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通報のあった県立[削除済]高校の生徒が描いたスケッチ。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、周囲からの目視が不可能な状態で隔離し、保護して下さい。SCP-XXX-JPから半径20メートル以内は、実験時以外は立入禁止にして下さい。収容容器内には可視光照明と給水装置を設置し、SCP-XXX-JPが光合成を行える環境であることを定期的に確認して下さい。SCP-XXX-JPに関する実験を行う場合、実験予定日の30日前までに、研究職員へ正式な申請書を提出する必要があります。
万が一、SCP-XXX-JPによる予期せぬ脅威が発生した場合は、除草剤散布や焼却によって対処して下さい。

(改稿用メモ:土に転移、土なければいい)
株分けしたら?摘み取りは?死んだら?

説明: SCP-XXX-JPは、20██年██月██日に日本の県立[削除済]高校で発見された、シロツメクサと見られる植物の群生体です。SCP-XXX-JPは同高校の校長が、「生徒と教員が、草むらから離れようとしない。いくら注意しても退去しないので困っている。」と[削除済]県教育委員会と近隣の警察署に通報した事で、財団の目に留まりました。その後、SCP-XXX-JPを目視した校長や駆けつけた警察官、生徒達も次々とSCP-XXX-JPの影響を受けたため、認識災害と判断し、アイマスクを装着したエージェントにその時点で推測された影響圏外から指示を出し、SCP-XXX-JPに暗幕を被せた事で事態を収束させました。その後、暗幕を被せられたSCP-XXX-JPは、土壌ごと運搬されて財団施設へ収容されました。また、影響を受けた人々にはAクラスの記憶処理が施されました。

SCP-XXX-JPの外見的特徴は、観察により特定した植物種であるシロツメクサ(学名:Trifolium repens)と完全に一致しています。SCP-XXX-JPが群生しているのは直径約1メートルの範囲で、面積はほぼ一定ですが、葉の枚数や花の数などは不定期に変化します。SCP-XXX-JPの影響下にある間 SCP-XXX-JP以外の物には全く興味を示しません。SCP-XXX-JPが視界に入ると、いかなる生物も潜在意識的な魅力を感じると考えられており、その影響はSCP-XXX-JPから対象の感覚器官までの距離1(映像や写真の場合、SCP-XXX-JPから入力媒体の距離と、出力媒体から対象の感覚器官の距離の合計)が10メートルの範囲に及ぶと推測されています。人間を含む動物や一部のオブジェクトに対して、初期収容時の事故も合わせて結果的にある程度の数の実験が行われていますが、その中で何らかの意思が確認できる対象にのみ影響が認められています。また、SCP-XXX-JPから採取した枯死体には効果は認められませんでしたが、その枯死体が特異性を持っていた時に撮影された映像や写真は特異性を失いません。

現在、影響下におかれた生物に特筆すべき健康面・精神面への直接的な被害は見受けられませんが、生理機能を含むSCP-XXX-JP以外のものに興味を示さなくなります。このため実験中に脱水症状などの症状で意識を喪失する被験者も見られました。

いずれの実験においても、SCP-XXX-JPの影響から脱する方法は以下の3つに分類できます。

  1. SCP-XXX-JPが対象の視界から消える。
  2. 対象が SCP-XXX-JPの効果範囲から出る。
  3. 対象が SCP-XXX-JPの特異体(SCP-XXX-JP-Aと分類)2を発見する。

ただし、1、2の場合は外的な強制力を必要とします。また、3の場合、それ以降一切、SCP-XXX-JPの影響を受けなくなります。また、他の植物種との交配実験の結果 SCP-XXX-JPが種子や胞子による繁殖能力を持つとは考えられていません。

補遺 XXX-JP-a: 20██年██月██日、財団の管理室に対し、施設の中庭においてSCP-XXX-JPと同じ効果を持つシロツメクサの繁殖の報告がありました。SCP-XXX-JPの収容違反は確認されていませんが、新しく発見された株(SCP-XXX-JP-2と命名)についても収容容器に隔離した上で、SCP-XXX-JPとの関連について調査が行われています。またこの事象により、SCP-XXX-JPの持つ効果がこの株特有のものではない可能性が考えられるため、更なる研究が行われています。

補遺 XXX-JP-b: 20██年██月██日、SCP-XXX-JP-2が突如として効果を失いました。原因は判明していませんが、効果を失う前後で株全体の質量が約0.5g減少していたことが確認されています。この事象により、SCP-XXX-JPはシロツメクサの株そのものではなく、ごく普通のシロツメクサの株について発生する認識異常、もしくは株に寄生する何らかの存在であるとの仮説が有力となりました。この仮説の実証実験や特別収容プロトコルの改定については、現在検討されています。