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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは標準生物収容ユニット内で飼育ケージを用いて収容されます。収容のためユニットを新たに設置する場合は、建設予定地から半径10mの範囲内でSCP-XXXX-JP以外のアノマリーが収容されないように設計してください。
SCP-XXXX-JPの収容は吸気口を備え付けたガラス製のケージを使用します。
SCP-XXXX-JPを複数体収容する場合はケージ1基につき5体まで可能です。ただし、SCP-XXXX-JPの局地的な集中を可能な限り避けるため、SCP-XXXX-JP収容数が上限に達したユニットを擁するサイトでは特別な理由を除きそれ以上の収容をせず、他サイトへの委譲を検討してください。
SCP-XXXX-JPを収容する全てのケージに、ケージ容積の50%に収まる規格の小型スクラントン現実錨*(Small Scranton Reality Anchor 以下:sSRA)を設置し、固定値を3-5Hmに設定してください。
実験02-1より、設置するsSRAの手配が間に合わないなどの場合に、廃棄処分が予定されているAnomalousアイテムで代替が可能です(アイテムの異常性が失われている場合は代替できません)。
SCP-XXXX-JP収容中はDクラス職員2名を指名して12時間毎にケージ外からの観察を行ってください。異常が確認された場合は速やかにセキュリティクリアランスレベル2/XXXX以上の職員に報告させ、カント計数機を用いて収容室内Hm値の三点計測を行ってください。特に、ケージ内のsSRAあるいはAnomalousアイテムの消失が確認された場合は、新たなsSRAあるいはAnomalousアイテムの設置を優先して行ってください。
SCP-XXXX-JPに関する実験を行う際には、セキュリティクリアランスレベル4以上の職員1名と片紡博士の承認が必要です。
説明: SCP-XXXX-JPは標準のニホンヤモリ(Gekko japonicus )の成体(以下:標準個体)に非常に酷似しています。SCP-XXXX-JPは現在、
サイト-81CX、-81FF、-81FG、-81FH、-81KBで計19 15 12体収容されています(以下:SCP-XXXX-JP-1~19 15 12)。
SCP-XXXX-JPの最初の個体群は2010/03/22に██川上流で起きた原因不明の大規模現実改変事象(以下インシデント-XXXX-JP、補遺2参照)に起因する河川の氾濫や土砂崩れから特異的に被害を免れた、3件の木造家屋とその敷地内で発見されました。この発見から確保に至る経緯については補遺1を参照してください。インシデント-XXXX-JP以降も、これに準ずるインシデントの発生する地域においてSCP-XXXX-JP個体群が発見されており、インシデント発生地域の周辺サイトによって確保と収容が行われています。
収容下における各実験から、以下の異常性が見つかっています。
1.食性不明:
…SCP-XXXX-JPは生存のための捕食、摂食、摂水行動を必要としません。ある一定の条件下(実験02参照)では収容違反の主原因となる領域現実性希薄化(以下:SCP-XXXX-JP-α)を発生させる事なく半永久的に収容可能であることが示されています。
2.繁殖不可:
…SCP-XXXX-JPは標準個体と同様に雌雄判別が可能ですが、収容環境下では現在までに繁殖行動は観察されていません。このことから自然界におけるSCP-XXXX-JP個体数の増加は繁殖によるものではないと考えられています。
3.特異的な移動方法:
…SCP-XXXX-JPは標準個体と同様に発達した趾下薄板によって壁面に張りつき垂直方向に移動できます。加えて、空間内のHm値の分布が均一でない領域において、Hm勾配の境界を壁面の代わりにして張りつき、たとえ空中であってもその境界に沿って移動できます。
4.原因不明の消失:
…SCP-XXXX-JPを長期間収容する場合、飼育ケージおよび収容ユニットの一部が現実性希薄領域化(SCP-XXXX-JP-α)する可能性があります。SCP-XXXX-JP-αとなった箇所はSCP-1280-JPの事象に見られるような「空間がぼやけて(歪んで)見える」状態となり、時間経過とともにその度合いは増していきます。SCP-XXXX-JP-αが確認された場合はそのサイトで収容しているSCP-XXXX-JP全個体を終了し、基底ヒュームによる中和が完了するまでサイトを封鎖することで直ちに鎮圧することが可能です。なお、中和処理におけるSRAの使用は収容ユニット内のHm最頻値が0.01Hmを下回る場合に限り許可されます。
なお、SCP-XXXX-JP-αの発見が遅れると、SCP-XXXX-JP自身が低ヒューム場によって希釈され、死亡または消失するケースがあります。
実験02の過程でSCP-XXXX-JPがAnomalousアイテムの異常性を消失させたことを受け、片紡博士の指揮で「カルラ・プロジェクト」が立案されました。当プロジェクトの詳細について閲覧を許可された職員は、添付された資料を参照してください。しかし、O5評議会と反ミーム部門、財団日本支部理事会によって否決され、「Thaumielクラスへの変更の提言」および「カルラ・プロジェクト」の始動は差し戻されました。現在再検証と追試が行われています。この計画は凍結されています。
以下は、異常性の発見、特定を行った実験記録の抜粋です。
実験記録01-収容環境選定試験 日付2010/03/23 サイト-81FF
対象:
実施方法:
結果:
**分析:
実験記録02-繁殖可能性選定試験 日付2010/03/24 サイト-81FF
対象:
実施方法:
結果:
**分析:
実験記録03-異常性特定試験 日付2010/03/24 サイト-81FF
対象:
実施方法:
結果:
**分析:
実験記録04-対現実改変者有効性試験 日付2010/03/24 サイト-81FF
対象:
実施方法:
結果:
**分析:
補遺:
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2010/3/22に██川上流でSCP-XXXX-JP-Aが起き、その二次災害として河川の氾濫や土砂崩れが起きました。被災地域内に建っていた家屋および施設は全て浸水や土石流によって倒壊、崩落しましたが、一部地域だけが全く影響を受けていませんでした(以下:エリア-XXXX)。エリア-XXXXは歴史的に河川の氾濫が起こるたびに最大で3-5mの浸水に見舞われてきた事が記録されていますが、当事象の際においては一切の浸水被害が出ておらず、第一発見者である消防隊員の証言では「あの場所だけまるで透明のドームが被せられているかのように泥水や土石が迂回して流れていた」と表現されています。上述した大規模現実改変事象対策チームから派遣された救助部隊が現地の消防隊と合流し、エリア-XXXXでの救助活動を行っていたところ、空中を飛び回るSCP-XXXX-JPが計4体確認され、増派された財団職員によって確保されました。
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「こちら機動部隊甲-5"谷風"の矢口隊員です。現場の状況を鑑みて、この後記憶処理剤散布が決定されると考えられます。よって、確保プロトコルγに則りこれより映像・音声記録による現場保存を行います」
「こちら対策本部の川平。了解した」
(中略)
チームA、家屋に到着。要救助者の捜索を開始します」
「大丈夫ですかーっ!」
「矢口、二階を」
「はい」
「██さーんっ!」
「大丈夫ですかーっ!」
「一階、救助者なし」
「二階、救助者なしです」
(数秒の沈黙)
「…室内は至って平時のままだ。となれば、洪水で流されていない限りは生存しているはずだ」
「…そうですね」
「次の家屋に向かおう」
「はい」
被災地全域およびエリア-XXXXにはカバーストーリー「山間部の局地的豪雨による洪水」が流布され、救助に当たった消防団および自衛隊とエリア-XXXX近隣住民にはクラスA記憶処理が施されました。
添付資料:
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要約
背景
目的