Haru-Aki-

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス:Euclid Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは我々にとって有益です。
SCP-XXX-JPは素直に我々の話を聞き、指定された箇所に収容できます。

追記:2012/8/9
SCP-XXX-JPの発作を起こさない様に、SCP-XXX-JPを収容する担当者はDクラス職員以外で編成し、収容をおこなって下さい。

SCP-XXX-JPは、サイト-81◼︎◼︎内の"自室"と呼ばれる一室に収容します。"自室"は10m四方の直方体の部屋で、必ずトイレ、洗面所、調理器具の揃えられたダイニングキッチン、冷蔵庫、布団、そして純文学の文庫本をぎっしり詰めた本棚を設置して置いて下さい。また、冷蔵庫にはSCP-XXX-JPから定期的に渡されるメモの通りの食材を入れて置いて下さい。
SCP-XXX-JPが脱走した場合、サイト-81◼︎◼︎の敷地内であれば捜索の必要はありません。一時間ほどすればSCP-XXX-JPは"自室"に帰ってきます。

追記:2012/8/9
SCP-XXX-JPと同時のタイミングでサイト-81◼︎◼︎が収容している他のSCPが脱走した場合、速やかにSCP-XXX-JPを捜索し、収容して下さい。その際には他のSCPが脱走している事を悟られないようにして下さい。
もし上記の万が一の事態が起き、SCP-XXX-JPが他のSCPと接触してしまった場合は、速やかに職員はその場を離れ、サイト-81◼︎◼︎内に戻って下さい。
職員にはSCP-XXX-JPに対して記憶処理は必要ありません。

説明: SCP-XXX-JP(以下、彼と呼称)は黒髪で色白の十代半ばの日本人の青年です。彼は大半の財団職員にとっては、有効的な人物として認識されています。
彼は、ある一点を除いて普通の青年と何ら変わりありません。高校一年生レベルの知識を持ち、料理に対しての知識が豊富で、文学を読む事を趣味とし、性的な話題を提示すると赤面します。
一日に六時間ほど睡眠をし、朝食、昼食、夕食を取ります。暇な時には本を読んだり、敷地内でランニングなどをしています。

彼の特異な点は、人の悪意に対してとても敏感な所です。
彼が収容された時に険悪な仲だったDクラス職員二人が、彼の必死な説得によって現在その二人は以前より良好な関係を築いています。
その後彼と関わった人物の彼の特性として、悪意を和らげる力があるという事が確認されています。

上層部は彼のオブジェクトクラスをEuclidと判定しました。

追記:2012/8/9
上層部の決定により、彼のオブジェクトクラスをketerに引き上げる事が決定しました。

2012/7/3
SCP-XXX-JPがDクラス職員、D-868931とすれ違った瞬間、D-868931の左胸は、銀色に変色したSCP-XXX-JPの拳に貫かれ、D-868931は絶命しました。

SCP-XXX-JPは絶命したD-868931を見て、満足げに笑いました。

この後、D-868931の経歴を調べると、彼は元殺人犯で、合計25人の市民を殺害していました。

また、D-868931とSCP-XXX-JPは以前に廊下で接触しており、その際の監視カメラのデータが残っています。

SCP-XXX-JP「あんたはここをどう思ってる?」
D-868931「どうもこうも、最悪だ」
SCP-XXX-JP「そうか。外に出たいのか?」
D-868931「あぁもちろんさ。こんなクソッタレな所に居たら気が滅入っちまう」
SCP-XXX-JP「じゃあ例え話だけど…外に出たらまず何をしたい?」
D-868931「お袋の飯が食いたいかなぁ(笑顔で懐かしむように)」
SCP-XXX-JP「………..そうか」
SCP-XXX-JPは"自室"へと戻っていった。

※確認した所、D-868931の母親は、D-868931本人に殺害されていました。

レントゲンの結果によると、SCP-XXX-JPの背骨の骨髄の中に、ミニチュアの中世の刀剣のような影を確認しました。

SCP-XXX-JPの身体検査を行うと、SCP-XXX-JPの犬歯、血、毛髪から、それぞれ別のDNAが検出されました。また、SCP-XXX-JPの一張羅である黒の男性用下着は、グレネードランチャーの直撃を耐えました。

また、ある日偶然SCP-XXX-JPがSCP-◼︎◼︎◼︎-JPと接触した瞬間、SCP-XXX-JPは全身を銀色に変色させ、SCP-◼︎◼︎◼︎-JPをその拳で跡形もなく破壊しました。
破壊されたSCP-◼︎◼︎◼︎-JPは本来の機能を完全に失いました。その後、SCP-◼︎◼︎◼︎-JPのオブジェクトクラスはNeutralizedとなりました。

銀色に変色したSCP-XXX-JPの皮膚と筋肉を調べた所、地球上には存在しない金属に置換されていました。
その金属はダイヤより硬く、且つ筋肉と置換しても大丈夫な弾力を持っていました。
また、その状態のSCP-XXX-JPをレントゲンで確認してみると、骨髄の刀剣の影がが消えていました。

上層部はSCP-XXX-JPの元に殺人を行った経験のあるDクラス職員三人を送り、どんな反応を示すのか実験しました。
結果としては、Dクラス職員は全員無事でした。ただ、SCP-XXX-JPはDクラス職員達と話した後、無言で泣いていました。

また、Dクラス職員ではない処刑が決まっている快楽殺人鬼SCP-XXX-JP-aをSCP-XXX-JPと接触させると、口を開く前にSCP-XXX-JP-aはSCP-XXX-JPの金属化した拳によって肉片と化しました。そしてSCP-XXX-JPは不快そうな表情をして、肉片に唾を吐きかけました。

また、ある日SCP-XXX-JPの部屋を施錠したままにするという実験を行った所、その日の夜にSCP-XXX-JPは「ごめんなさい」と書いたメモを置いて、金属化した拳で壁に穴を開けて、敷地内に出て行きました。また、その日は満月でした。

収容は容易だが、完全な収容は不能。且つ悪人とSCPを問答無用で破壊する性質から、keterへの引き上げが決定しました。

補遺:SCP-XXX-JPは満月の夜にサイト-81◼︎◼︎の屋上によく行きます。
大抵の場合そこで月を見ながら自分の作った夕飯を食べているので、あらかじめ約束していれば、彼は一人分だけ食事を作っておいてくれます。
彼の料理は職員達に人気で、満月の前夜にはサイト-81◼︎◼︎内の職員達でじゃんけん大会が行われています。
また、彼は満月の日に、無色透明の鼻薬をさしています。それについて聞いてみると彼は、

SCP-XXX-JP「君達が必ず持ってるものだよ。俺はこれが無いと正しいものがわからなくなるからね」

と言っていた。