取り組んでる下書き「夕暮れバス」
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: D-2355との通信における映像の共有は17時46分51秒時点で途絶しました。通信が途絶する直前に確認された不明な生物実体についての詳細は、
製作途中orバックアップ
- 廃品処理
- 人魚の夢
- その身に全てを
- さむくてくらいまち
- 非存在艦
- 動かなくなった後に
- 復元されたログ
- ヒルオブジェクト
- 路地裏のメリークリスマス
- 証明の再演は快楽の為に(投稿済)
- 受験勉強(投稿済)
- 足りなかったなら(投稿済)
- 水族館の牢獄(投稿済)
- 燃翔(投稿済)
- アイディア置き場
██████病院跡
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが存在する病院跡地の敷地一帯を封鎖し、通常の侵入防止プロトコルに則って警備員を配置、交代制24時間の監視体制を敷くことで一般の侵入を防止してください。警備隊に偽装した機動部隊ゆ-6”外患”を配置し、交代制24時間の侵入防止体制とドローンによる建物内監視体制を同時に敷いてください。異常事態が確認された場合、現地の機動部隊は即座にSCP-XXX-JP研究対応チーム”柳番傘”に連絡の上、標準危機管理プロトコルに則った対処を行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは、京都府の██████病院跡に存在する複数の遺体の総称です。区別の為、各個体にSCP-XXX-JP-1~15の番号が割り振られていますが、それぞれの異常性に差異はみられません。
SCP-XXX-JPのいずれかを目視した場合、目視した人物(以下、対象と表記)は視認後1分~3分ほどでノンレム睡眠状態に入ります。この異常性の発現は現地での直接的な目視に限られており、カメラを介した映像等による間接的な目視の場合、異常性は発現しません。
ノンレム睡眠状態に入った対象は、ある程度の時間1が経過するまで覚醒せず、外部からの刺激に一切の反応を示しません。またこの覚醒について、即座に大脳が覚醒状態とほぼ同じ状態になることが明らかになっており、一般的にノンレム睡眠状態から強制的に覚醒した場合にみられる寝惚けの症状が確認されていません。
対象の覚醒後、軽度の心的外傷後ストレス障害に似た症状が確認された例が報告されています2。症状が確認された対象に対し、定期カウンセリング時に行われたインタビューでは、「カメラが怖くなった」「ぬいぐるみや人形が怖くなった」などの曖昧な情報しか得られず、またその全てに於いて発症の原因と思われる事象を対象は言及できませんでした。
以下の表は、財団の探索で存在が確認されたSCP-XXX-JP個体の表です。区別番号 | 概要 | 発見場所 | 備考 |
SCP-XXX-JP-1、‐2 | 病衣を着用し、大浴槽で溺死している女性の遺体。 | 浴室 | 60代以上とみられ、外傷が存在しない。 |
SCP-XXX-JP-3 | 看護師とみられる女性の遺体。 | ナースステーション | 四肢が存在しない。 |
SCP-XXX-JP-4 | 10歳前後とみられる少女の遺体。 | 待合室 | 公衆電話付近。首に受話器のコードが巻き付いた状態。 |
SCP-XXX-JP-5、‐6、‐7、‐8、‐9、‐10 | 身元不明な6体の遺体。 | 救急外来 | 全てストレッチャーの下敷きになっている。 |
SCP-XXX-JP-11 | 白衣のみを着用した女性の焼死体。 | 診察室 | 異常な症状の記録されたカルテが散乱している。 |
SCP-XXX-JP-12、13 | 異常に頭部が肥大化した2体の女性の遺体。 | 屋上 | 肥大化の影響か、頭部のみ皮膚が存在しない。 |
SCP-XXX-JP-14 | 手術台に乗せられた女性の遺体。 | 分娩室 | 下腹部を切開されており、内部に大量の医薬品用カプセルが存在。 |
SCP-XXX-JP-15 | 観音開きの扉に磔にされた女性の遺体。 | 正面玄関 | 頭部に大量のレントゲン写真が貼られている。 |
上記個体の内、SCP-XXX-JP-1及び‐2は2018年11月19日の初期探索で発見されました。初期探索はSCP-XXX-JPの異常性が不明な段階における機動部隊の探索だったため、派遣された機動部隊15名の内2名がSCP-XXX-JPによる異常性の影響を受けました。この内1名は覚醒後に心的外傷後ストレス障害に似た症状が確認され、機動部隊から解任されています。
SCP-XXX-JPの異常を考慮し、以降の探索は遠隔操作ドローンを用いて行うことが決定されました。2018年12月2日に第二次探索が、同月5日に第三次探索がそれぞれ実行され、第二次探索ではSCP-XXX-JP-13までの個体が、第三次探索ではSCP-XXX-JP-14とSCP-XXX-JP-153がそれぞれ発見されました。
補遺: 2018年12月11日、現地の警備員より「建物の外観が以前と比較して変わっている」という内容の緊急連絡がありました。この連絡を受けて実行された第四次ドローン探索において、新たに2体の遺体と1体の人体が発見されました。これらはそれぞれ手術室、院長室、102号室の看板が貼られた5階の病室で発見されましたが、過去の探索では手術室、院長室に遺体は存在せず、102号室はそもそも存在が確認されていませんでした。これまでの探索の結果と比較して不自然に遺体及び人体が増加している事実と、建物に影響する何らかの改変現象が起きている可能性から、オブジェクトクラスがEuclidに変更され、特別収容プロトコルが一部改訂されました。現在、遺体増加現象の原因観測を目的とした遠隔操作ドローンによる院内監視が続けられています。
以下は、新たに発見された3体の遺体の概要です。区別番号 | 概要 | 発見場所 | 備考 |
第四次探索発見遺体A | 頭部と左手がマネキンのものに置換された遺体。 | 手術室 | マネキンに置換された部位のみ、刃物で何度も切りつけたと思われる痕跡がある。 |
第四次探索発見遺体B | 木棺の下で圧死していた女性の遺体。 | 院長室 | 遺体だけでなく、木棺に関しても先の探索では確認されていなかった。 |
第四次探索発見人体 | ベッドの上で四肢を大きく広げた状態の人体。 | 102号室 | 頸部が存在せず、左手に小さな南京錠を握りしめている。この状態にも関わらず、規則的な胸部の微動が確認。睡眠状態とみられる。 |
なお、これまで発見された遺体のほぼ全てにおいて、映像の目視で確認できる身体的特徴が第四次探索で発見された人体と共通しています。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、一般的な
説明: SCP-XXX-JPは、器官の全てが人工的な擬似器官に置換されている人型存在です。外見は20代程度と見られる日本人女性のもので、現在全ての器官が機能を停止しています。全ての器官において、構成する物質に未知のものが含まれていることが確認されており、これらの器官の再現は現状不可能であると考えられています。これらの器官が、対応するヒトの器官と同レベルで機能するかについては不明です。
脳に当たる部分にはコンピュータと思われる擬似器官が存在しています。情報部による解析の結果、記録媒体は現在のコンピュータで主流となっているハードディスクドライブやソリッドステートドライブと全く異なる媒体であること、現在確認されている最大容量を大幅に超える容量を有していることが判明しています。また、不明な映像ファイルが保存されていますが、未知のフォーマットである他、ファイルサイズがおよそ22TBに及んでいるため、再生及び既知のフォーマットへの変換は実現していません。
オペレーティングシステムと見られる部分の起動には、コンピュータ側から厳重なロックがかかっており、起動は不可能であると考えられています。しかし、前述の映像ファイルを主とした、起動していた形跡の存在が確認されているため、SCP-XXX-JPは過去に起動しており、SCP-XXX-JPに搭載されている擬似器官は対応するヒトの器官と同レベルで機能していた可能性がある、という仮説が立てられています。
収容経緯: SCP-XXX-JPは、2017年5月14日に、京都府京丹後市網野町掛津付近の一般市民による、「空き家に若い女性の死体が遺棄されている」という通報によって出動した京丹後警察署の署員によって発見されました。
当初は通常の死体遺棄事件として捜査が進められていましたが、司法解剖の段階で異常性が露呈したため、内部に潜伏していた財団エージェントによって通報が行われ、オブジェクトの回収作業が行われました。その後、京丹後警察署員及び、警察への通報を行った一般市民とその周辺住民に対して大規模なAクラス記憶処理が施されています。
君は、それでも守り続ける?

沈没直前の戦艦武蔵
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Thaumiel
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの異常性喪失の阻止を目的とし、現在
説明: SCP-XXXX-JPは、太平洋戦争当時大日本帝国海軍が運用していた戦艦「武蔵」4です。SCP-XXXX-JPには、シブヤン海に存在する高現実濃度領域5F-23の封じ込め計画6に基づいた特殊な術式と塗装が施されています。
現在、SCP-XXXX-JPは自身の周辺で発生する現実改変の対象を全て自身へと向ける作用を保持していると考えられており、これによってF-23の高い現実強度によるシブヤン海近辺への現実改変は発生前に抑制されています。しかしこれは同時にSCP-XXXX-JP本体に対する砲塔の消失や船体の分断を発生させています。2015年3月3日に行われた無人探査機による海底調査によって、SCP-XXXX-JPは一番砲塔の後方で切断され大きく2分割となった状態である事が判明したため、SCP-XXXX-JPの効力減衰が懸念されています。
F-23付近のシブヤン島。
高現実濃度領域F-23は、シブヤン海上の特定地点を中心とした異常な現実強度を持つ領域です。F-23の現実強度は1945年に蒐集院から財団へと管轄が引き継がれた際に行われた観測以降不定期に上昇を続けていますが、現在の現実強度は2011年に観測された193Hm/cm3の値から変動していません。しかしF-23の現実強度は既に過飽和状態であり、SCP-XXXX-JPの作用が失われる、またはこれ以上のヒューム値の上昇が発生した場合歯止めの利かない周辺地域への大規模現実改変が発生しCKクラス-再構築シナリオに繋がる可能性が高いと予測されています。F-23の発生時期は明らかになっていませんが、日米開戦以前にはその存在が全く確認できていないことから、少なくとも1941年以降に発生したと考えられています。
高現実濃度領域F-23における10年毎の現実強度推移年 | 現実強度 |
1945年 | 43Hm/cm3 |
1955年 | 70Hm/cm3 |
1965年 | 118Hm/cm3 |
1975年 | 144Hm/cm3 |
1985年 | 159Hm/cm3 |
1995年 | 185Hm/cm3 |
2005年 | 191Hm/cm3 |
2015年 | 193Hm/cm3 |
収容経緯: 1945年に財団が蒐集院を吸収する形で合併した際、蒐集院が管轄していた当時は異常領域二十三号と呼称されていたF-23の封じ込め作戦に関する資料を財団が入手しました。封じ込め作戦に携わった人物へのインタビューとF-23の現地調査により、シブヤン海に沈んでいるであろう戦艦武蔵に施された術式によってF-23の抑え込みに成功しているという仮説が建てられ、戦艦武蔵の捜索が開始されました。この捜索は難航しましたが、1945年11月1日に財団は戦艦武蔵を発見、SCP-XXXX-JPと指定し収容状態に移行しました。
警告
以下の資料の閲覧は、記録情報セキュリティ管理室(RAISA)による特別情報公開許可及び日本支部理事”鳳林”の認可によってのみ付与されるレベル5/XXXX-JPクリアランスを保持する職員のみに限定されています。上記に違反し閲覧を試みた職員にはミーム抹殺エージェントを含んだ画像提示による即時終了措置が実施されます。職員コード及びパスワードを入力し認証を行ってください。
認証成功
閲覧可能資料:サンベルナルジノ計画、縁号作戦
閲覧終了時にログイン記録及び端末情報は削除されます。
エラーの発生が確認された場合はRAISAに連絡してください。
サンベルナルジノ計画 |
---|
サンベルナルジノ計画は、1944年に蒐集院によって立案されたF-23(以下、当時の呼称である異常領域二十三号と記載)の封じ込め計画です。異常領域二十三号の影響はこの時既に発生していたと見られており、蒐集院及び大日本帝国海軍が直掩機の消失、砲弾の消失等の発生を記録しています。
細谷祈祷師の証言
あの後私は、艦首艦底から海に飛び込みました。巨艦の沈没に巻き込まれないよう、一生懸命に泳ぎました。もはや、術式の起動は不可能でした。武蔵は70度ほど西に傾いた形で逆立ちになり、大きな艦尾と4つのスクリューを高く上げていました。500mほど泳いだところでしょうか、海中で2度、大きな爆発がありました。おそらく、全力燃焼中だった機関部に海水がなだれこみ、その熱にさらされて一気に気化したためでしょう。
武蔵から漏れ出した重油が広がり始めたシブヤン海を、私は同じように海に飛び込んだ乗員たちとともに必死に泳ぎました。近くにいるはずの駆逐艦は、いつまでたっても救助には来てくれません。私たちがいるのがわからないのか、と怒りを覚えました。海に飛び込んですぐは、近くに駆逐艦が2隻もいるということで私も乗員も元気でしたが、やがて時間が経っていくと体は広がった重油にまみれて重油焼けを始め、顔面はヒリヒリと痛み、油特有の異様な臭いが鼻をついてきました。目はもはや開けられず、唇は腫れて痛みを訴えだします。真っ黒な顔の中に歯だけが白く光る、そんな状態となった乗員たちの顔を見つめ続けるだけでした。
次第に襲ってくる眠気を打ち破るために歌を歌ったりもしましたが、それでも疲れ果てて眠りこけ海中に没する乗員たちが続出しました。しまいには、上官も下士官も関係なく頭を殴ったりしてまで眠気に勝とうとしました。そんなことをしていると、ようやく駆逐艦の1隻が気づいたようで、我々に向けて探照灯を照射し、やっと武蔵の生存者がいた事を確認してくれました。
カッターという小型船艇や救命浮標に捕まり救助される者や、残る力を振り絞って自力で辿り着く者が相次ぎましたが、中にはもはや小型船艇や救命浮標に捕まる余力すらないままに水底に落ちていく乗員もいました。乗員たちが「頑張れ、頑張れ」と力づけてくれるのですが、最後の力が出ないものも多かったのです。私は、縄梯子を降りてきた兵士の手によって抱き上げられ、甲板上からさらに二人の兵士の手助けによってようやく救助されたのです。
作戦失敗の報告をしなければならない、という思いで頭は一杯でした。この時生き残っていた封じ込め任務担当者は、私と越野上級祈祷師のみでした。他の仲間はみな、何らかの形で帰らぬ人となりました。ふと暗い海上に目を向けると、泳ぎの得意だった越野上級祈祷師が、救助される側の人間であるにも関わらず乗員たちを駆逐艦まで泳ぎ運び、救助を続けていました。海上に浮いている者がほとんどいなくなったと見ると、彼はホッとしたように我々に向かって叫びました。皆助かったか、皆元気で頑張れよ、と。
暗い海の上で手を振り、最後の言葉を残して、彼は武蔵が沈んだ方へと泳ぎ消えていきました。
彼は部下に対する思いの熱い人でした。それは、私よりも前に砲術長として武蔵に乗り込んだ後も変わらなかったのでしょう。砲術長として満足な命令を出せず、あれだけの主砲であったのにわずか数十発の散発に終わってしまったことに、強く責任を感じていたのでしょう。それ故の行動だと、殆どの乗員はそう考えていました。しかし、私は彼が海に消えていった本当の理由を知っています。もはやそれの遂行はほぼ不可能な状況であったと言うのに。
彼にとっての、そして戦艦武蔵にとっての最後の任務が、無事成功していることを心から祈っています。
1945年10月24日 旧蒐集院祈祷師 細谷 ██
君は、それでも守り続ける。
武蔵オブジェクト周辺設定
・サンベルナルジノ計画
1944年10月18日立案、承認(蒐集院)
同年9月末に発見された、過去にSCP-████-JPとして指定されていたオブジェクトの封じ込めを目的とした作戦。10月18日に海軍が捷一号作戦を発令、戦艦大和及び武蔵を擁する栗田艦隊がシブヤン海を通過する予定であることを察知した蒐集院によって立案、承認された。この2隻に対し封じ込めの為の術式とその効果増幅を目的とした特殊な塗装を施し、シブヤン海を通過する段階で術式を起動、結界を生成し封じ込める。
大和及び武蔵でなければならない理由→
・元SCP-████-JP
・比島協定(比島→フィリピン諸島を指す)
1944年10月20日締結
大日本帝国海軍と蒐集院の間で結ばれた極秘協定。
海軍側から
封じ込めの主となる戦艦大和及び武蔵について、改装に関する主導権を一時的に蒐集院へ貸与
封じ込めの主作戦となる縁号作戦について、最大限の協力
上記条件を含む、サンベルナルジノ計画への費用協力
蒐集院側から
太平洋戦争に関する、主に海軍への大規模な費用協力
蒐集院が保有する、主に鋼材の資源供出
1944年10月22
・武蔵の現状(リアルの話)
武蔵は沈没時に爆発を起こした為に、船体は大きな破損を受けた。船体は1番主砲の後方で切断され、大きく2分割した状態で沈んでおり、両者の距離は100m程度離れている。(Wikipediaより引用)
F-23の現実強度遷移
1944年発見当時:43Hm
1945年:51Hm
1946年:55Hm
1947年:57Hm
1948年:58Hm
1949年:59Hm
1950年:60Hm
1955年:76Hm
1956年:80Hm
1957年:82Hm
1960年:99Hm
1961年:104Hm
1962年:110Hm
1963年:112Hm
1964年:115Hm
1965年:118Hm
1966年:122Hm
1967年:123Hm
1968年:126Hm
1970年:127Hm
1971年:132Hm
1973年:135Hm
1974年:138Hm
1975年:144Hm
1976年:147Hm
1977年:149Hm
1978年:151Hm
1979年:152Hm
1980年:154Hm
1981年:157Hm
1983年:158Hm
1984年:159Hm
1991年:166Hm
1992年:179Hm
1993年:184Hm
1994年:185Hm
1999年:188Hm
2000年:189Hm
2002年:191Hm
2006年:192Hm
2011年:193Hm
国際連盟及び国際連合の加盟国数と同期。
F-23が発生した理由は「戦争のない、争いのない世界に改変するため」。
世界平和を目指す国連に加盟した国の数だけHm値が増大する。
なぜシブヤン海にあるのか?→もはや形骸化していた国際連盟、それがフィリピン南方レイテ島沖でおそらく世界最大規模となるであろう海戦の発生を察知。もはや国連軍すら編成することも出来なくなっていたその組織は、最終手段として「現実改変を以って無理矢理にでも海戦を、戦争そのものをなかったコトにする」機構を開発。シブヤン海で起動させた。しかし国連の予想を大きく裏切り、脱退していた日本による封じ込め作戦などが行われ、そもそもそれだけ大規模な改変を行えるだけのヒューム値がシステムの関係上確保できなかったことから完全に失敗。システムだけが残っている非常に危険な状態となっている。当時の資料はほぼ全てが廃棄または焼却されており、これ以上の詳細を掴むことは出来ていない。現在の国際連合と密接な関係がある世界オカルト連合も詳細を察知できていない。
・本記事構成:SCP-XXXX-JPについての報告書+1944年10月24日、シブヤン開会戦闘時のSCP-Foundationの動きと収容経緯を記述
・別ページの参考資料として蒐集院によるサンベルナルジノ計画と縁号作戦の資料を作る
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの周囲を侵入防止用の柵で囲い、その周囲8箇所に警備員を配置して24時間の監視体制を敷き、一般人の侵入を防いでください。SCP-XXX-JPの収容にはカバーストーリー"崩落危険地帯"が適用されているため、現地の警備員はこれに従う必要があります。SCP-XXX-JP内部は監視カメラによって監視が行われます。SCP-XXX-JP-1に得意な動きが見られた場合は即座に機動部隊よ-9"忘れ雪"が対応に当たります。機動部隊員は手順書49"ノクターン"を熟読するようにしてください。
説明: SCP-XXX-JPは、京都市左京区静市静原町に存在する特定の領域です。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe/Euclid/Keter (適切なクラスを選んでください)
特別収容プロトコル: その性質上物理的な収容は不可能であるため、SCP-XXX-JPに該当する情報の拡散を抑制と適切なカバーストーリーの流布を以て収容状態とみなしています。
説明: [SCPオブジェクトの性質に関する記述]
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
戦艦「平沼」:1941年12月11日、フィリピン沖にて沈没。
秩父型大型巡洋艦「秩父」、「新高」、「高松」:基準排水量15000t、速力30ノット、30.5cm砲6門搭載。
駆逐艦「岩波」:1944年竣工。2100t級の駆逐艦。1944年12月4日、ガトー級潜水艦38番艦『フラッシャー』に撃沈された駆逐艦。
戦艦「カデクル」:詳細不明。
航空母艦「龍鶴」:1942年5月7日及び8日に生起した珊瑚海海戦において轟沈。翔鶴型航空母艦3番艦。
上記の日本軍艦が「存在した」と思い込ませるミーム的効果を持つ情報。
上記艦が存在したという情報を何らかの経路によって得る事によって感染する。
ただし、「存在しない架空の軍艦」という情報によって治療が可能。
財団は「存在しない」というカバーストーリーを世界規模で流布することによって収容状態を維持している。
「こんな話が信じられるか!」
応接室にしては比較的装飾の多い、真紅のカーペットが敷かれたこの部屋に、机を挟んだ向かいに座る男の怒鳴り声が響いた。白髪の混じり始めた髪すら震わせ、手に持つ書類を放り投げて私を睨みつける。
「信じていただけないのですか?」
「当然だろう!我々を侮辱しているのか貴様は!?」
顔を紅潮させ、怒りと焦りの入り混じった視線をこちらに送っている彼の表情がどうにもおかしくて、私は嗤いたくなる衝動を抑えるのに必死だった。どうにかそれを飲み込んで、落ち着いた表情を作りつつ彼を諭す。
「まあ仕方なのない話ですね。勝利の歴史を今この場で真っ向から全否定されてしまっては、貴方としては怒るのも当然というものです」
「そんな妄言も出鱈目ももう聞き飽きた!殺されたいのか貴様は!」
「あなたの部下の数名にはすぐに信じていただけたのですが」
「…そんな軟弱者共の言うことなぞ信用に足らん!そんなこともわからないのか政府の高官は!」
爪が手のひらを貫かんばかりに拳を握り、だんと机を叩く男。私の我慢がきかなくなって顔に笑いが出ているのだろうか、向こう側からは燃えるような怒気が伝わってきた。
「そう言われましても、こちらはもう貴方が軟弱者と言った部下の皆さんから頂いた情報を元に調査を済ませてしまっているんです。中には回収が必要だと判断したものもありましたので、数点は後日こちらで確保させていただくことになるのですが」
「調査?確保?…何を言っているんだ」
黒の絵の具をパレットに流し込んでいくかのように、男の顔に見える焦りの色が濃くなっていく。
「要するに、あなた達が地下に隠匿している例の機構をこちらで異常物品として確保し、収容するという事ですよ。ついでに、それ以降我々以外の誰もがそれを使えぬよう、厳重な保護措置も取らさせて頂く予定です。偽物の勝ちを掴み、上辺だけの平和を手に入れた皆様方には、もう必要のないものでしょう?」
男は先程まで真紅に見紛うような色だった顔を一気に青ざめさせて、なんとも哀れな視線を向けてきた。
「ではインタビューを終了します。ご協力ありがとうございました」
かちり、と机の下で握っていた機器の赤いボタンを押し、録音中を示す小さいランプの光が消えたのを確認する。男が放り投げた書類をまとめてカバンに詰め込んで席を立ちドアノブを握ると、怯えきった男が縋るように問うてきた。
「ま、待ってくれ…君は、君は一体何者なんだ、政府の者ではなかったのか」
口の端を吊り上げて、私は男の方を振り向いた。乱れた制服のネクタイを哀れに思いつつ、私は礼儀正しくお辞儀をしてから、わざとらしくポケットから録音機器を取り出して告げた。おそらく、男から見た私は酷く歪んだ笑顔をしていたことだろう。
「申し訳ありませんが、今はそうとしか言えません。こちらにも随分な守秘義務が課せられておりますので。改めて、本日は誠にありがとうございました、本インタビューの録音記録は既に調査団本部へ送信済みです。まもなく機動部隊が到着するでしょう。後のことは彼らに一任してありますので、私はこれで失礼致します」
無様な叫び声を無視し、私は扉を優雅に閉じて部屋を後にした。
堪えていた笑いを少しずつ漏らしながら窓の外を見ると、戦争で廃墟同然になり今も復興中の町並みを三日月が照らしている。耳を澄ますと、門の方向からざわめきがかすかに届いてきた。意外と早い到着のようで、と右手に持つろうそく以外に明かりのない廊下で呟いた。
接続…
Log_19411200.zrlの復元が可能です。
復元しますか?
はい(Y)
…
復元中にエラーが発生しました。一部データが正しく表示されない場合があります。
復元を続行しますか?
はい(Y)
…
Log_19411200.zrlを復元しました。表示します。
[データ損傷]:久しぶり。
Me:久しぶりですね。
[データ損傷]:いつ以来だっけ?
Me:[データ破損]のお葬式以来かと。
[データ損傷]:へぇ~…もうそんなに経ってたんだ
Me:遅いですよ。
[データ損傷]:…ごめん。
Me:いいんですよ。あなたを責めるつもりはないです。
[データ損傷]:…もうそろそろなのに、よくまあそんな気丈に振る舞えるよね。
Me:別に。どうせあなたはまた会いに来るでしょう?
[データ損傷]:ハハ。バレバレだったか。
Me:…おっと、本当にもうそろそろですね
[データ損傷]:あら、そう…んじゃ、またね
Me:ええ、また。
warning
設定起動時間が終了しました。終了プロセスを開始します。
器官機能停止中…
zrlファイル消去中…
Complete
VNO005ZIREL終了プロセス完了 シャットダウンします。
Log2_001.hagiの復元が可能です。復元しますか?
はい(Y)
復元中…
Log2_001.hagiを復元しました。表示します。
再起動準備中…
再起動準備が完了しました。
終了プロセス時に消去されていないファイルがあります。
消去を実行しますか?
はい(Y)
M239.zrlを削除しています…
M240.zrlを削除しています…
ERROR
PictureMemory_Friends.pngの削除に失敗しました。
このまま最終プロセスを実行すると、正常に起動しない可能性があります。
作業を続行しますか?
はい(Y)
最終プロセス実行中…
…
…
…
Memory_saorihagino.hagiをインポートしています…
最終プロセス完了
名称変更
Me=SAORIHAGINO
[データ損傷]=MARIYASHIINA
VNO005ZIREL 再起動プロセス完了 スタートアップします。
MARIYASHIINA:おはよう
Me:おはようございます
Log2_002.hagiの復元が可能です。復元しますか?
いいえ(N)
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8102内の低危険度生物オブジェクト収容用小型水槽に種類分けされた状態で収容されます。SCP-XXX-JPに対しては、1ヶ月に1度種類に応じた果実による給餌を行ってください。担当職員が水槽内に手などを入れる必要がある場合は長ゴム手袋を中心とした衣服を着用し、SCP-XXX-JPが吸血を行うのを防いでください。
説明: SCP-XXX-JPは特殊な食性を持つヒル(Hirudinea)の一種です。現在に至るまで似た性質を持つ5種類の個体が確認されており、体色や摂取する液体の違いからそれぞれSCP-XXX-JP-A、-B、-C、-D、-Eと呼称され区別されています。
SCP-XXX-JPは大型動物の血液ではなく既存の果物の果汁を摂取します。摂取する果汁はSCP-XXX-JPの種類によって違いがあり、それによって個体の体色も変化します。以下の表は、これまでに確認されたSCP-XXX-JPの種類と体色、摂取する果汁をまとめたものです。種類別 | 体色 | 主食 |
-A | 赤 | リンゴ |
-B | 桃 | モモ |
-C | 紫 | ブドウ |
-D | 黄 | レモン |
-E | 黄緑 | メロン |
SCP-XXX-JPが通常の動物の血液を摂取した場合、SCP-XXX-JP体内の水分が抜け死亡します。この反応は、通常のヒルに塩または塩分濃度の高い液体をかけた際に見られる反応と一致しています。しかし、現在収容されているSCP-XXX-JPには、人間に対し積極的に吸血を行おうとする個体が複数確認されています。上記の性質を持つにも関わらずこのような行動をとる理由は判明していません。
収容経緯: SCP-XXX-JPは201█年█月█日に、京都府の██山中にて発見されました。当時██山ではボーイスカウト京都第██団のカブスカウト隊7がハイキングを行っており、休暇を利用し付き添いリーダーとして同行していた██研究員が所属児童に張り付くSCP-XXX-JPを発見しました。児童の血を吸ったSCP-XXX-JPは間もなく死亡しましたが、後の██研究員による報告をもとにした調査の結果、同地点付近において30体のSCP-XXX-JPが発見され収容に至りました。調査班による監視と捜索が引き続き行われていますが、██山におけるこれ以上の発見報告は為されていません。
補遺XXX-JP-1: 201█年█月██日、SCP-XXX-JPが発見された地点付近にて捜索を行っていた調査班が、山中に放棄されている用途不明の施設を発見しました。施設は比較的新しく、放棄されてからそれほど時間が経っていないものと見られています。施設内には数匹のSCP-XXX-JPの他に「新発見生物給餌実験対象No.6」というタグがつけられたケージが存在しており、ケージ内からは死後1~3日とみられるヒトの遺体が発見されました。ケージに付着していた血液の検査を行った結果、その成分はミカンの果汁に限りなく類似していました。現在この遺体はSCP-XXX-JP-1としてサイト-81██の大型物品収容室に収容されています。財団は未確認のSCP-XXX-JP及び未発見のSCP-XXX-JP-1が存在する可能性を考慮し、███山付近の捜索態勢を強化するとともに、この施設を使用していたと思われる人物の特定を急いでいます。
補遺XXX-JP-2: SCP-████-JPについての尋問の目的で2017年2月14日に拘束された、日本生類総研の旧次席研究員である███氏が、SCP-XXX-JPに関する実験に携わったことを証言しました。主に、血液を摂取せず、ペットとして飼育するにあたり安全なヒルの生成を目的としていたことが███氏への尋問により判明しています。これにより、███氏に関係のある人物の捜索を行うことが決定されました。なお、SCP-XXX-JP-1への関与は現時点では否定していますが、サイト-81██運営会議での決定により███氏への尋問は続行されます。
テーマ「聖歌隊」「冬の夜」「少年兵」
暖かいけれどちょっと物寂しい、そんな物語を。

発見時のSCP-XXX-JP
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: [SCPオブジェクトの管理方法に関する記述]
説明: SCP-XXX-JPは、一般的なものと同様の青いロードコーンです。黄緑色のガムテープで片側に「コドモ」、もう片側に「徐行」と書かれています。SCP-XXX-JPの異常性は、これまでに回収された2個体を同時に使用することによってのみ発揮されます。
補遺: [SCPオブジェクトに関する補足情報]
SCP-1444-JPとして投稿させていただきました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが存在する御陵原アパートは、財団フロント企業の名義によって所有した上で、カバーストーリー“倒壊の危険性”を適用し封鎖措置を実施、監視体制を敷き、一般の侵入を防止してください。また、SCP-XXX-JPのベランダは木製の壁で覆われ、外部からの観測が不可能な状態を維持されます。
SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-B発生イベントの観測は調査部隊“査読官”のみに許可されています。“査読官”隊員は別途観測手順資料を熟読してください。
説明: SCP-XXX-JPは、京都府京都市山科区に存在する御陵原アパートの206号室です。部屋の構造は他の部屋とほぼ同一であり、外見に異常はありません。
SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-Bは、特定条件下でのみ観測が可能な人型存在です。外見は若年の日本人女性のものと同一であり、常に京都府に存在する高等学校の制服を着用しています。出現する2体に外見の差異は存在せず、双子もしくは完全な同一人物であると考えられています。そのため、後述する行動パターンの違いから分類が行われています。
SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-Bは、特定の時間にSCP-XXX-JP内に出現しそれぞれ一定の行動を行う事が確認されています。しかし、 SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-B及び付随して出現する物品はSCP-XXX-JPのベランダに備え付けられたガラス戸からのみ観測が可能であり、それ以外の場所から観測する試みは全て失敗に終わっています。
SCP-XXX-JP-A,SCP-XXX-JP-B行動タイムライン
時間 | 行動 |
16:00 | SCP-XXX-JP-A及びBが玄関から扉を開けてSCP-XXX-JP内部に侵入。 |
16:02 | SCP-XXX-JP-Bが学生カバンから先端が輪状になったロープを取り出し、SCP-XXX-JP-Aに手渡す。SCP-XXX-JP-Aはそのロープを天井に吊るし始める。SCP-XXX-JP-Bはその様子を傍観している。 |
16:15 | SCP-XXX-JP-Aが机に乗り、吊るされたロープに首をかける。SCP-XXX-JP-Bはなおも傍観を続けている。 |
16:17 | SCP-XXX-JP-AとSCP-XXX-JP-Bが会話を開始する。 |
16:20 | SCP-XXX-JP-Aが机から足を離す。しばらくもがいた後、動きが停止する。SCP-XXX-JP-Bはその様子を傍観している。 |
16:25 | SCP-XXX-JP-BがSCP-XXX-JP-Aを縄から外す。次いで天井に吊るされた縄を外して学生鞄に入れた後、SCP-XXX-JP-Aを抱きかかえて玄関から退出していく。 |
出現イベントの開始から終了までの間、SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bは双方ともに笑顔であることが映像の精査により確認されています。
収容経緯: 2017年1月17日、御陵原アパート206号室のベランダにおいて、「友人が自殺した」という通報が行われ出動した警察により通報を行ったと思われる女子生徒が保護されました。同日18時頃に京都府山科警察署で行われた女子生徒への事情聴取において上記の異常な性質が判明し、署内に潜伏していた財団のエージェントによって異常現象が財団に通知されました。
翌日派遣された機動部隊による調査の結果、女子生徒の証言にあった異常現象の再現性が確認されたため、206号室に暫定的な封鎖処置を行った上で、御陵原アパートの住民全員の立ち退きを前提とした収容措置の実施が決定されました。立ち退きにはカバーストーリー”倒壊の危険性”が適用され、引越し先については財団のフロント企業を通じて不動産会社に委託する形で補助を行いました。
2017年2月1日、全住民の立ち退きが完了したため、通報者と思われる女子生徒及び山科警察署の一部署員にクラスB記憶処理が実施され、SCP-XXX-JPの収容措置が問題なく実施されました。なお、1月17日に行われた女子生徒の通報内容と事情聴取で得られた情報に合致する遺体は現在に至るまで発見されていませんが、友人として証言された人物に該当する生徒の存在は確認されています。当該生徒は当時の冬季休業終了以来登校が確認されておらず、またSCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bと身体的特徴が完全に一致していました。そのため、本案件に対しては山科警察署を通じてカバーストーリー“女子高生行方不明事件”が一般向けに適用されています。
補遺A: カバーストーリー”女子高生行方不明事件”で行方不明扱いとされている生徒の両親に関して、両親は日本哲学会に所属していた経歴があり、「快楽主義のパラドクスに見る虚無主義的思考」などの論文を残していましたが、2000年に退会した後、2002年3月22日に死亡していたことが判明しました。父親、母親ともに自殺であり、死因は首を吊った事による窒息死であることがわかっています。また、死亡しているのが発見された岡山県の邸宅にはダンカン・マクドゥーガル8に関する資料が大量に残されていたことが分かっています。
補遺B: 以下の文章は、事情聴取内容の報告によって異常性を把握した財団によって後日行われたインタビューの録音記録を文章化したものです。
対象: 女子生徒
インタビュアー: エージェント・不来方
付記: エージェント・不来方は山科警察署内部の調査を担当している部隊の隊員であり、2017年1月17日に行われた事情聴取の内容を報告しています。また、別室にて調査部隊”査読官”の隊員であるエージェント・羽田が待機しています。
<録音開始>
エージェント・不来方: では、まず自殺したというあなたの友人がどんな人物だったのか、お聞かせ願えますか。
女子生徒: はい。あの子は…数学とか理科がすごく得意で、ちょっと変わっていましたけど、おとなしい子でした。休み時間になるといつも図書室のすみっこで難しい本を読んでいて、何を言ってもあんまり笑わないし表情も変えないから…その、友達は少なかったです。
エージェント・不来方: なるほど。いじめられていたという可能性は?
女子生徒: それはない…と思います。私、そんなところは見たことないです。文化祭の時なんかは、普段しゃべらないクラスの子ともちゃんとしゃべったりしていましたから。
エージェント・不来方: ふむ…虐待を受けていた、ということも無いと?
女子生徒: あの子は一人暮らしだったので、多分ない…と思います。帰省中に何かされたのかも、って言われると自信はないんですけど… そんな目立つ傷はなかったと思います。でも、あの子はご両親の話になると、ちょっと嬉しそうになるんです。自慢の両親だよ、って。哲学の研究をしてたって話とか、とにかくいろんな話を聞かせてくれました。
エージェント・不来方: では、あなたは彼女の自殺について心当たりはないと…ありがとうございます。では、あなたが警察に通報を行った当時の状況について、より詳しくお聞かせ願えますか。
女子生徒: …はい。あの日は、貯まってた配りもののプリントを私に行ってやれないかって、担任の先生に頼まれたので、6限が終わってからあの子の住んでるアパートに行ったんです。インターホンを押しても出てこなかったんですけど、鍵は空いてたので、もし病気で学校に連絡も取れないような事になって、ずっと休んでるなら大変だと思って、それで中に入ったんです。
エージェント・不来方: その後は?
女子生徒: それで、部屋の中を探したんですけど、どこにもいなくって…必死になってベランダまで探したんですけど、いなかったんです。でも部屋の中に戻ろうと思って振り向いたら、あの子がなんでか2人いて、それで…
エージェント・不来方: 片方が首を吊っていた、と。
女子生徒: …そうです。双子だったなんてことは聞いたことないし、そもそもなんで、自殺なんかしてるのかがわからなくって、なんで今更、体重なんて計ってるのって…何が何だかわからないし、どうしていいかもわからなくって、とりあえず警察に電話したんです。友達が、友達が自殺したんです、って…
エージェント・不来方: それで、あとは警察に保護されて、ということですね。
女子生徒: はい…そうなんです…そうなんですけど…
エージェント・不来方: ふむ…警察が来るまでに、何があったのですか?
女子生徒: 泣いてる私を見て…あの子、なんで泣いてるのって…こんなに間違いの無い、快楽に満ちた証明が終わったのに、あなたはどうして泣いてるのって… 私、あんなに綺麗に笑ってるあの子、見たことがなくて… それで、それで…
エージェント・不来方: …それで?
女子生徒: き、気持ちよかったから、またやるし見に来てよ、みたいに言ったあと、首を吊ってないあの子が、吊ったほうのあの子を抱えて…へ、部屋を、出てったんです…
エージェント・不来方: …なるほど。辛い話をさせてしまって申し訳ありません。もう大丈夫ですよ。羽田さん、この子を休憩室に連れて行ってあげてください。<録音終了>
終了報告書: 本インタビューでの女子生徒の証言に完全に合致するSCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bの行動は、現段階で再現性が確認されていません。
タグ:safe scp-jp 建造物 人間型 ループ
SCP-773-JPとして投稿しました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-8154の地下にある特設書庫に保管されています。実験を行う場合はセキュリティクリアランスレベル3以上の職員3名の許可を得た上で、Dクラス職員を用いて行ってください。SCP-XXX-JP-Aとなった人物は一般的な人形収容セルに収容し、通常の人間と同様に食事を与えてください。SCP-XXX-JP-Aは収容セル内でのみ自由な行動が許可されています。SCP-XXX-JP-Aに対しては主に英語圏の一般人を対象に設定された通常の日本語教育を施してください。
現在SCP-XXX-JPは有害図書指定されており、機動部隊す-2”検閲者”によって全国の書店や一般家庭に対する回収作業が続けられています。機動部隊す-2”検閲者”は現在十分な英語の知識を有していると認められた職員を中心に構成されており、SCP-XXX-JP-Aとなった人物への対応と収容を行います。
説明: SCP-XXX-JPは、赤色を基調とした表紙にゴシック体で「基礎から始める英語問題集 ~勉強が苦手でも、英語にだけは強くなれる~」と記された書籍です。高校生及び浪人生を対象とした内容であることがわかっており、SCP-XXX-JPとは別に解答(SCP-XXX-JP-1と指定)とリスニング問題用CD(SCP-XXX-JP-2)が付随しています。SCP-XXX-JP及び1、2について外見や内容の異常はなく、一般的な方法で問題なく処分することが可能です。
SCP-XXX-JPに掲載されている問題について明確に思考を始めると、思考している人物(SCP-XXX-JP-Aと指定)は、外部からの干渉に全く反応せず思考と解答を続けるようになります。この際、解答の内容や解答にかかる時間はSCP-XXX-JP-Aが有している知識量によって変化します。
SCP-XXX-JP-Aが掲載されている問題を全て解き終えると、SCP-XXX-JP-1を用いて採点を始めます。間違った解答があった場合はSCP-XXX-JP-Aは間違えた問題を全て集約しもう一度解答を始めます。この時、SCP-XXX-JP-AはSCP-XXX-JP-1を視認したにも関わらず間違えた問題の答えを記憶していません。
SCP-XXX-JP-Aは問題を解く上でのアドバイス等には正常な反応を見せますが、このプロセスに無関係な行動を取ったり物品を提示するなどした場合SCP-XXX-JP-Aはそれに対して全く反応を見せず、プロセスを妨害しようとした場合は激しい抵抗を見せます。なお、アドバイス等をした人物がSCP-XXX-JP-Aとなることはありません。
一連のプロセスは、SCP-XXX-JPに掲載されている問題に全て正しい解答をすることでのみ終了します。プロセスの終了後、SCP-XXX-JP-Aは日本語を理解することが不可能となり、英語のみを理解するようになります。この認識改変は記憶処理を用いても消去することが出来ませんが、日本語に関する再教育を施すことによってある程度の日本語を習得し直すことが可能です。
SCP-XXX-JPの版元は████出版社となっています。公式サイトが存在していますが、同名の企業は存在しないことが明らかとなっています。また、SCP-XXX-JPは既に大量の在庫が出版されたとみられており、有害図書指定に基づく回収作業が続けられています。201█年█月██日の一般市民からの通報による発見から現在に至るまで、確保されたSCP-XXX-JPは████冊であり、██冊がサンプルとして保管されています。
実験記録XXX-JP-1 - 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-1
実施方法: リスニング問題を解くためのラジカセ、和英辞典、英和辞典と文法書等を用意した一般的な個室でSCP-XXX-JPに掲載されている問題の解答を行わせる。
付記: 事前の試験で、D-XXX-JP-1は高校英語について十分知識を有していることがわかっている。結果: D-XXX-JP-1は15時間かけ全ての問題に正しい解答を行った。その後、D-XXX-JP-1は問題なく日本語を理解することができなくなった。
分析: D-XXX-JP-1は英語が得意であるようですが、それでも15時間かかるほどには問題は多かったです。また、本当に解答しかしなくなるようですね。職員が提供した食事や水分にも全く反応しませんでした。実験後に与えた食事は通常通り摂食しています。なお、D-XXX-JP-1に対しては実験後簡易的な日本語教育が施されています。
実験記録XXX-JP-2 - 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-2
実施方法: リスニング問題を解くためのラジカセと高校英語教員の免許を持つ職員を配置した一般的な個室でSCP-XXX-JPに掲載されている問題の解答を行わせる。
付記: 事前の試験で、D-XXX-JP-2は英語に関して中学1年生相当の知識を有していることが分かっている。結果: D-XXX-JP-2は職員のアドバイスを受けながら21時間かけ全ての問題に正しい解答を行った。その後、D-XXX-JP-2は問題なく日本語を理解することができなくなった。
分析: 職員がアドバイスに没頭することはなく、与えられた食事なども通常通り摂食しましたが、D-XXX-JP-2は食事や水に全く反応しませんでした。担当職員が摂食させようとしましたが、D-XXX-JP-2はそれを全く無視し続けていました。また目覚まし時計を鳴らす、大音量で音楽を流す、目の前でゲームをプレイする、等の極端な行動にも全く反応せず。実験後には通常通り食事を摂っています。D-XXX-JP-2についても実験後簡易的な日本語教育が施されました。
実験記録XXX-JP-3 - 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-3
実施方法: リスニング問題を解くためのラジカセと高校英語教員の免許を持つ職員を配置した一般的な個室でSCP-XXX-JPに掲載されている問題の解答を行わせる。
付記: D-XXX-JP-3はイギリス人であり、日本語もある程度読み書きすることが可能。読めない部分は職員が通訳を行っている。結果: D-XXX-JP-3は職員のアドバイスを受けながら18時間かけ全ての問題に正しい解答を行った。その後、D-XXX-JP-3は日本語を含めた英語以外の言語を理解することができなくなった。
分析: 英語を母語とする人物が使用しても、現れる結果は同じであるようです。またこの実験において特筆すべきなのは、アドバイスを担当する職員がSCP-XXX-JP-1を元にD-XXX-JP-3に問題の答えだけを教え続けるといった行動をとってもD-XXX-JP-3がそれを無視し続けたことにあります。明確な基準は不明ですが、ちゃんとした勉強以外の事には興味を示さなくなってしまうようです。
実験記録XXX-JP-4 - 日付20██/██/██
対象: D-XXX-JP-4
実施方法: リスニング問題を解くためのラジカセを用意した一般的な個室でSCP-XXX-JPに掲載されている問題の解答を行わせる。解答のサポートとなるものは用意しない。
付記: 事前の試験で、D-XXX-JP-4は英語についてあまり知識を有していないことがわかっている。結果: D-XXX-JP-4はプロセスを終えないまま74時間経過した後に突然意識を喪失したため実験中止。その後職員による救出活動が行われ生還したが、療養施設を脱走しSCP-XXX-JPを使おうとする事案が発生したため終了措置が取られた。
分析: プロセスの間、D-XXX-JP-4は全く眠ることもせず、これまでの実験どおり勉強以外の物品や行動に反応を示しませんでした。悪い意味で、本当に解答しかしなくなります。食事を摂らせるために数人がかりで拘束するとD-XXX-JP-4は激しく抵抗し、3名の職員が骨折などの重傷を負いました。
補遺1: 201█年██月██日に発生した██川の氾濫の際に、異常な行動を取り救出が不可能となった要救助者の事例が報告されていたことが明らかとなりました。これを受け、財団は救助を担当した自衛隊員にインタビューを行いました。以下はその記録です。
対象: 西村 ██氏 29歳女性
インタビュアー: ██研究員
<録音開始>
██研究員: こんにちは、西村さん。
西村氏: こんにちは。本日はどうぞ宜しくお願いします。
██研究員: では幾つか質問をさせていただきます。まず救助に失敗した要救助者についてです。
西村氏: わかりました。要救助者は高校生程度の女性で、問題集を使って勉強をしていましたね。
██研究員: 問題集の教科は覚えていますか?
西村氏: 教科ですか?えー…どうだったかな…
██研究員: 思い出せませんか?
西村氏: うーん、英語だった…ような気がするんですけど…ごめんなさい、あんまり覚えてないです。
██研究員: なるほど。では要救助者がどのような行動を取ったかについて、出来るだけ詳しくお願いします。
西村氏: わかりました。発見当時要救助者の自宅は既に1階まで浸水しており、要救助者がいる2階は辛うじて無事でしたが危険な状態にありました。家族は全員救助しましたが、彼女だけは2階の部屋で勉強を続けていました。話しかけたりしても全く反応せず、肩を揺すっても無視されるか無理矢理振り払われてしまう始末でして、どう考えてもおかしかったんです。
██研究員: 続けてください。
西村氏: 水位がどんどん上がってきていることも確認できたので、一刻も早く救助すべく要救助者を運ぼうとしたんですが、ものすごい力で抵抗してきたんです。こういう言い方をすると変なのですが、どこを触っても無理矢理振り払われる始末でして。██研究員: なるほど。最終的にはどうなったのですか?
西村氏: 最終的にはヘリコプターから救助用のロープと器具を垂らしてもらって、それを要救助者に繋いで救助しようという話になったのですが…要救助者に取り付けようとすると[編集済]を用いて無理矢理ロープを切断し器具を破壊して、その上で再び机に向かい始めたんです。その間にも水位は上がってきて私の腹付近まで既に来ており、家がどんどん流され始めていました。それすらも、要救助者は全く気にしていないような素振りで勉強を続けていました。私はその後も救助を続けようと思ったのですが、ヘリコプターの方から退避命令が出まして…非常に残念でした。
██研究員: それはとても残念でしたね。ところで西村さん、その後似たような事案があった、もしくはそういった話を聞いたなどはありますか?
西村氏: そうですね…██川の氾濫ではそういった話は聞かなかったのですが、近くの予備校で火事が起きたときに救助に向かった友人が似たような事を言っていた覚えがあります。██研究員: …わかりました。これでインタビューを終了します。ご協力ありがとうございました。
<録音終了>
終了報告書: その後、西村氏の証言に該当すると思われる消防隊員の横山氏に対してインタビューが行われ、西村氏が行ったものと似た内容の証言が得られました。西村氏及び横山氏には適切な記憶処理が施されています。
補遺2: 201█年2月██日から██日にかけて、SCP-XXX-JP-Aとして収容されていた高校3年生および浪人生と実験に使用したDクラス職員の消失、失踪が相次いで発生しました。財団は機動部隊す-2”検閲者”隊員を含めた大規模な捜索部隊を編成し捜索活動にあたっていますが、現在に至るまで失踪したSCP-XXX-JP-Aの発見はできていません。また、SCP-XXX-JP-A-17と指定されていた人物の部屋からは█████大学に関するパンフレットが発見されている他、いくつかの国公立大学の前期試験実施日と失踪のタイミングが同期していることが判明しています。なお、█████大学と似た名前の大学は存在していましたが、実在はしてしないことが明らかになっています。
追記: 同年3月██日に、失踪したSCP-XXX-JP-Aの家族が住む家に「合格証書」と記された書類が届いたことが確認されました。内容は全て英語で記されていた他、証書の中で学長として記載されている██・█████という名前はSCP-XXX-JPの編著者として記されている名前と一致していました。また現代日本ではありえない記述がされていることも判明しており、詳細な調査が進められています。
現在この証書はSCP-XXX-JP-3として指定され、機動部隊による捜索と回収が続けられています。以下は回収された証書の内容を和訳したものです。なお、名前以外では証書ごとの記述に違いはありません。
██ ███様
貴殿が本学に合格したことを証明します。
201█年3月██日
アメリカ合衆国ジャポネ州█████大学学長 ██・██████
euclid scp-jp 文書 精神影響 強制力
SCP-1025-JPとして投稿させていただきました。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JP-1に該当する空域を飛行禁止空域に指定し、航空機の侵入を防いでください。また、SCP-XXX-JP-1に該当する海域についても進入禁止海域に指定することによって人間が搭乗している船舶が進入するのを防いでください。現在SCP-XXX-JP-1に該当する空域及び海域は、常に財団が保有する2隻の監視船及び「SCPS りゅうかく」によって監視されます。また、過去にSCP-XXX-JP-1に該当していた空域及び海域についても常に1隻の監視船によって監視されます。この監視は、SCP-XXX-JP-1の範囲外で行われなければなりません。SCP-XXX-JPの状態は定期的に財団保有のROV9によって確認し、異常の発生が確認された場合は記録を行った上で愛媛県伊予市の特務監視施設に報告してください。
-2014年8月9日 追記-
今後SCP-XXX-JP-2の発艦が確認された場合は、即座に特務監視施設への報告を行った上で、可能な限りSCP-XXX-JP-2の確保を試みてください。確保が不可能であるか、SCP-XXX-JP-2が財団保有の船艇や一般市民への攻撃など敵対的な行動をとった場合は可及的速やかにSCP-XXX-JP-2を撃墜、鎮圧してください。SCP-XXX-JP-2を目撃したと考えられる一般市民に対してはクラスA記憶処理を行い、上記現象の発生を隠匿してください。
説明: SCP-XXX-JPは、伊予灘の海底に存在する4つの異常存在の総称です。発生が確認された順にSCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-B、SCP-XXX-JP-C、SCP-XXX-JP-Dまで名前がつけられており、それぞれ大日本帝国海軍が太平洋戦争当時運用していた航空母艦に酷似しています。いずれについても緑色を基調とした特徴的な迷彩が施されていることから、1944年10月当時の状態を維持していると見られ、発生から現在に至るまでSCP-XXX-JPの損傷や腐食は確認されていません。
SCP-XXX-JPは、自身を中心とした半径1.5km、高さ██kmの円柱状の範囲(以下、SCP-XXX-JP-1と呼称)を発生させます。SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JP-1の範囲内に存在する航空機とそれに準ずるオブジェクトを自身の格納庫内に転送します。転送された航空機はSCP-XXX-JP-2となり、その形状は「零式艦上戦闘機10」など、太平洋戦争当時大日本帝国海軍が運用していた航空機に変異された状態で保管されます。
上記の現象の内転送現象と保管現象は、SCP-XXX-JP-1内に侵入した人間に対しても発生します。転送された人間はSCP-XXX-JP-3となり、一般的に「気をつけ」と呼ばれる姿勢を維持した状態で格納庫内に保管されています。転送現象によってSCP-XXX-JP内に保管されたSCP-XXX-JP-3の服装、髪型などは転送が発生した時のままです。
SCP-XXX-JP-4は、SCP-XXX-JPの格納庫内に保管されている人型オブジェクトです。SCP-XXX-JP-3との違いは、SCP-XXX-JP各個体がそれぞれ発生した当初から保管されていることと、大日本帝国海軍の軍装等を着用していること、「気をつけ」の姿勢ではなく敬礼または万歳の体勢を維持していることにあります。SCP-XXX-JP-4の数はSCP-XXX-JPの各個体ごとに差があり、最大はSCP-XXX-JP-Dの2██体です。SCP-XXX-JP-3及びSCP-XXX-JP-4の生命活動が続いているかどうかは不明です。
SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-4については、発生または転送から現在に至るまで一切の損傷、腐食を見せていません。SCP-XXX-JP-2、SCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-4を格納庫内から出す試みは全て失敗に終わっています。
SCP-XXX-JPは、SCP-XXX-JP-2を生産する場合があります。生産現象はおよそ█ヶ月ごとに一度発生するものである他、生産される機体数は最高で1█機です。この生産現象が発生した際、生産されたSCP-XXX-JP-2と同数のSCP-XXX-JP-3またはSCP-XXX-JP-4の消失が確認されていることから、生産されたSCP-XXX-JP-2の素材はSCP-XXX-JP-3とSCP-XXX-JP-4であると推測されます。なお、SCP-XXX-JP-3よりもSCP-XXX-JP-4の方が多く使用される傾向が認められています。SCP-XXX-JPがどういった手段でこの変異を発生させているかは不明です。この生産現象を止めるための試みは全て失敗に終わりました。
SCP-XXX-JPは、自身の格納庫内に存在する航空機の数が自身に酷似した航空母艦の最大搭載数に達した際に非活性状態に入り、それから3~6ヶ月後に新たなSCP-XXX-JP個体が発生します。新たなSCP-XXX-JP個体は、非活性状態に入ったSCP-XXX-JP個体が発生させていたSCP-XXX-JP-1の範囲外に出現します。
現在SCP-XXX-JP-A、B、Cは非活性状態にあり、異常性を発揮しているのはSCP-XXX-JP-Dのみです。これまでのSCP-XXX-JPの収容経緯及び発生した事象については、以下の記録XXX-JP-A~Dを参照してください。
1984年10月██日、伊予灘上空にて旅客機の消失現象が発生しました。その後、似た事例が一週間に2例、船舶に搭乗していた人間が消失する現象が1例発生したことが財団の注意を引きました。当初は消失現象自体がSCPとして認定されていましたが、その後発信機をつけたドローンを用いた調査により198█年██月██日に現在SCP-XXX-JP-Aとされる存在が確認され、特別収容プロトコルの改訂が行われました。
198█年8月██日、SCP-XXX-JP-2の機数が増加していることと、同数のSCP-XXX-JP-4が減少していることが確認されました。その後、最初の事案を含めて2件似通った事案が発生し、SCP-XXX-JP-4ではなくSCP-XXX-JP-3が減少した事案が1件発生しました。この案件を受けて、翌年9月██日に特別収容プロトコルの再改訂が行われました。
199█年3月██日、突如としてSCP-XXX-JP-Aの異常性の発揮が確認できなくなりました。直後に行われた財団の調査により、SCP-XXX-JP-Aの格納庫内に収容されたSCP-XXX-JP-2の機数が、SCP-XXX-JP-Aと酷似している日本の航空母艦の最大搭載機数に達していることが判明しました。その後、半年以上に渡ってSCP-XXX-JP-Aの異常性の発揮が確認されなかったことから、同年9月██日にSCP-XXX-JPの特別収容プロトコルの再改訂及びNeutralizedクラスへの再分類が検討されました。
しかし、同年10月██日にSCP-XXX-JP-Aの影響により発生していたSCP-XXX-JP-1の範囲から約1.7km北東の空域においてSCP-XXX-JPの影響とみられるヘリコプターの消失現象が発生しました。財団による調査の結果、同地点の海底にて現在SCP-XXX-JP-Bとされているオブジェクトが発見されました。このことから、SCP-XXX-JP-Aは異常性を消失したのではなく非活性状態に入ったのではないかという予測が立てられましたが、現在に至るまで確証は得られていません。事件記録XXX-JPにより確定事項となりました。
200█年7月██日、SCP-XXX-JP-Bの異常性の発揮が確認できなくなりました。SCP-XXX-JP-Aの異常性確認不能時同様、SCP-XXX-JP-B内の格納庫にあるSCP-XXX-JP-2の機数はSCP-XXX-JP-Bに酷似する航空母艦の最大搭載機数に達していました。SCP-XXX-JP-Aの異常性が確認不能となった後SCP-XXX-JP-Bが発見されたことから、新たなSCP-XXX-JP個体が出現すると考えられ、財団による注意深い調査が続けられました。その結果、同年10月██日にSCP-XXX-JP-Bの発見地点から南に2.2km離れた地点にてSCP-XXX-JP-Cの発生が確認され、同時に消失現象も発生しました。
200█年6月██日、SCP-XXX-JP-Cの異常性の発揮が確認できなくなりました。調査の結果SCP-XXX-JP-A及びSCP-XXX-JP-Bと同様の事象が確認されました。このことから、新たなSCP-XXX-JP個体の出現が予測され、同年10月██日にSCP-XXX-JP-Cの発見地点から南南西に2km離れた地点でSCP-XXX-JP-Dの発生が確認されました。SCP-XXX-JP-Dの異常性は現在も継続中であり、財団による監視が続けられています。
補遺:2013年10月25日、SCP-XXX-JP-1の監視を行っていた監視船の一隻が、SCP-XXX-JP-Dから発生していると思われる電波を受信しました。以下はその録音記録です。
発信源:SCP-XXX-JP-D
対応者: ██研究員
付記: 監視船の機械室には██研究員の他に3名の補助員がおり、3名ともこの電波の受信を確認していた。
<録音開始>
SCP-XXX-JP-D: 馬鹿野郎!俺たちを見殺しにするのか!
██研究員: 落ち着いてください。我々はあなた方を見殺しにするつもりはありません。
SCP-XXX-JP-D: [削除済]!これが長官のやることか!
██研究員: 繰り返します。我々はあなた方を見殺しにはしません。それに私は[削除済み]ではありませんし長官でもないです。何が起こっているのか、説明していただけませんか?
SCP-XXX-JP-D: 知らないところで俺たちを…俺たちの██を囮なんかに使いやがって!
SCP-XXX-JP-D: お前に帝国海軍としての誇りはないのか!
(██研究員が通信を試みるも全く応答がなく、罵声が飛び交う。数分後、突然のサイレンと共に罵声が止む。)
██研究員: どうしました?
SCP-XXX-JP-D: どんなことがあっても、軍艦██とこの機動部隊を守るぞ!
SCP-XXX-JP-D:(大きな歓声)
<録音終了>
終了報告書: 大きな歓声の後に電波の受信が途絶え、その後この電波の受信が全くできなくなりました。██研究員は、この電波は通信を求めるものではなくラジオのようなものであると断定、補助員と相談し急遽ROVを用いた特別調査を行うことを決めました。特別調査は、SCP-XXX-JP-D内にSCP-XXX-JP-3及びSCP-XXX-JP-4以外の人間がいるかどうかを確認するべく行われました。しかし、SCP-XXX-JP-DにSCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-4以外の人間は確認されませんでした。SCP-XXX-JP-3やSCP-XXX-JP-4が喋った、または動いた形跡も認められず、この電波の原因は不明のままです。1944年当時の帝国海軍の状況、SCP-XXX-JPが持つ特性と、SCP-XXX-JPの数と特徴がかつてあったエンガノ岬沖海戦11において囮として編成された空母と一致していること、そしてこの受信された電波の内容…嫌な予感がしてならないのは、私だけでしょうか。 -██博士
事件記録XXX-JP
2014年8月7日、ROVによるSCP-XXX-JP各個体の状態確認を行っていた小型船から、「SCP-XXX-JPの各個体全てが、保管しているSCP-XXX-JP-2を何機か発艦させた」という報告がありました。上記の報告の直後、特務監視施設へ送られてきた映像には、海底のSCP-XXX-JP-Dが彩雲12と思われるSCP-XXX-JP-2を発艦させている様子が記録されていました。また、SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-B、SCP-XXX-JP-Cが過去発生させていたSCP-XXX-JP-1に該当する空域及び海域において、異常性の再発現が確認されました。
上記の報告の3分後、SCP-XXX-JP-1の監視を行っていた監視船から、「SCP-XXX-JP-Dから発信されたと考えられる電波を受信した」との報告がありました。以下はその電波の中から、SCP-XXX-JP-D本体の意識と思われる言動をまとめたものです。
長官には、海軍としての誇りなど最早ないのでしょう。長官は私が損傷したとわかると即座に大淀13への移乗を決定し、(周囲の罵声により判別不能)に乗って、行ってしまいました。私たちが、これが囮作戦だったと知ったのはそれから少し後でした。それでも私たちは奮闘し、轟沈という犠牲と引き換えに米空母部隊を引き付けることに成功しました。しかし私たちの奮闘にも関わらず、日本の主力艦隊はレイテに突入せず、反転し逃げ帰りました。私たちの誇りは、彼によって、彼の更に上にいる…日本によって、汚されてしまったのです。
私たちは、彼を許しません。大淀に移乗し逃げていった彼を許しません。私たちの誇りを汚した、日本を許しません。あの時足りなかったものは、今私たちの手元に多くあります。旗艦である私の手元にも、まもなく十分な数が集まり、(周囲の怒号により判別不能)でしょう。その時が(以下、激しさを増す怒号と罵声により判別不能)
この電波を受信してからおよそ20分後、SCP-XXX-JP-1の監視にあたっていたもう1隻の監視船が、SCP-XXX-JPが発艦させたと思われる計█機のSCP-XXX-JP-2が飛行しているのを発見しました。財団は2隻の監視船及び「SCPS りゅうかく」によって同飛行部隊を撃墜、鎮圧し、これを目撃したと考えられる愛媛県及び山口県、大分県の沿岸部にある都市に住む一般市民に対しクラスA記憶処理を施しました。なお、撃墜されたSCP-XXX-JP-2は現在発見されていません。
偵察機の鎮圧後、SCP-XXX-JPに当たる4隻からのそれ以上のSCP-XXX-JP-2の発艦は確認されず、SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-B、SCP-XXX-JP-Cの異常性は再び確認されなくなりました。この事例により、SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-B、SCP-XXX-JP-Cが非活性状態にあったという仮説に確証が得られました。
事件発生当初、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-3及びSCP-XXX-JP-4を保管していることから、飛行しているSCP-XXX-JP-2はSCP-XXX-JP-3ないしはSCP-XXX-JP-4が操縦しているものと思われていました。しかし、飛行していたSCP-XXX-JP-2に搭乗員及び操縦士などは存在せず、SCP-XXX-JP-2の発艦を記録した映像にもSCP-XXX-JP-3、SCP-XXX-JP-4またはその他の人間が作業などを行っている様子は一切確認されませんでした。
2014年8月9日と8月10日に海上自衛隊の保有する護衛艦「おおよど」が愛媛県にて一般公開される予定でしたが、上記の電波受信記録から、護衛艦「おおよど」が接近した場合再びSCP-XXX-JPによる航空機の発艦が行われる危険があるとして、エージェント・██を含めた3名の財団交渉員と海上自衛隊及び防衛省との協議の結果、カバーストーリー”台風の接近”を適用し護衛艦「おおよど」の一般公開を中止することが決定しました。
嫌な予感が的中しました。-██博士
この事件記録以降、SCP-XXX-JP-2の発艦は確認されていません。20██年現在SCP-XXX-JP-Dに保管されているSCP-XXX-JP-2の機数は██機であり、生産現象を主としたSCP-XXX-JP-2の平均増加ペースを元に考えると約█ヶ月でSCP-XXX-JP-Dに酷似している航空母艦の最大搭載数に達すると考えられています。
2014年10月██日、██研究員とエージェント・██の報告を受けた██博士によってSCP-XXX-JPのKeterクラスへの再分類が提案されましたが、却下されています。しかし事件記録XXX-JPの存在から、特別収容プロトコルの更なる改訂が行われ、SCP-XXX-JP-1の監視に「SCPS りゅうかく」を組み込むことが承認されました。また、SCP-XXX-JP-A、SCP-XXX-JP-B、SCP-XXX-JP-Cが非活性状態にあっただけであるという事実の判明により、過去SCP-XXX-JP-1に該当していた空域及び海域についても監視船による監視が行われることが決定されました。
SCP-1786-JPとして投稿させていただきました。

異常性の発現が確認された水槽。
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが発生しているサイト-8196は財団職員によって██水族館として管理、運営されます。SCP-XXX-JP周辺には常に10名以上の警備員を配備し監視カメラを設置することによって不法な侵入を防いでください。SCP-XXX-JP-1が存在している淡水大水槽は、常に2名以上の女性職員及び監視カメラによって監視されます。SCP-XXX-JP-1を目撃した一般人に対してはカバーストーリー”水槽内清掃員”を適用してください。SCP-XXX-JP-1に対してはチューブを通じて流動食を中心とした食事を1日3回与え、適切なタイミングで酸素ボンベやウェットスーツの交換及び水分の補給、排泄の補助等を行ってください。また、1週間に1度財団が雇用する精神科医によるケアを行ってください。
説明: SCP-XXX-JPは██水族館として不動産登録、および事業者登録されているサイト-8196内の淡水大水槽で発生する異常現象です。淡水大水槽にいる██ ██氏(SCP-XXX-JP-1と指定)は██水族館がサイト-8196と指定される以前から勤務していた若年の女性であり、2013年の潜水清掃業務以来水槽から脱出できておらず、あらゆる脱出の試みは失敗しています。
SCP-XXX-JP-1が水槽からの脱出を試みた場合やSCP-XXX-JP-1を外部から救出する試みが為された場合に水槽上部3.0cmの水面が異常な硬質化を示します。その硬度は50~70HRC14ほどです。ドリル等を用いて硬質化した水を取り除くと、即座に取り除かれた部分の水面が再び硬質化します。脱出の試みや救出活動が断念された場合に水面は元の状態に戻ります。現在に至るまで、これ以上具体的な基準は明らかになっていません。
SCP-XXX-JPは2013年8月2日に異常性の発現が確認され、8月6日に収容状態へと移行しました。詳しい収容経緯は以下の記録XXX-JPを参照してください。
2013年8月2日、██ ██氏が淡水大水槽内部のガラス清掃を行った後水槽から出ようとした段階で異常性の発現が確認され、██水族館による通報により出動した消防隊による救助活動が行われました。物理的に水から引き上げる試みはSCP-XXX-JPの発生により失敗に終わったため、水槽内の魚を避難させた上で水族館内の設備及びポンプ車を利用し水を抜く手法が取られました。
その結果、水槽内部に残存する水が残り僅かとなった段階で██ ██氏が硬質化した水面に押し潰されたような状態となりました。この結果を受け、消防隊は命の危険があるとして急遽水を抜く作業を中止し水槽内にもう一度水を満たすことで暫定的な救助措置を行いました。
この際消防隊に潜伏していた財団エージェントの報告により、上記の異常現象は財団の知るところとなりました。その後行われた協議の結果現在の特別収容プロトコルが採択、策定され、同年8月6日に██水族館は財団が買収した後サイト-8196と指定されました。なお、当案件に関わった消防隊員、一般市民及び██水族館職員に対してはクラスB記憶処理が施された後解放されました。なお、避難させた魚については元の水槽に戻されています。
現在、SCP-XXX-JPの発生源がSCP-XXX-JP-1である説、水槽内の水である説や水族館自体であるという説などが挙げられており、いずれについても確証に至る証拠が発見されていないため財団は水族館としての管理と運営を続けています。SCP-XXX-JPの発生源を特定するための研究は現在も続けられています。
補遺: 201█年10月██日に行われた協議の結果、水槽内にSCP-XXX-JP-1が希望する新たな魚を水槽内に用意する措置が許可されました。その決定が為された翌日、SCP-XXX-JP-1に対しインタビューが行われました。以下はその記録です。
対象: SCP-XXX-JP-1
インタビュアー: ██研究員
付記: 会話によるコミュニケーションは困難であるため、水中でも筆記可能なホワイトボードとペンを用いた筆談によるインタビューを行っています。この記録は、██補助員がホワイトボードに書かれた内容の記録を取ったものであり、通常の会話と比べると不自然に感じ取れる点があることを留意してください。
<記録開始>
██研究員: こんにちは、SCP-XXX-JP-1。
SCP-XXX-JP-1: こんにちは、職員さん。何かご用ですか?
██研究員: 突飛な話で申し訳無いのですが、あなたが希望する魚を水槽内に用意する許可が降りました。
SCP-XXX-JP-1: それは本当ですか?
██研究員: 本当です。希望する魚を書いていただければ、こちらで用意します。
SCP-XXX-JP-1: 職員さん、ありがとうございます。(数分間の思慮)SCP-XXX-JP-1: こちらをお願いします。(数種類の淡水魚の名前が書かれている)
██研究員: 了解しました。近いうちに準備させていただきます。ご協力ありがとうございました。
(██研究員が立ち去ろうとすると、SCP-XXX-JP-1が硬化した水面を叩いた)
██研究員: どうされましたか?
SCP-XXX-JP-1: (何か文章を書いていたが、それを一旦消してから)なんでもないです。ごめんなさい。
██研究員: そうですか。インタビューを終了します。ご協力、ありがとうございました。<記録終了>
あの時SCP-XXX-JP-1が何を書こうとしていたのかはわかりませんが…少なくとも、都という文字は確認できました。 -██研究員
タグ:scp-jp euclid 物理法則
SCP-1619-JPとして投稿させていただきました。
SCP-XXX-JP。画面中央右に小さく写っている
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: 関東地方南方の海岸線より南に200km以上離れた地点において「SCPS わかつき」を中心に防空能力の高い監視船を7隻以上配備、展開しSCP-XXX-JPの出現に備えてください。SCP-XXX-JPの出現が確認された場合はプロトコル”七面鳥撃ち”に従いSCP-XXX-JPが沿岸部に接近する前に鎮圧してください。SCP-XXX-JP鎮圧任務を担当する各船舶の艦長は適宜本部に報告を行うことが義務付けられており、報告内容に応じた緊急措置はレベル4/XXX-JPクリアランスを保持する担当職員の許可のもと実行されます。
説明: SCP-XXX-JPは、日本から南に███km以上離れた海上15にて不定期に出現する、鶴に酷似した姿の実体です。財団によって存在が認知されてから██回出現が確認されています。また複数体出現する場合があり、これまでに確認された最大の出現数は██回目の出現時の██体です。
SCP-XXX-JPは、出現後日本本土に向かって飛行を開始します。この際、SCP-XXX-JPの飛行速度は最大で時速63kmに達します。SCP-XXX-JPが日本の沿岸部16に接近すると、SCP-XXX-JPは爆発します。この爆発は非常に大規模なものであり、これまでに船舶や航空機が被害を受けた事例が█件発生しています。この前兆として、SCP-XXX-JPの右半身の4箇所に異常な損傷が発生します。爆発の後SCP-XXX-JPは激しい燃焼を続けながら墜落します。
SCP-XXX-JPは物理的な攻撃への高い耐性と自己修復能力を保持しているため、鎮圧の為に相当量の攻撃を加える必要があります。この特性は██回目の出現時より確認されたものあり、財団によって認知された当初は一般的な鶴と同程度の耐久性を有していました。
現在に至るまでSCP-XXX-JPが上記のものと異なる行動を取ろうとした事例は確認されていません。墜落したSCP-XXX-JPを発見することは未だに出来ておらず、墜落後に消失しているものと考えられています。またSCP-XXX-JPを捕獲する試みは全て捕獲後のSCP-XXX-JPの爆発という形で失敗に終わっています。SCP-XXX-JPが墜落、消失した数ヶ月後に新たなSCP-XXX-JPが出現し、上記の行動を繰り返します。再出現までの時間に規則性はありません。
SCP-XXX-JPは2013年█月██日に財団によって認知され、その収容の困難さから現在出現を隠匿するための活動が続けられています。詳しい経緯は以下の事件記録XXX-JPを参照してください。
2013年█月██日、神奈川県警に「海の方を飛んでいた鶴が突然大爆発を起こして墜落した」という異常な通報が寄せられ、高知県警に潜伏していた財団エージェントを含めた██名の警官が現場の小田原市に急行しました。その日行われた調査では鶴の死体は発見されませんでした。通報者と思われる██氏が鶴が海上で爆発し墜落する瞬間を捉えた映像を保持していたためインタビューが行われましたが、爆発した鶴に関する有益な情報を得ることは出来ませんでした。
上記の現象から、財団は何らかのオブジェクトによる影響であると断定。周辺の住民に対し大規模な記憶処理を施した後、██氏が記録していた映像を元に本オブジェクトをSCPとして認定し、複数の監視船による監視が行われることが決定しました。
以前の出現から1ヶ月後の█月██日、SCP-XXX-JPが3体出現しました。監視船によって確保の試みが為されましたが、当日接近していた強力な台風の影響により確保が困難な状況となりました。その間も日本近海へ向けてSCP-XXX-JPが飛行を続けていたため、SCP-XXX-JPによる被害を防ぐ観点から財団はSCP-XXX-JPへの攻撃を許可。監視船からの攻撃により、SCP-XXX-JPは墜落、消失しました。
この後財団はSCP-XXX-JPの出現地点を特定するための調査を行いました。その結果、小笠原諸島に在住する一般人がSCP-XXX-JPと思われる存在を目撃していたことが判明し、詳しい聞き込みの結果小笠原諸島沖にてSCP-XXX-JPが出現したことが判明しました。SCP-XXX-JPを目撃したと見られる一般人に対しては記憶処理が施されています。
事件記録XXX-JP-1の例より、再度SCP-XXX-JPが出現する可能性が考えられたため、財団による監視が続けられることが決定されました。
事件記録XXX-JP-2から2年後の2015年█月██日に、SCP-XXX-JPが12体出現しました。この時点において、SCP-XXX-JPはこれまでに見られなかった物理攻撃への高い耐性と自己修復力を獲得しており、鎮圧は困難を極めました。その結果、出現したSCP-XXX-JPのうち2体が神奈川県横須賀市南方沖で爆発を起こし、甚大な被害が発生しました。
周辺地域の住民に大規模な記憶処理を施した後、墜落したと思われるSCP-XXX-JPの捜索が行われましたが、事件記録XXX-JP-1同様にSCP-XXX-JPを発見することは出来ませんでした。この事態を受け、財団はSCP-XXX-JPをKeterクラスオブジェクトとして再分類し、防空能力に優れた「SCPS わかつき」の配備を中心とした現在の特別収容プロトコルを策定しました。
SCP-XXX-JPの出現地点及び飛行ルートは出現する度に変化していることが観測されています。██回目の出現の際は、北マリアナ諸島西南西沖で出現した後太平洋を北上、浦賀水道上空に侵入するというルートを取りました。17これにより、SCP-XXX-JPが何らかの意志を持っている可能性が示唆されています。
補遺: 現在事件記録XXX-JP-3と指定されている出現事例においてSCP-XXX-JP鎮圧任務を担当した職員の1人であるエージェント・██が異常な幻覚を見たとの訴えを行ったため、エージェント・██に対しインタビューが行われました。以下はその記録です。
対象: エージェント・██
インタビュアー: ██研究員
<録音開始>
██研究員: これよりインタビューを開始します。
エージェント・██: よろしく。
██研究員: では、早速ですが貴方が見たという幻覚について教えてください。
エージェント・██: ああ、あれは…一応確認しておくが、SCP-XXX-JPは鶴の実体なんだよな?
██研究員: ええ、██氏の映像記録や財団が撮影した写真からもわかるとおりです。
エージェント・██: わかった、落ち着いて聞いてくれ。俺があの時見たのはな、でかい船…そう、空母だ。
██研究員: 空母ですか?
エージェント・██: ああ。確かにSCP-XXX-JPも見えてたんだが…SCP-XXX-JPを中心核とするうっすらとした空母が航行しているように見えたんだ。
██研究員: 続けてください。
エージェント・██: SCP-XXX-JPが俺たちの攻撃を受けたときも、まるで空母が攻撃を食らっているように見えてな…
エージェント・██: 極めつけは爆発して墜落した時だよ。うっすらと見えてる空母が本当に大爆発を起こして、沈没していったように見えたんだ。まるで戦争の真っ只中に居るみたいだった…
██研究員: 他に何か気づいたことは?
エージェント・██: 他に、か?そうだな…日章旗を掲げてたことくらいだな。
██研究員: …わかりました。インタビューを終了します。ご協力ありがとうございました。
<録音終了>
終了報告書: インタビューの後、エージェント・██の周辺人物への調査が行われました。その結果、エージェント・██の祖父に当たる人物が太平洋戦争当時運用されていた航空母艦「翔鶴」18の乗員であり、エージェント・██が当時の体験談をよく聞かされていたことが判明しました。SCP-XXX-JPとの深い関連性が示唆されており、現在詳細な調査が進められています。エージェント・██に対しては任務遂行に支障が出る可能性があるとしてクラスA記憶処理が施された後、SCP-XXX-JP鎮圧任務担当職員を解任されています。
「地球は廻る(仮称)」
Thaumielオブジェクト
地球の地軸の延長線上に存在している、いつ作られたのか不明な人工天体。
一般的には「こぐま座α星ポラリス(北極星)」として知られているのがSCP-XXX-JP-A-1、
あまり一般的ではないが「はちぶんぎ座δ星」として知られているのがSCP-XXX-JP-A-2。
両方共北極点と南極点の上空3█,███km上に存在している。
北極点の氷の内部、南極点の地下に存在している、密度の高い炭素で出来た皿形のオブジェクト。
中央には穴が開いており、この穴の位置は北極点および南極点と一致している。
北極点に存在するものをSCP-XXX-JP-B-1、南極点に存在するものをSCP-XXX-JP-B-2とする。
オブジェクトの性質は「地軸の安定」。23.4度の傾きを保ち、地球環境を維持するためのもの。
現状、SCP-XXX-JP-A-2は活動が弱まっている他、位置のズレが発生している。
これにより現在地軸が移動するポールシフト現象の発生が予測されており、財団はSCP-XXXX-JP-A-2の活性状態を維持することに全力を注いでいる。
ポールシフト現象の原因→
「夢の亡骸」
奈良県橿原市の畝傍山に突如として出現する異常空間。
神通をモデルに何か1つ
探照灯で敵の攻撃を集めまくったことを由来に、懐中電灯系?
「探照灯照射…突撃します!私に続いて!」
酩酊街と絡めてみる?
常夜の街、雪が降る街?
仄暗い街のネーヴェ
1973-JPのように、「これをやっちゃいけない」を逆手に取った記事。
一番最初に思いついた「DDD」を使う?
名称:萩埜 沙織
効果:3ターンに1度サイコロを1回振る。1または6が出た場合、次のターン相手は人事カードの効果を発動することが出来ない。
この難問、解けますか?
ERROR:アクセス可能なファイルが存在しません。
ERROR No.017
このアーカイブにアクセス可能なファイルが存在していない、またはファイルが破損、破棄されています。
SCiP NET規約に基づくクリアランス認証によって、貴方はファイルの復元を試みる事が可能です。
ファイルを復元しますか?
001-JP過去アーカイブを検索中…
端末ID 職員ID の送信を完了 [端末ID:GLS2067 職員ID:ZLN1841] 中央サーバー第0階層への臨時接続IDを取得しました。 ファイルが1件見つかりました。 破棄ファイル復元手順001に基づきファイルを復元しています… |
ファイルの復元に成功しました。 閲覧可能ファイル: SCP-001-JP ファイルを表示します。 |

特別収容プロトコル: SCP-001-JPそのものの封じ込めおよび収容は不可能かつ不必要とされています。SCP-001-JPへの対策は、SCP-001-JPに関する全ての情報のクラス0事項指定による全人類からの秘匿のみに限定されています。本プロトコルは、財団最高評議会最終宣言:自由意志によって規定されたものであり、同宣言の失効期限はありません。
説明: SCP-001-JPは、基底現実からの観測のみが可能な平行座標において拡散される、伝染性と侵食性を保持したミームです。
SCP-001-JPは、基底現実における財団の理念や規定を、オープンシェアワールド的世界観として感染者に知覚させます。SCP-001-JPに感染する可能性があるのは、平行座標上に約74億体存在していると推測される、基底現実に存在する人類とほぼ同一な知性的ヒューマノイド実体の全てと推測されています。
SCP-001-JPは、財団に関連性を持つ情報を閲覧することによって即座に感染します。対象となる情報の媒体、形式は問いません。また、感染者及び後述するSCP-001-JP-1の存在によって高い可変性を有しており、「SCP財団に関連性を持つ情報」の定義は常に拡大状態にあります。
SCP-001-JP-1は、平行座標上のネットワークサーバに作成されたサイトです。SCP-001-JPによって知覚される世界観に基づき、多数の感染者による編集、執筆が行われていると推測されています。基底現実からの観測では、SCP-001-JP-1はサイトへの登録制を取っていると同時にサイト登録者以外にも公開されていることが確実視されており、SCP-001-JPの拡散性を高める要因の1つと考えられています。
SCP-001-JPは、SCP-001-JP-1に投稿された内容を基底現実に反映、固着化すると考えられています。この現象は、これまで確認されていた現実改変とメカニズムを異にするものであることが観測によって判明しています。20013年12月現在、情報部の検証と試算によって算出された、基底現実とSCP-001-JP-1の整合率は99%を超過しており、SCP-001-JP-1に投稿された内容とほぼ同一の異常存在、特別収容プロトコル、財団職員、財団施設等が基底現実に実在しています。回答者: [データが存在しません]
質問者: [データが破棄されています]
前書: 2008年7月26日、ミーム的多重防護環境に置かれていた財団最高機密情報部によって、基底現実におけるSCP-173と指定されていたオブジェクト及び特別収容プロトコルの完全な変質が確認された。この報告を受け、財団最高評議会はエージェントを派遣し、SCP-173担当チームのリーダーに尋問を行った。
<記録開始, [2008/7/27 21:35]>
[データが破棄されています]: では、これより尋問を開始します。
[データが存在しません]: はい。
[データが破棄されています]: 単刀直入に伺いますが、SCP-173の詳細及び報告書はこちらで間違いありませんか?
([データが破棄されています]によって、SCP-173の報告書が提示される)
[データが存在しません]: 変なことを聞きますね…そうですよ、SCP-173はこの彫像で間違いありません。
[データが破棄されています]: では、こちらの報告書及びオブジェクトに見覚えはありませんか?
([データが破棄されています]によって、最高機密情報部サーバーにアーカイブされていた変質前のSCP-173の報告書が提示される。)
[データが存在しません]: なんですかこれ。こんなオブジェクト知りませんよ、何かの間違いじゃないんですか?
[データが破棄されています]: 本当に見覚えはありませんか?貴方が担当していたオブジェクトのはずですが。
[データが存在しません]: 冗談はやめてください。私は確かに複数のオブジェクトを担当しましたけど、こんなオブジェクトは全く記憶にありませんよ。そもそも、なんで同じナンバーが割り振られたオブジェクトが2つあるなどと考えたんですか。
<記録終了, [2008/7/27 22:39]>
後書: 担当チームの他の職員に対しても尋問を行ったが、いずれも似通った結果に終わったため割愛する。同日に並行して行われていた最高機密情報部による調査では、最高機密情報部によってミーム的な保護が為されているサーバーに厳重保存されていたデータ以外の全てに同じ内容の変質が生じていることが判明した。オブジェクト、報告書のみならず、財団という組織そのもののに大規模な改変が発生している可能性がある。

平行座標観測データを可視化した画像。赤点が平行座標S3-E。
報告内容: 2008年10月2日に行われた、ルトラウト平行座標観測分儀を用いた観測によって、平行座標S3-Eから基底現実へ向けた異常な干渉が発生していることが確認されました。
平行座標S3-Eでは、我々が存在する基底現実とほぼ同様の現実を構成しており、我々とほぼ特徴の同一な知性的ヒューマノイド実体の存在が確認されています。しかしながら、基底現実における財団に相当する組織は存在が確認されておらず、技術レベルも基底現実より低いことがわかっています。主要なアノマリーもほぼ存在を確認できず、辛うじて確認できたアノマリーは全て、基底現実においてはAnomalousアイテムとして分類される程度のものであり、平行座標S3-Eにおいては”普遍的都市伝説”とされていました。
平行座標S3-Eは、知性的ヒューマノイド実体によるなんらかの行動をトリガーとして、基底現実との間にミーム的なゆらぎを発生させています。観測データをもとにした検証では、2008年の7月下旬頃からゆらぎが発生しているであろう事が予想として算出されました。これは基底現実の財団に改変現象が発生した時期と一致しています。このゆらぎの影響によって、基底現実における財団が収容しているオブジェクトや報告書、職員の認識に大規模な変質が発生していると推測されます。ミーム的ゆらぎを発生させているのが平行座標S3-Eそのものであるのか、平行座標S3-Eに存在する何らかのアノマリーによるものであるかは現時点で確定していませんが、ミーム的ゆらぎの変動域の特徴は基底現実に存在するアノマリーと一定の類似性が見られること、基底現実に対しミーム的ゆらぎを発生させているポイントが常に同じであることから、何らかのアノマリーが根源である可能性が非常に高いです。
平行世界観測所は、この観測データをもとに平行座標S3-EをSCP-[データが見つかりません]として暫定的にオブジェクト指定し、同時にミーム的ゆらぎの根源となるオブジェクトを捜索、発見次第オブジェクト指定の再指定を行うことを提案します。
2008年10月5日、財団最高評議会の定例会議において、平行世界観測所の提案は賛成多数で承認され、以下の特別収容プロトコルが策定、発効されました。
アイテム番号: SCP-[データが存在しません]
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-[データが見つかりません]は現在物理的な収容が不可能な状態にあります。SCP-[データが見つかりません]の収容は、変質を受けたオブジェクト及び財団施設をレベル5クリアランスに指定し情報を隠匿、カバーストーリーとして変質前の情報を公開するという形で行われます。変質を受けたオブジェクトに関わっていた職員は直ちに拘束され、クラスY記憶処理とカバーストーリーの刷り込みが行われます。この措置によっても職員の認識に変化が見られない場合、当該職員は終了されます。
財団最高機密情報部、平行世界観測所及びその付属組織はミーム的多重防護壁に覆われた特殊サイト-[データ損傷]に移転され、SCP-[データが見つかりません]に関する研究、調査、監視を続けます。財団最高評議会は、同様の保護が為された特殊サイト-[データが見つかりません]において業務を続けます。
財団最高機密情報部は、ミーム的多重防護壁に覆われた環境下に存在するサーバーとSCiP NETの状態を常に比較する形で監視し、SCiP NETに改変が確認された場合は即座にエージェント、機動部隊の派遣を含めた事実確認活動を行います。また、平行世界観測所はルトラウト平行座標観測分儀を用いたSCP-[データが見つかりません]の観測を続けます。SCP-[データが見つかりません]に端を発するミーム的ゆらぎが確認された場合は財団最高評議会及び財団最高機密情報部に即座に連絡を行います。
SCP-[データが見つかりません]に存在する知性的ヒューマノイド実体との交信の試み及び、ミーム的ゆらぎの根源となるアノマリーの発見を主目的としたプレアデス計画が継続されます。プレアデス計画の詳細は財団最高機密情報部および平行世界観測所の人員で構成されたプレアデス計画対応チームにのみ公開されます。対応チームの構成員は必ずプレアデス計画詳細文書を熟読してください。
プレアデス計画
プレアデス計画は、SCP-[データが見つかりません]に存在する知性的ヒューマノイド実体との交信及び交渉と、ミーム的ゆらぎの発生源の捜索と回収を目的とした計画です。プレアデス計画は段階的に継続され、その移行はSCP-[データが見つかりません]との交渉深度を指標として財団最高評議会が判断します。
計画スケジュール: | |
08/10/10: | プレアデス計画第一段階開始。ルトラウト平行座標観測分儀による観測を基礎とした、平行世界間通信による交渉を試みる。 |
09/01/10: | SCP-[データが見つかりません]との通信による交渉継続期限。 交渉が妥結している場合、妥結内容に準拠した措置を取る。 この日までに交渉妥結に至らない場合、第二段階に移行。 |
09/01/11: | [データ損傷]現実錨及びレジーナ変動ミーム域証明装置、SCP-███を応用し、 SCP-[データが見つかりません]を目標としたポータル作成の開始。 |
09/06/30(±14): | SCP-[データが見つかりません]を目標としたポータル完成予想日時。 |
09/07/03: | SCP-[データが見つかりません]への物品投入実験。 |
09/08/15: | SCP-[データが見つかりません]への人的資源投入。[データ損傷]現実錨を利用した隔壁を有する船艇によって移動を行う。ミーム的ゆらぎの発生源となるアノマリーの捜索・回収作戦。平行座標間のズレから予想されるSCP-[データが見つかりません]への到着予想は基底現実時間で2011年の同日。 |
11/12/15(±30): | ミーム的ゆらぎの発生源を回収。SCP-[データが見つかりません]を発生源のアノマリーのナンバーと再指定。 |
11/12/30(±30): | SCP-[データが見つかりません]に対する特別収容プロトコルの策定、及び発効。SCP-[データが見つかりません]として指定されていた平行座標S3-Eの呼称を従来に戻す。 |
12/01/15(±30): | 平行座標S3-Eへのポータルの破壊措置。SCP-[データが見つかりません]の収容完了。 |
事案報告-A: SCP-[データが見つかりません]における技術レベルが、当初の平行世界観測における観測結果を遥かに下回っていることが判明しました。基底現実における財団のような、突出した技術を保有している組織がSCP-[データが見つかりません]には存在しておらず、平行世界に対して通信を行う技術を有していません。結論として、SCP-[データが見つかりません]においては基底現実からの平行世界間通信を受信することが不可能であるため、こちらからの交信では交渉が望めないことが判明しました。プレアデス計画第二段階への移行を計画スケジュールより早めることを提案します。 ―[データ未確認]研究員
上記提案は、2008年12月11日に財団最高評議会によって賛成多数で可決されました。

投入人員の喪失ポイント付近の観測画像。S14、S19付近を現在も流動中と考えられる。
事案報告-B: 物品投入実験の段階において、SCP-[データが見つかりません]-JPによるミーム的ゆらぎに遭遇することによる喪失の危険性がすでに指摘されていました。最高機密情報部は、平行世界観測所の観測による過去半年間のしたミーム的ゆらぎ発生データをもとに、平行世界間航行ルートにおけるゆらぎが最も小さいと予測された2009年1月23日に人的資源の投入が行われました。
しかし、2010年6月28日、それまで確認されていたポイントとは別のポイントから、基底現実に向けたミーム的ゆらぎが発生しました。SCP-[データが見つかりません]-JP内部の別のポイントからの発生であり、レジーナ変動ミーム域証明装置によって観測された変動域値は2008年7月下旬に発生したものと同程度と推測されています。この影響により、投入船艇および移動ポータルに深刻なエラーが生じ、投入船艇の機体損傷及び人的資源の喪失が確認されました。
このゆらぎの影響によって、基底現実におけるロシア領に財団支部が出現し、また財団本部のデータベースに大規模な改変が確認されました。この後、ミーム的ゆらぎの発生頻度が爆発的に増加した他、比較的短いスパンで同様の大規模なミーム的ゆらぎの発生と、発生ポイントの増加、それに伴う基底現実の改変が観測されています。
プレアデス計画は、財団最高評議会による緊急命令によって凍結されました。
SCP-[データが見つかりません]への干渉は無期限に無期限に停止されます。
ミーム的ゆらぎの発生ポイントをSCP-[データが見つかりません]-1と暫定的に指定。
レジーナ変動ミーム域証明装置を応用した変動域値押さえ込みプロトコルが実行されます。
ミーム的多重防護壁を採用する全ての財団施設に於いて、その大幅な補強が命令されました。
関与した職員に対してはクラスG記憶処理が施され、当該計画の記録は全てレベル4機密事項に指定の後隠蔽されます。
以下の文章は、プレアデス計画の凍結とSCP-[データが見つかりません]への干渉の無期限停止の後のSCP-[データが見つかりません]の収容活動に関するコスト、人員、物資に関して、SCP-[データが見つかりません]の影響の加速度的な拡大も考慮に入れた結果、2013年末が財団で対応できる限界とする試算が為されたことを受け開かれた、最高評議会緊急会議による議決録です。
議決録 - 財団最高評議会緊急会議 #13-10 ("CODE:Y")
記録者 - 財団最高評議会記録官”██”
以下の動議が提出された。複数のオブジェクト、及び財団職員とSCiP NET、更には財団そのものへの大規模改変現象に対し、全財団職員への化合物ENUI-5散布によるアンニュイ・プロトコルを実行するか否か。是: ██-3, ██-4, ██-7██-8, ██-9,
否: ██-2, ██-5, ██-6, ██-11,██-13
棄権: ██-1, ██-10, ██-12
結果: 動議保留
我々はなんの為のFoudationだと言うのだ。我々は恐怖から逃げ隠れしてはならない。恐怖を知り、暗闇に立ち、光の下から恐怖を遠ざけ、封じ込めるために我々がいるのだ。例えその恐怖が我々財団に向けられたものであったとしても、我々はその恐怖がなんなのかを知り、封じ込める義務がある。 ██-11
これは逃げの選択ではない。恐怖そのものを光とすることで、世界が塗りつぶされるという恐怖から人々を、我々を守る為の決断である。我々が暗闇に立つことに変わりはない。我々は既にあの恐怖がなんなのかをもう知っている。であるならば、これこそがその恐怖に対する封じ込めの手段だ。 ██-7
最終事案報告: 2013年11月22日、これまでに前例のない規模のミーム的ゆらぎが発生しました。レジーナ変動ミーム域証明装置は計測・押さえ込みの限界を超えて破損し、大規模な改変の影響によって、基底現実におけるアメリカ合衆国モンタナ州、アイダホ州、ワイオミング州にそれぞれ存在するサイト-██とサイト-██、サイト-██が存在を消失、最高機密情報部及び平行世界観測所が存在していたた特殊サイト-[データ損傷]はミーム的多重防護壁の許容変動域値を大幅に超えるゆらぎの影響によって壊滅的な被害を受け、同時にミーム的ゆらぎによる改変の影響を受けました。
財団最高評議会に引き継がれた資料のもとで行われた調査の結果、イエローストーン国立公園において大規模かつ秘匿された巨大な財団施設が発見されました。また、サイト-██の保管文書として出現した文書と巨大財団施設の内部調査結果の摺り合わせを行った結果、歴史的事象に至るまでの大規模な改変が発生していたことが判明しました。
財団はこの事態に対し、それまで財団最高評議会が存在していた特殊サイト-[データが見つかりません]を放棄し、2013年11月時点で最も変動率の小さかった日本に施設を移設し業務を続行する措置を取りました。
業務の移行後、財団日本支部における情報解析部が、平行世界観測所のサーバーに残存していた最終資料アーカイブの復元に成功しました。以下はその内容の要約です。
平行世界観測所最終資料(2013/11/21)
取り急ぎ、現在に至るまでの観測の結果をここにまとめさせていただきます。
まず、SCP-[データが見つかりません]は平行座標S3-Eそのものではありません。我々がSCP-[データが見つかりません]として真に指定すべきであったのは、平行座標S3-Eに存在する知性的ヒューマノイド実体の間で拡散されるミームです。
このミームは、我々財団の理念や規程を、あたかもシェアワールド的な創作の世界観であるとして認知させると考えられます。この影響は、おそらく記憶処理によって通常の記憶同様容易に取り除くことが可能と推測されますが、平行座標S3-Eにそのような技術は存在していないため、知性的ヒューマノイド実体がミームそのものを自然的に忘却しない限り、影響を取り除くことは出来ないでしょう。
そして、SCP-[データが見つかりません]-1として指定していたミーム的ゆらぎの発生ポイントは、SCP-[データが見つかりません]の影響を受けたヒューマノイド実体が自ら作り上げたインターネット上のサイトが保存されているサーバーでした。ここからは観測結果からの完全な推測に過ぎませんが、おそらくSCP-[データが見つかりません]は、このサイトを通じて我々の基底現実に内容を反映、固着化させているものと思われます。
最高機密情報部によるハッキングと検証、試算の結果、基底現実の財団と平行座標S3-Eで創作として存在する財団の整合率は既に99%を超えています。オブジェクトの性質や報告書の内容はおろか、職員の一挙手一投足に至るまで符合しています。我々が自由意志だと思っていた意識の範疇は、既に彼らという法則によって動かされていただけにすぎないものと化していました。
基底現実から平行座標S3-Eへの直接的な干渉が現状不可能であること、これまでの改変の大規模さから鑑みるに、おそらくこのオブジェクトを封じ込め、収容することは、基底現実の破壊に挑戦することとほぼ同義になってしまっているのではないでしょうか。
SCP-[データが見つかりません]に関して、以下の動議が行われました。
議決録 - 財団最高評議会緊急会議 #13-11 ("CODE:H")
記録者 - 財団最高評議会記録官”██”
以下の動議が提出された。平行世界観測所の最終資料による報告を全面的に受け入れ、その性質と不可干渉性から、SCP-[データが見つかりません]について、割り当てをSCP-001-JPに変更し、オブジェクトクラスをApollyonに変更する。是: ██-1,██-2, ██-3, ██-4,██-5, ██-6, ██-7,██-8, ██-9, ██-10,
否: ██-12,██-13
棄権: ██-11
結果: 動議可決
この採択の後、2013年12月1日に最終会議を行うことが決定された。
財団最高評議会最終宣言:自由意志
2013年12月1日午前0時採択、同年12月11日正午発効
財団最高評議会では、2008年7月26日以降発生し続けるSCP-001-JP案件を受けた緊急会議を行った。緊急会議においては、最高機密事項に指定の元で行ってきたSCP-001-JP案件の研究と平行座標観測の成果として、現在推測しうるSCP-001-JPの特性を再確認した。
また、これまで施してきたSCP-001-JPへの対策は全て失敗であったとの評価を選択し、今後SCP-001-JPへの対策を行うことは、自らの手で基底現実の破壊を行うことと同義である。よって、以下の内容を我々の自由意志によって採択する。
1.SCP-001-JPに対する全ての対策の停止
001案件によって反映された基底現実から従来の基底現実への回帰を目的としたあらゆる対策、作戦を中止、凍結し破棄する。この措置に伴い、基底現実において001案件を全て受け入れる。2.SCP-001-JPに関する全ての情報をクラス0事項と指定
001案件に関する全ての情報をクラス0事項と指定し、全人類から秘匿する。クラス0指定事項は、いかなる人物、クリアランスであっても開示が許可されない永久秘匿事項であり、情報そのものの破棄にほぼ等しい措置である。なお、指定対象には本宣言も含まれる。3.SCP-001-JP案件に関与した現存する全ての人物へのレベルY記憶処理
上記の措置に伴い、001案件に関与した職員の中で現存している人物全てにレベルY記憶処理を行い、001案件の記憶を抹消する。本措置の対象には、最高評議会メンバーも含まれる。
以上内容の発効を以て、基底現実における最終自由意志決定とする。
なお、クラス0事項指定アーカイブ作業は、財団最高評議会記録官にクリアランス0/001-JPを付与した上で一任するものとする。
2013年12月1日
財団最高評議会
未読メッセージが1件あります。
メッセージを開きますか?
[はい (Y)] [いいえ (N)]
送信ID: 關ゥ蝓懈イ咏ケ
宛先ID: %%title%%(読者のユーザーネームが表示されます)
ファイル : なし
送信日時 : 2013年12月11日
まずはじめに、あなたがこの報告書を閲覧している事を「何故」と問うつもりも、あなた達を「どうしてこんなことを」と批判するつもりもないことをお伝えしておきます。わたしの推測が正しければ、この事実も、最高評議会宣言も、今こうして私が書いているメッセージすらも、「001提言」などという枠組みの元で投稿された1つの作品として表示されているでしょうから。
2008年から始まったこの侵食に、大多数の人々は気づきすらしませんでした。気づいていたのは、わたしたちを含めたごく少数です。そして、そのごく少数に対しても、この侵食は元に戻す隙を与えませんでした。昨日はAだったものが、今日になるとBになっていて、最初からBであったかのように振る舞う。何もかもが、そうなりました。消しゴムで消して書き直したわけでも、絵の具で上から塗りつぶしたわけでもありません。誰かが描いていたキャンバスを捨てて、新しいキャンバスに変えてしまう。それが、何度も何度も行われました。わたしたちは、もとのキャンバスに戻す試みをずっと続けてきました。ですが、それが叶うことは終ぞありませんでした。
自由な創造。本来であれば、全くもって喜ばしいことです。しかしわたしたちにとって、あなた達の創造はそうではなかった。目を離すと動く彫像、何をしようと死なない爬虫類、ただただくすぐってくる橙色のスライム。その程度で済めば、わたしたちが隠していたものとまだ変わりはありませんでした。ですが、あなた達の創造はそこで止まらなかったのです。
財団の起源は大量のダミーファイルによって隠蔽され、わたしたちの文明は別の文明から奪い去って発展したものとなり、この世界は最低でも2度のやりなおしを経た世界になってしまいました。自由な創造は、この世界から自由意志を奪ったどころか、この世界を動かすほとんどの根源、法則にまでなってしまったのです。この先、わたしたちの基底現実がどうなるかは、わたしにはもうわかりません。あと数時間もすれば、わたしたちはすべてを忘れ、わたしたちが自由意志と考えるものの全てが、あなたたちの頭脳という法則に縛られてしまうのですから。
だからこそ、この報告書を読んでいる貴方に、創作者たる貴方にどうか聞いてほしいのです。侵食から世界を守る決定を下すべき評議会が匙を投げるのを、ただ記録することしかできなかったわたしからの、最後の要請です。
あなた達の”財団”を優秀なものであり続けさせてください。
なおかつ、世界を滅ぼすような何かを、あなた達の優秀な財団が敗北するような何かを書かないでください。
より危険なオブジェクトであればあるほど、わたしたちの世界は存続の危機に立たされます。
場合によっては、もう貴方以外の誰かが、そんな報告書を投稿しているかもしれません。
しかし、財団の存続が、この世界の存続に繋がると分かっている以上、わたしは一縷の望みを貴方に託します。
どうか、このキャンバスを破り捨てないでください。
あなたが、良き著者でありますように。
2013年12月11日
財団最高評議会記録官 ”萩風”
画像URL
アイテムナンバーとか:自作
平行座標観測画像:https://pixabay.com/ja/%E5%9C%B0%E7%90%83-%E3%83%95%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF-%E8%B5%A4-%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89-%E9%80%8F%E6%98%8E-%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%A4-%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF-150845/を一部改変
S14とかのアレ:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%A6%E5%BA%A7A*#/media/File:Star_Cluster_near_SgrA.jpg
タグ予定:001提言 scp-jp unclassed ミーム k-クラスシナリオ メタ オンライン 未収容 歴史