hatenaの砂箱
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SCP-XXX-JP-2内

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Keter

特別収容プロトコル: 現在、一般人のSCP-XXX-JP-2によるSCP-XXX-JP-3への侵入イベントを完全に防ぐことは困難です。SCP-XXX-JP-3内に取り付けたカメラ映像によって常に監視してください。一般人の侵入による収容違反を発見した場合即座にSCP-XXX-JP-3内にエージェントを派遣し、脱出させたのちBクラス記憶処理を行って解放してください。SCP-XXX-JP-2が排出された券売機はカバーストーリー"券売機の故障"を用いて券売機の交換を行ってください。

SCP-XXX-JP-1'は現在、サイト‐8104内の中型非生物収容室へ保管されています。一日に、SCP-XXX-JP-1'を動作確認とSCP-XXX-JP-2の補充のため作動させてください。その際に排出されたSCP-XXX-JP-2は同収容室にあるロッカーへ保管してください。SCP-XXX-JP-2を実験などで使用するにはレベル3以上の職員の許可が必要です。

説明: SCP-XXX-JPは一般的によく見られる自動券売機です。SCP-XXX-JPは日本内の券売機に発現する異常現象の事をを指します(以後、SCP-XXX-JPを発現した券売機をSCP-XXX-JP-1、財団の所有しているものをSCP-XXX-JP-1'と呼称する)。SCP-XXX-JP-1は異常性の持つ切符(以後、SCP-XXX-JP-2と呼称する)を排出します。この異常性は入場番号がぞろ目の場合のみ確認できます。それ以外の番号では異常性は確認できません。SCP-XXX-JP-1を通常の券売機の状態に戻す試みは現在まで成功していません。

SCP-XXX-JP-2を自動改札機に通す事で[編集済み]と言う駅(以後、SCP-XXX-JP-3と呼称する)に移動します。SCP-XXX-JP-3は通常の[編集済み]駅の内装と全く同じです。SCP-XXX-JP-3は白と黒の系統の色のみで構成されており、これは映像でも写真でも変化しません。SCP-XXX-JP-3内には黒いもやのかかった人影(以後、SCP-XXX-JP-Aと呼称する)が複数確認されています。SCP-XXX-JP-Aの数は一定ではなく、SCP-XXX-JP-3に入るたびに5~15体までの数の変化があることが確認されています。SCP-XXX-JP-Aは接触することができず、話しかけても反応しません。SCP-XXX-JP-3の外には白い空間が広がっています。駅の出入り口には不可視な壁が存在しており、駅の外に出ることは不可能です。SCP-XXX-JP-3内から脱出するには特定な時間に来る列車(以後、SCP-XXX-JP-4と呼称する)に乗車する方法以外に現在発見されていません。SCP-XXX-JP-4が乗車すると、数秒から数分経過した後自動的にSCP-XXX-JP-3に行く前にいた駅のホームへ移動します。その際周りの人がこの現象に違和感を感じることはありません。

補遺1: 20██年██月██日、エージェント・███により行われた探査により、一般女性を発見しました。女性はSCP-XXX-JP-1'とは別の券売機から排出されたとみられるSCP-XXX-JP-2を保持しており、SCP-XXX-JP-3の存在、脱出方法を知りませんでした。SCP-XXX-JP-3からの脱出後、SCP-XXX-JP担当博士による女性へのインタビューを開始しました。

対象: 黒宮 ██1

インタビュアー: 藤代博士

付記: 女性には「███大学怪奇現象研究会によるインタビュー」というカバーストーリーを伝えてから始めています。

<録音開始>

藤代博士: では、まずあなたが体験した現象について教えてください。

黒宮氏: はい……。まず、電車に乗る前にきっぷを買ったのですが、そのきっぷが珍しくて……。

藤代博士: 珍しい、とは?

黒宮氏: あの、右側についてる4ケタの番号があるじゃないですか。あれがぞろ目だったんです。ちょっとしたことだったけど「ラッキーだなー」と思ったのを覚えてます。

藤代博士: なるほど。それ以外に特徴などありましたか?

黒宮氏: いえ、それ以外は特に……。

藤代博士: わかりました。では続いて、あの駅での現象について教えてください。

黒宮氏: まず、降りた駅がいつもの駅と違うと気づきましたね。

藤代博士: [編集済み]駅と言う場所をご存知でしたか?

黒宮氏: 全く知りません。だから私自身もすごく焦って……。でも降りてすぐにその焦りよりも強い思考で頭が埋め尽くされたんです。

藤代博士: それはどのような考えですか?

黒宮氏: 「ミヤナリ君を待たないと」って直感的に思ったんです。そこからはずっとホームの前でミヤナリ君が来るのを待ってました。それから男の人に声をかけられるまで記憶はないので詳しいことはよくわかりません……。

藤代博士: なるほど。では次にミヤナリ君という名称に聞き覚えはありますか?

黒宮氏: (10秒沈黙)あの駅に着くまでは忘れてました。

藤代博士: 忘れてた?

黒宮氏: 今ははっきりと覚えてます。ミヤナリ君の事。なんで忘れてたんだろう……。

藤代博士: では、そのミヤナリ君の事について教えてください。

黒宮氏: はい。ミヤナリ君は高校の頃私と付き合っていたんです。優しくて、かっこよくて、身長高くて、みんなの人気者だったんです。私なんかとなんで付き合ってくれたんだろうって思ってたなあ……。

黒宮氏: 高校3年生の頃、[編集済み]駅でいつも待ち合わせしてたんです。彼、部活のエースで帰り遅かったから。彼の分の飲み物買って、そわそわしながら……

藤代博士: ちょっと待ってください。今、[編集済み]駅と言いましたか?

黒宮氏: はい。高校の頃使ってた駅ですけど……。

藤代博士: 先ほどあなたは[編集済み]駅を知らないと言っていましたよね。

黒宮氏: 何言ってるんですか?[編集済み]駅は高校の頃登下校で使ってた駅ですよ。知らないわけないじゃないですか。

<録音終了>

終了報告書: インタビュー終了後、黒宮氏にBクラス記憶処理を行ったところ、「ミヤナリ君」に関する記憶がなくなりインタビュー前の記憶に戻っていることが確認できました。

この事例によりSCP-XXX-JP-2がSCP-XXX-JP-1'以外の券売機からも排出されること、何らかの事象がトリガーとなり、SCP-XXX-JP-2内に入った対象に軽度の記憶障害が発生することが分かりました。また、SCP-XXX-JP-2内への侵入を完全に防ぐことが難しい事から、オブジェクトクラスがKeterに変更されました。

補遺2: 20██年█月██日、SCP-XXX-JP-3内の探索時にホーム内のゴミ箱の中からしわがついた文書を発見しました。この文書がSCP-XXX-JP-3内に発生する記憶障害に関連するか現在調査中です。