アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-1094-JPの発生が確認された場合、財団エージェントがSCP-1094-JP-1、2の回収を行い、目撃者が存在した場合には記憶処理を施してください。回収されたSCP-1094-JP-1、2はサイト-81██内の安全保管ロッカーに収容されます。
説明: SCP-1094-JPはSCP財団日本支部のいずれかのセキュリティ施設内に発生する異常現象です。現在に至るまで発生する時間や頻度に規則性は確認されていません。
SCP-1094-JPが発生した場合、施設内に存在する机の上に異常性をもたないA4サイズの画用紙(以下、SCP-1094-JP-1)が出現します。SCP-1094-JP-1には鉛筆によって文章が記入されており、それらは全て社会科見学の為、財団施設へ訪問することを予告するような内容です。
SCP-1094-JP-1の出現から72時間が経過すると、異常性を持たない物品群(以下、SCP-1094-JP-2)がSCP-1094-JP-1の出現場所と同様の場所に出現します。SCP-1094-JP-2は鉛筆によって見学に対する感想が記入された画用紙と数点の物品群から構成されており、出現した施設によって内容に差異があることが確認されています。
感想文の内容や用いられている漢字の量からSCP-1094-JPは10歳程度の知性を有する存在であると推測されていました。しかし、近年のSCP-1094-JP-2は以前と比較するとより具体的な感想を述べているものに変化しており、漢字の多用もみられます。このことから、現在のSCP-1094-JPが有している知性は15歳程度と推測されています。
SCP-1094-JPの発生は確認された時点から6年間に渡り継続していました。しかし、20██/██/██にSCP-1094-JP-2に酷似した現象がサイト-81██に発生して以来、SCP-1094-JPの発生は一切確認されてでません。これを受け、現在オブジェクトクラスの再分類が検討されています。補遺1094-JPを参照してください。
以下は財団で確認されたSCP-1094-JP-2の一例です。
出現場所 |
作文の内容 |
その他の物品 |
サイト-8146 |
しゃかいかけんがくしました。おもしろかったです。おれいあげます。 |
三ツ矢サイダー1本 |
サイト-8146 |
シャーペンのしんが泣いててかわいそうでした。あんまりいじめるのはよくないと思います。これをつかってください。 |
シャーペン1本 |
サイト-683 |
この前はありがとうございました。フラフープのにんげんのマジックがおもしろかったです。ぼうしからハト出すやつも見たいです。 |
通学帽子1個 |
サイト-8110 |
この前は見学させてくれてありがとうございました。ラクガキしておかしをおくなんてへんなおしごとだと思いました。お礼はおかしです。 |
コーンポタージュ味のうまい棒10本 |
サイト8186 |
この前は見学させていただき、ありがとうございました。かげながらみんなを守るためにがんばる人間はかっこいいと思いました。まだまだ人間のことを勉強するためにおじゃましますが、よろしくおねがいします。 |
未知の物質で構成されているどら焼きに酷似した物体24個 |
|
この前は見学させて頂き、誠にありがとうございました。神の啓示という免罪符で人殺しを正当化するとはよく考えたなと思いました。一昔前まではそんな悪人はこの世に不要だと思っていましたが、今は必要だと分かっています。なぜなら、あなた達は常人の引き起こす大量殺人事件よりも恐ろしい事を防ぐのに貢けん出来るからです。ささやかながらプレゼントを差し上げます。頑張って下さい。 |
拳銃25丁、手榴弾30個、[削除済み] |
補遺1094-JP: 以下は20██/██/██にサイト-81██内倉庫にて発生したSCP-1094-JP-2と酷似した現象の詳細です。
[作文の内容]
前略
その節は、私の社会見学及び大量殺人幇助活動のためにご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。
16年前に貴財団へ見学に伺った際、死刑囚の皆様はDクラス職員として人智を超えた物品群による寛大な被害を防止する貴財団の活動に貢献すると理解しました。その事から危険極まりない物品群が及ぼす被害と比較して、通常の人間による殺人行為での被害は微々たるものであり、それは必要経費であると考えるようになりました。結果、Dクラス職員を不足させまいと大量殺人を幇助する物品の提供活動を継続してしまった次第です。本当に申し訳ございませんでした。
今ではその活動は全く無意味であり、過ぎた真似であったと深く反省しております。たとえ貴財団の活動に支障を来すほどDクラス職員が不足していたとしても、いくらでも穴埋めできるでしょう。それを正当化する理由をこじつけるだけで。
つきましては、今後の現界を控えることに決めました。お詫びのプレゼントは貴財団の活動のお役に立つ時が来ます。そう遠くない未来に。「白衣の人」も精々頑張って下さい。略儀ではございますが、取り急ぎ書面にてお詫び申し上げます。
草々
[その他の物品]
Aクラス記憶処理剤15240錠
Dクラス職員作業着2750着
アイテム番号: SCP-1094-JP
オブジェクトクラス: Euclid Keter
特別収容プロトコル: SCP-1094-JPの発生が確認された場合、その場にいた職員は速やかにSCP-1094-JPの発生とSCP-1094-JP-1、2群の内容をサイト管理者へ報告してください。その後は待機し、収容の許可が降り次第サイト-81██内の安全保管ロッカーにSCP-1094-JP1、2群を収容してください。速やかにSCP-1094-JP-2群を標準人型収容室へ収容してください。SCP-1094-JP-2群を追跡している一般人が確認された場合は拘留し、SCP-1094-JP-2群の情報を得た後に記憶処理を施して解放してください。SCP-1094-JP-2群の身元が判明し次第、その関係者を特定して記憶処理を施してください。その後はSCP-1094-JP-2と変化した一般人の失踪に不審な点があることを察知されないよう、状況に応じた適切なカバーストーリーを適応してください。
説明: SCP-1094-JPはサイト-81██内日本全土に発生する異常現象です。現在に至るまで、発生する場所や時間、頻度に規則性は確認されていません。
SCP-1094-JPが発生した場合、施設内に無地のB5用紙とその他の物品群(それぞれ以下、SCP-1094-JP-1、2)が出現します。これらには今のところ異常性は確認されていません。発生の瞬間を捉える試みは現在に至るまで成功していません。施設内に無地のB5用紙(以下、SCP-1094-JP-1)が出現し、日本国内に在住する10〜███人間に異常性を付与します(以下、SCP-1094-JP-2群)。
SCP-1094-JP-1には鉛筆によってSCP財団の活動を称賛軽蔑するような文章が記入されており、その多くは物品を贈呈するといった内容も含まれています。文の構成や用いられている漢字から、SCP-1094-JPは10歳前後の知性を有する存在であると推測されています。
SCP-1094-JP-2は数点の物品群から構成されており、出現する度に内容は異なる物となりますSCP-1094-JPによる異常性を付与された人間であり、以下の特徴があります。
- 年齢や性別、職業、SCP-1094-JPの発生時に出現する個体数に規則性が無い。
- SCP財団に関する知識を有している。知識量には個体差があり、理念のみの把握に留まっている個体からセキュリティクリアランスレベル4を持つ者に相当する知識量がある個体も存在する。記憶処理による知識の消去は成功していない。
- 自身から最も近くに存在している財団関連施設(財団フロント企業は除く)場所を即座に察知し、侵入を試みる。
- SCP財団への高い忠誠心を持ち、財団職員に対して異常なまでに従順である。また、Dクラス職員として貢献することを強く望んでいる。
財団では現在█████体のSCP-1094-JP-2を収容しており、今なお増加傾向にあります。収容スペースやコストの関係から処分が予定されおり、処分方法は現在検討中です。
20██/██/██にSCP-1094-JPが確認された以降、その異常性は日本全土で確認されるようになりました。異常性の内容も一般人に被害が及ぶものに変化したことを受け、サイト-81██責任者によりオブジェクトクラスの見直しが申請され、O5評議会により当オブジェクトはKeterクラスに割り当てられました。
出現場所:██博士のデスクの上
SCP-1094-JP-2の内容:
今日もガンバってるところみました!
ハカセ達は本当に毎日ガンバっててえらいです!
今日もプレゼントをあげますね。大切に使ってください!
その他の物品:ボールペン5本、リングノート10冊
出現場所:サイト管理者のデスクの上
SCP-1094-JP-2の内容:
今日もガンバってるところみました!
リーダーって大変ですね、せきにん重大って感じで…。本当にすごいと思います!
今日もプレゼントをあげますね。えんりょなく使ってもいいですからね!
その他の物品:アイマスク1個、カフェイン錠が30粒封入されたアルミ袋
出現場所:██研究員のロッカーの中
SCP-1094-JP-2の内容:
今日もガンバってるところみました!
あなた達は世界のヒーロー!でも、それをかくしてガンバり続けるなんて、なんだか切なくて泣けてきます…。そんけいしてます!
今日もプレゼントをあげますね。もう、ほんとに!どーんと使っちゃってください!ほんとにえんりょはいらないですから!人の厚意は受け取らない方が失礼なんですからね!
その他の物品:エナジードリンク5本、財団のロゴが印刷されているメガネ拭き1枚
出現場所:サイト管理者のデスクの上
SCP-1094-JP-2の内容:
今日もガンバってるところみました。
いつもおうえんしてます。私はあなた達のことをそんけいしてますからね。見ていて楽しいですし。
今日もプレゼントをあげますね。あなた達からしたら得体の知れないオブジェクトが生み出した物品に過ぎないかもしれません。でも、私はまごころを持って送ってます。使ってください。異常性はありませんし、必要以上にこわがることはないですから。
その他の物品:ヘルメット1個、防弾チョッキ1着
出現場所:サイト管理者のロッカーの中
SCP-1094-JP-2の内容:
いじわるしないでください。私のこときらいなんですか?
友達でしょ?
その他の物品:拳銃1丁
出現場所:サイト管理者の引き出しの中
SCP-1094-JP-2の内容:
最後に言います、プレゼントを使ってください。失礼だと思います。
その他の物品:拳銃1丁
出現場所:サイト管理者の服のポケット
SCP-1094-JP-2の内容:
もう絶交です。まじしね。
その他の物品:(今回はSCP-1094-JP-2の出現は確認されなかった)
出現場所:サイト管理者のデスクの上
SCP-1094-JP-2の内容:
今日もガンバってましたね。
今日は絶交記念に今までになかったプレゼントをあげます。ちゃんと使ってくださいね。
出現場所:サイト管理者の鞄の中
SCP-1094-JP-2の内容:
今日もガンバってましたね。精々。
くたばれ。
出現場所:サイト管理者の靴の中
SCP-1094-JP-2の内容:
今日もガンバってましたね。
私のプレゼントをめいわくそうにしていますね。なんで?
「Dクラスが何人いても足りないよ〜」とか言ってましたよね?
まあ使ったとしても続けますけどね。
出現場所:サイト管理者の口の中
SCP-1094-JP-2の内容:
なんでこんなことするかって?
面白いからだよ。
対象: SCP-1094-JP-2-84
インタビュアー: ██研究員
付記: 対象は20代男性であり、一般企業に勤務していた。
<録音開始>
██研究員: 本日はよろしくお願いします、SCP-1094-JP-2-84。
SCP-1094-JP-2-84: よろしくお願いします。何か私に聞きたいことがあるんですよね?
██研究員: まずはあなたが何故SCP財団に関する知識を持っていて、この施設の位置が分かったのかを教えてください。
SCP-1094-JP-2-84: それはSCP-1094-JPの異常性の影響ですよ。意識を上書きして、知識を与える。それはあなたもご存知ですよね?
██研究員:そこまで把握しているのですね、分かりました。Dクラス職員として貢献したいというのもその異常性の影響ですか?
SCP-1094-JP-2-84:そうゆう事です。私は早く御財団に貢献したくてしょうがない。私の死が世界を守る礎になると考えるとゾクゾクするのです。まだ私はDクラスに起用してもらえないのでしょうか?早く、早くしてください。SCP-███-JPの異常性の全容をいち早く明らかにする為に私をDクラスとして使ってください。早く。
██研究員:善処します。本日は以上です。ありがとうございました。
<録音終了>
彼らはあくまでSCP-1094-JPの被害者です。本人が望んでいるからと言って、それがDクラスに起用する理由にはならないでしょう。安楽死による処理が妥当と考えます。── ███研究員
対象: SCP-1094-JP-2-589
インタビュアー: ██博士
付記: 対象は30代男性であり、無職であった
<録音開始>
██博士: よろしく頼む、SCP-1094-JP-2-589
SCP-1094-JP-2-589: なあ、まだ俺をSCP-███-JPの実験に使って使ってくれないのか?絶対に俺の方が適任だと思うぜ?こう見えてフラフープは得意なんだ。
██博士:落ち着いてくれ。今日は少し質問をしたくて呼んだんだ。SCP-1094-JP-2-589はSCP-1094-JPのことをどこまで知っているんだ?
SCP-1094-JP-2-589:(10秒間沈黙)俺たちの頭をおかしくするとか、財団の知識をある程度与えるのは知ってるよな?それ以外は詳しくは分からない。ああ、そうそう、「プレゼント」とやらを1度も使ってもらえなかったことに腹を立てたな。
██博士:そうか。ならこちらからは以上だが、SCP-1094-JP-2-589は何か言いたいことはあるか?
SCP-1094-JP-2-589:財団が俺たちの数が増えすぎて収容に困っているのは知っている。だから、早く俺たちをDクラスとして使ってくれよ。例え作られた意思でも、財団への忠誠心は本物なんだよ。頼むよ。
██博士:それに関しては約束しかねる。
SCP-1094-JP-2-589:俺たちにはもう帰る場所が無いんだよ。だからDクラス職員としての起用を躊躇う必要なんてないだろ?どうしようもないんだから。安楽死させるなんて勿体ないことはしないでくれ。
██博士:善処しよう。本日は以上だ。
<録音終了>
彼らはあくまでSCP-1094-JP-2というオブジェクトに過ぎない。救いようもなく、財団に消費されることを望んでいる。これらの事を考えればDクラス職員として起用しないのは彼の言う通り勿体ない話だ。── ███博士
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは通常の書籍管理プロトコルに則り、サイト-8149の低脅威度物品保管ロッカーに開かれた状態で収容します。また、SCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2の様子を常時監視カメラで記録してください。
SCP-XXX-JP-2との対話を行う際はセキュリティクリアランスレベル3以上の権限を持つ職員の許可を得てください。
説明: SCP-XXX-JPは████社から販売された絵日記と同様のデザインの冊子です。全50ページで構成されており、表紙には『ちゃっぴー日記』と記入されています。内容はウサギの観察記録であり、文章はほぼ平仮名で綴られています。また、1ページ目に異常性を持つ2点のイラスト(以下、それぞれSCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2)が描画されています。
SCP-XXX-JP-1はデフォルメされた少女のイラストです。SCP-XXX-JPの収容当初では目を瞑り、手を胸の前で組んでいるように描画されていました。SCP-XXX-JP-1は時間経過によって姿が変化し、現在ではその大部分が白骨化しているように描画されています。
SCP-XXX-JP-2はデフォルメされたウサギのイラストです。SCP-XXX-JP-2は意志を持っていると考えられ、描画されているページ内の移動やジェスチャーによる意思表示、発話をすることが可能です。SCP-XXX-JP-2がどのような方法で発声を行なっているかは不明です。SCP-XXX-JP-2は主にSCP-XXX-JP-1に対してコミュニケーションをとることを目的として行動します。インタビュー#2以降、SCP-XXX-JP-2からの発話は一切確認されなくなりました。
SCP-XXX-JPは「遺体から声が聞こえる」という葬式場からの通報を財団が傍受し、遺体と共に納棺された状態で発見に至りました。この際に遺体からは異常性が確認されなかった為SCP-XXX-JPのみ回収し、██家葬儀の関係者に記憶処理を施しました。遺体の少女の氏名は██まきであり、インタビューでSCP-XXX-JP-2が言及している人物の名と一致しています。
以下はSCP-XXX-JP-2との対話記録及び実験記録です。
インタビュー#1
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: 青山研究員
<録音開始>
青山研究員: これからインタビューを始めます。SCP-XXX-JP-2、調子は如何ですか?
SCP-XXX-JP-2: こんにちわ。調子はいいけど、その呼び名はあんまり好きじゃないかな。
青山研究員: 早速ですがあなたがいつ、どのようにして生まれたのか教えてもらえますか?
SCP-XXX-JP-2: マキちゃんが私の事を絵にしてくれたんだよ。
青山研究員: マキちゃんとは飼い主のことですか?
SCP-XXX-JP-2: そう。いつも私のことを思ってくれている最高のパートナーだね。ね、マキちゃん。[SCP-XXX-JP-2に頭を擦り付ける]
青山研究員: SCP-XXX-JP-1が飼い主のイラストなのですね。どのような人物であったかを可能な範囲で教えてもらえますか?
SCP-XXX-JP-2: 至って普通の子だよ。特に変わった様子も無いし。好きな食べ物はケーキなんだけど、中でもモンブランとベイクドチーズケーキが好きで…。[以下、重要性の低い情報の為省略]
青山研究員: 分かりました。ありがとうございます。ごく普通の少女であった飼い主が何故、あなたを異常性のあるイラストにすることが出来たのかは分かりますか?
SCP-XXX-JP-2: [5秒間沈黙]知らない。
青山研究員: では、飼い主がSCP-XXX-JP-1を絵にした理由は知っていますか?
SCP-XXX-JP-2: 私が寿命で死んじゃいそうな時、私を描いてくれたの。ずっと一緒にいるためって言ってたよ。そして、ふと目が覚めたらマキちゃんがいたの。
青山研究員: SCP-XXX-JP-1のことですね。SCP-XXX-JP-2の呼びかけに対して反応が無いようですが。
SCP-XXX-JP-2: 前は私と一緒に遊んでくれたんだよ。でも、最近はずっと寝てるの。なんでだろう。起きてよ。[SCP-XXX-JP-1の周辺を徘徊する]
青山研究員: 眠り続けているというより、死亡しているように見えますが。
SCP-XXX-JP-2: 変なこと言わないでよ。最近まで元気だったんだから。今は寝てるだけ。
青山研究員: SCP-XXX-JP-2の飼い主と思われる少女は原因不明の心肺停止に陥り、6日前に死亡しています。それと何か関係はないのですか?
SCP-XXX-JP-2: 嘘つかないで。マキちゃんは元気に決まってるでしょ。
青山研究員: SCP-XXX-JP-1は棺に入った飼い主を見た覚えはありませんか?
SCP-XXX-JP-2: あれは寝てただけだよ。
<録音終了>
インタビュー#2
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: 青山研究員
<録音開始>
青山研究員: それでは始めます。SCP-XXX-JP-1、よろしいですか?
SCP-XXX-JP-2: いいよ。
青山研究員: SCP-XXX-JP-1の変化の経過についてです。以前と比較してSCP-XXX-JP-1の頬は痩け、目も窪み、頭蓋骨の一部も露出しているように見えます。徐々に腐敗が進行しているようなイラストに変化していますが、本当に眠っているだけなのですか?
SCP-XXX-JP-2: [SCP-XXX-JP-1の肩を叩く]マキちゃんは寝てるんだ。寝てるんだ。でも、寝過ぎは良くないから起こさないと。
青山研究員: 分かりました。こちらではSCP-XXX-JP-1の変化は外見上でしか確認されていませんが、SCP-XXX-JP-2から観察して以前と変化している様子は他にありますか?
SCP-XXX-JP-2: ちょっと前とは違う匂いがする。寝てばかりでお風呂に入ってないからだね。私が入れてあげないと。マキちゃんは仕方ない子だな。
青山研究員: イラストであるSCP-XXX-JP-1が入浴をしていたことはなかったはずです。
SCP-XXX-JP-2: じゃあなんで?なんでマキちゃんの匂いは変わっちゃったの?なんで肌の色が変わっちゃったの?なんで起きてくれないの?
青山研究員: 私はSCP-XXX-JP-1は死亡しており、腐敗の経過を辿っていると考えています。
SCP-XXX-JP-2: [涙を流し始める]
青山研究員: SCP-XXX-JP-2、どうかしましたか?
SCP-XXX-JP-2: 起きてよ、マキちゃん。置いていかないで。私も寂しくて死んじゃうよ。
SCP-XXX-JP-2: ねえ、白衣の人。私はどうしたらいいの?教えてよ。もう耐えられないよ。マキちゃんを助けて。
青山研究員: 残念ながら、現状ではSCP-XXX-JP-1の変化を止めること方法は見つかっていません。
SCP-XXX-JP-2: [SCP-XXX-JP-1に頭を擦り付ける]ああ。私はどうしたらいいの。悲しいよ。悲しいよ。白衣の人、私は悲しいよ。
青山研究員: そうですか。本日のインタビューは以上です。ありがとうございました。
SCP-XXX-JP-2: [沈黙]
<録音終了>
補遺SCP-XXX-JP: インタビュー#2を行った約72時間後、SCP-XXX-JP-2へのインタビューを担当していた青山研究員が原因不明の心肺停止状態に陥り、後に死亡が確認されました。それと同時にSCP-XXX-JP-1は白骨化した少女のイラストから白衣を着た男性のイラストに変化しました。また、SCP-XXX-JPの文章も一部改変されており、50ページ目に飼い主がサイト-8149でSCP-XXX-JP-2にインタビューをしたという不自然な記述があります。これを受け、サイト-8149の責任者によりオブジェクトクラスの見直しが申請されました。
以下は青山研究員の死亡後に行われたインタビュー記録です。
インタビュー#3
対象: SCP-XXX-JP-2
インタビュアー: 中島博士
<録音開始>
中島博士: 青山研究員が謎の死を遂げた後、SCP-XXX-JP-1が白衣を着た男性のイラストに変化しました。イラストの特徴からSCP-XXX-JP-1のモデルは青山研究員であると考えられますが、何か心当たりはありますか?
SCP-XXX-JP-2: 青山研究員ってシンちゃんのことね。シンちゃんは私の飼い主だったの。この絵日記を書いてくれたのも、私を動けるようにしてくれたのもシンちゃんなんだ。
中島博士: 以前のインタビューではマキという人物が飼い主と言っていたはずです。また、青山研究員はペットを飼っていませんでした。その発言が偽りであることは明白です。
SCP-XXX-JP-2: [涙を流す]偽り?酷いよ。そんなこと言うなんて。全部本当のことなのに。証拠としてシンちゃんのこと詳しく話してあげるね。好きな食べ物はケーキなんだけど、中でもモンブランとベイクドチーズケーキが好きで…。
中島博士: 彼の好物は焼き鳥です。居酒屋で日本酒と共によく注文していました。そして、甘いものは苦手です。
SCP-XXX-JP-2: そうだっけ。間違えちゃった。あはは。
中島博士: [10秒間沈黙]単刀直入に聞きます、青山研究員の死にSCP-XXX-JP-2は関係していますか?
SCP-XXX-JP-2: えっ、シンちゃん死んじゃったの?そんな、もう二度と会えないなんて悲しいよー。寂しくて死んじゃうよー。
中島博士: もう結構です。インタビューを終了します。
SCP-XXX-JP-2: あなたも同情してくれないんだね。つまんない。
中島博士: する余地がないだろ。
SCP-XXX-JP-2: もういいや。またね、コウちゃん。
<記録終了>
あなたは私を寂しくさせないよね?