者の氏名]を殺した犯人は現在、正式な法の裁きを受けることのない状態にある、あなたは私による死刑執行の代行に同意するか」と呼びかけた。
- どのような存在か、との問いかけをした対象者に対して、「司法の正義を行使する存在である」との返答をした。
- どうして死刑を代行するのか、との問いかけをした対象者に対して、「現在犯人は、刑法第11条[[footnote]]刑法第11条
- 死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。
- 死刑の言渡しを受けた者は、その執行に至るまで刑事施設に拘置する。[[footnote]]ならびに刑事訴訟法475条第1項[[footnote]]刑事訴訟法475条第1項
- 死刑の執行は、法務大臣の命令による。[[footnote]]が守られていない状態にある」との返答をした。
- なぜ自分に同意を求めるのか、との問いかけをした対象者に対し、「死刑が存在する第一の理由は、仇討ちの代行である、そして第二の理由は、報復の連鎖を止めることである、今死刑執行命令を出せるのは君しかいないのだ」との返答をした。
- 事前に死刑を拒否せよとの命令をした場合でも、SCP-XXX-JPの説得により最終的に全ての対象者が死刑に同意した。
- 全ての対象者は自分が死刑に同意したことに一切の後悔を持っていない。
- 全ての対象者は死刑が間違いなく執行されたと何の疑いもなく信じ込んでいる。
補遺2: SCP-XXX-JPによる被害への対策として、SCP-XXX-JPの論理的主張と思われる刑法第11条、刑事訴訟法475条第1項を財団が犯しているとされた現在の状況に対し、現在司法取引制度のない日本において、Dクラス職員の雇用は正式な法律に則ったものではないという状態を解消するため、現在法務省ならびに最高裁判所事務総局と共同でDクラス職員の雇用の特例について正式な取引文書を作成することが検討されています。
補遺3:
特殊事例XXX-JP-1
20██/██/██の、特別収容プロトコルにおける死刑の実行において、指定されたDクラス職員が処刑されない事態が発生しました、これに対する対象者の問いかけに、SCP-XXX-JPは死刑は執行出来ないとの返答を繰り返すのみでした。その後財団が調査を行った結果、Dクラス職員が起こしたとされる殺人事件において容疑者として挙げられていた他の人物が真の犯人であったことが確かめられました。その後Dクラス職員は解放されました。
画像はこちらからお借りしました。
提供元:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Chuo_highschool_themis.jpg?uselang=ja

衣服に寄生し活動を始めたSCP-XXX-JP
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8102の、密閉された小型生物用収容室に個別に収容されています。飼育環境については一般的な線形生物と同様の方法を用いてください。また餌として、綿織物を一週間に一度与えてください。なお、その際職員に対し衣服の着用を禁じてください。SCP-XXX-JPを用いた実験を行う際は、セキュリティクリアランスレベル3以上の職員2名以上の許可を得てください。
また、新たなSCP-XXX-JPの発見のため、各鉄道会社の車両基地内にてカバーストーリー「防カビ処理」を適用し座席クッションの定期的な検査を行ってください。また衣服とともに活動中のSCP-XXX-JPが発見された場合、機動部隊による即時回収を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、線形動物によく似た未知の生物です。体は直径0.2mm程度の細長い糸状で一見すると無色透明の細い繊維と差異はなく、また非常に柔軟で、片方の一端は刺繍針のように鋭く硬い形状をしています。
SCP-XXX-JPは主に電車内の座席クッション内に潜伏することが判明しています。SCP-XXX-JPはその柔軟な体を用いて、座席の10cm程度の縫い目に擬態することで寄生対象を待ち、座席に座った人物の衣服に寄生し、服に寄生した人物の自宅まで侵入します。
SCP-XXX-JPは寄生した服がクローゼットや箪笥など自身が暗いところに置かれたと認識した際に、分裂と成長を繰り返し個体数を増やして這い回り、それぞれの個体が衣服の裏地部分全体に、自身の体を最長9km程度まで伸ばして縫い付け、その家の下着や靴下等を除く衣服ほとんど全てに寄生します。そして一週間ほどたった後の深夜に、衣服に寄生したSCP-XXX-JP群は一斉に家からの脱出を図ります。またその際上半身の衣服下部と下半身の衣服上部を瞬時に縫い合わせ、衣服を人型の形状にすることで脱出をしやすくする習性があることが判明しています。SCP-XXX-JPがどのようにして下着や靴下、また他の布製品や上半身用と下半身用の衣服を判別しているのかは判明していませんが、衣服の穴の数とその位置関係を元に判別しているのではという推測が立てられ、現在検証実験が行われています。
また衣服の裏地全体に寄生したSCP-XXX-JPは強力な人口筋肉のような働きをし、最大6000Nに達する強い力を出せることが確かめられています。そのため、SCP-XXX-JPが深夜に活動をはじめた時、寄生した衣服を人間が着用していた場合、本来人間が腕や脚の関節を曲げる方向と逆方向に曲げたり、腕や脚が関節が複数あるような曲がり方をするなど、人間の骨や間接の稼動を無視した、「まるで踊り狂ったような」と形容される動きをSCP-XXX-JPがするため、着用していた人間は全身に複雑骨折を負い、最終的には内臓の破裂や損傷による出血多量により死亡してしまいます。SCP-XXX-JPは、高い確率で寝間着にも寄生するため、被害も高い確率で発生していることが判明していて、現在SCP-XXX-JPにより、██人の死亡が確認されています。
家からの脱出を図った後、衣服に寄生した状態のSCP-XXX-JPは、その地点から一番近い鉄道の車両基地に向かい、車両基地に侵入後、衣服に産卵をし、死亡します。産卵される卵は全体で200個程度で、そこから生まれたSCP-XXX-JPは衣服と、寄生したままの状態で死亡したSCP-XXX-JPの死骸を共に全て食べつくします。これにより、後の急激な分裂と成長のための栄養を補給していると推測されます。そして電車の始発までの間に座席内のクッションに潜伏します。SCP-XXX-JPがなぜ車両基地へ向かうことが出来るかについては、車両基地の高圧電線が発する特有の電磁波を感じ取っているのではとの仮説が立てられ、これも検証実験が現在行われています。
SCP-XXX-JPは、関東地方にある複数の鉄道会社の車両基地にて複雑骨折の状態で死亡した遺体が連続して発見される事件、更に深夜、一人の人間と多数の透明人間が狂ったように踊りながら行進しているといった目撃証言が相次ぎ、財団が調査を行った結果、発見されたものです。現在、財団内にて████匹のSCP-XXX-JPが確保、収容されています。
SCP-XXX-JP寄生対象衣服検証実験記録
実験記録XXX-JP-1 - 日付20██/██/██
対象の衣服: ブラジャー、ブリーフ、トランクス等の下着類
結果: 寄生しませんでした。
分析: 人型形状になることの出来ない形状の衣服には寄生しない習性があると考えられます。
実験記録XXX-JP-2 - 日付20██/██/██
対象の衣服: 様々な丈のズボン
結果: 活動を始めた場合ひざ立ち歩きのような動きをし、また5分丈を境に丈が短くなるにつれて寄生しない例が増えることが判明しました。
分析: 丈の長さを基準に寄生するかどうか判断していると考えられます。
実験記録XXX-JP-3 - 日付20██/██/██
対象の衣服: 様々な袖の丈のシャツ
結果: 一般的なTシャツ程度の袖の丈なら匍匐前進のような動きをし、またタンクトップのような袖なしの場合は寄生しませんでした。
分析: 上半身の場合は袖の丈がある程度短くても寄生できることが判明しました。
実験記録XXX-JP-4 - 日付20██/██/██
対象の衣服: ワイシャツやカーディガン、ジャンパー、コ-トなど前面の開いた上半身用衣服
結果: 寄生後、活動をはじめると同時に、前面を縫い合わせ閉じる行動をしました。
分析: SCP-XXX-JPはボタンやファスナーなどの留め具の存在も感じ取りそれを閉じる判断をすると考えられます。
実験記録XXX-JP-5 - 日付20██/██/██
対象の衣服: 靴下、ストッキング、タイツ、スパッツ類
結果: 寄生しませんでした。
分析: 足先が開いていない場合ただの布袋として判断していると考えられ、また伸縮性が強いものに対しても寄生しないことが判明しました。
実験記録XXX-JP-6 - 日付20██/██/██
対象の衣服: スカート、ワンピース
結果: 寄生しませんでした。
分析: 人間形状ではないためただの筒状の布だと判断したと考えられます。
実験記録XXX-JP-7 - 日付20██/██/██
対象の衣服: ウェットスーツ、潜水服
結果: 寄生しました。
分析: 全身を覆うタイプの衣服も人型形状になることができるとの判断が出来ることが判明しました
実験記録XXX-JP-8 - 日付20██/██/██
対象の衣服: 防護服、宇宙服
結果: 寄生しました。
分析: 重量のあるものでも人型形状ならば寄生し活動をすることが出来ることが判明しました。
注意事項: 対爆防護服に寄生させた実験においては、予想通り対処は困難なものとなり、予め待機させておいた機動部隊が事後処理をする結果となったため、今後実験において強力な防護服に寄生させることは禁止とする。
考察メモ: おそらくSCP-XXX-JPが日本生類創研によって作られた目的は、今回の実験のように強力な防護服に寄生させ、電磁波によって操ることのできる生物兵器を開発することであり、それが研究員のミスにより研究施設外部に逃亡し、野生化した結果、財団に発見されたのではないだろうか?
補遺: SCP-XXX-JPが原因と見られる車両基地内での連続遺体発見事件の中で、最初に起こったものと見られる事件において、車両基地内にて発見された遺体の傍に、
日本生類創研 寄生虫研究部門
研究員 ███████
と書かれたネームバッジが落ちていました。現在この名前の人物の特定に向け調査を行っています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-Aはサイト-81██のアクリル製の専用ケースに収容し、全46枚をすべて24時間態勢で監視してください。またSCP-XXX-JP-Bの発生するエリアはカバーストーリー「自然保護調査」を適用、周囲1×1kmを封鎖し、部外者が立ち入らないよう職員を配置して下さい。またこの地点の上空周囲半径3kmの空域はカバーストーリー「磁場の影響」を適用し航空機の進入を完全に禁止して下さい。また、SCP-XXX-JP-Bの発生中はエリア内に一切立ち入らないようにしてください。
追記: 201█/10/██、SCP-XXX-JPの特異性は喪失したとの判断が下され(追記2参照)、オブジェクトクラスがNeutralizedに変更されましたが、上記該当地域及び空域の立ち入り禁止措置は引き続き継続してください。
説明: SCP-XXX-JPは葛飾北斎の作成した浮世絵である富嶽三十六景全作46枚からなるSCP-XXX-JP-Aと、山梨県█████の青木ヶ原樹海内に位置する北緯██度、東経███度の地点に存在する、数寄屋造りの建築物を中心とした直径約50mの範囲に発生する異常な現象であるSCP-XXX-JP-Bによって構成されています。
SCP-XXX-JP-Aは、通常非活性状態にあり、非活性状態では広く知られている富嶽三十六景と差異はありませんが、不定期に活性状態になります。活性状態では、SCP-XXX-JP-A全46枚に描かれている富士山の内、アトランダムに1枚が噴火している状態に描写が変化します。そしてそれと同時に、様々な種類の異常現象であるSCP-XXX-JP-Bが発生します。またSCP-XXX-JP-Aの非活性化と同時に、SCP-XXX-JP-Bも消失することが確認されていますが、活性化から非活性化までの時間も様々で、一貫性がありません。
また活性状態のSCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bの同時観測調査により、活性状態となるSCP-XXX-JP-Aの種類と、SCP-XXX-JP-Bの現象の種類は連動していることが確認されています。またSCP-XXX-JP-B消失後の現地環境調査の結果、中心の建築物とその周辺地域半径約50mの動植物は、SCP-XXX-JP-Bによる損壊や劣化といった影響を全く受けない事が判明しています。
SCP-XXX-JPは、収容違反を起こしたSCP-███-JPの回収任務中であったエージェント・████が、SCP-XXX-JP-Bに遭遇し、更なる調査の結果、樹海の中に建築物を発見、内部の畳の上にSCP-XXX-JP-Aが綺麗に陳列されているのを見つけ、これを回収したものです。また調査によりSCP-XXX-JP-Aは贋作などではなく江戸時代後期に作成された本物の浮世絵であることが確認されています。
SCP-XXX-JP事案調査記録(一部抜粋)
※保存された変化後のSCP-XXX-JP-Aの画像を表示した場合に、SCP-XXX-JP-Bへ直接的な影響が出てしまう収容違反が発生したため、画像は変化前のものを掲載しています。
日付199█/9/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 駿州江尻
![]()
発生したSCP-XXX-JP-B: 発生からSCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの4時間12分の間に、最大風速64.8mを記録しました。
日付199█/7/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 礫川雪の旦
![]()
発生したSCP-XXX-JP-B: 発生からSCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの22時間34分の間、気温が急激に低下し、最低気温摂氏-7.4度、9m17cmの積雪を記録しました。
収容違反記録: 後日、今回の活性化による変化後の状態のSCP-XXX-JP-Aを保存した画像を██研究員が自身のPCモニタ上に表示させた際、オリジナルのSCP-XXX-JP-Aに変化が現れていないにも関わらず、同様のSCP-XXX-JP-Bが発生したため、変化後のSCP-XXX-JP-Aの画像を保存することは禁止され、また今までに保存された映像データ、画像データは全て破棄されました。
日付199█/2/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 凱風快晴
![]()
発生したSCP-XXX-JP-B: 発生からSCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの14時間27分の間、気温が急激に上昇し、最高気温摂氏41.5度を観測しました。
日付199█/8/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 山下白雨
![]()
発生したSCP-XXX-JP-B: 発生からSCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの1時間8分の間に、114mmの雨量と76回の落雷を記録しました。この落雷による森林火災は一切確認されませんでした。
日付200█/10/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 神奈川沖波裏
![]()
発生したSCP-XXX-JP-B: 発生直後から突如地下水が地表に約10mの高さまで噴出、SCP-XXX-JP-B一帯が水浸しになり、SCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの3分間で、約900万リットルの地下水が地表に噴出しました。
調査報告: 今まで気象現象のみだったSCP-XXX-JP-Bが、今回初めて地下水の噴出という気象とは直接関係のない現象が発生したため、残りの浮世絵に描かれた富士山が噴火した場合どのような現象を引き起こすのかを慎重に監視していく必要があると考えられます。
日付200█/4/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 甲州石班澤
![]()
発生したSCP-XXX-JP-B: 発生直後から、エリア内上空に突如、鰍(学名:Cottus pollux)が出現し、SCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの26分間で、合計313匹の出現を記録しました。
調査報告: この浮世絵は、葛飾北斎が鰍(かじか)と石斑魚(いわな)を混同し、タイトルには甲州石班澤と漢字で書かれていますが、読み方は「こうしゅうかじかざわ」となっている作品なので、この現象では漢字ではなく読み方のほうを優先したと推測されます。
日付200█/8/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 遠江山中
![]()
発生したSCP-XXX-JP-B: SCP-XXX-JP-Aの変化後、エリア内に目視や気象データ上の異常が見られず、Dクラス職員20人によるエリア内への立ち入り調査を行ったところ、突如3人のそれぞれ左腕、右足や左足が未知の力により切断され、他のDクラス職員全員にも裂傷が現れたため、調査を中止、直ちに全員を退避させました。SCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの時間は2時間15分でした。
調査報告: SCP-XXX-JP-B消失後の調査の結果、腕や足を切断されたDクラス職員の切断面、そして他の職員に現れた裂傷は、鋸により切られた際にできる傷と非常によく似たものであることが判明しました。更に、エリア内には切断された栂(学名:Tsuga sieboldii)が1本、建築物のそばに置かれているのが発見されました。その後、SCP-XXX-JPが起きた際にエリア内に立ち入ることは一切禁止とされました。
補遺1: 数寄屋造りの建築物を更に調査したところ、使用されている木材から、江戸後期に建築されたものであることが判明しています。また家具などは一切無く、SCP-XXX-JP-Aの他には、「不風流処也風流[[footnote]]現代語訳:風流ならざる処もまた風流[[footnote]] █████」と詳細不明の人物名が書かれた掛け軸のみが見つかっています。
追記1: 特殊事案記録 XXX-JP-1
日付200█/10/██
変化したSCP-XXX-JP-A: 諸人登山
![]()
変化の内容: この浮世絵は富士山頂付近を描いたものですが、今回は通常の変化と異なり、浮世絵全体が赤く発光しはじめ、またそれと同時にその他45枚全てのSCP-XXX-JP-Aも赤く発光をはじめ、変化消失後は46枚全てのSCP-XXX-JP-Aの浮世絵が描かれていた面が黒一色に変化しました。
発生したSCP-XXX-JP-B: 発生からSCP-XXX-JP-Aの変化が消失するまでの43分の間に、数寄屋造りの建築物を中心とした地点からマグマが地中から勢いよく噴出し、その後溶岩が最大で高さ6m、半径約50mに堆積し一帯を覆いつくしました。これにより今まで影響を受けなかった建築物や樹木は倒壊し完全に埋没してしまいました。その後の地質調査により、この一帯の地下にはマグマ溜まりは存在しないことが確認されたため、このマグマが元々地下のどこに存在していたのかは不明です。
調査報告: 溶岩が冷却固化した後の現地調査により、建築物が埋没している地点の上にチタン製の0.3×0.3×2mの柱のような物体が立っているのが発見されました。物体には、「死亡通知 蒐集院研儀官 █████ 平成拾██年█月██日」と縦書きで刻印されていました。この名前は建築物内で発見された補遺1の掛け軸に書かれていた名前と同一のものであることが判明しました。
追記2: 201█/10/██
上記追記1の特殊事案以降、10年以上SCP-XXX-JPの発生が確認されていないことから、SCP-XXX-JPの特異性は喪失したとの判断が下され、オブジェクトクラスの分類がNeutralizedに変更されました。
画像はこちらからお借りしました。
:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Ejiri_in_the_Suruga_province.jpg
:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Lightnings_below_the_summit.jpg
:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:The_Great_Wave_off_Kanagawa.jpg
:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Kajikazawa_in_Kai_province.jpg
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http://commons.wikimedia.org/wiki/File:Climbing_on_Mt._Fuji.jpg
波戸崎家の一族
「父さん、急に呼び出したりしてごめん。」
「どうした、壕。大事な話があると言っていたが。」
財団に就職してから、僕の研究室に親父、エージェント・波戸崎壞を呼ぶのはこれが初めてだった。
「今からする話は父さんにしか言えない事だと思ってる、だからたとえ父さんから軽蔑されたとしても、正直に言おうと思う。
僕が、この一週間財団職員に入団の挨拶回りをしてたのは知ってるよね?」
「あぁ、知っている。」
「結論から言うと、財団は、明らかに異常者を雇ってる。それに収容すべき存在が職員の中にも沢山いるじゃないかと、今僕はそう思えて仕方がない。」
「・・・そうか、確かにお前がそう思うのも無理はない。職員の中には、かなり"個性的"な面子も沢山いるのが事実だ。」
「"アレ"が個性的って言葉で片付けられるレベルじゃないことぐらい父さんにも分かるだろう!」
親父の言葉に思わず大声を出してしまう。
「あぁ、そうかもしれない。だが"個性"というものは誰にでもあるものだ。壕、特にお前にはそれが分かるだろう?」
その言葉に、自分の急所を突かれたような感覚がした。昔から個性が無いと言われていた僕は、いつか見返してやると思って財団職員を志すようになったのだ。その事を、親父は薄々感づいていたのだろう。
「・・・どうやら、お前に話すべき時が来たようだ。」
親父は、決意を込めた顔でそう切り出した。
「じじいから聞いた話だ。我が波戸崎一族は、皆先祖代々蒐集院に仕える家系だったらしい。」
僕はじいちゃんが元々蒐集院にいたことは知っていたが、その事実は初耳だった。
「それが戦後、財団が蒐集院を吸収した時に、一族も殆どの者が財団に吸収されたんだ。今現在も、お前含め一族の殆どが財団職員だ。
つまり、一族にとって財団は無くてはならない存在だ。逆に言えば、財団が無くならない限り、一族が途絶える事も無い。」
親父の話はどれも初めて聞く事だった。
「波戸崎家の一族は財団と共生、いや、財団に寄生しているんだ。言ってみれば一族全体が財団に収容されているようなものかもしれない。そして、お前はそれを"異常"だと思うかもしれない。
だが、それも"個性"だ。それを否定する必要など無い。働くという事は自分の個性を発揮するという事だ。お前も自分の個性を発揮して、財団に貢献していって欲しい。これは一族の、いや、父親としての俺の願いだ。」
親父の話を聞いて、僕は異常だと思うよりも先に感動していた。
先祖代々続けてきた"家業"に、僕も携わることができるなんて、素晴らしい事だ。そう思うと、今までの心配が全て杞憂に思えた。
「話してくれてありがとう父さん、僕、これから頑張ってみるよ。」
息子の笑顔を背に、俺は複雑な思いを抱えながら扉を閉めた。
まるで奴隷の様なこの一族の宿命を知ってもなお、壕が"自分から望んで"財団にいるのだと、そう思ってくれているならそれでいい・・・今はこれでいいんだ、今は。

東証Arrows内マーケットセンターにあるシリンダー
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその性質からサイトに収容できるものではないため、東京証券取引所の深夜警備ならびに時間外業務は全て財団の用意した職員が行い、一般の人間に深夜取引所内に立ち入らせないようにしてください。
更に職員には、Dクラス職員による被害者が三親等以内にいない人物を選んでください。そして毎週土曜深夜0時に、Dクラス職員の被害者を三親等以内に持つ人物を無作為に選出し確保の後、東京証券取引所に移送して処刑の懇願をさせ、処刑終了後はクラスB記憶処理を施してください。その際処刑の対象となるDクラス職員は確実に終了用の部屋に収容してください。
毎週土曜深夜0時に、監視用の職員を配置し、最長5分以内に電光掲示板に表示されたDクラス職員を全て報告し、Dクラス職員が他の実験最中に処刑が実行されることのないようにしてください。
説明: SCP-XXX-JPは東京証券取引所内(以下東証とする)にある情報提供スペース、東証Arrows内のマーケットセンターに起こる異常な現象です。SCP-XXX-JPは、東証の休業日である土曜の深夜0時に活性化します、その際、マーケットセンターにある直径17m、高さ10mのガラス製シリンダー内部に突如実体を持たない人型の存在(以下SCP-XXX-JP-Aとする)があらわれます。SCP-XXX-JP-Aは、14世紀に西洋の騎士が使用していたデザインの、白く輝く鎧を身にまとった全長8mに達する大きさの人物で、顔の部分まで全身兜と装甲に覆われ表情は見えず、盾と剣を装備しています。
SCP-XXX-JP-Aがあらわれた瞬間、シリンダー上部の本来なら銘柄名と株価が表示される電光掲示板に、Dクラス職員として雇用された死刑囚の本名とDクラス識別番号が30個、等間隔に流れて表示されます。SCP-XXX-JPがどのようにしてこれらの情報を財団から得ているかは不明です。それから15分後に、SCP-XXX-JP-Aは、その中の一つの表示に向かって剣を突き刺します。剣は電光掲示板を貫通したように見えますが、実際は電光掲示板に損傷はあらわれません。その直後SCP-XXX-JP-Aは消失します。
またそれと同時に、突き刺された場所に名前と識別番号が表示されていたDクラス職員本人は、東証からどれだけ距離が離れていた場所にいたとしても、胸から内部の心臓、背中にかけて鋭い刃物が貫通し突き刺さったような傷が突如現れ、出血多量により死亡します。(以下この現象を処刑と呼称する。)掲示板に表示されるDクラス職員はほぼランダムに選ばれていますが、死刑判決が出された日時が古い人物のほうが高い確率で表示される傾向があることがわかっています。
また、下記の事件記録によりSCP-XXX-JP-Aを、雇用前に死刑判決を受けているDクラス職員が起こした殺人事件の被害者を近親者や配偶者に持つ者が肉眼で見た場合、SCP-XXX-JPの影響を受け、その性質を瞬時に理解することが判明しています。(以下影響を受けた者をSCP-XXX-JP-1とする)そして、SCP-XXX-JP-1はシリンダー内に侵入し上記のDクラス職員の名前と識別番号をSCP-XXX-JP-Aに伝え、処刑を懇願します。これらの情報はSCP-XXX-JP-Aから脳内に語りかけられる形でもたらさせることが判明していてます。また後の調査により、近親者の範囲は三親等までと判明しています。
処刑の懇願を受けた後、電光掲示板には伝えられた名前と識別番号のみが出現し、SCP-XXX-JP-Aはそれらに実体のない剣を突き立て、Dクラス職員を未知の方法で処刑し、消失します。その後SCP-XXX-JP-1は直接的な精神的影響はなくなりますが、自分が処刑を懇願したことに後悔を持たないため、軽い精神的影響の後遺症が残ると推測され、それらにはクラスB記憶処理が有効であることが確かめられています。この性質が判明した後、特別収容プロトコルが改定され、新しい項目が追加されました。
事件記録映像XXX - 日付20██/██/██
<映像開始>
[東証Arrows内のシリンダーと3名の人物が写っている監視カメラによる映像、画面に表示された時刻は23:59である。]
エージェント・森下: いいか、最終確認だ、これからばかでかい騎士があらわれるが、やつは我々に触れられないし、危害も加えない、我々は電光掲示板に表示されたものを即座に記録し、報告することだけが任務だ、それらに集中してほしい。
エージェント・菊池: 了解です。
エージェント・野中: 了解しました。
[表示された時刻が00:00となると同時に、SCP-XXX-JP-Aが出現し、電光掲示板に30のDクラス職員の氏名と番号が等間隔に流れて表示される。]
エージェント・森下: よし、任務開始だ、確認はじめ!
[エージェント・森下、エージェント・野中の二人は表示の復唱と記録作業をはじめるが、エージェント・菊池はその場に棒立ちになり微動だにしない。]
エージェント・森下: おい、菊池、確認を始めろ!この任務の制限時間は5分しかないと説明したはずだ!
[エージェント・菊池は反応せず、直後走り出しシリンダー内部に入り、膝立ちになって体の前に手を組む。]
エージェント・菊池: どうか、███・D-████、█████・D-████、████・D-█████の三名に裁きを下して下さい!
[その後エージェント・菊池は二名に無抵抗で取り押さえられる、直後SCP-XXX-JP-Aは三体に増加し、電光掲示板に上記三名の名前と認識番号が等間隔に停止して表示される、そして三体のSCP-XXX-JP-Aが剣を電光掲示板に突き刺し、消失する。]
<映像終了>
この事件によって、D-████、D-████と、SCP-███-JPの実験に参加中であったD-█████が処刑され、それにより中規模の収容違反が発生し、職員が██名死亡する事態となりました。
インタビュー記録映像XXX - 日付20██/██/██
対象: エージェント・菊池
インタビュアー: 花菱研究員付記: その後の調査により、エージェント・菊池は、上記事件によって処刑されたDクラス職員三人が起こした強盗殺人事件により祖母を殺されていることが判明しています。
<録音開始, 20██/██/██>
花菱研究員: それではインタビューを始めさせていただきます。
エージェント・菊池: はい、よろしくお願いします。
花菱研究員: まず、あの巨大な騎士を見た瞬間のことを教えてください。
エージェント・菊池: ええ、あの騎士を見た瞬間、正義の救済者というか、死刑執行者や、処刑人という印象が頭の中に浮かびました。そして、祖母の殺害に関わった犯人が未だ正式な処刑が為されずにいるということを騎士が脳内に語りかけてきたように記憶しています。花菱研究員: あなたは祖母の強盗殺人事件についてどこまで詳しく知っていたのですか?
エージェント・菊池: 祖母が殺されたのは私の生まれてすぐのことだったので、裁判にも関わっていません、親もあまりそのことに触れたがらなくて、私が大きくなってからもその話はタブーのようになっていたので、詳しくは聞けませんでした。なので、犯人たちが財団に雇用されていたことすら知りませんでした。
花菱研究員: なるほど、では処刑の懇願をしたのはどうしてですか?エージェント・菊池: 騎士から、このままでは犯人達が正式な法の裁きを受けることのない状態にある、私は正義の女神から、法の下の平等を保つ剣を任されている。といった内容を語りかけられ、犯人の氏名と識別番号を提示され処刑に賛成するかと問われたので、賛成することに同意しました。そして次の瞬間気付くと私は取り押さえられていました。
花菱研究員: わかりました、では最後に、あなたは今でも、処刑に賛成したことに後悔はありませんか?
エージェント・菊池: はい、後悔はありません。
<録音終了, 20██/██/██>
終了報告書: このインタビューだけでは、処刑に賛成したこと、そしてそれを後悔していないことがSCP-XXX-JPによる精神的影響だとは断定できない。SCP-XXX-JP-Aの視認と処刑の懇願がほぼ同時のため調査は難しいとは思うが、今後も調査が必要であると判断する。
補遺: その後の調査により、SCP-XXX-JP-Aの頭部、兜の部分にフランス語の文章が刻印されているのが発見されました。文章の内容を和訳すると、
三権分立制に則り、司法が下した判決に対しては、いかなる機関、権力によってもそれを覆すことは出来ない。司法権は独立した存在である。
という文章になることが判明しました。
画像はこちらからお借りしました。
提供元:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Tokyo_stock_exchange.jpg

収容された未使用のSCP-590-JP
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-81██の小型収容コンテナに収容して下さい。SCP-XXX-JPを取り扱う際は、落下などによる衝撃を与えないように注意してください。
説明: SCP-XXX-JPは、外見的には一般的なケミカルライトです。SCP-XXX-JPの特異性は、それを折りライトを発光させた場合、SCP-XXX-JPを折った人物(以下SCP-590-JP-1)に発現します、SCP-XXX-JP-1は、SCP-XXX-JPを折った瞬間、自身の骨格内部がサイリウムと同様の構造に変化します。しかし、そのような状態にも関わらずSCP-XXX-JP-1は生体機能を続けることが出来ます。またそれと同時に、SCP-XXX-JP-1は自身の骨を折りたくなるという精神的影響があらわれることが判明しています。SCP-XXX-JPは、通常のケミカルライトと異なり、現在まで発光現象が継続しています。
SCP-XXX-JP-1はまず指の骨を折り、次に腕部、脚部の骨を折ることが判明しています、またその際、SCP-XXX-JP-1は痛みを一切感じている様子はなく、また骨折により骨内部の発光液が血管にも流れ発光するため全身で発光します。
SCP-XXX-JP、並びにSCP-XXX-JP-1は、秋葉原にあるライブ劇場、██████におけるアイドルライブにおいて、初めて存在が確認されました、財団による事態の対処が行われ、他の観客に調査を行ったところ、ケミカルライトをライブ劇場前の路上で売っている男から買ったという複数の証言が得られ、同時に観客から未使用のSCP-XXX-JPが回収されました。ケミカルライトのパッケージには、「PAMWAC独自ライセンス商品!アイドルの視線を釘付け!誰よりも目立てるライト!!」との見出しと、0.01mmの大きさで「ご注意:この商品に対するクレームは一切受け付けません。」との文字が印刷されていました。
SCP-XXX-JPによる被害を防ぐため、財団による、秋葉原における路上のケミカルライト販売の禁止注意活動と、アイドルグッズショップへの立ち入り検査による調査が行われていますが、同様のSCP-XXX-JPは現在発見されていません。
画像はこちらからお借りしました。

伊呂波学園大学校章
画像元のサイト
https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:PSVSBw.png
- 名称: 「伊呂波学園大学」
- 団体の概要説明:
- 成り立ちとしては、日本生類創研、東弊重工などが中心となって設立された、SCPなどの異常性のある現象、物体を研究、並びにSCPを取り扱う団体に雇用、参加するための教育機関として設立された大学です。
- 協賛しているのは国内だけでなく、海外のGOIも協力していることが確認されています。生徒の進路も国内外問わず幅広いGOIに雇用されていることが判明しています。
- 教職員は、GOIからのOBや出向、蒐集院の残党、もしくは財団で問題を起こし研究職から外された職員など、優秀だけど少し危ない人が多いです、たまに現役のGOI職員が特別講師として特別授業を開くこともあります。
- 生徒は主にGOI職員の子ども、たまに一般の人がスカウトされてくることもあります、初等部、中等部、高等部が付属していることが判明しています。
- 生徒が問題を起こし退校処分になることもしばしばあり、そのようなはみ出し者はその後財団の調査によって能力が見出され財団に雇用される例もでてきています。
- 実地訓練と称し教職員が財団に無断で生徒たちとSCPの確保や、異常現象の発生エリアへの見学旅行を行うこともあります。教職員たちは禁止されているにも関わらずまだまだ研究意欲が衰えていないようで、伊呂波学園大学はSCP収容や確保、保護などが目的ではなく、単純に純粋なSCPの研究が目的であり、複数個体がいるSCPなどを研究対象として捕獲していたりします。
- また通常財団では禁止されているような危険な実験も行われていることが判明しており、そこで得られた研究報告について、学会発表などと称して財団に有用な情報を一方的に送ることもあります。また大学とGOIとの関係も、産学の連携をとっているようで、有用な研究結果をGOIと共有し、場合によっては新たなSCPを生み出す研究もなされているようです。
- 基本的に財団と敵対しているという姿勢は大学側にはなく、他のGOIと同じ学会の仲間という意識を持っています、ただし、元財団職員の教職員は財団を嫌っています、また過去に何度か財団の襲撃を受けた経験もあるため、学校の位置は完全に秘密主義で財団側には把握できていません、そのためインターネットを用いた遠隔授業が行われている可能性も指摘されています。しかし、実験の失敗が元と思われる異常現象の起きる大学が放棄したと思われる研究棟兼校舎が財団に発見されたりしています。
- 執筆者への、要注意団体描写に対するアドバイス:
- 基本的に、伊呂波学園大学はとても自由な校風です、どのような学科、講義や授業、サークル活動も執筆者の方が独自に考えていただいてもらってかまいません。例として、日本生類創研が設立したバイオメカニクス学科や、東弊重工の設立したメカトロニクスシステム学科、蒐集院残党が設立した呪術民俗学部・文化人類宗教学部などのオカルティックな学部でもよいので自由に創造していただきたいです。
- もし、SCPについて取り扱い、学ぶ研究教育機関があったらと言う想定の元、付属の初等部、中等部、高等部を舞台にしてもらってかまいません、学園モノというジャンルの作品を財団世界で作ってみたいという方におすすめしたいです。
- 生徒が若さ溢れてやんちゃした結果、とんでもないことがおきてしまうこともありえるでしょう、また、財団よりもっとマッドなサイエンティストである教授たちもいるでしょう。今回は、皆様に創作していただくことの出来るコンテストなので、自由に気楽に、恐怖やジョークなどジャンルを問わない幅広い作品を投稿していただきたいため、このような形にさせていただきました。
伊呂波学園大学講義概要集SYLLABUSシラバス
科目名: 現実改変学ⅠA
学年学科: 第1学年全学科共通
担当教員: 堀部正明
科目内容: 現実改変の初歩的な技術を学び、現実世界に作用する様々な要因について理解する。
教科書: 「はじめての現実改変」(堀部正明)
科目名: 異常物体力学Ⅰ
学年学科: 第1学年全学科共通
担当教員: 潮田重盛
科目内容: 物理において基本となる力学について学び、例題演習を用いて異常物体の計算方法に理解を深める。
教科書: 「初級 破壊不可物体力学」(潮田重盛)
科目名: ミーム学ⅠA
学年学科: 第1学年全学科共通
担当教員: 間瀬武幸
科目内容: ミーム的影響力の基礎について学ぶ。1学年でも理解できるようできるだけ平易な講義を行うことを目標としている。
教科書: 「ミーム学入門 新版」(間瀬武幸)
先輩からのアドバイス、眠くなる精神影響があるかと思うくらい退屈
科目名: 情報認識学ⅠA
学年学科: 第1学年全学科共通
担当教員: 小野寺政利
科目内容: 聴覚、味覚、嗅覚、視覚など、人間の感覚による精神的影響の基礎理論について、具体的な実践を用いて学ぶ。
教科書: 「やさしく学べる 情報認識の基礎理論」(小野寺政利)
先輩からのアドバイス、講義中生徒の集中力をあげる影響がある情報認識を組み込んでるって噂
科目名: 日本蒐集史Ⅰ
学年学科: 第1学年全学科共通
担当教員: 不破数満尭
科目内容: 日本における異常物体、ならびに異常現象の歴史を学び、近世・近代までの社会や文化との関わりを考察する。
教科書: 「新編日本蒐集史1」(不破数満尭)
科目名: 呪術学Ⅰ
学年学科: 第1学年全学科共通
担当教員: 神崎宗房
科目内容: 日本古来の呪術について学ぶ。現代に通用する技術を実験により確かめる。
教科書: 「図解事典 呪術のしくみ」(神崎宗房)、その他プリントによる資料配布
科目名: 生物応用学
学年学科: 第1学年全学科共通
担当教員: 礒貝秀直
科目内容: 生物の技術的操作について、実例による生物災害を学び、その危険性について学ぶ
教科書: 「実例でわかる 生物の改良と改悪」(礒貝秀直)
以下、自由に追加して下さい。