haneda123
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アイテム番号: SCP-995-JP<仮>

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル:
SCP-995-JPはサイト-8108内の低脅威物品保管ロッカーにて保管されています。一般職員がSCP-995-JPを開くことはO51名半数以上の承認が必要です。実験に関してはDクラス職員に対しての音声指示で行ってください。
また、この本に配属される職員は、SCP-995-JPの影響を受けた場合、終了されるかされないかを少なくとも、配属の一週間以上前には決定しなければいけません。

説明: SCP-995-JPは表面には何も書かれていない赤い本です。内容は一般的な自己啓発書のようだとDクラス職員を用いた実験により判明しています。出版社が書かれていないことなどから個人出版したものではないかと推測されています。
SCP-995-JPの異常な性質は、あとがきに書かれたとあるフレーズ(以降SCP-995-JP-1とする)を認識した瞬間に発現します。
SCP-995-JP-1を認識すると意識を失い目覚めた時には人格が外向的で利他的になり、非常に穏やかで優しいやまじめなど好ましいと認知されるような人格に変貌します。また重度の欝病や治療抵抗性統合失調症、パラノイア、反社会性パーソナリティ障害などの治癒効果が確認されています。
Dクラス職員で実験した結果はおおむね。過去の罪を認識し、償うために人道的に正しいと思われる方法を取る場合が多く、一般的に更生した状態になりますが、Dクラスの運用のためにこの本に接触させることは、倫理委員会によって許可されていません。
一度、SCP-995-JPの影響を受けると記憶処理などいかなる手段を用いても元に戻すことはできなくなります。

2016/██/██以降、SCP-995-JPは倫理委員会によって実験の中断を命じられました、以降の実験は倫理委員会2名以上の同意が必要となっています
実験記録001 - 日付2014/██/██

対象: D-634██-JP

実施方法: この本を読ませる。

結果: あとがきを読むと意識を失った、以後勤務態度が劇的に改善し、罪を償うために努力するようになった。

分析: 反社会性パーソナリティ障害に関しても症状が消滅した。これはDクラスの更生に使えるかもしれない。

実験記録002 - 日付2015/██/██

対象: D-625██-JP(重度のうつ病と統合失調症によって自殺未遂や異常行動を繰り返していた)

実施方法: この本のあとがきをカメラ越しに確認させる。

結果: 実験記録001と同様に、あとがきを読むと意識を失った、以後勤務態度が劇的に改善し、自殺未遂や異常行動を行わなくなった。

分析: 難治性の精神病の治療にも使えることが判明した、非常に有益なSCPの可能性が高い。

実験記録003 - 日付2015/██/██

対象: D-634██-JP(実験001で使用したDクラス職員)

実施方法: この本を読んだ記憶を消すように記憶処理を試験。

結果: クラスAからクラスD、およびクラスFの記憶処理を試したがSCP-995-JPの影響を取り除くことは不可能であった。

分析: おそらくSCP-995-JPの影響はミーム的なものではなく脳を器質的に変形させることで生まれていると推測できる。

補遺:

SCP-995-JPは同一の知識と記憶を持った、おなじ肉体の別人に作り変えるものです。SCP-995-JPの影響を受けることは有意義な影響だとしても、その人間の死を意味します。
仮に全人類がSCP-995-JPの影響を受けたら、戦争や紛争や犯罪はおそらく地球上からなくなるでしょう。ですがそれはAK-クラス世界終焉シナリオとほぼ同義です。少なくとも、SCP-995-JPはDクラスの安定運用のために扱うべきではありません。
以降の実験は実験の優位性が存在すると確定するまで中断させていただきます。 -財団倫理委員会、2015年